アルカディア争奪戦⑨〜ほしぞらのしたで
「捕ったどーっ!」
ざぱんと水しぶきを挙げて健康的に肌を焼いた一人の超人がぴちぴち水しぶきを散らす魚を貫いた銛を天に突きあげる。
「さーてと、シジミ、アサリ、ハマグ……流石に海の貝は取れなかったけど、あたしの壮行会用の食材はこんなとこでいいかな」
誰かが居れば自分で自分の壮行会の食材を集めてるというところにツッコミが入りそうな気もするが、ついこんなことをしてしまうのも、スーパーよいこランドのきのこを食べて育った超人「スーパーよいこ」であるからなのであろう。
「ふぅ」
いささか育ちすぎだろと言われそうな大きすぎるおっぱいから滴る雫が手をかけた側、湖の縁を濡らす。このスーパーよいこは発育のよいこでもあった。
「んじゃ、帰りますかねっと……大漁大漁♪」
湖を出た軽く体を拭いてから木の枝に引っかけていた衣服を纏うと本日の成果を入れた籠を背負い、旅立ちを間近に控えたよいこは生まれ育った町へと歩き出したのだった。
「と、言うことでぇスーパーよいこランドにある町の一つからひとりのスーパーよいこのひとが出立しようとしているようなんですよぉ」
これもブルーアルカディアの世界、自身らの住むスーパーよいこランドを侵攻しているマグナ聖帝国と戦う為であるそうで、町では出立を祝う盛大な壮行会が催されようとしているとのこと。
「出立の決意を固められたのはぁ、シェルトさんという女の子ですねぇ」
カレン・ソウゲツ(サイボーグのハイウェイスター・f36589)によるとスーパーよいこはよいこではあるものの、猟兵に匹敵する強さとユーベルコードを持ち、シェルトもこの例に漏れないのだとか。
「屍人帝国と戦うために立ち上がってくれるというのも心強いことですしぃ」
出立を祝う壮行会に参加し、シェルトが勇士になれるよう応援してみるのもいかもしれない。
「壮行会は夜、星空の下で行われるようですねぇ。壮行会の参加者も皆さんよいこですのでぇ、知らない人が参加しても歓迎してくれるみたいですよぉ?」
今にも落ちてきそうな星空の下、旅立たんとするスーパーよいこは何を思うのか。この集いに足を運ぶかどうかは君たち次第だ。
聖山 葵
こう、「~のよいこ」って一口に言っても色々ありますよね?
と言う訳で、今回もマグナ聖帝国の侵攻に抗う戦いに出立する決意を固め旅立つスーパーよいこの壮行会にお邪魔し、旅立つよいこを応援していただくお話となります。
・スーパーよいこ「シェルト」
スーパーよいこランドのきのこを食べて育った超人「スーパーよいこ」の一人で、発育的な意味でちょっと育ちすぎ疑惑もあるこ。泳ぐことが好きで、銛を用いた漁や貝拾いなどで集めた食材を料理するのが趣味。スーパーよいこランドのきのこも好きだが、魚介類も好物だとか。
尚、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になるようです。
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プレイングボーナス……よいこが勇士になれるよう応援する。
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また、このシナリオで、旅立つスーパーよいこは猟兵になることが可能です。ご自身の猟兵とすることを望まれる場合、プレイング冒頭に「🍄猟兵化希望」の記載をしてください。
記載をされた方の内おひとりの方に「このスーパーよいこを猟兵にする権利」を差し上げます。(当選者はリプレイ内で告知)
ではご参加お待ちしておりますね。
第1章 日常
『星空の海』
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POW : 流れ星を探す
SPD : 流れ星を探す
WIZ : 流れ星を探す
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
折角ですし、お邪魔させて頂きますぅ。
魚介とキノコ料理は御用意されているみたいですねぇ。
『FTS』から食材を準備、【豊饒佳饌】を発動し[料理]と[グルメ知識]を強化、様々な『肉料理』をご用意し壮行会に差入れしましょう。
その上で、問題の無い範囲でお食事させて頂けましたら。
後は、里の方やシェルトさんから「この辺りのキノコ」を幾らか買取らせて頂けますと、彼女の旅費にも出来るでしょうし、有難いですねぇ。
ひと段落しましたら、彼女から『旅立ちの不安』等をお聞きしましょう。
体型的に、同じく「育ち過ぎ」の私でしたら、特有の悩み等もご相談に乗れるのではないかとぉ。
ご活躍、応援致しますねぇ。
アプリコット・グレングリン
あなたもスーパーよいこなんですねっ。よかったですっ。マグナ聖帝国の侵攻に、こんなに心強いよいこの方が味方にいるなんてっ。ありがとうございますっ。
申し遅れましたっ。私はアプリコットですっ。こちら、村で採れたきのこのおすそ分けですっ。どうぞどうぞ遠慮なく、いいことして当然のことをしたまでっ。
よければこの小型飛空艇で星を見にいきましょうっ。大丈夫ですっ、二人乗りできるテクを知ってますからっ。
この綺麗な星空を守れるかは、あなたと、私の頑張りにかかってますよっ。えいえいおーっ、ですっ!!
アグリ・コルトーレ
🍄猟兵化希望
「今度の方は漁が得意みたいですね、サバイバルとかも強そうですね」
では早速応援に向かいましょう♪
「始めまして、出立おめでとうございます♪」
差し入れに自家製の果物の盛り合わせを持って参加します
見た目的には近いですし親近感も沸きそうです(日焼け肌&爆乳など)
「出発する為にも元気をつけていきましょうね、この果物とかもお薦めですよ」
「旅立つ上で気になることとかありますか?何かあれば気軽に聞いてくださいね」
猟兵として手伝える事やアドバイスできればいいですね
選別として麦わら帽子をプレゼントです♪
「きっとシェルトさんは強くなれますよ♪応援させていただきます」
ネタやアドリブは歓迎です♪
「あなたもスーパーよいこなんですねっ」
迷うことなく一直線に壮行会の会場に向かい、この日の主役にそう声をかけるつもりだったアプリコット・グレングリン(ひせキノコころ・f38472)の足が止まったのは、きっと必然だった。
「……うそっ」
ポツリ漏らして見開いた目に映るのは、つい先日、アプリコットが生まれ育った村を旅立つ壮行会で見た顔。
「またお会いしましたねぇ」
「お元気でしたか?」
先方も気づいたのだろう。声をかけてきた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)とアグリ・コルトーレ(麦わら帽子の恩返し・f27860)へ「またお会いできるなんてっ」とアプリコットは感動で震え。
「では早速応援に向かいましょう♪」
「ええ。折角ですし、このままお邪魔させて頂きましょう」
再会を喜ぶアプリコットに付き合ったアグリとるこるの二人はその足で壮行会の会場へと向かう。
「魚介とキノコ料理は御用意されているみたいですねぇ」
「材料は今度の方が用意したんでしたか。漁が得意みたいですね、サバイバルとかも強そうですし」
星が瞬く屋外、湯気の立つ料理にるこるたちの目が向いたのは、食材を用意したのが本日の主役その人であることを知らされていたこともあるのだろうか。
「……この辺りなら大丈夫そうですねぇ。大いなる豊饒の女神、豊かなる恵みを齎す叡智をお貸しくださいませ」
ただ、ここからの行動は別々だった。足を止めたるこるは会場の片隅、壮行会の邪魔にならない場所まで移動すると、浮遊する6基の宝玉を用いて亜空間倉庫から次々食材を取り出すや、自らの料理の腕前とグルメにまつわる知識を高めて調理を始め。
「こっちはもう焼き上がりですねぇ。これぐらいレアも美味しいですけど、もうちょっと火を通した方が良いですねぇ」
手際よく作り上げられてゆくのは様々な肉料理。壮行会で供される料理が魚介系メインであるのでバランスをとったのかもしれず。
「初めまして、出立おめでとうございます♪」
「ありがと、それで初めましてっと」
るこるが調理を続けている中、アグリとアプリコットはこの宴の主役であるスーパーよいこ、シェルトと対面を果たしていた。
「この町の人じゃないね? ええと」
「あなたもスーパーよいこなんですねっ」
「あなたも……ってことはあんたも?」
言葉を探すシェルトの両手を掴んで言ったアプリコットは問い返してきたシェルトにはいっと元気に首肯して見せ。
「よかったですっ。マグナ聖帝国の侵攻に、こんなに心強いよいこの方が味方にいるなんてっ。ありがとうございますっ」
テンション高く掴んだままの両手を振れば、ぽよんぽよん跳ねる四つの膨らみに成り行きを見守っていた町の人の中からおおっとどよめきが漏れた。
「マンマミーア」
「ドキドーキ」
相変わらずアプリコットはそんな一部のギャラリーの反応に気づいていないようではあったが、思わず反応してしまった男たちには女性陣からもれなく冷ややかな視線が送られ。
「よろしければこちらをどうぞ」
「おお、これはすみませんな」
それとは別にアグリは持参してきた自家製の果物の盛り合わせを差し入れて町民の一人らしき老人に頭を下げられていて。
「申し遅れましたっ。私はアプリコットですっ。こちら、村で採れたきのこのおすそ分けですっ」
「って、いいのかい?」
差し入れが料理の近くに並べられる間に自己紹介を始めたアプリコットがきのこを差し出すとそこはシェルトもスーパーよいこの一人。丸くした目の色を変えて尋ね。
「どうぞどうぞ遠慮なく、いいことして当然のことをしたまでっ」
「ありがとう。それじゃいただくよ。代わりっていうのあれだけど、こっちの料理も食べてってね」
「出発する為にも元気をつけていきましょうね、この果物とかもお薦めですよ」
笑顔で応じるアプリコットにシェルトも料理を勧め、そこに持参した果物の一部をもってアグリが戻って来れば。
「こちらもどうぞ、焼き立てですよぉ」
調理を終えたるこるが肉料理をいくつか持って現れ。
「じゃあ、ひとまずご飯にしますかー」
星空の下、言葉はいらない。と言うか口に運ぶ料理で幾人かは喋れず。空になった皿だけが積み重なっていって。
「ふぅ、ごちそうさまでしたぁ」
問題ない程度のお食事で、るこるがはちきれんばかりにお腹を膨らませて夜空を仰いだ。
「きれいな星空ですねぇ。話は変わりますけどぉ」
近くにいた町の人を呼び止め、「この辺りのキノコ」を幾らか買取りたいと申し出たのはシェルトの旅費を工面するためで。
「そういうことでしたら」
事情を聴いた町の人が二つ返事で快諾する中。
「よければこの小型飛空艇で星を見にいきましょうっ。大丈夫ですっ、二人乗りできるテクを知ってますからっ」
アプリコットは持ち出してきた小型飛空艇を示し、シェルトを空へと誘っていた。
「んー、じゃあお言葉に甘えようかな。え、『善は急げですっ』って? ちょっ」
「楽しそうですね」
アグリは二人の姿に親近感を抱きつつ微笑まし気にこれを眺めていた。
「この綺麗な星空を守れるかは、あなたと、私の頑張りにかかってますよっ。えいえいおーっ、ですっ!!」
「……ありがとね」
夜空に飛空艇を二人乗りし、アプリコットなりに送るエールにシェルトが応じている時も。
「旅立つ上で気になることとかありますか? 何かあれば気軽に聞いてくださいね」
やがて二人が会場に戻って来れば今度はアグリが話を振って。
「そうですねぇ。私たちでよろしければ相談に乗りますよぉ」
体型的に同じく育ち過ぎの自分なら、特有の悩み等も相談に乗れるのではないかとも思ったのだろう。るこるも相槌を打ってシェルトの方を見て。
「あー、まぁ、確かにこういうことは先達に聞くに限るかもね。じゃあ――」
得心もいったのだろう。いくつか質問してきたシェルトにるこるとともに回答をした後で。
「ご活躍、応援致しますねぇ」
「きっとシェルトさんは強くなれますよ♪応援させていただきます」
るこるに続く形、笑顔で請け負いつつアグリは餞別に麦わら帽子を手渡して。
「すっかり世話になっちゃったね。あのさ」
星の降る下で、シェルトはアグリに尋ねる。
「また、会えるよね? 今日の、お礼とかしたいからさ」
「はい」
破顔したままのアグリはすぐに頷いて、門出を祝うように夜空にまた星が流れ。この翌朝、シェルトは生まれ故郷を旅立つこととなるのだった。
(判定の結果、アグリ・コルトーレ(麦わら帽子の恩返し・f27860)が「このスーパーよいこを猟兵にする権利」を手に入れました)
大成功
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