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アルカディア争奪戦⑦〜金城楼閣、燦然

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「諸君! 輝く黄金の信奉者達よ! 我々は退路を断たれた!」
 白金色の砦の頂上で声を張り上げるのは、怪しげな黒いフードを被った女性。
 そして、それを見上げる男女の全員が、彼女と寸分狂わぬ同じ出で立ち。
 肌は極限まで青ざめ、金のナイフを下げている。明らかに普通の集団ではない。
「だが我々にはまだ『コルディリネ』に賜った、この不落の城塞がある! 今こそ庇護に報いよ、諸君!」
 一斉に掲げられた金色のナイフが蒼天に煌めけば、女性は口元の狂喜を一層深くする。
「我々『天空の黄金教』はこの地より、戦乱の世を浄化するのだ!」


「アルカディア争奪戦、お疲れ様だ。今回は、あの『エンケロニ帝国』の浮遊大陸を攻略して貰う」
 飛空艇船団の一隻、その甲板。
 目の前の浮遊大陸を眺める猟兵達に、ソフィア・バーナード(スカイセンチュリオン・f11158)が声を掛けた。
「あの浮遊大陸全体が、白く輝く不思議な物質で構成されているのが見えるだろう? あれは破壊不可能の『絶対物質エンケロニ』だ」
『絶対物質エンケロニ』は浮遊大陸の中央に建つ巨大な城塞すらも構築している。
 このピラミッド状の厄介な建造物は屍人帝国『コルディリネ』のお膳建てか、この大陸の出現当時から存在しているらしく、同時に蘇ったオブリビオンの軍勢の格好の詰め所となっているようだ。

 蘇ったオブリビオン達を『天空の黄金教』という。
「もう既に滅びたカルト教団でな。全生物の黄金化による浄化を目的としているらしい。彼等の復活があまり知られていなかったのは、屍人帝国『コルディリネ』の庇護を受けていたからだろう」
 コルディリネにとっては、彼等は勇士達の攻勢を防ぎ止めるための、一時の防壁に過ぎない。
 だが、勇士達と船団の支援砲撃だけでは落とせない程に、この城塞が堅固なのは事実だ。教団員達も籠城の構えを見せている。
「奴らは浄化のためなら命すら惜しまない狂信者の集団だそうだ。ここで見過ごせば、後々、凶行に走るのは自明だな」
 地の利は確実に敵にある。だが彼等を撃破することができれば、コルディリネの戦力をかなり削げそうだ。
「いかに堅固な城砦でも、立てこもる人員までそうとは限るまい。この世界に滅びをもたらす前に、骸の海に帰って貰おう。頼んだぞ」


白妙
●戦争シナリオ
 これは戦争シナリオです。1章で完結します。

●プレイングボーナス
『|飛空艇艦隊《ガレオンフリート》の勇士達と協力して戦う』です。
 これに基づいた行動をするとプレイングボーナスが得られます。

●城塞
 長い階段と広大な踊り場を持つ、ジグラットを思わせる高い建物です。
 浮遊大陸も含め、破壊不可能な「絶対物質エンケロニ」で出来ています。
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第1章 集団戦 『金の尖兵『天空の黄金教教団員』』

POW   :    黄金のナイフ
【特攻による黄金のナイフ】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黄金化の呪い】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    浄化されしその身
【身に着けているフード】を脱ぎ、【動く黄金像】に変身する。武器「【浄化の杖】」と戦闘力増加を得るが、解除するまで毎秒理性を喪失する。
WIZ   :    輝きし蟲
対象の周りにレベル×1体の【黄金の蟲】を召喚する。[黄金の蟲]は対象の思念に従い忠実に戦うが、一撃で消滅する。

イラスト:ふくろう

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フォルク・リア
「破壊不可能な物質。
実際にどんなものか確かめたくはあるけど。
今は後回しかな。」

飛空艇艦隊に
「先に俺が砦に潜入して敵を外に追い出すから
其処を攻撃して欲しい。」と伝え
事前に飛空艇から砦の構造を確認し潜入。

出入り口付近で隠れ敵の様子を確認。
見張りが一人または少数になったところで
フリージングエッジを使い【先制攻撃】
凍結させて声を上げられなくして氷の刃で【暗殺】。

服や持ち物を奪い変装し潜入。
砦中央付近に来たら真羅天掌を発動。
猛毒属性の霧を発生させ中央から侵食し
敵を追い出す。
「強度が高いなら霧も中に留まりやすい筈。
毒に侵されれるも外で飛空艇の攻撃を受けるのも良しだ。」

襲ってくる敵は蟲ごと毒で攻撃して倒す。



 包囲を完了した|飛空艇艦隊《ガレオンフリート》ではあるが、さりとて鉄壁の城塞を攻略する術は無く、戦いは膠着の様相を呈し始めていた。
 しかしであればこそ、艦隊の隙間を抜け、ゆっくりと旋回しながら偵察する、一隻の快速飛空艇の動きにオブリビオン達が気付く事は無い。
「先に俺が砦に潜入しよう。敵を外に追い出すから、君たちは其処を攻撃して欲しい」
「わかった」
 そこに乗っていたのはフォルク・リア(黄泉への導・f05375)。目的は、戦況に埒を開ける為、事前に砦の構造を確かめる為であった。
 眼下には、眩しく太陽を照り返す城砦。空からならば、その構造は手に取るようにわかる。
「着いたぞ。敵の死角ギリギリ。気を付けろよ」
「ああ」
 飛空艇の接弦と同時に純白のローブを翻し、船の欄干を飛び越す。
 着陸を果たしたフォルクは迅速に障害物を伝い、あっという間に城砦の出入り口付近へと到達した。
「……」
 見張りが一人。物陰から様子を窺うも、中々動かない。
 だがフォルクが見る限り、彼は侵入者を警戒するというよりは、頭上に展開する船団の砲撃に対応しようとしているようにも見える。
(「無理も無いか」)
 フォルクにとっては好都合。
 取り出した一粒の宝石がきらりと輝けば、途端に見張りが驚愕の表情を浮かべる。
 彼の口を冷気で凍らせ塞いだのは、サファイアに込められた死霊が操る氷雪の力。
 間髪入れずにフォルクは接近。その手に生成されていたのは、一本の氷刃――ナイフだ。
「――」
 最小のモーションで回り込み喉を切り裂けば、男は音も無く崩れ落ちる。
 暗殺成功。黒衣を剥ぎ取り身に纏えば、もうフォルクの姿は他の教団員と見分けがつかない。
 階段を上り、潜入を果たす。
 ピラミッド型の城砦の内部は思った以上に広い。
 行き交う教団員とすれ違いながら、フォルクは思わず独り言つ。
「……破壊不可能な物質、か」
 周囲の壁を構成するのは、全て「絶対物質エンケロニ」。それは様々な魔術に通じ、研究者としての顔も持つフォルクにとって、無視できない品だ。
「実際にどんなものか確かめたくはあるけど。今は後回しかな」
 少しでも持ち帰る事に成功すれば研究に寄与するかも知れないが、そこは不壊の物質。安んじて諦め、フォルクは目の前の任務へと意識を切り替える。
「……わかりやすいものだね」
 やがて小部屋のような場所に出れば、フォルクは思わず肩を竦めてほくそ笑んだ。
 これ見よがしに置かれた祭壇。そこでは数人の教団員が儀式をしている。雰囲気からして、おそらくは砦の中央部に辿り付いたと見て良いだろう。
 フォルクは足元に書かれた魔法陣の中央につかつかと進み出ると、そのまま周囲が制する間も与えずに、自身のユーベルコードを行使した。
 制御成功。たちまち周囲を包んだのは――猛毒属性の霧。突然の事態に口を抑える間もなく、数人の教団員がその場に倒れ込んだ。
「き、貴様、正気か……!?」
「強度が高いなら霧も中に留まりやすい筈。毒に侵されれるも、外で飛空艇の攻撃を受けるのも良しだ」
 フォルクの言う通り、猛毒の霧は城砦内部をたちまち制圧していた。その場の教団員は残らず逃げ去るも、少し時間が経ち、建物を轟音が揺らし始める。手筈通り、艦隊が外に出た彼等に砲撃を加えたのだろう。
 飛び交う悲鳴と怒号の中、フォルク一人が冷静だ。彼がこの場をキープしている限り、狂信者達の被害は増していく。
 だが、そうはさせまいと、袖で口を押さえた数人の狂信者が、祭壇の間に突入する。
「食らえ!」
 羽音と共に殺到するのは黄金の蟲の群れ。それをフォルクは避けようともせず、再度毒霧を展開した。
 金の蟲達を次々地に墜とす毒々しい色の霧。それは慌てる教団員すらも呑み込み、逃げる隙も与えずに沈黙させるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィロメーラ・アステール
肩を並べて戦うばかりが協力じゃないぜ!
異なる場所で全力を尽くす!
これもまた力を合わせる姿さ!

というわけで城砦に潜入するぞー!
光を屈折させて物を隠す効果、いわゆる光学迷彩を用いて城砦に忍び込み、内側から混乱させる作戦よ!

忍び込めたら【超時空耀星】を発動!
これは第六感に訴えかける存在感を放ち、敵の気を惹く技だ!

なんか潜入されてる? ヤバくね!?
と、捜索用の人員を割かせたり、戦闘への集中力を殺ぐ感じ!
逃げ回って、味方が狙ってくれそうな所へ誘い出すのもいいな!
理性がなくなったら一層ひっかかるのでは!?

『星装《ふれあ》』の火属性攻撃も使えそうだぞ!
城砦は壊せなくても、後から置かれた物資は燃やせるぜ!


夜刀神・鏡介
真に破壊不能であれば加工もできないと思うが、この城砦はどうやって生まれたんだ?
まさか自然発生って事はあるまいが……まあ、今考えても仕方ないか

高い建物の城砦。敵に高所を取られるのは少々面倒だから、飛空艇を使って高所から突入だ
のんびりしてると敵も集まるだろうから、甲板から飛び降りるくらいの勢いでいく

着地したなら、まずは周囲の敵を手早く片付ける。利剣を抜いて、捌の型【水鏡】
先手を取れるなら即座に攻撃、敵の方が早ければ突撃をいなして反撃で切り倒す
一通り倒したなら、勇士達は普通に縄梯子なりを使って降りて貰えればいいだろう

その後は内部へ侵入。不意打ちを受けないよう、分岐路などでは特に警戒して進もう



 四方を囲むエンケロニ製の壁を揺らす砲声に、徐々に剣戟の音が混ざり始める。
(「お、始まったな?」)
 場所は敵陣の奥深く、騒然とする砦の内部で、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は他の猟兵達の活動開始を察する。
 周囲の光を屈折させ、光学迷彩の要領で姿を隠した彼女を察知できた狂信者は、ここまで一人もいなかった。
 今のフィロメーラはまさに、教団にとってのトロイの木馬だ。
(「肩を並べて戦うばかりが協力じゃないぜ! 異なる場所で全力を尽くす! これもまた力を合わせる姿さ!」)
 時空すらも超える星の瞬きが、暗闇の中で一瞬だけ瞬いた。

 ちょうどその頃、城塞の頂上に近い場所。
 抗戦していた狂信者達が、城内に向けて一斉に振り向く。
 ただならぬ存在感。それに対して広がる動揺。
 続く反応は様々だった。周囲を見回す者も居れば、戦闘への集中力を削がれる者も居る。
 だが全員が一様に、無視出来ない侵入者への不安に駆られていた。
 根拠などない。何故ならフィロメーラの|超時空耀星《マクロスターダム》は視覚ではなく、第六感を刺激する。
 そこに何者かが潜んでいるから恐ろしいのではない。何か潜んでいるかわからないからこそ恐ろしいのだ。
『おい……』
『……ああ』
 統領らしい女性が数人の捜索隊を派遣する。だが、その程度で味方の動揺が収まる訳はなく――飛空艇の甲板からの、一人の猟兵の降下を許す。
「――はっ!」
「我が太刀は鏡の如く――捌の型【水鏡】」
 狂信者達が反応した瞬間、既に高空の陽光を照り返し、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)の利剣は鞘から迸っていた。
 咄嗟の動きで金ナイフを振り翳し、八方から鏡介へと迫る狂信者達。だがその動きが誘導されたものである事に、彼等が気付くことは無かった。
 即座に返される。待ち受けるように描かれる基礎の円弧が。
 噴き出す血潮。鏡介の僅かな動きを前に、その場の全てのオブリビオンは突撃を往なされ、絶命した。
「よし、潜入だ」
 首領を倒され広がる動揺。それはオブリビオン達にとって、致命的なものであった。
 すかさず飛空艇から縄梯子が垂らされ、それを伝って数十人の勇士達が城塞に降り立ったからだ。
 狂信者達を倒しながらも、彼等を鏡介は砦内部へと先導するのだった。

 鏡介を先頭に、勇士達が城塞の内部を進む。
(「真に破壊不能であれば加工もできないと思うが、この城砦はどうやって生まれたんだ?」)
 寝起きが出来る場所もあれば集会場のような場所もある。その光景を前に、鏡介は思わずそんな事を思う。
(「まさか自然発生って事はあるまいが……まあ、今考えても仕方ないか」)
 確かなのは、様々な施設を備えたこの砦は、表の防御力もさることながら、内部に戦力を蓄える力も大きいという事だ。ここを制さなければ制圧は敵うまい。
 一太刀につき一殺。冷静に対応する太刀を返す鏡介を迎え討つように、広間に集まった狂信者達が一斉にフードを脱ぐ。
 だがその時、黄金像と化した彼等の視界の端で、光が瞬いた。
『――』
 光を追い黄金像たちが振り向けば、視界の先で、木箱が、ベッドが、備え付けの器具が一斉に燃え上がる。
 理性を失った彼等の頭に、もう勇士達の事など存在しない。ある者は光を追い、またある者は炎を消そうと躍起になり――即座に部屋へと突入した鏡介によって倒される。
「……」
 鏡介も気付いていた。降り立つ前から今に至るまで、敵を内側から混乱させる存在が潜んでいる事を。
 そして今も暗闇の中からその存在――そう、例えるなら自分達の側についた妖精――が、こちらに向けてサムズアップしたような気がしてならないのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・フェアリィハート
アドリブ連携歓迎

これが
絶対物質エンケロニ…
それで出来た城塞…

『にしても…全ての生き物を黄金にするなんて…させません…!』

【WIZ】

味方や
飛空艇艦隊の勇士さん達と
連携・共闘

敵に囲まれぬ様
立回り

自身の魔鍵
『クイーンオブハートキー』を使い
【ハートのA(アリス)】も
展開
【破魔】の【属性攻撃】を込めた
【全力魔法】に
魔力【誘導弾】の【一斉発射】【範囲攻撃】や
UCで
味方や
勇士さん達の武装を
氷雪の魔力で攻撃強化したり
魔法の氷晶鎧で防御強化
しつつ
猛吹雪を起こし
味方・勇士さん達を援護や
敵を攻撃

『勇士さん達、微力ながら私達もお力添えします…!』

敵の攻撃は
【第六感】【見切り】【残像】
【結界術】【オーラ防御】で
防御行動


カーバンクル・スカルン
破壊不可能の絶対物質で作られた城塞ね……つまり派手に暴れてもぶっ壊れない、ってことでしょ? あの城を破壊しろって言うなら大変だけど、そこに詰めてる敵はそうじゃないんだからいつもとやることは同じさ!

勇士の皆さんには砲撃を城塞に向かってとにかく撃ってもらって、物体が近づいてくる圧力と音で敵を威嚇してもらう。その間に私は【輪火風変形】で履いたグリーブを使って城塞内に乗り込んで敵がけしかけてきた虫や黄金のナイフ、杖を全部焼き尽くす!

黄金は鋳造し直して、武器以外の使い方をさせてもらうよ! 呪いが解ければの話だけどなぁ!


国栖ヶ谷・鈴鹿
◎アドリブ連携OKです

よし!ガレオンフリートのみんなは砲撃支援!城砦に取り付くまで陽動をお願い!

城砦にたどり着いたら、ぼくの出番!
ユーベルコヲド新世界ユウトピア!
襲いかかってくる全員を黄金純度を上昇させて、一気に純金にするよ!

純度の高い金は硬度が低いから、銃弾でも余裕で打ち抜けるし、何より、動きや重量そのもので影響が出てるんじゃない?

勇士と合流して、数で一気に押し込んで殲滅しちゃおう!
それにしてもこの物質、どんな構造なんだろう?
ちょうどいいので持ち帰れないかな?



 砲弾が城壁で爆ぜ、煌めく矢弾と魔法が城塞に降り注ぐ。
 眼下に広がる白金色の砦は、否、浮遊大陸は、|飛空艇艦隊《ガレオンフリート》の猛射を前にびくともしない。
 城砦に立て籠もる『天空の黄金教教団員』達は、近くの壁を盾にしつつ、逆に蟲や呪いを撃ち込んで来る。
 だが彼等は不死でもなければ、全く恐れを感じない訳でもない。
「よし! |飛空艇艦隊《ガレオンフリート》のみんなは砲撃支援! 城砦に取り付くまで陽動をお願い!」
「砲撃で威嚇するだけでもいいわ! 今すぐ私達が乗り込むから!」
 船上で勇士達を鼓舞するのは、国栖ヶ谷・鈴鹿(命短し恋せよ乙女ハイカラさん・f23254)とカーバンクル・スカルン(クリスタリアンのスクラップビルダー?・f12355)。
 いかに砦が固くとも、立て籠もる人員がそうでないならば、挑むべきは直接乗り込んでの戦闘。その点において、この場の猟兵全てが同じ考えだ。
「つまり、いつもとやることは同じさ!」
「そうだね、頑張ろう!」
 カーバンクルと鈴鹿の隣では、アリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)が眼下を見遣っていた。
「これが絶対物質エンケロニ……それで出来た城塞……」
 砦のあちこちで上がる砲煙。だがそれが晴れた地点に、破壊の跡は全く見られない。
 エンケロニが決して砕けないとの触れ込みは、どうやら正しかったようだ。
「どんな構造なんだろう」
 そのあまりの防御力の高さに鈴鹿も目を見開く。持ち帰ることは難しいかも知れないが、発明の才能を持つ彼女の手にかかれば、組成の分析も不可能では無いかも知れない。
「にしても……全ての生き物を黄金にするなんて……させません……!」
 一度金にされてしまえば、生物は死に絶えるか、もしくは歪な生を送ることになるだろう。教団の野望は、決して許されるものではない。
 拳を握り込み、きゅっと眉根を寄せてアリスが宣言すれば、他の2人も同意するように視線を交わす。
「よし、正面から突っ込むよ!」
 両足にグリーブを装着し終え、カーバンクルが立ち上がる。
 仕掛けるなら、砲撃が続いている今だ。
 猟兵達はお互いのタイミングを計り、一斉に降下を開始するのだった。


 音と圧力、そして焦熱の中、その流れに紛れ、城壁を取り付くようにして移動する影があった。
 艦砲射撃の威嚇能力は猟兵達の想像以上だった。砦の入口に辿り着いた鈴鹿に、教団員の数人がようやく気付く。
『おい、居たぞ!』
『包囲しろ!』
 口々にそう言い立て、敵が黒いフードを脱いだ時、既にその下は黄金の像と化していた。
 奇怪極まりない光景。自身等の奉じる金に体を変性させるこのユーベルコードに、教団員達は絶対の自信を持っているのだろう。
 だが鈴鹿は口の端に笑みを浮かべる。目の前で起きている物質の変化をもたらしたのは、詰まるところ魂の変容。それは常に劇薬である事を、鈴鹿はより深く知っている。
「……ようこそ」
 じりじりと迫る敵を迎え入れるような言葉と共に。
 鈴鹿の身体が目映い後光を背負い、戦場全体を覆い尽くす。
 ユーベルコヲド|新世界ユウトピア《シャンバラー・ゲヱト》。
 理想の世界を構築するための、変革と改変の輝き。それは教団員達のさらなる変性を促し、瞬く間に純金の域へと昇華させた。
『な、なんだこれは……』
『体が重い……!』
 教団員の間から困惑の声が上がる。鈍る連携。そこへ差し込むように、すかさず鈴鹿は二挺の機関銃を斉射。連続する貫通音を立て、鉛の銃弾が黄金の体表に容易く穴を開ける。
「……うん、行ける! 銃弾でも十分貫ける!」
 純金。装飾品ならば兎も角、重く柔らかいその特性は実用に適さない金属と言える。敵の変性を逆手に取った、鈴鹿の機転の為せる業であった。
『放て! 残らず金にしてしまえ!』
「鈴鹿さん、支援します……!」
 戦闘音に反応し、増援が姿を現す。
 あちこちから響く羽音。送り込まれる黄金の蟲、しかし同時に、とんっ、と新たに砦内に降下したアリスが、その前に立ち塞がった。
 胸の前で手を組み合わせ、祈るような姿勢のアリスに向けて、まっすぐに飛んでいくそれらはしかし、目標に到達することは無かった。
 一群の輝く宝石が、その小さな体の周囲をぐるぐると飛び回り、殺到する蟲達をぴしぴしと叩き落とし始めたのだ。
 ハートの|A《アリス》。内側に虹や星々や花々を鏤めたそのジュエルは万象に有効な力を持つ。
 悪しき主たちに従っていた蟲達も、叩き落とされるや浄化され、煙となって掻き消えていく。
「そこっ!」
「させません……!」
 苦し紛れの殺到を見せる敵を鈴鹿の銃撃が阻めば、長大な金の鍵を掲げたアリスに応えるように、宝石が輝きを帯びる。
 たちまち戦場を制圧したのは、銃弾と魔法の弾丸の一斉射。
 二人の攻勢に敵群が気を取られた直後、一際大きな砲声に紛れて、さらにもう一つの影が降下する。
 ほぼ同時、その着地点に出現した巨大な炎の渦が、突進を開始した。
 輪火風変形――かの哪吒の力を発生させたのは、カーバンクルの脚に装着されたグリーブ。
 悲鳴と共に分断される敵群。炎に巻き込まれた教団員達が慌てて後退するも、反射的に振るったナイフは逆に溶かされ、金色の雫となって地面に滴るのだった。


 突撃の反動で体勢を立て直すと、カーバンクルはオブリビオンへと向き直る。
 彼女の後ろには多くの教団員達が倒れていた。戦闘を続行出来る者の中にも、武器を失ったものが少なくない。
「だいぶ効いてるみたいじゃない!」
『くそ、放て!!』
 再度、建物のあちこちから金色に輝く蟲の群れが飛来する。
 だがそれはもはや関係ない。今重要なのは、この幾ら暴れても壊れない砦の中で、敵対する全ての存在を焼き尽くすだけの熱量を、自身が帯びているか否かだ。
「黄金は鋳造し直して、武器以外の使い方をさせてもらうよ! もっとも……呪いが解ければの話だけどなぁ!!」
 カーバンクルの叫びと同時、一際巨大な炎の渦が、飛来した蟲を一瞬で消し飛ばす。
 そして、まだ猟兵側の攻勢は止まらない。
「みんな、行くよ! 数で一気に押し込んで殲滅しちゃおう!」
 飛空艇から降下した勇士達だ。いち早く動いた鈴鹿を先頭に一気に砦を駆け上がり、接近戦へと持ち込む。
 塗り替わる戦況。勝敗分岐点。それを押し広げるように、アリスが自身の手札を切る。
「勇士さん達、微力ながら私達もお力添えします……!」
 両腕を広げたアリスの髪色が、女王をも思わせる氷雪の髪色に変わり、そのあちこちにスノードロップの花が咲き誇る。
 同時にその背後から雪交じりの強烈な寒波が吹き上がり、後退しようとする教団員達のフードを肌に冷たく張り付かせた。
「これも……また、私の氷河期魔法です……!」
 す、元に戻ったアリスの横を、氷雪の鎧を纏った勇士達が駆けていく。強力な氷河期魔法は、同時に味方をも強化する攻防の一手。劣勢に追い込まれた教団員達達をさらに窮地に追い込むには十分だった。
「これで終わり!」
「ええ!」
 数度の蹂躙の末、最後の疾駆を決めるカーバンクル。巻き起こる炎の渦から逃れようとした最後の一体を、鈴鹿の銃弾が撃ち抜いた。
 かくして、当初あれほどの堅牢さを誇ったエンケロニの砦は、猟兵達と艦隊の連携により、完全に無力化されたのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年09月10日


挿絵イラスト