銀河帝国攻略戦㉖~不可解な謎
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銀河帝国の旗印、帝国旗艦インペリアル。
厳重な警備が敷かれて誰も立ち入らない一室の奥に、中央コンピューターが鎮座している。
グロテスクさがいささか度を越しているそれは、まるで機械の幹を持つ大樹のようだ。
冷たい鉄で出来た枝葉が伸びた先には、果実がわりのコンピューターユニットが無数にぶら下がっている。
畝るチューブの束も太く、頭部に直結されているのは紛れもなく生きた人間。
着古した白衣のよれよれ具合からは、いつからコンピューターに接続されているか判断できないが、スペースシップワールドの科学者や技術者たちであるのに間違いは無いだろう。
彼らと物理的に繋がった中央コンピューターのディスプレイは、ただ無機質に青白く光っている。
画面には、意図不明の希求——謎解きが記されていた。
もしも正解すれば何か望みが叶うのだろうか。
変態クイズ。
『クイズの答えは、変態の頭上に燦然と輝いている。
頭とは心を宿す機関なり。
この問い全体を隅々まで絶えず読み解けば、
自ずと道は拓き、貴方の望む正解へ辿り着くだろう』
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「スペースシップから拉致された有能な科学者や技術者の方々が、帝国旗艦インペリウムの科学技術センターで働かされていると判明いたしましたの……」
椀種・クルトン(浮き実の憂き身・f00365)が心配そうに言う。
旗艦内の科学技術センターについては、猟兵たちがアマルテア情報艦隊を突破できた故に、新しく得られた情報である。
「科学者さんや技術者さんは、生体コンピューターの部品として中央コンピューターの一部へ組み込まれていまして、無理やり引きはがしてしまうと……意識が焼ききれて死亡なさってしまいますの」
クルトンが、皆の目線の高さに浮いたまま、深々と頭を下げて頼み込む。
「どうかお願い申し上げます。多くの技術者さんや研究者さんを、安全に中央コンピューターから切り離して、無事に連れ帰ってきてくださいませ」
彼らは、元から優秀な技術者や研究者だったが、ドクター・オロチの研究に携わるコンピューターの一部とされていた事で、これまでのスペースシップワールドには存在しなかった高度な技術や知識を得ている可能性がある。
そんな彼らを救出する事ができれば、今後のスペースシップワールドの発展へ大きく役立つだろう。
雨都瑣枝
ご覧くださりありがとうございます、雨都です。
※このシナリオは、『戦争シナリオ』です。
1フラグメントで完結し、『銀河帝国攻略戦』の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
今回は、中央コンピューターのユニットにされた科学者や技術者の方々を助けてください。
中央コンピューターの出すクイズを解いて『正解』をお書きいただけたら、彼らを救い出すことができます。
●リプレイについて
今回は正解者様だけを執筆いたします。
悪しからずご了承くださいませ。
素敵なプレイング、楽しみにお待ちいたしております。
第1章 冒険
『中央コンピューターの謎かけ』
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POW : 総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、救出します。
SPD : 素早く謎の答えを導き出した後、救出した人のケアを行います。
WIZ : 明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、救出します。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
スターリィ・ゲイジー
しばらくあちこちの様子を見とったが、ここも難航しておるようじゃのう…
おのれオロチとやら、意地が悪い。
「変態の頭上」「頭とは心を宿す」としているのだから、「心が含まれるモノ」の上なのじゃろう。
「態あるものの上の光るを見よ」と。星見でそういう機会は多いが、果たして何か見えると…
【誰かがくれた希望】?
そうじゃ。希望を届けに来たのじゃ!だからさっさと開放してやってくれ!
これでいいのじゃろうか。
状況的に意識なさそうな感じじゃが…頑張って運ぶとするか。
意識ある人がいるなら、水筒に入れといたスープを分けて渡すのじゃ。エネルギー補給じゃ。
もうちょっとの辛抱だから、ひと心地ついたら出るのを手伝ってほしい。
●導き出された答え
「しばらくあちこちの様子を見とったが、ここも難航しておるようじゃのう……」
そう老成した物言いをしながら部屋へ入ってきたのは、スターリィ・ゲイジー(ほしをみあげるスターリィ・f06804)。
「おのれオロチとやら、意地が悪い」
乳白色のふさふさしたうさ耳と狼尻尾が可愛らしい、ウィザードのキマイラ女性だ。
「『変態の頭上』『頭とは心を宿す』としているのだから、『心が含まれるモノ』の上なのじゃろう」
スターリィは青く円らな瞳を瞬いて、中央コンピューターのディスプレイを覗き込む。
「つまりは『態あるものの上の光るを見よ』と。星見でそういう機会は多いが、果たして何か見えると……」
じっくりと問題文を分析していた彼女は、それが示す答えに潔く気づいた。
「【誰かがくれた希望】?」
変態の態の字の頭上、燦然と輝くものの姿を、確かに彼女は捉えていた。
「そうじゃ。希望を届けに来たのじゃ! だからさっさと開放してやってくれ!」
スターリィが喜色を浮かべて言い募れば、中央コンピューターのディスプレイに変化が。
『正解。ブレイクダウン』
かくて、中央コンピューターはその機能を全停止し、生体ユニットとの接続も安全に切断されたのだった。
「大丈夫か?」
スターリィが倒れた技術者に声をかければ、微かな呻きが返ってくる。
「ほれ、エネルギー補給じゃ」
スターリィは持参した水筒のスープをその技術者へ分け与えると、
「もうちょっとの辛抱だから、ひと心地ついたら出るのを手伝ってほしい」
そう言って、自分は意識のない科学者を小柄な頭も使って背負うのだった。
大成功
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