アルカディア争奪戦⑨〜熾火は赫く昌盛・アニマート
●スーパーよいこランド
きのこのこ、げんきのこ。
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)は、そう口ずさむ。
猟兵達は、あっ、とうとう……と思ったかも知れない。
日頃からオブリビオンの見せる凄惨な未来の予知。
それを予知し続けるグリモア猟兵には少なからず精神へのダメージがあるものである。それが蓄積し、今日という日に爆発したと思った。
だが、ナイアルテは柔らかく微笑んでいる。
あっ、これは本当にやばいやつでは?
「お集まり頂きありがとうございます。『スーパーよいこランド』の危機です」
何? なんて?
ナイアルテの告げる言葉。
マジカルなきのこでも食べてしまったかのような言動。
大丈夫だろうか。正気であろうか。
しかし、ナイアルテはそんな猟兵たちの訝しむ視線に慌てて頭を振る。
「ち、違います。違います。たしかにきのこは美味しさたっぷりですし、きのこパワーはすごいです。パスタにカレーもお鍋にも。色んな料理で重宝される味の素です。ですが、今回はそうではないのです」
本当に?
明らかに正気を疑う感じであったけれど。
「本当なのです。この『スーパーきのこランド』には、この浮遊大陸で自生しているきのこを食べて育った超人『スーパーよいこ』がいます。彼らの強さは皆さんに匹敵する程です。そこに着目したのが屍人帝国『マグナ聖帝国』なのです」
おそらく屍人帝国『マグナ聖帝国』の目的は、自生しているきのこによる大幅なパワーアップ。
この浮遊大陸が『マグナ聖帝国』に占拠されることがあってはオブリビオンの戦力増強は言うまでもない。
「敵は大軍勢を率いています。『ゴツメウサギ』と呼ばれる凶悪なオブリビオンが一斉に『スーパーよいこランド』に攻め入れば、如何に『スーパーよいこ』さんたちと言えど、ひとたまりもないでしょう」
よいこの種族を見捨てることもできない。
それに『マグナ聖帝国』をパワーアップさせるわけにもいかないのだ。ならば、猟兵達の出番というものである。
「敵は数も多く、強力なオブリビオンばかりです。ですが、みなさん」
にこり、とナイアルテが微笑む。
彼女が示すのは、『スーパーよいこランド』に自生するきのこである。
普通のきのこサイズもあれば、人が一人のってもぐらつかないどころか、跳ね飛ばして大ジャンプを可能とする巨大きのこもある。
「そこら中にきのこが生えています。これを食べることでみなさんもパワーアップすることができるのです! まさにきのこパワーです。ヒアウィーきのこー! です」
えいえいおー、のリズムで言うナイアルテ。
拳を突き上げたポーズのまま固まってしまったのは、やっぱりきのこがキマってるんじゃないか、とか。普段から予知で心がすり減ってしまったんだね、と可哀想な視線が突き刺さったからである。
「ち、ちがいますから! まだ食べていません! ……それは、私だって生きているのですから、『スーパーきのこ』ってどんなお味なのかな、と思ったりもするのです」
美味しそうです……とナイアルテの顔が言っている。
晩夏過ぎ去れば食欲の秋である。
残暑厳しい今日このごろではあるが、お腹が空くということは生きているってことである。
くぅくぅ音がする。
ナイアルテの顔が真っ赤になっている。誰に腹の虫かと問うまでもない。
「――いってらっしゃいませ!」
猟兵たちは強引に迫る『マグナ聖帝国』の魔の手から『スーパーよいこランド』を救うために転移させられるのであった――。
海鶴
マスターの海鶴です。
※これは1章構成の『アルカディア争奪戦』の戦争シナリオとなります。
『スーパーよいこランド』できのこを食べて、大ジャンプしながら迫る屍人帝国『マグナ聖帝国』のオブリビオンの群れをぶっ飛ばすシナリオになります。
迫るオブリビオンの群れ『ゴツメウサギ』は跳躍力に優れています。
その空中戦に苦戦を強いられることでしょう。
ですが、ご心配には及びません。この『スーパーよいこランド』には、自生するきのこを食べて育った『スーパーよいこ』がいるように、みなさんも自生するきのこを食べることによってパワーアップすることができるのです。
多分、倍くらいの力が出るはずです。
また周囲には巨大きのこもあり、これは踏みつけることに寄って大ジャンプすることが可能です。
これらきのこをうまく活用して立ち回り、手強い『ゴツメウサギ』の群れを打倒しましょう。
プレイングボーナス……きのこを食べる/巨大きのこで大ジャンプする。
それでは『アルカディア争奪戦』、屍人帝国の野望を打ち砕くべく雲海を進む皆さんの冒険と戦いの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
第1章 集団戦
『ゴツメウサギ』
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POW : ゴツメウサギ流解錠術
【鍵による刺突】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : 空を跳躍する者
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ : 恐怖感染
【なす術もなく墜ちていく恐怖心】によって【胸からモザイクの濁流】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。
イラスト:猫家式ぱな子
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アレクサンドル・バジル
~~♪(ヒゲの配管工のBGMを口ずさみつつ)
キノコを食べてパワーアップ!
味も良いねえ。しっかし、この島大丈夫か?(巨大きのこが某王国にしか見えない風景をみつつ)
まあ、いいか。ここのキノコはオブリビオンには勿体ねえ。
骸の海に還ってもらうぜ。
巨大きのこをよういてジャンプして遊びながら『闇黒炎雷』を発動。
戦場全体に黒い炎と雷を吹き荒ばしてゴツメウサギたちのみを燃やしていきましょう。
このキノコ、他の世界で栽培できねーかな?
ちょっと栽培法をよいこちゃんに聞いてみようか。
軽快なリズムの鼻歌が『スーパーよいこランド』に響く。
なんだかとってもピンチな姫を救いに行くようなリズムであったし、同時にこの浮遊大陸に侵攻してきた『マグナ聖帝国』のオブリビオンである『ゴツメウサギ』たちにとっては、不機嫌になるものであった。
「ブブッ!」
彼らの鼻が鳴る。
音を鳴らしているというよりは、吐き出しているような音。
彼らの脚力は尋常ではなかった。
まるで空を跳ねるようにして……事実、空中を蹴って飛ぶ『ゴツメウサギ』たちは圧倒的であった。
『スーパーよいこ』たちもまた彼らに抵抗しているが、そのオブリビオンとしての力故に劣勢をしいられていた。
「なんだなんだ、なんでこんなに今日に限ってうさぎの魔獣がこんなに出るん!?」
「うさぎ鍋にするには多すぎん?」
彼らは『スーパーよいこ』である。
この浮遊大陸に自生するきのこを食べることに寄って一人ひとりが猟兵に匹敵する力を持っている。
だが、それでも戦い慣れていない。
基本的によいこなのだ。戦いに向いていないのかもしれない。
魔獣であれば問題なく狩れる。けれど、オブリビオンの軍勢として組織だってやってきた『ゴツメウサギ』たちは、逆に『スーパーよいこ』たちを狩る連携を見せているのだ。
「味も良いねぇ。しっかし、この島大丈夫か?」
鼻歌の主であるアレクサンドル・バジル(黒炎・f28861)は、巨大キノコを分づけることに寄って空中を蹴って飛ぶ『ゴツメウサギ』たちよりも更に高く空へと飛び立ちながら、『スーパーよいこランド』の全容を見やる。
あそこに見える城は、ちょっと大丈夫なのかなって思わないでもない。
完全に某王国に見えなくもないからである。
「まあ、いいか。このキノコはオブリビオンには勿体ねえ。骸の海に還ってもらうぜ――悉くを滅ぼせ」
その瞳がユーベルコードに輝く。
掲げた掌から黒い炎と雷が迸る。
闇黒炎雷(クロイホノオトイカズチ)。それは消えぬ炎と雷による麻痺を『ゴツメウサギ』たちに齎す。
白い体毛が焦げ付きながら大地に落ちていけば、さらにアレクサンドルは『ゴツメウサギ』の頭部を踏み砕く。
「なんなん!?」
「なんか空から人が飛び降りてきたん?!」
『スーパーよいこ』たちはアレクサンドルの登場に大慌てである。
空から炎と雷がほとばしったかと思えば、魔獣と共に人が降りてきたのだから当然でもあろう。
「ん? ああ、この浮遊大陸にいるっていう『スーパーよいこ』って連中か」
アレクサンドルは『ゴツメウサギ』たちを炎と雷で大地に叩き落としながら、首をかしげる。
『スーパーよいこ』たちは、味方? 味方なん? と首を傾げている。
両者ともに首を傾げて出方を伺っているようであるが……。
「ブッ、ブッ!!」
背後から飛びかかる『ゴツメウサギ』にアレクサンドルの裏拳が飛び、炎と雷でもって、その体を霧消させる。
「もしかして、勇士って人たちなん!?」
「まあ、そんなところだ。なあ、ちょっと聞きたんだが」
アレクサンドルが『スーパーよいこ』たちに尋ねる。
彼らならば、この浮遊大陸に自生するきのこの栽培方法が判るかも知れないと思ったのだ。
けれど、彼らは首を横に振る。
「わかんないん。栽培ってしなくても、このきのこ勝手に生えてくるん」
「なるほどな。この浮遊大陸ならではのってことか。ともあれ、連中をぶっ飛ばすまで待ってな。少々時間はかかるかもしれんが」
アレクサンドルは『スーパーよいこ』たちに手を降って、再び空へと舞い上がる。
迫る『ゴツメウサギ』たちを相手取って、炎と雷をまき散らす彼の姿は、『スーパーよいこ』にとって憧れの的であったことだろう。
いつしかあんなふうにと願うように『スーパーよいこ』は、この大空の世界に旅立つ日が来るのかもしれない――。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
何か変なテンションだったな…予知でキノコをキメ過ぎたせいかな…
かわいそ…お土産にキノコ狩って帰ろう…
●
《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
使える物は何でも使おう、きのこを食べてパワーアップ
イッツミーアキラ!
…
……
…やるんじゃなかった
亀は居ないのか、亀は
兎じゃなくて!
甲羅を投げて残機を稼がないと!
……さて、真面目にやろうか!
使える物は何でも使おう第二弾
巨大きのこを踏んでジャンプ!
そしてジャンプ中に【剣技・蒼嵐剣】起動
ゴツメウサギに風の刃で攻撃!
そして発生した竜巻に乗ってさらにジャンプ!
また風の刃で攻撃!
攻撃で『吹き飛ばし』て距離を詰めさせないようにして飛びハメにしてやろう!
グリモアベースで戦いの予知をしているグリモア猟兵。
あの妙なテンションは、きっと予知でキノコをキメ過ぎたせいに違いないと月夜・玲(頂の探究者・f01605)は思っていた。
凄惨な予知ばかりが続くのがオブリビオン事件である。
そのため、精神を病んでしまっても仕方のないことであったのかもしれない。
「かわいそ……お土産にキノコ狩って帰ろう……」
うっ、優しっ。
けど、それだと追いキノコにならないかな。
だがしかし、名誉のために言っておくが、別にマジカルなマッシュルーム的なアレをキメてるわけではない。
他のグリモア猟兵だって同様である。
別に予知するためにガン決まりになっているわけではないのである。いやほんと。
「使えるものは何でも使おう、キノコを食べてパワーアップ」
玲はそのへんに自生している『スーパーよいこランド』のきのこを手に取る。
ちょっと赤色をしているし、なんか白い斑点もあるが、本当にこれ大丈夫なのか? いや、味とか、可食なのかどうかとかではなく、その、ほら、法的な意味で。
「イッツミーアキラ!」
あっ、やばい。
それヤバイやつである。玲のテンションがおかしい。『ゴツメウサギ』たちは、ちょっと退いた。
なんかテンションがおかしい敵が一人いるってわかったからである。
しかし、彼らとて『マグナ聖帝国』のオブリビオン。
この浮遊大陸の重要性などわかっているし、今更臆することなどないのである。
「ブブブッ! ブッ!」
空気を鳴らすように鳴きながら『ゴツメウサギ』たちが殺到する。
特別に約をするのならば、『しゃらくせぇ! やっちまえ!』である。
「……」
しかし、そんな殺到する『ゴツメウサギ』たちの大群を前に玲は模造神器を抜刀し、うつむいていた。
あっ、さすがにパワーアップキノコはやりすぎたのだろうか。キメ過ぎたのだろうか。オーバードースって怖いから。
とかそんなこと言っている場合ではない。
玲さん避けてー! 敵! 敵が来てる!
「……やるんじゃなかった」
玲さんは模造神器をぶっ立てて、亀を探す。
「亀は居ないのか、亀は。うさぎじゃなくて! 甲羅投げて残機を稼がないと!!」
あ、これ確実に世界がゲーミング的なドット画面に見えているやつだ。ひえっ。
だがしかし、玲はぶっ立てた模造神器を手に取りながら、巨大キノコを踏みつけ『ゴツメウサギ』たちよりも更に高く飛び上がる。
お空高い。
水平線の向こうまで見えそうである。
「使えるものは何でも使おう第二弾!」
煌めくはユーベルコード。
剣技・暴嵐剣(プログラム・ランページソード)の冴え渡ること。
彼女の力はまさに今二倍にまで引き上げられている。キノコを食すことによって、それは膨大な力の本流となって、荒れ狂う蒼嵐を制御し、眼下飛ぶ『ゴツメウサギ』たちを捉える。
「ブブブッ、ブブブッ、ブブブ!?」
「何言ってるかわかんないけど、とにかくぶっ飛ばす!」
振るわれる剣戟が『ゴツメウサギ』たちを切り裂く。
斬撃は荒れ狂う斬撃を嵐に変えて、玲の足場となる。『ゴツメウサギ』たちは必死に鍵を振り回しているが、まるで届かない。
嵐によって阻まれているのもあるだろう。
けれど、玲がそれよりは高く飛翔しているせいもある。斬撃を繰り出しては飛び上がるを繰り返しているのだ。
全く攻撃が届かない。
「ブブッブブ!!」
約は『それって飛びハメじゃない!!』である。
「だから何言ってるかわかんないってば」
玲の振るう斬撃が嵐を呼び、さらに嵐は『ゴツメウサギ』たちの動きを拘束し、さらに足場となって玲を空高く飛ばす。
一方的な攻撃。
謂わば、飛びハメ。
これってバグ技じゃないんですかって言われるくらいの見事なハメ技であった。
「だいじょうぶ、グリモアベースの攻略本だよ。載ってたからだいじょうぶ」
本当に?
玲は模造神器を振るいながら大空をぴょんぴょん飛び跳ね、『ゴツメウサギ』たちのお株を奪いながら、ただただスコアを稼ぎまくるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊だけど、今回関係ない
ついたら即、UC使用。
陰海月と霹靂はもりもりキノコを食べる!
霹靂「クエ!」
陰海月「ぷっきゅい!」
…陰海月語を翻訳します…
キノコ美味しかったぁ。ぼくと霹靂の二人で頑張る!おじーちゃんたちは…見てて!
えっとー、四天霊障(極彩色化)で結界をはって、光珠をポイポイ投げちゃおう!
ふふーん、ぼくたちは近づかないもーん!
相手が回復しようとしても、霹靂が「任せろ!」って早業空中機動で体当たりして、阻止していくよ!
ここ、霹靂の故郷世界だからね。親友の故郷のためにも、頑張るのは当たり前だよ!
それは、おじーちゃんたちも同じだけど。今回は、ぼくたちだけでやりたかったんだー!
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の影から巨大なクラゲが飛び出す。
『陰海月』と呼ばれる存在であり、その特性は四悪霊と合体することによって、四悪霊・『虹』(ゲーミングカゲクラゲノツヨサヲミヨ)として顕現する。
呪詛をまといながら、煌めく姿はとっても眩しいものであった。
「ぷっきゅい!」
ゲーミングカラーが過ぎるほどに輝く姿。
大空の世界ブルーアルカディアにおいて、これほどまでに光り輝く光景があっただろうか。
実にその色数1680色!
「クエ!」
さらにヒポグリフが合体した『陰海月』のまわりを飛び立つ。
「なんなん!?」
「あれなんなん? よくわからんもんが浮かんでるん!? っていうか、近くをとんでるうあれヒポグリフん!?」
『スーパーよいこランド』の『スーパーよいこ』たちが『マグナ聖帝国』のオブリビオン『ゴツメウサギ』たちに抵抗しながら、空に輝く1680色の輝きに目を奪われる。
わからないでもない。
だって、どう考えたって現実の光景であるように思えなかったからだ。
「ブブッ!」
それは『ゴツメウサギ』も同様であったことだろう。
「ぷっきゅい! ぷきゅっぷきゅ!」
特別に訳すのならば、『キノコ美味しかったぁ。ぼくと霹靂の二人でがんばる! おじーちゃんたちは見てて!』である。
なんという祖父母孝行であろうか!
目頭が熱くなる四悪霊たちであった。こんなに立派に育って……とかなんとか感慨深いことであろう。
しかし、オブリビオンである『ゴツメウサギ』たちには関係がない。
「ブブブッ!!」
一斉に飛びかかる『ゴツメウサギ』たち。
その驚異的な脚力は言うまでもない。
だが、その彼らを阻むのは霊障。ゲーミングカラーに輝く結界が、『ゴツメウサギ』たちの動きを阻む。
びたーんっ、と結界に阻まれて『ゴツメウサギ』たちが不機嫌そうに手にした鍵でもって結界を破ろうと叩きつける。
「ぷっきゅ!」
そこに叩き込まれるのはゲーミングカラーの光珠。
ぽいぽいと投げ込まれる光珠によって『ゴツメウサギ』たちが次々と結界の外でたたき落とされていく。
その先にあるのは雲海。
「ブブッ!? ブッ!?」
その恐怖は言わずと知れたものである。
雲海に沈めばオブリビオンと言えど滅びる定め。断末魔の如き叫びを聞いた『ゴツメウサギ』たちは、その胸に抱いたモザイクから噴出するように恐怖を伝播させ、『スーパーよいこ』たちとの戦いで傷ついた体を癒そうとする。
「クエッ!」
だが、そこに飛び込んでくるのはヒポグリフの『霹靂』である。
その体当たりが、再び飛び立つ『ゴツメウサギ』たちを雲海に叩き落とす。
「おー! やるん! あのヒポグリフん!」
「大した魔獣だなん!」
そう『霹靂』にとって此処は故郷の世界。
だからこそ、『陰海月』も奮起しているのだ。親友の故郷を守るためにというの当然のこと。
それは彼が思う四悪霊に対しても同じことだ。
今回は自分たちだけで頑張りたいと思って、きのこをたらふく食べたのである。
そんな『陰海月』と『霹靂』の成長に四悪霊は終始目元を抑えていたことだろう。
時として孫の(孫と言っていいのか)成長は年老いた者たちの心を熱くさせるものである。これは涙ではない。
心の汗である――!
大成功
🔵🔵🔵
フォルク・リア
「スーパーよいこランドって凄い名前だけど。
それなら悪い子(マグナ聖帝国)には出て行って貰わないとね。」
きのこを眺めながら
「食べるとパワーアップするとか。
知らないきのこを食べるのも若干不安だけど信じて試してみるか。」
敵に注意しつつ巨大きのこの位置を確認。
軽く飛んだり走ったりしてきのこの効果で
どれだけパワーアップしたのか確認しながら巨大きのこへ向う。
敵の攻撃は【見切り】ながら【残像】を発生させ回避。
巨大きのこの下に着いたら
ジャンプや登攀で上まで登り大きくジャンプ。
シャイントリガーを発動し
敵の上から熱線攻撃。
「これがファイアボール。
……じゃないが。花が無くても使えるし。
兎も角、これで消えて貰うよ。」
『スーパーよいこランド』。
名前だけ聞いたのならば、その素っ頓狂なネーミングに驚くことだろう。
だが、読んで字の如く。
其処には『スーパーよいこ』が住んでいる。
猟兵に匹敵する力を持ちながらも、その力に溺れることのない精神性。
故に『スーパーよいこ』。
彼らはこの大陸に自生するきのこを常食しているがゆえに、その力を得ている。
「もうあっちこっちからうさぎがぴょんぴょんとん!」
「切がないん!」
彼らの力を持ってしても屍人帝国『マグナ聖帝国』の猛攻は退けられない。
「確かにすごい名前だけど。それなら|悪い子《マグナ聖帝国》には出て行ってもらわないとね」
フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は迫るオブリビオン『ゴツメウサギ』たちの前に躍り出る。
その手に在るのは、この浮遊大陸に自生するきのこ。
即ち、パワーアップさせるきのこである。
正直、ざっと眺めた程度では危険があるようには思えない。
「食べるとパワーアップするとか。知らないきのこを食べるのも若干不安だけど」
「大丈夫ん! 美味しいん!」
『スーパーよいこ』たちがうなずいている。
ならば、信じるしかない。フォルクは意を決してきのこを食す。なんとも言えない味である。どう形容していいか。美味しいと言えば美味しい。
だが、味覚以上に体の内側から訴えるものがあった。
熱量のようなもの。力が膨れ上がってくる。
「ブブッ!」
迫る『ゴツメウサギ』たちが手にした鍵を振るう。
その一撃を見ながら、フォルクは足元の巨大キノコを踏みつけ、その一撃を躱す。
「……これがパワーアップきのこの力か……みなぎってくるようだ」
フォルクは一気に飛ぶ。
巨大キノコを足場に、次々と迫る『ゴツメウサギ』たちを躱し、黒手袋に包まれた拳を振るう。
太陽光にも比肩する熱線の一撃が『ゴツメウサギ』の体を貫くのだ。
「ブブブッ!?」
その一撃は次々と『ゴツメウサギ』たちを撃ち抜き、その躰を燃やしていく。
「これがファイアボール……じゃないが。花が無くても使えるし」
危ない。
それ以上言ってはならない。
ある意味で大変危険であるから。権利的な問題で。
故にフォルクは彼のユーベルコードが、熱線でよかったと安堵するだろう。これがもしも、跳ねる火球とかだったらいよいよ持って危ういところであった。
「兎も角、これで消えてもらうよ」
フォルクのフードの奥の瞳が再びユーベルコードに輝く。
煌めく熱線が『ゴツメウサギ』たちの頭上を取ったフォルクの拳から次々に放たれ、彼らを焼滅していく。
キノコにうさぎ肉。
ともすれば、大変に食欲をそそる匂いを立ち上らせながら、フォルクは巨大キノコを使って空に舞い上がる。
敵の数は多けれど、『スーパーよいこ』とキノコの力があれば、この攻勢を退けることができる。
屍人帝国の力は侮れず。
けれど、これらを退けることに利用できるのならばフォルクは躊躇わない。例え、知らないキノコは決して食してはならないと知っていたとしても。
このパワーアップきのこのおかげで今、オブリビオンの軍勢を圧倒できるのだ――!
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクトリア・ノウェム
……つまりキノコ食べ放題、です?とにかく食べられるだけ……いや待つです
あの魔獣、ウサギ型って事は……アレも食べちゃって構わないです?
なら、|ごはん《狩り》の時間、です
まずキノコを食べるです。エンジェリックドライブを使えばどうせおなかへるです
そして【フォームシフト】、エル・セプス(外装形態)をキャバリア並みの大きさの重装機動兵器形態に変え、射程|↑《アップ》、移動力|↓《ダウン》です。
後は見つけ次第ケルベロスファング(射程増)で捕まえ、怪力で引っ張りつつ大キノコの跳躍で距離を詰めてエレメンタルガントレット(炎)で腹パンして仕留めるです。殴る時は加減するです。お肉が消し飛んだら大変です
ブルーアルカディアにおいて魔獣とは狩るものであり、また同時に乗騎として扱うこともできるものである。
血肉は人々の胃を満たし、骨革は人々の生活を支える。牙爪は人々に魔獣と対等に渡り合うための槍や矢と変わるだろう。
そうしてブルーアルカディアの人々はたくましく生きてきたのである。
だからこそ、ヴィクトリア・ノウェム(はらぺこ空戦天使・f33941)がオブリビオン『ゴツメウサギ』を見た時、お腹が、くう、と鳴ったのもまた致し方のないことであった。
此処は『スーパーよいこランド』。
自生するきのこを常食することによって猟兵に匹敵するほどの力を持つ『スーパーよいこ』たちが住まう浮遊大陸である。
彼らの力の源であるきのこを求めて屍人帝国『マグナ聖帝国』は、ここに侵攻してきているのだ。
「魔獣がいっぱいだん!」
「今夜はうさぎ肉で乾杯ん! そのためにはきのこを食べてパワーアップだん!」
『スーパーよいこ』たちが抵抗してはいるが、それでもオブリビオンの攻勢は弱まる所を知らなかった。
「……つまりキノコ食べ放題、です? とにかく食べられるだけ……いや待つです」
ヴィクトリアは諸々の借金苦に喘ぐ者でもある。
燃費の悪さは言うまでもなく。
そして、食べられる時にたくさん食べておこうっていうのもわからないでもない。パワーアップするためにきのこを食べるんじゃあない。お腹が空いているからキノコを食べるのである。
ある意味正しい。
だが、彼女の瞳が捉えたのは、鍵を振るう『ゴツメウサギ』の姿であった。
「あの魔獣、ウサギ型ってことは……アレも食べちゃって構わないです?」
「戦いが終わったら、解体して焼き肉だなん!」
『スーパーよいこ』の言葉にヴィクトリアの瞳が輝く。
きのこを即座にぱっくんとしてから、彼女はフォームシフト――即ち、自身の飛空艇『エル・セプス』を大型の重装機動兵器形態へと移行させる。
謂わば、鋼鉄の巨人の如き姿。
「わー、でっかいなん!」
「このエル・セプスをただの可変型飛空艇だと思ったら……大間違い、です」
ヴィクトリアが騎乗した『エル・セプス』重装機動兵器形態は、その背から無数にフックショットである『ケルベロスファング』を解き放ち、『ゴツメウサギ』たちを鉤爪で捉える。
「ブブッ!!」
『ゴツメウサギ』たちが振りほどこうとしても、パワーアップきのこでパワーアップしているヴィクトリアの駆る『エル・セプス』の出力を超えることはない。
さらにケルベロスファングは一度組み付けば引き剥がされることはない。
凄まじい怪力を出力する重装機動兵器形態の『エル・セプス』が巨大きのこを利用して飛び立ち、炎の精霊力を蓄えた巨腕の一撃を『ゴツメウサギ』たちの一群に叩きつける。
「腹パンするの、です」
放つ一撃は猛烈な一撃。
「ブブッ!?」
『ゴツメウサギ』たちは、その一撃に吹き飛び、その躰を爆散させるだろう。
「あっ、だめです。もっと加減をしなければ……! せっかくのお肉なのに、です」
ヴィクトリアは一撃目の拳の威力を経て、『エル・セプス』の巨腕に宿る炎の精霊力を絞っていく。
せっかくのお肉がたらふく食べられる機会である。
そこにこの大陸にあるキノコも合わされば、それはもう何ヶ月に一回あるかないかの豪勢な食事にありつける事請け合いだ。
ならばこそ、ヴィクトリアは細心の注意を払うだろう。
「お肉のために……じゃない、この浮遊大陸のために、とっとと戦いを終わらせる、です」
「焼き肉パーティしたいん! いっぱいがんばるん!」
『スーパーよいこ』たちとヴィクトリアは、ともにたくましく生きている。
どんなに屍人帝国の脅威があるのだとしても、それでも生きていかねばならない。魔獣の全てを余すことなく生活に変えていく。
その知恵とたくましさこそが、今を生きるヴィクトリアの原動力なのだ――。
大成功
🔵🔵🔵
三上・くぬぎ
ナイアルテさんもきのこ食べたかったですかね?
おみやげでもってかえれるか聞いてみるですよ
きのこ食べるです!
食べたらパワーアップできるですね、すごいきのこです
くぬぎ、きのこ好きですー♪
たんけん中によく見つけて食べるですよ。水玉もようのきのことか、真っ赤なきのことか
どれもおいしかったですよ
きのこを食べたら、おおきいきのこでウサギさんたちにむかって大ジャンプ!
からの、まとめて【モラスパーク】で麻痺ビリビリですー!
よいこのひと、このきのこおいしいから、ちょっとおみやげにもってかえってもだいじょうぶですか?
「きのこ食べるです!」
そんな元気な声が『スーパーよいこランド』に響き渡る。
三上・くぬぎ(アウトドア派・f35607)は張り切っていた。
食べたらパワーアップできる、すごいきのこ。
それは『スーパーよいこ』である住人たちが猟兵に匹敵する力を持つ理由である。誰もが食べれば即座にパワーアップなど、そんなうまい話が在るはずがない。
絶対裏があるに違いないと思われがちであるが、そんなことはないのである。
本当に食べるだけでパワーアップするのだ。
『マグナ聖帝国』が狙うのも頷けるものである。
「ブブッ!」
『ゴツメウサギ』たちが度重なる猟兵たちの妨害によって数を減らされている。けれど、彼らは諦めない。
ここにあるキノコを手に入れれば、必ずや『マグナ聖帝国』は『アルカディアの玉座』に至るであろう。
その時彼らの願いも叶う。
だからこそ、彼らは空中を蹴るようにして飛び、『スーパーよいこ』たちを退けようとしている。
「くぬぎ、きのこ好きですー♪」
「そんなら、たっぷり食べるん!」
『スーパーよいこ』の住人たちが、これもあれもそれもどれもっていう具合にくぬぎにきのこを差し出してくる。
水玉模様であったり、真っ赤なキノコであったり、それはどれもどぎつい見た目と色をしていたが、くぬぎは一つうなずいて、ぱっくんと頬張るのだ。
美味しいのか。美味しくないのか。
できれば調理したかなったなーって思うかも知れないが、今はオブリビオンが迫っている緊急事態。
まずはパワーアップである。
「こ、これは……体の奥から力がみなぎってくるですー!」
くぬぎの小さな体に燃え上がるパワー。
具体的に言うと体が二倍に膨れ上がりそうなパワーである。
溢れんばかりのパワーを発散しなければならないと、くぬぎはその小さな体を跳ねさせ、巨大キノコを踏んづけて空高くに飛び上がる。
「ブウ、ブブっ!」
させるか! とばかりに飛びかかってくる『ゴツメウサギ』たち。
だが、くぬぎのひとみにはユーベルコードが輝いている。
煌めくユーベルコードは彼女の静電気。パチパチと音を鳴らしながら、モラスパークの一撃が『ゴツメウサギ』たちを一瞬で黒焦げにしてしまう。
「すごいん! 一発でうさぎたちが黒焦げん!」
「えっへへ、まとめてスパークですー! さあ、今のうちに倒しましょうー!」
くぬぎの言葉に『スーパーよいこ』たちが一斉に『ゴツメウサギ』たちをボコスカする。昭和の喧嘩のあれのかんじであるが、しっかり倒しているところが、ブルーアルカディアの住人らしい。
くぬぎは、そうだと思いつく。
「このきのこおいしいから、ちょっとおみやげにもってかえってもだいじょうぶですか?」
「いいんじゃないん? これとかあれとかおいしそうん!」
『スーパーよいこ』たちは、くぬぎに色取りどりのきのこを手渡す。風呂敷に包んでくれたので持ち帰るのは簡単である。
しかし、どうして持ち帰るのだろうか。
よほど気に入ったのだろうか。
「きっと食べたかった人もいるはずなのです。これで喜んでくれたら嬉しです♪」
誰かのために。
くぬぎはいつだってそうしてきた。誰かのために戦うことも、誰かのためにお土産を持って帰ることも。
「優しいん! じゃあ、これも持って帰るん!」
『スーパーよいこ』たちが解体した『ゴツメウサギ』……魔獣のお肉を手渡してくる。
一緒に煮込めばきっと美味しいと彼らは笑う。
たくましい生活力をくぬぎは垣間見て、そしてお土産が出来たことに喜ぶのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
大町・詩乃
『スーパーきのこランド』と言えば、伝奇活劇でボーイミーツガールで英霊さんや魔法使いさんや吸血鬼さんや殺人鬼さんが闊歩する魔境!!
私の様な一介の神霊が迷い込んだら帰ってこれないかも💦
でもナイアルテさんの為に頑張ります!
とドキドキしながら現地に着いたら、風景は花札屋さん風味、敵はウサギなので一安心♪
《神事起工》で攻撃力を強化して、人々を護る為に戦いますよ。
空中戦は私も得意なのです。
と巨大きのこで大ジャンプ。
念動力で自身の動きを調整しての空中戦・ダンスにより、舞うような軽やかさで自在に空を飛んで、ウサギの攻撃を見切って躱します。
返す刀で神罰・光の属性攻撃を籠めた煌月のなぎ払い・衝撃波で倒しますよ。
『スーパーきのこランド』と言えば、伝奇活劇でボーイミーツガールで英霊さんや魔法使いさんや吸血鬼さんに殺人鬼さんが闊歩する魔境である。
そうなのか? そうなのであろうか?
そんな心配をしている大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)は震えていた。
だがしかし、彼女は立ち止まれない。
例え、一介の神霊と言えど、『スーパーきのこランド』などと言った魔境に踏み込めば、迷って帰ってこられないかも知れない。
「でも、がんばります!」
詩乃は拳を握りしめる。
神霊と言えど、退けない戦いがあるのだ。
予知に疲れたグリモア猟兵を思いやってくれる優しい神霊である彼女は、グリモアベースから転移した先を見やり、口をぽかんと開けてしまう。
彼女が想像した『スーパーきのこランド』のような魔境ではなかったのだ。
なんともまあ、のどかな風景である。
巨大なきのこや、そこら中に自生している色んなきのこがどこかファンタジックな雰囲気を醸し出しているではないか。
「あらー……これは……」
「ブブッ!」
『ゴツメウサギ』が、お? なんだ? やんのか? みたいなガン決まりな視線を向けてくる。
言うまでもなくオブリビオンである。
ウサギの姿をしているが、オブリビオンである。ちょっと可愛いなって思ったが、手にした鍵の如き鈍器はまったく可愛くない。
「これより神としての務めを果たします」
煌めく詩乃のユーベルコード。
神事起工(シンジキコウ)によって、詩乃自身の神力がみなぎり、天地に宿りし力が彼女の体へと流れ込んでくる。
さらに人々の願い――即ち『スーパーよいこランド』に住まう『スーパーよいこ』たちの思いが彼女の背中を押すのだ。
「女神様降臨ん! すんごいん!」
『スーパーよいこ』たちもまた屍人帝国『マグナ聖帝国』と戦っている。
抵抗しているのだ。ただ徒に制圧されるだけではない。猟兵に匹敵する力を持つ彼らだからこそ、できることがある。
そんな彼らの姿を認め、詩乃は微笑む。
「女神様、こっち、こっちに巨大キノコあるん! これを踏んづければ大ジャンプできるん!」
「わかりました。こう見えて私も空中戦は得意なのです」
詩乃は『スーパーよいこ』たちに促されるままに巨大キノコを踏んづけて、空に高く飛び上がる。
そこに群がるのは『ゴツメウサギ』たちだ。
手にした鍵を鈍器にして詩乃を滅多打ちにしようとしている。数の暴力。だが、詩乃の煌めくユーベルコードは彼女の力を強化している。
念動力でもって自身の動きを調整し、舞うかのような空中戦を繰り広げる。
「わー、まるで踊っているみたいん!」
「ブブ! ブウウッ!!」
『ゴツメウサギ』たちが苛立つように鳴いた瞬間、詩乃は手にした薙刀を一閃させる。
神罰の光を込めた刀身の一撃は『ゴツメウサギ』たちを薙ぎ払い、衝撃波で大地に叩きつける。
彼女の身体能力は、この地に住まう『スーパーよいこ』たちの思いの力。
「ならば、決して負けることなどあり得ません」
手にした薙刀の振るう衝撃波は、吹き飛ばされた『ゴツメウサギ』たちに襲いかかるだろう。
「女神様ー!」
「そのまま押し切っちゃえん!」
『スーパーよいこ』たちの声援を受けて、詩乃は微笑む。
誰かのためにいつだって戦うのだ。
だからこそ、猟兵たちはこれまで多くの戦いで勝利を収めてきた。その証明のように詩乃は『スーパーよいこランド』で、その神性を発露させるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…連日の予知でとうとう壊れ…もとい疲れていたのね。可哀想に…。
…だけどいくら異世界だからって、
キノコを食べてパワーアップなんてある訳無いじゃない
マンガやアニメじゃないんだから…。
…等とフラグを立てながらキノコを食べて自己強化を行い、
陽光を遮る「影精霊装」を纏い空中機動を行う「血の翼」を広げて飛翔しUCを発動
…我が手に充ちよ、星々の理。来たれ、世界を揺るがす大いなる力よ
…其は光を歪め、闇をも呑み込む、黒き審判の矢
10秒間の吸血鬼化により増幅した自身の生命力を吸収して血の魔力を溜め、
限界突破した超重力のオーラで防御ごと敵を圧壊させる"闇の重力"砲を放つ重力属性攻撃で敵軍をなぎ払うわ
………理不尽だわ
グリモア猟兵というのは、予知をする者である。
数多ある世界の事件。
オブリビオンが引き起こす凄惨な光景を目の当たりにし、それを猟兵たちに伝える。
猟兵たちの戦いにおいてはなくてはならないものである。
だがしかし、その凄惨な光景は時として精神を傷つけるものであったことだろう。
だから、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は連日の予知でとうとう壊れ……もとい疲れたのだろうなと思ったのだ。
「可哀想に……」
そして、彼女が次に告げた言葉もまた、リーヴァルディにそう思わせるには十分なものであったのだ。
『スーパーよいこランド』に自生するきのこ。
これを食べればパワーアップするのだという。
いくらなでもおかしい。どう考えたってありえない。リーヴァルディはそう思った。
「……キノコを食べてパワーアップなんてある訳ないじゃない。マンガやアニメじゃないんだから……」
リーヴァルディはそう言い放った。
しかしながら、それはフラグっていうやつである。
ありえない。
そう、確かにありえない。キノコ食べたからって身長が二倍になる配管工なんて現実にいるわけがない。
だがしかし。
目の前の『スーパーよいこランド』で屍人帝国『マグナ聖帝国』に抵抗する『スーパーよいこ』たちの力を目の当たりにリーヴァルディはしたのだ。
「ほんじゃらぱっぱー! くらえん!!」
ぶんぶんと振り回した槌の一撃がオブリビオン『ゴツメウサギ』をぶっ飛ばす。
彼らはこの浮遊大陸に住まう『スーパーよいこ』達。
今もこうして『マグナ聖帝国』に抵抗し続けているのだ。
「……本当に?」
「本当ん! 食べれば、体の底からパワーがぐわわー! ってなるん!」
『スーパーよいこ』たちの差し出すきのこをリーヴァルディは疑わしい目でまだ見ている。だが、差し出された『スーパーよいこ』たちの眼を見れば判る。
彼らが嘘を言っていないことを。
ならば疑うのはリーヴァルディにとって、おのれの信義に悖るものであった。だからこそ、彼女は意を決してキノコを口にする。
その瞳がユーベルコードに輝く。
彼女を覆うのは太陽を遮る霊装。
広げた血の翼は通常よりも巨大である。一気に飛翔する。その速さに『ゴツメウサギ』たちは対応などできなかった。
空に舞い上がる彼女の体から膨れ上がるのは魔力の本流。
「……我が手に充ちよ、星々の理。来たれ、世界を揺るがす大いなる力よ。……其は光を歪め、闇をも呑み込む、黒き審判の矢」
限定解放・血の教義(リミテッド・ブラッドドグマ)。
それは制御困難なユーベルコードであったが、今の彼女はキノコによってパワーアップしている。
制御がいつもより簡単であることがわかる。
10秒。
その制御期間に満ちる力はおのれ自身の生命力をトリガーにして、血の魔力を溜め込んでいく。
容易に突破する限界。
超重力のオーラがリーヴァルディの掌の中で圧縮される。
満ちる暗獄の奔流。
「ブブッ!?」
『ゴツメウサギ』たちは驚愕しただろう。
リーヴァルディの掌から放たれるのは、最早魔力の弾丸などという生易しいものではなかった。
言う成れば“闇の重力”砲。
その一撃は『ゴツメウサギ』たちへと襲いかかり、ただの一撃で彼らの一群を容易に薙ぎ払う。
凄まじい一撃。
その威力に『スーパーよいこ』たちは湧きに湧くだろう。歓声が地上から響いている。
リーヴァルディはあまりの一撃に思わずつぶやいた。
キノコでパワーアップなんてマンガやアニメじゃないんだから……。
彼女は自分の言葉を噛みしめる。
そして、こう呟くしかないのだ。
「……理不尽だわ――」
大成功
🔵🔵🔵
ステラ・タタリクス
|エイル様《主人様》の!!香りがします!!
なんとなく感じるのですあの方の気配を
これが望郷の思いでないのなら……会えると思いたいですね
さて
あの方の故郷を踏みにじる屍人帝国ならば遠慮する必要はありませんね
ではきのこを食べまして
……これがあの方の……(ぽっ)
という妄想はよい子の前ではしてはいけませんよ?
メイドとの約束です
誰がやべーメイドですか
【スクロペトゥム・フォルマ】で接近戦を
跳んだところで銃撃で叩きとおせば問題ありません
きのこパワーで通常の倍の動きが出来るならそれも造作なし
落ちてきたところを銃のグリップで叩き潰しましょう
刺突は身を翻しながら回避
この程度のダンスが出来なくてメイドは名乗れませんので
「『|エイル』様《ご主人様》の!! 香りがします!!」
開幕開口一番これである。
もう挨拶になっているのではないかと思わないでもない。
それくらいにステラ・タタリクス(紫苑・f33899)はなんとなく感じているのである。誰がなんて言おうと感じているのである。
「あの人どうしたん?」
「やべーメイドん」
『スーパーよいこ』たちがヒソヒソしている。
「これが望郷の思い出ないのなら……会えると思いたいですね。さて」
ステラはそんなヒソヒソを他所に迫る屍人帝国『マグナ聖帝国』のオブリビオン『ゴツメウサギ』たちを見据える。
白いうさぎたちが跳ね、その手にした鍵のごとき鈍器を振るう姿。
脚力に秀で、その力は猟兵に匹敵する『スーパーよいこ』たちを数でもって圧倒している。
ステラにとって、それは自身の主の故郷を踏みにじる屍人帝国そのもの。
ならば遠慮する必要はない。
自生するキノコを手にとって、しげしげ眺める。
「……これがあの方の……」
ぽっとなってしまう。いや、マジでやべーぞ!
「キノコ見て、顔赤くしてやべーん!」
「しっ! 見ちゃだめん!」
『スーパーよいこ』たちもヤベーメイドに一定の距離を置く。
ステラの妄想はよいこの前でしてはならぬたぐいのあれであった。明言はしない。したら敗北である。
なので、それらは全てステラの脳内で繰り広げられたことであることを特筆しておきたい。
メイドとの約束だ!
「誰がヤベーメイドですか」
しかしステラはキノコをぱっくんと食べてから、己の身に宿る力が二倍にまで引き上げられていることを知るだろう。
「ブッ!」
『ゴツメウサギ』たちが鳴きながら迫る。
遅い、とステラは理解しただろう。飛び跳ねるようにしていた所で、ステラの手にした2丁拳銃から放たれた弾丸が『ゴツメウサギ』たちを射抜く。
だが、それでも迫る。
跳ねるは白い津波のようなオブリビオンたち。
「撃つだけが銃の使い方では無い、そのことを教えてあげましょう」
迫る『ゴツメウサギ』をステラの拳銃のグリップの底が打ちのめす。いや、叩き潰すといった方がいいだろう。
今の彼女のならば、それもできる。
キノコを食べてパワーアップ。
言葉にすれば冗談みたいなことである。だが、この『スーパーよいこランド』に自生するきのこには確かにパワーアップ効能があるのだ。
それを証明するようにステラの銃の型は冴え渡る。
打ち込まれる鍵の打突ですら、舞うように翻しながら蹴撃が『ゴツメウサギ』を叩きのめす。
倒れ込んだ『ゴツメウサギ』の顔面にステラのヒールが叩きつけられ、躊躇いなく引き金を引く。
弾丸が打ち込まれ、動きを止めた敵を見ること無くステラは再び舞うように飛びながら『ゴツメウサギ』たちを翻弄していく。
本当の意味でヤベーメイドである。
「す、すごいん! さっきまでのやべー感じが吹き飛ぶん!」
「この程度のダンスが出来なくてメイドは名乗れませんので」
ステラは恭しく一礼しながら、『スーパーよいこ』たちの歓声を一身に受けながら、銃声を響かせる。
未だ会えぬ主人との邂逅を夢見る。
それが叶うかどうかはわからない。けれど、この大空の世界を守るために戦った主がいたのならば、侍従たる己がそれを成さぬ理由などない。
ステラはユーベルコード輝く瞳のまま、迫る屍人帝国のオブリビオンを討ち滅ぼし続けるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
鳳凰院・ひりょ
な、ナイアルテさん…色々大変なんだろうな…
お土産はきのこかな、うん
と…それはともかく、ここのきのこを食べると力が湧いてくるのか
よし景気づけに食べよう!…生でもいけるのかな…(汗
覚悟を決めて口に放り込むと力が湧いてきた!
さらにパワーアップだ!
【召喚術】でライオンを召喚し、UC発動!
ケモミミ&尻尾のひりょ、参上!
ライオン型の闘気弾を敵に向けて発射
敵に食らいついたら、その牙に仕込んでおいた薬を注入
これは【医術】の知識で【薬品調合】した、気分を高揚させる薬だ
相手に恐怖心を抱かせないための処置をしつつ、自分は巨大きのこで大ジャンプ!
高らかな咆哮を上げつつ敵に迫り【破魔】付与したライオンの爪で切り裂く!
グリモア猟兵の見る予知というのは、多くが凄惨な事件の未来である。
だからこそ、猟兵たちは世界を滅びさせぬために戦いに赴く。それは必然であったことだろう。
だが、心が病むのもまた仕方のないこと。
人の心とは肉体のように傷つけば、再びその傷を乗り越えるように強靭になっていくものではない。
一度崩れれば、心は元には戻らない。
戻ったように見えても、元の形であることはないのだ。
「色々大変なんだろうな……おみやげはきのこかな、うん」
鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は己もまたグリモア猟兵であるがゆえに、その心労がどれほどのことかを理解する。
だがしかし、当人は否定する。
いやまあ、確かに完全にキマってた感じの鼻歌歌っていたのは、流石に用語はできない。
「と……それはともかく、ここのキノコを食べると力が湧いてくるのか。よし、景気づけに食べよう!」
「おー! しっかり食べなん!」
「生食でもいけるん!」
『スーパーよいこ』たちが次々にひりょにきのこを持ってくる。
そこら中に自生しているキノコは、食べるだけでパワーアップするのだという。これらを常食している『スーパーよいこランド』の『スーパーよいこ』たちは猟兵に匹敵する力を持っていることから、その効能は疑うべくもない。
「本当に? 生でもいけるのか……」
えいやっとひりょは意を決してキノコを口の中に放り込む。
美味しいのか。美味しくないのか。
好みの分かれる味。いや、美味しい。美味しい……のか? だが、それ以上にひりょの肉体の奥底から力が湧き上がってくる。
凄まじい力。
まるで自分の力が二倍にまで引き上げられたかのような感覚を覚える。
「力が……湧いてきた! 俺と皆の力で、この状況を乗り切る!ビーストマスターの名に懸けて!」
超獣化身(ビーストリンク)によって召喚されたライオンとひりょの肉体が融合する。
王者の咆哮がとどろき、『ゴツメウサギ』達がたじろぐのがわかるだろう。
如何にオブリビオンと言えど百獣の王たるライオンの咆哮の前には、その身に宿した本能が拒否するのだろう。
咆哮とともに荒ぶ風が晴れた時、そこにあったのはライオンの耳としっぽを持つひりょの姿だった。
彼は一気に駆け出す。
体が軽い。
どれだけ『ゴツメウサギ』たちが跳躍力に優れたオブリビオンであったとしても、今のひりょはパワーアップしている。
『ゴツメウサギ』を追う跳躍は、一瞬で彼らに肉薄し、その口に調合した気分を高揚させる薬を叩き込む。
「これは恐怖心を打ち消す薬!」
「ブブッ!?」
そう、彼らは恐怖心を伝播させることによって、胸のモザイクから回復するオブリビオン。ならば、その恐怖心を抱かせぬことが肝要。
ひりょは薬を叩き込みながら、咆哮でもって彼らを吹き飛ばし満ちる破魔の力宿るライオンの爪を伸ばす。
「これが、百獣の王の力だー!」
振るう一撃が『ゴツメウサギ』たちを切り裂く。
一刀両断。
パワーアップしたひりょの一撃は彼らには止められない。どんな肉体を持っていようとも、回復する暇すら与えずに一瞬で叩き伏せる。
「百獣の王ん!」
「がおーん!」
『スーパーよいこ』たちの歓声を受けながら、ひりょはさらに巨大キノコを踏みつけて飛ぶ。
高く。高く。それはひりょの心もまた同様であったことだろう。別にきのこに高揚作用があるとかではない。
満ちる力が合体したライオンと相まって、その野生を開放するのだ。
それを前に『ゴツメウサギ』たちはたじろぐばかり。『スーパーよいこランド』に獅子の咆哮が轟く――。
大成功
🔵🔵🔵
フィア・シュヴァルツ
【きのこパーティ】
「ほう、きのこ食べ放題とな!
これは今日は、きのこパーティだな!」
きのこを片っ端から採ってきて、ルクスに料理させるとしようか。
巨大きのことか、食べごたえがありそうだぞ(じゅるり
「はて、ルクスのヤツはどこに……?
そういえば、きのこだけだと栄養が偏るから、肉も獲ってくるとか言っておったような?」
ふと遠くに見えるのは、巨大なウサギを狩ろうとしているルクスの姿……!
「ウサギ……ルクスのウサギ料理はいかん……!」
ハイライトを失ったルクスの瞳に、かつてのアリスラビリンスの出来事を思い出し、我は恐怖心に為す術もなく墜ちていき……
冷凍保存したきのこを持って、この島から立ち去ったのであった。
ルクス・アルブス
【きのこパーティ】
きのこですか?
でもそれだけだとちょっとさみしいですね。
他に食材はないで……しょう……か?
巨大なウサギを見つけて、
すーっとハイライトが消えていきます。
ウサギ、ミンチ、シチュー……。
呟きながら、巨大キノコを食べて大ジャンプ。
【カンパネラ】でウサギを撲殺しますね。
キョウモシンセンナショクザイガテニハイリマシタ(うふ
大鍋でぐっつぐっつとお湯を沸かし始めたのですが、
あれ?
師匠の姿が見えません……どこにいってしまったのでしょう?
きのことウサギのシチュー。もうすぐ出来るのですが……。
シショウー? キョウモシショウニオイシイリョウリヲツクリマシタヨ?(えへ
食べてくれないと泣いちゃいますよ?
ブルーアルカディア『スーパーよいこランド』は、無数のきのこが自生する浮遊大陸である。
そのきのこを食べればたちまちにパワーアップ。
体感二倍の力が引き出されるのだ。別にやべー効能があるとか、副作用があるとか言うことはない。
それはこの浮遊大陸に住まい、きのこを常食している『スーパーよいこ』たちを見ればわかるだろう。彼らは猟兵に匹敵する力を持ちながら、それらを悪用すること無く迫る屍人帝国『マグナ聖帝国』の侵攻に抵抗しているのだ。
「んなー! しつこいん!」
「最初はウサギ鍋だーん! って喜んでいたん! でも、ちょっと数多いん!」
『スーパーよいこ』たちは『ゴツメウサギ』たちの大群を前に押され始めていた。数が圧倒的に違うのだ。
だが、そこにやってきたのは、キノコパーティ。ならぬ勇者パーティ。
「ほう、きのこ食べ放題とな! これは今日は、キノコパーティだな!」
お腹がくうくう鳴る魔女ことフィア・シュヴァルツ(宿無しの漆黒の魔女・f31665)はこれ全部か? これ全部いってもええんか? くらいのノリで『スーパーよいこランド』の巨大キノコの上に立っていた。
見下ろす先にあるのはそこら中に自生するキノコばかり。
この足元の巨大キノコだって、大変に食べごたえがある。じゅるりとよだれが零れそうに成っている。
いやまあ、わからんでもないが、本来の目的を忘れないで欲しい。
「きのこですか? でもそれだとちょっとさみしいですね。他に食材はないで……しょう……か?」
ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)はフィアにキノコ採取を任せて、他の食材を探しにでていた。
いや、本来の目的。
しかし、彼女が見たのはオブリビオン『ゴツメウサギ』。
白いウサギ。
筋骨隆々なウサギ。
そんなウサギが鍵のごとき打撃武器を手に襲いかかってくるのだ。
ハイライトが家出する。
ルクスの瞳から光が消える。
ウサギ、ミンチ、シチュー。
あ、やっべ! これやっべ! 確実にトラウマのあれである。ルクスはきのこを食べるやいなや、巨大キノコを踏みつけて大ジャンプする。
いや、飛び方。
確実に勇者の飛び方じゃない。なんかこう、猛禽類とか猛獣の類がする動きを見せて、その手にしたグランドピアノを『ゴツメウサギ』に振るう。
「ブブゥ!?」
『ゴツメウサギ』たちはルクスの並々ならぬ殺気に怯えるしかなかった。
あまりにも鋭い殺気。
「重さは威力です」
ほらー! ユーベルコードの詠唱もなんかこう、冷ややかじゃん!
La Campanella(ラ・カンパネラ)の一撃は、パワーアップきのこの力を受けて、さらに協力になった魔力を込められている。
グランドピアノの重量と魔力。
その両方を一片に受けて叩き潰される『ゴツメウサギ』たち。
「うーわん……」
「えっぐいん」
『スーパーよいこ』たちもドン引きである。
「キョウモシンセンナショクザイガテニハイリマシタ」
本当にやっべーぞ! ルクスはそのまま大鍋でぐつぐつやっている。
お湯を沸かしているだけなのだが、傍目には確実に魔女かなんかである。そう言われたら魔女に憧れる勇者的には嬉しい褒め言葉なのかもしれない。
けれど、そんなルクスの姿をフィアは遠目に見ていた。
「肉も獲ってくるとか言っておったが……」
フィアは戦慄する。
ルクスがそうであったようにフィアもまたかつてのアリスラビリンスでの出来事がトラウマになっているのだ。
震える体。
フィアは自分の手が震えていることに気がつく。
「この我が震えているだと……!?」
そう、ルクスのウサギ料理だけはいかんのである。食欲の権化であるフィアですらこうなってしまうトラウマ。
一体全体何があったんだぜってなる。
だがしかし、その出来事をフィアは語らないだろう。いや、語れない。恐怖心がフィアの体を突き動かす。
獲ったきのこを極寒地獄(コキュートス)でもって冷凍保存し、フィアはその場から立ち去る。
いやだからユーベルコードの使い方。
逃げるようにしてフィアは走る。
あの料理だけはいやだと走る。走る。走って逃げた。
だが、そんなふうにフィアが逃走しているのもつゆ知らずルクスはお鍋をぐつぐつしている。
今日のメニューはきのことウサギ肉のシチューである。心做しか真っ赤な気がする。
「シショウー? キョウモシショウニオイシイリョウリヲツクリマシタヨ」
えへって笑っているが目にハイライトが帰宅していない。
食べてくれないと泣いちゃいますよ、とルクスの言葉が響き渡る。
『スーパーよいこ』たちは、ああなってはいかんなーんって他人事のように追いかけられるフィアをながめるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
サージェ・ライト
【菜医愛流帝FC】
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、胸が大きくて忍べてないとかそんなことないもん!(お約束
ナイアルテさんがついにマジックマッシュルーム(?)をキメたと聞いて!
え?違うんですか?
じゃあ理緒さんの写真で現場検証しますね?
アッハイまずいってきます!!
ヒアウィーきのこー!!(無駄にテンションが高いハイタッチ
あれ?冗談かと思ったらこれ本当に美味しいですね?
根こそぎはよくないのでナイアルテさんを
きのこで埋める程度にしておきましょう
さぁ採りますよって
ウサギ!追いし!ぶるでぃあー!!(じゃまーって言いたい
【乾坤一擲】で理緒さんとコンビネーションアタック!
さくっと倒してFC活動に戻りますね
菫宮・理緒
【菜医愛流帝FC】
ふう。今日もいい仕事をしました。
(カメラ構えてキラっと汗の雫をとばしつつ)
でも今日はこれで終わりじゃないもんね!
きのこを所望ってことだから、たーくさん採ってこないと!
ということで、サージェさんとゲートへごー!
ヒアウィーきのこー!
採ってみたきのこを焼いて、サージェさんとぱくり。
これは美味しい!
周囲のきのこを根こそぎ……はダメだから、それなりにげっとしてたら、
何このウサギ? 食材?
でも今日はきのこの日だから、お肉はいいよ。
って、FC活動を邪魔しない!
サージェさんとの連携しながら、
さっきたべたきのこパワーで【Nimrud lens】を使うね。
あっ。美味しく焼けちゃいました……?
激務とは時に人の心を壊すものである。
壊れた心の傷は容易に癒やされることはないし、元の形に戻ることはない。
だからこそ、人は己の心こそを守らねばならぬのである。
グリモア猟兵の予知は大変なものなのである。それは仕方のないことである。
きのこのこよいきのこ!
そんな歌を口ずさむのだっていいでしょ! 別に! 偶には歌いたい時だってあるのだ!
「ふう。今日もいい仕事をしました」
構えていたカメラから顔を離して菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は良い汗を飛ばす。
キラキラした汗の粒は、ぱっとみ青春の光のように見えなくもない。見えなくもないってだけで、全然清らかな感じではない。ほぼ邪心ひゃくぱーである。
しかし、そんなことをひとかけらも感じさせない理緒はカメラのデータを即座にあらゆる記録媒体に保存する。てばやすぎる。
慣れた手付き。
プロの犯行である。
「お呼びとあらば参じましょう。私はクノイチ、胸が大きくて忍べてないとかそんなことないもん!」
そんなことあるもん!
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)はいつもの調子でブルーアルカディアの浮遊大陸『スーパーよいこランド』に降り立つ。
ついにマジックマッシュルームをキメたと聞いては黙ってはいられなかった。いや、まったくキメてないが?
いやしかし、サージェには関係ない。
理緒の手に入れた写真で現場検証しなければならない。おらっ、きのこを隠しているは此処か! おらー! ってやらねばならないと意気込んでいたが、理緒がそれを止める。
「今日はこれで終わりじゃないよ、サージェさん。きのこを所望ってことだから、たーくさん採ってこないと!」
「アッハイまずいってきます!!」
「ヒアウィーきのこー!」
「ヒアウィーきのこー!!」
二人して無駄にテンション高い。
二人してハイタッチしているところからして、二人のほうがすでにキメてるんじゃないかと疑いたくなる。
そこら中に在るきのこを食べればいいと言う話だったが、理緒は念の為火を入れる。とれたてきのこを焼いて頬張れば、ジューシーな旨味が襲いかかる……いや、其れより先に体の内側から燃え上がるようなパワーが膨れ上がってくるのだ。
「これ美味しい! よりさきにパワーアップの実感のほうがきちゃう!!」
「これ本当に美味しいですね? 冗談かと……って本当にパワーアップしてますね!?」
二人はもうどうにも止まらない。
周囲のきのこを根こそぎしてやるぁー! というぐらいの勢いである。
しかし、そんな彼女たちの前に現れるのは『ゴツメウサギ』たちである。彼らは屍人帝国『マグナ聖帝国』のオブリビオン。
この浮遊大陸を占拠し、自生するきのこでもって戦力を増強しようとしているのだ。
だが、そんな彼らなんてサージェたちは眼中にないのである。
とにかくキノコである。
「ウサギ! 追いし! ぶるでぃあー!!」
じゃーまー! といいたいらしいサージェは乾坤一擲(ヒッサツノイチゲキ)の一撃を放つ。
なんとも適当なぶっぱであるが、凄まじい威力である。
これがキノコパワーアップの力である。体感二倍の力でもって放たれる一撃は、強烈な旋風のように成って『ゴツメウサギ』たちを吹き飛ばす。
そこに照射されるのは待機を屈折させて生み出されたレンズから放たれる光。
Nimrud lens(ニムルド・レンズ)は熱線を放つユーベルコードである。
「ファンクラブ活動を邪魔しない! 今日はきのこの日だから、お肉はいいよ」
これまた雑に処理される『ゴツメウサギ』達。
見事な連携であるが、その雑な処理の仕方は『ゴツメウサギ』たちにとって涙目になってもしようがないものであった。
「あっ。美味しく焼けちゃいました……?」
なんかやっちゃいました感である。
「さくっと倒してファンクラブ活動に戻りますね」
サージェはキノコ採取に余念がない。
根こそぎよくない。きのこで埋める程度にしましょう、とサージェはわかってるんだかわかってないんだかわからんことをのたまう。
しかし、これが彼女たちの言うところのファンクラブ活動であったというのならば、それはなんていうか、こう、あれである!
違うから。別にきのこキマってたわけでも、精神がぶっ壊れたわけでもなんでもないからね!
きのこのこよいきのこ! って言いたくなるでしょ! そんなキラーフレーズでしょ――!
大成功
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佐伯・晶
何この正気度下がりそうな兎
食べたらパワーアップするきのこといい
ツッコミが追いつかないよ
ものは相談なんだけど
邪神降臨でしばらく体使っていいから
あれ何とかしてくれない?
御免被りますの
美しくありませんの
…まあ、そうだよね
違う世界で戦ってると思えば仕方ないのかなぁ
色々諦めて目の前の敵を倒そうか
安全っぽいけど
味がエキセントリックとか
罠が無い事を祈るよ
食べたらキノコを利用して
ジャンプしつつガトリングガンの弾をばら撒こう
動き回るなら面で攻撃しようか
敵の攻撃は空中で自分を一時固定して
落下のタイミングをずらして躱そう
正直あれに当たりたくはないね
というか鍵の形である必要性あるのかな
マスターキーとかの類じゃないよね
「何この正気度は下がりそうな兎。食べたらパワーアップするきのこといい、ツッコミが追いつかないよ」
佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は、『スーパーよいこランド』の光景を前にして、思わずつぶやいていた。
ガンギマリな血走った目をするオブリビオン『ゴツメウサギ』。
目の前に広がるのは、大小様々なキノコがあちこちに自生する浮遊大陸。
そのキノコを食べるとパワーアップするのだという怪しげな効能。さらには『スーパーよいこランド』という地名である。
どこから突っ込んでいいのかわからない。
ツッコミ迷子というやつである。そんな晶は内なる邪神に呼びかける。
「ものは相談なんだけど、しばらく体使っていいから、あれなんとかしてくれない?」
晶は『ゴツメウサギ』たちを示す。
だがしかし、邪神はつれなく断る。
『御免被りますの。美しくありませんの』
やっぱりかぁ、と晶は諦めるしかなかった。まあそうなるよねって半ば諦めていたのだから、そこまで失望するほどではなかったけれど。
それでもまあ、あの『ゴツメウサギ』を相手にするのは、ちょっとやだなーって気持ちが溢れていた。
「大丈夫ん! このきのこをたべるん!」
『スーパーよいこ』の一人が駆け寄ってきて、晶にきのこを手渡す。
水色をしている。
明らかに罠くさい。だがしかし、安全なのだ。味がエキセントリックだとか、そんなことはない。
しかも生食。
本当に? 本当にこれ大丈夫? と晶は再三『スーパーよいこ』に確認する。
「大丈夫ん! いつも食べてるん! ほら、こうやってー」
ぱっくんと飲み込む『スーパーよいこ』。
ね、と彼らの言葉に晶は意を決して飲み込む。味なんかわかんない。それよりも先に体の内側から力が湧き上がってくるではないか。
色々諦めていたのだ。
違う世界で戦っているから仕方ないのかなぁとか、そんなふうに思っていたのだ。だがしかし! この体の内側から溢れる力は本物であった。
「アスタ・ラ・ビスタ、ベイビー、ってね!」
いつもよりテンションが高い気がするのは気の所為だろうか。
手にした携行式ガトリングガンの回転式多銃身機関銃全力稼働(スウィーピング・ファイア)はいつもより凄まじい勢いで回っているような気がしないでもない。
「ブブブッ!?」
『ゴツメウサギ』たちは放たれるガトリングガンの斉射……いや、掃射に次々と打ち崩されていく。
「空に飛んだって無駄さ」
晶は掃射を運良く逃れた『ゴツメウサギ』たちが跳躍して、その鈍器の如き鍵を己に振り下ろそうとしている光景を見やる。
だが、そこで止まっている。
放たれた神気が『ゴツメウサギ』たちの肉体を固定して止めるのだ。
「正直それに当たりたくはないしね。というか、鍵の形である必要性あるのかな。マスターキーとかの類じゃないよね?」
本来ならば、そのような考察をすることもないのかもしれない。
けれど、パワーアップきのこのおかげで、今の晶は普段よりも力がでている状態だ。
つぶさに敵を観察してから打倒する余裕すらあるのだ。
「じゃあ、そのままさようならしようか」
晶はガトリングガンの銃身でもって『ゴツメウサギ』を叩き伏せ、さらに掃射を続ける。
迫る全てを討ち果たし、晶は重たい銃身を軽々と持ち上げる。
確かにこれだけの力を引き出せるのならば屍人帝国が狙うのも頷ける。けれど、その目論見は確かに猟兵達によって阻止されたのだ――。
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
デビキンかな?デビキン出張所かな?
それともキミの夢に見た非合法で非現実なアルカディア?
●ぴょいんぴょいんぴょいん
ひゃぁうぃごーーーーーっ!!
ぺろっ これは命の残機が増える1UPきのこ!え、そういうのはない?そっかー
いや残機ってどういう理屈だろうねー 分かる?
クローン?転生?復活?死んだ身体はどうなって?
などと哲学をしつつキノコキメてスーパーキノコジャーーーンプッ!!
みんなあキノコキメろぉーーーッ!
【第六感】による予感に任せて刺突を回避しジャンプUC『神撃』でドーーーンッ!!
こう、こっちだよ!とうさくんの上を取ってドッスーーーーーンッ!!といかにもな音が響き渡る感じ!
ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は『スーパーよいこランド』を見やり、他世界であるデビルキングワールドを想起していた。
『スーパーよいこ』たちが住まう大陸。
そこに自生するパワーアップきのこ。
これを狙うのが屍人帝国『マグナ聖帝国』である。
彼らはこのパワーアップきのこをもって自軍を強化して『アルカディア争奪戦』を制しようとしているのだ。
「デビキンかな? デビキン出張所かな? それともキミの夢に見た非合法で非現実なアルカディア?」
もうすでにキマってんのかなって言うくらいの言動であったが、これがロニの通常運行である。
「ひゃぁうぃご――っ!!」
てぃうんてぃうん。
いや、これ以上は色んな法に触れそうである。ロニは、先程までの既視感など関係ないとばかりに『スーパーよいこランド』を疾駆する。
そこらへんに自生しているきのこを手にとって、ぺろっ! むむ!
「これは生命の残機が増える1UPきのこ!」
やべーのである。
そんなきのこが本当に存在していたのならば、勝ち目はない。色んな意味で勝ち目はない。
「そういうのはないん!」
『スーパーよいこ』たちが即座にインターセプトである。ナイスフォローである。
「そっかーいやでも残機ってどういう理屈だろうねー わかる?」
「わんないん!」
「クローン? 転生? 復活? 死んだ体はどうなって?」
ロニ、新しい顔よー! というやつではないだろうか。いやそれだとすっとんだ頭はどうなるのか。
俺がお前で俺がお前で。
なんとも名状しがたい空気がロニと『スーパーよいこ』たちの間に流れる。
背景に宇宙が見えるような気がした。
これもまた哲学である。
しかし、そんな哲学の途中でもロニはずっときのこをキメてキメてキメまくっていた。
「ブッ!」
そんなロニたちに襲いかかるのは『ゴツメウサギ』たち。
白い大群が哲学しいているロニたちに飛びかかる。だがしかし、ロニは足元の巨大キノコを踏んづけて『スーパーよいこ』たちと共に空に飛び上がる。
「みんなあキノコキメろぉ――ッ!」
それ絶体絶命ピンチの時に言うやつ! そんでも負けフラグの時のやつ! 全滅エンドまっしぐらのときのやつ!
もしくは相打ちのときのやつ!
そんなこと関係ねー! とばかりにロニの瞳にはユーベルコードが輝く。
「どーんっ!」
神撃(ゴッドブロー)が『ゴツメウサギ』たちをぶっ飛ばし、『スーパーよいこ』たちも同じように彼らをぶっ飛ばす。
大地に落ちる『ゴツメウサギ』たち。
だが、きのこキメた彼らは止まらない。
追撃とばかりにロニたちは空中より、重たい一撃を加えるのだ。
効果音はドッス――ンッ!! である。
これもまたやばいやつである。いかにもすぎて、あからさまである。しかし、きのこキメてるロニには関係ない。
あと断っておくが、この『スーパーよいこランド』に自生しているきのこはパワーアップ効能はあっても、錯乱するとかテンションが上がるとか、そんな効果は一切ないのである!
絶対ない!
危なくない!
彼らは、そう! 場の雰囲気に酔っているだけなのである! なんかその方が楽しそうだからとか、そんな理由なのである!
だから、大丈夫!
これが『スーパーよいこランド』産のきのこの力だよ――!!
大成功
🔵🔵🔵