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アルカディア争奪戦⑨〜旅立ちのための咆哮

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●とにかく叫べ!!
「よいこのみんなー!」
 口元に手を当て、爽やかな作り笑顔で声を張り上げたジェニファー・リェン(アンサーヒューマンのサイキックキャバリア・f30007)を、集まった猟兵たちはまじまじと凝視した。
 その姿勢と表情のまま、グリモア猟兵は感情を浮かべていない目を猟兵たちに向ける。
「これは正式な作戦行動のブリーフィングなので傾聴するように」
「あ、ちゃんとした話だった」
「正直ジェンのキャラじゃないにゃん」
 にゃんとか言わない。
 ふらふらと袖を振って、ジェニファーが改めて今回の依頼の説明に入る。
「今回の作戦地域はスーパーよいこランド」
「スーパーよいこランド」
 『マグナ聖帝国』の侵攻を受けている、スーパーよいこランドのきのこを食べて育った超人「スーパーよいこ」たちが住む浮遊大陸であり、スーパーよいこはよいこだが、猟兵に匹敵する強さとユーベルコードを持っている。
「このスーパーよいこのひとりが、よいことしてマグナ聖帝国の侵攻に抗う戦いに出立する決意を固めた。そんなよいこのために、町では出立を祝う盛大な壮行会が催されているので、この壮行会に参加し、スーパーよいこが立派な勇士になれるよう応援するのが諸君らの任務である」
「なんかもうよいこのゲシュタルト崩壊が起きそう」
「よそ者がいても大丈夫なのか?」
「スーパーよいこたちはみんなよいこなので、知らないお客さんも大歓迎してくれるから、そこは気にしなくていいのだ」
 勇士となるべく旅立つよいこの名前はヴィッシュ。
 ただし、これは成人前に名乗る幼名のようなもので、旅立ちの際には正式な名前を名乗ることになる。
 壮行会は、『何を叫んでも許される』という神殿で行われている。そこで、勇士になるよいこが覚悟や未来への希望を、あるいは彼を応援する人々が激励の言葉を、神殿の最上階から雲海に向かって叫ぶのだ。
「で、みんなには、なんかこうやる気になるようなことを叫んでほしいのね。たとえば戦う理由や気持ちとか」
「割と雑」
「気持ちに発破をかけられるなら何でもいいのよ。応援ってそういうものでしょ」
 ちなみに、あんまりにも酷い言葉は風に掻き消されたり、雲海に吸い込まれたりして人の耳に届かないので、そのあたりは考慮してもらいたい。
「キャバリアのような巨大構造物を持ち込んでも大丈夫だけど、周囲に迷惑をかけないようにお願いするのだ」
「神殿内に持ち込めるのか?」
「キャバリア同士の戦いに支障がない程度には広さがあるのよー。でも危険行為は禁止なのね」
「わかった」
 了承の首肯には、確認の首肯が応えた。
「よろしい。では準備が済み次第速やかにかかるように」
 言って、それからふと、ジェニファーは猟兵たちを見つめて微笑む。
「旅立つことが特別でもそうでなくても、きっとその日は特別なのだろうね」


鈴木リョウジ
 こんにちは、鈴木です。
 今回お届けするのは、旅立ちのための雄叫び。
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●スーパーよいこランドのよいこの旅立ち
 『マグナ聖帝国』の侵攻を受けている、スーパーよいこランドのきのこを食べて育った超人「スーパーよいこ」たちが住む浮遊大陸です。
 スーパーよいこはよいこですが、猟兵に匹敵する強さとユーベルコードを持ちます。
 そんなスーパーよいこのひとりが、よいことしてマグナ聖帝国の侵攻に抗う戦いに出立する決意を固めたようです。
 町では出立を祝う盛大な壮行会が催されているので、この壮行会に参加して、スーパーよいこが勇士になれるよう応援してあげましょう。
 スーパーよいこは皆よいこなので、知らないお客さんも大歓迎してくれます。

 また、このシナリオでは、プレイング冒頭に「🍄猟兵化希望」の記載があった場合、「このスーパーよいこを猟兵にする権利」を差し上げることができます。
 複数名の記載があった場合、この記載を行ったシナリオ参加者から1人を指名することになります。
 そのため、名前は仮のものとしており、性別、年齢、性格等は指定しておりません。

 このシナリオには、以下のプレイングボーナスがあります。
=============================
 プレイングボーナス:よいこが勇士になれるよう応援する。
=============================

 なお、🔵が成功数に達すると判断して以降のプレイングの採用を見送らせていただく場合があります。
 ご了承ください。
 それではよろしくお願いいたします。
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第1章 日常 『勇士たちの主張!!』

POW   :    今思っていることを叫ぶ

SPD   :    普段言えないことを叫ぶ

WIZ   :    秘めていた想いを叫ぶ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

影守・吾聞
🍄猟兵化希望

んー、ヴィッシュはどんな人なのかなあ
何が好きで、何を大事にしてるのかな?
旅立ちを決めるには
相当の覚悟が必要だっただろうなあ

スーパーよいこだから…って理由じゃないよね
みんながみんな旅立つわけじゃないし
ヴィッシュがヴィッシュだから
決められたんだよね
俺、ヴィッシュを応援したい!
神殿に響き渡るくらい、全力で叫ぶよ!

ねえ、ヴィッシュ。聞こえてる?
この大陸の外にはさ
きっと君が初めて見る景色がいっぱいあるよ!
戦いは大変だし
うまくいかないことだってあるけど
でも、勇士になるって決めた君が
歩いてく道は絶対
最高の未来に繋がってるからね!

会場の何処かにはきっといるよね
ヴィッシュに届くかな
届いてるといいな



 にょこにょことあちこちにきのこが生えている神殿のなかは、これから旅立つ者を勇気づけるために活気に満ちている。
 ときおり大きな声でなにか叫ぶのが聞こえても、驚きや叱責ではなく賛同の叫びで応えるのは『何を叫んでも許される』というこの神殿らしい。
 しかし、そんな賑やかさへどこか不安が影を落としているように、猟兵たちには思えた。
「んー、ヴィッシュはどんな人なのかなあ」
 神殿を訪れた影守・吾聞(先を読む獣・f00374)がひとりごち見回してみるも、それらしい人物は見つからない。何人かの集まりの中心にいるからそれがそうかと思えば、流れでそうなってしまっただけだったり、グループのなかでいくらか上の立場だったり。
 何が好きで、何を大事にしてるのかな?
 旅立ちを決めるには、相当の覚悟が必要だっただろうなあ。
 集まった人々の会話から聞き取れるのは、誰もがその旅立ちを祝福しているということ。けれど、あと少しだけ、背中を押すことにためらいがあるようだ。
 無邪気に送り出せるほど、彼らは無責任ではない。
「スーパーよいこだから……って理由じゃないよね、みんながみんな旅立つわけじゃないし」
 勇気ある決断を称える声が、そこここから聞こえる。そしてそれは、誰かに強要されたものではないことも。
 ああ、そうか。
 ヴィッシュがヴィッシュだから決められたんだよね。
 吾聞がこうして、いくつもの世界を訪れているように。
「俺、ヴィッシュを応援したい! 神殿に響き渡るくらい、全力で叫ぶよ!」
 清漲とした気持ちがすっと胸のなかから湧いてきて、それを吐き出すように胸を張って。
「ねえ、ヴィッシュ。聞こえてる?」
 意図せず、あるいは意図した以上に吾聞の声が神殿に響き渡った。
 水を打ったように静まるなか、彼が呼びかけた名前を聞いて、幾人かこちらを見る。
「この大陸の外にはさ、きっと君が初めて見る景色がいっぱいあるよ!」
 それは、何度も彼自身が経験してきたこと。足を向けたその先、行くたびに新しい発見がある。
「戦いは大変だし、うまくいかないことだってあるけど」
 どんなに傷ついても、打ちのめされても、膝をつくことが許されない時もある。
 けれど、だからといって、前へ進むのを諦める理由にはならない。
「でも、勇士になるって決めた君が歩いてく道は絶対、最高の未来に繋がってるからね!」
 神殿を満たし殷々と届く声に、少しの間をおいて、賛同と称賛がわあっと湧いた。彼が猟兵だと気づいて、そんな存在にまで応援されるとはと喜ぶ声も聞こえる。
 そばにいた人々から、よくぞ言ってくれたと感謝をいくつも告げられて、少しだけ面映さを感じながら吾聞はもう一度神殿のなかを見渡した。
(「会場の何処かにはきっといるよね」)
 ヴィッシュに届くかな。
 届いてるといいな。
 ううん、こんなにも心強い応援なのだから、きっと届いているはず。

大成功 🔵​🔵​🔵​

スプーキー・ヴァッハ
アドリブ・連携〇
POW対応
心情のみの描写ですが、追加のセリフはおまかせで

【ひらがな部分は全てカタカナで話します】

スーパーヨイコ…タチハ、ドンナ猟兵ニ、ナリタイノ?

僕ハ、猟兵、ナッタ理由
ソレハネ、守リタイモノヲ、守ルタメダヨ。

僕ハ、死ンデル。ダカラ体ガバラバラ、ナッテモ、戦ウ

デモ、君タチ。トテモ、ヨイコダカラ、ワカッテモラエタラ、イイケド。コレダケハ、オボエテ?

戦ッタ後ハ生キテ帰レル。コレネ、本当ニ難シクテ、トテモ、立派ナコト。

ドンナニ、強イ人デモ、中々デキナイ。

死ンジャウノハ、簡単
デモ、生キテ帰ル、難シイ

コレ、出来ル数、多イト、君タチハ、立派ナ、猟兵、ナレル

(僕はそんな君たちに笑顔を見せるよ)


栗花落・澪
戦闘以外で大声出すのは不慣れなんだけど
頑張ってみますか

僕は、美しい景色に心を救われた
人々の優しさに感動した事も覚えてる
だから、僕のしてる事は皆への恩返し!
僕の力で、言葉で、全部を守ってみせる!!
ヴィッシュさんもきっと…同じだよね

それと…ね
戦場では常に視野を広く持って
正解は一つとは限らない
自分の常識が正しいとも限らない
そして、自分の判断がどんな結果に繋がったとしても
それを否定しないでほしい
失敗は次への糧にして
それと…思い出は、大切にしてね

最後に
僕から皆さんに
そして、勇士として成長しようとしている彼に祝福のプレゼントを
【指定UC】発動
魔力ベースだから長続きはしないけど
少しでも希望の後押しになれたら



 神殿を満たす賑わいが喜びに彩られているなか、姿を見せた異様な気配をまとうスプーキー・ヴァッハ(ヴァッハの死の象徴・f38062)にスーパーよいこたちは一瞬驚き、しかし、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が大丈夫と微笑むと、見た目で判断してはいけないと自省して彼女たちを促した。
 そっと頭を下げて、先に口を開いたのはスプーキー。
「スーパーヨイコ……タチハ、ドンナ猟兵ニ、ナリタイノ?」
 叫ぶというよりは問いかける、あるいは訴えかけるような声に、賑やかにしていた人々の声もしぜんとひそめられる。
「僕ハ、猟兵、ナッタ理由」
 そして、戦おうと決意した理由。
「ソレハネ、守リタイモノヲ、守ルタメダヨ」
 誰かじゃなくて、自分が守りたいから。
 その想いはスーパーよいこたちにも通じるものがあったか、そわりと動揺が静かに広がった。
 誰だって、誰かにそれを預けたくはない。しかし、誰にでもできることではない。
「僕ハ、死ンデル。ダカラ体ガバラバラ、ナッテモ、戦ウ」
 決して楽な道ではないし、それほどになっても必ず勝てるとは限らない。
 それでも戦うとはにかんで口にする猟兵へ、誰からともなく拍手がおこった。
 文字通り身命を賭して戦う死せる神への畏敬と仁慈と感恩を、その音に含ませて。
 彼らに混じって拍手をしていた澪へも、何かあればとスーパーよいこたちに促されて前へ出る。
 戦闘以外で大声出すのは不慣れなんだけど、頑張ってみますか。
「僕は、美しい景色に心を救われた。人々の優しさに感動した事も覚えてる」
 かつて囚われて虐げられていた彼が触れ、あるいは与えられたもの。
 彼が戦う理由は、それらを守り、それらを与えてくれた人たちを守ること。
「だから、僕のしてる事は皆への恩返し! 僕の力で、言葉で、全部を守ってみせる!!」
 たとえひとりでは無理だとしても、彼はひとりじゃない。彼が守り、彼を守る人々がいる。
 彼だけでなく、他の猟兵たちも同じだ。
「ヴィッシュさんもきっと……同じだよね」
 人々のどこかにまぎれてしまっているその人に、優しく呼びかける。
 猟兵たちの鼓吹を受けたスーパーよいこたちは歓喜に湧き、しかし、スプーキーが続けた言葉に静まり返った。
「デモ、君タチ。トテモ、ヨイコダカラ、ワカッテモラエタラ、イイケド。コレダケハ、オボエテ?」
 戦うことを選ぶなら、なによりも大切なこと。
「戦ッタ後ハ生キテ帰レル。コレネ、本当ニ難シクテ、トテモ、立派ナコト」
 ドンナニ、強イ人デモ、中々デキナイ。
 そう訴えるスプーキーの言葉を聞いて、再び人々の間に不安が広がる。
 彼らほどであってもそう言えるほど、困難な旅に送り出してしまうのか、と。
 あるいは、彼らが送り出そうとする仲間は、それほど強くなれるのだろうか。
「死ンジャウノハ、簡単。デモ、生キテ帰ル、難シイ」
「それと……ね。戦場では常に視野を広く持って」
 スプーキーの言葉に澪が言い添える。
 正解は一つとは限らない。自分の常識が正しいとも限らない。
 すべてを疑えとは言わないけれど。
「そして、自分の判断がどんな結果に繋がったとしても、それを否定しないでほしい」
 失敗は次への糧にして。
 決して足を止めないように。
「それと……思い出は、大切にしてね」
 きっと、楽しいこと、嬉しいことばかりではない。苦しいこと、つらいこともある。
 だからこそ、忘れないで大切にするんだ。
「コレ、出来ル数、多イト、君タチハ、立派ナ、猟兵、ナレル」
 笑顔で告げるスプーキーと澪に、スーパーよいこたちは感謝の言葉で返した。
 そして旅立つ勇士を送り出すための最後の祝福を、厚かましいかも知れないけれどと求めてくる。
「最後に僕から皆さんに、そして、勇士として成長しようとしている彼に祝福のプレゼントを」
 言って澪が手を差し伸べる。すると、不意に神殿のなかにこの世のものとは思えぬ美しい光が満ち、花が舞った。それは、いまだ示されぬ未来を照らす、希望の輝き。
 魔力ベースだから長続きはしないけど、少しでも希望の後押しになれたら。
 夢幻めいた景色のなか、少しだけ緊張した足取りで、ひとりのスーパーよいこが猟兵たちの前へ進み出る。
 それまで姿も気配も居場所も分からなかった相手が誰なのか、猟兵たちは気づいた。
「君が、ヴィッシュ?」
 名を呼ばれて一度うなずき、それから首を振った。
 それは旅立つ前の名前。これからは、新しい名前と……勇士として、新しい自分になるのだと、笑って。
 見知らぬ場所を訪れること。武器を取り戦うこと。そして知らなかったことを知ること。
 たくさんの不安に押しつぶされそうで、でも、今は違う。
「僕タチハ、歓迎スルヨ」
「うん。一緒に行こう!」
 先輩たちの言葉に照れたように笑って、差し出された手を取る。
 どんなに困難があったとしても、未来はきっと、今このときのように輝いているのだから。

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 「🍄猟兵化希望」の記載があった、影守・吾聞(先を読む獣・f00374)さんに、『ヴィッシュ』を猟兵にする権利を差し上げます。
 名前や性別等はご自由に設定してください。

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大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年09月14日


挿絵イラスト