アルカディア争奪戦②〜Rising stars
「まずは仲間集めだね!」
何処か楽しげな前のめりで吉川・清志郎(星巡りの旅人・f37193)がそう語る。
取り敢えず順を追って説明しろと促すと、彼は了解! と敬礼の真似事をして見せた。
「ブルーアルカディアの幾つかの屍人帝国が、願いを叶える『アルカディアの玉座』を求めて争奪戦をおっ始めてる……ってのは今更かな? で、その影響で|拒絶の雲海《アルカディア・エフェクト》が広がってきちゃってるから、僕らもそれに介入して止めに行こうって話でね」
そして猟兵たちが落ちた者全てを消滅させる雲海を渡り進軍してゆく為には、勇士たちの操縦する飛空艇艦隊の協力が必要不可欠。当然、飛空艇及びその操舵手は多ければ多いほどいい。
そしてコルディリネによりこの空域に転移させられた浮遊大陸群――|円環の世界《リングワールド》には、独自に抵抗を続ける部族であるとか、勇士の資質を持つ異世界の種族であるとかが数多く存在しているのだ。
彼らの協力を取り付ければ、今後の戦いが有利になることは言うまでもない。
「だからね、僕らも仲間を集めに行くんだよ。頼れる仲間の存在は、冒険を始める上では必要不可欠だからね!」
そう言えばこの子、冒険者でもありましたね。この世界のではないけれど。
――閑話休題。
「僕らが向かうのは、冒険者の島だよ」
人間だけじゃなくて、エルフもいるよ、と清志郎。
成程、どうやら文字通りの冒険者、即ちアックス&ウィザーズから転移してきた島らしい。道理で『|地元の冒険者《この子》』が案内に立っているわけだ。
「ここにはね、冒険の中でも音楽や物語、美しいものを求める吟遊詩人や踊り子が沢山いるんだよ。仲間になって貰えたら、飛空艇の操縦だけじゃなく、味方の士気を上げたり後方支援なんかもしてくれるんじゃないかなあ」
英雄譚って冒険者にとっては憧れだしね! とテンション高めの冒険者・清志郎。
とは言え、彼らと打ち解け、協力を取り付けるにはどうすればよいのか。
「彼らは気紛れではあるけど、ノリのいい人は大抵好きみたいだから。一緒に歌ったり踊ったりしたらきっと心を開いてくれると思うんだ!」
丁度、現地に到着する頃には夜になると言うから。
詩人たちは星々を|主題《テーマ》に歌い、踊り子たちはそれに合わせて華麗に舞い踊るだろう。
どうやら飛び入り参加歓迎の精神であるようで、その輪に加わることで打ち解けることが出来そうだ。
「先に進むにつれて、きっと過酷な戦いになるからね。もう他のとこで戦ってきた人もいるかもだけど、まだの人は決戦前夜の宴と思って楽しむのもいいんじゃないかな」
そう言って締め括り、ニカっと笑うと。
「――それじゃあ、行こう!」
清志郎は、猟兵たちへと手を差し出した。
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあと申します。
吟遊詩人の英雄譚は冒険の浪漫。
戦争シナリオのため、今回は1章構成です。
第1章:日常『星空でダンス』
楽しみつつも積極的に仲間となり得る勇士を探していくことでプレイングボーナスがつきます。
行動選択肢はダンスのみですが、歌うのもアリです。
因みに詩人は男性多め、踊り子は女性のみの構成です(結果として4:6くらいの割合で女性多め)。
全員美男美女。文章での表現にはなりますが、目の保養にもどうぞ。ふんわりとこんな感じの人と交流したいという指定も可能です。
ダンスの相手など、人手が欲しい場合にはお声がけいただければ清志郎もご一緒させていただきます(必須ではありません)。
断章なし、公開された時点で受付開始です。
それでは、よろしくお願いいたします!
第1章 日常
『星空でダンス』
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POW : 荒々しく、或いは力強く踊る
SPD : テクニカルに、或いは速さを意識して踊る
WIZ : 優雅に、美しく踊る
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
神臣・薙人
お綺麗な方が多いですね…
少し気後れしてしまいますが
ここは頑張って友好関係を築かなくては
比較的人の少ない場所を探して
詩人さんの仲間に入れて頂きましょう
こんばんは
歌のお供に笛の音色はいかがでしょうか
微笑んで提案
歌を邪魔しないよう留意しつつ
蟲笛を静かに演奏
白燐蟲は踊る女性達を引き立てるように
周囲に漂わせます
演奏の合間や最中に
周囲の方々をこっそり観察
冒険者の島ですから
皆さん戦い慣れてらっしゃるでしょうけれど…
取り分け体格のいい方や
戦いに向いた性質の方がいれば
英雄譚に謳われるような
勇士になってみませんか、とお誘い
仲間になって下さったら
とても心強いです
勿論、無理強いはせず
楽しい空気を壊さないよう心がけます
●
詩人は星天を仰いで歌い、踊り子は満ちる音色に身を委ね舞う。
(「お綺麗な方が多いですね……」)
神臣・薙人(落花幻夢・f35429)は少し気後れしながらも、その輪にそっと近付いた。
ここには男女共に見目の麗しい者が多く、星明かりや炎に照らされたその姿さえ眩いほど。
(「ですが、ここは頑張って友好関係を築かなくては」)
意を決し、詩人たちへと声をかける。
「こんばんは」
輪の中でも比較的大勢からは離れた位置にいた、男性二人と女性一人のグループへと。
「歌のお供に笛の音色はいかがでしょうか」
「笛か、いいね。是非頼むよ」
微笑んで提案すれば、このグループのリーダー格らしい、壮年の男性も笑顔を返してくれた。
黒塗りの篠笛に唇を落とす。詩人たちの歌に倣って、その声の隣を歩かせるように奏でる。邪魔をしないよう、けれど寄り添うように。
するとふわりと舞う燐光。篠笛――蟲笛の音色に喚ばれた白燐蟲たちが、地上に降りた星のようにきらり、明滅して漂う。
薙人は彼らを、踊る女性たちの姿を柔らかく照らし引き立てるよう、音色に言葉を潜ませた。粋な演出に踊り子たちも楽しげに、その表情がより露わになる。彼女たちの笑顔が伝搬し、夜だと言うのに明るいような空気が満ちていく。
――ふと。
薙人は周囲を見渡し、改めて今いるグループの、リーダー格の男を見遣る。
明かりを受けた姿は、やはり整った顔立ちであるだけでなく、肉体も細身ながら鍛えられている。更に背負った竪琴のようなものは、注視すれば弓でもあることに気がつく。
「この地でも、戦いが?」
「うん? そうだね、何やら天使のような集団に襲われたこともあったね」
思った通り。彼らは|屍人帝国《コルディリネ》の軍勢と戦い、倒せずとも退けることはできるだけの力を持っている。
ならば、彼らも。
「英雄譚に謳われるような、勇士になってみませんか」
「僕らが、謳われる側に?」
問いかけに、問いかけで返される。けれど手応えはあった。彼らの表情は、確かに興味深げであったから。
「それも面白そうだ! 詳しく聞かせてくれないか」
楽しそうなこと、創作意欲を掻き立てられること。
そういったものが、彼らは好きなのだろう。
「仲間になって下さったら、とても心強いです。実は今、この世界は――」
安堵に胸を撫で下ろしつつ、薙人は勇士を――未来の英雄を求める理由を、静かに語るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シモーヌ・イルネージュ
飛空戦艦があると楽なんだよな。
鎧に付いてるジェットは瞬発力はあるんだが、短時間しか噴けないから、遠いところに行くときや、じっくり足場を固めたいときなんかは戦艦というのはいいんだよ。
そんな戦艦を自在に操るなんて勇士はすごいな。
尊敬するしかない。
宴会やってるって?
いくいく。
やるからにはお上品な会にはならないよ。
体力はあるから、我流ながらに、とにかく感情と本能の赴くままに踊り回ろう!
ダンスは相手を振り回す形になるけど、それでも付き合うかい?
●
この戦いにおいて、飛空艇艦隊とその操舵手たる融資の存在は必要不可欠――。
その言葉にしみじみと思いを馳せ、シモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)はうんうんとひとり頷いた。
(「飛空戦艦があると楽なんだよな。鎧に付いてるジェットは瞬発力はあるんだが――」)
彼女の纏う|強化動力甲冑《アリアージュ》の加速はあくまで瞬間的なもの。そう、戦闘中に距離を詰めたり緊急回避したりに特化した機能なので。
(「短時間しか噴けないから、遠いところに行くときや、じっくり足場を固めたいときなんかは戦艦というのはいいんだよ。そんな戦艦を自在に操るなんて勇士はすごいな。尊敬するしかない」)
そして、そんな勇士たちが宴会をやっていると聞けば。
「勿論いくいく。けど、やるからにはお上品な会にはならないよ」
出発を決めた時、グリモア猟兵にそう告げた通り。
曲調が明るく楽しげなものに変わった流れで、シモーヌも踊り子たちの中へと混ざってゆく。
得意とするのは力強く、エネルギッシュな踊り。そして体力にも自信はあるものだから。
(「我流ながらに、とにかく感情と本能の赴くままに踊り回ろう!」)
形式なんて気にしない。この場も、そういった集まりであるようだし。ならば元より気兼ねする必要もないと言うもの。
心のままに、躍動的に踊り明かせば、周囲の踊り子たちも釣られて活き活きとステップを踏む。場がエネルギッシュに動き出し、歌も溌剌とした盛り上がりに沸き立つ。もしかすると戦いの一節だろうか。
暫く雑念を忘れ、踊り続けていると――ふと、シモーヌの目の前に手が差し伸べられる。美しい手だったが、しなやかな筋肉がついているのが見て取れる。
一曲如何? と眼前の女は妖艶に微笑んだ。
「振り回す形になるけど、それでも付き合うかい?」
「望むところよ。どこまで昇り詰められるものか、楽しみだわ」
お互い挑発的に微笑み交わすと――シモーヌは、その手を取った。
成功
🔵🔵🔴
四王天・焔
アドリブ・連携歓迎
●心情
詩人に踊り子かぁ、直接戦いに向いて無くても
仲間の士気を高めてくれるなら有力な人材だよね。
一緒に空の世界を救いに行こう!
●行動
冒険者の島に着いたら、まずは人材探しだね。
人が集まっている所に行ったら
『四王神楽唄』を使用して歌を披露するね。
希望の感情を与えて、皆に勇気を分け与えるよ。
「皆の力があったら、どんな敵が現れても大丈夫だよ、
どうか私達猟兵に力を貸してね!」
時間が余れば、焔もダンスに挑戦してみようかな。
「踊りってあまりやった事がないから、ちょっと緊張するなぁ」
「相手の足を踏まない様に、気を付けなくちゃ」
●
冒険者、と一口に言っても、得手不得手は多種多様だ。前線で戦うことを得意とする者もいれば、後方からの援護や支援に長ける者もいる。
そして今、四王天・焔(妖の薔薇・f04438)が向かう先に待っているのは。
(「詩人に踊り子かぁ、直接戦いに向いて無くても
仲間の士気を高めてくれるなら有力な人材だよね」)
そう、歌や踊りで味方を鼓舞し支援する、旅の芸術家たち。彼らはきっと、心強い味方となってくれる筈だ。
早速、現地で人材探し開始!
(「あの集団だね。飛び入り参加歓迎って言ってたけど……」)
思い切ってこんばんは、と声をかければにこやかに挨拶を返してくれる。
早速、一緒に歌ってもいいか尋ねれば、是非、と女性詩人の華やぐような笑顔が焔に向けられた。
「焔の希望の歌、最後まで聴いてね」
詩人たちは口を噤むと、近くにいた数人が竪琴を取り出す。即興で伴奏してくれるらしい。
神楽唄の雰囲気を損なわないよう、最低限の音色だけで彩る音色に乗せて、ふわり、歌う。
「――♪ ――♪♪」
想いを――希望を込めて、勇気を分け与えるように歌う。
清らかで、純粋なその想いが、この歌を聴く皆へと伝わるように。
舞う踊り子たちの舞踏も、軽やかに迷いなく、見る者に勇気を与えるような動きへと変わってゆく。
焔自身も満たされた気持ちで、最後の一節を歌い切り――ちょこんとお辞儀ひとつ。同時に、わっと俄に巻き起こる、拍手喝采。
それが落ち着いてから、ぽつりと。
「今日はね、一緒に戦ってくれる仲間を探しに来たんだよ」
この世界を救う為に、どうか力を貸して欲しいと。
すると彼らは、仲間の頼みじゃ断れない、と。共に歌い、踊った仲間と焔を認めてくれたようだ。
「皆の力があったら、どんな敵が現れても大丈夫だよ。どうか私達猟兵に力を貸してね!」
「ええ、任せて頂戴♪」
先程の女性詩人が頷くのに、異を唱える者はおらず。歌舞の宴は、仲間と親睦を深めるためのそれに変わり。
「踊りってあまりやった事がないから、ちょっと緊張するなぁ」
焔も、踊り子のリードを受けてダンスに挑戦!
「相手の足を踏まない様に、気を付けなくちゃ」
「ふふ、大丈夫よ。サポートするから」
ゆったりとした音楽に、動作で、仲間に――焔に、合わせてくれる。
彼らは、仲間想いでもあるのだと知る。
(「この人たちなら、きっと大丈夫。明日になったら、一緒に空の世界を救いに行こう!」)
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
踊りなら僕も得意だよ
音楽は一人ぼっちだった頃の僕にとって唯一の心の拠り所でもあった
実際は自然の音だけどね
僕にとっては音楽だった
檻越しに感じる世界は遠かったけど
だから是非一緒に歌いたい、踊りたい
そして音楽の事沢山語り合いたい!
テーマが星々なら僕もそれに合わせた【歌唱】と【ダンス】を
美しい瞬きは時と共に移ろい
強い輝きは時に人の導きにもなると言うし
命の灯尽きた時、その面影を星に重ねる人もいる
明るくも静かにもどちらにも生かしやすいテーマだよね
この美しい星空も、広大な自然も
そして彼らの笑顔も
全てを守りたいから、僕は戦うんだ
だから、少しでも手伝ってもらえると嬉しいんだけど…
あ、勿論無理無い範囲でね!?
●
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)の琥珀の双眸に、踊る人々の姿が映った時、彼は親近感のようなものを覚えずにいられなかった。
踊りは、澪も得意とするものである。
(「音楽は一人ぼっちだった頃の僕にとって、唯一の心の拠り所でもあった」)
実際は自然の音だけど、と思い返すも。けれど彼にとって、それは紛れもなく、音楽だった。
(「檻越しに感じる世界は遠かったけど」)
物心つかない頃から自由に外界へと羽ばたくことを禁じられた身には――否、だからこそ、世界が奏でる音色に束の間ながらも心癒されていたのだ。
(「――だから是非一緒に歌いたい、踊りたい。そして音楽の事沢山語り合いたい!」)
彼らは勇士として、心強い仲間となってくれるだろう。同時に、澪にとっては音楽を愛する仲間として語り明かせるのではないかと、そんな期待もあり。
賑やかな輪に声をかければ、彼らは笑顔で澪を歓迎してくれた。
「僕も一緒に歌ったり、踊ったりしてもいいかな?」
「勿論さ。音楽を愛する者を拒むなんて、できっこない」
問えば帰ってくるその答えに、澪は少し安堵して。
(「テーマは星々だって聞いたから」)
合わせて、澪も歌い、踊る。時に明るく星が瞬くように、時に安らぎの夜闇が静かに広がるように。
詩人たちの伴奏も、踊り子たちの足取りも、澪を中心に流れ、動き出す。自分の歌と踊りで、音楽を愛する者がひとつになってくれる。それが嬉しかった。
(「美しい瞬きは時と共に移ろい、強い輝きは時に人の導きにもなると言うし、命の灯尽きた時、その面影を星に重ねる人もいる」)
星の明暗、その両側面。どちらにも生かしやすいテーマは古来より謳われてきたもの。だからこそ、合わせ易くもあり。音楽を通じて、絆が生まれた瞬間であった。
――ふと見上げた空は、余りにも澄んで美しくて。
「この美しい星空も、広大な自然も、そして彼らの笑顔も――全てを守りたいから、僕は戦うんだ」
「うん?」
ぽつりと零された澪の言葉を、耳聡く詩人の一人が拾う。
「今、この世界は危機に瀕していて、一人でも多くの勇士が、仲間が必要なんだ。だから、少しでも手伝ってもらえると嬉しいんだけど……」
あ、勿論無理無い範囲でね!? とあわあわ付け足すものの、詩人はふと、笑って。
「言ったろう。音楽を愛する者を拒むなんて、できっこないって。この美しい空を守る為に――僕らも、共に行こう」
大成功
🔵🔵🔵