アルカディア争奪戦②〜勇士募集中!
●|円環世界《リングワールド》の戦士達
ブルーアルカディア、オルダナ円環島。
神隠しでやってきた異世界の種族の末裔である人々も多く住む種族のるつぼであったこの浮遊大陸に、コルディリネという屍人帝国が進駐していた。
かの屍人帝国はオルダナ円環島を異なる空域へと移動させ、各部族の抵抗を抑え込み続けている。
そんなオルダナ円環島には当然屍人帝国に抗う勇士の素養を持つものも多く居て、けれど反攻を始める切っ掛けもなく燻り続けるばかりであった。
「さてさて、ブルーアルカディアで大きな戦が始まったね」
グリモアベース、何故か水着姿の騎士猫クーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)は集まった猟兵達にそんな風に切り出した。
「六つの屍人帝国がそれぞれで作戦行動をとってるみたいだけど、一つ一つ潰していくしかないだろう。……一歩一歩が大事、だから今回はまず、協力してくれる仲間を探しにオルダナ円環島という浮遊大陸に向かって欲しいんだ」
そしてクーナはそんな風に今回の作戦の目的を話し始める。
「この島はコルディリネという屍人帝国の進駐を受けて、現在も抵抗が続いている浮遊大陸だ。何か切っ掛けがあれば勇士になって手を貸してくれそうな人もいると思う。多くの勇士を見つける事ができれば|飛空艇艦隊《ガレオンフリート》と連携する冒険の機会が訪れた時に有利になるだろう」
因みにこの島、種族のるつぼとも呼ばれてて異世界の種族の人も大勢いるみたい、とケットシーは付け加える。
「あとはそうだね……今回向かって貰う飛空艇港の近くには雲海に面したビーチがある。何か修行場みたいになってるみたいだから、そこで見込みのありそうな人に声をかけて説得するとかもいいかも」
それじゃ長丁場な戦いも始まるけど頑張ろうか、そうクーナは締め括ると灯篭のグリモアを取り出して、猟兵達を賑やかな飛空艇港へと転移させた。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
まずは勇士を探しましょう。
このシナリオはブルーアルカディアの『円環世界リングワールド』とも呼ばれる浮遊大陸『オルダナ円環島』で新たな勇士を探すシナリオとなります。
神隠しの末裔である異世界の種族も数多くいる、活気に満ちた飛空艇港で仲間を探してください。
今回のシナリオの飛空艇港の近くには雲海に面するビーチがあり、そこで修行している勇士候補が数多くいるようです。
どのような勇士を探すのか、その人をどのように説得するかをプレイングにかけて頂ければ可能な限り採用します。
因みに勇士の設定は一部、またはすべてお任せにして頂いても大丈夫です(お任せにされた部分はダイス振って設定決めます)
また、下記の特別なプレイングボーナスがある為、それに基づく行動があると判定が有利になりますので狙ってみるのもいいかもしれません。
=============================
プレイングボーナス……新たな勇士を探す。
=============================
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 日常
『アルカディアビーチ』
|
POW : 日差しに負けず楽しむ
SPD : 小型飛空艇で雲海飛行
WIZ : 水平線ならぬ雲平線の風景を楽しむ
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
銀山・昭平
この島にはいろんな種族の人が居るんだべなぁ。想像以上に賑やかだべ。
というわけで修行場とも言えるビーチに向かうべ。
いろんな人たちが居るが、みんな真剣そのものだべ。
そんな中で、おらでも声をかけやすそうな……もとい、勇士としておらたちと一緒に戦ってくれそうな人は……
そうだべなぁ、理想を言えば美味い食べものや美味い酒で話が合う人が良いべ。そうでなくてもおらもこう見えて色々な戦場も潜り抜けてきたし、激しい修行に付き合う事もできるべ。
(というわけで背格好の近いドワーフに話しかけてみようと思います!彼の職業や性格等はお任せします!)
●鍛錬するもの
「この島にはいろんな種族の人が居るんだべなぁ」
想像以上に賑やかだべ、と歩きながら呟く銀山・昭平(田舎っぺからくり大好き親父・f01103)というドワーフ。
彼は転移してきた飛空艇港より修行場であるビーチへと向かう間、侵略を受けながらも賑やかな人々を感じていた。
だが、その賑やかさの裡にある反抗心も僅かに感じ取っていた。
彼がやってきたビーチでは、多くの人々が雲海で訓練を行っていた。雲海の方では小型飛空艇を乗り回して操縦訓練をしている者もいれば、ビーチの砂の抵抗を活用して接近戦訓練を行っている人もいる。
種族も性別も年齢もバラバラで、まさに種族のるつぼであるこの浮遊大陸ならではの光景だ。
ただ、共通しているのは全員の真剣さだ。昭平が声をかけ辛く思う程の熱量。
そこで昭平は、自分がどんな人を探したいか、改めて自問自答してみることにする。
(「勇士として一緒に戦ってくれそうな人は……」)
理想を言えば美味い食べ物や酒で話が合う人がいい。飢えはとてもよろしくない。
厳しい修行であっても色々な戦場を潜り抜けてきたからそれに付き合う事もできる――とか考えていると、雲海の中から一機の小型飛空艇が砂浜へと浮上し、やや乱暴に降下する。
『……エンジン不調だ!』
小型飛空艇に乗っていた男は背は低いながらみっちりと筋肉の詰まった頑強な肉体、最前線で戦うべく鍛えられた戦士である事を示している。
そしてたっぷりと蓄えられた髭――昭平と同じドワーフだ。
「どれちょっと見せてみるべ」
天使核のエンジンは専門ではないが、ガジェッティアの昭平がよく見てみれば、単純な歯車の欠けで動力が上手く伝わらなくなっていた事が原因。
『おお、やるなおっさん! これじゃ戦いにも赴けねえでよ……ここで見た事ないが、もしかして勇士か?』
割とぐいぐいとくる彼、昭平が名乗り彼の名を聞いてみればシュラーゲという名の魔獣解体士らしい。
『コルディリネにはもう我慢ならねえ! だけれど一人で行くのも無謀ってのは分かってる……』
しょんぼりするシュラーゲ、どうやら出発の決心が今一つつかないようだ。
「大丈夫だべ。今|飛空艇艦隊《ガレオンフリート》が屍人帝国に対して大規模な反撃を行う為に出発する……戦いに向かうなら今が一番だべ!」
熱意を籠めて昭平が彼を後押しするように言葉をかける。
その言葉に心を動かされたか、シュラーゲの瞳に火が灯る。
『……待っていた時、それが今か。……よし! 今から出発だ!』
決心がついて晴れやかな顔になった彼に、昭平もつられてゴーグルの下の目を細め笑顔になる。
「旅の途中は色々美味しいものも食べれる筈だべ。酒もええのがあるだべなあ……」
『俺は酒はまだ詳しくねえなあ……』
まだ、という言葉に違和感を感じた昭平。彼の年齢を効いてみれば、先月二十歳になったばかりだという。
美食の方はともかく酒の味わい方はまだ未知数。けれども何となく、そのあたりの好みも合うだろうと不思議な予感が昭平には感じられていた。
大成功
🔵🔵🔵
箒星・仄々
勇者さんの設定はお任せでお願いします
屍人帝国さん達の好きにはさせません
勇士さん達を募りましょう
竪琴を奏でながらビーチを散策
事前に予習してきた
この世界の伝承歌も歌います
帝竜や魔獣達と勇敢に戦った勇士達の物語です
心動かされる方が
いるのではないでしょうか
目や表情を見れば
きっと判ります
危険な戦いになります
正直、命の保障はありません
けれど誰かが始めなければ
誰かが行動しなかったら
円環島はずっと屍人帝国に支配されたままです
雲海望む
この素敵な風景や
この地に生きる大勢の方々
その方々が創り上げていく未来を守るために
共に力をあわせましょう(肉球ハンド握手
●黒猫は穏やかに歌う
同じくビーチにやってきた黒の毛並みも艶やかな箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)、彼は愛用の蒸気機関式の竪琴『カッツェンリート』を手に人々を見渡していた。
(「屍人帝国さん達の好きにはさせません」)
そんな強い決心を胸に抱いた彼は、|飛空艇艦隊《ガレオンフリート》に合流してくれる勇士を募る為に訓練に励む人々の間を歩きながら、竪琴を奏で始める。
「♪~」
その歌はこの世界の伝承歌――飛空艇港の方で予習してきた帝竜や魔獣達と勇敢に戦った勇士達の物語。
苦難もあり、喜びもあり、時には敗北も詩にはある。けれど最後は勝利して平和を取り戻した――そんな、今この浮遊大陸の人々が望んで止まないだろう歌だ。
仄々の繊細な演奏に、訓練する人々はその手を止めて注目する者も現れ始める。
彼らの眼を、表情を。その裡に燻る屍人帝国に抗いたいという意志を、仄々の大きな緑色の目は見抜いている。
一節を歌い終え、拍手が響く。ぺこりと丁寧にお辞儀をして、仄々は人々に|飛空艇艦隊《ガレオンフリート》に合流しないか問う。
「危険な戦いになります。……正直、命の保障はありません」
そこは正直に語るケットシーの騎士、命のかかった戦闘に赴いて貰うのに、そこの確認を怠る事は出来なかった。
「けれど誰かが始めなければ……誰かが行動しなかったら、円環島はずっと屍人帝国に支配されたままです」
それは間違いなく事実だ。どこかの誰かが救ってくれるという物語は、彼の歌った伝承歌にはない。
自分たちで行動を選択し、そして最後まで手を尽くし――その結果として得られるのが勝利と希望。
『――今ならまだ間に合うんだね?』
そう仄々に問いかけるのは、時計を首にかけた小柄な黒い時計ウサギ。
「私は飛空艇パイロットのヘイズと言う。……戦う力はそれ程ないけれど、操船ならば助けになれると思う」
未知の戦いに身を投ずるのは不安なのだろう。声は少し震えているようにも思える。
それでも彼は、勇士になる事を選んでくれた。彼を皮切りに数人が力になりたいと言い出し始める。
彼らの言葉を聞き、仄々はビーチの向こうに広がる雲海へと視線を向ける。
水平線ならぬ雲平線――その向こうには無数の島々があり、それぞれに素晴らしい風景と人々の営みがある。
「この素敵な風景やこの地に生きる大勢の方々……その方々が創り上げていく未来を守るために」
仄々が新たな勇者に手を差し出す。
「――共に力をあわせましょう」
微笑む仄々の肉球の手を、黒兎の肉球のない綺麗な毛並みの手が取って。
固く、固く。信頼の握手が交わされたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
エドゥアルト・ルーデル
|Hunde, wollt ihr ewig leben?《ごろつき共よ、永遠の生が得たいか?》
得てして荒くれ者という人種は己が命より名誉を重んじるもんでござる、最初は金目当てでも愚にもつかない名誉に飛びついちまうもんでござる
何故か?とどのつまりガキだからだ!誉められたい!スゲェと言われたい!人から認められたい!
つまりそういった連中を言いくるめてしまえばいいんでござるよォ~!
港で演説をぶち上げる!お前ら勇士だな!?勇士だろう!とびきりの命知らず共だろ!拙者と戦場に出るものはあるか!誰よりも勇気ある奴はあるか!
よく言った!お前達は男だな!
これで|命知らずの男共《死んでもいい奴ら》は集まったな
●荒くれに求むるは腐れ外道パイロット
――得てして荒くれ者という人種は己が命より名誉を重んじるものである。
「それは何故か?」
どことなく許し難い角度のポーズを取りながら、カメラ目線でエドゥアルト・ルーデル(|黒ヒゲ《誰このおっさん》・f10354)はそう断言する。
荒くれの精一杯の矜持は言ってしまえば|子供《ガキ》のようなもの。
「誉められたい! スゲェと言われたい! 人から認められたい! ――とどのつまりガキだからだ!」
そんなちっぽけな――けれど本人にはきっと大切な見栄。金目当てで始めてもそんな愚にもつかない名誉に飛びついてしまうのが荒くれなのだ。
「つまりそういった連中を言いくるめてしまえばいいんでござるよォ~!」
と、まあ。そんなノリでエドゥアルトは人通りの多い飛空艇港へと向かって行った。
(「さーて、燻ってそうな荒くれ共はどこでござるか~?」)
活気に満ちた広場でキョロキョロと周囲を確認するエドゥアルト。
グリモア猟兵曰く、ビーチの方で訓練している者が多いとの事だがそう言う真っ当な者は他の誰かに任せればよい。
其方に行かずこの飛空艇港にいるのは戦う事を諦めた者、或いは、
(「飛空艇港にまで来ておきながら最後の一歩を踏み出す度胸のない腰抜けか」)
いずれにせよ強烈な発破が要るだろうと、彼は石造りのやや高い見張り台のような建造物の天辺にいきなり登って、
「|Hunde, wollt ihr ewig leben?《ごろつき共よ、永遠の生が得たいか?》」
異国の言葉で眼下の人々に問うた。
突然現れた怪しい男のよく分からぬ言葉を訝しがる人々、だが十分注意を惹く事は出来た。
「お前ら勇士だな!?」
そして、大声で呼びかける。
「勇士だろう! とびきりの命知らず共だろ!」
エドゥアルトの言葉はその風貌の怪しさに拘わらず、何故か親しい隣人のような奇妙な感情を抱かせる。
そんな彼が声を荒げこの場の勇気ある者へ呼びかけているのだ。人々はその一挙一動から目を逸らせない。
「……拙者と戦場に出るものはあるか! 誰よりも勇気ある奴はあるか!」
微妙に煽動や思考誘導の色合いも濃くなってきた彼の言葉に、一人の精悍な蒼鱗の竜人が前に出る。
『俺は治すより壊す方が得意なケチな医者だ! そんな俺でもいいのか!』
白衣を纏う彼、アーネストという闇医者は少しばかり不安そうに、けれどしっかりエドゥアルトの眼を真っすぐ見据えそう問いかける。
「医者か! ……勇気のまま突っ込んで吹っ飛ばされる奴らもいるかもしれねえが、それも治せんのか!?」
『死なせやしねえ! 体が残ってりゃあ継ぎ接ぎにしてでも治してやらあ!』
――ねえこれ大丈夫なの、彼の治療を受ける事になるだろう荒くれ共はほんのちょっとばかり引いている。
だがその言葉にエドゥアルトは笑みを浮かべて。
「よく言った! お前は、お前達は男だな!」
覚めかけた空気を強引に熱量で押し切る事にしたエドゥアルト。勇ましく前に出たアーネスト、彼と同族だと勝手に言い切る事で、自分もそうかもしれない、そうなんだと熱が人々に戻ってくる。
「さあ行くぞ命知らずの|男《ヤロー》共!」
熱に浮かされた荒くれ共が、エドゥアルトに応ずる声を挙げた。
かくして|命知らずの男共《死んでもいい奴ら》は|勇士《勇者》として団結する。
彼ら以外にもこの飛空艇港より|飛空艇艦隊《ガレオンフリート》へと合流した新たな勇士たちは、屍人帝国へと対抗する為にその持てる力を尽くしてくれる事だろう。
その活躍はまた、語られるべき時に。
大成功
🔵🔵🔵