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アルカディア争奪戦②〜円環島を襲うもの

#ブルーアルカディア #アルカディア争奪戦

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「あっ、どうもありがとうございますぅ」
 声をかけて集まってきてくれた君たちへカレン・ソウゲツ(サイボーグのハイウェイスター・f36589)は礼を口にすると、ブルーアルカディアの世界で大きな戦いが起きようとしていることを明かした。
「ブルーアルカディアに突如溢れ出した拒絶の雲海ってものがぁ、浮遊大陸を飲み込もうとしてるみたいなんですよぉ」
 これは6つの強大な屍人帝国によってもたらされた災害であり、それらの屍人帝国は雲海に眠る『アルカディアの玉座』に到達し自身の願いをかなえようとしているのだとか。
「オブリビオン・フォーミュラは確認されていないみたいですけどぉ」
 放っておけば屍人帝国のいずれかが願いをかなえてしまうかもしれない上、玉座が原因で溢れ出した雲海に浮遊大陸が飲み込まれてしまうだろう。
「これを阻止するためにも――」
 ブルーアルカディアの飛行艇を駆る勇士達と協力し、6つの屍人帝国によるアルカディア争奪戦に乱入、アルカディアの玉座を制圧する必要があるという訳だ。
「という訳でぇ、まず向かっていただきたいのはぁ、屍人帝国の一つコルディリネによってこの空域に移動させられた浮遊大陸になりますぅ」
 |円環世界《リングワールド》とも呼ばれるこの浮遊大陸は神隠しの末裔たる異世界の種族も数多く含む「種族のるつぼ」であり、コルディリネが進駐した後も、各部族が独自に抵抗を続けているそうな。
「単一の種族で構成された|種族の部族《レイストライブ》が、独自にコルディリネの軍勢と戦っているみたいですのでぇ、その種族の部族の皆さんに助力する形で戦えば戦いを優位に運べると思いますぅ」
 彼らからすれば神隠し後に住み続けてきたいわばホームグラウンド。戦い方も熟知しているのであろう。尚、今回君たちが助力するのは土蜘蛛と鋏角衆で構成された種族の部族とのこと。
「敵はブレイドホーク。先端に鋭い刃を備えた長い尾を持つ、巨大な鳥型の魔獣ですねぇ」
 騎乗用の飛行生物として繁殖が試みられていた大型鳥が魔獣化した存在らしいが、騎乗用以外の利用法を見出したということであろうか。
「そういう訳ですのでぇ」
 よろしくお願いしますぅとカレンは素の口調で君たちに頭を下げたのだった。


聖山 葵
 戦争が始まったようですね。

 ちなみに担当がカレンさんなのは、天使核を動力源とする一人乗りの小型飛空艇を所持してるという縁があったからです。

 尚、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になります。

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 プレイングボーナス……|種族の部族《レイストライブ》と共に戦う。
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 ではご参加お待ちしておりますね。
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第1章 集団戦 『ブレイドホーク』

POW   :    テイルブレイド
【尾の先端の刃】が命中した対象を切断する。
SPD   :    ホークフェザー
【羽ばたきと共に、刃の如く鋭い羽】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ホークウインド
【力強い羽ばたき】によって【強風】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。

イラスト:青空皐月

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
さて、開戦ですねぇ。
参りましょう。

『FAS』を使用し飛行、『FMS』のバリアで守りを固めますねぇ。
そして【乳霹宙】を発動、広域へ『乳白色の雷』を放射し[範囲攻撃]を行いましょう。
『雷球』で捕えれば『鳥の速度』は無意味ですし、『尻尾』を拘束してしまえば『攻撃無効化』も可能ですぅ。
後は『部族』の皆さんに『捕えた相手』を仕留めてくれる様要請、『土蜘蛛』の方々でしたら『捕えた相手の処理』はお手の物でしょう。
私自身も『継続ダメージ』に加え『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FDS』の[爆撃]を併せ、回復される前に叩いて参りますねぇ。

お肉が食べられそうなら、回収して補給物資にしても?



「さて、開戦ですねぇ」
 どこかで鷹の鳴く声が聞こえた、それを合図とするかのように。
「参りましょう」
 空を仰いだ夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)の身体が3対のオーラの翼によって浮かび上がる。浮遊する12枚の円盤に覆われ展開されたバリアによって飛び立ったにも関わらず、風の抵抗と言う程のものはなく。
「見つけましたよぉ」
 コルディリネ側の戦力である大型魔獣は既に|種族の部族《レイストライブ》との戦闘状態に突入しているようで、空を飛んでいることもあり発見は容易だった。縁に刃のある帽子、飛斬帽が地上から放たれた先で体をひねって回避行動をとっている一羽のブレイドホークがるこるの目に映り。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その裁きの御印をここに」
 地上からの攻撃に気を取られていた魔獣は周囲を覆うように放たれた乳白色の雷には無力だった。不意を突かれたこともあり、地上の鋏角衆と交戦していた個体だけでなく旋回しつつ襲い掛かる相手を物色していた個体や今まさに空を仰ぐ土蜘蛛の少年に襲い掛かろうとしていた個体も等しく雷に打ちすえられ。
「今ですぅ、とどめをお願いしますよぉ」
「援軍か、どこの誰かは知らないが、ありがたい」
「任せて貰おう! 今度は外さんッ!」
 るこるが要請すれば感謝の声に混じって飛斬帽をキャッチした鋏角衆の一人が再びそれを投げ放って動きの止まった魔獣を撃墜し。
「流石『土蜘蛛』の方々ですねぇ」
 捕えた相手の処理はお手の物でしょうと考えてかけた声に|種族の部族《レイストライブ》は見事に応えた。土蜘蛛の少年に襲い掛かるところだった個体は逆に少年が赤手に炎を宿した一撃で粉砕され。
「あ、お肉が食べられそうなら、回収して補給物資にしても?」
「助けてもらったようなものだしな。こちらは構わない。なぁ?」
「そうだな。ただ、ちょっとこんがり焼きすぎちまうかもしれないが、そこは勘弁な」
 打ち倒された魔獣を見て思い出したようにるこるが尋ねれば、顔を見合わせた|種族の部族《レイストライブ》の面々は答えつつもまだ残っている魔獣を処理すべく武器を振るい、戦いは続いてゆくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風

さて、いくか。
ここは霹靂の故郷世界であるから、負けるわけにはいかぬのよ。

まずは共闘を持ちかけよう。あやつらは、わしにとっても敵であるから。
その後にUCを使おう。雷には麻痺+生命力吸収の呪詛もつけておる。
さて、弱い雷といえど…痺れはするであろう?それに、呪詛は確実に蝕む。
つまり、その翼は役に立たぬ。尾とて動かぬようになろうぞ。

はは、土蜘蛛族の皆も、やりやすくなろうぞ。雷は、敵のみを打つからの!
ああ、負けぬよ!わしらは負けぬのよ!



「さて、いくか」
 飛斬帽が空に描く軌跡を目で追った馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)が視線を己の影に一度だけ落とす。
「ここは霹靂の故郷世界であるから、負けるわけにはいかぬのよ」
 影は金色混じりの焦げ茶をしたヒポグリフを普段潜ませておく場所で、ただ見上げた空へと飛び立つのは、その霹靂ではなかった。
「わしも混ぜて貰おう。あやつらは、わしにとっても敵でな」
「あっ、ああ。助かる」
 既に別の猟兵が参戦していたからであろう。義透の共闘の申し出は、未だ戦闘の只中にあった|種族の部族《レイストライブ》の一人に驚かれこそしたものの訝しまれることもなく、拍子抜けするほどあっさりと受け入れられ。
「我らの怒りを」
 前に傾いだかと思った義透の姿が変わる。地に着いた手は鋭い爪を備えた前足に、背には翼が生え、黄色と黒の縞模様をした毛皮に包まれた身体が羽ばたきで持ち上がり空へと飛び上がれば、生えた尾はバランスをとる役目を為し。
「と……ら?」
 土蜘蛛の一人がこぼしたように、義透の変じた姿は翼をもつ虎。その虎から戦場すべてに迸る雷は呪詛を帯び。
「さて、弱い雷といえど……痺れはするであろう? それに、呪詛は確実に蝕む」
 ようやく先の猟兵の放った雷が収まったかと思われたところに再びの雷だ。ブレイドホークたちからすればたまったものではない光景の中を飛びながら、虎の頭部で義透がする独言めいた問いかけに答えはなく、悲痛な鳴き声が悲鳴があちこちの魔獣から上がるだけであり。
「つまり、その翼は役に立たぬ。尾とて動かぬようになろうぞ」
 まるで続けた言葉の通りに、いや、それだけでもないか。雷に打たれたブレイドホークたちは地上からの攻撃も届いたのか、一羽、また一羽と落ちてゆき。
「はは、土蜘蛛族の皆も、やりやすくなろうぞ。雷は、敵のみを打つからの!」
 実際、|種族の部族《レイストライブ》の誰かのモノと思われる攻撃で撃墜されたブレイドホークも雷に打たれた個体ではあった。
「ああ、負けぬよ! わしらは負けぬのよ!」
 地上に落ちる自分の影に話すように有翼の虎は吠えるとひときわ強く羽ばたいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベル・プリンシパル
よーし、俺も勇士の一人として全力で戦うぞ!
屍人帝国の好きにはさせないもんね!

もう戦いは始まってるみたい
急いで現場へ飛んで行って、【空中戦】を行うよ
魔力の矢の【乱れ撃ち】で【援護射撃】をして、注意をこっちに惹き付ける!
へへーん、鬼さんこちらってね!
挑発してブレイドホーク達を怒らせて、こっちへ誘き寄せて華麗な【空中機動】で攻撃を回避しながら攪乱!
その隙に種族の部族の人達に敵を攻撃してもらうよ!
そうしてブレイドホーク達の連携を乱したところで、敵の群れの真ん中に光球を撃ち込む!
そこから撒き散らされる魔力の矢で、敵を一網打尽だ!



「よーし、俺も勇士の一人として全力で戦うぞ! 屍人帝国の好きにはさせないもんね!」
 転送されてくるやベル・プリンシパル(いつか空へ届いて・f33954)はぐっと拳を握り締めて意気込んで見せ。
「……で、ええと」
 続いて周囲を見回した。敵と共闘すべき|種族の部族《レイストライブ》の姿を探したのだろう。ただ、視線を巡らせる時間はそれほど長くは続かない。
「あ」
 と声をあげたベルの視線の先には交戦を続ける|種族の部族《レイストライブ》の面々が居て。
「――もう戦いは始まってるみたい」
 理解すればすぐ行動に移っていた。背の翼で飛び立つとすぐさま青空に未だ雷が走る戦場へと向かう。
「クェェェェッ」
「気づいた、かな?」
 猟兵の乱入は初めてではないからであろうかブレイドホークの一羽が接近してくるの方を見て大声で鳴けば、何羽かの他のブレイドホークも顔をベルの方へと向ける。不意打ちを狙っていたのであれば不味い状況だったかもしれない、だが。
(それはそれで好都合だよ)
 捕まえた風を翼で打ってベルは魔獣たちにむかって飛び続け。
「いくよっ」
 ブレイドホークのただ中に向かってベルが弓型神聖詠唱装置を向ければ、それは魔法の矢を撒き散らす。狙い定めて当てようとするよりも数を撃つように放たれた魔法の矢の殆どは命中などしなかった。
「へへーん、鬼さんこちらってね!」
 矢に当たった不幸な少数派と、矢を避けた大多数に尾の先端の刃でかろうじて魔法の矢を切り払ったブレイドホークも居たが、悲しいかな相手は魔獣。矢を射かけられた上で挑発までされてもベルを無視して|種族の部族《レイストライブ》の面々に襲い掛かる魔獣は皆無だった。
「今のうちに攻撃を――」
 自身へ魔獣が殺到することは織り込み済みだったベルは矢を避けようとして間隔をあけた魔獣と魔獣との間を通り抜けながら下へと声をかけつつ身体を捻る。身体の一部で空気抵抗を作り出して減速するとベルを狙ったと思われるテイルブレイドが何もない場所を空しく切り裂き。空振りをしたブレイドホークは飛来した鎖で繋がれた刀身の短い肉厚の剣で貫かれると絶叫を発して墜ちてゆく。
「うん」
 地上から土蜘蛛の一人が飛ばした鎖剣であるのを視界の端で確認したベルは翼を畳んで自由落下しながら自身へ向け振るわれた魔獣の爪を避け、翼を広げて風を捕まえると急な軌道変更に驚くブレイドホークを他のブレイドホークの盾にしながらギリギリ横を飛び抜け、振り返る。
「まとめて撃ち落とす!」
 光球を放ったのは、自身へ殺到したことで集まってきた魔獣の群れの中心。あっさり最寄りのブレイドホークに躱されはしたが、それは突如魔法の矢を吐き出した。あちらこちらで魔獣が吼える。光球が魔法の矢を撒き散らしたことへの驚きと、魔法の矢が自身らを追尾してくることへの驚きと、矢が身体を貫いた苦痛。
「我らも行くぞ!」
「おおっ!」
 生じた混乱の中地上からの攻撃によって魔獣たちはさらに被害を出してゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アレッシア・リベラ
【SPD】
アドリブ連携大歓迎

屍人帝国の襲撃なんて冗談じゃない
私も助太刀するわ

種族の部族とはもちろん共闘
私がブレイドホークを引き付けている間に種族の部族に仕留めてもらうほうが確実に落とせそうな気がするわ

セイルフローターで接近し「空中戦」
天使核マスケットから風の属性弾で羽根を狙い撃ちながら牽制
少しでも姿勢を崩してくれればいいのだけど

ブレイドホークに接近したらスカイソードに持ち替え指定UC発動
「空中機動」で急接近しつつ一気に敵の間合いに踏み込み4回攻撃
でもこの4回攻撃も軽い牽制のつもりよ
薔薇の花弁が散ったのを合図に種族の部族に攻撃し
一気に無力化してもらうわね


フォーゲル・ロボター
「任務了解!任務了解!敵データノ入力完了!……ムッ、敵モ鳥ナノデスネ。コレハ負ケテイラレマセン」

「当機ハ連携戦闘ニモ対応シテイマス。当機ガ敵ヲ引キ付ケマスノデ、皆様ハソノ隙ニ攻撃ヲ!」
敵の群れに飛行しながら突っ込み、羽ばたきと共にフォトンフェザーを発射して牽制。
敵の狙いを部族の人々から逸らし、その隙に攻撃をしてもらう。

充分に敵視を集めたら、フォーゲルアイで敵のみをロックした後に『機鳥忍術・時雨』を発動、武装を一斉発射。

内蔵したミサイルや機銃、脚に外付けしたキャノン砲やガトリング【弾幕】と【砲撃】による【制圧射撃】で一気に撃破を狙う。

「目標補足!目標補足!ヤラレッ放シデハアリマセン、一斉発射!」


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
なるほど、ここの部族を支援すればよいのね。

敵から距離を取りつつ[迷彩]で[目立たない]ようにして待機。
周囲をしっかり観察して、部族の人が危険なようなら弓矢で[スナイパー]+[誘導弾]で敵を狙い撃ちよ。

敵の攻撃は[結界術]と[オーラ防御]でしのぐけれど、高所から攻撃してくるならユーベルコード【ジャッジメント・クルセイド】で出鼻をくじく。

「上にいる敵のさらに上から雷を落としてあげるわ」

まあ、今回の主役は部族の人。
あくまで私はお手伝いに徹するわね。


ミハイル・グレヴィッチ
ふん、要は図体のデカい鳥共を狩ればいいってコトだろ?ま、獲物は取り放題みてぇだし、ここは猟兵の名に相応しく、たっぷり狩らせて貰うぜ。

種族の部族達を後方からUCを使用しての狙撃で支援。部族達がブレイドホークと交戦している隙に、狙撃に最適な位置に占位し、相手に気づかれない様にして狙撃。狙うは頭が心臓で、|一撃必殺《ワンショット・ワンキル》を試みる。射撃後は自分の位置を敵に悟られない様に、別の狙撃ポイントに移動して射撃。これを繰り返す。

(|伏射姿勢《プローン・ポジション》で狙いを定めつつ)やれやれ、あんだけ図体デカいんだ。こりゃ当てるよりも外す方が難しいぜ。

アドリブ・他者との絡み歓迎



「屍人帝国の襲撃なんて冗談じゃない! 私も助太刀するわ」
 小型飛空艇に乗って|種族の部族《レイストライブ》の側へやって来たアレッシア・リベラ(空賊はセイルフローターと共にあり・f34149)はそう告げると混乱し、数を減らされてはいるものの未だブレイドホークの残る空を仰いだ。
「あの魔獣が敵ね。それなら私が|あれ《ブレイドホーク》を引き付けている間に仕留めてもらうほうが――」
 確実に落とせそうな気がするわと続けようとした時だった。
「任務了解! 任務了解! 敵データノ入力完了! ……ムッ、敵モ鳥ナノデスネ。コレハ負ケテイラレマセン」
 声を上げるや一つ唸って対抗意識を燃やし始めるのは、フォーゲル・ロボター(忍者鳥型飛行頭脳戦車・f38431)。
「当機ハ連携戦闘ニモ対応シテイマス。当機ガ敵ヲ引キ付ケマスノデ、皆様ハソノ隙ニ攻撃ヲ!」
「……やろうとしてることはおおむね私と同じね。それなら――」
 わざわざバラバラに動くより協力した方が多くの敵を引き付けられるというもので。
「ふん、要はあの図体のデカい鳥共を狩ればいいってコトだろ?」
 アレッシアが言葉を続けようとした時だった、ミハイル・グレヴィッチ(スェールイ・ヴォルク・f04316)が鼻を鳴らし、上空で鳴く魔獣たちを見据えたのは。
「ま、獲物は取り放題みてぇだし、ここは猟兵の名に相応しく、たっぷり狩らせて貰うぜ」
 ミハイルの言はブレイドホークたちからすれば自身らを狩る存在が一人増えたということだが、魔獣たちがこれを知ることが出来るのはまだ先のこと。
「なるほど、ここの部族を支援すればよいのね」
 周囲の景色に溶け込むように目立たず身を隠すヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)はちらりと味方と|種族の部族《レイストライブ》の面々が言葉を交わす様を見てポツリと漏らした。一人だけ離れているのは、上空の魔獣たちに見つからぬ為であり。
「いける?」
「ハイ、準備ハ完了シテイマス」
 話がまとまるのにそれほど時間は要しなかった。アレッシアの確認にフォーゲルが応え、両者の視線が交わされたのが合図になった。アレッシアはセイルフローターを駆って、フォーゲルは己の黒い翼で空へと飛び立ち、地上から登ってくる敵の姿に魔獣たちは喧しく鳴きながら迎撃態勢を整える。
「グギェェッ」
 警戒か威嚇か、鳴き声に変化が生じたのは、アレッシアが一人乗りの小型飛空艇の上でブレイドホークへと向けていた天使核マスケットが弾を吐き出したからか。それとも羽ばたきと共にフォーゲルが牽制に放った羽根型の刃がたまたま命中したのか。
「今ね」
 天使核マスケットから撃ち出され風の属性を帯びたそれは、ブレイドホークの右翼の真ん中あたりで爆ぜ。狙い定めた銃撃の結果を見るやアレッシアは空中で大きく姿勢を崩した魔獣へ向かいつつ銃を収めて代わりに刀身が蒼く透き通ったロングソードを抜き、セイルフローターを蹴って跳ぶ。
「クォォオオォ?!」
 魔獣からしても乗物から跳躍するのは想定外だったのであろう。だが、アレッシアは何もない空中を蹴って更にブレイドホークの側に踏み込み、ロングソードを振るう。
「グギェェェ」
 薔薇が散った。四つ連なる斬撃が刻んだ魔獣の身体は力を失って地上へと落ちてゆき。花弁が散ったのを合図として地上から|種族の部族《レイストライブ》の攻勢が強まって。
「反撃ノ行使ガ可能!」
 同刻、アレッシアが肉薄したのとは別のブレイドホークたちへと向かっていったフォーゲルも一つの決着を着きそうになっていた。先の羽根型の刃を放ったことで魔獣たちの敵意を引き受けたフォーゲルには何羽かのブレイドホークが群がって来たものの想定の範疇。
「……Начать съемку」
 ただ想定と違ったのは、一羽の魔獣に悲鳴をあげさせフォーゲルへの攻撃から強制的に脱落させたのがいつの間にか狙撃に最適な位置を占位し銃口を向けていたミハイルのスナイパーライフルであったことだ。
「一羽撃墜ってとこだな」
 別の狙撃地点へ移動を始めたミハイルは地表に激突して動きを止めた魔獣にはもう目もくれず。
「わざわざこれで支援する必要もなさそうね」
 ミハイルから離れた場所で変わらず潜みつつ手にした合成弓にヴィオレッタが目を落とす。|種族の部族《レイストライブ》の面々が危険ならばつがえた矢をもって狙い撃ちにするつもりだったヴィオレッタだが、魔獣たちの注意も敵意もこの時はまだ空にあるアレッシアとフォーゲルだけに向いており。
「まあ、今回の主役は部族の人」
 あくまで私はお手伝いに徹するわねとしつつ、鎖剣や飛斬帽が傷ついた魔獣を撃墜する様を視界に収め。
「やれやれ、あんだけ図体デカいんだ。こりゃ当てるよりも外す方が難しいぜ」
 どこかからミハイルの声がしたかと思えば、身体に風穴を開けられた魔獣がきりもみ上にくるくる回りながら降って来て。
「上にいる敵のさらに上から雷を落としてあげるわ」
 空を指さし、ヴィオレッタは言い放つ。別に張り合ったという訳ではない。たまたま自身の頭上に近い位置へと飛んで来たブレイドホークが視界に入ったのだ。
「ギュエエエエッ」
 味方との攻防で手負いとなっていた魔獣は自身を見上げるヴィオレッタを視界にいれたまま天から差し込む光に焼かれ絶叫をあげながら落ちてゆく。
「目標補足! 目標補足! ヤラレッ放シデハアリマセン、一斉発射!」
 随分と数を減らした魔獣の生き残りの大半をカメラアイで捉えながら内臓武器、外付けした火砲、武装をフォーゲルが魔獣たちに向けたのはヴィオレッタによって一羽また魔獣が数を減らした直後のこと。軽量ガトリング砲の弾幕に混じる脚に取り付けられた軽量キャノン砲による砲撃が手負いの魔獣を粉砕し。
「ギェェッ」
 フォーゲルの一斉射から逃れようと逃げ惑った個体は、アレッシアが薔薇の花弁を散らして行った合図で地上から飛んだ鎖剣に貫かれたところをミハイルに撃ち落とされ。
「クエエエエッ! ギッ」
 仲間達が次々と落ちてゆく中、一矢報いんと地上の|種族の部族《レイストライブ》目掛け急降下を始めた最後の一羽は顔面に矢を生やすと大きく右に曲がりながらやがて地面と激突する。
「あれが最後のようね」
 弓を下ろし、一息ついたヴィオレッタは戦いを終え一部が魔獣の解体に取り掛かり出している|種族の部族《レイストライブ》の面々の方へと歩き出した。上空に居たアレッシア達も高度を下げ始めており、ミハイルも伏せた射撃の体勢からいつの間にか起き上がり、スナイパーライフルを下げて歩き出している。こうして、コルディリネの軍勢の一つが猟兵たちと|種族の部族《レイストライブ》によって討たれるに至ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年09月02日


挿絵イラスト