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アルカディア争奪戦③〜燦然たる軍勢と共に

#ブルーアルカディア #アルカディア争奪戦 #プレイング受付:9月3日(土)まで

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#アルカディア争奪戦
#プレイング受付:9月3日(土)まで


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●グリモアベース:ゲネ
「『アルカディア争奪戦』の幕が開けた! まずは『ジェード王国』に占領された明滅鉱脈ゼルフの奪還を頼みたい!」
 ゲネ・ストレイ(フリーダムダイバー・f14843)は声高に呼びかけながら、ホロモニターに明滅鉱脈ゼルフでの戦いを映し出した。
 ゼルフはもともと多数の天使核を擁する浮遊大陸である。ジェード王国はここを占領し、住民を迫害、発掘した天使核を自国に持ち帰っている。そのたびに、明滅するゼルフの鉱脈は徐々に輝きを失っているという。
「だがこの地には守り手が存在する。「燦然たる勇士ゼルフォニアブレイブ」達だ」
 鉱脈の輝きに応じて力を増す不思議な戦士達。全盛期の力とはいかずとも、徹底抗戦で敵の軍勢を押し留めているようだ。
「手を組めば戦いを優位に運べるはずだ。彼等に加勢して住民達を守り抜いてくれ!」
 ゲネは反転したホロモニターに転送術式を輝かせ、争奪戦に震撼するブルーアルカディアへと猟兵をいざなった。

●勇士の戦い
 きらめく天使核の、巨大な群晶群のような姿をした明滅鉱脈ゼルフ。
 そこは今、戦場だった。ふわりふわりと辺りを浮遊する蝶のような少女──『泡沫のプシュケ』の群れが、「燦然たる勇士ゼルフォニアブレイブ」達をその不可思議で不定形な力で苛んでいるのだ。
「くそっ、気味の悪いあやかしものが……!」
「鱗粉を吸うな! 幻覚を見せられるぞ!」
「厄介な……だが、我々には鉱脈の加護がある!!」
 鉱脈の輝きが力を増し始めたのに合わせて、ゼルフォニアブレイブ達は進撃を開始する。鉱脈が輝けば、彼等は決してオブリビオンに遅れをとることなどないのだ。
 だが裏を返せば、鉱脈の明滅の周期に合わせて力の増減が生じるということになる。彼等はそうした自身の性質をきっちりわきまえて、一進一退の攻防をもたせているのだ。
 このゼルフォニアブレイブ達をうまくフォローしつつ力を合わせて戦えば、幻覚を使う厄介な敵群を倒すことも難しくはないはずだ。
 燦然たる勇士に加勢し、住民を迫害する敵軍を全滅させよう!


そらばる
 ブルーアルカディア、『アルカディア争奪戦』明滅鉱脈ゼルフ〜燦然たる勇士。
 「燦然たる勇士ゼルフォニアブレイブ」と共にジェード王国の軍勢を討ち果たしましょう!

●プレイングボーナス
 このシナリオでは、特別なプレイングボーナスが発生します。
=============================
プレイングボーナス:「燦然たる勇士ゼルフォニアブレイブ」と共に戦う。
=============================
 上記に基づく行動をすると有利になります。

 プレイング締め切りはシナリオ上部のタグで告知します。
 皆さんの自由なプレイングをお待ちしています!
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第1章 集団戦 『泡沫のプシュケ』

POW   :    きがついたらここにいた
【魂に刻まれた記憶を呼び覚ます鱗粉】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    なんだかさむくて なんだかさびしい
【醜い眼状紋の翼】から、戦場全体に「敵味方を識別する【魂に刻まれた記憶を呼び覚ます鱗粉】」を放ち、ダメージと【幻覚】の状態異常を与える。
WIZ   :    あゝ あそこへいけばきっと あたたかい
戦場内を【対象の魂に刻まれた記憶の中の】世界に交換する。この世界は「【否定禁止】の法則」を持ち、違反者は行動成功率が低下する。

イラスト:春彦

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

眞白乃守・とかげ
只人の身ながらオブリビオンと渡り合おうとは正に勇士。彼らを失うわけにはいかないな!
「……助太刀する!」
一声叫んで(それが精一杯ともいう)戦線に飛び込む。【空中機動】【地形の利用】【野生の勘】を駆使して、なるべく敵の注意を引くように立ち回る。
漆黒の妖刀『小烏』を居合い抜きすると同時にUC『白き猟犬』を解き放ち、敵と、敵の振りまく鱗粉を灼き尽くそう。
確か勇士たちは鉱脈の明滅に力が左右されるのだったな。輝きが強い時には共に一気に攻めたて、弱い時には私が前に出て彼らを守ろう。

故郷の森では、戦いは常に独りだった。だからか、守るべきものがある戦いには未だ慣れないが──これこそが猟兵の喜びなのだろうな。



●守るべきものがある戦い
(「只人の身ながらオブリビオンと渡り合おうとは正に勇士。彼らを失うわけにはいかないな!」)
 眞白乃守・とかげ(斯くして火蜥蜴は旅に出る・f33630)は勇ましくひた走る。巨大な美しい群晶立ち並ぶ鉱脈の合間を、確固たる決意と共に。
 やがて、視界の先に敵軍勢と相対する、燦然たる勇士ゼルフォニアブレイブの軍勢の姿が見えた。
「……助太刀する!」
 一声叫んで戦線に飛び込むとかげ。心の中は勇ましくとも、外向きの彼女はこの一声が精一杯なのである。
「なんと! 頼もしい味方だ!」
「だが無理はするなよ、この鉱脈を守るのは我等の役目なのだからな!」
 戦意に満ちた勇士達の歓迎と気遣いを受け取りながら、とかげは辺りにそびえ立つ群晶を足場にして一気に駆け上がった。ジグザグと空中を忙しなく動き回る姿に、自然と泡沫のプシュケ達の注目が集まる。
 とかげが敵郡の真上に飛び出したのと、プシュケ達が大量の鱗粉を撒き散らし始めたのは同時。
 魂に刻まれた記憶を呼び覚ます鱗粉。しかしその攻撃が我が身を、そして勇士達を侵食する暇を与えず、とかげは漆黒の妖刀『小烏』を抜刀すると同時にユーベルコードを解き放った。
「我が望むもの、望むままに灼き尽くせ」
 神速の居合抜きから放たれた数多の白き浄化の炎が敵陣営に降り注いだ。幾多ものプシュケが白い炎に包まれ、周囲に広まった鱗粉を巻き込んで大きく燃え上がっていく。これでしばしの間、鱗粉の脅威は去った。
「すごいぞ、やってくれたな!」
「助かった! さあ皆の者、今が攻め立てる好機ぞ!」
 鉱脈の輝きに合わせて力を増した勇士達が、大打撃を受けた敵群へと一気に突撃する。とかげもまたその戦列に身を任せ、彼等と共に敵陣を攻め立てる。明滅が弱まれば、とかげが前に出て彼等を守るのだ。
 ……故郷の森では、戦いは常に独りだった。だからか、守るべきものがある戦いには未だ慣れないが──
「これこそが猟兵の喜びなのだろうな……」
 ぽつりと零れ落ちた感慨は誰の耳にも拾われることなく、とかげは勇士達と肩を並べて、「仲間」のために存分にその力を振るった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

グリン・バウクスイート
へえ、こんな鉱脈のある島もあるんだな
そんで勇士の人達がいて……困ってると
それなら協力しない手はないな
暫くの間だがよろしく頼む

勇士の人らは鉱脈の輝く周期を分かってんのかな
それなら鉱脈の輝きが弱まってる間、俺が前線に立つよ
なるべく鱗粉を吸わないように【毒耐性】を付与した『防護コート』を着込んで、口と鼻も布で覆っておく
幻覚が見えたとしても俺の胸の中には楽しい思い出がいっぱいだ
だから足を止めたりはしない

接近出来ればUCで攻撃だ
『チェーンソー剣』を経由してあんたの味、覚えさせてもらうよ
例えばその翼が食われれば辛いだろ?

鉱脈が再び輝けば、ここまでの戦いで得た情報を共有
勇士に敵の弱点を教えて一緒に攻め込むぜ



●弱点共有
「へえ、こんな鉱脈のある島もあるんだな。そんで勇士の人達がいて……困ってると。それなら協力しない手はないな」
 グリン・バウクスイート(バグベア・f33946)は耐毒効果を付与した防護コートをしっかりと着込み、燦然たる勇士ゼルフォニアブレイブの戦線に身を投じた。
「暫くの間だがよろしく頼む」
「助っ人か、助かる!」
「ところであんたらは鉱脈の輝く周期って分かってんのか?」
「ああ、感覚的に理解している。今は光輝に満ちているが、あと銃数秒もすれば翳り始める」
「そうか。なら俺が前線に立つよ」
 グリンは口と鼻を布で覆いながらゆっくりと前に出る。気をつけろ、と背中にかかる声に振り返らずに手を振って応えつつ、徐々に鉱脈の輝きが弱まるのに従って下がってくる勇士達の戦線とすれ違いながら。
 ただよう鱗粉はコートとフェイスマスクでかなり緩和される。淡い幻覚が視界の隅に明滅するが、心身を害するほどのものではない。
「俺の胸の中には楽しい思い出がいっぱいだ。幻覚なんかで足を止められると思うなよ」
 完全に勇士達と立ち位置を入れ替え、敵を間合いに捉えると同時、グリンはユーベルコードを発動した。
「あんたの味、覚えさせてもらうよ。例えばその翼が食われれば辛いだろ?」
 チェーンソー剣を唸らせ、敵の一体へと一気に距離を詰める。鱗粉を振りまくために敵が滞空した一瞬の隙をついて眼状紋の翼の一部を破り取り、チェーンソー剣を経由して弱点をしかと把握する。
「なるほど……そこか」
 グリンの姿が見る間に天使核なき零號魔獣へと変じ、全身から刃の如き棘を戦場全体に放った。回避の難しい弾幕を浴びたプシュケ達のうち、翼の眼状紋を貫かれた個体があっけなく消滅していく。
「見ての通り、目玉模様が弱点だ。積極的に狙ってみてくれ」
「わかった。──聞いていたな、攻め込むぞ皆の者!」
 再び輝く鉱脈に勢いを得た勇士達と共に、零號魔獣の容赦のない攻撃がプシュケ達を蹂躙していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アレッシア・リベラ
【WIZ】
アドリブ連携大歓迎

鱗粉を吸わないように
しっかりと口元を布で覆っておくけど
世界ごと交換されたらどうしようもないか…

魂に刻まれた記憶の中の世界は
長閑な故郷で暮らしていた頃の平穏な暮らしぶり
屍人帝国との戦いなんて考えられないほど、長閑な光景が映し出されるけど
否定禁止の法則があるならば
私達の戦意を私の記憶が否定することはないはず

ところで
この世界の「否定禁止の法則」はプシュケにも適用されるのよね?
なら、プシュケは私やゼルフォニアブレイブの攻撃を否定できないはず
指定UCでゼルフォニアブレイブたちの傷を癒し鼓舞しながら
ありったけの水と重力属性の「誘導弾」を叩き込んで
片っ端から沈めてあげるわね!



●肯定するための戦い
 戦場に駆けつけたアレッシア・リベラ(空賊はセイルフローターと共にあり・f34149)を待っていたのは、世界の転換だった。
 鱗粉対策のためにしっかりと口許を布で覆っておいたのだが。
「世界ごと交換されたらどうしようもないか……」
 今アレッシアの目の前に広がっているのは、故郷の光景。屍人帝国との戦いなんて考えられないほど長閑な、どこまでも平穏な暮らしぶり。それが、アレッシアの魂に刻み込まれた原風景だった
「この光景……あんたの?」
 どうやら燦然たる勇士ゼルフォニアブレイブ達も転換した世界に巻き込まれてしまったらしい。
 アレッシアは笑顔だけで肯定を返して、頼もしい言葉を返す。
「この世界では否定禁止の法則があるみたい。だから、私達の「戦意」をこの記憶が否定することはないはずよ」
 言う間に、転換した世界に泡沫のプシュケ達が降り立つ。記憶の中の世界でも、戦いは続くのだ。
 ……ということは。
「否定禁止の法則っていうのは、プシュケにも適用されるはずね? なら、プシュケは私や勇士達の攻撃を否定できないはずだわ」
 アレッシアは凛とした声を張り上げる。
「これは守るための戦いよ! 敵へを否定するのではなく、自分を、仲間を、守るべきものを、肯定して未来へと生かすために、私達は戦いましょう!」
 不屈の覚悟を籠めた言葉が戦場に響き渡り、勇士達の傷を癒やし、その心を鼓舞していく。
 沸き立つ勇士達の攻勢が開始されると共に、アレッシアは水と重力の誘導弾を装填した天使核マスケット銃の銃口を敵群へと向ける。
「さあ、反転攻勢よ! 片っ端から沈めてあげるわね!」
 アレッシアの号令に、勇士達の雄叫びがこだまし、怒涛の攻撃がプシュケ達に襲いかかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シュタルク・ゴットフリート
燦然たる勇士達よ!
我ら猟兵、義によってお前達に加勢する!

と参戦の意志を告げつつ敵へ相対。
フォイヤ・ヴェスペの【誘導弾】による遠距離攻撃を主体とし、オブリビオンへ攻撃を仕掛ける。
以て敵を分断した処を、燦然たる勇士達に各個撃破して貰う形で戦う。
鉱脈の輝きの減退中は、敵の攻勢を抑えるよう率先して前に出よう。

鱗粉による幻覚、俺に対しては恐らく生前の光景を見せてくることだろう。
守るべき、だが守れなかった街、人、そして大地…悔恨の情を呼び起こさせ動きを止めさせようというか。
だが、其は逆効果だ。その悔恨を繰り返さぬ為、俺は雲海より舞い戻ったのだから!
突き進む焔を発動、鱗粉もオブリビオンも諸共に焼き尽くす!



●不死鳥は舞う
「燦然たる勇士達よ! 我ら猟兵、義によってお前達に加勢する!」
 シュタルク・ゴットフリート(不滅なる鋼鉄の咆哮・f33990)の宣言が戦場に朗々と響き渡った。
 次いで、ロケットエンジンを推進力にして戦場に現れる鋼鉄鎧の戦士。鎧各部に内蔵した火導弾射出機構「フォイヤ・ヴェスペ」が火を噴き、泡沫のプシュケの群れをミサイル攻撃で蹂躙する。戦場中央に集中していたプシュケ達が散り散りに分断されていく。
「今だ! 各個撃破を頼む!」
「おう、任せておけ!」
 燦然たる勇士ゼルフォニアブレイブ達は、結晶の輝きと共に敵群への攻勢を強める。輝きが減退すればシュタルクが積極的に前にでて、敵の攻撃を抑えるべくさらなるミサイルを撃ち込んでいく。
 分断され、勇士達に次々と撃破されていくプシュケ達。その返礼として、脅威であるシュタルクへと眼状紋の翼から幻覚の鱗粉が振りまかれる。
 シュタルクの視界を侵食するのは、生前の光景。守るべき、だが守れなかった街、人、そして大地……。
「悔恨の情を呼び起こさせ動きを止めさせようということか……」
 シュタルクは鎧の下で低く呟いた。
「だが、其は逆効果だ。その悔恨を繰り返さぬ為、俺は雲海より舞い戻ったのだから!」
 噴進機構からの噴射炎が一気に巻き上がり、シュタルクの全身を包み込んだ。
 炎纏う鋼鉄の戦士が不死鳥の如く疾駆する。舞い上がる炎と振りまく火の粉で鱗粉を焼き払いながら、一気に敵陣中央へ!
「全て、焼き払うのみ!」
 不死鳥と敵群の激突点で爆発の如き焔が太陽の如く燃え盛り、鱗粉諸共プシュケの群れが焼き尽くされていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木霊・ウタ
心情
オブリビオンの願いを叶えさせやしない
まずはゼルフを奪還するぜ

戦闘
ブレイブ達と共闘

鉱脈が輝いている時には攻撃を主体に

獄炎纏う焔摩天で鱗粉ごと泡沫どもを薙ぎ払う

光が弱い時にはブレイブたちを庇うように立ち回る
紅蓮の壁の炎と
それが生む上昇気流が鱗粉を燃やし吹き飛ばす

万が一鱗粉の影響を受けても
体内の鱗粉や幻覚そのものを燃やして回復

同じく幻覚に陥ったブレイブは
高熱の炎で覚醒させる

ちょいと火傷になっちまったかも
悪ぃ

最後はブレイブたちと呼吸を合わせて総攻撃
炎の渦で鱗粉ごと泡沫たちを天高く吹き飛ばしながら
燃やし尽くす

記憶がなくて他者の記憶を求めて彷徨うとは可哀そうに
紅蓮に抱かれ眠れ

事後
鎮魂曲を奏でる
安らかに



●炎の戦場
「オブリビオンの願いを叶えさせやしない。まずはゼルフを奪還するぜ」
 決意を胸に、木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は燦然たる勇士ゼルフォニアブレイブ達と共に戦場に立った。
 鉱脈の輝きに合わせ、焔摩天が獄炎纏い薙ぎ払われる。火に入る羽虫の如く、呆気なく焼き払われていく泡沫のプシュケ達。
 だが、鉱脈の輝きは永遠のものではない。
「すまないが減退期だ。我々は後退しつつ守りを固める」
「ああ、前線は任せてくれ」
 勇士達は己の弱点を把握して決して無理な振る舞いはしない。ウタは彼等の後退を助けるべく、紅蓮の炎の壁を展開して敵の侵攻を阻みつつ、炎の生み出す上昇気流によって鱗粉を吹き飛ばした。
「っ……少し吸い込んだか」
 かすかに目眩を覚えて、ウタは体内の鱗粉や脳裏にちらつく幻覚そのものを燃やして事なきを得る。
「……親父ィ……生きてたのか……」
 勇士の一人が幻覚に侵され、ふらふらと戦線に上がってきた。ウタは即座に炎で勇士を包み込み、纏わりつく鱗粉を断ち切ると同時に高熱によって強引に意識を覚醒させてやった。
「……熱ちィッ!?」
「ちょいと火傷になっちまったかも。悪ぃ」
「ぁ、ああ……そうか、幻覚か。こちらこそ手間を取らせたな」
 そうしている間にも鉱脈の周期は巡り、再び輝きが増し始めた。
 勇士達が総攻撃に動き出す。ウタもまた彼等と呼吸を合わせてユーベルコードを発動する。
「記憶がなくて、他者の記憶を求めて彷徨うとは可哀そうに。紅蓮に抱かれ眠れ」
 戦場に顕現した巨大な炎が渦を成し、プシュケ達を天高く巻き上げながら鱗粉ごと燃やし尽くしていく。
「安らかに」
 黒々と焼け焦げ、力なく降り落ちる巨大蝶が泡沫の如く消えゆく戦場に、鎮魂曲が静かに響いた。

●守り抜いた者達
「──我々の勝利だ!」
 燦然たる勇士ゼルフォニアブレイブの軍勢は咆哮した。敵を退け、故国と民を守ったその誇りが、鉱脈の輝きよりもなお眩く彼等の胸に輝いている。
「皆のおかげだ。助力、感謝する……!」
 勇士達の統制の取れた敬礼と晴れやかな笑顔に見送られ、猟兵は次なる戦場へと赴くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年09月04日


挿絵イラスト