5
【夕立のように】嵐の中へ

#ブルーアルカディア #デイライト #雷霆獣群オラージュ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ブルーアルカディア
#デイライト
#雷霆獣群オラージュ


0




●正面に湧き上がる暗雲
 ブルーアルカディア、辺境。
 名も無き浮遊島を飛び立った勇士『デイライト』の飛空艇は青空を悠々と飛行していた。
 先の島では想定外の襲撃があったが、今はその気配もない。
 種族も性別も様々な乗組員は念のため魔獣や飛竜を警戒しつつ、各々の技術で飛空艇を円滑に運行させている。
 ――そんな彼らに決して油断はなく。
『何だアレ? いきなり出てきたぞ!?』
『まずい、龍の巣だ! 酷く荒れるぞ!』
 ほんの一分足らずで突如出現した巨大な積乱雲は、飛空艇を飲み込むように広がっていく。
 中は嵐、暴風吹き荒れ雷轟く危険地帯。
 そんな雲の中に飛び込んでしまった飛空艇を、一対の傲慢な眼光が睨みつけていた。

「皆ちょっといいかな。またブルーアルカディアについての予知が得られたんだ」
 夏も終わりが見えてきたグリモアベースで、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)というシャチのキマイラが呼びかける。
「こないだ辺境の浮島が邪竜の群れに襲われそうになってそれを撃退したんだけどね。その浮島から旅立った勇士たち……デイライトって名前のチームらしいけど、なんかまた超巨大積乱雲に飲み込まれる窮地に追い込まれて、そこから飛空艇が撃墜される未来が見えたんだ」
 連続で命の危機とは勇士も大変だね、とヴィクトルは言う。
「一度助けたけどすぐに空の藻屑とか嫌だよね。彼らを上手い事助けてあげて欲しいってのが今回の依頼なんだ。とりあえず勇士たちの飛空艇に直接転移させる事ができるから、積乱雲真っただ中の彼らに力を貸して雲から脱出させてあげて欲しい」
 ユーベルコード、或いは猟兵達の持つ技能を活かせば十分危険地帯から脱出させる事は可能だろう、とシャチは説明する。
「それで脱出してからなんだけども、どうも積乱雲の中に竜がいるみたいでね。飛空艇に襲い掛かってくるみたいだ。風の力を操る強敵みたいだけど、皆ならどうにかできるだろう」
 そう説明したヴィクトルは首にかけた鍵型のグリモアを手にし、転送の準備を開始する。
「竜を返り討ちにできれば近くには賑やかな浮遊大陸があるからそこに着陸して休めるだろうね。戦勝祝いとかもできるだろうけど、まずは彼らの無事をどうにか確保してあげて欲しい」
 それじゃ頑張ってね、そうのんびりとした口調でヴィクトルは話を締め括り、猟兵達を積乱雲の中の飛空艇へと転移させたのであった。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 一難去ってまた一難。

 このシナリオはブルーアルカディア、とある勇士の飛空艇を撃墜されぬよう守るシナリオとなります。
 第一章は超巨大積乱雲に巻き込まれた飛空艇をどうにか雲の外に脱出させる冒険になります。
 いきなり勇士の飛空艇にテレポートできますが、状況は嵐のど真ん中に放り込まれた感じで大ピンチ。上手く技能やユーベルコードを使ったり勇士たちと協力して窮地を逃れてください。
 脱出法や手伝い方は思いつくままプレイングをかけて頂ければ大丈夫です。

 第二章は『制空竜ウルガルドヴァルナージ』との戦いに、第三章は雲を抜けた先にあった賑やかな港町での戦勝祝いの日常になります。
 こちらの二章は冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらをご確認下さい。

●補足
・勇士たちは30人程度。大体人型で少年少女ばかりですが召喚獣やガレオノイド、エンジェルとブルーアルカディア世界の種族がいるようです。
 こんな特徴の人がいるかも、と日常や冒険でプレイングをかけて頂けたら問題ない範囲で採用いたします。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
93




第1章 冒険 『龍の巣だよ!』

POW   :    根性で正面突破、いざとなれば武力や体力で乗り越える。

SPD   :    風を読み最高速で潜り抜ける、モタモタしている暇はない。

WIZ   :    直ちに迂回ルートを探索、とにかく被害を最小限に抑えていく。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

向・存(サポート)
もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~。
ユーベルコードの出し惜しみをするつもりはありませんけどぉ、だからと言って乱発すればいいってものでもないですよねぇ~。
使いどころに迷ったときはぁ、ご同輩に相談すればいいでしょうかぁ~?
けどぉ、非道なことをなされる方には手加減無用、全力で参らせていただきますねぇ~。
あとは最後まで油断大敵、【咄嗟の一撃】も放てるように【逃亡阻止】は意識しておきましょう~。
大丈夫ですよぉ~、手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~。
荒事以外の御用ならめいっぱい楽しんじゃいますよぉ~。
特に読み物なんかは好きですねぇ~。
※アドリブ・連携歓迎


スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
 妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●暴風・轟雷・驟雨の中へ
 龍の巣の如き突然の積乱雲に飲み込まれた勇士達『デイライト』は混乱の最中にあった。
 動力たる天使核のエネルギーにはまだ余裕があるが、船体があちこち軋みをあげている。
 また、急過ぎる状況の変化に対応しきれず、数人の少年少女が船内で壁や天井に体や頭を打ち付けて血を流し呻いたりぐったりとしている。
 元より専門知識や経験の豊富な大人がいないこの勇士達――魔獣との戦いならともかく、ここまで急な天候の変化を経験したことのない彼らは、何かの悪意すら感じる自然の驚異の前にどこから手を付けていいのか分からず右往左往するばかり。
 そんな彼らの飛空艇へ、何の前触れもなく救い主達が転移してくる。
 突然の来客に驚く彼らに、僵尸の向・存(葭萌の幽鬼・f34837)は普段通りのゆるゆるとした口調で語り掛ける。
「もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~」
『あ、貴女は先日邪竜から助けてくれた!?』
 先の戦いで邪竜と戦っていた彼女、勇士達もその姿を覚えていたようで、警戒心はすぐに霧散する。
「すぐに手当てを始めます!」
 もう一人、金色の妖狐のスピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)は怪我した勇士を見るや、すぐに持ち前の医術の知識を活かし救護活動を開始する。
 ここの勇士達はかなり若い。お姉ちゃん気質の彼女としては見過ごせないところだ。 
 同時に、飛空艇がガタンと大きく揺れ軋みを上げる。
「……さて、まずは立て直しから始めましょうか~」
 この非常に不安定な状況で、存はまず飛空艇の混乱を鎮める事が先決と判断し、てきぱき少年少女の勇士達に指示を出していく。
 かつて東州兵として選ばれ戦った彼女、飛空艇の具体的な操作についての知識はそれ程ないけれども、窮地において人がどのような事を優先して動くべきかには割と通じるものがある。
 最優先目標は脱出、その為には飛空艇が振り回されているような状態からの復帰が優先。
 彼女の指示に落ち着きを取り戻した勇士たちは、まず飛空艇の状態を立て直すためにできる事から開始していく。
 出力調整、マストの折り畳み――飛空艇の外での作業が必要なものについては存が包帯を上手く操り吹き飛ばされぬよう見事にこなしていく。
 彼らの努力もあって、先程までの天井が出鱈目にひっくり返されるような状態からはどうにか立ち直り、少なくとも勇士たちが落ち着いて思考できる程度には落ち着いた。
「大丈夫、慌てず考えれば無事脱出できますから」
 怪我をした勇士を手当てに専念していたスピネルが雰囲気を和ませるために穏やかに、けれど適切な指示を行えていたのもあるだろう。
『それにしても何でこんな急に……?』
 飛空艇のリーダー、ソレイユという青年が呟くが、まだこの飛空艇が在るのは積乱雲の中。
 なんにしても、ここから脱出せねばそう遠くない内に飛空艇は雲海の藻屑になってしまうだろう。
 立て直しの次の脱出に向けて、勇士達と猟兵は次の行動へと取り掛かる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ティモシー・レンツ(サポート)
基本は『ポンコツ占い師』または『本体を偽るヤドリガミ』です。
カミヤドリも魔法のカードも、「Lv依存の枚数」でしか出ません。(基本的に数え間違えて、実際より少なく宣言します)
戦闘についてはそれなりですが、戦闘以外は若干ポンコツ風味です。(本体はLv組で出せない、UCの枚数宣言や集団戦は数え間違える、UCを使わない占いは言わずもがな)

探しものは疑似妖精(UC使用時)か占い(外れる)で頑張りますが、多くの場合は有効活用を思いつけずにマンパワーで探します。
猟兵としての体力は、可もなく不可もなく。
「本体が無事なら再生する」性質を忘れがちのため、普通の人と同じように危険は避けます。



●たまには中る占いも
 嵐の中、どうにか体勢を立て直す事に成功した飛空艇だったが、暴風と雨で酷く視界が悪い。
 積乱雲であるからどこかの方角に一直線に抜けられれば脱出できるのだろうが、導もないこの雲の中で闇雲に動けばより奥深くへ潜ってしまう危険性もある。
 そんな状況に現れたのはティモシー・レンツ(ヤドリガミのポンコツ占い師・f15854)という占い師。
「こんな時は占いです!」
 取り出したタロットカードをささっと机に並べ、どちらに向かえばいいのか方角を占う彼。
「えーとこの順番でこの向きの場合は……」
『大きく揺れる! 気をつけて!』
 選んだカードから結果を読み取っているティモシーに向けてそんな声が響いた直後、飛空艇が激しく上下に揺さぶられる。
「おおっと!?」
 吹き飛ばされないよう何とかカードを死守したティモシーは、残りのカードも選び配置して、読み取った結果を勇士たちのリーダーに伝える。
「占いによるとあちらの方角に向かえば脱出できそうだよ」
『……他に目印もない、この方の言葉を信じて行ってみよう!』
 そう仲間達に号令をかけ、ティモシーの示した方角へと飛空艇の舳先を向ける。
 そのまま勢いよく動力をフル稼働させ加速させていけば、次第に風がやや弱まってくるように感じられる。
 積乱雲の外側へと近づいてきている、勇士たちはそう信じてあと一歩と気合を入れて強風吹き荒れる中飛空艇の操船に集中していく。

 ――ただ、一つだけ。
『……あのカード、揺れた時に何枚か向きと位置変ってない?』
 横の方で見ていたエンジェルの少女がぽつりと口にする。
 配置や向きが変われば読み取れる結果も変わってくるもので、そうなると結果が正しいものかもわからなくなる。
 しかしこの勇士たちは知る由もない事だが、元よりティモシーの占いはまず当たらない。
 元々間違った結果を割り出す占いに更に誤りが重なった結果、偶然に正しい答えを得られた――などという事も、もしかしたらあるのかもしれない。
 何はともあれ当たるも八卦、当たらぬも八卦、占いとはそういうものだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です

戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります

普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)

性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります

ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●雹中のエアライダー
 積乱雲から脱する為に飛空艇は速度を上げる。
 進むにつれ風は段々弱まっているように感じられる。このままいけば、と勇士の少年少女達が思う。
 だが、この竜の巣は勇士達をそう易々と逃しはしないようだ。
『正面、雹……氷の塊が飛んできてる!』
 猟兵の指揮で落ち着きを取り戻して周囲を警戒していた勇士の一人が警告、即座に他の勇士達が外を確認すれば見えたのは雹と呼ぶには巨大な氷塊の嵐。
 直径で人の背程もある氷の塊――それが暴風と共に襲い掛かってくる光景を勇士達は目の当たりにした。
 暴風の速度と氷の重量、多少の被弾は何とか乗り切れるだろうか、まともに喰らい続ければ飛空艇も耐えきれないだろう。
 この積乱雲は雷雨や暴風だけでなくそのような危険まで内包していたのか――少なくともこれを超えなければ竜の巣の脱出は不可能。
「私が行こう」
 勇士達が雹を突破する為準備を整える中、日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)という女が自身の影から影の狼を生み出しつつ甲板へと飛び出した。
 この場に猟兵がやって来たのはこの勇士達を無事に脱出させる事、ならば眼前の自然災害を凌ぎ切らせるのが務めとなる。
 試製飛盾『Heimdall Mk-Ⅱ』を展開、月追う狼の名を冠するレガリアスシューズの圧縮空気を解放し、飛空艇の先の逆風へと飛び出す彼方は、両手に短刀を構え雨霰のように飛んでくる人の頭程の氷塊の一つを両断する。
 更に巨大な氷塊を蹴って軌道を逸らすと共に反動で跳躍、飛空艇に命中する前に氷塊を切り裂き割りながら宙を舞う。
 雹の数はすさまじいが、やや小型の氷塊を影の狼が弾き、彼方に付き従い浮遊する盾が阻む事で十分防ぎきれる範囲だ。
 月のエアライダーでもある彼女にとって空中戦はお手の物。他の方角からくる災難は飛空艇の勇士が対応してくれるだろうと割り切り、特に雹の強烈な側からの災厄を自在に空中を飛んでいるかのような機動で彼方は迎撃していく。
 氷塊の嵐をどれだけ凌いだか――気づけば雹は止んで、雲の切れ間が見えてくる。
『見て! 出口よ!』
 飛空艇の方からそんな声が聞こえ、ほんの少しだけ安心した彼方は圧縮空気を吹かせて飛空艇へと帰還したのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『制空竜ウルガルドヴァルナージ』

POW   :    スカイエンペラー
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【口】から【圧縮空気のブレス】を放つ。
SPD   :    ロード・オブ・プロヴィデンス
全身を【かまいたちと異常重力】で覆い、自身の【自尊心】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    アトモスフィア・ブレイクダウン
【周囲の大気を圧し潰す重力波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィリリアンナ・フェアリーガーデンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●竜は逃がさない
 冷静さを取り出した勇士達と猟兵達が力を合わせ、飛空艇は暴風や雹の吹き荒れる積乱雲からどうにか脱出できた。
 先程までとは違い爽やかな風と青空の日差しが困難を突破した勇士達の頬を撫で、あたためた。
 ――しかし。
『後方、竜が来てる!』
 後方を警戒していた勇士の少年が猛スピードで接近してくるそれを察知し、警告を発する。
 やや青みがかった灰鱗に大きな翼、天を支配する存在と語られてもおかしくない威容の『制空竜ウルガルドヴァルナージ』は、飛空艇に対して明確に殺意を抱いているようだ。
 もしかするとこの空域は制空竜の縄張りであったのかもしれない。傲慢な程に自尊心の高いかの竜は、空飛ぶ人工物である飛空艇を破壊せんとぐんぐん速度を上げて迫ってくる。
 振り切る事は不可能、迎撃するしかない。
『小型飛空艇準備! 急げ!』
 リーダーであるソレイユの指示の下、空で迎撃する為に勇士達は疲労したままに飛空艇に搭載された小型飛空艇に乗って、空へと飛び出す。
 自然災害に対しては経験は少ないが魔獣との戦いに慣れている勇士達、それなりに戦う事は出来るだろう。
 だが、制空竜はそれ以上に強力だ。撃破するには猟兵達の助けが必要な事は疑う余地もない。
 追跡者たる竜を迎撃する為、猟兵達は行動を開始した。

====================
●マスターより補足
・勇士たちは脱出のために消耗していますが、ある程度の空中戦闘はこなせます。
 適切な指示があればうまく連携して撃破に役立ってくれると思われます。
 また、小型飛空艇は猟兵達も必要でしたら使用可能です。
====================
六島・風音(サポート)
ガレオノイドのスターライダーです。
スピードなら誰にも負けません。

基本的に人の話を聞かず、スピード勝負に持ち込みます。
そんなことより駆けっこです。
普通に駆けるか、天使核ロケットエンジン搭載の宇宙バイクで駆けるか、ガレオン船形態で駆けるかは状況によります。

ユーベルコードは使えそうなものはどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●風よりも速く
 小型飛空艇に乗った勇士たちが制空竜へと向かおうとする中、一機のガレオンが彼ら以上の速度で飛空艇を飛び立った。
 それはガレオノイド、六島・風音(スピードなら誰にも負けません・f34152)の本来のガレオン船形態。スピード自慢の彼女は全速力で制空竜へと向かっていく。
 向かってくる飛空艇に対し制空竜は吼え、全身をかまいたちと異常重力で覆い速度を緩め迎撃態勢を取る。
 そしてガレオンと竜は接触――せずに、その横をすり抜ける。
 体当たりを警戒していた制空竜は虚を突かれたようにすれ違ったガレオンを振り返る。
 大きく弧を描くような軌道で飛翔する風音は誘う様に速度を緩めている。
 それを挑発と受け取った制空竜は怒り、ガレオンを追いかける為に翼を大きく羽ばたかせ加速。
 ユーベルコードによる助けを借りたその速度に、風音は逆に燃え上がって、
「負けませんよ?」
 ユーベルコードを発動させながら自身の速度を一気に最高速まで持っていく。
 今の状況は彼女にとって戦闘ではなくかけっこだ。スピード自慢の彼女、ただ無心にスピード勝負をする事こそを望む。
 それに没頭する間は制空竜の攻撃も攻撃ではなくされて、かまいたちも異常重力も全て遮断されてしまう。
 風を切り雲海すれすれを飛翔し、風音と制空竜がひたすらに追いかけっこに没頭していく。
 そしてその稼いだ時間に、他の猟兵や勇士達は万全の迎撃態勢を整えたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

筒石・トオル(サポート)
「邪魔をしないでくれるかな」
「油断大敵ってね」
「ここは任せて」
正面切って戦うよりも、敵の動きを封じたり、属性防御を固めて盾や囮となったり、味方が倒し切れなかった敵にトドメを刺して確実に倒すなど、味方の安全性を高めるように動く。
ユーベルコード使用はお任せ。
使用しない場合は、熱線銃での援護射撃を主に行う。
人見知りではあるが人嫌いではないし、味方が傷付くのは凄く嫌。
戦うのも本当は好きではないが、誰かを守る為には戦う。
もふもふに弱い。敵がもふもふだと気が緩みがちになるが、仕事はきちんと行う……ホントだよ?


スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
 妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●制空竜との空中戦
 暫く追いかけっこを続けた制空竜は荒く息を吐きながら、本来の標的である飛空艇へと向きを変える。
 どうやら、あのガレオン船をいくら追いかけても埒が明かないと判断したようだ。
 そして制空竜が速度を上げようとしたその時、数機の小型飛空艇が制空竜の周囲へと飛来する。
 天使核マスケットの弾丸が一斉に放たれ、同時にバラバラに散開して狙いを散らす。魔獣戦に慣れているからか、一つ一つの動きに淀みはない。
 飛空艇からの迎撃部隊に対し、制空竜はその頑強な竜鱗で弾丸を受け流しながら苛立ったように反撃の重力波を放つ。
 周囲の大気を圧し潰すように強烈なそれは向きなど関係なく、ただ制空竜とある程度距離を詰めていたものを無差別に攻撃するもので、勇士達はその重力波に捕らわれぬよう慌てて離脱する。
「ここは任せて」
 そんな中、小型飛空艇を借りていた黒髪の少年筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)が全身にオーラを纏いその重力波の中に飛び込んでいく。
 重力により小型飛空艇が軋み、オーラで圧力を軽減しているトオルの体にも強烈な負荷がかかる中、彼は冷静に距離を見極める。
 121メートル、今だ。
「金が出るか黒が出るか……その身をもって確かめるといい」
 その言葉と共にトオルが眼鏡を外せば、黒の瞳の光が彼にかかる負荷を和らげ傷を癒していく。
 眼鏡を外している間、射程範囲内の対象全てにダメージもしくは癒しを与え続ける彼のユーベルコード。その助けも借りて重力波の中に勇士達が飛び込み制空竜に斬りかかっていく。
 重力波による傷が受ける端から癒されていく――この状況が分が悪いと判断し、制空竜は一旦トオルから距離を取らんと翼を広げ上空へと逃れようとした。
 だが、そこに飛びかかる一人の影。
 既に森の賢者に変身したスピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)は勇士の少年の飛空艇に同乗する形で制空竜の上空へと移動していたのだ。
 先ほどまで救護活動を行っていた彼女は争いごとは好きではない。
 だが、だからこそこの状況を齎したらしき制空竜にはおかんむりな様子。
「逃がしません!」
 容赦なく振るわれたハンマーが制空竜の頭部を殴りつけ、トオルの方へと吹き飛ばす。
 小柄な妖狐の彼女に見合わぬ敏捷な動きはユーベルコードによる魔力の補助をうけたもの、勇士達に紛れ目立たないようにしていた彼女は、森の賢者としての力を存分に発揮していた。
 真下に回り込んできた勇士の小型飛空艇に着地したスピネルは木製の弓に持ち替え、膨大な魔力を矢に纏わせて放つ。
 制空竜は大気を圧縮する程の重力波で防がんとするが、スピネルの狙撃は正確に竜の眼を射抜き、竜が悲鳴を上げる。
 更に黒瞳の光の癒しを受け続ける勇士たちの追撃と、トオルの放った熱線が畳みかけるように制空竜に襲い掛かり、その頑強な竜鱗に傷を刻んでいく。
 勇士達を守る為に黒瞳を光らせ癒し続けるトオルと、彼らを守る為に俊敏に飛び回りハンマーを振るうスピネル。
 二人と勇士たちの攻撃は制空竜に効果的にダメージを加えていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから8年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!

あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ

商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません

あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします



●飛空艇を守る
 猟兵と勇士たちの攻撃に苛立ちを募らせた制空竜は、纏わりつく者達を無視して飛空艇へと加速する。
 再びかまいたちと異常重力を纏った制空竜は強引に囲いを突破し、飛空艇を沈めるためにその力を叩きつけんとしていた。
 だが、当然飛空艇を守る為に残っている者もいる。
「悪いドラゴンにはお仕置きですわ!」
 飛空艇の甲板の上には可愛らしい知恵の布を被った納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)という少女は、あまり殺伐とした戦いを好まぬ少女である。
 だが、他の人が怪我をする事を彼女は望まない。悪しき制空竜には然るべきお仕置きが必要だろうと、可愛らしい取っ手付きの剣――のような殺戮刃物を抜く。
 恐ろしい速度で接近してくる制空竜に対し、ピンチンはユーベルコードを起動し青の瞳を輝かせる。
 そして、飛び込んでくる制空竜に飛びかかり、かまいたちを突っ切って高速で剣を振るう。
 殺戮刃物による攻撃の回数を九倍に跳ねあげる力は制空竜の異常重力をも突破して、その頑健な鱗に連続で命中する。
 だがそれは斬撃ではない。直前で攻撃全ての刃が返されているからただの打撃で、お仕置きだ。
 ただ、その攻撃は制空竜の高慢な自尊心を逆に傷つけたようで、その身に纏うかまいたちや異常重力が見る見るうちに弱まっていく。
 それでも竜はその尾でピンチンを叩き飛空艇へとはじき返す。
 くるりと回転して減速の為に剣を甲板にちょっと突き刺して――、
『痛っ』
「えっ? 誰か何か言いました?」
 凄く小さな声がピンチンに聞こえ、彼女はきょろきょろ辺りを見回すが、誰もいない。
 不思議に思いながら、ピンチンは飛空艇を睨む制空竜に向かって再び剣を構えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

タカシ・セイヒ(サポート)
元アルダワの生徒異端児セイヒです
感心は魔術探求にありますが猟兵としての仕事を疎かには致しません
場を乱さず他の猟兵の皆さまと協力して事件の解決に従事して参ります
魔術師なのであまり前に出ての近接戦は得意ではありませんが魔術の撃ち合いや後方支援や援護等で皆さまのお役に立ちたいと思います
珍しい魔術や遺跡等には好奇心が先走りたまに暴走することもありますが出来るだけ自制して参ります
腕が四本も有りますので素早い作業等もお役に立てると思います
本業は魔術研究者なのでその知識をいかして対魔術や対魔獣でもお役に立つと思いますのでどうぞよろしくお願い致します。



●魔術人形は飛空艇を守る
 飛空艇を睨む制空竜ウルガルドヴァルナージ、後方から小型飛空艇の勇士達が戻ってきたことを風の流れで悟ると、翼を広げ全速で飛翔する。
 追跡者を振り切るような高速で、更に口から圧縮空気のブレスを放ち撃墜せんとする。
 辛うじて回避する小型飛空艇の勇士達だが、そのブレスで陣形が乱れた隙を突いて竜は飛空艇へと強烈なブレスを放った。
 だが、ブレスを阻む為に杖を手にした青のドレスの女が対抗にかかる。
「これは僕が対処しましょう」
 青を纏う緑肌のミレナリィドール、タカシ・セイヒ(探究者の成れの果て・f37132)はこの瞬間を警戒し飛空艇で備えていた。
 後方支援を得意とする彼女は魔導書を開きユーベルコードを発動。
「哭け、秩序無き宙の暗黒よ」
 反抗の刻印より引き出した魔力を元に蒼き魔方陣を展開、更に重力無き暗黒地帯と空間の歪みより流星群を呼び出してブレスに真っ向からぶつけた。
 彼女は魔術師であり魔術研究者、知識にあった圧縮空気のブレスに対抗する魔術を即座に展開しつつ、更に浮遊盾を操って圧縮が解けたブレスの余波をも完全に阻み切る。
 そればかりか彼女自身を強化する魔方陣の効果もあり、ブレスを散らした流星が制空竜の操る風の守りをも突破しその腕の肉を弾けさせる。
 空を制する竜といえど、広大な宇宙を起源とするチタノナスカの齎した魔術には及ばぬとでも言うかのように、人形の魔術師は杖を振るい高速で飛翔する制空竜に流星の追撃を仕掛けていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

木元・祭莉(サポート)
「よっし、おいらに任せといてー♪」

グラップラー×サウンドソルジャー、14歳の人狼少年です。
前衛肉弾派で、積極的に行動します。
まだまだ未熟なアホの子ですが、やる気だけは人一倍!

あまり悩まずさっと決断して、臨機応変に切り替えて、いつも楽しそうにテンション高く行動します。
本人マジメでも、結果コミカルになりがちです。

ユーベルコードは、地味に戦闘力底上げに使うことが多いです。
最後は、グラップルの正拳一撃で締めるのが理想形。

多少の怪我は耐性のおかげで気付かず、肉を切らせて骨を断つ、がモットー。
いつも笑顔で、後先考えず。でもちょっとビビリ。

あとはおまかせで。よろしくおねがいします!



●制空竜に落とされる裁き
 飛空艇からの魔術による攻撃、そして小型飛空艇を駆る勇士達の的確な攻撃に、制空竜ウルガルドヴァルナージの本来強靭な肉体は満身創痍だ。
 だが、縄張りを侵された制空竜の怒りは撤退を選ばせない。侵入者を見逃す事はかの竜の高い自尊心を甚く傷つけてしまうのだから。
 竜は空中で静止、そして一際大きな咆哮を重力波と共に放つ。嵐の如き積乱雲に痛めつけられ、連戦で制空竜と戦う事になった勇士達の体力は限界を迎えており、まともにこの重力波を受ければ少なくない人数が雲海の藻屑と化すだろう。
 そんな中、明るい少年の声が響く。
「よっし、おいらに任せといてー♪」
 小型飛空艇を駆る軽い口調の彼、木元・祭莉(まつりん♪@sanhurawaaaaaa・f16554)という人狼の少年は制空竜の周囲をぐるりと飛行する。
 大気を圧縮する重力波の影響を受けない距離を見極めて、彼は空中にニワトリのような何かを召喚していく。
 それらは重力波に引っ張られるように制空竜へと近づいて、それが制空竜へと到達する前に周囲を巡った祭莉が指をぱちんと鳴らす。
「行くよ、メカタマコ!」
 ユーベルコード発動、制空竜の重力波を囲むように召喚していたメカタマコーーニワトリ型ロボが、祭莉が指を鳴らしたと同時に一斉に鳴く。
 その鳴き声に呼び寄せられるように天が輝き、裁きの雷が轟音と共にメカタマコ達の陣の中心を貫いた。
 あらゆる存在を消し飛ばす雷を受け、それでもまだ制空竜は意識を保っていた。
 道連れに――そんな最期の怨念を、野生の勘に従い飛び込んできた祭莉の琥珀纏う拳が打ち砕く。
「これでおしまい!」
 飛び込ませた飛空艇を足場に、竜の胸に叩き込まれた祭莉の全力の正拳――頑強な胸部、心臓を貫き、制空竜の高慢な意識を断ち切った。
 力を失い墜落する竜の骸を真下に潜り込んだ飛空艇が甲板にて受け止める。
 制空竜の撃破と共に、戦闘の最中広がりかけていた雲は完全に消え失せていく。
 そして、苦難を乗り越えた勇士達と猟兵の眼前には大きな浮遊大陸の風景が広がっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『港町を満喫しよう』

POW   :    食べ歩きで名物料理に舌鼓を打つ!

SPD   :    商店街で買い物三昧!

WIZ   :    観光スポットで異文化体験!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●勝利を飛空艇港で
 積乱雲、そして竜の追撃を突破したデイライトの勇士達は、浮遊大陸の飛空艇港へと着陸した。
 魔獣である制空竜の遺骸は少々火が通り過ぎているものの、何らかの料理に使う事は十分可能だろうと、勇士たちはそれをこの街に提供する事にした。
 魔獣解体士が手際よく解体し、料理人が腕によりをかけて調理していけば街の住人も大喜び。いつの間にか屋台まで準備されてお祭り騒ぎになっていた。
 突然の困難を乗り越えた勇士の少年少女は、この飛空艇港の街でつかの間の勝利を喜び、次の旅へ挑む活力を取り戻していく。
 このお祭りの時を一人で、或いは仲間と過ごすのもいいだろう。もしくは勇士達と何か語ってもいいかもしれない。
 次なる冒険までの時間はそうないけれど、どのように楽しむかを選ぶことはできるのだから。
コノハ・ライゼ(サポート)
態度口調、一人称も気分次第、嘘吐き気紛れなお調子者。
オブリビオンは喰らうもの、猟兵業は餌場で狩場。悪食で酒好き。
楽しい事と人の笑顔が好きで飄々と笑みを絶やさない。
バルの店主。

※妖孤だが耳尻尾は晒さない

・以下PC口調
笑顔が一杯の祭やパーティーは好き、美味しい物があれば尚の事。
好き嫌いはナシ。
接客業だもの、誰にでも愛想良く接するしサービス精神は旺盛だよぉ。
きらきらや綺麗な景色も大好物で
そーゆーモノはゆっくり眺めたいわネ。
もちもちやもふもふな肌触りのイイ生き物にはちょっと弱いカモ……よく一緒に寝ちゃう。
大抵の事は人並みにこなすケド、歌だけは苦手ネ。
料理はモチロン得意、使える場面では積極的に使うわネ。



●狐は祭りの賑わいに
 突発的な祭りに賑わう飛空艇港へやってきたコノハ・ライゼ(空々・f03130)という青年は、大通りを歩きながらこの場の空気を楽しんでいた。
 耳も尻尾も隠しているが妖狐である彼は、港の人々の顔に浮かぶ笑顔や楽しさの表情を好ましく思う。
 もっとも、バルの店主であるから表面上は誰にでも愛想よくするのだけれど。
「あっちの方、凄く賑やかネ」
 ゆっくり眺めていても悪くはない街並みの向こうに、特に楽しそうな気配を感じたコノハは興味を惹かれてそちらへ向かってみる。
 その場所は広場、勇士が狩って提供したらしい竜の素材を人々に販売しているようだ。
 特に頑強な鱗や角は武具にも加工できるらしいそれらを、勇士らしき人々がより高い値を付けて競い合い、そしてそれを取り巻き見ている普通の人々も盛り上がっている。
 そちらに熱気にちょっとばかり当てられそうになりつつ周囲を見渡すコノハが見たのは屋台だ。
 魔獣解体士が下拵えした素材を料理人が調理した屋台料理――料理を得意とするバルの店主としては、少々味わってみたいところ。
 屋台店主のオススメは特製のたれに漬けた串焼き、コノハは一つ注文して熱々の内に味わってみる。
 引き締まった肉の食感に口に広がる濃厚な旨味、そしてそれを引き立てる香ばしいたれの味わいにコノハは感心する。
 これは酒も合いそうだ、とそんな事を考えながら、紫雲の髪の青年は飛空艇港の祭りの時を楽しむのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

バルタン・ノーヴェ(サポート)
「オー! ワタシはバルタン・ノーヴェ、デース!」
日常を満喫しマショー! アドリブ連携歓迎デース!

普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
得意な技能:【奉仕・料理・掃除・裁縫・救助活動】デスネ!

たぶん戦闘はないと思いマスガ、バトルの時は元気に暴れマスネー!
料理が得意ですが、奉仕や救助活動(介護や子守り含む)といったメイド・アクションも可能デース!
にぎやかしとしてワイワイはしゃいでもOK!
こっそり裏方で労働に勤しんでもOKデース!

他の猟兵の方々と楽しめるように努めてマース!
公開UCやバルタンズ、アイテムの使用も問題なくOKデスヨ!
よろしくデース!



●バトルメイドの嗜み
 紫雲の妖狐が訪れる少しばかり前。
 そして竜の解体が行われる競りの会場の裏では、飛空艇港在住の魔獣解体士達や料理人が竜の解体に苦戦していた。
 大気と重力を操る制空竜、その部位を上手く加工できれば勇士達の助けになる武具の材料にできるが、如何せん鱗も肉も頑丈で中々癖がある。
 ただ撃破するだけならまだ何とかなるが、部位を傷めず損なわずに剥ぎ取るのは難しいという事だ。
 さて、そこに現れたるは緑髪のメイド、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。
「オー! ドラゴンの解体デスカー!」
 今回は日常――お祭りを楽しみに来たバルタンだが、困っている人がいるのであれば奉仕精神がついつい疼いてしまうようで。
「ワタシに任せてくだサーイ!」
 と、肉切包丁のような無骨なファルシオンを取り出して、手早く部位ごとに見た目に依らぬ怪力で切断して素材に丁度いいサイズに|解体《バラ》していく。
 心臓の位置にある天使核もメイドには似つかわしくない――雇用者の要望を聞き届け完遂する為のプロの技術で無駄なく解体していく様は、魔獣解体士達も唸り彼女のサポートに回るほど。
 二頭身のサポートロボット達にも手伝わせつつ、鱗や角など大体の素材を剝ぎ取った彼女が次にかかるのは肉。
 可食部位を丁寧に選り分けて切断して下ごしらえを行う料理人に回していき、骨と内蔵だけを残し見事に解体を終えたバルタンを拍手が包む。
 彼女の手助けもあって、競りは大いに盛り上がる事だろう。
 一仕事終えて上機嫌なバルタンは、賑やかな飛空艇港の祭りを楽しむ為に広場へと向かうのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神崎・伽耶(サポート)
アドリブ連携OK!
基本、『食べること』に関係した行動を取りがち。
何でも食べるが、素朴で大胆な料理を好む。

人懐こく、底抜けに明るい、マイペースなお姉さん。
一見、何も考えてないかのような突飛な行動が多い。

情報感覚は鋭敏、違和感を感じると突っ込まずにはいられない。
手持ちのアイテム、ユーベルコードを駆使して突撃する。

複雑なことを考えるのはあまり得意ではなく、瞬間的に判断して、反射的に動く。

基本は善良。
困った人がいれば損得抜きで行動しがち。
活動の原動力は、好奇心!

なお、ネーミングセンスは最悪。
悪食で何でもいただくが、味覚は優秀。

トリックスターとして動かしていただけると幸甚なり!



●グルメはお空でも
 解体された竜と素材の競りに賑わう広場から大通りへと向かえば、店に屋台に賑やかな祭りの人ごみができていた。
 焙られた肉の香ばしい香りによく煮込まれたスープ、更には空の魔獣の肉やこの浮遊大陸で採れた野菜を使った料理など、人々の生活が感じ取れる屋台やお店。
 その中を神崎・伽耶(トラブルシーカー・ギリギリス・f12535)は両手に料理をたっぷり持って歩いていた。
 素朴で大胆な料理を好み、ご当地グルメレポーターとして各地を巡っている彼女にとって、この浮遊大陸の料理を堪能できる機会は渡りに船といったところか。
「どの料理もレベル高いねぇ!」
 空飛ぶイカ型魔獣をさっぱり仕上げた刺身に羊肉を炭火で焼いたシンプルな串焼き、串焼きといえば広場の屋台にあった竜肉の串焼きも中々ボリュームがあってよかった――。
 悪食ではあるけれど味覚自体は優れている伽耶は、そんな事を考えながらこの祭りの時間を堪能していた。
 そして夕暮れの街を歩く中、勇士らしき少年少女の一団に遭遇する。
 耳に入ってくる話を整理すると、猟兵達に助けられた彼らはどうやら次の旅支度を終えてまた次の旅に出発するようだ。
(「もう少しゆっくり休んでもいいのにねぇ」)
 もしかするとそうもできない事情もあるのかもしれないが。
 少々好奇心が刺激されて声をかけようかちらりと思ったが、急ぎ足で人ごみを歩く彼らを見失ってしまい、少しして飛空艇が一隻空へ旅立っていった。
 もしかするとどこかでまた縁があるのかもしれないが、一先ずはこの飛空艇港の街を楽しもうと伽耶は切り替えて、数々の屋台へと再び挑んでいくのであった。

 かくして二度に渡り救われた勇士達は、次の旅へと向かって行く。
 故郷を亡くした彼ら、その旅のどこかで再び猟兵と縁が繋がる事もあるのかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年09月16日


挿絵イラスト