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銀河帝国攻略戦㉒~ドクター・オロチに打ち勝つ勇気~

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #ドクター・オロチ

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●1つの決戦。
 『アマルテア情報艦隊』『オロチウイルス突撃艇群』を無力化した猟兵と解放軍は、ついにドクター・オロチの乗艦であり研究施設でもある実験戦艦ガルベリオンを発見する。
 砲撃により、ガルベリオンを航行不能に陥らせることに成功するが、ガルベリオンはたちまちその損傷を修復し始める。
 その光景は、猟兵達にドクター・オロチの生存を確信させるには充分だ。猟兵達は、一般人がドクター・オロチに近づくのは危険であると判断。
 こうして『解放軍』は銀河皇帝直属の軍勢との決戦に集中して進軍することとなり、ドクター・オロチとの決戦は猟兵達に託された。
 今だけでなく、今度のスペースシップワールドの平穏を喰らう脅威に。少数精鋭の猟兵たちが命がけで戦いに挑む―――。

●グリモアベース
「これで終わりではない。だが、1つの決戦の時がやってきた」
 出現する可能性のある場所の1つ予測した清水谷・柳牙(軍人脳・f00466)がグリモアベースで猟兵たちに呼びかける。
「銀河帝国の執政官兼科学技術総監ドクター・オロチとの戦いだ。どうだ、怖いか?」
 呼びかけに集まった腕の立つ猟兵たちも、数々の非道な兵器を開発し、悪辣な策略を実行するおぞましい存在に震える者もいただろう。
「怖い。それでいい。敵はとんでもなく強い。敵をちゃんと認識できることは、かつために必要なことだ」
 そう言って笑顔を見せる。猟兵たちも、それにつられるようにして笑顔になる。何度も戦いを経験した。今回だってきっと大丈夫。
 誰もが不安だからこそ。誰もが成功を信じて言い聞かせる。この戦いは困難であると同時に。チャンスでもあった。
「スペースワールド。いいところだよな。上手い飯作ってる船とか俺みたぞ。この戦いが終わったらお前ら全員案内してやるよ」
 だからこそ、怖くても辛くても弱音は見せない。いつも通りに猟兵らしくいこう。そんな強い意志が、猟兵たちを勇気づける。
「作戦としては、予測したポイントに皆で待ち伏せ。現れたところで束になって襲う。奇襲作戦と行こうじゃないか。それでも、一筋縄ではいかないと思うがな」
 ドクター・オロチは反応が良く、奇襲だとしても敵の先制攻撃は避けられないだろう。
「だが、情報戦では俺たちが勝っている。ドクター・オロチの特殊な攻撃はリストにまとめといた。奇襲ではあるが、まずは攻撃を耐えてから戦うようにしてくれ」
 最後に検討を祈ると付け加えて、柳牙は猟兵たちを送り届ける為の準備を始める。グリモアベースが緊迫した雰囲気に包まれていく、それでも心は皆どこか穏やかになっていた。
 仲間と共に行くのだから、きっと大丈夫。根拠のない、それでいてどこか頼もしい勇気という感情に身を任せて、猟兵たちは激戦地へと向かっていく―――。


えんぷ茶
 えんぷ茶です。オープニング閲覧頂きましてありがとうございます。いつもと違って強敵との戦闘になります。覚悟をもって万全に備えて戦いに向かってください。猟兵たちならばきっとやれる筈!!MSとして、1人のPLとしても皆様を応援しています。

 ※このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 ※ドクターオロチについて
 ドクター・オロチは装備した水晶剣によって、自ら発明したと思われる奇妙な存在達を召喚する能力を持つ、かなりの強敵となっています。
 油断すれば、猟兵の精鋭であっても敗北する危険性は高いでしょう。

 また、ドクター・オロチは必ず先制攻撃を行います。その攻撃はとても威力が高く、防ぎきれないとまともに戦うこともできないでしょう。しっかりとした対策を行うことが勝利の鍵となるでしょう。

 戦闘場所は実験施設のような場所です。奇襲の為にどう隠れるか。また、防御からどう反撃に出るかも大事になってくるでしょう。
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第1章 ボス戦 『ドクター・オロチ』

POW   :    ジャイアントカルシウム
自身の身長の2倍の【恨みの叫びをあげる骸骨巨人】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    カリスティックボディ
自身の肉体を【あらゆる生命体を溶解し取り込む緑の粘液】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    ビャウォヴィエジャの森のフェンリル
【水晶剣が変形した門から『フェンリル』】の霊を召喚する。これは【炎の体を持つ巨大狼で、爆発を呼ぶ咆哮】や【瞳から放たれる魔炎光線】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

五十嵐・達也
操君(f12510)と同行する
ドクター・オロチ、何と悍ましい存在であろう
発明品も極めて常軌を逸した物であり、危険と言わざるを得ない
「その災禍を摘み取る事こそ、全力ですべき事と受け取った」

先手を取られてしまうならば、対応出来るよう準備を整える
咎狩人の大盾でしっかり盾受け出来るように覚悟を決め、防御に失敗してもオーラ防御で致命傷だけは回避する
その上で咎狩人への助言を用いて、ドクター・オロチの攻撃を回避、あるいは防御
威力を少しでも殺せるように受け流す
「格上極まりないが、対抗出来ない訳では――!」
武装は咎狩りの長銃で伸縮性と速度に対応出来る用に、可能なら先制攻撃に対するカウンター気味に反撃しよう


三千院・操
達也さん(f00485)と一緒だよ!
おれはおまえに対して思うことはひとつだけ!
――はやく死んでおれのものになってよ。
そのためにも、油断しちゃあいけないよね? ガチで行くから!

先制攻撃は束縛の呪詛を何重にも纏わせてバリアのようにすることで相手の攻撃を防いで、『サヴァンの叡智』で演算して複写するよ。
高速詠唱を使用して可能な限り呪詛の膜を重ねて防御力を強化したいな。

「わかってるよ、流兄ちゃん。目には目を、歯には歯を、でしょ?」

先制攻撃後はこっちがフェンリルを使役。破壊の呪詛を何重にも重ねて、達也さんの攻撃の裏から2回攻撃しよっか。
俺自身は『葬送曲』で達也さんの援護をするように遠隔攻撃するよ!



「ムシュシュシュシュ……ボクに刃向かう邪魔な奴らが目障りなんだよねぇ!」
 ドクター・オロチは発明品や研究機材やコンピューターがずらりと並ぶ実験施設を歩いて周りながら一人、ぼやいていた。
 その声からは何度も現れては奇襲を仕掛ける猟兵の存在に苛立っていることが伺える。
 奇襲が読まれているという不利な条件と、苛立ちという有利な条件。複雑な理の中で、猟兵たちがドクター・オロチへと奇襲を仕掛ける――!
「その災禍を摘み取る事こそ、全力ですべき事と受け取った」
「おれはおまえに対して思うことはひとつだけ!――はやく死んでおれのものになってよ」
 最初に飛び出したのは五十嵐・達也(血濡れの咎狩人・f00485)と三千院・操(ネクロフォーミュラ・f12510)だった。見るからにタフガイな2人が、猟兵たちの盾になろうと奮起する。
 その姿に恐れはなく。己が目的のために、皆の目的のためにと。力強くその足を踏み抜いて、ドクター・オロチに襲い掛かる。
「こんなところにまでやってきたのかい!?ほんっっとにしつこいね!」
 ドクター・オロチは水晶剣を変形させると、門のようなものを生成し、その中から狼の姿をした巨大な怪物……フェンリルの霊を召喚する。
「ウォォォォォォォォン!」
 炎でできたその身体が唸り、咆哮を上げれば爆発を呼ぶ。操は、その咆哮に合わせるかのように束縛の呪詛を何重にも縫わせていく……一人の思考回路ではとても追いつかない連続技。しかし、彼に宿る何かが、そのバリアを補助していた。
「すごい攻撃だね!もっと来いよ!」
 操はフェンリルの動きをよく見ながら攻撃を耐え凌ぎ、その理を少しでも多く理解しようとしていた。
「ウォォ、フォォォォン!」
 更に瞳から放たれる魔炎光線。いくら重ねたバリアだからといって、強力な炎や爆発を何度も耐えることはできないだろう。しかし、操は笑っていた。
 その強大な強さをも、全て理解しつくし、防御を刻む。思考回路がフルに巡っていき、演算することで理解を深めていく。
「へぇ、そう使うんだ!」
 ――何かを理解した。その時、操の腕が上腕二頭筋が唸るように光を放つ。
「わかってるよ、流兄ちゃん。目には目を、歯には歯を、でしょ?」
「ムシュ!?な、なんだって!?」
 その光が収まる時、操の隣には、青色の炎をまとった巨大狼が現れていた。色合いこと違えど、その姿はまごうことなきフェンリルそのものだった。
「いっけー!おれのフェンリル!」
 操フェンリルはオロチフェンリルに激しくぶつかっていく。その傍らで、咎狩人の大盾をしっかりと握り、達也がオロチへの距離を詰めていた。
「ムシュシュ……その身体、頂いちゃおうかな?」
 自身の肉体を緑の粘液に変えて、まるで触手のように操り達也に襲い掛かるドクター・オロチ。その攻撃を目視して、しっかりと盾で受ける達也。しかしドクター・オロチも一筋縄ではいかない。
 その触手をにゅるにゅると回転させて、達也の背後をも奪うように四方八方から攻撃を加えていく。盾で防げない死角にオーラを放ち、攻撃を退けようとするが、貫通し、その液体を身体に受けてしまう。
「格上極まりないが、対抗出来ない訳では――!」
 緑の粘液に触れる度に服は溶け、徐々に皮膚へと侵食し始める。それでも達也は一歩も譲れない思いで踏ん張り、立ち続ける。
(狂人の戯言に聞こえるか。ならば試してみる事だ)
 そんな達也の想いに応えるように、何処からともなく声が聞こえる。その音が、攻撃が来る方向を教えてくれていた。
「な、読まれてきた……どんなマジックを使ったんだい?」
「なぁに、ただの戯言……だッ!」
 触手が伸びた方向へ今度は長銃を取り出すと、そのまま触手に向けて発砲する。その射撃は触手を確実に捉えて、地面に緑色の液体が散っていく。
「やるようだけど、この数は防げないよね!」
「達也さん!」
 操が破壊の呪詛を何重にも重ねた攻撃で、ドクター・オロチの増やした液体を破壊していく。またドクター・オロチが触手をを増やそうとした、その時だった。
「ここだ!」
 長銃の発砲音。ドクター・オロチの高い悲鳴が実験施設内に響き渡る。その左肩を、達也の銃が捉え、大きな風穴が空いていた。
「ム、ムシュシュシュシュ……やるねぇ」
 ドクター・オロチと言えども痛覚はあるのか、右手でその傷を抑えている。徐々に身体を回復させようと集中しているようだが、そんな隙は与えまいと、傭兵たちは更に奇襲を仕掛けていく――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

花巻・里香
最悪なこと(ジャミング装置の件)をしてくれたもの一発入れさせて貰わないと。
風景に擬態(変装)したフォース・ストリングを私の周囲に張り巡らせて糸をセンサー代わりに粘液の軌道を見切り回避。
細く練り上げたこの糸はフォースオーラでもあるの。回避補強に念動力も併せて僅かでも粘液の速度を抑え軌道を逸らしていくわ。
捨て身のフェイントで誘き寄せた隙に、だまし討ちする様に【魅惑の外装人形】を発動、距離が近い程対象を自由に操るフェロモンで誘惑し「目の前で元の人型に戻る」命令と共に双鎌による薙ぎ払いを放つわ。
粘液もオロチの体であるものね流石にフェロモンが効くのは僅かでしょうけど。それでも一瞬の好機を、早業の見せ所ね



「ムシュ!? 回復中に奇襲なんて、最悪なことするじゃないか!」
「最悪なこと。してくれたのはあなたでしょう。一発入れさせて貰うわよ」
 ドクター・オロチに妨害しようと立ちふさがったのは、花巻・里香(クリスタリアンの人形遣い・f05048)だった。
 ジャミング装置を始め、数々な陰湿極まりない装置を発明したドクター・オロチに怒りを込めて、この場に来ていたのだ。
「一発先に入れるのはボクの方だけどね!」
「それはどうかしら」
 風景に紛れた糸が揺れる。まるで世界が少し歪んだかのように見えるその糸の動きを見て、里香は緑の液体を回避していく。
「随分と用意周到じゃないか」
「だからいったじゃない。一発入れさせて貰うわよって!」
 細く練り上げた糸の数々は、念動力も併せていて。その糸に触れた液体はほんの少し速度が落ちていく。
 速度が落ちれば、当然軌道も変化する。液体が彼女の身体を濡らすことはなく。一転攻勢。里香は反撃の時だと前に出る――。

 まるで捨て身のような突撃。ドクター・オロチは同じように液体を飛ばそうにも、まだどこかに糸のトラップがあるかもしれない。
 迂闊な消耗は避けたかったのか、そのまま己の身体で受ける構えを見せる。トラップがあると見せかけたフェイントにより、身体で受けようと反射的に前にでてしまったドクター・オロチ。
「魅惑の外装人形――」
 里香が呟くと、手にしていたからくり人形が分解され、体に纏うようにして1つの身体となる。強化外装となったからくり人形から、フェロモンが放たれる。
「ムシュシュシュシュ……。そんなフェロモンなんて……!」
「あなた本体には効かないでしょうね」
 里香が狙いを定めたのは、先ほどから飛び散らせていた粘液の方だった。視認できる範囲に飛び散った粘液をコントロールし、ドクター・オロチの行動を少しでも制限しようとする。
「これが私の一発よ」
 目の前で元の人型に戻るように粘液を動かし、オロチの身体が戻ったところをつかさず双鎌で薙ぎ払う――!
「ムシュシュ……!小賢しい真似を!」
 ドクター・オロチはその薙ぎ払いを腹部に受ける。斬りつけられた箇所を抑えながらも、まだまだ戦意は残っている。
 里香の策略により、ドクター・オロチの力を削ぐことに成功した猟兵たち。まだまだ潜伏している兵が、今が絶好のチャンスだと、次々と強襲を開始する――。

成功 🔵​🔵​🔴​

リミティア・スカイクラッド
フェンリル――伝説の魔狼の名を冠するだけはある威容です
しかし、その巨体は仇ともなります。リムはそれを証明しましょう

装備の風に乗りて歩むものの「封印を解く」ことで瞬間的に超加速
光線と咆哮を避けながら接近し「スライディング」で狼の体の下を潜り抜けます

そのままオロチに接近しUCを発動
城塞の内部に自分ごとオロチを閉じ込め、狼が入って来れぬよう城の門を閉じます

召喚中、オロチの水晶剣は門に変形し、武器をひとつ失っている状態
そこに好機を見出し、宝石剣による近接戦闘を仕掛けます
大気を踏んで駆けながら刃に炎を纏わせ「属性攻撃」
ここはリムの城、リムの舞台。地の利はこちらにあります
何度でも骸の海に沈めてみせましょう



「フェンリル――伝説の魔狼の名を冠するだけはある威容です。しかし、その巨体は仇ともなります。リムはそれを証明しましょう」
 リミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)は、ドクター・オロチの召喚したフェンリルに向かって走り出す。どうやらフェンリルと正面からやり合うつもりのようだ。
「ムシュシュシュシュ……!フェンリルがそう簡単にやられる筈がないよ!」
「いきます!」
「フェンリル!そいつを焼肉にして食べてしまいな!」
「ウォォォォォォォォン!」
 大気を踏んで踊るように空を翔るリミティアは、その靴の封印を解くことでフェンリルの産む爆発を瞬間的に超加速して避けていく。
 封印を解く時の速度と、普段のダッシュ速度。2つの速度を刻むことで、光線と咆哮を避けながら接近し、更にスライディングでフェンリルの股をくぐり抜けていく。
 小柄ながらもアクロバットな軌道に、フェンリルは身体がついていかなかったのか。一時的にリミティアを見失ってしまう。
 その隙を、リミティアが逃す筈がない――!
「夢幻城塞、展開完了。全砲台に魔力充填。」
 刹那、巨大な魔術城塞がドクター・オロチとリミティアだけを覆うようにそびえ立つ。リミティアの姿は、少女の姿から一転。その城主たる女王にふさわしい。大人びた姿へと変貌する。
「照準良し――放て」
 冷酷にすら感じる静かでかつ美しい声の音色。それでいて聞いたものに絶望を与えるような一言。
「ムシュシュシュシュ……。まさかフェンリルはブラフだったなんてね!」
 ドクター・オロチは自身の肉体を緑の粘液に変えてその射撃の攻撃を和らげていた。
「ムシュシュ。生身で射撃を受けると痛いからね!」
 一度銃撃を受けて学習していたのだろう。その攻撃をなんとか受け切ったドクター・オロチは自慢げに声をあげる。
 しかし、ダメージが全くなかったわけではない。心なしか、その動きは微かにふらついているようにも見える。
 その隙を逃すわけにはいかない、と。猟兵たちが更に追撃を仕掛けていく――。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

メンカル・プルモーサ
……ん、Dr.オロチ…頭脳は凄いけど……それでも同じ研究者として…そのやりかたは…見逃せない…
圧縮格納術式【アヴァドン】に予め金属の板やシートを多数収納しておく……
Dr.オロチが●カリスティックボディで襲いかかってきたら実験施設の機材や術式から取り出した金属の板やシートを盾にする…
…生命体を溶解する事を主眼に置いているなら…金属への腐食は生命体ほどじゃないはず…もし金属が溶け初めても次から次へと盾を繰り出して時間を稼ぐ…
…そして、稼いだ時間で【起動:海神咆吼】の準備を整えて…主砲の荷電粒子砲により粘液を一気に焼き払う…
…その後は氷の弾丸をDrオロチに打ち込んで援護射撃でみんなのフォローに回る…



「……ん、Dr.オロチ…頭脳は凄いけど……それでも同じ研究者として…そのやりかたは…見逃せない…」
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は、普段から袖口に仕込んでいる空間を歪めて物を格納する術式で、金属の板やシートなど、防具になりそうなものを片っ端から収集していた。
「ムシュシュシュシュ……キミもボクの敵だよねぇ!」
 ドクター・オロチはメンカルに目を付けたのか、自身の身体を液体の弾丸のようにしてメンカルに襲い掛かる――!
「……やっぱり、そう…」
 メンカルは研究者としてこの液体に仮説を立てていた。もし、本当に生命体を溶解する事を主眼に置いているならば、金属への腐食は生命体ほどじゃないはずだと。
 その予感は的中し、金属への腐食はゼロではないものの、比較的緩やかに進行している。
 腐食が強くなった金属は捨て、新しい金属を取り出して盾にしていくメンカル。
「どんだけ施設の金属を盗んだのさ!」
「……勝てば、官軍…計算、通り……!」
 メンカルが時間稼ぎまがいのことをしたのには理由があった。メンカルが立っていた場所の背後に生まれるワープゲート。そこに見えるのは……。
「ムシュ!?そんなのあり!?」
 飛空戦艦ワンダレイの主砲だった。
『座標リンク完了。魔女が望むは世界繋げる猫の道……主砲、一斉射!』
「内部から全力破壊されちゃ困るし、キミたちも一緒に死ぬ気なの!?」
 ドクター・オロチは自身の身体を緑の粘液に変えて、その主砲を包み込むようにして抵抗する。主砲の荷電粒子砲がその粘液を一気に焼き払う――!
「……やった…?」
「む、ムシュ、ムシュ……まだまだ、やられるわけにはいかないんだけど!」
 人の姿に戻ったドクター・オロチは、身体の所々が黒く焦げていたものの、まだまだ威勢のいい声を上げて猟兵たちの前に立つ。
「……残念…」
 そうは言いながらも、ドクター・オロチに戦術的に勝利したメンカルは、すぐに氷の弾丸を放ち、遠方から他の猟兵たちの攻撃をサポートする姿勢に入る。
 メンカルは作った大きな隙に、残っていた猟兵たちが最後の奇襲を仕掛ける――。

成功 🔵​🔵​🔴​

エスタシュ・ロックドア
その骨が来たらぶっ壊すんだよなぁ
ああ、頼むわ椋(f01816)
今度ばかりは骨が折れそうだからよ

【存在感】で敵の注意を引く
初撃が来たら【第六感】で攻撃方法を感知

水晶剣の突きか縦斬りなら横へ【ダッシュ】
横薙ぎなら後方へ【ダッシュ】
いずれにしろ狭い場所へ逃げ込んで、追ってきたら顔出した瞬間『ブレイズフレイム』
火は目晦ましだ
骨の関節を狙って【怪力】【鎧砕き】を乗せた鉄塊剣をぶち込む

粘液が来たら【カウンター】
皮膚に穴開けやがった瞬間に『ブレイズフレイム』
俺ぁブレキャリだからな、少々の事は物資化した炎でなんとかするわ
粘液にはさっきの炎で過熱した鉄塊剣を叩きつけるぜ


六島・椋
骨(びじん)に会えそうな予感があったんだが
なんて、今度は真面目だ
行くぞエスタ(f01818)

自分は【目立たない】よう人形オボロの影に潜み、
オボロは外套で人形とわからないようにし【存在感】【おびき寄せ】でデコイとして向こうの目を引けるか試そうか

攻撃はそのオボロと他の人形達で【盾受け】【時間稼ぎ】、
自分は【目立たない】まま、エスタのUCと僅かに遅れずらして「絶望の福音」と【第六感】で回避をはかる
骸骨が出れば嬉しいんだが、とても
可能なら【二回攻撃】を相手の攻撃に合わせずらす

効くかはわからないが
人形たちと多方面からの【フェイント】で撹乱を狙いつつ、足を狙い【暗殺】を仕掛ける
エスタの隙を埋めるように動く



「行くぞエスタ」
「ああ、頼むわ椋。今度ばかりは骨が折れそうだからよ」
 エスタシュ・ロックドア(ブレイジングオービット・f01818)と六島・椋(ナチュラルボーンラヴァー・f01816)は、猟兵のサポートがある今が最大の好機と飛び出していった。
「ほらほら、粘液野郎!とっとと俺にきったねぇ緑を飛ばしやがれ!」
「ムシュ!? 酷い言われよう……許さないよ!」
 言葉巧みに存在感を放つエスタシュ。既に余裕のないドクター・オロチは、その言葉に反応し、オロチの2倍の大きさはあるであろう骸骨巨人を召喚する。
「……骨(びじん)に会えそうな予感があったんだが」
「その骨が来たらぶっ壊すんだよなぁ」
 ドクター・オロチの持つ水晶剣の巨大版のようなものを持つ骸骨巨人は、その巨大剣を力任せに振り下ろした!
「そんな気がしたんだよなぁ!」
 ドクター・オロチと同じ動きで身体を動かす骸骨巨人。怒っているドクター・オロチが単調な動きをするということは、状況から察する感覚である程度予想ができる範囲だったのだろう。
 水晶剣の突きか縦斬りなら横へ走り、横薙ぎなら後方へ走る。エスタシュは逃げるそぶりを見せながら、狭い場所へ逃げ込んでいく。
「狙い通りだ!」
 追って来た骸骨巨人に戦闘中に作った傷から生まれた地獄の炎を見せつけ、骸骨巨人に襲わせる。
 しかし、その炎は攻撃だけではなく、目くらましの意味合いもあった。
「食らいやがれ――!」
 エスタシュは骨の関節を狙って乗せた鉄塊剣をぶち込んでいく。とっさの攻撃に反応できなかった骸骨巨人は、関節を壊され、その場に倒れ込んでいく――。
「ムシュ!?」
 あっという間にやられた骸骨巨人に驚きを隠せないドクター・オロチ。その背後にはこっそりと忍び寄る椋の姿があった。
 目立たないように人形オボロの影に潜んでいた椋。
「ムシュシュ……ばれてないと思った?」
 しかし、ドクター・オロチに見つかってしまっても、椋は冷静だった。オボロを外套で人形とわからないようにしていた為、オロチが注目していたのはオボロの方だった。椋は視線をかいくぐってオボロから距離をとって、更に迂回していく。
 エスタシュはその隙にドクター・オロチへと近づいていくが。
「ムシュシュ……。もう何度も奇襲は食らわないよ!!」
 緑色の粘液を飛ばしてエスタシュの皮膚を溶かす。痛みも激しく苦しい筈の攻撃にも、エシュタシュは笑みさえ浮かべていた。
「その傷がてめえの敗因だ!」
 溶けた皮膚から噴出する地獄の炎がドクター・オロチを包み込む。オロチは逃げるようにして緑色の粘液をあちこちへと飛ばしていく。
 椋はその粘液を、まるで見てきたかのように回避すると、人形たちと多方面からドクター・オロチへ奇襲を仕掛ける。
 人型に戻ったオロチは、その人形達を徒手空拳で相手をする……が。
「隙が見えたぞ!」
 椋はドクター・オロチの足を狙い、無銘の短剣を切り刻む。切られた足を修復しようと、粘液を集めて修復しようとするが。
「もう元には戻らせねぇぜ!」
 吸収しようとする粘液に、地獄の炎で過熱した鉄塊剣を叩きつけるエシュタシュ。
「行くぞエスタ!」
「行くぜ椋!」
 エシュタシュと椋は、それぞれ正面と背後から、ドクター・オロチに鉄塊剣を。短剣を突き刺した――!
「ムシュシュシュシュ……まさか、ボクが負けるなんてね……。でも、ボクはまた蘇る。次は負けない……よ……!」
 ドクター・オロチは、そんな捨て台詞と共に消え去った――。猟兵たちは、辛くも、ドクター・オロチを撃退することに成功したのであった。

 しかし、これは決戦の1つに過ぎない。ドクター・オロチの言葉通り、また現れることもあるのかもしれない。猟兵たちは疲れた身体に喝を入れるように。しっかりとした足取りでグリモアベースへと向かう。
 ドクター・オロチを含め、これから出会うだろう強敵に備えて、もっと強くならなければいけいない。そんな使命感を宿しながらも、猟兵たちは各々の日常へと帰っていく――。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日


挿絵イラスト