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銀河帝国攻略戦㉒~蛇は何度でも甦る

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #ドクター・オロチ

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#ドクター・オロチ


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 猟兵たちの果敢な戦いにより、アマルテア情報艦隊、オロチウイルス突撃艇群を無力化し、とうとう実験戦艦ガルベリオンを発見することができた。
『解放軍』はすぐさまガルベリオンへの砲撃を実行、敵艦を航行不能に陥らせた。
 しかし、ガルベリオンは、たちまちその損傷を修復し始めた。
 つまり、それは……。

「……つまり、ドクター・オロチは、未だ生存しているということでござる」
 集った猟兵たちに、月殿山・鬼照(不動明王の守護有れかし・f03371)は沈鬱な声で語り始めた。
 銀河帝国の執政官兼科学技術総監ドクター・オロチ。彼は銀河帝国の興亡に興味をもっていない為、銀河帝国攻略戦の帰趨には影響はない。だが、彼の存在は将来の禍根となりうるのは間違いない。数々の非道な兵器を開発し、悪辣な策略を実行するオロチの存在を許すわけにはいかないのだ。
 それに、ここでオロチを撃破する事が出来れば『スペースシップワールドで再び蘇る事は無い』と、グリモア猟兵の予知で明らかになっているのだから、この機会を逃すわけにはいかない。
「されど、一般人がドクター・オロチに近づくのは危険……というのは、貴殿らにもご理解いただけますな」
『解放軍』は銀河皇帝直属の軍勢との決戦に集中して進軍することとなり、ドクター・オロチとの決戦は猟兵達に託された。
「ドクター・オロチ、この存在は常に1体でござるが、その力が尽きるまで、骸の海から蘇る力をもっておりまする」
 猟兵が勝利し、オロチを『骸の海』に放逐できたとしても、彼はすぐに『骸の海』から蘇り、別の場所から再出撃することができるのだ。
 つまり、猟兵はオロチのエネルギーが尽きるまで、何体ものオロチを倒し続けねばならならず、幾つもの場所に戦いに赴かねばならぬということだ。
 ドクター・オロチが『骸の海』から出現する場所は、広大な実験戦艦ガルベリオン内の『多数ある実験施設のいずれか』である。
「拙僧が出現を予知したのは、植物の実験室でござる」
 そこには大小の温室やビニルハウスのようなケースが並び、オロチの実験体である多くの宇宙植物が育てられているという。その中には遺伝子実験などを繰り返した、異形の植物も含まれている。
「貴殿らをこの植物実験室に転移致しますので、オロチを待ち伏せし、撃破を目指してくだされ」
 ドクター・オロチは装備した水晶剣によって、自ら発明したと思われる奇妙な存在達を召喚する能力を持っている。そして猟兵を上回る速さで先制攻撃を放ってくる、かなりの強敵である。
 鬼照の掌で護摩の炎が燃え上がる。
「……オロチは、油断ならぬ強敵。猟兵の精鋭であっても敗北する危険性があることは、どうか肝に銘じておいてくだされ」


小鳥遊ちどり
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
====================
 ドクター・オロチは、ユーベルコードによる先制攻撃を行います。
 このシナリオでは『カリスティックボディ』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
====================
 このシナリオでは、植物実験室でオロチと戦っていただきます。
 植物ケース等は透明の物が多く、隠れるのは難しいかもしれませんが、様々な植物があるので、目眩まし等には少しは役に立つかもしれません。

 このシナリオは『やや難』ですので、判定は少し厳しめとなりますことをご了承ください。
 まずは先制攻撃の防御と反撃からじっくり考えてみてください。どうぞよろしくお願いします!
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第1章 ボス戦 『ドクター・オロチ』

POW   :    ジャイアントカルシウム
自身の身長の2倍の【恨みの叫びをあげる骸骨巨人】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    カリスティックボディ
自身の肉体を【あらゆる生命体を溶解し取り込む緑の粘液】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    ビャウォヴィエジャの森のフェンリル
【水晶剣が変形した門から『フェンリル』】の霊を召喚する。これは【炎の体を持つ巨大狼で、爆発を呼ぶ咆哮】や【瞳から放たれる魔炎光線】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 大小の形も様々なケースやハウスの中には、実に多様な植物が繁茂していた。もちろん、見とれるほどに美しい花や葉を持つものもあった。だが、中には粘液を滴らせる大きな口を開け閉めしているものや、緑色に光る目でじっと睨み付けてくるもの、いかにも有毒そうなトゲを蠢かせているものなど、近づくことさえ憚られるような改造植物もあった。それらの植物のグロテスクさは、実験者の変態性をよく表している。
 だが、猟兵たちにそれらの珍奇な植物を観察している暇はなかった。どの改造植物よりも邪悪な敵が、今しも現れようとしているのだから。
 植物実験室に転移された猟兵たちは、何度目かの復活を遂げたドクター・オロチが現れるまでの短い時間を最大限に生かし、先制攻撃を少しでも躱すための準備を行っていた。
 謎に満ちた敵の戦力が強大なものであることは間違いないわけだが、今の猟兵たちにできる最大限の努力をするしかない。

 ――と。
「ムシュシュシュシュ……、いたねいたね、ここにもいたねェ!」
 いきなり、体育館ほどの広さもある実験室に、妙にハイテンションな声が響き。
 ドクター・オロチか!? 一体どこに……?
 猟兵たちはターゲットの姿を捜す。
「猟兵ってのは全くどこにでも沸いてくるんだから、始末が悪いよ。ここは早いとこ始末して、次に行かなきゃあ――カリスティックボディ!」
 ヌアァァァ……。
 上か!?
 粘度のある液体が一気に流れ落ちてきた。
 オロチはひときわ高い培養ケースの上にいた。見る間に自分の身体を緑の粘液に変えて実験室中に広がろうとしている。
「ムシュシュシュシュ……まとめて始末してあげるからね!」
 ケースの上から流れ落ちた粘液はその先端を分裂させ、無数の触手となって猟兵たちに襲いかかってきた――!
麻生・大地
待ち伏せの最中に一つ仕込みをしておきます
生い茂る植物…とりわけ視認が難しいほど【緑色の植物】が生い茂っている場所に【ブラスター・ビット】を隠しておきます
あとは、【ビット・コンダクター】で【ビームシールド・ビット】をありったけ展開して、全周防御に徹します。ひたすら防御だけです。ビームシールドは【生命体】ではありませんし取り込まれることはないでしょう
【時間稼ぎ】をする必要があります。僕が【仲間のために盾役に徹している】と思わせ、【ブラスター・ビット】の布石の場所に誘い出すための時間稼ぎです
誘い出しが成功したら、ビットコンダクターの制御を【ブラスター・ビット】に移行し、ありったけを叩き込んでやります



「来ましたね……!」
 麻生・大地(スチームハート・f05083)は、自らの姿を隠すほど緑色の植物が生い茂っている場所に潜んでいた。
 触手は生命エネルギーそのものに反応にするのか、正確に、しかもかなりのスピードで彼の隠れ場所へと迫ってきた――。
「念動力誘導システム、リンク開始!」
 大地はすかさずユーベルコードを発動した。現れたのは青い光を放つシールドである。
 そのシールドにより、大地の姿を遮っていた茂みを今にも飲み込もうとしていた緑色の触手が。
 ビシッ。
 弾き返された。
「よし、【ビームシールド・ビット】は効きます!」
 大地は念動力により、22個ものシールドを展開させ、防御を固めている状態なのだ。
 シールドは、彼の近くでそれぞれ先制攻撃の防御に努めている仲間たちの補助をも果たしている。
 だが、防御だけではオロチを倒すことはできない。
 オロチも大地の堅い防御を崩そうと、
『こしゃくなことをするもんだねェ、ムシュシュシュシュ……』
 彼へ向ける触手を増やしてきた。
 状況は厳しいが、
「ここはこのまま時間を稼ぐ……僕が仲間のために盾役に徹している、と思わせなければ」
 大地は自分の周りのシールドを増やし、何とか触手を跳ね返しながらタイミングを計り――今だ!
 触手を引き付けるだけ引き付けた大地は、ビットコンダクターの制御を【ブラスター・ビット】に移行した。
「撃て!」
 待ち伏せをしている間に、実験室のあちこちに急ぎ仕込んだ22機もの熱線銃が、彼に迫っていた多くの触手に向けて、一斉に火を噴いた!
 ジュッ、ジュッ!
『あ、何するの、熱いじゃないか~!』
 ブラスターの中には粘液に押し流されたり、植物や機材の下敷きになってしまったものもあり、最大の効果というわけにはいかなかったが、熱線は緑色の不気味な粘液の触手を激しく灼いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ワン・シャウレン
あの悪趣味なジャミング装置を作ったのもお前かえ。
タチの悪さで言えばそれも序の口のようじゃが、こちらはもう十分じゃ。
ここでも速やかに消えて貰うぞ。

全力魔法も合わせて水霊駆動を発動。
普段は格闘戦、その延長と補助に使うが主なものの、
更に出力を上げて身に纏う。

緑の粘液は水の障壁にて防ぎ、同時に放射し攻めかかる。
見切り、カウンター、フェイント、スナイパーといった技能もフル活用。
第六感にも素直に。
攻め重視ながら敵の伸びす動きは確り確認し、伸縮での仕掛けには注意。
直接の弾力反動での攻撃以外にも実験室内のものをぶつけたり盾にする事もあり得るからの。

後はここのみと言わず、根競べじゃ
戻れなくなるまで叩くのみよ



「あの悪趣味なジャミング装置を作ったのもお前かえ!? タチの悪さで言えばそれも序の口のようじゃが、こちらはもう十分じゃ。ここでも速やかに消えて貰うぞ――舞うとしよう!!」
 一声叫んで気合いを入れたワン・シャウレン(潰夢遺夢・f00710)は、素早くユーベルコード【水霊駆動】を発動した。
 ゴオオオオォッ!
 ワンの身体を大量の回転する水が覆った。渦潮に包まれたような状態だ。普段は格闘戦、その延長と補助に使うが主であるが、全力魔法を使い、更に出力を上げて身に纏ったのだ。
 バシャア!
 狙い通り、精霊の力を帯びた変幻自在の水の回転は、伸びてきた粘液を跳ね返した。
「よし、いけるぞ!」
 ワンは水を身に纏ったまま攻撃に移るタイミングを計る。
 しかし。
「ムシュシュシュ、面白い手を使うね。その水ごとくるみこんであげちゃおうかな」
 粘液の触手は、ワンの前方で複数に別れ、彼女の側面や背後をも狙ってきた……!
「想定内じゃ!」
 バシッ!
 技能をフル活用して粘液の動きを見切ったワンは、渦潮状態だった水を一瞬四方に放射し、触手を弾き飛ばした。
『うっ!?』
 触手を跳ね返されたオロチに一瞬の隙が。
 オロチの粘液攻撃は強力でやっかいな複数攻撃であるが、何せ多人数の猟兵に一度に対応しなければならないので、初撃を躱せば攻め時は必ず訪れるはず――!
「――今じゃ……行け!」
 華奢な指先が、ターゲットを力強く指す。
 四方に放射していた水が一本にまとまり、粘液触手の根元目がけて一直線に伸びていく。精霊の、そしてワンの魔力によって力を集中させた水は、凄まじい勢いで触手の根元に突き刺さった。
 ズドォン!
 まるで砲弾が命中したかのような轟音がして。
『ぎゃあっ!?』
 太い触手が……粘液の大きな一部分が、でろりと千切れ飛んだ。
「後は根競べじゃ、戻れなくなるまで叩くのみよ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

ハル・パイアー
「植物か。愛でるだけならば同好の士になれそうなものを。まあいい、よく知る場所とて安息は与えんよ。」

《インビジブル・メン》起動。
小官はDr.オロチ襲撃に参加。
隠密による回避と惑乱、奇襲を行なうものであります。
まずは敵の攻撃の対処。
基本的にはUCを併用した[忍び足][迷彩]により気配を隠匿。
敵の行動を[見切り]、[ダッシュ]と[ジャンプ]で第一波を掻い潜ります。
途中、小官よりも体格が小さく回避に失敗した者が居れば、クロークの中に入れ運搬し、安全な所へ移動致します。

その後、敵周囲に潜伏し、隙を見て[早業][クイックドロウ]で熱線射撃、移動して隠蔽。
これを繰り返し、敵を確実に削ぎ落とすものであります。


エイジス・ギガルデア
なんと面妖な姿。いや科学者とはそういう輩であったか。
我は民を守りし機械。培養槽の彼らも本来であれば守るべき民。無念である。
故に我はこの場の猟兵たちを守護しよう。
(2m超えの巨躯、赤く光るモノアイ)

盾役に徹する。味方と連携し、UC発動後は動けない旨、自分を盾とするよう事前に伝えておく。

『オーラ防御』は常時使用。装備のサイキックソードと超重装甲をもちいて『かばう』『武器受け』で味方への先制攻撃を防ぎつつ、『2回攻撃』にて同時に【無敵城塞】を発動。

老いぼれてはいるが、我の金属装甲は頑強である。なに壊れたら修理すれば良いこと。
あの異形は逃がしてはならぬ類いであろう。我に構わずここで討ち滅ぼして欲しい。



 みるみる粘液が迫り来る中。
「植物か。愛でるだけならば同好の士になれそうなものを。まあいい、よく知る場所とて安息は与えんよ――クローク起動。音も塵も幽霊の如く在れ」
 ハル・パイアー(スペースノイドのブラスターガンナー・f00443)はユーベルコード【インビジブル・メン】を起動した。
 スッとハルの姿が透明になった。ユーベルコードが成功したのだ。更に、粘液の動きを見きって、持ち前の身軽さでするすると近づいてくる触手をかいくぐろうとした……が。
「……ちっ」
 残念ながら、このユーベルコードは物音や体温は消せないのだ。生命力に反応し、飲み込もうとする粘液をごまかすことはできず、透明になっても執拗にハルを追いかけてくる。
 小さな身体を生かしてダッシュやジャンプ、更に忍び足や迷彩の技能も使って植物や機材の間を何とか逃げ回るが、このユーベルコードは長く使っていると、体力を非常に消耗してしまう……。
 壁際に追い詰められたハルが振り返ると、粘液が今にも追いついてきそうだ。
「捕まってたまるか!」
 ハルは背中を壁につけて逃げ場を捜した……その時。
「透明になっておって見えぬが、誰かいるのであろう!? 我が守護してやろう!」
 ハルと粘液の間に、2m超えの巨躯、赤く光るモノアイのウォーマシンが、ガションガションと重々しく割り込んだ。エイジス・ギガルデア(失われし民の守護者・f12585)である。巨体を包む神々しいほどのオーラが、触手を跳ね返した。
 更に、
「ユーベルコードでお主の盾となってやろう。ただ、発動中は動けぬようになるから、攻撃は頼むぞ」
 ユーベルコード【無敵城塞】を発動した。
 エイジスは宣言通りぴたりと動かなくなったが、巨体に庇われて、粘液はハルまで届かなくなった。
「助かりました、ありがとうございます」
 ハルは体勢を立て直し、礼を言いながら圧縮重粒子放射器を取り出した。
「その声はハルじゃな」
「はい、エイジス殿に盾になっていただけるのでしたら、早業とクイックドロウで射撃を使い、この放射器で攻撃したいのですが」
「ああ、了解だ。老いぼれてはいるが、我の金属装甲は頑強である。なに壊れたら修理すれば良いこと。あの異形は逃がしてはならぬ類いであろう。我に構わずここで討ち滅ぼして欲しい」
「はい、きっと」
「全くあやつの面妖な姿ときたら……いや科学者とはそういう輩であったか。我は民を守りし機械。培養槽の植物たちも可哀想でならん」
 エイジスはひたひたと絶え間なく絡みついてくる粘液とせめぎ合いながらも、飲み込まれつつある異形の植物たちを、モノアイで傷ましそうに見回した。
「同感です……では、参ります!」
 ハルはエイジアと機材の隙間をすり抜けると、銃を構え熱線を粘液へと浴びせかける。
 大きなウォーマシンと小さなスペースノイドが、力を合わせて反撃を開始した。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

シエン・イロハ
どうも気に食わねぇんだよなぁ…
とっとと消えろや、鬱陶しい

SPD選択
敵が現れる前に部屋の一角に【レプリカクラフト】で元の実験室と酷似しているが麻痺毒を仕込んだワイヤーを張り巡らせた空間を準備
『毒使い』『マヒ攻撃』『罠使い』『ロープワーク』『地形の利用』の技能使用

隠れていたのを見つかった体で罠の場所まで『挑発』『おびき寄せ』『だまし討ち』等で誘導

敵の攻撃は『見切り』『野生の勘』で回避、回避不可の場合槍での『衝撃波』『なぎ払い』、『空中戦』等駆使し極力生身で粘液に触れぬように対処を

罠以外の攻撃は距離があるならダガーの『投擲』、距離が近ければ槍を使った『範囲攻撃』で粘液散らしつつ攻撃を



「脳味噌野郎、こっちだ、きやがれ!」
 シエン・イロハ(迅疾の魔公子・f04536)は、自分目がけて伸びてきた粘液触手を挑発するように口汚く叫んでから、急いで実験室の隅の一角へと飛び込んだ。
 粘液の伸びはみるみる彼に追いつき、今にも捕らえられてしまいそう……ところが。
 急に、びくん、と震えるようにして、突然動きを鈍らせた。
「よっしゃ、成功だぜ!」
 実はこの実験室の一角は、待ち伏せの最中にシエンが【レプリカクラフト】を使って作成した、実験室と酷似、且つ麻痺毒を仕込んだワイヤーを張り巡らせた空間である。短時間で作り上げたものだからほんの狭い空間でしかないが、彼ひとりが、いやらしい全体攻撃をしのぎ、反撃するには充分。
 当然粘液はワイヤーの隙間から入り込んできて執拗に彼に絡みつこうとするが、まともに向き合うよりはよほど対処し易い。
「おっと、喰われてたまるか!」
 足下から流れ込んできた粘液の動きを見切り、シエンはトン、と軽くジャンプした。そのまま壁へ片足をついて空中で態勢を保ちながら、槍を床に向け、粘液を薙ぎ払う。
「どりゃあ!」
 バッシャア!
 槍には衝撃波も付与されており、粘液は引き裂かれるように大きく飛び散った。
 槍から手に伝わってきたのは、粘液の気持ち悪い感触。その気色悪さに怖気を覚えながらも、シエンは粘液を排除した床に着地するなり、
「気に食わねぇ野郎め……とっとと消えろや、鬱陶しい!」
 続け様に、ワイヤーの隙間から触手の根元目がけてダガーを投擲した。

成功 🔵​🔵​🔴​

土斬・戎兵衛
植物実験場という環境、これが良い。非常に僥倖でござる。
オロチに挑む前に、植物を一抱え伐採

眼鏡で強化された【視力】で敵の武器である変化した肉体の動きを【見切り】、"軌道の先見"を使用
この際、刈り取っておいた『生命体』である植物をカリスティックボディが伸びてくると読んだ軌道に放り、取り込みせることで、攻撃が自分に届くまでの時間をわずかにでも伸ばし、回避を試みる

取り込むのがあらゆる『生命体』なら、鋼でできた刃を通すことは可能のはず
そして、植物を融解する一動作を強制すれば、戻る動作もわずかに遅れるのではないか?
ヤマタノオロチの首を一本ずつ斬り落としていくように、伸びてきた部位を【早業】で切断でござる


マルコ・トリガー
何あの脳ミソ
ボクには理解できないセンスだね
面倒な敵だから他の猟兵と協力したいね

転移後、遮蔽物として使えそうな物の配置を簡単に記憶
生命体を溶解するなら無機物は溶けないよね、多分
少しの時間稼ぎにしかならないだろうけど

粘液が何処からくるかわからないから【第六感】にも頼りつつ、一撃目を【フェイント】と植物ケースなどで避けつつ【錬成カミヤドリ】で武器を複製
【2回攻撃】で室内の物を撃って飛び上がらせた破片で粘液の軌道を変えさせて回避したい

複製武器全てに神経を使うのは難しい
幾つかはその辺の植物と一緒に粘液に取り込まれるかもね
でもそれも作戦
内側からの氷の精霊の力を借りた【属性攻撃】で粘液の威力が弱まるといいな



「クッ……もう少しなんだけど……ッ」
 マルコ・トリガー(古い短銃のヤドリガミ・f04649)は、遮蔽物として選んだ大きなガラスケースの陰で、焦りを抑えながらユーベルコードを発動していた。
「焦るんじゃない、この技は仕込みが肝心……失敗したら目も当てられない」
 しかし粘液はするするとガラスケースをくるみこむように越えて、マルコに迫ってくる。
 もうちょっと……あと数秒欲しい……!
 その時。
 バサアッ!
 マルコと粘液の間に、一抱えの植物が投げ込まれた。
「!?」
 粘液は目の前に放り込まれた『生命体』である植物を呑み込みはじめた。
「一瞬の時間稼ぎにはなるでござるよ!」
 植物の障壁を差し入れてくれたのは、土斬・戎兵衛(営業広報活動都合上侍・f12308)であった。彼は待ち伏せの間に、実験室内の植物を刈り取っておいたのだ。
 その植物をユーベルコード【軌道ノ先見】によって的確に読んだ粘液の動きに合わせ放り込み、先に植物を飲み込ませ、動きを遅らせた一瞬に回避しつつ、刀で切り刻むという作戦だ。
「ありがとう、これでなんとか……よし、ボクもOKだ! 発射!」
 ゴオッ、と20挺もの熱線銃が一斉に火を噴いて、マルコと、そして戎兵衛の直近まで迫りつつあった粘液触手を灼いた。
「ボクには理解できないセンスのあの脳ミソ、ふっとばしてやるよ!」
 狙い定めて配置された20挺の熱線銃の威力は凄まじい。また、マルコは銃を念で操りながら周辺の機材やケースをも蹴り倒し、粘液の動きを妨げる。
 じりじりと触手が退きはじめた。マルコと戎兵衛だけではなく、実験場のあらゆるところから、初撃を首尾良く回避した猟兵の反撃が始まり、さしものオロチも対応しきれなくなってきているのではないだろうか。
「今が攻め時であろう、援護を頼むでござる!」
「わかった!」
 戎兵衛が植物と機材の障壁を跳び越えて、退きはじめた触手を追った。まだオロチは、この場にいる猟兵をまとめて倒してしまおうという作戦に拘っているのか、その退いていくスピードはじりじりしたものではあるが……。
「拙者にとっては好都合!」
 マルコの熱線銃による的確な援護を受けながら、戎兵衛は早業で粘液触手を次々と斬り飛ばしていく。まるでヤマタノオロチの首を斬り落としているように。
 果敢な斬り込みと援護射撃が上手く噛み合い、戎兵衛はどんどん粘液の中心部、ドクター・オロチが現れたひときわ大きな培養ケースに近づいていく……と。
「むっ!?」
 粘液が退く速度が急に上がった。
「次の手に移るつもりか……そうはさせぬ!」
 粘液攻撃が行き詰まったとみて、オロチが次の手をうつべく粘液を本格的に退きはじめたのだ。
 戎兵衛も足を速めて粘液を追う。
「無理はするな!」
 援護を続けながらもマルコが声を上げたが。
「ぐ……!」
 培養ケースの間近まできた戎兵衛は、押し戻そうと逆襲してきた粘液にくるみこまれた。
 マルコも必死にブラスターで援護するが、引き剥がしきれない。
 それでも。
「どりゃあああ!」
 残った力を振り絞り、戎兵衛は刀を振り下ろした。
 ガッシャアアァァン!
 培養ケースが骨組みごと斬られ、
 ……ガシャ……ドン。
 崩れるようにして倒れた。
 緑色の粘液を――ドクター・オロチを載せたまま。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルベル・ノウフィル
pow 連携希望
変なウイルスを開発したのは貴方ですか?
僕の大切な猟兵仲間たちを苦しめた貴方は、絶対に許しませんとも

事前に手製の霊符彩花を大量に用意
召喚に対しては開戦とともに彩花を自分と仲間を守るように四方に巡らせ、敵の動きを牽制と防御

仲間が攻勢に出る際に仲間とは別方向から駆けるようにし、早業、第六感とダッシュを活かして気合いと覚悟で捨て身の一撃(UC墨染)を叩き込みます
味方の攻撃の隙を作る囮役でもよし、味方が作った隙をつき暗殺役でもよし

第六感と戦闘知識は僕を助けてくれると信じています
仲間とうまく連携が叶うよう祈りますね

僕たちは協力して戦うことができて、だから強い敵とも渡り合えるのです


ヴィクトル・サリヴァン
ここで逃すと厄介だろうね。
調子に乗ってるなら叩き潰して悔しがらせてやろうじゃないか。

可能な限り周囲の猟兵と連携。
門を開き巨狼召喚するまでに瑞々しく大きな植物を盾にする位置に移動するよう試みる。
その状態から、無理ならその場でUCで氷の津波を生じさせ光線や咆哮の盾代わりにして凌ぐ。
空気を凍らせるのは厳しくても植物ならやり易い。
上手くやれれば光線乱反射させて被害抑える形にできるかもだし。
敵の初撃凌げたら次は炎と氷のせめぎ合いで生じた蒸気を利用。
それを触媒に雷の属性を混ぜ込んで強烈な雷雲を室内に作り出し、オロチに落雷を喰らわせる!
或いはオロチの足元を凍らせ仲間の攻撃する隙を作り援護。

※アドリブ等お任せ



 ガッシャアアァァン!
「!!」
 ドクター・オロチの乗っていた培養ケースが味方によって倒されたのを見て、ルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)は、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)と素早く視線を見交わした。
 2人は隣り合うようにして粘液攻撃を防御しつつ、攻撃のタイミングを計っていたのだ。
 ルベルは大量に用意してきた【霊符彩花】……符に触れた部分の粘液が死滅する……を四方に巡らせるようにして粘液の浸入を防ぎ、ヴィクトルは大量の植物をユーベルコード【エレメンタル・ファンタジア】によって凍らせて盾にし、粘液の接近を防いでいた。
 仲間の猟兵たちが放つ、実験場のいたる場所における、防御から転じた反撃により、オロチの全体攻撃は失敗しつつある。いや、今やオロチの方がピンチと言ってもいいだろう。
「今こそ、攻勢に転じる時――!」
 猟兵としての経験や知識が、第六感が、ルベルにそう知らせている。
 2人に迫っていた粘液も、もう随分退いている。
「僕がいきます」
「わかった、援護するよ……お次は、炎だ!」
 ヴィクトルはユーベルコードを切り替え、激しい炎で氷の盾を炙った。氷はみるみる溶け、もうもうと湯気を立てる。湯気は雲のようになって漂いだし、視界を霞ませる。
「さあ、この雲に紛れて接近するといいよ」
 ルベルは頷いて符の結界を越えて動き出す。すると。
「あっ!」
 斬り壊された培養ケースの下で、むっくりと小さなピンクずくめの人影が立ち上がったのが見えた。
「ドクター・オロチ!」
 猟兵たちに散々千切られたり、灼かれたり、穴を空けられたりとダメージを加えられた粘液とて、オロチの身体の一部。オロチ本体も大分痛めつけられている様子で、よろめいたりもしている。
 だが、彼の足下には培養ケースを破壊した仲間が倒れている。粘液に纏わり付かれながらの攻撃だったので、ダメージをも受けてしまったのだろう。
 オロチは仲間の姿を憎々しげに見下ろし、怪しく光る水晶の剣を振り上げた。
「まずい――召喚です!」
 現れたのは。
 グギイィィィィ……。
 軋みと恨みの叫びをあげる骸骨巨人であった。
『ムシャシャ……そいつからやっちゃいなよ』
 骸骨はオロチの動きに合わせ、水晶の剣を振り上げた。
「どうするっ……!」
 最短距離で全力疾走すれば仲間を救えるかもしれない。だが、オロチを倒すには、密かに回り込んでヤツの背後を襲いたい……!
 ルベルが葛藤した、その瞬間。
 ドドドド……。
 実験場の高い天井が突然鳴動した。
 見れば、いつの間にかオロチの頭上に厚い雲が――。
 そしてヴィクトルの気合いの籠もった声が響いた。
「ここで逃すと厄介だからね、調子に乗ってるヤツを、叩き潰して悔しがらせてやろうじゃないか――お次は、雷だよ!」
 天井の雲が光り――。
 目映さに目を閉じた一瞬。
 バキィン、と太い木がへし折られるような音がした。
 目を開けると、骸骨巨人の頭蓋骨が半分砕け、焦げてブスブスと煙を吐いていた。
 ヴィクトルがユーベルコードで作った雲を媒介にして雷を発生させたのだ。
 落雷の影響を受けたのか、ドクター・オロチも尻餅をついている。
 ――今だ!
 もう姿を隠すことなく、ルベルはオロチの元に駆け込みながら、ユーベルコードを発動した。
「変なウイルスで、僕の大切な猟兵仲間たちを苦しめた貴方は、絶対に許しませんとも。墨染、存分に哭きなさい―――ッ!」
 オロチは彼の気配に振り向き、慌てて立ち上がると水晶剣を突き出したが、その時にはもう捨て身の一撃が、脳味噌剥き出しの柔な頭部を断ち割っていた。
 ルベルの腹を掠った水晶剣がポトリと落ち。
『ムシュ……シュシュ……シュ……ひとまとめに倒そうなんて、無精しちゃいけないねえ……』
 負け惜しみのような呟きと共に、オロチの姿は縮むように消え――骸の海へと還っていった。
 ……もう、戻ってくるんじゃねえ。
 誰かが呟いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日


挿絵イラスト