――デビルキングワールド。
その日、週末の繁華街にて悲鳴と炸薬の爆発音が撒き散らされた。
血を流しながら逃げる悪魔達。
瓦礫と粉塵から姿を現したのは、両手の指を十門の重火砲に改造した女悪魔だった。
「アッハハハハ! 猟兵が7thKINGだってぇ? ふざけんじゃないよ!」
BATATATATATATATATATATATATATATATATATATATATATATATATA!!!!
十の指から発射された真紅の弾丸の雨が雑居ビル数棟を一瞬でスクラップに変える!
崩れるビルの瓦礫の下敷きになった悪魔の頭を女悪魔が蹴っ飛ばしながら闊歩。
「フンッ! どいつもこいつも腑抜けばかりかい? デビルキング法はワルいコトが正義だって定めているだろうが! それを最近はタノしい生活だって? テメェらァ! それでも悪魔かァ!? 悪魔だったら街ひとつくらい滅茶苦茶にしてみやがれ! アタシに撃たれたくなきゃ軍団に下れ! でなきゃここで死ね!」
銃口を突き付けられた悪魔は、震えながら命乞いをする。
「た、助けて! 俺はワルいことよりタノしいことをしたいんだ!」
「じゃあ死ね!」
BANG!!
頭を打たれた悪魔男性が昏倒!
悪魔は頑丈なので気絶程度で済んだが、女悪魔の通った後ろには大量の怪我した悪魔たちが累々と折り重なるように倒れていた。
何たる外道! 吐き気を催す邪悪ッ!
デビルキング法を盾に真の悪事を働く危険存在だ!
その光景を、周囲ではスマートフォンで撮影してデビキンの動画サイト『デビチューブ』にアップする。
「おい! あいつってまさか!」
「ここ数週間ネットを騒がせていたやべー悪魔だ!」
「オブリビオンってマジ?」
「この動画、猟兵が見たら助けに来るかなぁ……?」
彼らは逃げながらも繁華街の惨状を撮影し続ける。
これが猟兵の目に届くことを願って――!
「悪魔の子らよ。安心せよ。その願い、この白亜の蛇神オロチヒメが受け取った」
蛇塚・レモン(白き蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)に憑依している白亜の蛇神オロチヒメは、グリモアに投影された予知を招集に応じてくれた猟兵に見せていた。
「前置きとして。先の戦争の様子を『デビチューブ』で視聴した悪魔たちの間で『猟兵さんマジカッケー!』『もっとオブリビオンと戦う猟兵が見たいっス!』という認知が広まっておってな? その願いが結実してなのか、悪魔達がアヤシイと疑った存在は何故か十中八九オブリビオンであり、それが予知に反映されることが判明したのだ」
故に、この女悪魔の悪事も以前から悪魔のネット民達からマークされていたという。そして今回、大規模な破壊行動に出たため、すぐにグリモア猟兵の予知に引っ掛かったらしい。
オロチヒメは冷血に、そして冷酷に告げた。
「さて、貴様らに任務を託す。この外道極まりないオブリビオン『弾劾弾圧ダンガンマオー』を誅殺せよ。ただその前に、重傷を負った悪魔達の手当てをしてやってほしいのだ。現場は混乱しており、救急医療の人員も足りておらぬ。いくら悪魔達が頑丈とはいえ、失血が続けば死に至るだろう。余が転送したら、すぐさま征く先々で悪魔達の治療と救助を開始せよ。さすれば、その行動も『デビチューブ』に投稿され、猟兵という存在の啓蒙活動に繋がるであろう」
また、うまく行けば動画を見た悪魔達が現地へ駆けつけ、救急医療や救助の手助けをしてくれる期待が生まれる。
「此度のオブリビオンは凶悪かつ強敵。駆け付けてくれた悪魔達は救急医療と救助に専念してもらい、貴様たち猟兵らで決着を付けよ。できればド派手にぶちかますのだ。さすれば、各動画配信の再生回数はうなぎ上り! より一層、猟兵スゴイという空気が世の中を席巻するであろう! 余からの助言は『必殺技は叫んだ方がカッコイイ』らしいぞ?」
あまり役に立たないあと場椅子をドヤ顔でする蛇神様は置いておいて、今回はネタ抜きでシリアスなデビルキングワールドの依頼になりそうだ。
「征け、人の子らよ。この蛇神オロチヒメの加護がある限り、悪逆下郎に屈することなど万に一つもない。貴様らの武を、正義を、怒りを、オブリビオンへぶつけろ!」
猟兵達はグリモアの輝きに導かれ、デビルキングワールドの死地へと旅立つ。
多くの悪魔達の命を救い、オブリビオンを誅殺せよ!
ユーベルコードの高まりを感じるッッ!!!!!
七転 十五起
まさかのデビルキングワールドで超シリアス展開シナリオ。
ナメてかかると酷い目に遭うので、どうかお覚悟を。
なぎてんはねおきです。
●警告!
このシナリオは『オロチヒメ案件』です。
プレイング次第では後味の悪い結末を迎えます。
それを踏まえた上でのご参加をお願い致します。
●概要
第一章で崩壊したビルやオブリビオンによって大怪我をした悪魔達の救命救助をお願いします。悪魔達は頑丈ですが、放置すれば命の危機に瀕してしまいます。治療系ユーベルコードや医療器具などのアイテムを持参したうえで、多くの怪我人を助けましょう。
その際、救助している様子をデビチューブで撮影されますが、邪険にせずに懸命に取り組むとボランティアで悪魔達が駆け付けてくれます(プレイングボーナス)。
第二章はこの繁華街を破壊し、多くの悪魔達を傷つけたオブリビオンとの直接対決です。ネタキャラではなくガチの強敵です。油断すると返り討ちに遭いますので、万全を期して対峙してください。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております!
第1章 冒険
『悪魔たちへの看護!』
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POW : 悪魔たちの頑丈さを信じて荒治療を施す!
SPD : 悪魔たちが使う治療道具を魔改造してあげる!
WIZ : 悪魔たちの良い子さを活用して怪しい薬を飲ませる!
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
デビルキングワールド・繁華街。いまやここは戦場だ。
倒壊したビルの瓦礫の隙間に挟まった悪魔達が、血を流して昏倒している。
道路には撃たれたと思しき悪魔がそこら中に散見する。
アスファルトは真っ赤な血でぬらぬらと真夏の太陽を照り返し、むせかえる鉄臭さが風に乗って蔓延する。
確かにここは悪魔の世界だが地獄ではない。しかし、オブリビオン1体の暴虐によって、この場所は地獄に成り果てていた。
「これは酷いな……余も撮影者として同行させてもらうぞ、よいな?」
普段は後方待機のグリモア猟兵こと白亜の蛇神オロチヒメが、スマホ片手に街の惨状をLIVE配信し始めた。……デビチューブのアカウントを持ってたのか、蛇神様。
「悪魔の子らよ、今から移すのは紛れもない現実である! 今まさに、この街は死地と化した! 怪我人が大勢出て、救助側の人間が足りぬ! だが猟兵が此処に駆け付けた! これから貴様らに猟兵の活躍を見せるが故、それを見て何かを感じたら馳せ参じてほしい! 頼んだぞ、悪魔の子らよ!」
蛇神の言葉は果たして、悪魔達に届いたのだろうか?
それを決めるのは、猟兵達の救命救助の頑張りに掛かっているのだ……!
神代・凶津
おいおい、随分派手に暴れてるじゃねえか。街がメチャクチャだぜ。
「…ひどい…オブリビオンと戦う前に怪我している人達を助けますよッ!」
どうやらデビチューブで撮影されてるらしいな。ならいっそ見栄え良く治療するとしようか。猟兵はここにありってなッ!
さあさあ、御照覧あれッ!!
「…祓神楽、始めます。」
俺が神楽笛を吹いて演奏し相棒が神楽舞を舞いつつ移動しながら、神楽を舞う事で発生する神気による治癒を広範囲に行うぜ。
怪我人が多い、こいつは結構長丁場に成りそうだぜ、相棒。
「…長時間神楽を舞うのには慣れてます。舞が少しでもこの場の人達の心の慰めになれば。」
【技能・ダンス、楽器演奏、慰め】
【アドリブ歓迎】
朱塗りの鬼面を被った黒髪の巫女がデビルキングワールドに転送されてきた。
「おいおい、随分派手に暴れてるじゃねえか。街がメチャクチャだぜ」
「……酷い……」
神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)と相棒の神代・桜は、あちこちで上がる悲鳴と乱射される銃撃音を耳にし、ビルが倒壊する様をまざまざと見せ付けられた。
件のオブリビオンの姿はないが、目の前には奴によって重傷を負わされた悪魔達が至る所で倒れていた。
「……オブリビオンと戦う前に怪我している人達を助けますよッ! 凶津ッ!」
「おうよッ! まずは瓦礫に挟まった奴らを救出しようぜ、相棒ッ!」
神代コンビは、倒壊したビルの瓦礫の下敷きになっている悪魔達を救出するべく、無名の妖刀を鞘から抜き払う。
「とにかく瓦礫を細かく斬っちまえッ! そうすりゃ下敷きになった悪魔達も引っ張り出せるはずだぜッ!」
「……まさか斬鉄を試みることになるんなんて。でもやってみせますッ!」
凶津と桜の呼吸をぴたりと合わせて妖刀を振るえば、その剣閃は何よりも鋭くなり、森羅万象を斬り裂く。そうして巨大な瓦礫をあっという間に4等分に切り分けた神代コンビは、悪魔達を引っ張って救助していった。
「うむ、うむ! なかなか“映える”救助活動であったな!」
一連の様子を、同行している蛇神オロチヒメがスマホでライブ配信している。無傷な周囲の悪魔達も、避難しながらスマホのカメラ機能で神代コンビを撮影している。それだけ一部の悪魔達の間で猟兵への憧れが強くなっている証拠だ。
これに凶津がスマホへ向けて悪魔へ呼びかけた。
「どうやらデビチューブで撮影されてるらしいな。ならいっそ見栄え良く治療するとしようか。猟兵はここにありってなッ! やるぜ、相棒ッ!」
「……いつでも行けますッ!」
桜が神楽鈴を手にすると、凶津は彼女の顔から離れて宙を漂い始める。そして凶津は桜から神楽笛を差し出されると、器用にそれを口元に持っていく。
「さあさあ、御照覧あれッ!!」
「……祓神楽、始めます」
凶津が笛を吹き、その旋律に合わせて桜が舞を披露する。その厳かな神楽の舞によって、半径127m内の悪魔達の怪我を払う神気が立ち昇ってゆく。
「マジかよ、折れてた足が……治った、のか!? 痛くないぞ!」
「頭の傷が塞がってる……凄い……!」
「とにかく全身の痛みが引いてくよ!」
重傷を負っていた悪魔達は神気に当てられた途端、みるみるうちに怪我が祓われ回復していったではないか。動けなかった者達は次々と立ち上がり、神代コンビを讃えてみせた。
「ありがとな、みんなッ! だが、俺達だけじゃ人手が足りてねぇ!」
「……回復した皆様、恐縮ですが救護活動へご助力いただけますか?」
神代コンビの願出に、命を救われた悪魔達は一致団結する。
「勿論だとも! お手伝いします!」
「あたし、友達に連絡して手伝ってもらえるか聞いてみる!」
「デビチューブで僕も人手を呼びかけてみるよ!」
大勢の悪魔達の協力を取り付けた神代コンビは、場所を移動するたびに神楽舞を披露して治療にあたっていった。
「思ってた以上に怪我人が多い、こいつは結構長丁場に成りそうだぜ、相棒?」
「……長時間神楽を舞うのには慣れてます。それに、この舞が少しでもこの場の人達の心の慰めになれば」
「なら、俺もとことん付き合うぜッ!」
懸命に神楽舞をこなす神代コンビの姿は、デビチューブを通して魔界中に拡散されていった。同時接続数はゆうに3万人を超え、改めて猟兵の魅力や勇敢な姿を見せ付け、多くの悪魔達の勇気を奮わせる結果に至らせるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!
調子づいている相手を打ち負かし敗北感を与えるワルを
ただ今から行います!
まずは被害を受けた悪魔の皆さんの保護と治療からです!
まずは皆さんの視線を{ゲイズ・パワー}に変換し『オーラ防御』を行うことで
銃撃から皆さんを守ります!
そして次は治療です!
煌く瞳を覆う昏き風よ!明晰なる心を穢し堕としめる甘き囁きを以て静寂を齎せ!
【悖悪!誘睡堕纏囁穢風】
これで眠らせることで鎮痛と治療を同時に行います!
ぜったいに死者0に抑え込んでヨワヨワ悪魔の軍門に下るとか嫌なんですけど(笑)と嘲笑ってやります!
サーマ・マルヴァス
これは酷い。
あの大暴れしているオブリビオンが元凶なのでしょうが恐ろしい力ですね。
…戦うにしても、この状況で巻き添えになれば頑丈な悪魔でもひとたまりもありません。
まずは急いで救助し手当てを行わねば。
まずはUCで配下を召喚、人海戦術の集団行動で手分けして救出救助活動に当たらせます。
こういう時こそ慌ててはならない、この危地から怪我人を脱出させる事を最優先に鼓舞しつつ。
もし近隣に病院等があれば応急処置用の道具を拝借して治療に当たります。鎮痛、止血の薬品も調合できれば。
…拠点を築く時間があるなら…地上だと更地にされてしまうでしょうから地下を利用する形で作り避難場所を作りましょうか。
※アドリブ絡み等お任せ
戦場と化した繁華街に、魔王の声がこだまする。
「私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター! 凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!」
ダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)が高らかに宣言すると、周囲の悪魔達の視線を独り占めしてみせた。彼女は視線誘導の悪魔。そして7thKING決定戦における有力候補者のひとりだ。
「皆さん! 私が来たからにはもう安心してください! ただいまから、調子づいている相手を打ち負かし、敗北感を与えるワルを行います! まずは被害を受けた悪魔の皆さんの保護と治療からです!」
そう告げたダーティは、周囲の悪魔達の視線を自身へ向いた赤紫色の矢印へと可視化したオーラこと『ゲイズ・パワー』に変えて周囲の悪魔へ障壁として纏わせる。
「これで流れ弾が飛んできても、皆さんではなく私へ飛んできます! 視線誘導のパワーを突き詰めれば、力場ベクトルの操作もお手の物です!」
だがこれに、ギャラリーたちから心配の声が上がる。
これにダーティがすかさず回答した。
「それでは私が危険ではないか、ですって? ご安心ください! そんな時は……って早速来ましたね! はっ!」
本当に飛んできた流れ弾が悪魔達の上を覆うオーラ障壁にぶつかると、ゲイズ・パワーのベクトル変換で銃弾はダーティへ方向転換する。これをダーティは自慢の両拳で空中を連続で殴りつけることで衝撃波を発生させ、なんと飛んできた銃弾を叩き落してしまったではないか!
「ふぅ、ざっとこんなものです。なので、この程度の流れ弾に倒れる私ではありません! 怪我人の皆様は観念して私の治療を受けてください!」
ダーティの持つ視線誘導のパワーを目の当たりにした悪魔達は、この一連の光景をしかとデビチューブで拡散させていく。勿論、同行しているグリモア猟兵のオロチヒメもライブ配信でバッチリ撮影していた。
猟兵の強さを改めて思い知らされた悪魔達は、次第に恐慌から回復して落ち着きを取り戻し始める。
そんな中、ダーティは懸命に救護活動を行う銀獅子の魔王と遭遇した。
「これは酷い。美しい街の景観を破壊するとは許しがたい行為。あの大暴れしているオブリビオンが元凶なのでしょうが恐ろしい力ですね」
サーマ・マルヴァス(華やかな獅子王・f37974)は正面道路の奥で砲火を乱射する件のオブリビオンの姿を遠目で捉えていた。だが接敵を試みるには、周囲に怪我人が多すぎる。
「……戦うにしても、この状況で巻き添えになれば頑丈な悪魔でもひとたまりもありません。まずは急いで救助し手当てを行わねば……おや? そこにいるのは7thKING決定戦ですれ違った女性ではありませんか?」
サーマは近くで悪魔達の治療を施していたダーティを見つけるやいなや、協力を取り付けるために声を掛けた。
「私はとある南の芸術都市国家を治める魔王であり芸術家、サーマ・マルヴァスと申します。この惨状を共に打開するべく、恐縮ですがお声がけさせていただきました。どうかお力をお貸しください」
「え? あ、ご丁寧にありがとうございます……? 確かに面識はないと記憶してますが……あなたも7thKING決定戦に参戦している猟兵なのですね? ならば話が早いです! この凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティが、あなたに手を貸しましょう!」
ダーティはサーマの申し出を快諾するが、内心は領土と民を背負うガチの魔王に貸しを作れるのでは?という打算も少なからずあった。
そうとは知らないサーマは、ダーティの快諾に思わず顔を綻ばせる。
「感謝します。まさか他の魔王も動いていたとは心強いです。ではまず、私のユーベルコードで配下を召喚し、人海戦術で周囲に散らばった怪我人達の救出救命活動を開始しましょう」
サーマは目の前の空間に手をかざすと、突然、光り輝く巨大な魔法陣が出現する。
「我が芸術都市国家が誇る|華やかなる楽劇団《オルケストル》よ。ちょっと手を貸してくれないか……さあ、魅せてやろう」
次の瞬間、魔法陣からぞろぞろと彼が統治する芸術都市国家の交響楽団の悪魔達が現れる。その数、110人。
サーマは配下に事情を説明すると、すぐに散開させて怪我をした悪魔達を救いに向かわせた。
「こういう時こそ、慌ててはならない、この危地から怪我人を脱出させる事を最優先に。配下を数名残らせたのも、演奏によって皆さんの心を落ち着かせるためです。さあ、奏でよ配下達!」
管楽器四重奏が戦場に流れれば、一か所に集められてきた怪我人達の心を癒してゆく。悪魔達の中には、美しい旋律に涙を流す者さえいた。
「彼らは身体だけではなく心ににも深い傷を負いました。その傷は芸術で癒す事が出来ます。特に音楽は種族・言語・思想……あらゆる垣根を越えて想いを伝えられるのです」
「そして身体の怪我は私が癒します! 煌く瞳を覆う昏き風よ! 明晰なる心を穢し堕としめる甘き囁きを以て静寂を齎せ! 悖悪! |誘睡堕纏囁穢風《ユウスイダテンショウワイフウ》!」
ダーティがユーベルコードを発動させると、周囲にダーティの姿をしたオーラの風が吹きすさび、集められた怪我人の傷をどんどん癒してゆく。
オーラの風を浴びた重傷者たちは、抗えない睡魔によって意識を手放していった。
「こうして眠らせることで、鎮痛と治療を同時に行います!」
「助かります、ダーティさん。こちらも隣町の総合病院への救急搬送の手筈が整いました。ダーティさんのユーベルコードで癒しきれない怪我人はそちらへお願いしましょう」
本当は医療器具を救急隊員から借りて、サーマ自身も医療行為を行おうと考えていたが、餅は餅屋という言葉があるように、専門家に任せるのが賢明だと判断した。多少の怪我を治療できるダーティの存在も大きい。
「そういえば、あちらの配下の皆さんは何をされているのですか? 瓦礫を組み上げたり、道路に穴を掘ったり?」
ダーティの疑問の声にサーマが答えた。
「地下へ避難場所を作ろうかと思います。足元の地下街へ直接掘り進めて、そこへ皆さんを誘導させます」
城や街を築けるほどの人海戦術を有するからこそできる力業である。
ならば、ダーティは周囲の警戒役を買って出た。
「ゲイズ・パワーで周囲を張り巡らせばさらに安全ですね! あのオブリビオンには、『ぜったいに死者0に抑え込んで、ヨワヨワざこざこ悪魔の軍門に下るとか嫌なんですけど(笑)』と嘲笑ってやります!」
こうして、戦場のど真ん中でセーフポイントを築き上げたサーマ。それを守るダーティ。
2人の活躍をオロチヒメがライブ配信で魔界へ届ければ、視聴者達は猟兵への憧れと使命感に突き動かされてゆくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
尾守・夜野
「…畜生が
悪事ってもそういう悪事じゃねぇだろ
ここのはよぅ」
「…今助ける
頭打った奴はその場、頭上が崩れそうでもなけりゃ動くな!いいな!」
とりあえずUCを足首ぐらいの高さに広げる
足首ぐらいなのは、いくつか理由がある
①倒れて動けないのにだけかけ動けるなら範囲から抜けられるようにしデメリット回避
②広域回復&輸血
③救助者捜索&画面映りの邪魔対策
探せねぇとしっかりした治療もできねぇからな
安全な場所に怪我人集めてまずは二次災害警戒
トリアージじゃねぇが優先順位はつける
かすり傷はすまねぇが後に回す
なんならそれぐらいならUCで塞がるだろうからな
俺に本格的な医療知識はねぇので治療はUCと辉夜に任せ探すことに注力
アルテミシア・アガメムノン
あらあら、ちょっとおいたが過ぎますわねえ……
まあ、報いは後ほど受けて頂くとして今は負傷者の処置を優先しましょうか。
怒りを秘めた愁眉を見せつつ『地母神の戦域』を発動。
戦場となった繁華街全体に輝く霧を張り巡らせましょう。
しかる後に負傷者たちを『癒しの風』で超再生。
瓦礫など邪魔なモノは負傷者への負担とならぬように神炎でシュッと消失。
まったく暴れたいのでしたら戦争に参加していれば良いものを……迷惑な方ですわねえ。
アシズ・アナトテ
弾劾弾圧ダンガンマオー……?
聞かぬ名だな。
一般市民(?)を襲って粋がるとはたいしたワルではあるな。
さて、それではオロチヒメの依頼通りまずは負傷者を癒すか。
『魔皇眷属』でコズミックホラーな眷属群を召喚。
彼等に負傷を回復する『魔皇神酒』を持たせて四方に散らせ、負傷者に飲ませるなりぶっかけるなりしてドンドン癒していきましょう。
未成年には飲ませるでないぞ。傷口にかけておけば良い。
サハリエ・ステーロ
悪魔だからと楽観視していたけと思ったよりも事態は深刻かもしれないな。
UC【兎の魔王軍】使用
では我が配下達、レスキューの時間だ。
建築が得意な者を中心に医療拠点を作成
医療が得意な者を拠点に配置し
残りの配下は合流したボランティア悪魔達と共に負傷者の運搬とオブリビオンの警戒を指示
現場での治療も必要だろうから回復魔法を持つ悪魔から1・2名ぐらいは医療班ではなく現場に連れていこう
もちろんオブリビオンは拠点から引き離す予定だが、もしもの為に負傷者がある程度集まったら防衛に悪魔を割こう。
さてと、回復能力を持ってないとはいえ僕も現場を手伝わねばな
※アドリブ・連携歓迎
崩れ落ちた高層商業ビル。その瓦礫に潰されて血を流す悪魔達。頑丈な彼らは即死に至る事はなかったが、その大怪我から放置するのは危険である。
「……畜生が。悪事ってもそういう悪事じゃねぇだろ、ここのはよぅ」
怒りを奥歯で噛み締める尾守・夜野(|墓守《うせものさがし》・f05352)は、瓦礫の隙間から伸びる血まみれの手を握る。
「……今助ける。瓦礫をどかす」
夜野はありったけの力を振り絞り、瓦礫をひっくり返す。
下敷きになっていた悪魔を引きずり出すと、すかさず措置を始めた。
「……ひでぇな。手足の骨が完全に潰れてやがる。何処かへ運ばねぇと」
だが周囲は怪我人だらけだ。軽傷者でも彼らに無理をさせる訳にはいかない。
「おい! なに動こうとしてるんだ! 頭打った奴はその場、頭上が崩れそうでもなけりゃ動くな! いいな!」
すかさず夜野はユーベルコード『死散血餓』によって、生命力の溶けた血の雨を局地的に降らせ続けて怪我人の足首ぐらいの高さに広げる。
正気であろうとすると死へ近付く領域において、血の雨の池に浸された悪魔達は気が気でない。
そして夜野がユーベルコードを足首ぐらいに高さに広げたのは3つの理由がある。
ひとつ、動ける者がユーベルコードの有効範囲から抜けられるようにしてデメリット効果を回避させるため。
ふたつ、怪我人を血の雨に浸すことでの広域回復及び輸血。
みっつ、救助者捜索を行う際の、部外者の人払い。これはデビチューブ撮影時の他者の映り込みを嫌がる意味も含んでいる。
「探せねぇとしっかりした治療もできねぇからな。とにかく、安全な場所に怪我人集めてまずは二次災害警戒なんだが……」
その安全な場所へ大量の怪我人をどう運ぶかが問題であった。
夜野が頭を抱えていると、後ろから凛とした女性の声が投げかけられた。
「お困りのようだね? この兎魔王サハリエ様が手を貸してやろう! フーハッハッハッ!」
如何にも貴族然とした黒衣に身を包むサハリエ・ステーロ(時計ウサギの魔王・f37256)が高笑いしてみせる。
「この状況、悪魔だからと楽観視していたけと思ったよりも事態は深刻かもしれないな。そして人手が圧倒的にたりない。ならば、僕の元に集え! 我が自慢の配下達よ!」
ユーベルコード『|兎の魔王軍《ウサギマオウノハイカタチ》』で呼び出した116人の配下達が出現すると、サハリエの命を待つかのように一斉に跪いてみせた。
「では配下達よ、レスキューの時間だ。まずは怪我人の搬送を急げ。工作班は安全な場所で医療拠点を早急に設置だ。医療班は怪我人の治療を。そして医療班の中から2~3人、僕に随伴するよう人選を頼むよ。さてと、回復能力を持ってないとはいえ僕も現場を手伝わねばな」
テキパキとした指示で配下を操る姿は、まさに魔王であった。
「……助かる。この極限下、ひとりで出来ることは限界があるからな」
夜野が小さく頭を下げる。これにサハリエが怪我人の肩を担ぎながら静かに微笑みを返す。
「魔王として当たり前のことをやっただけだよ、フーハッハッハッ!」
次代のデビルキングを目指していた名門の家系の出であるサハリエは、先日の戦争で猟兵が勝利したことで一門の夢が潰えた。結果的にはデビルキングを名乗ってもいいのだろうが、真の意味で7thKINGを名乗るためにも魔王としてあるべき振る舞いを心掛けねばならない。たとえ一族の使命から解き放たれたとしても、サハリエは魔王としての矜持を胸に宿しているのだから。
そんなサハリエの貢献で、瓦礫の山の一角に急造の野戦病院が爆誕した。
これで本格的な治療が受けられるとあってか、数多くの怪我人がこの場所へ殺到してきたのだ。
「お願いです! うちの子をすぐに見てもらえませんか!?」
泣き叫ぶ母親へ、夜野は困惑しながら母親へ告げた。
「ただの頭部の擦過傷だろうが。かすり傷はすまねぇが後に回す。トリアージじゃねぇが優先順位はつけさせてもらうからな? なんならそれぐらいなら俺の降らせた血の雨で塞がるだろうからな」
専門的な医療知識はないため夜野は患者の振り分けに専念して、治療は自動演奏竹笛型宝貝の自动乐器【辉夜】に任せてはいるものの、この振り分けは現場の混乱を抑え込むのに非常に有効であった。
「夜野さんのおかげで、わたくしも仕事がはかどりますわね?」
周囲にユーベルコードの視界を妨げない輝く霧を発生させ続けるアルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)も納得の仕事ぶりだ。
そんなアルテミシアは、また遠くの高層ビルが崩壊するのを目撃してしまった。オブリビオンの仕業であろう。
「あらあら、ちょっとおいたが過ぎますわねえ……まあ、報いは後ほど受けて頂くとして今は負傷者の処置を優先しましょうか」
怒りを秘めた愁眉を見せつつ、アルテミシアは光り輝く霧を徐々に町全体へと伝播させていく。
これでまだ見ぬ怪我人にも癒しの風を送り届ける事が出来るようになるだろう。
「どうかしましたか? ああ、あの瓦礫が邪魔ななのですね? では、神炎でシュッと。御覧の通り」
散布された霧は、任意の対象を焼き尽くす金色の神炎を放つことも出来る。
邪魔な瓦礫は悪魔達を焼くことなく一瞬で灰も残らず焼失していった。
そしてまた鳴り響く崩壊音。オブリビオンのトリガーハッピーぶりに、アルテミシアの眉間のしわが深くなってゆく。
「まったく暴れたいのでしたら戦争に参加していれば良いものを……迷惑な方ですわねえ」
「同感だ」
その横で蠢く異形の触手の塊が声を発した。
アシズ・アナトテ(魔皇・f34872)、ラスボスにして魔皇である。彼もまた猟兵であり、先程からアルテミシアと共に怪我人の治療にあたっていた。
「第一、弾劾弾圧ダンガンマオー、とか聞いたが……? 正直聞かぬ名だな。一般市民を襲って粋がるとはたいしたワルではあるな・そもそもこの世界に一般市民と呼べる輩が存在するか怪しいがな」
アシズもまた、配下をユーベルコードで召喚して治療を施していた。ただし、ユーベルコード行使する側が異形なら、召喚される配下達もコズミックホラー要素しかない触手の塊であった。
「配下共よ、未成年に『魔皇神酒』を飲ませるな。傷口にぶっかけるだけでいい。それで十分傷が塞がる」
魔皇の魔力で醸成された神酒は、触れるだけで傷病を完全に治療できる優れ物だ。
「そのお酒、便利ですね? 魔王国にも卸して下さるかしら?」
「流通させるつもりはないのだがな。そもそも量産する気もない」
「そうですか……」
便利アイテムの製造法だけでも……と興味津々の赤き女帝であった。
大成功
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カシム・ディーン
神機
「ご主人サマ!オロチヒメちゃんと共同作業だよ!そして人手が必要なら幼女まつ」
ねーよ!物量は大事だが今回はあれを使うぞ!
夜影ちゃんもヤバそうな人を救助してください!
「わふっ!!」
【情報収集・視力・戦闘知識】
周囲の状況と怪我をした悪魔達の捕捉
そして他の参加者達にも情報共有
そして重傷者を集めて貰うように要請
【属性攻撃・医術・救助活動】
夜影ちゃんも人命救助開始
状態を確認して生命属性を付与して活力増強
止血や応急処置を行う
重傷者を集めれば
UC発動
可能な限り広範囲に展開しての治療開始
元々ロクシアスに積まれてた奴だが便利だなこれ
「ロクシー君は医術に関する権能も本来持っていたからねー☆」
正確には息子だったか
テラ・ウィンディア
神機
オロチヒメと共同か!何だか緊張するぞ!
「彼女も蛇神ですからね。安心しなさい。テラにはこの三叉路の女神がついていますよ!(対抗する子猫」
うん!頼りにしてるぞ!救出なら…あれだな!
UC発動
【化術・降霊・召喚術】
ヘカテは美少女に化
幽霊達と魔女達を呼び出し
【集団戦術・医術・占星術】
「こういう時は占いも冴えわたりますからね」
壊れたビルとかに巻き込まれてる人もいるかもしれないな!
「勿論見つけ出します!」
見えない所にいる悪魔や危ない悪魔を即座に発見
運び出したり応急処置や救命を行う
おれも高まった技能で助けるぞ!
おれも出来る事をするんだー!
あんたも頑張れ!元気になって楽しい事をしよう!(と励ましたり
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)とテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は協力して、戦場と化した繁華街での救命救助活動を行っていた。
その傍らには、彼らをスマホのカメラ機能でライブ配信を続けるオロチヒメが同行していた。
「ご主人サマ! オロチヒメちゃんと共同作業だよ!」
「ああ、僕達の華麗な救助活動を魔界中に知らしめてやりましょう」
メルシーとカシムが丁寧な前振りをすると、テラもこれに乗っかってきた。
「オロチヒメと共同か! 何だか緊張するぞ!」
そこへ、テラの頭の上に乗っかっている黒猫がドヤ顔で言い放った。
「彼女もなかなか神格の高い蛇神ですから、テラが緊張するのは無理もありませんね。ですが、安心しなさい。テラにはこの三叉路の女神がついていますよ!」
「うん! 頼りにしてるぞ、テラ!」
「は……っ! テラが私を頼ってくれてる……! うふふ……それじゃあ、ママ頑張っちゃいますね?」
異様なテンションをテラの頭の上で放つ黒猫に、カシムがジト目でメルシーに囁く。
「……なぁ? ヘカテイアの様子がおかしくないか? おめーに似てきたぞ?」
「それはすごくいいことだね☆」
「よくねーよ! これ以上、変態のキャパ増やしてどーすんだ!?」
「ねぇねぇ、ご主人様サマ? 変態って姿を変えるって意味もあるんだって! そしてこの状況、人手が全然足りないよ! だったら、メルシーが幼女に変態して例の――」
「ねーよ! 物量は大事だが今回はあれを使うぞ!」
「グワーッ!?」
メルシーの鼻の穴に指を突っ込んで鼻フック牽引の刑に処すカシムは、足元にすり寄る柴犬めいた三つ首のモフモフ魔獣シバベロスに命じた。
「夜影ちゃんもヤバそうな人を救助してください!」
「わふっ!!」
「ヘカテもいくぞ! 救出なら……あれだな!」
テラも救助に向かうべく、頭に乗せていた黒猫のヘカテイアを地面に乗せると、魔力を流して黒猫から少女の姿へと変化させた。
「ヘカテイア……ウィザードモード起動……魔術回路……接続……ヘカテイア! おれの魔力を持っていけ!」
「ウィザードモード起動完了。これより、命令を遂行します」
少女化したヘカテイアの両目が妖しく光を放つと、降霊による召喚術で周囲に大量の幽霊と魔女の大集団を呼び寄せた。
「幽霊たちは瓦礫をどかして、下敷きになった悪魔達をここへ連れてきてくれ! 魔女達は占いで要救助者がどのあたりにいるかを絞り込むんだ!」
「こういう時は占いも冴えわたりますからね。勿論、私も見つけ出してみせます!」
テラ側で迅速な救命救助が行われる中、カシム側はメルシーの折檻に追われていた。
「ご主人様サマ♪ メルシーのお尻の蹴り方が堂に入ってきたね☆」
「バッキャロー! もたもたしてるから他の猟兵が拠点作っちまっただろーが! つか僕を褒めても幼女祭りは使わねーって言っただろうが! 褒められてもうれしくねーけどな! オラァッ!」
「そんなー! んんんっ❤ そこはクリティカルヒットだぞ❤」
どうしてもメルシーは例のユーベルコードを使いたいようで抵抗していた。結果、カシムからドンケツタイキック百連発の刑に処せられていた。
「ほらみろ! 夜影ちゃんの方がおめーの5000兆倍役立つぞ!」
「わふぅ!」
瓦礫の下に閉じ込められた悪魔の匂いを探知して知らせる夜影ちゃん。その頭をカシムは愛おしそうに撫でていた。
「おいカシム! メルシー! そっちに重傷者を運んだから治療してくれ!」
「こんな時にSMプレイとか頭わいてんのかクソカスゴミ駄機神ウンコが!!!!」
テラの要請とヘカテイアの罵声で、アホアホコンビはしょんぼりしながら粛々と治療ユーベルコードを発動させていった。
「アポロンソウル……リンク開始……ナノマシン……起動……システム『アスクレピオス』起動……! 太陽神の子よ……万物を癒せ……!!」
「ふぉわあぁぁ~(※効果音を口でいうスタイル)」
メルシーの全身から輝く粒子……治療型ナノマシンが発散されてゆく。
それを浴びた重傷者は、みるみるうちに傷口が塞がり組織が再生していた。
「元々ロクシアスに積まれてた奴だが便利だなこれ」
「ロクシー君は医術に関する権能も本来持っていたからねー☆」
「正確には息子だったか? ほら、生命力を増強するルーンだ、これで安心ですよ」
治療した悪魔達の身体に、カシムがルーンを刻んで回復力にブーストを掛けていった。
「あんたも頑張れ! 元気になって楽しい事をしよう! おれも高まった技能であんたたちを助ける! だから安心してくれ!」
ヒーロー然として怪我した悪魔達に寄り添うテラ。
その眩い姿に、後方保護者面待機中のヘカテイアの顔がだらしなく綻ぶのだった。
「うふふ……やっぱり、うちのテラはいい子ですね……!」
大成功
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ティオレンシア・シーディア
…デビキンの依頼って割とスチャラカなことは多かったけれど。今回のはかなりマジにならなきゃ拙そうな案件ねぇ。
とにかく、まずは人命救助ねぇ。●活殺・再起起動、描くのはシゲル(活力・健康・エネルギー)にギューフ(奉仕・贈り物)。ゴールドシーン、お願いねぇ?
一応あたしもある程度○医術とか救助活動の心得はあるけれど…あたし一人が頑張っても所詮はただの人間一人分だし。効率を考えれば、こっちのほうが適切よねぇ、きっと。
ボランティアさんと…できれば、動けるようになった人も協力してほしいわねぇ。死ぬほどしんどいとは思うけれど…お願い、できないかしらぁ?
ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は思い返す。
これまでこなしてきた数々のデビルキングワールドでの依頼内容は、どれも此処まで凄惨なものなどありはしなかった。
「……デビキンの依頼って割とスチャラカなことは多かったけれど。今回のはかなりマジにならなきゃ拙そうな案件ねぇ」
周囲に響く悲鳴と建物の崩壊する轟音が、これまでとは明らかに違うヒリヒリとした空気となってティオレンシアの肌へ伝わっていた。愛銃オブシディアンの弾倉の中身を無意識に確認してしまうほど、ここは戦場に染まり切っていた。
「とはいえ、まだ接敵の段階じゃないわねぇ。周囲の状況確認を第一に。とにかく、まずは人命救助ねぇ」
ティオレンシアはすぐさまシトリンの付いたペンの形をした鉱物生命体『ゴールドシーン』を手にすると、空中にルーン文字を書き始めた。
「それじゃ、『|活殺・再起《ソーサリー・リアクト》』起動、描くのはシゲル(活力・健康・エネルギー)にギューフ(奉仕・贈り物)。ゴールドシーン、お願いねぇ?」
ルーン文字が書き終わると、ティオレンシアを中心に黄金色に輝く領域結界が発生した。その半径127m内に横たわっていた負傷者たちの、傷が徐々に癒えて意識を取り戻してゆく。
「お目覚めかしらぁ? でも無理は駄目よぉ? あたしの『|活殺・再起《ソーサリー・リアクト》』は射程内の対象の肉体及び精神を活性化させるけど、感知するわけじゃないのよねぇ……あたし自身が本職じゃないから、回復量は最低限しかないわぁ」
起き上がった悪魔達も、その事実に気付いたようだ。意識はある。体も動く。だが傷口が塞がったり、砕けた骨が繋がっただけであって、全身の激痛は未だ体を蝕んでいる。
「一応あたしもある程度の医術とか救助活動の心得はあるけれど……あたし一人が頑張っても所詮はただの人間一人分だし。効率を考えれば、こっちのほうが適切よねぇ、きっと」
ティオレンシアは、オロチヒメが配信しているデビチューブの映像を見て駆け付けてくれたボランティア悪魔達に声を掛けて協力を取り付けた。更に、復帰した悪魔達にも手を貸してほしいと願った。
「ボランティアさん達と……できれば、動けるようになった人も協力してほしいわねぇ。今は身体を動かすのもやっとで死ぬほどしんどいとは思うけれど……とにかく人手不足なのよねぇ? お願い、できないかしらぁ?」
ティオレンシアが頭を下げれば、悪魔達は恐縮してか率先して協力せんと名乗り出てくれた。これも他の猟兵達が懸命に救命救助活動を行って、その様子がデビチューブで拡散された結果なのだ。更にティオレンシアには完全ではないとはいえ怪我を治療してもらい命を救ってくれたという恩義が発生している。根が良い子ばかりの悪魔達は、義理堅くこれに応えるのは当然の事であった。
「よかったわぁ。それじゃ、あっちに急造された避難所へ重傷者を運んでねぇ? 他の人は瓦礫に埋まった悪魔達を助けるわよぉ?」
こうして、多くの助け合いの手を借りつつ、ティオレンシアの救急救命活動は着実に実績を積み上げてゆくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『弾劾弾圧ダンガンマオー』
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POW : テメェも軍団に加えてやるぜ、泣いて感謝しな!
【両手の十門から放たれる弾丸】が命中した部位に【命令に逆らえば爆発する液体火薬】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
SPD : オラオラ、断末魔を上げるまで弾は増えてくぜぇ!
自身の【胸のγ型クリスタル】が輝く間、【標的を自動で追跡する十門の火砲】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 踊れ踊れぇ!一瞬でも判断する時間はやらねぇよ!
【尽きることのない弾丸の雨】を降らせる事で、戦場全体が【一切の遮蔽物も無く射線の通った更地】と同じ環境に変化する。[一切の遮蔽物も無く射線の通った更地]に適応した者の行動成功率が上昇する。
イラスト:ひめしろ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠十全・十美子」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
その女悪魔は、孤独を嫌った。だから自分を頭に軍団を作り上げた。
だがそれでも7thKINGにはなれなかった。
一介のオブリビオンの範疇から抜きんでる事が出来ない自分に絶望した。
「一握りの孤独と無関心、そして鬱憤がアタシなんだ。周りに文句を浴びせられようが、アタシの絶望は治りゃしないのさ。アタシはただ、やりたいことをやりたいようにしてきただけだってェのにさァ?」
だから破壊する。目の前のすべてを。あらゆる生物を。
ムカつくから破壊する。
逃げるから破壊する。
興味がないから破壊する。
壊して、壊して、撃ち抜いて。
自分を無視する存在は、ことごとく粉砕してきた。
それが誰よりもワルい事だと証明するために、誇示するために。
「だがアタシが何をしても、周りの悪魔はアタシのワルを認めようとしなかった! 何故さね!? アタシがこの世界で一番ワルい事が出来るッていうのに!! それを正義の味方様の猟兵なんぞが7thKINGだってェ? クソがッ! ふざけんなァーッ!!」
ルビーめいた真紅の宝石弾丸の雨がまた一棟、超高層複合商業ビルを倒壊させた。
「だったらこんなクソみたいな現実なんてぶっ壊してやるよッ! これで周りはアタシを無視できないだろうさ!? テメェらァーッ!! アタシに背を向けんじゃねェ!! この弾丸がアタシを無視する奴を全員ぶち抜いてやるッ!!」
怒り、絶望、悲愴、使命感。
あらゆる感情が弾劾弾圧ダンガンマオーの胸中に渦巻く。
彼女はもはや破壊の化身であり理不尽の獣だ。
そんなオブリビオンが猟兵達を睨み付け、十指の砲口を向ける……!
猟兵達よ、今こそこの世界に己の|存在証明《いきざま》をデビチューブを通して全魔界へ知らしめろ! そして、この災禍を食い止めるべく、弾劾弾圧ダンガンマオーに引導を渡すのだ!
ユーベルコードの高まりを感じる……ッ!!
プリ・ミョート
いや正義の味方じゃねえべさ。あんた、そもそも前の戦争ちゃんと見てたんけ? 単にワルいだけのやつは淘汰されるのがどうしてわかんねえかな。
治療は……んまぁおらの性に合わなかった! ひひひ! その分おらと遊んでくんろ!
こう見えておら、誇りを持って四天王やってるべさ。ちょっと人様に仕えてみればその人の器がわかるべよ。おっと、皆様が手を下すまでもねえ、ここは四天王がおらが先陣を切るべ。別に倒しちまって構わねえだろ?
あんたは口上しないんけ? なら撃ち抜くべさ
お、動画だべな。ぴーすぴす。おらも撮影したからよーくわかってんべさ。そろそろおらたちの代表が決まるから最後までし〜っかり応援してくれよな、ひひ!
オブリビオン『弾劾弾圧ダンガンマオー』の指先にある十の砲門が猟兵達を捕える。
「さあ、死にたい奴から前へ出なッ! 正義の味方様がよォッ!?」
荒ぶる猛獣めいた剣呑さが空気を伝わり、猟兵達の肌を刃で切りつけたかのようにヒリヒリさせてゆく。
そんな中、周囲の野次馬達を掻き分けて飛び出してきたのは、白いツギハギだらけの布を被った小柄なブギーモンスターであった。
「すまねぇだ、ちょっと失礼するだべ! よっと! ああ、やっと追いついたべさ!」
見た目は完全にシーツオバケ、だかその肩には瘴気や毒液を弾丸にして放つ、魔界のガトリング銃こと『デビルガトリング』が担がれている。あからさまに新手の猟兵であることはゆるぎない事実であった。その名はプリ・ミョート(怪物着取り・f31555)。魔王国四天王がひとりである。
ダンガンマオーは突然現れたプリを見て、思わず失笑してしまう。
「ハッハハハ! 正義の味方様も遅刻するんだな? 意外とワルいトコもあるじゃねぇか!」
「いや正義の味方じゃねえべさ。あんた、そもそも前の戦争ちゃんと見てたんけ?」
プリは若干喰い意味で反論をぶつけた。
「ガチデビルみてぇな単にワルいだけのやつは淘汰されるのがどうしてわかんねえかな?」
「そりゃ単にガチデビルが弱かったって話だろうが? アタシだって本当はその気になれば戦場で暴れられたさ!」
「じゃあなんで参加しなかったんだべ?」
プリの疑問に、ダンガンマオーは険しい表情のままプリへ吼える。
「あの時期はアタシのシマで余所者との抗争が激化しちまってたんだよ……!」
一応、公式記録にてダンガンマオーが1度だけ戦争期間中に出没して猟兵達に倒されている。しかしオブリビオンは同時多発的に存在できるゆえに、記憶を共有しているとは限らない。ゆえに、|この《・・》ダンガンマオーは戦争に参加できなかったのは真実なのだろう。
「そういうテメェはなんで遅れたのさ?」
これにプリが即答した。
「治療は……んまぁおらの性に合わなかった! ひひひ!」
そしてデビルガトリングの砲口を敵へ向けて言い放った。
「でもまあ……その分おらと遊んでくんろ! おらこそ四天王で一番小柄、プリチャンだべ!」
四天王らしい名乗りをプリが発した次の瞬間、戦場全域が唐突に様変わりしてしまった。崩れた瓦礫や倒壊したビル群がなくなり、代わりにファンタジー色強めな建物やオブジェが乱立する異世界がそこにあった。
ダンガンマオーはプリのユーベルコードの効果だと悟ると、慌てて十指の砲門から魔弾を放たんとする。
「別世界へ移動しようが関係ねぇ! 踊れ踊れぇ! 一瞬でも判断する時間はやらねぇよ!」
「ちょっと待つべさ! まずはおらの話を聞いてくんろ!」
プリの制止の言葉が、ダンガンマオーへ異様なプレッシャーとなって攻撃を思い止まらせた。
(な、なんなんだよ、今の妙な圧は……?)
攻撃のタイミングをふいにされたダンガンマオーは、やむなくプリの言葉に耳を傾けるしかなかった。
するとプリは胸を張って、自己紹介を兼ねた『四天王しぐさ』を始めた。
「改めて、おらが四天王で一番小柄のプリチャンだべ! 小物ではなく小柄だから間違えないでくんろ。んで、こう見えておら、誇りを持って四天王やってるべさ。ちょっと人様に仕えてみればその人の器がわかるべよ。だから分かるべ、あんたは頭はって人を動かしてばっかで、器がちっちゃいべさ! おっと、皆様が手を下すまでもねえ、ここは四天王がおらが先陣を切るべ。別に倒しちまって構わねえだろ?」
まるでお手本のような『四天王しぐさ』を前に、ダンガンマオーがせせら笑っていた。
「おいおいおい? 四天王しぐさっていやぁ死亡フラグじゃねぇか! 乱立させて生存フラグへ転嫁しようとか思ってやがんのか? お生憎様だなぁ! 無防備なテメェにアタシはいくらでも弾を撃ち込めるんだよ、馬鹿が!」
ダンガンマオーが勇んで指先から赤い魔弾の雨を放たんと身構えた。
だが、その刹那、ダンガンマオーの表情が驚愕で歪んだ。
「嘘だろ……!? |ジャム《詰ま》っただと!?」
まさかの弾詰まり!
プリは呆れながら告げた。
「だから言わんこっちゃねえべ。うちのユーベルコード『ブギブギワールドワイドアワード』にいる間は、ちゃんと『四天王しぐさ』をキメねぇと行動が失敗するんだべさ」
プリはデビルガトリングの銃身を回転させ始めると、無情にも装填されたデビル薬液を弾丸へ変換し始めた。
「ところで、あんたは口上しないんけ?」
「わ、わかった、今やってや……」
「なら撃ち抜くべさ」
「聞く耳持たねぇかクソが!」
ダンガンマオーが横っ飛びすると、元居た場所が真緑の薬液塗れになってしまった。そこからケミカルな異臭と白い煙が立ち込めている。
「おいおい、ありゃ硫酸か何かか? あんなのをまともに喰らったらやべぇじゃねぇか!」
「ほれほれさっきまでの勢いはどうしたんだべ? ひひひ! 今度はあんたが躍ってくんろ!」
乱射される緑の薬液弾にダンガンマオーが右往左往しながら回避に躍起になってしまう。だがプリのユーベルコードのデバフの影響を受け、その背に薬液を浴びて溶解の苦痛に悶絶するのだった。
「ぅぐっ!? テメェ……アタシが逆に踊るなんて、屈辱だコノヤロウ……!」
「何とでも言うがいいべ。お? 動画だべな。ぴーすぴす。おらも撮影したからよーくわかってんべさ。そろそろおらたちの代表が決まるから最後までし~っかり応援してくれよな、ひひ!」
野次馬やグリモア猟兵のスマホへ、バリバリと薬液弾を乱射しながらファンサービスを欠かさないプリであった。
大成功
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神代・凶津
「…私達では貴女の孤独は癒せない。ですが、貴女に背は向けません。全身全霊で倒します。」
最早ウダウダ言葉は不要だぜ。てめえの存在証明を見せてみろッ!相棒ッ!
「転身ッ!!」
|鬼神霊装《オーバードフォーム》ッ!!
高速移動しながら敵の弾幕を回避して妖刀に破魔の雷を集束させた斬撃の放射を浴びせてやるぜ。
更に戦場を駆け巡ったり空中を飛翔したりして翻弄してやる。
敵が業を煮やして胸のクリスタルを輝かせたら結界霊苻に加え攻撃を軽減する風の護りで全方位防御だ。
攻撃が止んだ一瞬の隙を引き上げた反応速度で見切り、超スピードで接近して、妖刀と薙刀の連撃を叩き込んでやるぜッ!
【技能・破魔、見切り、結界術】
【アドリブ歓迎】
神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)と相棒の桜が、弾切れになった先鋒の猟兵と入れ替わりに飛び込んできた。
「お次はお面を被った巫女さんか。さっきのシーツオバケといい、コスプレパーティー会場じゃねーんだぞ、ここは?」
苛立つダンガンマオーへ、桜が物悲し気に言葉を紡ぐ。
「……私達では貴女の孤独は癒せない。ですが、貴女に背は向けません。全身全霊で倒します」
「最早ウダウダ言葉は不要だぜ。てめえの存在証明を見せてみろッ! 相棒ッ!」
朱塗りの鬼面こと凶津が叫ぶ。
その想いに応えるように、桜の霊力が薄紅色の輝きを放つ!
「そうだ相棒ッ! 雷と嵐の霊装を引き出せッ! 俺をもっと使いこなせッ!」
凶津の面の色が朱色から禍々しい墨色に染まってゆく。それは彼の秘められた、荒ぶる潜在能力が引き出された証拠だ。
桜は4つのユーベルコードをひとつにまとめ上げ、その身へ同時に下ろした。
「……転身ッ!」
「「|鬼神霊装《オーバードフォーム》ッ!」」
漆黒に染まりし身は凶津に内包された呪いだ。能力を解放すると同時に、彼に蓄積された穢れが桜の身を蝕んでゆく。
「相棒ッ!? 大丈夫かッ?」
「……この程度、霊符の結界で侵食を遅らせられます」
自身の身体に結界霊符を張り付けると、低い姿勢から猛獣のジャガーめいて一気に前方へ駆け抜けてゆく!
雷の霊装の効果で、稲妻並みの高速移動と反応速度を獲得したのだ。
「ちぃッ! 速い!!」
ダンガンマオーも魔弾を乱射してゆくが、神代コンビの速度に追いつく事が出来ない。
「おい、こっちだぜッ!」
「……雷神霊装、一ノ型ッ!」
桜が抜き払った妖刀から、収束した雷光の斬撃がダンガンマオーへ放射される!
「がはッ!? 斬られただと!?」
驚愕するダンガンマオーは決断が早かった。
「オラオラ、断末魔を上げるまで弾は増えてくぜぇ!」
胸のγ型クリスタルが瞬き、90連射の弾幕が神代コンビを襲う!
しかし、これを桜が結界霊符と共に暴風の壁を展開して魔弾を弾き返す!
「今だ、相棒ッ!」
「……これで、決めます!」
暴風で飛翔した神代コンビが、太陽を背に雷を迸らせ、そのまま急降下でダンガンマオーを斬り伏せた!
「グワアアァァァアアアーッ!?」
「まだだ! 斬撃の弾幕を喰らいなッ!」
「……逃がしません」
神代コンビの攻撃はまだまだ続くのだった!
大成功
🔵🔵🔵
ダーティ・ゲイズコレクター
誰が正義の味方ですか!!
私は凶悪で極悪で劣悪で最悪な
正義とは真逆の存在である魔王!
ダーティ・ゲイズコレクターです!
貴女はこの世界で一番ワルい事ができると
仰いましたね!?
この私を差し置いて一番などと…片腹痛しです!
上には上がいるということをその身に刻んでさしあげます!
(敵の視線を{ゲイズ・パワー}に変換し身に纏って『オーラ防御』を行いながら『衝撃波』を使った移動で敵の攻撃を回避する)
ほらほら!よく見て狙ってください!こっちですよ!
…今です!「目を逸らすな!」
【強悪!妖光堕澱醜穢閃】!
(UCを発動と同時に赤紫色の矢印の姿をしたオーラを敵に向けて発射する)
ダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)は憤慨した。
「誰が正義の味方ですか!!」
彼女は己が正義の味方扱いされることに強く反発した。
それもそのはず、ダーティは自称とはいえ正義の味方と対極の存在であるからして、その反応は至極当然であった。
「私は凶悪で極悪で劣悪で最悪な正義とは真逆の存在である魔王! ダーティ・ゲイズコレクターです!」
「こいつぁ失礼! 魔王様直々にアタシんとこに説教しにきたのかよ? 魔王って案外暇人なんだなぁ!?」
ダンガンマオーが揶揄するが、ダーティは敢えて敵の言葉を無視して話を切り出した。相手に主導権を握らせない戦略的会話術である。
「貴女はこの世界で一番ワルい事ができると仰いましたね!? この私を差し置いて一番などと…片腹痛しです! 上には上がいるということをその身に刻んでさしあげます!」
高らかに宣言したダーティに、ダンガンマオーが笑い飛ばす。
「ハハハッ! やれるもんならやってみやがれッ! なんならテメェも軍団に加えてやるぜ、泣いて感謝しな!」
いうやいなや指先から赤く輝く魔弾を発射するダンガンマオー!
だがダーティは冷静に対処する。
「遅いです!」
ドンッという轟音が何の前触れもなく起きたかと思えば、ダーティの身体が敵の射線から大きく外れた場所へ『瞬間移動』しているではないか。
「なかなか速いじゃねぇか! じゃあ、これはどうだぁ!?」
浴びせられるは十指を広げてからの広域弾幕!
前方180度近くを全て射程内に収めてるため、横移動では完全な回避は至難の業だ!
だがしかし、いくら撃ち込んでもダーティの悲鳴の先触れすら聞こえやしない。
「銃撃は標的を『見詰める』必要がありますよね? それはつまり、私に絶えず視線誘導の力であるゲイズ・パワーが注がれているという事です! ならば視線誘導のベクトル変化と、私の蹴りで発生した衝撃波を応用すれば、銃弾などこの身体に掠り傷ひとつ負わす事すらできません!」
ダーティの言葉通り、銃弾はダーティの身体を全く掠めず通過していってしまう。
これにダンガンマオーは苛立っていった。
「何なんだよありゃぁっ!? 動きが早い上に弾の方が奴を避けてゆくじゃねぇかよ!」
「ほらほら! よく見て狙ってください! こっちですよ!」
ダーティの挑発に、ダンガンマオーはつい乗ってしまって視線を彼女へ向けてしまう。
「言われなくても狙ってやらぁっ!!」
だがこれはダーティの罠、ユーベルコードを放つための策略であった。
「……今です! 『目を逸らすな!』」
次の瞬間、太陽のように強烈な光を放つ赤紫色の光輪がダンガンマオーの視界に入る。そして命じられていた魔弾の遣い手は眩しさに目をそらしてしまった。途端、光輪から赤紫色の矢印の姿をしたオーラが矢雨の如く殺到する!
「グワアアァァァーッ!?」
「だから目を逸らすなと忠告しましたのに。そんなことも出来ないようでは王の頂には程遠いですね?」
光輪を背に高笑いに興じるダーティの姿は、デビチューブで魔王らしさを存分に知らしめることとなった。
大成功
🔵🔵🔵
ティオレンシア・シーディア
あたし|地位や名誉《そういうの》にあんまり興味ないからイマイチ想像はしにくいけれど。
…|その程度のワルさ《ただ破壊するだけ》じゃ、|予選落ち《モブ扱い》やむ無しよねぇ。
えーと…御愁傷様?また来世から頑張りましょ?
…と、〇慰めの体で盛大に○挑発カマしたところで。
指先なんてわかりやすいとこに発射装置ある上にご丁寧に予備動作まであるんだもの、攻撃の起こりは○見切りやすいわねぇ。○先制攻撃で●的殺を撃ちこむわぁ。
刻むルーンはエオロー・ソーン・イサ。
「結界」にて「門」を閉ざし「固定」する…バカスカ撃ちまくろうとした状態で火砲の砲「門」が詰まったらどうなるか、なんて。わざわざ言わなくてもわかるでしょぉ?
「あたし|地位や名誉《そういうの》にあんまり興味ないからイマイチ想像はしにくいけれどぉ……」
ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は片頬に手を添えて困ったようにダンガンマオーへ前向上を置いた後、ヅケヅケと核心を突き始めた。
「……ただ破壊するっていう『その程度のワルさ』だけじゃ、7thKING戦の|予選落ち《モブ扱い》やむ無しよねぇ。わりともうあなたもボロボロにされてるし、猟兵の強さはもう思い知ったところで、えーと……御愁傷様? また来世から頑張りましょ?」
「……言わせておけば好き勝手ほざきやがって! アタシはまだやれるよ!? さあ、掛かって来な!!」
思いっきりティオレンシアの挑発に乗っかったダンガンマオーが吼える。
その単純さに仕掛けた本人が困惑していた。
「えーと、本当にやっていいのかしらぁ? こんなこと言うのもアレだけど、あなたから仕掛けた方がまだ勝率がぐっと上がるわよぉ?」
「その手には乗るかよ! 今までの猟兵はアタシへのカウンターを用意して挑んできた! ならそれを不発にさせるにはこっちがカウンターを仕掛ければいいだけだろうがッ! 後の先ならアタシの専門分野さ!」
なるほど、一理あるだろう。ダンガンマオーの射撃反応は猟兵のそれに匹敵する。だが、今までの敗北は『猟兵が常識以上の埒外の能力でそれを超えた』からなのだが、どうやら相手は気が付いていないようだ。
ティオレンシアは呆れて溜息をついてしまう。
「そこまで言うなら、此方も『公平に』説明させてもらうわね? 指先なんてわかりやすいとこに発射装置ある上にご丁寧に予備動作まであるんだもの、攻撃の起こりは見切りやすいわねぇ。その上で先手を譲るって言うのかしらぁ?」
「御託はいい! さっさときやがれ!」
ここまでくると滑稽に思えてきて、笑いを堪える方が堪え難いティオレンシア。
「え、ええ。では、そうさせてもらうわねぇ? 刻むルーンはエオロー・ソーン・イサ。攻撃=防御の解除。そこを崩せばハイこの通り、なぁんてね?」
懐に忍ばせた愛銃オブシディアンを抜く。
しかし同時にダンガンマオーの赤き魔弾がティオレンシアへ向けて発射!
何たる欺瞞! そして目にも留まらぬ後の先のクイックドロウか!
「そう来ると思ってたわぁ。胸元の宝石の輝きを見逃さなければ……」
ティオレンシアの放った銃弾が、敵の手のひらを撃ち抜く!
衝撃で射線が上向きのずれたのか、赤い魔弾がティオレンシアの頭上を飛び去って行った。
一方、ダンガンマオーの両手に何やら光のベールが覆っていく。
「なんだこりゃぁ? まあ構うもんか! 今度こそ撃ち抜いて――」
刹那、ダンガンマオーの両手が爆発炎上!
「グワーッ!? 炎上ナンデ!?」
これは……弾詰まりによる暴発だ! しかし何故!?
ティオレンシアはこの結果にほくそ笑んでいた。
「『結界』にて『門』を閉ざし『固定』する……バカスカ撃ちまくろうとした状態で火砲の砲「門」が詰まったらどうなるか、なんて。わざわざ言わなくてもわかるでしょぉ?」
全ては最初からティオレンシアの手のひらの上の想定内だったのだ……!
大成功
🔵🔵🔵
尾守・夜野
「くははっわかりやすくていいじゃねぇの
…だが破壊してぇ理由を持ち出すのはいただけねぇな
こっから先は俺様が相手だ
…壊されたくねぇ奴は来るんじゃねぇ!」
破壊衝動の塊な俺様に変わりuc発動
一般人に被害いかんようこっちに注目集め離れる
相手の条件と被らねぇから2つの要素が重なり見通しがよく遮蔽物はなく、かつ接近戦以外受け付けない空間になるだろうな
だから他の人や悪魔がいても避けるのは容易いだろうな
「ひゃは!ご自慢の弾丸の雨を封じられた感想はどうよ!こっから先は…ただ殴り・えぐり・切り・穿つ
そんだけの戦場さ」
銃口が押し付けられれば殴りつけ銃口をずらし更に殴りと距離は取らずひたすら殴る
致命傷以外は無視
サハリエ・ステーロ
おいおい、君は7thKING WARを見てないのかい?じゃあ、途中まで一般悪魔と一緒で観戦してた僕が教えよう。
猟兵はアイスエイジクイーンの軍団よりも多くの者が集まり、スーパーカオスドラゴンよりも混沌として、ガチデビルよりも強かった。
簡単に言うと猟兵はただ暴れるしか出来ない君なんかよりもずっとずっと悪カッコイイ存在さ、7thKINGになるのは当然だろう。
UC【スターライト・エアリアル】使用
ティンクルスターを召喚し相手の視界を遮る
遮蔽物は作るものさ
技能【全力魔法】【高速詠唱】
流星魔法による隕石の雨さ
君の弾丸の雨より上から降ってくるよ
隕石を障害物に回避しながらさらに流星魔法で攻撃
※アドリブ・連携歓迎
尾守・夜野(|墓守《うせものさがし》・f05352)とサハリエ・ステーロ(時計ウサギの魔王・f37256)は、ほぼ同時にダンガンマオーの前へ辿り着いた。
ダンガンマオーは消化した十指の砲門に異常がない事を確認すると、苛立ちながら言葉を吐き捨てた。
「チクショウが……! ワルい事をしろって言われて破壊活動したら猟兵に殴られるとか、訳分からねぇ……! ワルい事は誰かに迷惑かけて当然だろうが! 邪魔すんなぁ!」
「くははっ! わかりやすくていいじゃねぇの!」
夜野は首筋の傷跡を引っ掻くと、彼の抱える人格が別の物へ切り替わった。
「……だが破壊してぇ理由を持ち出すのはいただけねぇな。こっから先は俺様が相手だ……壊されたくねぇ奴は来るんじゃねぇ!」
周囲の野次馬及びデビチューブへライブ配信中のグリモア猟兵へ警告を発した。
何かを仕掛ける気だと察したダンガンマオーは、とっさに夜野へ十指の砲門を向けた。
「踊れ踊れぇ! 一瞬でも判断する時間はやらねぇよ!」
尽きることのない弾丸の雨を降らせ、戦場全体が切の遮蔽物も無く射線の通った更地へと変わってゆく!
それは猟兵だけではなく、観戦している野次馬達へも被害が当然及ぶ。
「やれやれ、ギャラリーを巻き込むのは感心しないな?」
だが次の瞬間、サハリエはユーベルコード『スターライト・エアリアル』を発動させると、総数118個のティンクルスターを召喚した。ティンクルスターは戦闘力は無いが極めて柔らかく、銃弾を受け止めるクッションとして野次馬達とグリモア猟兵の身を守った。勿論、猟兵側への被害もゼロに抑え込む。
「遮蔽物は作るものさ。そしてそれを可能にするのが、魔王である僕の全力魔法と高速詠唱の|技能《スキル》だよ。なに、君が銃弾を撃つよりかは早く発動できる程度の『ささいな』ものだけどね?」
「な、なめやがって……!」
攻撃が遮られたことで、ダンガンマオーは自身のユーベルコードの適合効果の恩恵を受けられなくなってしまった。威力減退した敵へ、夜野が追い打ちをかける。
「|四《死》を徒らに歪ませ重ね、時すらも曖昧に。全て全て紅蓮と宵闇の狭間に。……ここに境界の交わる条件は揃った。なれば俺を核としてなせ!」
途端、戦場の空間が歪み始める。離れていても、互いの感覚が隣り合っているかのような感覚に、ダンガンマオーはすぐに銃撃で反応を試みるのだが、何故か弾丸を発射できずにいた。
「まさか、アタシの銃撃を禁止するユーベルコードかい!?」
「それは少し違ぇな? 例えば……オラッ!」
抜き払った怨剣村斬丸を上段に振りかぶると、いつの間にか夜野の身体がダンガンマオーの目の前で刀を振り下ろしているではないか。
「グワッ!? なんでそっちの攻撃が通るんだい!?」
右腕で致命傷を避けたダンガンマオーの顔が歪む。
夜野はどす黒い感情まじりに、目の前の敵へ告げた。
「ユーベルコード『|四辻回廊大禍時《イカイ・ヨツジカイロウ》』の効果はな……『一対一と相手に近接攻撃を強いる歪んだ四辻を戦場全域に発生させる』もんだ。相手の条件と被らねぇから2つの要素が重なり……ここら周辺は見通しがよく遮蔽物はなく、かつ接近戦以外受け付けない空間になるだろうな」
どんなに間合いが離れていても、近接戦闘を行えば対象の傍に現れ攻撃を仕掛ける。これならば無関係の野次馬達やグリモア猟兵に被害が及びにくくなるだろう。
遠距離攻撃を防がれたダンガンマオーは、やむなくメカアームで殴り掛かるのだが、近接戦闘では夜野の方が数段上手であった。
「はっ! 避けるのもだりぃくらいへっぽこなパンチだなぁおい?」
致命傷を与えられないと悟った夜野は、殴られながらダメージを無視して斬りかかってゆく。彼のダメージは身代わりの宝珠が『未来の自分』へ肩代わりするし、この程度なら未来の自分も軽い打撲程度で済む話だ。
「ひゃは! ご自慢の弾丸の雨を封じられた感想はどうよ! こっから先は……ただ殴り・えぐり・切り・穿つ! そんだけの戦場さ!」
「ぐうッ!? このままでは!?」
追い詰められるダンガンマオー。
このまま夜野が決めに掛かるかと思いきや、急に姿を現したサハリエが夜野へ告げた。
「盛り上がっているところ申し訳ないけど、10秒後に一度ユーベルコードを解除してくれないかな? やりたいことがあるんだ」
「はぁ? ……まぁいいぜ。しくじるなよ?」
夜野はきっちり10カウント後にユーベルコードを解除する。
ダンガンマオーはこの瞬間に銃撃を再開せんと身構えた。
「馬鹿が! 全員蜂の巣にしてや、おごォッ!?」
次の瞬間、ダンガンマオーの頭上に隕石が命中したではないか!
それもひとつだけではなく、雨あられと絶え間なく降りそそいでくるのだ。
「流星魔法による隕石の雨さ。君の弾丸の雨より上から降ってくるよ。近接戦闘のみに限られちゃうと、僕の強みも封じられちゃうからね? 助かったよ」
「ぎゃああぁぁぁーッ!?」
天災レベルの魔法でダンガンマオー周囲をクレーターだらけにしてゆくサハリエ。勿論、デビチューブ映えを考慮しつつ周囲の被害を抑え込む魔王の鑑だ。
「なん、だ、これ……? 猟兵はみな、こんなに強いのか……?」
「おいおい、君は7thKING WARを見てないのかい? じゃあ、途中まで一般悪魔と一緒に観戦してた僕が教えよう」
サハリエが得意げに語り始めた。
「猟兵はアイスエイジクイーンの軍団よりも多くの者が集まり、スーパーカオスドラゴンよりも混沌として、ガチデビルよりも強かった。簡単に言うと、猟兵はただ暴れるしか出来ない君なんかよりもずっとずっと悪カッコイイ存在さ、7thKINGになるのは当然だろう。隕石くらい降らせるなんて朝飯前さ」
「いや、にしてはえぐすぎだろ? まぁ気が済んだならいいか。おい、まだ俺の番は終わっちゃいないぜ? くはははっ!」
夜野が再びユーベルコードを発動させると、彼の人格が満足するまでダンガンマオーは滅多斬りにされてゆくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
テラ・ウィンディア
機神搭乗
認められたいからって暴れるなんて子供だぞ!
でも…止まれないってなら…付き合ってやる!
【属性攻撃】
機体に炎を付与
燃え上がり
【戦闘知識】
マオーの攻撃の癖や性質を把握
UC発動
【見切り・第六感・武器受け・残像・空中機動・弾幕】
高速で飛び回りながらも弾丸は可能な限り回避しながらガンドライド展開
銃撃で相殺やグランディアや炎槍で弾く
【貫通攻撃・遊撃】
ドリルビットも展開
ドリル攻撃と重力弾の弾幕展開!
【二回攻撃・早業・串刺し・重量攻撃】
そんなに破壊が好きなら存分にやってやるよ!
剣による連続斬撃から槍に切り替えて串刺しにして固定
ブラックホール展開
超重力による圧縮破壊…とくと味わえーー!!!
サーマ・マルヴァス
…民とすべき存在への破壊行為に出ている時点で7thKING以前に王の資格はないのでは。
王とは一番耐えねばならぬモノ、認められずとも己の想い以上に|国《全体》を優先させるべきで、貴女の行いはワルであろうとその真逆。
…そんな言葉は聞いちゃくれないでしょうが、一国の王として止めましょう。
可能なら他の猟兵と連携、支援中心に立ち回る。
野生の勘と第六感を活かして火砲の被害を抑えられる場所を見切り避難。
大きな瓦礫等に身を隠して防いだりも。
胸のクリスタルが輝いたらUC発動、魔力を籠めたジャズトランペットの演奏を聞かせ眠りへ誘います。
照準は自動追跡しても弾丸が放たれなければ意味はない筈…!
※アドリブ絡み等お任せ
「……民とすべき存在への破壊行為に出ている時点で、7thKING以前に王の資格はないのでは?」
サーマ・マルヴァス(華やかな獅子王・f37974)は目の前のダンガンマオーへ冷徹な言葉を投げかけた。
「王とは一番耐えねばならぬモノ、認められずとも己の想い以上に国全体を優先させるべきで、貴女の行いはワルであろうとその真逆……仮にもマオーの名が付くなら、自戒してみることをお勧めしますが」
サーマも一国を担う魔王である。周囲を破壊してまで国造りを成し得ようとは微塵も考えていないし、芸術を愛する彼にとってダンガンマオーの行為は美学に反する。故にまずは言葉で嗜めようとしたのだが、案の定、ダンガンマオーはサーマの白銀の鬣の脇へ赤い弾丸を走らせてみせた。
「んなこたぁ知るか! アタシに従う軍団が、アタシの作る国の民さ! つまり、アタシに従わないなら、誰だろうがぶっ殺す!」
「………やはり、私の言葉は聞いちゃくれないですか。一国の王の言葉を無視した結果は、重く受け止めていただかねばなりませんね」
サーマは肩を竦めると、特注の耐久性ケースからジャズ・トランペットを取り出して演奏の準備に取り掛かった。
その間をテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)が悲しそうな顔をして敵へ訴えた。
「認められたいからって暴れるなんて子供のやることだぞ!」
「うるせぇ! テメェもガキだろうが!」
「おれは子供じゃないぞ! 分別の付いた立派なレディになるんだ! だからおれは……みんなに迷惑をかけるお前を止める! 悪魔のみんなはタノしいせいかつがしたいって、変わろうとしてるんだからな! それにもう、独りじゃ止まれないんだろ……だったら、おれが、いや、おれ達が止めてやるぞ! こい、ヘカテ!」
テラが虚空へ手を伸ばすと、次の瞬間、彼女の背後に白銀の装甲を纏った三界神機『ヘカテイア』が何処からともなく出現したではないか。
『行きましょうテラ! 私達の力を見せ付けてやりましょう!』
ヘカテイアの胸元のハッチが開けば、テラが駆け込んで搭乗する。
ハッチが閉鎖された途端、ヘカテイアの全身が赤々と燃え上がり始めたではないか。
「……おれの闘志は誰よりも熱いぞ!」
そのまま体高5mの巨体が魔界の空を趙音速で飛翔してみせる。ダンガンマオーとサーマの遥か頭上に陣取ったヘカテイアは、そのまま浮遊砲台で地上を爆撃し始めた。
「ヘカテ! よく狙って撃ってくれ!」
『任せてください! 同時に地上でドリルビット2機を遠隔操作します!』
ダンガンマオーの足元から、巨大な掘削機が2機同時に飛び出してきた。
それらは執拗にダンガンマオーを追い回し、銃弾を弾き返してゆく。
「な、なんなのさ!? あのデカブツといい、この巨大なドリルといい!」
「それが外の世界の技術です。私も猟兵になってから知ったのですが、|デビルキングワールド《この世界》以外には、実に多くの世界が存在するのです。あれもその世界の内のひとつ、クロムキャバリアという世界の技術らしいです」
サーマがそう伝えると、戦場全域を彩るようなサックスの音色を轟かせ始める。
「着弾点の破砕音をパーカッションに見立てて、私がメロディを奏でる。なかなか刺激的なセッションになりそうですね」
野生の勘と第六感を活かして、ダンガンマオーの射撃と爆撃の瓦礫を自在に回避してゆくサーマ。
そんな中でも華やかな演奏を続けてゆき、いつしか周囲の野次馬達やライブ配信中のグリモア猟兵の注目を浴びる。
また、サーマの演奏するサックスの音色を音響弾として発射することで、目に見えない反撃をダンガンマオーへ浴びせる芸当も見せていく。
「ちぃ……このままじゃジリ貧か! だがこれは流石にかわせねぇだろッ!?」
ダンガンマオーの胸元のγ型クリスタルが瞬いた!
「オラオラ、断末魔を上げるまで弾は増えてくぜぇ!」
次の瞬間、ひとつの砲門から9連射される高速射撃が展開される! 指は十本あるので、一瞬で90連射だ!
だが、それはダンガンマオーの睡魔によって発動を妨げられてしまった。
「んぁ……急に、クソ眠ぃ……」
ふらつくダンガンマオーが膝を付くと、サーマはしめたと内心で喜んだ。
(照準は自動追跡しても弾丸が放たれなければ意味はない筈……! 私のユーベルコード『|安息への誘い《レーヴ》』による、魔力の籠った演奏を聞いた敵は、この場で今すぐ眠りたいという強い衝動に駆られます! 一瞬でもいい、敵が射撃を中断すれば……!)
サーマの必死の演奏は、確かにダンガンマオーへ強烈な眠気を誘って攻撃を不発にさせた。
その瞬間をテラとヘカテイアが逃すわけもなく、上空から一気に急降下を始める!
「そんなに破壊が好きなら存分にやってやるよ! デカくなれ! 星刃剣『グランディア』と紅龍槍『廣利王』!」
巨大化させた二振りの真紅の武器が燃え上がると、まずは槍をダンガンマオーへ向けて投擲する。燃え盛る巨槍はダンガンマオーの脇腹を抉り、片足を貫いてアスファルトに縫い付ける。
そしてマッハ12の超音速の連続斬撃がダンガンマオーを刻んでゆく!
「攻撃パターン条件、満了……リミッター解除……グラビティリアクターフルドライブ……! ブラックホールキャノン……起動……!」
間合いを詰めたヘカテイアは漆黒の球体を具現化させてゆく。
「ブラックホール展開! 超重力による圧縮破壊……とくと味わえーー!!」
放たれた小型ブラックタール弾をテラがヘカテイアから発射すると、傷付き弱ったダンガンマオーへ命中して追い討ちを果たした。
「グワアアァァァアアアーッ!?」
身体が磨り潰される激痛に苛まれるオブリビオンは、どう足搔いても猟兵に勝てない事をようやく理解し始めるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アルテミシア・アガメムノン
ワルを認められなくて拗らせるって、随分と寂しがり屋さんですわね。
オブリビオンの目的にデビルキングは関係ないでしょうに。
ガチデビルさんは世界崩壊の手段として目指していましたが……
貴女にはそういう視点を感じませんわねえ。
ともあれ変わりゆくこの魔界に貴女の居場所はありません。
可哀想ですけれど骸の海に還りなさいな。
『明星の栄光』を発動。
無限の魔力で戦闘力マシマシの超音速飛翔モードへ。
敵POWUCは弾速より速く飛翔して回避。思う存分弾幕を張らせ、途切れた瞬間を見切って懐に飛び込んで(1秒で3.5㎞詰める)クロノスの大鎌で斬り裂きましょう。
アシズ・アナトテ
『真・魔皇顕現』を発動。無限の魔力を戦闘力とした真の姿へ。
オブリビオンとは言え憐れな者よ。
汝の生き様を認めはせぬが覚えてはおこう。安心して消えよ。
敵WIZUCを無限の魔力で強化した『魔皇装束・弐』の権能で防ぎ、更地となった戦場を駆けて『魔皇神剣』を振るってダンガンマオーを斬り裂きましょう。
「チクショウが……! なんで勝てねぇんだよ……! アタシが一番のワルのはずだ、つまり一番強いってことだろうが……!」
満身創痍のダンガンマオーが歯を食い縛って立ち上がる。
その巨体に刻まれたひとつひとつが猟兵達の強さの証明だ。だがオブリビオンはそれを認める訳にはいかない。
「ふざけんなよ……ここで負けたら、今までのアタシの行いが無駄になっちまうだろうが……!」
「おやおや? ワルを認められなくて拗らせるって、随分と寂しがり屋さんですわね。オブリビオンの目的にデビルキングは関係ないでしょうに?」
新たに対峙するアルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)が凛として疑問を投げかけた。
「ガチデビルさんは世界崩壊の手段として目指していましたが……貴女にはそういう視点を感じませんわねえ。ただ破壊するだけなら一介のオブリビオンですら出来ることですわよ。それを誇られても何も響いてきません」
「ああ……? 完膚なきまでに破壊し尽くせる事は凄くワルくてすげぇ事だろうが!」
相手の反論にアルテミシアは頭を抱える素振りを見せた。
「その考えに囚われている時点で、貴女は時代の流れが見えていませんわね。今この世界はワルい事から脱却が始まっているのです。それを止めようとすれば反発があって然りですわ」
この意見に呼応するように、無数の触手を生やした蠢く肉の塊だったアシズ・アナトテ(魔皇・f34872)の姿が、長い銀髪の青年へと変貌を遂げてゆく。
「オブリビオンとは言え憐れな者よ。汝の生き様を認めはせぬが覚えてはおこう。安心して消えよ。我の真の姿を見た敵は総じて死ぬ。汝にとっての絶望である」
ユーベルコード『真・魔皇顕現』で真の姿となったアシズの身体から無限の魔力が湧き出てくる。とてつもない殺気に、野次馬達やデビチューブでライブ配信中のグリモア猟兵も威圧感でたじろいてしまう程だ。
併せて、アルテミシアも臨戦態勢へと移行する。
「ともあれ変わりゆくこの魔界に貴女の居場所はありません。可哀想ですけれど、骸の海に還りなさいな」
「どいつもこいつも……アタシを虚仮にしやがってッ! うがあぁぁァァァーッ!」
手負いの獅子めいた鋭き咆哮と共に、十指の砲門からドバドバと赤い魔弾が撃ち出されてゆく!
当たれば意のままに操られたのちに爆死を遂げるか、尽きることのない弾丸の雨に晒されるか、猟兵達の判断が刹那で問われる!
まず動いたのはアルテミシアであった。
「この力は全きもの、光をもたらすもの。『|明星の栄光《ルキフェル》』を発動しますわ」
途端、アルテミシアの全身が眩い黄金色のオーラに包まれると、目にも留まらぬ超音速で真上へ一気に飛翔してゆく!
「弾速より早く、より高く飛翔しさえすれば、貴女のユーベルコードなど怖れることなどありませんわね。それでもよく狙えば1発くらいはわたくしに命中するかもしれませんが?」
高密度の赤き魔弾の雨を余裕の表情で掻い潜ると、アルテミシアは弾幕の射程外の空へと突き抜けていった。
ダンガンマオーは目の前で起きた埒藍の出来事に目を疑ってしまう。
「はぁ!? 弾速より速く動ける奴がいて堪るかよッ!? だったらそっちのスカした野郎をぶち抜いてやるだけさッ!」
アシズに凄まじい物量の魔弾が頭上から降り注がれてゆく。周囲に残されていた瓦礫が一瞬で粉々に砕かれ、アスファルトの舗装道路が水面を打たれたかのように高々と粉塵の柱を何本も突き上げさせてみせる。
そんな破壊空間の中で、アシズは顔色ひとつ変えずに戦場を駆け抜けていた。
「我の魔皇装束・弐の権能は『物理攻撃無効化』だ。故に、汝の魔弾の雨を浴びたところで我に一切の意味を成さない」
「ンなのアリかよ……ッ! やめろ、それ以上アタシに近付くんじゃねぇ……!」
でたらめな防御方法でユーベルコードを無効化されてしまったダンガンマオーには、もはや怯えることしかできない。
アシズは魔皇神剣を具現化させて柄を握り締めると、上空のアルテミシアをちらりと見遣った。
これにアルテミシアも気が付くと、上空で黄金の大鎌『クロノスの大鎌』を持ったまま錐揉み急降下を開始した。
「さあ、斬り刻んで差し上げます!」
銃弾の雨を大鎌で破砕しながら突貫!
弾幕の切れ目を見つけるとマッハ13弱の速度で滑り込んで回避しつつ、1秒間に敵へ3.5Km詰め寄ったアルテミシアのミキサーめいた大鎌の斬撃が何度もダンガンマオーを襲う!
「んあああぁぁッ!?」
全身のプロテクターが裁断されてバラバラに吹き飛んでゆく!
続けざまにアシズの神剣が無情にも横薙ぎに振り抜かれる。無限の魔力を宿したそれは、物質、精神、果ては因果や概念まで断ち切る!
「汝、潔く逝け」
「がはッ!?」
腹を刃で抉られたダンガンマオーは、再びたたらを踏んだ後にボロボロのアスファルト舗装の道の上で膝を付くのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カシム・ディーン
なるほど、なぁ
随分と生真面目な奴なんだなお前
(哀れみはしねー…多少理解はできるがな。認められたいってのは…誰もが持つ感情だ。否定される事はとても苦しいもの…なら
メルシー…苛烈にいくぞ
「…そっか、やっぱりご主人サマは優しいね?」
…どこがだ?
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の動きと攻撃の癖
肉体構造と武装の能力を冷徹に分析
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を己達に付与
光学迷彩で隠れ水の障壁で熱源や匂いを隠蔽
標的にさせさえしねーよ
UC発動
【空中戦・弾幕・念動力・スナイパー・武器受け】
超絶神速で飛び回りながら念動光弾による蹂躙
弾幕が得意なのはてめーだけじゃねーぞ?
相手の弾丸は水槍と念動障壁で軽減して致命を避け
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
鎌剣と鎌に変化させた水槍で両腕を狙い切断し強奪!
クリスタルも無理やり毟り
残虐に切り刻み続ける
てめーがキングになれねーのは簡単だ
この最強最悪のワルであるこのカシム様が居たからだ(切り刻み破壊し
(悪として全力で向き合ってやるよ…できるのはそれ位だ)
だから理不尽にてめーは死ね
「なるほど、なぁ。随分と生真面目な奴なんだなお前」
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は殺意に満ちた双眸をダンガンマオーへ向けて口角を釣り上げていた。
既に気力だけで立ち続けているオブリビオンは、カシムの口ぶりに露骨な嫌悪感を抱いた。
「ふざけんな……! アタシのどこが生真面目だって言うんだい!?」
「デビルキング法なんていう、これから有名無実化しそうな法律を、必死こいて遵守してワルい事やってるところだろ」
即答するカシムに、痛いところを突かれたと言いたげに押し黙るダンガンマオー。
カシムは目の前のオブリビオンへ、胸中で物憂いを語っていた。
(哀れみはしねー……多少理解はできるがな。認められたいってのは……誰もが持つ感情だ。そして己を他者に否定される事はとても苦しいもの……なら、やることは唯一つだ……)
カシムは後ろで片付の飲んで見守る相棒ことメルシーに命じた。
「メルシー……苛烈にいくぞ」
これに銀髪少女の姿をした機神がにっこりと微笑んだ。
「……そっか、やっぱりご主人サマは優しいね?」
「……どこがだ?」
カシムは目を細めてメルシーを一瞥すると、地球儀のような青い宝珠であるオーシャンオーブを天へ掲げた。
すると、カシムとメルシーたちの身体がみるみるうちに周囲の風景と同化して消えていってしまったのだ。
「なに!? どこへ消えやがった!!」
慌てたダンガンマオーは、胸のクリスタルを瞬かせると、十本の指の訪問から一瞬で九連射の赤い弾幕を前方へ撃ち放つ!
刹那、まだ無事でいた建物が同時多発倒壊してゆく!
まさに死をもたらす銃弾の嵐雨だ!
しかし、あれだけ高密度の弾幕をはなっても、カシムとメルシーの悲鳴は一切聞こえなかった。それどころか、命中した手応えすら全くカンジない。
「チクショウが! マジでどこ行きやがった!?」
気配を探るダンガンマオー。だが、一向にカシムたちの居場所を掴むことが出来なかった。
(光学迷彩魔法で隠れ、水属性魔法の障壁で熱源や匂いを隠蔽……標的にさせさえしねーよ)
カシムは敵が右往左往する様子をその頭上から観察し続けていた。
そして、ユーベルコードの無駄撃ちを続けるオブリビオンを分析してゆき、とうとうカシムは敵の胸元のクリスタルがすべての魔力の源だと気が付いた。
「メルシー、狙うは敵の胸元の赤い水晶です……あれを破壊すれば、奴の攻撃は止まる……!」
「ラジャったよ、ご主人サマ☆ それじゃ、メルシーとご主人サマのスペシャルアタック見せちゃうぞ☆」
カシムとメルシーの魔力と思考が同調を果たすと、ユーベルコードの効果で移動速度が一気に音速を超えて周囲を駆け巡ってゆく!
巻き起こる疾風にダンガンマオーが気づいたときには既に手遅れ。胸元の赤いクリスタルへ目掛けて、氷の弾丸と念動光弾の弾幕が前後左右から絶え間なく降り注いでくる!
「弾幕が得意なのはてめーだけじゃねーぞ?」
「メルシーたちも大得意なんだぞ☆」
容赦ない物量と密度の高い弾幕は、ダンガンマオーの体中の装甲を無慈悲に粉砕してゆく。
「てめーがキングになれねーのは簡単だ。この最強最悪のワルである、このカシム様が居たからだ」
「そしてバックにはメルシーっていう神様が付いてるんだぞ♥ オブリビオンに勝ち目ないのは最初から決まっていたんだよ☆」
「このビチクソ共がァーッ!!」
ダンガンマオーの砲口が天を向く!
だが、指先の砲門が火を噴く前に、カシム放った白銀の流体槍が、メルシーのビーム大鎌が、ダンガンマオーの胸元の赤いクリスタルをXの傷を付けて粉砕してみせた!
「グワアアあぁァーッ!?」
エネルギー源を破壊されたオブリビオンは、力を失い膝をつく。もはや抵抗する気力も体力も残されておらず、その場で動きを止めてしまっている。
カシムは最後のトドメを放つべく、メルシーからハルペーを受け取って頭上へ振りかぶる!
(悪として全力で向き合ってやるよ……できるのはそれ位だ)
――だから理不尽にてめーは死ね。
カシムが振り下ろした大鎌の刃が、ダンガンマオーの首を引っ掛けると、そのまま抵抗無くすんなりと装甲もろとも脛骨を刈り取った。宙を舞うオブリビオンの首が瓦礫の上に転がれば、衆院野次馬達からわっと歓声が湧き上がった。
「見事であった! 貴様らの活躍、しかとデビチューブにて生配信させてもらったぞ!」
ずっとスマホのカメラでライブ配信を続けていたグリモア猟兵の蛇神オロチヒメが、満面の笑みを浮かべた。
こうして、デビルキングワールドでも稀な大破壊行為を行ったオブリビオンを討伐した猟兵達の評判はますます上がるばかりだ。
まもなく決定する新たなデビルキング決定戦の結果にも、悪魔たちの注目がより集まるだろう。それは間違いなく、この世界の変革をもたらす象徴になる。
悪事を働くオブリビオンを下した猟兵たちが、それを肌身で一番感じているのであった。
大成功
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