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銀河帝国攻略戦㉒~ドクター・オロチを再殺せよ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #ドクター・オロチ

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●大蛇は嗤う
 解放軍の砲撃により航行不能となったガルベリオン。その中にある実験施設の一つに、ソレはいた。
「ムシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ」

●再殺部隊、出撃!
 銀河帝国攻略戦。ミディア・スターゲイザーがユーベルコード『ワープドライブ』を発現したことに端を発したこの戦いは今、大きな節目を迎えようとしていた。ヘリドトスの戦い、ジャミング装置、オロチウイルス。猟兵を、解放軍を散々に苦しめてきたドクター・オロチに、ついに手が届くようになったのだ。
 邪悪な脳髄を打倒する戦いが始まろうとしていた。

「もちろん、ただ倒すだけじゃ本当の解決にはならないわ」
 集まった猟兵達に対し、グリモア猟兵のイデア・ファンタジア(理想も空想も描き出す・f04404)はそう告げる。そう、オブリビオンであるドクター・オロチは普通に倒しても何度でも蘇ってしまう。これまではそれを防ぐ手段が見つからなかった為、こちらから手を出すことは出来なかった。だがそれも最早過去の話。
「朗報よ。短期間に何度も何度も倒されれば、さすがのオブリビオンも復活できなくなることが分かったの!」
 死ぬまで殺す、というやつである。数の暴力によって強引に因果を断ち切ってしまおうというのだ。これによってドクター・オロチがスペースシップワールドで蘇る事は無くなるだろう。作戦としてはそれだけだが、実際に行うとなると途端に困難となる。

「ドクター・オロチは一度撃破されると、別の場所で蘇るわ。それがどこになるかは予知できてるから、みんなにはそこで待ち伏せしてもらうことになるんだけど……」
「問題になるのはドクター・オロチ自身の強さよ。今の私達じゃあ、確実に後手に回っちゃうわ」
 戦いにおいて、特にユーベルコード同士のぶつかり合いにおいては先に動いた方が極めて有利。ミディアを暗殺せんとする大軍勢を押し返してきた猟兵達は、それを経験則で知っているだろう。つまり、このままではただ一度殺すことさえ困難だということだ。
「何とかして敵の攻撃を凌いでちょうだい。私からはそれ位しか言えないけど……頑張って!」


渡来あん
 初めましての人は初めまして、お久しぶりの人はお久しぶりです、渡来あんです。
 本シナリオには特殊ルールが存在します。以下を必ずお読みください。

 ドクター・オロチは、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 皆様のご参加をお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『ドクター・オロチ』

POW   :    ジャイアントカルシウム
自身の身長の2倍の【恨みの叫びをあげる骸骨巨人】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    カリスティックボディ
自身の肉体を【あらゆる生命体を溶解し取り込む緑の粘液】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    ビャウォヴィエジャの森のフェンリル
【水晶剣が変形した門から『フェンリル』】の霊を召喚する。これは【炎の体を持つ巨大狼で、爆発を呼ぶ咆哮】や【瞳から放たれる魔炎光線】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シュトフテア・ラルカ
【チーム:SS】
旅団の皆と参加。作戦通りに行くとよいのですが。
ドクターオロチ、あなたの思い通りにはさせないのです。

焔(f01122)さんのUC、『野焔築城』の発動後先制攻撃に備えるです。
サーチドローンを上空に飛ばし、戦闘状況の情報を逐一取得し共有。
オロチが現れたらUC発動、【クイックドロウ/早業/先制攻撃】で相手のUCに対して早撃ち勝負を挑むです。

先制攻撃を防いだら『数撃ちゃ当たる』を発動、オロチを囲むように配置して【スナイパー/武器落とし】を狙うです。ガジェットにも【援護射撃】をさせ攻撃の手を休めずに。
そのまま【二回攻撃】を駆使して一斉攻撃を仕掛けるですよ。


フォルセティ・ソルレスティア
【チーム名SS】【WIZ】
フィオ姉ちゃん達と5人で待ち伏せするよ
戦闘直前にフォルマ・ベンダバールで戦闘力を増強しておくんだ

【行動】()内は技能
※対先制攻撃
メル姉(f09332)達のクイックドロウに連動し
グアルディアン・サトゥルノを(高速詠唱)で展開
カリスティックボディを予測して相殺するよ
「ボクがみんなを護ってみせるよ」
メル姉達の先の先攻撃が通用してもしなくても
焔さんの野焔築城と二重の防衛網でオロチの先制攻撃防ぐんだ

初撃を防いだら一気に反撃だよ。
「ボクの今持っている全ての力を!」
フィオ姉ちゃんと呼吸をあわせて(全力魔法×2回攻撃)で
カラミダド・メテオーロをオロチに叩きつけるよ


フィオリナ・ソルレスティア
【チーム名:SS】【WIZ】(敬称略)
■作戦
仲間5人と連携してドクター・オロチの先制攻撃を防ぎ
強烈な反撃で殲滅する

■作戦(対先制攻撃)
①焔の【野焔築城】を事前発動
②シュトフテア、メルノの先制攻撃への【先制攻撃】
③私とフォルセティのUCによる相殺

②によりオロチがSPDUCを先制攻撃するよう仕向け、①と③の二段構えで防ぐ
②の成否に関わらず③を必ず実施

■行動
焔の【野焔築城】の陣地内に待機
オロチが姿を現すと同時に【アイギスの盾】を前面に展開【高速詠唱】

先制攻撃を防いだら、シュトフテア達のサーチドローンと情報を共有しながら、
弟と息をあわせて【バベルの光】でオロチを攻撃【全力魔法×2回攻撃】


メルノ・ネッケル
【チーム:SS】
キツネビサイクルに【騎乗】、機動力を確保しながら戦うで!

焔ちゃんの野焔築城の陣地内で戦いを進める。
まずはトオミドローンでの偵察!シュトフテアさんと分担しながらオロチのUCを撮影し事前に確認&共有。邪魔にならんように視界の端に共有するで。

そして勝負や、先制攻撃への【先制攻撃】!
……行けるはずや、【勇気】を持てうち。
オロチの先制攻撃タイミングを【見切り】、その前に攻撃を叩き込む!
シュトフテアさんと同時に【クイックドロウ】を乗せた必殺の早撃ち、「クイックドロウ」!

向こうの攻撃を凌ぎ切ったら反撃の番や!
R&Bに補助バッテリーを繋ぎ、銃身が焼き付くまで撃ち込む、【2回攻撃】!


神薙・焔
【チーム:SS】
ドクター・オロチ…前々前世くらいに見たような、忘れちゃいけない脳…君の、名前は?

かつて戦場は土と木とで支えられた、あたしは焔で支える。ダイアナは夜を照らす術を識る。

予知による待ち伏せの場所で【野焔築城】により焔で掘られた壕とそれにより積み上げられた掩体を出現。野焔築城中は身を裂いて地形を変える地獄の焔を流し続けることしかできないから、攻撃は皆にお任せ。

味方が壕を出て前進するなら野焔築城を解除、ガジェット・フルドライヴ! ブレイズバルディッシュを砲架としてガトリングで支援、敵の動きを止めて一斉攻撃を助ける。乱戦になれば自分もウィングド・ビートで吶喊! からの零距離射撃よ。



●待ち伏せの顛末
 ガルベリオン内に存在する多数の実験施設の一つ、屋外運動場。ここが待ち伏せの場所であることは、神薙・焔(ガトリングガンスリンガー・f01122)にとって僥倖だった。
「かつて戦場は土と木とで支えられた、あたしは焔で支える」
 身を裂いて噴き出す地獄の焔が運動場の地形を作り変える。地を抉り、押しのけた土を炎が強化する。壕と掩体による無敵の陣地、その名はフォイヤーブルク。
『ダイアナは夜を照らす術を識る』
 普段の言語とは異なるそれで焔は完成を宣言する。後はこれを維持し続けるだけだ。

 壕の中からドローンが飛び立つ。シュトフテア・ラルカ(伽藍洞の機械人形・f02512)とメルノ・ネッケル(火器狐・f09332)の共同作戦。一体で180度、二体で360度。敵の出現を見逃すまいと、送られてくる地上の光景をくまなくチェックしていく二人。代わり映えしない映像に飽きが来はじめた頃、ついに飛来する物体を捉えた。
「今のは――いえ、敵です!」
「奴さんやってきたで!」
 二人が声を上げた直後、轟音が響き渡った。音の発生源は前方の壁。何か大きく重い物が叩きつけられたのだと一瞬の後に理解する。
「よっしゃ行くで!手筈通りに頼むわ!」
 掩体から顔を出したメルノとシュトフテアが目にしたものは、壁に突き刺さり、しかし貫けなかった水晶柱と、それを投げたと思しき白亜の巨人。そしてその横にいる異形。
「早撃ち勝負です――っ!?」
 二人は銃撃には自信があった。だがそれでも、それぞれの手が熱線銃にかかった時には既に緑の触手が直前にまで到達していた。勝負の土俵に上がる事さえ許さない、隔絶した実力差。溶解液が彼女達に迫る。

「そんな攻撃当てさせないわよ」
「ボク達が護ってみせるよ」
 だがそれは予想済み。フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)とフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)の姉弟が紡ぐ詠唱が、早撃ち組を援護せんとする。これが決まれば作戦通り二人は無傷でいられるだろう。

 そう、彼女達の作戦はここまでは順調だった。だが一つの過ちが状況を一変させる。
「七界を照らすは虹鱗の――」
「防げ、アイギスの――」
『WAAAAAAAAARRRRRRR!!』
 あと一息という所で、詠唱を遮り咆哮が響き渡る。掩体の向こうから炎狼が姿を現す。顔を出していたメルノとシュトフテアの視界には――それどころではなかったが――壁に刺さった本物の水晶剣が変形した門と、そこから飛び出すフェンリルが映っていた。

 敵の体は一つ。では複数人で一斉に仕掛ければ、何人かは先制されずに済むだろうか。……否。ドクター・オロチはその全てに先んじる。予め準備でもしていない限り。
 もし猟兵達の行動が一様だったなら、敵も纏めて薙ぎ払う事を選択し、対策も幾分か楽になっただろう。だがそうはならなかった。三種の行動に対し、放たれた攻撃も三種。
 すなわち、陣地に巨人を。早撃ちに粘液を。そして盾には狼を。

 姉弟の立つ地面が、空間が発光する。正体など考えるまでもない、攻撃の前兆だ。
「駄目、盾じゃ防ぎきれない!」
「フィオ姉ちゃん乗って!飛ばすよ!」
 事前に準備していたことが功を奏した。フォルセティのバイクが唸りを上げ急発進し、二人を少しでも遠くへと運ぼうとする。直後に先程の地が爆発、追いついた熱風が二人の体を焼きバイクごと吹き飛ばす。弟の運転技術で体勢を立て直すも、着地点は壁の先。
「く――っいけない、二人とも!」

 連鎖する崩壊。援護を失ったメルノとシュトフテアに抗う術はない。撃ち負けるケースは想定していたからか辛うじて上がった腕、それを盾とすることで窒息する事態は避けられたが、代償は利き腕の負傷。焼け付くような痛みに顔をしかめる。さらに悪いことに、まだ敵の攻撃は終わってもいない。腕に巻き付いた触手がしなり、二人を持ち上げたかと思えば陣地の外に叩きつけた。
「相手のペースに嵌ってるです……!」
「こらきっついで……!」

 仲間のいなくなった陣地など最早放棄するしかない。焔がユーベルコードを解除すれば加護を失った掩体は崩れ、堀は埋まる。代わりに放った炎弾が捕まる二人を救出したが、状況は明らかに劣勢。
「ドクター・オロチ……よくも皆を!」

●未来に繋ぐために
 5名中4名負傷。巨人と巨大狼に守られて悠々と水晶剣を回収した狂科学者は嘲笑う。
「ムシュシュ、大変だね~。逃げちゃったっていいんだよ?」

「お断りです」
「ありえないよね」
「あたし達はまだやれる!」
「やられっぱなしでいられるかい」
「思い通りにはさせないのです」
 迷いなく答える面々。そう、状況はまだ最悪ではない。いずれの攻撃でも直撃は避け、戦闘不能となった者はいない。それにここで諦めてはこの作戦は失敗に終わってしまう。だがここで食らいつく事さえ出来れば、まだ成功の目は残されるのだ。

「数撃ちゃ当たるです。蜂の巣にしてやるのです」
 シュトフテアの幾多もの銃器が、ガジェット達が全方位から弾幕を貼る。前後左右、加えて上からも迫る弾丸の嵐は逃げ場など無い。ドクター・オロチは全身粘液にならざるを得ず、同期を取れなくなった巨人の動きが鈍る。
「まだ行けるはずや!勇気を持てうち!」
 忌まわしい標的を中心に、狐色の車体が大きく円を描く。碌に動かない右手はそれでもアクセルを回し続ける。フルスロットル。薙ぎ払う触手を置き去りにしながら、メルノは足止めの熱線を撃ち続ける。
 人工の空の彼方から、あらゆる障害を超越して巨大隕石が飛来する。
「ボクの今持っている全ての力を!」
 フォルセティの魔術、カラミダド・メテオーロ。己よりも大きな箒が表すのは予告だ。迫る灼熱、だがそこに向けて骸骨が飛び上がり、そして狼の咆哮と共に弾け飛んだ。不要となった巨人を使い捨てた骨の散弾。迎撃された隕石は砕け散り――そこを光芒が飲み込んだ!
「空からの攻撃が一度だけだと思った?貫け、バベルの光よ!」
 時空を超えて届けられた光は正確無比。それもその筈、これは魔術ではなく衛星兵器。その場を動けない首魁に代わり、フェンリルがその身を挺する。凄まじい悲鳴が轟き、光が止むと共に右半身を失った狼が倒れこむ。
 とうとうドクター・オロチを守る者はいなくなった。焔が空を駆け吶喊する。
「ムシュシュ、ば~か」
 狂科学者の嘲りと共に魔炎光線が迸る。消えゆく炎狼が放った最後の一撃。焔は紅蓮に飲み込まれ――構わず突き抜け緑塊に肉薄した!
「ムシュッ!?」
「ガジェット・フルドライブ!吹っ飛べ!」
 そして赤熱した砲火が全弾を撃ち尽くすと、敵の質量は大幅に減じていたのだった。

●残った希望
「有効打確認!一度態勢を立て直します!」
 フィオリナの号令の下に全員が集合する。撤退するにせよ継戦するにせよ、これ以上は仕切り直しが必要だ。

「ムシュ……好きにすればいいさ。骸骨もフェンリルも何度でも呼べるんだからね」
 ドクター・オロチが元の姿に戻る。傷つきながらもその力は今だ健在。
「また先制で一撃、それで終わりさ。ムシュシュシュシュ!」

 一度限りの、一人では決して掴めない勝機。決戦が始まろうとしていた。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

峰谷・恵
「オブリビオンは過去にどこかの世界で真っ当に存在していたものが骸の海から出てきたもの…けれどこいつは普通に存在していたころが想像できないほど異質過ぎる…」

後ろに跳びながら全オーラ防御をダークミストシールドに集中させてジャイアントカルシウムの攻撃を防ぎ(盾受け)後ろに吹き飛ばされながら血統覚醒発動、空間戦闘用ベルトで加速して追撃を逃れ姿勢制御し(空中戦)ドクターオロチへアームドフォートとMCフォートの全力砲撃(一斉発射、鎧無視攻撃、鎧砕き、誘導弾、呪詛、2回攻撃)を発射、初段着弾と同時に熱線銃で追撃

「以上からの憶測、こいつは始めから骸の海で生まれた異形、オブリビオンの倒し方が通じるか疑問が残る」


黒城・魅夜
先手は取られるのでしょう。いいでしょう、差し上げます。
高速で走り寄りながら、相手の攻撃を――そう、粘液とやらを、【第六感4】【見切り3】【残像3】で極力回避。

無論、すべてをかわしきれるはずもありません。
ですが、こちらが速度勝負に出るならば、あなたも同様の手を打ってくるのですよね――ええ、誘ったのですよ。

どうぞ粘液を浴びせるがいいでしょう。無駄に、ね。
我が108本の鋼鎖が僅かな隙もなくこの身を固めていることに、今気付きましたか?
それは『生命体を』溶解するもの。すなわちこの鎖に対しては無力!

もう私の間合いです――【緋色の弔花は悪夢の深淵に狂い咲く】。
あのくだらぬ機械で私の心に入った罪を償いなさい。


アララギ・イチイ
この脳味噌は食べれるのかしらぁ?

転移後に【早業】でシールドビットを展開、【見切り】で攻撃範囲を予想し、【盾受け】で攻撃を防御しつつ【念動力】で一部のビットを敵(本体)に【誘導弾】として【投擲】するわぁ、念の為、【ダッシュ・残像】で回避行動も追加よぉ
本体の動きをトレースするなら、防御や回避の行動で巨人の動きにも影響が出て、時間稼ぎは出来るでしょぉ(願望

その間【禁忌薬~】を自分に投与ぉ
身体を組替えて巨龍になり、敵に攻撃(攻撃方法は鋭い爪、強靭な牙による攻撃、巨体を活かした体当たり)を仕掛けるわぁ
骸骨巨人を龍の牙で噛み砕き、可能なら脳味噌も頭からモグモグと食べてみたいわね、どんな味なのかしらぁ



●決戦ドクター・オロチ
 骸骨巨人の腕が振り抜かれる。その手にある水晶は剣というよりもむしろ柱。大質量のフルスイングで、峰谷・恵(神葬騎・f03180)は吹き飛んだ。
「さすがに強烈、予想以上の被害。けれど対処は可能」
 彼女の身を守る黒い霧のシールドはただ一度の接触で半壊。自身のオーラで最大限強化した上でこれだ、まともに受ければただでは済まなかったろう。――そう、恵はまともに受けなかった。衝突の瞬間自ら後方へ飛ぶことで、体にかかる衝撃を軽減していたのだ。そのまま小型ブースターを点火し、血統への覚醒と相まって爆発的に加速、飛び上がる。追撃の水晶塊が飛び去って行くのが見えた。
「ドクター・オロチ、こいつは異質すぎる。危険」

 初撃を凌ぎ距離を取ることに成功した。敵は遠距離攻撃手段を失い、さらに投擲直後で硬直中。絶好の機会、これを逃す訳もない。瞳を殺意に紅く輝かせ、恵は武装を一斉射。砲塔が火を噴き機関砲が唸りを上げる。熱線銃が光を放つ。
「死ね。死ななくても死ね。何度でも死ね。とにかく死ね」
 見下す視線と共に雨あられと降り注ぐ弾幕、これにはドクター・オロチも堪らない。
「ム、ムシュシュ~ちょっとタイム~。話し合おうよ~」
「意味が無い。どうせ何も答えない」
 思う所は無くもないが、その真偽は闇の中。はっきりしている事は、眼下の異形が敵だということだ。ならば猟兵としてすることは一つ。
「ドクター・オロチはぼくたちが殺す。骸の海に還れ」

 アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)が展開していたシールドビットが、彼女の前方で光の盾となる。すかさず巨人がそれを蹴り砕くも、アララギはまだ余裕だ。ビットはまだ数がある――が、巨人の足が再び振り子を描いた。先の有利はそう簡単には譲らないとばかりに、執拗な蹴りが次々と盾を砕いていく。
「ちょっとそれは無いんじゃないのぉ!?」
 盾が稼ぐ僅かな時間は、彼女が求める分には満たない。とうとう最後の一枚が砕かれて――突如巨人が大きく飛び退いた。
「ムシュシュ、危ない危ない」
 ドクター・オロチが自身への攻撃を回避したのだ。動きを再現する骸骨巨人は、攻撃を中断せざるを得なかったのである。攻撃の正体はアララギのビット、最後の一つ。念動力で投擲したそれは立派に盾の役目を果たしたのだった。
「や、やっぱりねぇ。思った通りだわぁ」
 そして待ち侘びた時が来る。

 龍化薬。アララギが己に投与していた禁忌の薬が全身に回り、その組成を作り変える。龍人とも称される事のある彼女は今、名実ともに龍と成る。その巨体、圧倒的。骸骨が小さく見える程の威容。鋭い爪と強靭な牙は戦いの為の物ではない……捕食の為だ。
 終始、戦いとすら呼べない物だった。あっけなく捕まり噛み砕かれていく巨人。
「物足りないわぁ。あの脳味噌はどんな味……あらぁ?」
 ふと視界に映ったそれを理解して彼女は笑う。
「ざんねぇん。脳味噌は諦めるしかないみたいねぇ」

 ガチャガチャと音を立てる影に、ドクター・オロチは当然気付く。粘液と化した左腕が不埒者を捕らえ――
「ムシュ?」
「やはり先手は取られるのですね。ですが」
 黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)が、溶解液を受けながらも平然と立っていた。その秘密は彼女の体を覆う、音の発生源。
「我が108本の鋼鎖が僅かな隙もなくこの身を固めていることに、今気付きましたか?」
 そう、鎖だ。かつて彼女自身を縛り付けていた拘束が、今は防護として機能する。
「あなたの粘液は『生命体を』溶解するもの。すなわちこの鎖に対しては――」
「……ムシュシュシュシュ!」
 魅夜の言葉を遮り悪魔が嗤う。何て間抜けなんだと馬鹿にする。
「僅かな隙もないだって?そんな穴だらけの鉄で?」
 全身緑塊と化したドクター・オロチが魅夜の体を包み込む。隙間に染みる粘液が彼女の肌を焼き始める。
「こんなので守り切れる訳ないじゃない。このまま溶かしてあげるよ、ムシュシュ」

「でしょうね。……ええ、誘ったのですよ」
 あくまで静かな魅夜の声。そこに秘められた感情に、狂科学者はきっと気付けない。
「密着してくれてありがとうございます。愚か者の骸を糧に――咲き誇れ!」
 瞬間、全ての鎖が華開く。取りついた粘液を散々に千切りながら。
「ム……シュ……!」
「あのくだらぬ機械で私達の心に入った罪を償いなさい」
 飛び散るその一滴までもを叩き潰されて。ドクター・オロチは地面の染みと成り果てたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日


挿絵イラスト