銀河帝国攻略戦㉒~大蛇を狩る猟兵
「皆様、ドクター・オロチへの道が切り開かれました! アカネに力をお貸しくださいませ!」
慌ててグリモアベースにワープしたアカネ・リアーブル(とびはねうさぎ・f05355)は、集まった猟兵に説明を始めた。
銀河帝国の執政官兼科学技術総監ドクター・オロチは、数々の非道な兵器を開発し、悪辣な策略を実行してきたオブリビオンだ。
ドクター・オロチは、銀河帝国の興亡に興味をもっていない為、銀河帝国攻略戦の帰趨には全く影響を与えない。
だが、ドクター・オロチが存在する事は、将来の禍根となりうるのは間違いない。
「ここでドクター・オロチを撃破することができれば、スペースシップワールドで再び甦ることはありません。できれば、ここで倒してしまいたいのです」
解放軍と猟兵の攻撃により、ドクター・オロチの戦艦ガルベリオンを航行不能に陥らせることに成功したが、ガルベリオンはたちまちその損傷を修復し始めた。
その光景に、猟兵達は、一般人がドクター・オロチに近づくのは危険であると判断。
解放軍は銀河皇帝直属の軍勢との決戦に集中して進軍することとなり、ドクター・オロチとの決戦は猟兵達に託されたのだ。
ドクター・オロチは装備した水晶剣によって、自ら発明したと思われる奇妙な存在達を召喚する能力を持つ、かなりの強敵となっている。
油断すれば、猟兵の精鋭であっても敗北する危険性は高い。
「ドクター・オロチは今までのオブリビオンとは違って、特殊な能力を持っています。これに注意しなければ、皆様といえど敗北は必至です。必ず確認してくださいませ」
予知の結果、ドクター・オロチは先制攻撃を仕掛けてくる。
今までは例外もあったが、ドクター・オロチは猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコードによる攻撃を仕掛けてくる。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となる。
対抗策を用意せず自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできない。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば苦戦や失敗となる危険性があるので注意が必要だ。
「今回は、今までになく厳しい戦いが予想されています。危険な戦いです。どうかお気をつけて」
真剣な表情のアカネは、一つ頷くとグリモアを発動させた。
三ノ木咲紀
オープニングを読んでくださいまして、ありがとうございます。
マスターの三ノ木咲紀です。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
今回は、ドクター・オロチとの決戦シナリオとなります。
特殊ルールはオープニングの通りとなります。
今回の判定は厳しくさせていただきます。
失敗判定も十分あり得ますので、ご了承ください。
戦場の状況は、続きのオープニングの通りです。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『ドクター・オロチ』
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POW : ジャイアントカルシウム
自身の身長の2倍の【恨みの叫びをあげる骸骨巨人】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD : カリスティックボディ
自身の肉体を【あらゆる生命体を溶解し取り込む緑の粘液】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : ビャウォヴィエジャの森のフェンリル
【水晶剣が変形した門から『フェンリル』】の霊を召喚する。これは【炎の体を持つ巨大狼で、爆発を呼ぶ咆哮】や【瞳から放たれる魔炎光線】で攻撃する能力を持つ。
👑11
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戦艦ガルベリオンの内部は、実験施設で占められていた。
広大な戦艦に多数ある実験施設。猟兵達が転送されたのは、円筒形の巨大な水槽に占められた施設だった。
直径3メートルほどの円筒形の中に満たされた青白く輝く水の中には、グロテスクなモノが浮いている。
身体がひしゃげた動物のようなものや、何かの腸のようなもの。昆虫が多数浮いていたりもしている。
総じて冒涜的な水槽が並ぶ空間の中央に、丸く開けた場所がある。
水槽を動かすエレベーターなのだろう。丸い絵が描かれた床が、青白く光る。
出現したドクター・オロチの姿に、猟兵達は一斉攻撃を仕掛けた。
水貝・雁之助
本当に胸糞悪い装置を作った奴だからね
犠牲者を出さない為にも全力で潰すだけさ!
水槽が多いという『地形を利用』し初撃を防ぐ盾に
敵との距離があるなら同様の水槽を盾にしながら近づく
確実に攻撃をあてる為、攻撃のタイミングは水槽が敵の攻撃で割れガラスが
舞い散りフェンリルの魔炎光線や咆哮によって水槽の水が水蒸気となる、或いは
そうでなくても水が舞い散り敵の視界が僅かとはいえ悪くなるタイミング
瓦礫や硝子、或いは水槽の中の物を投擲し敵に攻撃と勘違いさせ意識を向けさせて
間髪入れずUCで呼んだ悉平太郎と連携し攻撃を仕掛ける
敵の攻撃の威力が高く一撃で倒れそうなら確実に一撃入れる為に悉平太郎の
盾になる事すら視野に入れ動く
エレベータールームに現れたドクター・オロチの前に、水貝・雁之助(おにぎり大将放浪記・f06042)は躍り出た。
「本当に胸糞悪い装置を作ったお前を許さない! これ以上犠牲者を出さない為にも全力で潰すだけさ!」
「ムシュシュ! ボクの研究を理解できないおばかさんは、フェンリルの餌食になっちゃえ!」
子供のように無邪気に水晶剣を振り上げたドクター・オロチは、水晶剣を巨大な門へと変形させた。
「ムシュ! 地獄の炎に焼かれるといいよ!」
召喚された炎の狼の眼が、危険に輝く。
その刹那。輝きを増したフェンリルから放たれるビームが空を薙ぎ、雁之助に向けて解き放たれた。
フェンリルが眼からビームを放つと同時に、雁之助も動いた。
水槽の陰に移動した雁之助を、フェンリルのビームが追う。
『円筒形の水槽が立ち並ぶ地形』を利用した雁之助に向けて放たれるビームが、水槽を砕く。
普通に盾にしただけではダメージは免れないが、今まで積み上げた三桁の地形の利用が、初見の地形でも安全地帯を雁之助に教えた。
灼熱の魔炎光線が、中に湛えられたホルマリンに似た液体を蒸発させる。一瞬悪くなる視界を縫ってドクター・オロチに水槽の破片を投擲するが、これは届かない。
意識をよそに向けさせることに失敗したが、雁之助は躊躇しなかった。
「悉平太郎!」
【降臨悉平太郎】で召喚した猿神殺しの柴犬と共に、ドクター・オロチに肉迫する。
水蒸気を割り飛びかかった悉平太郎は、爪と牙でドクター・オロチに攻撃を仕掛ける。
同時に、雁之助の攻撃がドクター・オロチに届く。
袈裟懸けに入った攻撃に、ドクター・オロチはよろめいた。
大成功
🔵🔵🔵
ペーナァ・キャットハウス
「ドクターオロチ!今こそ“ゆうしゃ"のうちがやっつけたるやん!」
あぁ、やっつけねえとな
ってここでオレを出すのかよ…
どうも、オルタナティブ・ダブルで呼び出された別人格のクラだ
オレの役目は先制攻撃をなるべく肩代わりする事らしいな
とにかく本体のペナに届かない様に前に立ち引き付ける様に動き
最終的にはオレが食らう
ペナが避けたり防御したりする隙くらいはなんとか生まれるだろ
もし上手く凌げたらペナは反撃に転じるだろう
オレが食らった溶解粘液の攻撃を一度見た事により見切りの精度も上がるだろうし
上手く避けるなりして属性攻撃を乗せた斬撃をオレの分まで目一杯ブチかましてやれ
はー本当今回は損な役回りだぜ
後で覚えてろよ
よろけるドクター・オロチに、ペーナァ・キャットハウス(お外でゴロゴロ・f05485)はユーベルコードを詠唱しながら駆け出した。
「ドクターオロチ! 今こそ“ゆうしゃ"のうちがやっつけたるやん!」
「ムシュシュ! 一撃入れたくらいで、いい気にならないことだね!」
楽しそうに笑ったドクター・オロチは、先制攻撃で【カリスティックボディ】をペーナァへ向けて放った。
ユーベルコードの詠唱が終わる前に、ペーナァの身体にあらゆる生命体を溶解し取り込む緑の粘液が包み込む。
ペーナァ自身はユーベルコード詠唱及びその後の攻撃に集中していたため、回避や防御行動が伴っていない。
【カリスティックボディ】の直撃を受けたペーナァは、襲う激痛にその場に倒れ込む。
最後の力を振り絞ってユーベルコードを完成させたペーナァは、そのまま意識を失った。
【オルタナティブ・ダブル】で呼び出された別人格のクラは、倒れたペーナァに一瞬気を取られた。
「あぁ、やっつけねえとな。ってここでオレを出すのかよ!」
「ムシュ! 本体と一緒に寝ててもいいんだよ?」
水晶剣を振りかぶったドクター・オロチの斬撃が、気を取られたクラに向けて放たれる。
斬撃を受けたクラは、せめて一太刀入れようと武器を手にするが、クラ自身は攻撃を受け止める盾として行動していたため攻撃が届かない。
「はー本当今回は損な役回りだぜ。後で覚えてろよ」
水晶剣の一撃で消え去るクラの姿に、猟兵達はペーナァを急いで撤退させた。
苦戦
🔵🔴🔴
アルト・カントリック
「君の非道な行いはこの宇宙に響き渡っているみたいだね……僕の耳にも届いているよ」
■対策
アイテム【金羊毛のマント】や【サイバーアイ】で動体視力などを強化して、【宇宙バイク】に乗って攻撃を全力回避する。
■ユーベルコード
アイテム【狩猟用狙撃銃】を構えて、ドクター・オロチを狙う。
【悪魔の月珠】で(あらかじめ竜言語が刻まれていた)銃弾を撃つ。
(ユーベルコードの効果が発動した場合、命中した箇所に強い圧力で引き締めるような謎のダメージを与える)
「僕からの約束は……『動かないでね 』。簡単だよね?」
宇宙バイクに乗ったアルト・カントリック(どこまでも竜オタク・f01356)は、エンジンを吹かしながらドクター・オロチに迫った。
「君の非道な行いはこの宇宙に響き渡っているみたいだね……僕の耳にも届いているよ」
「ムシュ! 光栄だね、とでも言っておくよ!」
からかうように水晶剣を振りかざしたドクター・オロチは、【ジャイアントカルシウム】を詠唱した。
召喚された恨みの叫びをあげる骸骨巨人は、巨大な水晶剣を振りかぶるとアルトへ向けて斬撃を繰り出した。
宇宙バイクの高速移動とアイテムで動体視力などを強化したアルトは、寸でのところで攻撃を躱す。
剣圧にバランスを崩しながらも狩猟用狙撃銃を構えたアルトは、【悪魔の月珠】でドクター・オロチを狙った。
あらかじめ竜言語を刻んだ銃弾が、ドクター・オロチに迫る。
他の敵ならば、攻撃は命中しただろう。だが幹部クラスの敵に攻撃を確実に当てるのならば、それなりの工夫や技能の活用がなければ難しい。
しかも、宇宙バイクに乗ったままの狙撃は難しい。アルトの放った銃弾を回避したドクター・オロチは、再び水晶剣を振りかぶった。
「ムシュシュ、どこ狙ってるのさ!」
攻撃の隙きを狙った斬撃が、アルトに迫る。
攻撃を受け吹き飛ばされたアルトは、傷口を押さえながらドクター・オロチを睨みつけた。
苦戦
🔵🔴🔴
蛇塚・レモン
まずジャイアントカルシウムを呼び出させる
これでドクター・オロチは骸骨巨人と動きが一体化
だが、これが敵の利点でもあり弱点!
水晶剣を振り上げた瞬間、ユーベルコードの不可視の霊力鎖をドクター・オロチの両足へぶつけて絡め取るよ!
(だまし討ち+ロープワーク+念動力)
そしてあたいは念動力で空を飛んで急上昇!(念動力+空中戦+ダッシュ)
鎖を引っ張って骸骨巨人とドクター・オロチを転倒&地面に引きずるよっ!(怪力+気絶攻撃)
トドメは霊力鎖でオロチを捕縛(マヒ攻撃)
空中からオーラガンで吹っ飛ばすよっ!
(鎧無視攻撃+衝撃波+生命力吸収+スナイパー)
命を弄んだ天罰だよっ!
敵の攻撃は第六感+野生の勘+見切り&オーラ防御
【ジャイアントカルシウム】を維持したドクター・オロチの前に、蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)は駆け出した。
「ムシュシュ! きみも遊んでくれるのかなぁ?」
ドクター・オロチが楽しそうに水晶剣を振り上げた瞬間を、レモンは待っていた。
「これがお前の利点でもあり弱点だ!」
だまし討ちとロープワーク、念動力を駆使したレモンは、ドクター・オロチの攻撃と刺し違えるように【蛇眼超霊力操術】を放った。
超霊力オーラで生成された鎖と、【ジャイアントカルシウム】の巨大な剣が交差する。
第六感と野生の勘、見切りを駆使して回避を試みるが、完全には躱しきれない。
オーラ防御でダメージを最小限に抑えたレモンは、ドクター・オロチの両足へ【蛇眼超霊力操術】を絡めた。
直後に念動力を発動。痛みを無視してダッシュで勢いをつけたレモンは、自身を浮かせて空中戦を仕掛ける。
宙へ舞い上がったレモンは、怪力も駆使しつつ全力で鎖を引く。
「ムシュ!?」
突然足を取られたドクター・オロチは、バランスを崩してそのまま転倒する。
その隙きを逃すレモンではなかった。
「命を弄んだ天罰だよっ!」
空中で指鉄砲の構えを取ったレモンは、ドクター・オロチに向けて超霊力オーラガンを放った。
鎧を無視した攻撃に衝撃波が乗り、スナイパーで命中を補強した超霊力オーラガンがドクター・オロチの生命力を吸収する。
重い一撃を受けたドクター・オロチは、水晶剣を振るい鎖を断ち切ると立ち上がり、猟兵達と距離を取った。
大成功
🔵🔵🔵
紫谷・康行
・対策
炎なら冷やせばいい
エネルギーそのものを無くせば攻撃はほぼ無効化出来るだろう
そうではなくても反撃する隙ぐらいは作れるだろう
上手く相手の行動を阻害出来れば仲間を助けることにもなるだろう
・行動
【コード・ポテンシャル・ゼロ】を使い、相手の攻撃の熱エネルギーを限りなくゼロに近づけ無効化しようとする
連撃を受けないように動きながら戦い
ドクター・オロチの頭部を狙いコード・ポテンシャル・ゼロを使って脳の活動をできるだけ止め、生体部分を冷却することによって組織の破壊を狙う
相手の動きを遅れさせることができたら冷やした頭部にルウォルビルの炎を使い熱を加え急速な温度変化により組織に致命的なダメージを与えようとする
立ち上がったドクター・オロチは、肩を震わせながら笑い始めた。
「ムシュシュ! まさか君たちがここまでやるとは思わなかったよ!」
楽しそうに笑いながら、ドクター・オロチは【ビャウォヴィエジャの森のフェンリル】を詠唱し水晶剣を変形させた。
『フェンリル』を召喚しようとするドクター・オロチに、紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)は即座にユーベルコードを詠唱した。
召喚されたフェンリルが、爆発を呼ぶ咆哮を上げる。
猛烈な熱量を放つフェンリルの攻撃に、康行は【コード・ポテンシャル・ゼロ】をぶつける。
「炎なら冷やせばいい」
自らの端末のコマンドラインから熱振動停止コードが放たれ、フェンリルが放つ爆発を呼ぶ咆哮の熱エネルギーをゼロに近づけていく。
ドクター・オロチの攻撃を相殺した康之は、攻撃に転じた。
脳の活動をできるだけ止め、生体部分を冷却することによっての組織の破壊を狙い、再び【コード・ポテンシャル・ゼロ】の詠唱に入る。
そこへ、フェンリルの目からビームが放たれた。
「ムシュ! そうそう詠唱を許すと思わないことだね!」
再びのユーベルコード詠唱に対して先制攻撃を仕掛けたフェンリルが、魔炎光線を放つ。
再攻撃に対する対抗策を講じていなかった康之の肩を、強烈な魔炎光線が貫く。
攻撃を受け、弾き飛ばされた康之は、肩で息をしながら立ち上がった。
苦戦
🔵🔴🔴
嶋野・輝彦
●対策
ジャイアントカルシウムは第六感でかわす、躱せない時は怪力、覚悟、激痛耐性で攻撃を受け止めて耐える
カリスティックボディも第六感でかわす、こっちが攻撃する時も弾性の影響受けんのか?それも第六感だ
ビャウォヴィエジャの森のフェンリルは…コレほぼ躱すの無理なやつか?
霊って事は一応独立した意識とかあんのか?どうなんだ?
モノは試しだ
恫喝、存在感、殺気で
舐めてんのかこの犬畜生が!ぶち殺すぞ!!
無理なら腹括って覚悟と激痛耐性で耐える
●戦闘
だまし討ち、捨て身の一撃、怪力、鎧砕きでウィーハンマーで攻撃
自爆特攻だオラァ!素人舐めんなよクソが
第六感で避ける
ダメージは覚悟、激痛耐性で耐える
死にかけたら戦場の亡霊発動
フェンリルを消し、再び【ジャイアントカルシウム】を詠唱したドクター・オロチは、呼び出した恨みの叫びをあげる骸骨巨人を召喚した。
「ムシュ、君たちとの戦闘にも飽きてきたね」
余裕のポーズを崩さないドクター・オロチの骸骨巨人の巨大な剣が、嶋野・輝彦(人間の戦場傭兵・f04223)に迫る。
迫る切っ先をじっと見つめ、第六感で躱そうと身構える。
だが、ドクター・オロチの攻撃は第六感だけで躱せるほど弱くはない。
袈裟懸けに迫る攻撃を、怪力で受け止める。
急所をわずかに外すことに成功したが、重い巨大な水晶剣の攻撃が輝彦を容赦なく切り裂く。
覚悟と激痛耐性で何とか意識が飛ぶのを抑えるが、もはや立っているのがやっとだ。
朦朧とする意識の中、【戦場の亡霊】が召喚された。
高い攻撃力を持った亡霊は、ウォーハンマーを構えるとゆらりと立ち上がる。
亡霊に取り憑かれたように立ち上がった輝彦は、同じくウォーハンマーを構えるとドクター・オロチへと特攻を仕掛けた。
「自爆特攻だオラァ! 素人舐めんなよクソが!」
亡霊を盾に捨て身の一撃をだまし討ち、怪力で鎧砕きを放つ。
ウォーハンマーの連撃が、ドクター・オロチへ迫る。
連撃を受けたドクター・オロチは、一歩よろけると水晶剣を閃かせた。
「ムシュシュ! お前も亡霊になっちゃえよ!」
防御を忘れ、ドクター・オロチに肉迫した輝彦は、放たれる斬撃に意識を失った。
苦戦
🔵🔴🔴
鎧坂・灯理
一発は入れてやる。
【SPD】今(広義解釈)の戦闘対象であるドクター・オロチに対して最有効な弾丸を転移前にUCで作成し、以降UCは使用しない。
転移後、伸びてくるだろう粘液にバイク(非生命体)を盾のように投げつけ、エンジンを撃って爆発させ、粘液を一時的に散らす。その隙に大口径リボルバーに変形させた銃で水槽を撃つ。中身をホルマリンと推察。ワイヤーをつなげた電気警棒をONで投げつけ、一度に広域を電気分解。この時点で敵は復活しているはずなので最初の弾を撃つ。同時に酸素・水素濃度が高まった空間に擲弾発射機で焼夷弾を打ち込み、撤退する。
技能:ハッキング、念動力、ロープワーク、クイックドロウ、スナイパーなど
猟兵達の連続攻撃を受けたドクター・オロチは、余裕の笑みを浮かべながらも確かにダメージを蓄積させていた。
その隙きを突いた鎧坂・灯理(不退転・f14037)は、決意を持って愛用のバイクに乗り駆け出した。
「一発は入れてやる」
ドクター・オロチに向けて一直線に駆ける灯理に向けて、ドクター・オロチは水晶剣による斬撃を放った。
「ムシュシュ! これでも喰らえ!」
使用されないユーベルコードに灯里は目を見開くが、行動は変えない。ドクター・オロチの剣が届く直前、灯理はバイクを蹴った。
愛用のバイクが、水晶剣に切り裂かれ破壊される。その姿に眉を顰めながら、灯里自身は空中で一回転すると着地する。
転移前に使用したユーベルコード【本日のおすすめ】は、転移後の戦場では効力を発揮しないのだ。
ドクター・オロチの先制攻撃をしのいだ灯里は、破壊された愛用のバイクのエンジンを大口径リボルバーに変形させた銃で撃ち抜いた。
起きる爆発。爆炎を割ったオロチの剣が、灯里に迫った。
「ムシュ、残念だったね!」
迫る斬撃を受けた灯里は、痛みを堪えながらもクイックドロウで周囲の水槽を撃ち抜いた。
ホルマリンに似た液体が、辺りに飛び散る。
「ムシュシュ! 何してるのさ!」
楽しそうなドクター・オロチの剣が、再び灯理に迫る。
ドクター・オロチの斬撃を受けた灯里は、飛びそうになる意識を何とか繋ぎ止めると念動力とロープワークを駆使して、ワイヤーをつなげた電気警棒をONで投げつける。
灯里の攻撃に、ドクター・オロチは楽しそうに笑った。
「ムシュシュ! なるほどね。ホルマリンを電気分解して酸素と水素に分解したんだ。火をつけるつもりだったのかな? でも残念」
ドクター・オロチの水晶剣が、灯里を切り裂く。襲う激痛に、身動きが取れない。
「ボクだって反撃するんだから、もっと手際よくやらなくちゃ」
薄れゆく意識の中、ドクター・オロチの高笑いが戦場に響いた。
苦戦
🔵🔴🔴
三千院・操
や! また会ったねオロチ先生! 調子はどう?
――っと、今回は慢心は大怪我の元か。
出し惜しみはなしだ。きひひ、なんだか唆るなぁ。
きみには悪いけど、もう一回骸の海に沈んでもらうね!
先制攻撃は高速詠唱で呪詛の防壁を作り出して防ぐよ。実験施設だったら、これまで使い潰された多くの素材がいるはず。そいつらのオロチに対する怨念や怒りを壁として使わせてもらうね。
凌ぎきったら『サヴァンの叡智』でフェンリルを複写。その霊体に生殺の呪詛をねじ込んでオロチのフェンリルに突っ込ませるよ! もし避けられたら、呪詛が発動してフェンリルの炎の体が爆散! オロチを恨んでる奴らの呪いが四方八方に飛び散る寸法!
※連携歓迎です
大神・零児
遮蔽物などを利用し身を隠しながら「ダッシュ」で動き回り、「残像」を作りミスリードを誘いながら、敵の死角に入り込むよう意識して動く
フェンリルとオロチの動きにも注意しながら「第六感」「野生の感」も併用して攻撃の予兆を「見切り」、「武器受け」と「オーラ防御」で防ぎながら、魔炎熱線を防ぐ動作と同時に「カウンター」で狼型の炎(ゴーストウルフ)を放ち、それを全て「ダッシュ」させて立体的に動かし「残像」を発生させ撹乱、死角から回り込ませた炎で「2回攻撃」
攻撃後の硬直を狙う作戦だ
(悪夢でみた奴は、異界の奴のようだった。「脳みそ」「水晶剣」「緑粘液」、奴のUCのような存在も…)
(アドリブ&共闘歓迎)
余裕の笑みを浮かべるドクター・オロチに、大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)はダッシュで駆け寄った。
遮蔽物を利用して身を隠しながら、ドクター・オロチに接近する。
第六感と野生の勘も併用して攻撃の予兆を見切る零児は、こちらに顔を向けるドクター・オロチに残像を見せた。
ドクター・オロチは残像に惑わされることなく【ビャウォヴィエジャの森のフェンリル】を放つ。
「ムシュシュ! ばればれなんだよ!」
ドクター・オロチの死角に入り込むように動く零児に、フェンリルの魔炎熱線が放たれる。
武器受けとオーラ防御で極力防いだ時、魔炎熱線が零児を貫いた。
息が止まるくらいの衝撃が、腹に走る。受ける攻撃に、零児はにやりと笑った。
朦朧とする意識の中、カウンターで【魔炎幽狼】を放つ。全ての狼型の炎が、ダッシュと残像を駆使してドクター・オロチの視界を塞いだ。
「ムシュシュ! うるさいなぁ!」
炎のダメージを受けながらも水晶剣で打ち払うドクター・オロチに、零児は叫んだ。
「いまだ! 行け!」
「や! また会ったねオロチ先生! 調子はどう?」
調子の良い声と同時に、The Healerが閃く。
零児を囮に一撃を入れた三千院・操(ネクロフォーミュラ・f12510)の攻撃に、ドクター・オロチはよろける。
作戦の成功を見届けた零児は、その場に倒れ伏す。
(「悪夢でみた奴は、異界の奴のようだった。「脳みそ」「水晶剣」「緑粘液」、奴のユーベルコードのような存在も……」)
ドクター・オロチの姿に悪夢を思った零児の意識は、そこで途切れた。
傷口を押さえながら距離を取るドクター・オロチに、操は気を引き締める。
(「――っと、今回は慢心は大怪我の元か」)
「出し惜しみはなしだ。きひひ、なんだか唆るなぁ」
「ムシュシュ! ボクを騙し討ちした報いを受けなよ!」
ドクター・オロチの声に応えるように、フェンリルが爆発を呼ぶ咆哮を放つ。
壁のように見える爆炎を、拘束詠唱で作り出した呪詛耐性の防壁で防ぐ。
操の呪詛に応えるように、これまで使い潰された多くの素材達のオロチに対する怨念や怒りが強化する。
猛烈な炎を何とか凌ぎきった操は、全身の火傷の痛みを無視してユーベルコードを詠唱した。
【サヴァンの叡智】で複写されたフェンリルに、呪詛が集まる。
今まで殺されてきた実験体達の呪詛をねじ込んだ操は、ドクター・オロチに魔炎熱線を放つ。
複写されたフェンリルの光線が、レーザービームのようにドクター・オロチを切り裂く。
「きみには悪いけど、もう一回骸の海に沈んでもらうね! 」
操の声と同時に、ドクター・オロチの身体が両断される。
「ムシュシュ……じゃあね」
最後まで余裕を失わなかったドクター・オロチの身体が、煙のように消える。
倒しきったドクター・オロチに、猟兵達は快哉の声を上げた。
成功
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