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銀河帝国攻略戦㉕~インペリウム・ロジック・ボム

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「ようし、長かったけど、ついに本命ってところですかね!」
 シーカー・ワンダーは気合いを入れると、顔の画面を切り替えた。
 帝国旗艦『インペリウム』と、『解放軍』のスペースシップとの戦闘が始まり、それと同時に、猟兵の転移によるインペリウム強襲作戦が始動した。
 外からの攻撃に加え、内部で破壊活動を行う事で、帝国旗艦『インペリウム』の戦闘力を削ごうという作戦となる。皆には帝国旗艦『インペリウム』に転移するので、可能な限り内部を破壊して、敵戦力を削ぎ、『解放軍』の援護をして欲しい。
 ただし、インペリウム内には『皇帝親衛隊』という精鋭がいる。
 『皇帝親衛隊』は強敵なので、できるだけ戦わずに済ませられるとよいのだが、そう上手くもいくまい。今までの戦争の状況から鑑みて、待ち伏せなどなにかしらの対策を練っていると考えるのが妥当だろう。
 ワープ先の状況がわからない以上、何が待っていても不思議ではない。くれぐれも注意してほしい。
 ただ、一応待機しているオブリビオンは判明している。このたびの戦争において、あらゆる場面で確認されている存在のひとつ、『餓狼無道』だ。らぬうちに宇宙船のメインコンピュータ等に侵入し潜伏・支配、後に住民を帝国に洗脳していくプログラム生命体がオブリビオン化したもの。電脳体ゆえに複製が容易なため、様々な場所に投入されているようだ。
 そして、『皇帝親衛隊』という肩書きを持つ以上、単なる電脳体では終わるまい。かなりの激戦が予想されるので、ゆめゆめ油断しないように。


鹿崎シーカー
 アドリブ・連携OKの場合は、『一人称・二人称・三人称・名前の呼び方(例:苗字にさん付けする等)』を明記して頂けると非常に助かります。具体的に言うと、会話文が作りやすいです。なお、強制ではありません。

(ユーベルコードの高まりを感じる……!)
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第1章 ボス戦 『餓狼無道』

POW   :    ライクアヒュドラ
自身の身体部位ひとつを【ドラゴン】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD   :    キリングイカロス
【高速演算による正確な未来予測】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【急所を撃ち抜くレーザー】で攻撃する。
WIZ   :    デウス・エクス・マキナ
見えない【遠隔操作型ナノマシン】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はエクサ・カラーヌドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ウーゴ・ソルデビラ
親衛隊だろうがそこらの雑兵だろうが、邪魔すんならぶっ倒すだけだぜ。ここを落として、奥で踏ん反り返ってる皇帝をぶちのめしてやんよ。
待ち伏せや奇襲があるらしいから、【野生の勘】を働かせとく。【物を隠す】のに向いてそうな場所にも注意しとくぜ。難しい事は解らんが、通路でも扉でもない場所は片っ端から攻撃力重視の【寝苦露腐悪慈威・有獲奔】で【2回攻撃】や【なぎ払い】してぶっ壊す。敵が相手なら命中重視を選んで殴るぞ。敵からの攻撃は【野生の勘】とか【見切り】、【早業】を使って避ける。相手を自滅させる為に、設備の近くまで引き付けてから避けるのもいいかもな。攻撃をくらったり、巻き添えになる【覚悟】が要りそうだが。


アリシア・マクリントック
これは……生身で戦うのは命取りになりそうですね。変身!

プログラム生命体ですか。どういった攻撃が有効なのでしょう?情報に干渉できそうな電気?ドラゴンのような見た目の通り冷気?
よくわかりませんし、いろいろ試してみましょう!セイバーエッジの属性攻撃で属性を切り替えながら有効そうな方法を探します。
敵が計算を得意とするのなら、マリアにも戦闘に参加してもらって変数を少しでも増やしましょうか。

破壊工作は端末に電気属性で攻撃するのが有効でしょうか。設備を破壊するなら炎や氷属性で極端に温度を変えるのもよさそうです。
こういうの、映画みたいでなんだかワクワクしますね!

アドリブ・連携OK
『私・貴方・前半+さん』


エクサ・カラーヌド
【デッドエンド】
奴ノ姿…以前斬ッタ時ニハ遅カッタカ
既ニ複製ガ出回ッタ訳ダナ
ダガ、今此ノ場ノ奴ヲ見逃ス道理ハ無イ
……悪イガ。手ガ、要ル。

戦闘は基本的にセゲルと宇宙バイク2人乗り
第六感で敵の予測射撃や不可視マシンに対応、アサルトウェポンである程度物を壊し敵の操作先を減らす。

覇道ナド続クト思ウナ
ココガ貴様ノ「デッドエンド」ダ!

アマニアが隙を作ってくれたら一転、操縦+騎乗で巧みにバイクを操り、硬化したセゲルを盾にしつつ、高速接近からの「我背立不能」で、迎撃に来るであろう竜の頭ごと奴の存在を叩き斬る。

実体無クトモ鏡二映ル「真実」マデハ消セハセヌ
我ガ後方ヲ映ス鏡二映ルハ「滅ビノ定メ」ノミ


アドリブ・連携歓迎


アマニア・イェーガー
チーム【デッドエンド】で参戦
…といってもサポートメインなんだけどね
ホントは戦争とか好きじゃないんだけど、まあこれもみんなの為
エクサくん!セゲルのおじさま!よろしくねー!

テレポートと同時に【逆巻く嵐の王】を発動
そのまま船内を破壊しながら全速前進!よーそろー!

皇帝親衛隊に遭遇したら【重・力・干・渉】に切り替え二人のサポートに専念
超重力で相手を操ったり、重力を圧縮してブラックホールを生成して攻撃
全部吸い込んじゃえー!

力を消耗し過ぎたら【ハッキング】や【時間稼ぎ】などの技能中心でサポートを継続
乗り掛かった船よ、最後まで付き合うわ
…あ、でも心中は御免よ

『名前+くん・ちゃん(年上は+おじさま・おばさま)』


セゲル・スヴェアボルグ
【デッドエンド】
あれがエクサにとってどういうものなのかは知らんが、俺がやることは変わらん。人に仇なす敵を屠るのみよ。

俺はとりあえず、無敵城塞で壁役だ。
いつものならその場に突っ立ってるだけになるが、今回はエクサのバイクがある。さながら移動式城塞といったところか。
体の大きさと盾のせいで、前方の視認性に若干難はあるだろうが、この際仕方ない。奴の噛みつき攻撃を無防備な状態で喰らうよりはよほどましだ。
敵の様子を見つつ無敵城塞使用のタイミングを切り替え、攻撃がやんでいるときは槍投げで攻撃する。

何?武器や盾まで具現化したら重量オーバー?ちょっとぐらい気にするな。



 無数の蒼い点が刻まれた銀の大柱が、森めいて立ち並ぶ広大な戦艦の内部。サファイアブルーの光が照らす薄暗い空間の最奥から、激しい潮騒と蒼穹じみた色合いの閃光が噴き出した! 空間中を埋め尽くしていく凄まじい爆流! 一瞬にして海に変じるその場を猛進する海賊船の船首に立ち、海賊服の衣装を着たアマニア・イェーガー(謎の美少女アンティークマニア・f00589)は歓声を上げる。
「よーそろ―――――! 私の名前を覚えていけーっ! ワイルドハントの始まりだぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 アマニアが両腕を広げると同時に、海賊船両側面が複数の砲門を開いて砲撃! 左右を流れる柱が次々と破壊され、崩落と破砕音を船の船尾に響かせる。即席の海を征く船の縁からその様子を見たアリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)が目を輝かせ、傍らの狼に抱きつく。
「見て見てマリア! すごいね、映画みたい!」
「Woff」
 一声鳴いた狼がアリシアの頬を舐め上げた。一方、マストの見張り台に腰かけ、破壊されていく柱の数々を見やるエクサ・カラーヌド(テレビウムのスターライダー・f02365)の背中に声がかけられる。
「何してんだ、こんなところで」
 振り向くエクサの砂嵐画面に、セゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)の顔が映り込む。エクサは無言の内に前方に向き直る。
「……餓狼無道ニツイテ、考エテイタ。以前、奴ヲ斬ッタ時ニ、縁モ断チ切ッタト思ッテイタガ……ヨモヤ、既ニ複製ガ出回ッテイヨウトハ」
 海賊船が体当たりで銀柱を破壊し、蹴倒して進む。揺らぐ船
「コノ先、幾度、奴ノ複製ヲ斬レバ良イノカ。果テガ有ルノカ、無イノカ。……ダガ、今此ノ場ノ奴ヲ見逃ス道理ハ無イ」
 エクサは再び、セゲルを見やった。
「悪イガ。手ガ、要ル」
「ふん」
 セゲルが鼻を鳴らして腕を組む。
「ここに居る奴がどういうものなのかは知らんが、俺がやることは変わらん。人に仇なす敵を屠るのみよ」
 言って、セゲルは苦笑した。
「ま、今回は壁役だがな。ああ、そうだ。バイクに乗るとき、俺の図体と盾で、前が見え辛いかもしれんがー……」
「問題ナイ。操縦方法ハ用意シテアル。……時ニ、他ノ武器マデ、具現化スルツモリデハ、アルマイナ? 流石ニ重量オーバーダ」
「ちょっとぐらい気にするな。もろに食われるよりはマシだろ」
 CRASH! 船が揺れて進撃が停止。見張り台から落ちかかるエクサの首根っこをつかんで引き留めたセゲルは甲板に叫ぶ!
「どうした! お出ましか!?」
「そのようだ!」
 セゲルにウーゴ・ソルデビラ(吸血鬼マイラ・f09730)が叫び返した。床下をじっと見つめ、顔を上げて声を張る!
「下から来るぞぉッ!」
 直後、海賊船がちゃぶ台返しめいてひっくり返り宙を舞う! 海面スレスレを飛行する餓狼無道が空中で上下反転した船の真下に潜り込み、仰向けになって船を指差す。大きく広げた翼にいくつもの光球が出現し、猟兵達の急所をまとめてロックオン! エクサはリモコンを取り出してセゲルと目配せ!
「セゲル」
「わァってるよ。操縦は任せるぞ!」
 セゲルがエクサをつかんだまま上下逆さの船から跳躍! 餓狼無道にかざした手の平から蒼く細かいポリゴンが噴き出す。餓狼無道の光球が膨張した。
『アタックコード・スピード。キリングイカロス』
「マテリアライズ! 重盾スィタデル!」
 光球が一斉に光線を射出! 同時にセゲルのポリゴンが重厚なタワーシールドに変化し、光の弾幕を防御する。セゲルの肩にしがみついたエクサは、頭上で爆発する海賊船を余所にリモコンを操作。
「天駆ケロ! 愚者ノ見上ゲシ黄金竜!」
 垂直落下するセゲルの真下に大型エアロバイクが滑り込む! エアロバイクはまたがったセゲルを乗せて加速し餓狼無道めがけて加速。翼を広げた餓狼無道は仰向け姿勢のまま水面スレスレを滑るように飛行し海賊船の真下を抜ける。着水したバイクは巻き上がる水飛沫を貫き敵を追跡!
「覇道ガ無限ニ続クト思ウナ。ココガ貴様ノ『デッドエンド』ダ!」
 餓狼無道が踵を支点に起き上り、遠くの海賊船にかざした手を引く。引っ張り寄せられ、エクサ達に船首から突っ込む海賊船! 舵にしがみついたアマニアが悲鳴を上げた。
「ぎゃ――――――っ! セゲルのおじさま! エクサく――――ん!」
 直後、バイクの後方から海面を走ってきたウーゴが、海賊船めがけて勢いよく跳躍した。彼の胸に埋め込まれたマシンが真紅に脈打ち、両腕から鮮血がほとばしる!
「頭下げてなお二人さん! 船はぶっ壊すが許せ!」
 ウーゴの両腕を軸に噴出する血の大竜巻。それはやがて鉤爪を備えた怪物の巨腕に変わる! ウーゴは左の巨腕を振りかぶった!
「寝苦露腐悪慈威・有獲奔! 砕けろッ!」
 振り抜かれた怪物の腕が海賊船前半分を粉砕! 右の爪で後ろ半分を粉々にしたウーゴはふっ飛ばされてきたアマニアを右の二の腕で受け止め、餓狼無道へ巨腕の左ストレート!
「オラアアアアッ!」
 伸長してくる巨大な拳を餓狼無道は斜め後方に飛翔してかわす。振り来る船の残骸をジグザグ走行でかわすバイクの上で、セゲルは顔の横まで持ち上げた手にポリゴンを生成。
「マテリアライズ! 応龍槍ギュールグルド!」
 蒼いポリゴンが一直線に伸び、大型のランスを作り出した。バイクが減速し、エクサのリモコンがBEEP音を放つ。
「ソレハ重量オーバーダト……!」
「一瞬保たせろ!」
 色めき立つエクサに返し、投槍! 滞空ミサイルめいて飛来する槍を、餓狼無道は腕を横薙ぎに振って弾く。再度翼に光球を複数生み出す敵影を見上げ、狼と水面を並走するアリシアは表情を硬くした。
「これは……生身で戦うのは命取りになりそうですね。マリア!」
「WONG!」
 力強く鳴いた狼が足を速める。グレーの毛並みが白い光の筋を引き、徐々に光量を増加。純白の閃光と化した狼は中空に飛び、光のトンネルとなった。白い光へ飛び込むアリシア!
「変・身っ!」
 閃光に包まれたアリシアのワンピースがベルトを残して光に溶け消え、代わりに黒いインナースーツが素肌を覆う。胴体に白銀の鎧、両肩にショルダーガードが装着され、両腕と足を長めの装甲をまとった。ベルトのバックルが下部から腰布を吐き出し、兜が水色のバイザーを下ろすと共に、金縁を持つ青い盾の紋章を輝かせる。右肩に狼の横顔を刻んだアリシアは、目の前に現れた片手直剣を握って白光を切断! 晴れた視界の中、餓狼無道が連射するビームを剣一本で跳ね返す!
「マリア!」
 アリシアの足元で白光が収束し、狼を再構築した。狼は主人の足裏に体当たりし、餓狼無道へ押し飛ばす。アリシアは横向きにした刃を撫でた。刃に走る青白い電光!
「エレメントコンバージョン! ボルテックセイバーッ!」
 斬りかかるアリシアの刃を、餓狼無道は竜頭に変えた右手に噛ませて受け止める! ドラゴンヘッドから伝わる電光を左手に溜めた餓狼無道は拳を握り、竜頭を引いてアリシアを引き寄せた。鎧の腹部に叩き込まれる電撃ボディブロウ! アリシアの全身から稲妻がほとばしった!
「うああああああッ!」
 アリシアを殴り飛ばした餓狼無道が真横に転進、銀柱の森へ飛翔する。立ち並ぶ物影へ消えんとする背中へ、ウーゴは両腕を翼じみて後ろへ伸ばした。
「逃がすかよ……!」
 追走するウーゴの前で餓狼無道が右にずれ、姿を隠す。ウーゴは軽く前へジャンプすると、巨腕の十指に力を込めた!
「寝苦露腐悪慈威・有獲奔! 美ッ愚苦蘭血!」
 勢いよく両腕が閉じ、広範囲の銀柱をまとめて爆砕! 一瞬で瓦礫の山と崩れた銀柱のひとつから現れた餓狼無道は片手を掲げる。崩れ落ちかけた柱の瓦礫がピタリと止まり、竜人の指先に一転集中! 漏電する巨大な鉄塊を見上げたウーゴは立ち止まり、足元の地面を殴って後方跳躍。防御態勢を取る彼に、餓狼無道は瓦礫の塊を投げつけた! 怪物の巨腕に大質量が直撃!
「ぐッ……ぐおッ!」
 真後ろに吹き飛んだウーゴは銀柱に背中から突っ込み、数本をまとめてぶち抜く! 餓狼無道がさらに両腕をオーケストラ指揮めいて動かし、突撃してくるエクサのバイクに無数の瓦礫を流星群じみて降らせた。小銃を発砲して瓦礫を破壊していくエクサ。撃ち漏らしたものを大盾で防御しながら突き進む!
「流石ニ、多イ。ダガ」
 エクサの顔の画面にノイズが走り、砂嵐に変わる。耳障りな雑音を響かせながら、画面は激しく渦巻いた!
「ソノ程度デ、止マルト思ウナ!」
 エクサの画面が白黒の大竜巻を発射し、瓦礫を右から左へ薙ぎ払う! 竜巻はやがてエクサの顔から切り離されて独立し、ベイゴマめいて高速回転しながら餓狼無道を強襲。だがホログラムの竜人は竜頭化を解除した手を突き出して竜巻を停止させ、押し返す! モノクロの災害めがけて盾を構えるセゲルの肩、リモコンを操りかけるエクサの背中に、アマニアは大声を上げる!
「エクサくん! そのまま進んでーっ!」
 アマニアの囲うように複数のホロウインドウが出現! 周囲を高速回転するウィンドウに、アマニアが高速で指を走らせると同時に竜巻が無数の0と1に分解された。エクサはリモコンのボタンを素早く押した。
「跳ブゾ」
「応よ」
 エアロバイクがウィリーしてハイジャンプした。餓狼無道が放つ光線の数々が蒼く輝くセゲルの盾に当たって弾け、数本が彼の横をすり抜ける。餓狼無道はアッパーめいて腕を振り上げ、目の前に瓦礫で組んだ壁を創造! 槍投げじみて引き絞られたセゲルの片手に蒼いポリゴン!
「Re:マテリアライズ! 応龍槍ギュールグルド!」
 再生成された巨大槍を瓦礫の壁に零距離投擲! 貫通され爆散する壁の向こうに餓狼無道の姿無し。エクサがハッと下方に目をやる。
「下ダ!」
 バイクの真下、海面ギリギリを一直線に飛行する餓狼無道。行先は先のレーザーで両手首と二の腕、肩を貫かれたアマニアだ! アマニアは強いて腕を振ってホロウィンドウを再召喚。だが餓狼無道は直線軌道で飛行しながらレーザーを連発! アマニアは鳩尾、脇腹、両膝を貫かれて水の中に膝を突く!
「うッ……!」
『アタックコード・パワー。ライク・ア・ヒュドラ』
 餓狼無道の両腕がノイズに包まれドラゴンヘッドに変化した。既に距離はワン・インチ間合い! 竜頭の腕で殴りかかる餓狼無道。その頭上に飛び出したアリシアは稲妻の剣を振りかぶった!
「アリシアちゃん!」
「伏せてください!」
 餓狼無道が急ブレーキをかけて右のドラゴンヘッドを持ち上げ防御態勢! アリシアの刃が鱗に覆われた眉間を砕き、餓狼無道を感電させた! 輪郭をブレさせ動きを止める竜人の胸に狼がタックルしてノックバック。アマニアを庇う形で立ったアリシアは剣を掲げる。
「エレメントコンバージョン・ダブル!」
 刃にまとう雷光が消え、代わりに炎と冷気の二重螺旋が噴き上がった! 剣を回して切っ先を足元に向けたアリシアは、背中を思い切り反らせて振りかぶる!
「ブレイズ&ブリザ―――――ド!」
 海面に突き下ろされた剣から冷気が大爆発し、海もろとも空間全体を凍らせていく! 続いて氷河と化した戦域を激しい熱風が吹き抜け、煽られた銀柱達や凍った海を粉々に打ち砕いた。餓狼無道を包むノイズにバチバチと無数の火花が散り始め、輪郭の一部が01分解されて剥離する。アリシアは剣に力を込め全方位熱風放射を継続しながら声を上げた。
「ウーゴさん!」
「潰されんなよ!」
 高く跳んだウーゴが頭上で巨大な両手を合わせる。狙いはぎこちない動きで彼を見上げる餓狼無道!
「寝苦露腐悪慈威・有獲奔……眼手悪無礼苦ッ!」
 しなりながら振り下ろされた巨腕が砕け溶けかかった氷河に直撃! 噴き上がるダイヤモンドダストと水飛沫から後ろ向きに飛び出した餓狼無道は、追いすがる狼のマリアに光線を断続的に撃つ。マリアはジグザグスプリントで精彩を欠いたビームを回避し、喉笛に噛みかかった。餓狼無道は顔の前で両手を握る。
「バックアップ・スキャン。インスタント・リカバリー」
 竜人を包むノイズが落ち着き、01剥離が停止する。餓狼無道は右腕を竜頭に変形させマリアを殴った! 胴体を噛みつかれ暴れるマリアを、竜のアギトが潰しにかかる!
「マリアッ!」
 剣を引き抜いて飛び出すアリシア! 餓狼無道の左手指が彼女を指差し、光球をチャージする。光が発射されるその寸前、餓狼無道の両腕に赤い『CAUTION!』ウィンドウが現れ、爆散! 四散する無数の01を遠目に、アマニアは傷ついた腕を強いてホロウィンドウをタイプする。
「バックアップ制圧完了! 助けてくれたお礼よ、アリシアちゃん。そしてー…………!」
 アマニアの両腕が血を零しながら閃き、複数のウィンドウが現れては消える。次の瞬間、餓狼無道の上下左右の空間が球状に歪み、竜人の体を十字拘束! 虚空で磔にされた餓狼無道を見やったアマニアは真横にポップしたウィンドウに拳を振りかぶった!
「重力概念掌握完了、位相を固定、力場ベクトル収束開始! 行っくぞぉーっ! 捻じれろ世界っ! 重力、圧・縮っ!」
 勢いよく叩かれたウィンドウがファンファーレをかき鳴らし、球状に歪んだ四つの空間がブラックホールに早変わり! 黒点は瓦礫や氷、餓狼無道から剥がれる01を吸収しながらゆっくりと育ち始める。餓狼無道は開いた翼からビームを連発! 光線がアマニア、アリシア、マリアに命中する直前、ウーゴの巨腕が彼女達を掬い上げて救助した。爪の隙間から顔を出し、アマニアはエクサにエールを送る!
「エクサく――――――ん! 行っけえええええええっ!」
 餓狼無道の後方から凄まじい速度で駆けてくるバイク! 肩越しに見返る竜人が背中から射出するビームを、セゲルが盾で全弾防ぐ。バイクが餓狼無道のすぐ背後に迫った瞬間、ノイズに覆われた胸から巨大な槍が突き出した! バイクごと餓狼無道とすれ違う中、エクサは刺し貫かれた電子の竜を見返った。
「実体無クトモ、鏡二映ル真実マデハ消セハセヌ。我ガ後方ヲ映ス鏡二映ルノハ、滅ビノ定メ只ヒトツ」
 バイクのサイドミラーの中で餓狼無道の胸がX字に裂けた! 四分割された電子の体は四つのブラックホールに吸い込まれ、一瞬で収縮。跡形も無く消え去る黒点を後ろに、エクサのバイクは氷河をハードランディング。鋭いドリフトをかけて停車した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日
宿敵 『餓狼無道』 を撃破!


挿絵イラスト