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【SecretTale】Prologue

#シークレット・テイル

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#シークレット・テイル


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●Prologue
 ――異能力世界《エルグランデ》。
 文明は現代日本とさほど変わりなく、しかし幻想的な風景の多いこの世界がシークレット・テイルの始まりの地。

 この世界では他世界を調査する組織・セクレト機関の統治の下、人々が豊かな生活を送っている。
 争いや諍いは起きることが多々あれど、そのたびにセクレト機関の組織員達によって抑え込まれてきた。

 更にこの世界に生きる動植物は皆【コントラ・ソール】と呼ばれる力を持ち、様々な生き方でこの世界にしがみついてきた。
 身体能力の延長線上の力や炎、氷、雷……自然現象さえも操る力。様々な力が交差して、自由な生き方をしていたのだ。

 そんな世界で起こるのは……侵略者《インベーダー》による侵略行為。
 猟兵達の前ではオブリビオンと呼ばれる者達が、そしてまた別の世界からの侵略者達が、エルグランデから他世界侵攻が出来ると知ってじわじわと染み込み始めた。
 この世界から他世界侵攻が始まれば、それこそすべての世界の終わり。なんとしてでも食い止める必要があるため、セクレト機関ではこれを『重大任務』としてすべての組織員たちへ通達していた。

 ――新たに現れる猟兵達と共に、侵略者《インベーダー》を排除せよ。

●まあ堅苦しいのは置いといて。
「いやまあ、うん……。私だって帰ってくる予定なかったんですよ。これは本当です」
「なんで帰ってきちゃったんですかねぇ、私達……」

 大きくため息を付いて目の前の施設、セクレト機関の中央塔に目を向けたグリモア猟兵の金宮燦斗とエーミール・アーベントロート。
 本来であれば彼らは猟兵の活動が終わるまで、エルグランデへの介入は一切禁止とされていた……はずだった。
 それなのに、現在こうしてエルグランデの大地を踏みしめている。これにはどうにも、普段から表情を変えない燦斗でさえも表情を変えて考え込む始末。

 彼らがこのエルグランデにやってきたのは、ほんの数刻前。
 猟兵達よりも先に辿り着いたのだが、その時に誰かに呼ばれたのだそうだ。

「とは言え、誰が呼んだのかまでは察しが付きます。あとはその理由なのですが、多分アレ……ですよねぇ」

 視線を移した先にいたのは、真っ黒な闇に包まれた何か。獣の類か、人が変質したかのどちらかではないかと燦斗は考えるが、目視だけでは正体が掴めない。
 そこで燦斗は猟兵達に声をかけた。まずはアレを片付けることを優先させなくてはならないのだと。

「組織の人間がここに降りるまでちょっと時間がかかるので、先に私達だけで片付けてしまいましょう」
「アレらをこのセクレト機関へ入り込ませると、ちょっとまずいんですよ。猟兵の言葉で言えば、グリモアベースがオブリビオンに掌握されるのと同じですからね」

 そう言って燦斗は武器を構え、お先に失礼、と猟兵達より前へ出て闇に包まれた者達を討伐していく。
 エーミールも同じようにナイフを片手に構えると、猟兵達に向けて手伝って欲しい旨を告げる。

「兄さんの言う通り、話はアレを片付けてしまってからにしましょう! お手伝い、お願いします!!」

 闇に包まれた者達はまだまだ数が多い。話を進める前に、奴らを倒さなくては。


御影イズミ
 閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
 自作PBW「シークレット・テイル」のシナリオ、第一章。
 今回はセクレト機関に近づこうとする何か、『闇に包まれた者達』を討伐するところから始まります。
 こちらのシナリオは第六猟兵側からの参加も可能です。

 詳しい世界設定を知りたい方はMSページ、または旅団「灰色の小屋」「セクレト機関・猟兵拠点」に記載されているURLをどうぞ。

 クリア条件は記載されている通り、討伐のみ。
 敵は断章に記載されたフラグメント内容どおりの行動しかしてきません。
 場所はセクレト機関・施設前。山に囲まれた土地ではありますが、現在猟兵の皆さんがいる場所には遮蔽物等はありません。
 海に面した場所から闇に包まれた者達が近づいている……という状態なので、真正面から戦う形になります。
 希望があれば山からの狙撃などにも対応が可能です。

 シナリオ同行者としてNPC「金宮燦斗」「エーミール・アーベントロート」が存在し、彼らも共に戦います。
 プレイング内容に共に戦う等があればリプレイでも参加致します。

 皆様の素敵なプレイング、お待ち致しております。
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第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●Mission-01
 シナリオのクリア条件。
 『闇に包まれた者達』の討伐。

 敵フラグメント内容。
 POW:闇の中から、力強く殴りかかってくる。
 SPD:追いつかれないようにと、スピードで勝負を仕掛けてくる。
 WIZ:グループを崩さぬように取り囲んでくる。
黒木・摩那
金宮さんが呼ばれた世界ということで、お呼ばれしてみました。
異能力世界《エルグランデ》。
風景自体は見慣れた景色ですが、侵略者《インベーダー》というのがまさに正体不明ですね。
オブリビオンとは別物のようですが。

まずは世界の把握と敵の強さの確認ですね。
【コントラ・ソール】という力についても確認したいですが、これは金宮さんに聞けばよいですかね。

【情報収集】はドローン『マリオネット』で映像から電波まで手当たり次第に収集します。
敵の強さは自分で確認するのが一番です。
手数と速さで勝るUC【龍顎龍尾龍撃乱舞 】で殴ってみれば、感覚もつかめるというものでしょう。
インベーダーとは何者でしょうかね。



●Case.1 諸々の正体

「金宮さん」
「おや」
 闇に包まれた者達を蹴散らしながら、燦斗はやってきた猟兵の姿を見る。
 彼女の名は黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)。グリモア猟兵としての彼とは何度か顔を合わせたこともあり、様々な依頼を請け負ったこともある。
「金宮さんが呼ばれた世界ということで、私もお呼ばれしてみました。アレは……」
 摩那は海からやって来る闇に包まれた者達――セクレト機関本部から与えられた名称・|侵略者《インベーダー》と呼ばれるようになった者達を見やるが、その正体は未だに掴めない。燦斗でさえも、エーミールでさえも、この地に来たばかりでまだ何も情報がないのだそうだ。
「なので、戦って調査して必要があります」
「ではお話は戦いの後ということで」
「ええ、よろしくお願いします」
 そう告げると、彼は再び刀を片手に闇に包まれた者達の存在を蹴散らしてゆく。
 同時に摩那も周囲を見渡して、自分のやるべきことを準備していった。

 摩那はまず周辺に索敵ドローン『マリオネット』を配備し、手当たり次第にこの異世界エルグランデの情報を収集してゆく。

 背後に存在する超巨大施設を所有するセクレト機関の情報。……金宮燦斗が所属している組織であり、現在|侵略者《インベーダー》の存在を認知して、討伐の準備を進めているようだ。
 そしてこの世界での人々が持つ《コントラ・ソール》という力。……これに関しては、あとで燦斗に話を聞こうという結論に至った。
 そして……目の前からやってくる|侵略者《インベーダー》達。……これらに関しては目視では何もわからず、強さ等の情報は自分で確かめれば良いという判断を行う。

「手数と速さで殴れば、きっと何かが掴めるはず……」
 ぐっと拳を握りしめた摩那はユーベルコード『龍顎龍尾龍撃乱舞』を発動させ、正拳突き「龍顎拳」、回転蹴り「龍尾脚」、衝撃波「龍撃砲」の3種を組み合わせた連続攻撃を放ち、素早く動く|侵略者《インベーダー》達を倒していった。

 直に攻撃して情報収集をした結果、|侵略者《インベーダー》には感触があると断定。
 彼らを殴れば倒れるし、頭らしき部位に当てれば昏倒して起き上がるのに時間が掛かるし、相手からの攻撃もばっちり痛い。
 他の部位にも当てれば痛みを堪える様子があるため、彼らが生物であることに間違いは無さそうだ。
(生物なのは間違いないのね。なら、次は……)
 次に試してみたのは、彼らに知能があるかどうか。殴る、蹴る、衝撃波の3つを見分けているかどうかの確認をしてみると……個体に差はあったが、それぞれをきちんと理解している様子。
 そしてさらに、摩那や燦斗が明確な敵であるということも認識しているようで、|侵略者《インベーダー》同士での衝突は一切起こっていないのが伺えた。
(なるほど。……これは金宮さんに報告しておくべきかも)
 逐一情報を集め、報告すべき内容、しなくてもいい内容を分別しながら迫りくる|侵略者《インベーダー》達を倒し……やがては、その侵攻は一旦止んだ。


「金宮さん、お疲れ様です」
「ああ、どうも。どうでしょう、なにか情報は掴めましたか?」
 燦斗の言葉に対し、摩那は集めた|侵略者《インベーダー》の情報を彼に渡す。
 彼はその情報を受け取ると誰かと会話するように虚空を見上げては呟き、また摩那に向き直って話を続けた。
「|侵略者《インベーダー》に関しては、本部が頂いた情報を元に追加調査をするそうです。あとは猟兵の方々を手助けしろ、と私に命令が下りたので今のうちに知りたい情報があればお渡しします」
「それなら、コントラ・ソールという力について知りたいのですが……」
 《コントラ・ソール》の力について知りたい、と摩那が明言すると、燦斗は喜んでと答える。そのすぐ後に、彼は面白いことを言うのだ。
 ――この会話が終わったら、また|侵略者《インベーダー》の大群は来るでしょう、と。
「えっ、何故わかるんです?」
「これも、コントラ・ソールの力です。私は|預言者《プロフェータ》という力を持ち合わせていましてね、未来予知が出来るんですよ」
「未来予知が……?」
 彼は『人間の保つ力の延長線上に生まれるのがこの力だ』と答えたが、実はまだ解明されていない部分が多く……彼自身が何故未来予知が出来ているのかは、全くもって理由がわかっていないという。
 炎を操るものから、物質を操作する力、果てには自身や他者の戦闘能力の増強や世界に手を加える力など、この世界に存在するコントラ・ソールは動植物の数だけあると燦斗は言う。
「だからこそ、異変が起きている。この世界の誰かのコントラ・ソールが暴走していると、私は睨んでいますから」
「では、あとは調査を……」
 そこまで摩那が告げたその瞬間、またしても|侵略者《インベーダー》の群れが海の方角から現れる。先程燦斗が言った通りの展開が繰り広げられていた。
 ね? 当たったでしょう? と言わんばかりに顔を向けた燦斗は再び、刀を手に|侵略者《インベーダー》の群れへと突撃してゆく。

「……|侵略者《インベーダー》とは、なんなのでしょうね」
 小さく呟いた摩那の言葉に反応する者は誰もおらず、彼女もまた、同じように|侵略者《インベーダー》の群れを討伐し続けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

河原崎・修羅雪姫
「侵略者《インベーダー》は海から来るのかぁ。ひょっとして深きものみたいな感じなのかな?」
自身の専用偵察ドローンを空中に飛ばし、知りえた情報をサイバーアイ経由で「脳内インプラント戦闘支援AI:コードALICEで高速演算する。
平たく言えば殲滅モード(ジェノサイド・ダンス)で侵略者を粉砕して回る。
河原崎家は、古き魔導の血を引く家系。
「ちょっと試してみるか……」
愛用の巨銃フリークスハンターに爆裂呪殺弾『餓鬼弾』(ガキダマ)を装填。
これを喰らった侵略者は千切れ飛び、また弾頭に込められた呪殺の力で内側から滅んでいく。

戦闘がひと段落付いたら、調査用に侵略者の死骸の破片をサンプルとして持ち帰り調査依頼に出す。



●Case.2 |侵略者《インベーダー》の出現方法。

 闇に包まれた者達――|侵略者《インベーダー》が海から来ることを確認した河原崎・修羅雪姫(プリンセス・スノーブラッド・f00298)は、赤外線カメラや熱源探査センサーのついた偵察ドローンを飛ばして情報を探りながら見張っていた。
 どんな悪さをしているのか。どうやってここに来ているのか。というか深きものみたいな感じかな? などなど、様々な考えや憶測が頭の中を巡る。

「|侵略者《インベーダー》は海から来るのかぁ……」
 何故、海からやってきているのかは皆目見当がつかない。
 自分の視線に映るのは真っ黒な闇に包まれている生き物ぐらいの認識で、どんな種族なのかもわかっていない。これから調査が行われるにしても、情報が少ないので同しようもないもので。
「……ん、おや??」
 ふと、リアルタイムでドローンから送られてくる情報に、修羅雪姫は首を傾げた。
 海からやってきているというのは大雑把に見ての情報。故に彼女はドローンを使って詳しく調査したところ……|侵略者《インベーダー》達の出現の瞬間を確認することが出来た。

 ――|侵略者《インベーダー》達が何やら縦穴のような黒い渦から出現している。

「なにかしらねぇ、アレ。まるで……」
 まるで、トンネルのようなもの。
 10秒先の未来を見てきたかのような演算処理を行うユーベルコード『脳内インプラント戦闘支援AI:コードALICE』で弾き出された演算結果はそうとしか出してこなかった。
 |どこかの世界からこの世界へ送り込まれている《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》。しかもそのどこかの世界は特定の世界ではなく、様々な世界との繋がりを得ている様子。
 ならばこの情報を誰かに伝えなければと周りを見渡してみるも、先に到達していた男たち――金宮燦斗とエーミール・アーベントロートは|侵略者《インベーダー》を討伐するのに忙しいようで。
「殲滅していかないと話はできそうにないのねぇ。じゃあ、私もお手伝いしなきゃ」
 続々と増える|侵略者《インベーダー》を前に、修羅雪姫は小さく笑う。倒すしか無いのなら、じゃあ、倒さなきゃと。

 そこから、彼女の独壇場となった。
 襲いかかってくる|侵略者《インベーダー》は皆気づけば修羅雪姫を倒そうと躍起になって近づくが、未来を見たように計算している彼女にはどんな一撃も当たりはしない。
 逆に修羅雪姫の銃は全ての敵に的中し、起き上がることさえ許さない。例え死に至る一撃ではなかったとしても、次の一撃が確実に|侵略者《インベーダー》を屠る。
「ついでにちょっと試してみるか……」
 愛用している20mm口径リボルバー・フリークスハンターの銃弾を通常のものから爆裂呪殺弾『餓鬼弾』へ変更し、|侵略者《インベーダー》を撃ち抜いてみる修羅雪姫。
 予測通りに|侵略者《インベーダー》は銃弾を受けた部分から破裂し、生き残ったとしても呪いの力によって散り散りバラバラになってそのまま死に絶えていく。
 |侵略者《インベーダー》が死した後に落ちた組織をドローンで回収し、戦闘が終わるまではカプセルで厳重保存。調査が可能になるまではドローンを高く飛ばし、安全な場所に退避させておいた。


 しばらくして、|侵略者《インベーダー》の侵略が一時的に止まる。修羅雪姫にはまだまだ敵が来ることがわかっているため、気は抜かない。
 しかし時間が少し空いたために、燦斗やエーミールと会話をすることが出来た。彼らは|侵略者《インベーダー》の討伐に忙しく、採取や調査依頼などを出せてなかったようで。
「あら、じゃあ私の採ったサンプルとか使っちゃう?」
 人差し指を上に向けた修羅雪姫に合わせ、燦斗とエーミールの視線が上を向く。ぱたぱたと飛んでいるドローンが視界に入ると、男2人は「助かった……」と呟いた。
 どうやら彼らにも採取指示が下っていたようだが、タイミングがなくて採取が出来ず、どうしたもんかと悩んだままに戦闘が中断してしまったもので。
 あらあら、と小さく笑った修羅雪姫。ドローンから少しだけ分けて、彼らに組織サンプルを手渡した。
「ああ、それと私のドローンが録画した映像とかも送ったほうがいい?」
「映像ですか……なにかわかりました?」
「そうねぇ、大きなトンネルというか……通路みたいな? そういうのが見えたわねぇ」
「……通路ですか。ということは《ゲート》が開いていますね……」
「ゲート? なぁに、それ?」
「ゲートというのはですね……」
 燦斗は修羅雪姫からもらった情報を元に、現在この世界では《ゲート》が開かれていると宣言。

 《ゲート》とはまさしく、他世界とエルグランデを繋ぐ道のこと。
 この世界では権限を持つ者でなくては開くことが出来ず、開いたとしても通れる者は限られているためあまり見かけることは無い。
 ……今回の場合、|侵略者《インベーダー》となりうる存在がいる世界と《ゲート》を繋ぎ、通れる者を|侵略者《インベーダー》に限定して侵略行為を行っているのではないか……というのが燦斗の導き出した考え。
「ふむふむ。じゃあ、あれは閉じなきゃまずいかしらぁ?」
「そうですね……閉じれればいいんですが、場所がまだ把握できていません。もう少しドローンで調査をお願いしても?」
「ん、いいわよぉ。必要そうなら、こっちで閉じちゃってもいーい?」
「ええ、構いません。物理的にぶん殴っても閉じますから、|侵略者《インベーダー》を巻き込んでぶっ壊してもらっていいですよ」
「ホントに?」
「ええ、最高権力者の次に偉い私が許可出してるので、OKです」
 にっこりと笑顔を帰した燦斗。こう見えて彼は、結構偉いそうです。

 そうして、再びやってくる|侵略者《インベーダー》の数々。燦斗もエーミールも疲労困憊ながらに、まだ戦う様子。
「じゃあ、遠慮なくやっちゃうわねぇ!」
 同じように修羅雪姫もそのまま駆け出し、《ゲート》の位置を割り出して破壊を試みる。

 ぱりん、ぱりんと割れる音が周囲に響き渡る。
 しっかりと《ゲート》は破壊できているようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーノ・フォンベルジュ
🔷アドリブ歓迎します!
🔷NPCさんとの対話歓迎!


彼はエルグランデの現地人である。地図の→中央あたりの農村【設定教えてね】から世界の危機を聞きつけて、《セクレト機関》までやってきた少年で、侵略者『闇に包まれた者達』と対峙していた。

容姿は無名の為、今はまだ黒いローブを被っている、日本刀を持ってるぐらいしか印象に残らないだろう

(口調:丁寧語)

「世界の危機と聞いていましたが、このようなモノが現れていたのですね…。」

「ですが……僕も負けてはいられません。」

⚔戦闘
コントラ・ソール《魔剣》発動!
日本刀に《魔剣》の力を加えて、『闇に包まれた者達』に斬撃します。

「……これが僕のコントラ・ソールの力だ…!」



●Case.3 新たなコントラ・ソール

「くぅっ……!」
「エーミールッ!!」
 |侵略者《インベーダー》達による進撃は今も止まらない。ゲートによる侵略が行われているとわかっていても、それを止める手段が彼らには少ない。
 セクレト機関側による補助は既に開始されているが、ゲートまでに至ることが出来ずエーミールが負傷する事態へと発展してしまう。
「くそ……流石にこの数は……!!」
 如何に燦斗が未来を予知出来るからと言っても、数の暴力で負ければ立て直すことは難しい。特に2人は近距離型の攻撃を得意とする故になかなかゲートのある位置まで向かうことが出来なかった。

 だが、突如2人の周りを飛び交う黒いローブの何者かが走り、|侵略者《インベーダー》を日本刀で一刀両断。次々に倒しては、その場から消滅させていく。
 何者か――ユーノ・フォンベルジュ(《黒魔》エルグランデの魔剣士・f38624)は日本刀を大きく薙ぎ払うと、|侵略者《インベーダー》に囲まれていた燦斗とエーミールを助け出す。
「大丈夫ですか!」
「ええ。……ですが、あなたは……」
「辺りが落ち着いてからお話します。とにかく今は、|侵略者《インベーダー》を!」
 ユーノに促され、燦斗もエーミールも戦闘態勢を立て直して|侵略者《インベーダー》へ向き直る。ゲートによって増えた|侵略者《インベーダー》はユーノをも敵とみなし、殲滅へと動き始めた。
「――……!」
 目を見開いて、ユーノは集中する。コントラ・ソール《魔剣》の力により視聴嗅覚での感知をさせないように力を纏い、|侵略者《インベーダー》にも、燦斗達にも感知が出来ないよう力を纏わせた。
「あれは……」
 燦斗はその瞬間を確かに見た。コントラ・ソールの力が発動し、ユーノの姿を隠す瞬間を。だが今はそれに知識を割いている場合ではないからと、視線を|侵略者《インベーダー》へと向けて次々に倒していった。
 その間にも右へ、左へ、ユーノは走る。日本刀を片手に黒衣の姿を大地に奔らせ、無銘の刀を|侵略者《インベーダー》の身体に滑らせて切り刻む。
「手応えは充分……!」
 自分の実力が叶うかどうか、少し不安だったユーノ。自分の力でもきちんと倒せるのだと判明した今は、鎌鼬のような動きで|侵略者《インベーダー》を斬り、薙いでいく。
 そのうちゲートの動きが停止したのか、あるいは別の世界へ繋いでいるのか、|侵略者《インベーダー》の噴出が止まる。その隙に燦斗とエーミールがもらっていた情報からゲートの位置へとたどり着き、次々にゲートを破壊していった。

 ゲートが壊され、ある程度の休息時間を取れた燦斗とエーミール。救援に駆けつけてくれたユーノに礼を述べ、それぞれの自己紹介が始まる。
「窮地を助けていただきありがとうございます。あなたは……」
「僕はユーノ。ユーノ・フォンベルジュと申します。世界の危機と聞いて、こちらへと駆けつけました」
「フォンベルジュ……ああ、ファムの村の!」
 ぽん、とエーミールが手を叩き、思い出す。
 エルグランデ東部に位置するファムの村はエルグランデの農産・畜産を担っている村の1つ。ありとあらゆる農産物に詳しい一族が作り、現在は行商でも生計を立てているため何かとセクレト機関でも世話になっている。
 フォンベルジュの名は以前、エーミールが護衛任務のためにお世話になった者達の1人の名前なのだそうだ。あの時は怪我を負った仲間がいたためお礼が言えなかったのが悔やまれる、と呟く。
 しかしエーミールは1つ気がかりな点があった。あの村に住まう者達のコントラ・ソールは全員データベースに保存しているが、ユーノのコントラ・ソールはまだ見たことがないと。
「え、僕のですか……?」
「そうですね……猟兵のみなさんが持ってるユーベルコードに似ていますが、コントラ・ソールの力が感じられますので新種のものでしょうね」
 燦斗がしげしげとユーノの頭から足先まで隅々調べ、その力が間違いなくコントラ・ソールのものであることを確認。新種故に、後ほど登録などが行われるそうだ。

「――しかし、ゲートはまだ作られているみたいですね」
 燦斗が小さく呟くと、再び現れる|侵略者《インベーダー》の群れ。ゲートの作成が行われているということは作成者がいるということになるのだが、その作成者はセクレト機関側でも割り出せていないようだ。
「なら、今はとにかく倒していくしかありませんね!」
 ユーノが再び日本刀を構え、コントラ・ソール《魔剣》を使い|侵略者《インベーダー》の群れへと突撃していく。感知できない相手からの攻撃にはどうやらかなり弱いようで、ユーノの一撃によって少しずつ混乱が生じていた。

「これが僕のコントラ・ソールの力だ……!!」
 探されることはない、感知されることもない。そんなコントラ・ソールの力によって、戦況は大きく変わっていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

お待たせしました、燦斗殿! エーミール殿!
サライ殿からの救援要請を聞きつけて馳せ参じマシタ!
雇われメイドのバルタン・ノーヴェ、これより戦闘に参加しマース!

黒い闇の侵略者。人か獣かわからない、と。
何とも奇妙な相手でありますな!
しかし物理的ダメージが通るのならば、ワタシも活躍できマスネー!
全身に仕込んだ各種武装を展開!
フルバースト・マキシマム!

闇の中から襲って来る敵にカウンター!
グレネードランチャーやガトリングガンで吹き飛ばして撃ち抜いて!
チェインハンマーやパイルバンカーで叩き潰して貫きマース!
セレクト機関の方々が無事に探索できるよう、安全圏の構築を行いマショー!



●Case.4 さあ、派手にやろう!

 セクレト機関の司令官から、燦斗とエーミールに向けて指令が届く。
 ――さっさと終わらせて、情報集めな? と。
「それが出来てりゃこうやって|侵略者《インベーダー》ボコってねぇんだわ……」
 大きくため息をついて、燦斗は再び刀を構えて海からやってきた闇に包まれた者――|侵略者《インベーダー》を切り裂いていく。
 既に|侵略者《インベーダー》がこちらにやってくる手法については見当がついており、あとはセクレト機関側からのアプローチで《ゲート》を閉じる作業を行えば良いので、残った者達を順繰りに倒すだけ。
 ……なのだが、休憩が少ししかもらえないのでそろそろ体力的にもしんどくなっていた彼ら。また誰か、新たな猟兵が来てくれると信じていたら――。
「お待たせしました、燦斗殿! エーミール殿!」
「ば、バルタンさん!?」
 空から降りてきたバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は華麗に着地し、まずは小手調べとして内蔵式グレネードランチャーを一発ドカンと|侵略者《インベーダー》の群れにぶっこんだ。
「サライ殿からの救援要請を聞きつけ、馳せ参じマシタ!」
「サライ? ……あー……」
「? どうかなさいマシタカ?」
「ああ、いえ。|どっちの《・・・・》サライかなぁ、と思いまして。まあこれについては、後ほどお教えしますね」
「ふむ、何かしら事情がお有りの様子。でしたら、事が終わり次第お話しても良いかと!」
 バルタンの視線の先には、グレネードランチャーを生き延びた|侵略者《インベーダー》の姿。大半の個体は肉体が吹っ飛んでしまったようだが、強固な身体を持つ個体もいるのか一筋縄ではいかないようだ。

「ふーむ、黒い闇の侵略者。人か、獣か……それはわからないと」
 黒く、闇に包まれた存在はその姿がはっきりとはしない。人のような姿でもあれば、獣のような姿でもあり、鳥のような姿であれば、不定形の姿も見受けられ、様々な姿が並んでいる。
 しかしどれも一律して言えるのは、物理攻撃は有効であること。その情報に関してはバルタンはホッとしていた。
 なぜなら、彼女の使う兵器はほとんどが物理的な攻撃を仕掛けるものなのだから!
「それでは、行かせてもらいマース!! 燦斗殿、エーミール殿は一旦ワタシの後ろにお下がりくだサーイ!」
「おっと、では遠慮なく! エーミール、下がれ!」
「了解っ!!」
「レッツゴー、フルバースト・マキシマーム!!」
 燦斗とエーミールを一旦自分の後ろへ引き下げたあと、ユーベルコード『ブルバースト・マキシマム』を発動させて自身の武装に施されたセーフティを全て解除。目標を前面に存在する全ての|侵略者《インベーダー》に設定後、全武装による一斉発射で一気に蹴散らしていく。
 その光景たるや、まさに異世界からの侵略を吹き飛ばす驚異の嵐。一歩たりとも、セクレト機関への侵入を許すまじと言わんばかりの兵器の雨が辺り一面に降り注いだ。

 それでも強固な身体を持つ個体は、バルタンの築き上げた全武装の要塞を乗り越えてくる。
 そんな個体に向けては手元に準備しておいたグレネードランチャーやガトリングガン、銃で撃ち抜けない個体にはチェインハンマーやパイルバンカーで貫いて消滅させる。
 どんなに身体が固くても、どんなに厚い鎧を纏っていても、彼女の力を侮ってはならない。エルグランデの測定器がぶっ壊れたのかと思うほどの|力《POW》が彼女にはあるのだから。
「HAHAHA! 飛び越えれば進めると思ったら大間違いデスヨー!」
 楽しそうに戦う彼女に燦斗とエーミールもホッとしていた。これで、|侵略者《インベーダー》は全部倒せるだろうと。


●Case.5 影にいたのは

「終わりましたね……」
 バルタンの全武装が再び収納され、目の前が開ける。
 |侵略者《インベーダー》が消失し、《ゲート》も閉じられた今、セクレト機関が位置する島は平穏を取り戻していた。
 しかし、まだ様々な謎が解けていない。《ゲート》を作った犯人のこと、その思惑について、そして燦斗たちが戻ってきた理由など、考えることがたくさんあるからだ。
「そういえば、気になったのデスガ……先程サライ殿のことを伝えた時、どっちの、と仰っしゃられてマシタ。あれは……」
「ああ、それですか。それなら簡単です。私は猟兵のサライと別の世界のサライに会っているから……という認識です」
「んん?? サライ殿が2人……」
「ややこしいですよねぇ。でも、事実です」
 ニコニコと、笑顔絶やさぬままにサライに関する情報をバルタンに渡した燦斗。世界線が違えば別の世界のサライもいる……ということなのだそうだ。
 そんなもん、という訳にはいかないが、少なくともエルグランデではよく観測される現象らしく、燦斗はもちろんのことエーミールもさほど驚いている様子はなかった。

 しばらく休息を取っていると、海方面で調査をしていたメンバーからの連絡が入る。燦斗の指示を仰ぎたいという連絡のようだ。
「兄さん、そろそろ調査の方に行きましょう。調査メンバーが待ってますから」
「おっと、そうですね。バルタンさんも行きます?」
「ふむ、それならお供させていただきマショウ。敵が出ないとは限りマセンシ」
「ありがとうございます」
 海の方面へと向かうと、セクレト機関から派遣された調査人達が数人ほど現場検証を行っている。《ゲート》発生がどの世界からか、誰が発生させたのかなどの調査を行っているため、バルタンは近くで待機していた。
 周囲を警戒し、残党が残ってないかをチェックするバルタン。すると、視線を感じ取った彼女は後ろを振り返って、その姿を目撃した。
 黒い髪のオールバックに、半裸のレザーベストを着用した男。一見するとその男はバルタンの知る『木々水 サライ』に見えたが……顔つきや体格はそっくりでも、サライにあって眼前の男にないものがある。
「……さ、サライ殿? いえ、彼は白い三つ編みがあったハズ……」
 そう。バルタンはよく知っている。自分が知っているサライには、黒と白の三つ編みがあることを。
 だが眼の前の男は短髪のオールバック。バルタンは彼が敵なのか味方なのか区別がつけず、動けずにいた。
 対する男はバルタンがサライの名を口に出したことから、強張っていた表情が少しだけ緩む。
「――サライを知ってるのか、アンタ……」
「そ、それはー……」
 別世界の人物かも、とバルタンが口にしようとしたその時、男はバルタンの後ろに目を向けて突然逃げ出す。
「っ、ジャック!!」
 燦斗が男を呼んでも、男は止まる様子はない。海岸線にある山へと一直線に走り出すと、彼はそのまま山を伝って何処かへと消えてしまった。

「さ、燦斗殿。今の方は……?」
「……彼の名は、ジャック・アルファード。この世界とはまた別の世界に住む方、なのですが……」
 ――何故、このタイミングで彼がここにいるのか。
 《ゲート》の発生と同時に別世界から飛んできたということは、彼もまた《ゲート》を使ってこの世界に来たことになる。
 しかしそうなると、彼が今回の事件の犯人になるのではないかという疑いがかかるわけだが……。

『大丈夫、ジャックが犯人は絶対ないから』
「わお!? どちら様デショウカ!?」
 突然頭に響き渡った声に、思わずバルタンは驚いて跳ね上がる。念話による通信なのだそうで、その声の主は『司令官 エルドレット・アーベントロート』と名乗った。
 彼はジャックが犯人は絶対にないよ、といい切った後にただ一言だけこう言ったのだ。

 『彼のことは、今は放っておいてあげてね』と――。


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  『Prologue』 complete!

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大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年10月28日


挿絵イラスト