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【サポート優先】スイカ割れ!

#キマイラフューチャー #戦後

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#キマイラフューチャー
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#戦後


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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)


 キマイラフューチャーの夏。それは遊びの夏。まあ一年中遊びの季節なのだが、夏らしい遊びの一つと言えば。
「もうちょっと右ー!」
「いやいやあと一歩左ー!」
「三歩進んで二歩下がって三回回ってなぎはらえー!」
「うるせーお前ら適当言うなー!」
 周囲のでたらめな指示に混乱しつつ振りまわした棒が頭部大の球体を直撃し、赤い汁がはじけ飛ぶ。そう、スイカ割りである。
 キマイラフューチャーのとあるビーチ。ここはコンコンコンするとやたらスイカが出てくることで有名であり、スイカ割りビーチとして名を馳せていた。
 本格的な夏の始まりということでオンシーズンとなったこの場所だが、そこはキマイラフューチャー。どんなところにでも湧くものは湧くわけで。
「ちゅっちゅっちゅ……当たっても割れないし食えない屈辱を味わわせてやるっちゅ……」
 ごつごつの爆弾を抱えた少年が砂浜に伏せてスイカ割り会場に忍び寄っていた。


「お疲れ様。今日は私が依頼を出すわ」
 子豚・オーロラ(豚房流剣士・f02440)が集まった猟兵たちに言う。
「行って欲しいのはキマイラフューチャー。場所はコンコンコンでスイカが出てくるスイカ割りビーチというところで、当然ながらここではスイカ割り大会が毎日のように開かれているわ。ここに怪人が現れてフェスを邪魔しようとするから、ちょっと行って倒してきてちょうだい」
 キマフュー名物、イベント乱入怪人退治ということだ。
「まずは怪人を誘い出すため、ビーチに行ってスイカ割りをしてきてちょうだい。楽しいスイカ割りを邪魔するのが怪人の目的だから、楽しんでいるほど効果は高くなるわ。もちろん割ったスイカは食べ放題。UCや装備を使ってもいいけど、周りを巻き込まない程度にね。周囲のキマイラたちは指示をくれるけど、本当のことを言ってるとは限らないからどこまで信じるかは考えた方がいいかもね」
 あくまで遊びだし、何なら割れなくたってスイカは貰える。地味に成功するより派手に失敗した方が盛り上がるし、好きにやってしまって構わないということだ。
「で、楽しんだ所で怪人の登場。『悪戯鼠『ペトリファイマウス』』という鼠キマイラの男の子で、石化能力を使ってスイカを石に変えてイベントを邪魔しに来るわ。別に何か壮大な目的とか思想があるわけじゃなく、その名の通りただ悪戯したいだけなんだけど、まあ一応オブリビオンだし対処は必要ね」
 メインの目的はスイカを石に変えて嫌がらせすることだが、その巻き添えで周囲の人々を石にするのも一切躊躇しないあたりはやはりオブリビオンだ。当然周囲にいるのはキマフュー民なので避難などしないが、石になった者もそこから割られたりしなければそのうち元に戻るので別にそこまで気にかける必要もないだろう。
「当たると石化する色んな爆弾を武器にするけど、まあ悪戯目的ということもあって正直そこまで強くないし、適当にあしらってビーチを守ってきてちょうだい」
 彼らはただ悪戯がしたいだけ。背後関係は一切なく猟書家がらみということもないそうだ。
「まあ、スイカ割りついでのちょっとした軽作業と思って気楽に行ってきてちょうだい。お土産? 別にいいわ。スイカくらい自分で用意できるし……ね」
 そう言って大玉スイカ……もといスイカサイズの胸を軽く寄せながら、オーロラは猟兵たちをビーチへ送り出すのであった。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。

『注意!』
 今回はサポート優先シナリオとして、基本的にプレイングを各章少数しか募集していません。
 7月14日16時までの完結を目標に、サポートフル活用、文字数少な目で執筆の予定です。
 プレイングを頂いてもリプレイは非常に短くなります。送る場合はご了承の上でお願いします。

 第一章ではスイカビーチでスイカ割り。基本は目隠しして回ってスイカを割るだけの普通のスイカ割りです。その部分さえ遵守すれば装備もUCも使っていいので楽しくやってください。失敗してもスイカは貰えます。なお周囲は右だ左だ言ってきますが、かなり適当なのも混じってます。

 第二章では『悪戯鼠『ペトリファイマウス』』との集団戦。彼らは石化爆弾でスイカを石に変えてスイカ割りを妨害するのが目的ですが、爆破に巻き込まれて人が石になるのも構いません。そんなに強くはないので適当にあしらって骸の海に退場させてください。周囲のキマフュー民は当然野次馬化しますが、まあ石になっても死にはしないので放っておいていいんじゃないでしょうか。

 それでは、プレイングをお待ちしています。
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第1章 日常 『コンコン西瓜割り大会!』

POW   :    目を回しても気合で叩き割る

SPD   :    目が回る前に素早く叩き割る

WIZ   :    目が回るのが落ち着いてから叩き割る

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
 妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 キマイラフューチャーにあるスイカばかり出てくるスイカビーチ。今日もスイカ割り大会が行われているそこに、新たな参加者がやって来た。
「お姉ちゃんに任せておいてね♪」
 ここは自分が、と前に進み出たのはスピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)。争いごとは苦手だが、こういう遊びなら問題はない。現れた新たな挑戦者に、早速目隠しがされ棒が渡された。鈍器については実は自前の者があるスピネルだが、流石にそれを使っては食べるところもなくなるくらいに粉砕してしまうと、大人しく普通の棒を受け取っておく。
 そしてそのままぐるぐると回され、スタートの合図とともに体が離された。
「えーと、これは……」
 当然ながら前は見えないし、回された影響もあってまっすぐ歩けているのかも疑わしい。ゆっくりと足を出すスピネルに、周囲から声がかかる。
「もうちょっと右! 右だよ!」
「あと少し曲がって!」
「そっちは海だよー!」
 誘導しようとしてくれているのだろうが、何人もが一斉に好き勝手言っている上に指示は割と大雑把でどちらにどの程度動けばいいのか分かりづらい。
 さらに言うならスピネルは世間知らずというわけではないが基本的に誰に対しても友好的。折角もらったアドバイスはとりあえず活かしてみようとしてしまう。言われるに従い足を動かしたり向きを変えたりして見るが、それが正しいのかはやはり分からない。
「ああ、行き過ぎ! もうちょっと戻って!」
「左! 左の方!」
「え、え……」
 そうしている間にも次々指示は出されるし、中には他と矛盾するようなものも混ざっている。多分面白がって嘘を言っているのだろうが、聞いている方はたまったものではない。
「結局どっちなんですか……」
 困惑するスピネル。何しろ能力的に普段は自分が隠れる側。ユーベルコードもそれに適したものが多く、この状況を打開できそうなものがない。視界を塞がれたまま右往左往するしかなく、足場の悪い砂浜ということもあってついにその足はもつれてしまう。
「わわ、きゃあっ!」
 そしてそのまま転倒。だがその際、握っていた棒を通して鈍い衝撃が伝わって来た。
「お見事!」
 その声に目隠しを取ってみれば、転んだ表紙に伸ばした棒がスイカに当たり、みごと叩き割っていた。
 偶然とはいえ近い場所には来れていたわけだし、結果は成功。完成の中スピネルは立ち上がり、自分が割ったスイカを賞品として受け取るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
西瓜割りと食べ放題、良いですねぇ。
まずは楽しんで参りましょう。

『効果弱め・効果時間中』の『秘薬』を摂取し【霊結】を発動、『平衡感覚』と『嗅覚』を強化しますねぇ。
『平衡感覚』の強化で、最初の「回転」からの回復も早まりますから、そのまま『西瓜の香り』を感知、其方に向かいますぅ。
後は『香り』を感じる位置を狙い、[怪力]で思いっきり叩くと大変なことになりますから、手加減して叩きますねぇ。

後は、鼠さん達の襲撃まで西瓜の食べ放題を楽しみましょう。
少しレモン果汁を混ぜて『スムージー』にしたり等、色々とアレンジしても美味しいですぅ。
残してしまうと勿体ないですし、出来る限り頂きますねぇ。



 ここがスイカ割りビーチになった理由。それはコンコンコンするとスイカばかり出てくるからだ。当然そのスイカは食べても割っても尽きることはない故、スイカ割りの結果に関わらず食べることができる。
「西瓜割りと食べ放題、良いですねぇ。まずは楽しんで参りましょう」
 いかにもキマイラフューチャーらしいそんなビーチにやって来た夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。スイカという表現すら生温いその姿に、ビーチの視線は釘付けだ。
「大いなる豊饒の女神、その鴻大なる知と力をお貸しくださいませ」
 そんな中でるこるは【豊乳女神の加護・霊結】を服用。平衡感覚と嗅覚を強化した上でスイカ割りに臨んだ。
 目隠しの上でなぜか心持ち勢いよく、体が揺れるほどに回されたるこるだが、秘薬のお陰で転ぶようなことはなくまっすぐ歩いて行ける。
 だが目隠しをしているので視界は閉ざされたまま。
「ずれてるよ、ちょっと動いて!」
「もう少し回って! こっち向いて!」
「そこで飛び跳ねて!」
 そこに周囲からはでたらめな指示が飛ぶ。明らかに別の何かを誘発しようとしているその声は、最早嘘とかそういう次元ではない。そして当然ながらスイカに気配などないし音も立てない。
 そんな状況で頼れるのは、強化しておいた嗅覚。潮の匂い満ちるビーチにかおる西瓜の香りを探し、そちらへ向かおうとするるこる。このビーチではあちこちでスイカが割られており全体がスイカの匂いに満ちているのだが、秘薬の効果を弱めにしておいたお陰で何でも拾ってしまうこともなく、近い匂いだけをうまいこと感じ取れた。
 そしてその方向に真っすぐすすみ、粉砕しないように無駄な動きなく優しく振り下ろす。手に伝わった衝撃に目隠しを外せば、その眼前には綺麗に二つに割れたスイカがあった。
「もう終わりか……」
 ついでに周囲にはやたら残念そうにする男性キマイラたちが目に入ったが、それは見ないことにしておくるこる。

 スイカ割りが終われば、割ったスイカは食べ放題。だがスイカ割りのぬぐえぬ悩みとして、割ったスイカはどうしても形が悪く食べ辛いという問題がある。
「色々とアレンジしても美味しいですぅ」
 そこでるこるは、そう言ったものはそのまま食べずにレモン果汁などを混ぜてスムージーにするなどのアレンジを加えていく。形が悪いならいっそ形そのものを失くしてしまうという逆転の発想だ。
 そしてもちろん綺麗に切ったスイカもそれはそれで山盛り頂いていくるこる。切り方も定番の山型カットや四分の一カット、果肉だけを四角く切り出したものや、二分の一カットをスプーンでくりぬいて食べるものと、色々な形を試していく。
「残してしまうと勿体ないですし、出来る限り頂きますねぇ」
 いくら食べ物に困ることのないキマイラフューチャーとはいえ、割って遊んだだけで捨てるのはよろしくないとスイカを次々腹に収めていくるこる。
 そうして割れも切れもしないスイカが現れるその時間まで、スイカの食べ放題は続くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『悪戯鼠『ペトリファイマウス』』

POW   :    石化爆弾『グランナイト』
【ポケット】から【大きな石化爆弾】を放ち、【爆心地から溢れる石化ガスによる石化】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    石化爆弾『ペリドタイト』
【ポケット】から【小さな石化爆弾】を放ち、【爆弾から飛び出した針に刺さると石化】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    石化爆弾『ポーフィリー』
【ポケット】から【着発式の石化爆弾】を放ち、【爆破した爆風を浴びると石化】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:ちぐ

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミスティ・ストレルカ(サポート)
基本方針は専守防衛・他者フォローです
サポート故、連携重視のお任せ

知らない人にはどうにも気後れしてしまうけど
それでも他の人が怪我するのも嫌なので押すところは押すのですよ
主にサモン・シープ等攻撃系のUCで他者行動の隙を消す様に立ち回るのです
中遠距離をとり全体を掴む感じですね

防御系の技能で時間稼ぎも行けますので
生まれながらの光での前線維持、魔力性防御障壁の囮役も…ちょっと怖いけど
でもでも、みんなの居場所を守るのですよー

そうそう、えっちなのはいけないと思います。
興味がない…訳ではないですがひつじさんが怖い雰囲気纏って凄い勢いで止めにツッコんでくるのです
年齢制限がどうとか、らしいです


雁野・リジ(サポート)
「オレが盗んでいいの?それとも盗まれたいの?何をくれる?」
貼り付けたような笑顔を浮かべている女性。
怪盗であると言うが怪盗が何かは分かっていない。

人間の姿をとる狸。人間には人間の、狸には狸の、オブリビオンにはオブリビオンの生活があるし考え方も違う。ということを知っている。
合わせられることは合わしていきたいけれど、
世界が滅ぼされると困っちゃうので、普通に戦う。


雪代・桜花(サポート)
 桜の精の仙人×パーラーメイド、17歳の女です。
 普段の口調は女性的(私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
サクラミラージュの山奥で生じた桜の精で、普段は『帝都桜學府』に通いながら色んなアルバイトをしている猟兵です。

UCによる技能強化で他参加者の文字通りのサポート役(戦闘支援の他、一般人相手の情報収集や敵地の偵察、給仕など)が理想です。
UCの『オールワークス!』で状況や目的に応じた手持ちの防具に着替え、その初期技能を上昇させ【情報収集】や【破魔】などでサポートします。あるいは軽機関銃と素の【援護射撃】や【制圧射撃】で戦闘をサポート。
その他、桜の精として影朧の転生やUCによる回復も可能。


ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
戦闘なら足と手数で勝負するけど、周りに合わせて臨機応変に動くわ。
見切ったり残像を残すように動いたりと、避けるのには多少の自信があるわよ。
集団戦なら死角を減らすために数を減らすのが先決、
あとは一緒に戦う人がいればその人次第かしら。

行動指針としては以下の3通りが主。
1.味方の死角にいる敵を優先して片付ける。
2.範囲攻撃を行なえる味方がいなければ範囲攻撃優先。
3.数を減らすため、止めをさせそうな相手を狙っていく。

台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎



 ビーチのあちこちで行われるスイカ割り大会。既にたくさんのスイカが割られていたが、また一つスイカに向けて勢いよく棒が振り下ろされた。だが、その後に響いたのは重く湿った音ではなく、高く無機質な音と何かが折れるような音。
「いったぁぁぁぁぁぁ!?」
 棒を振ったキマイラが悲鳴を上げて思わず手を離す。痺れる手で目隠しを取ってみれば、そこにあるのはスイカではなくちょうどスイカほどの大きさの岩石だ。
 これを思い切り殴ってしまったため棒はへし折れ、キマイラの手は痺れっぱなし。その様子を見て満足げに笑う少年の集団がビーチに現れた。
「ちゅーっちゅっちゅっちゅ! 大成功でちゅ! お前たちのスイカ割りを台無しにしてやるでちゅ!」
 言うが早いか少年たちは導火線のついた石のようなものを取り出すと、辺りにそれをばらまき始めた。それは程なくどかんと音を上げて爆発し、周囲にガスや針を撒き散らす。そしてそれらに当たったスイカは、全てガチガチに固まり石となってしまったのだ。
「石スイカ、割れるもんなら割ってみろっちゅ!」
 勝ち誇ったように笑う少年たち。彼らはただのいたずら小僧ではない。『悪戯鼠『ペトリファイマウス』』というその名の通り悪戯に命を懸けるオブリビオンだ。別にスイカ割りが憎いとか壮大な野望があるとかではなく、ただ悪戯して他人を困らせたいだけというはた迷惑なだけの存在だが、オブリビオンである以上なんやかんやあってその活動は世界の破滅につながるのかもしれない。
 だが、オブリビオンが暴れるところには必ず現れる者がいる。
「ラムダよ、よろしく」
「まぁ……どうされましたか? このような場所に」
 冷静に、あるいは丁寧に。ラムダ・ツァオ(影・f00001)と雪代・桜花(桜仙・f23148)がその場にありと姿を見せれば。
「太陽が美味しいのです?」
 ビーチにふりそそぐ夏の日差しを浴びてミスティ・ストレルカ(白羽に願う・f10486)が登場し。
「オレが盗んでいいの? それとも盗まれたいの? 何をくれる?」
 雁野・リジ(たぬき・f34917)が真意の読めぬ調子でひょいと現れる。
 そう、彼らは猟兵。たとえ些細な悪戯であろうと、オブリビオンが悪事を行うときどこからともなく現れる世界のヒーローだ。
 当然そうなれば周囲のキマイラたちは大盛り上がり。避難など一切考えずに写真や動画の撮影を始める。
「ちゅぅぅ……邪魔するなら、お前らも石にしてやるっちゅ!」
 何とも分かりやすい悪役台詞と共に、マウスたちは爆弾を大量に放り投げた。
 爆弾は次々爆発し、石化の爆風を辺りにまき散らしていくが、それに怖じることなく桜花が前に進み出た。
「この程度なら容易いものです」
 その姿はいつの間にか桜色の巫女服へと変わっている。そしてその姿に相応しい破魔の力が辺りを包み、石化の爆炎を押し返し周囲が石になるのを防いでいた。いくつもの衣装の中から選び【オール・ワークス!】で纏った桜の巫女服の力は、集団型とはいえオブリビオンのユーベルコードである爆風すら押し返す者となっていた。
「ひるむな! もっと投げるっちゅ!」
 それでも爆弾は大量にあるため、とにかく守りを抜くべくいくつも爆弾を撒き散らすマウスたち。今度は小さめの爆弾が爆発し、そこから細かな針が大量に撒き散らされた。物理的な力を持つそれは破魔の力だけでは押し返せず、その針が辺りのスイカや野次馬に当たりそれらを見る間に石化させはじめた。
「ちょっと怖いけど、でもでも、みんなの居場所を守るのですよー」
 そうなれば、ミスティが石化した者たちに指を向け、【生まれながらの光】を当てて治療していく。さらには前線維持のため、前にいる仲間にも光を当て石化しないよう回復の力を注ぎ続けるミスティ。当然どんどん疲労は溜まっていくがそれでも仲間の隙や戦線離脱を防げるならと、ミスティは小さな体から体力と気力を振り絞って光を放ち続ける。
「おのれ……ならあいつから石にしてやるっちゅ……?」
 ならばとマウスの一人がそちらを狙い爆弾を投げようとしたが、なぜか手の中には何もない。
「なるほど、いいものだね」
 その一方でリジの手の中には、こぶし大のごつごつした物体……石化爆弾が。所詮いたずら小僧でしかないマウスたちの隙だらけの手元に【スティール・カード】を投げつけるなど、怪盗を名乗るリジには朝飯前の事であった。
「な、なにするか! 返せっちゅ!」
「うん、いいよ。はい返す」
「や、やっぱ返さなくていいっちゅ……ちゅー!?」
 言われるがままにマウスに爆弾を投げ返すリジ。当然ながらそれはマウスの方で爆発し、彼ら自身を石に変えていった。
「今回の役回りはこれかしら?」
 そうしてビーチに立つ石像の群れに、ラムダがするりと滑り込んでいく。その手には白い刃のサムライブレイドが。
 その刃が一閃され、石となったマウスを両断した。動かぬ相手に振るうならば、【剣刃一閃】の一太刀は石すらも容易く切り裂く。元々は死角を狙い仲間に呼応して動くのが本分であるラムダだが、今回の仲間は皆後方での支援を得手とする者ばかり。なれば自らが前線を張るのが役目と、次々と剣を振るい敵の数を減らしていった。
「ちゅー! スイカしか割れないんじゃなかったんでちゅかー!」
 動かぬスイカばかり殴ってる連中を高をくくって悪戯に来たマウスたち。その甘い考えは、骸の海送りというお仕置きによって打ち砕かれたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
悪戯とは言え、食物を粗末にされては?
お仕置きが必要ですねぇ。

『FTS』で西瓜を一時回収、『FMS』のバリアと併せて西瓜を守りましょう。
更に【遷胡】を発動、野次馬のキマイラさん達を保護し、彼らの『石化』を全て私に移しますねぇ。
【遷胡】で纏った『加護』により、状態異常は全て『反動』に置換されますから、数が多い分私自身の体型は凄い事になりますが、移した分だけ『攻撃回数』を増加出来ますので、そのまま『FRS』『FSS』の[砲撃]で叩きますぅ。
『反動』による大増量を利用し[重量攻撃]、押し潰してしまっても良いですねぇ。

無事に対処を終えましたら、西瓜食べ放題の続きを楽しみましょう。



 悪戯鼠『ペトリファイマウス』、その目的はその名の通りただの悪戯である。遊び半分どころか完全に遊びの襲撃だが、それを遊びで済まさない者がいた。
「悪戯とは言え、食物を粗末にされては? お仕置きが必要ですねぇ」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はいつもと変わらぬ笑顔に恐ろしいほどの圧を込めてそう言った。
「ちゅ? どうせいくらでも出てくるスイカっちゅ。悪戯して何が悪いっちゅ!」
 食べ物への敬意など微塵もない発言。生活に困るということのないキマイラフューチャーではもしかしたらありがちな考え方なのかもしれないが、それがるこるの逆鱗に触れた。
 るこるはまず物質運搬用の装備『FTS』をフル稼働、周囲のスイカを全てその中に収めたうえでバリア装置『FMS』を全てそちらに向けスイカを完全に守る構えを取った。
「こいつバカだっちゅ、自分の防御忘れてるっちゅ!」
 それに調子づき、そこら中に爆弾をばらまくマウスたち。それはビーチの四方八方に散らばり、一斉に爆発して辺りにガスを撒き散らした。
「え、な、なに……こ、れ……」
「か、からだ……うごか……な……」
 それは辺りで野次馬になっていたキマイラたちを石化させていく。あくまで目的は悪戯であるが、その結果がどんなことになろうが知ったことではないと言うあたりは彼らのオブリビオンとしての悪質さの一端ともいえるのだろう。
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『変幻の加護』をお与え下さいませ」
 るこるは【豊乳女神の加護・遷胡】を発動、周囲のキマイラたちの石化を自分に映す形で解除していく。るこるに移った石化は肉体の膨張に変換され、その体を極度に膨らませた。
「ちゅー!? こいつがスイカになったっちゅ!」
 丸々と膨らんだその体はまさにスイカ。ただしサイズはスイカの何倍あるかというほどだ。そのまま豊満さに比例する攻撃回数をのせた兵装によって砲撃をかけていくるこる。
「ちゅー!」
 砂を舞いあげる爆発の中、マウスたちが宙を舞う。そのままどさどさと砂浜の上に落下してくるマウスたちだが、どうやらまだ消滅には至っていないらしい。
「ちゅ、ちゅ……」
 仕留め切れなかった……というよりわざととどめを刺さなかったと思しき攻撃を受け、顔を上げるマウスたち。そうすれば真夏の晴天だというのになぜか薄暗い。そのまま視線を上げてみれば。
「ちゅー!?」
 目の前には超巨大な肉スイカ……もといるこるの体が。
「これがお仕置きですよぉ」
「ぢゅー!」
 その巨大な体がそのまま転がり、小さなマウスたちはその圧倒的質量の下で押し潰され骸の海へと強制送還されていった。
 相手が全滅したのを確かめ、るこるは隠していたスイカを全て外に出す。辺りに散らばる大玉スイカの中央に聳えるその巨大な体は、さしずめスイカの女王といったところか。
「西瓜食べ放題の続きを楽しみましょう」
 マウスたちの実力が低かったお陰か、このサイズでも命に係わる膨れ方ではないらしいるこるはそう言って守ったスイカを次々食べていく。スイカビーチの夏は、こうして守られたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年07月13日


挿絵イラスト