●グリモアベース
「皆さん、はじめましてー、突然だけど、パルクールって知ってる?」
人を集めたと思うと、藪から棒にそんな質問を繰り出すのは、「パルクール」アスリートにしてグリモア猟兵の虹ヶ崎・夜見(止めうるもの無し・f37905)だ。
「フリーランニング、とも言うらしいんだけど、ともかく、街や自然環境を、自身の身体能力の限界を引き出して滑らかに素早く通り抜ける、サイコーにクールな競技なんだ」
全身からパルクール大好きオーラを放ちながら、夜見は言う。
「……ま、今のアスリートアースではまだ公式競技にはなってないんだけどね……」
突然、夜見のテンションが落ちる。
アスリートアースで公式競技といえば、このオープニングが書かれた時点では、野球、サッカー、テニス、トライアスロン、カードデュエル、バトロワ、モーターレース、運動会の事を指す。
それ以外は「その他」スポーツ、などと呼ばれ、まだ公式競技とは扱われていない存在である。
「けど、サイコーにクールだし、公式じゃないなりに人気のある競技なんだ。その証拠とは言わないけど、ダークリーガーがこの競技に参加する気みたいなんだ」
ダークリーガー、それはアスリートアースにおけるオブリビオンの別名である。
彼らは試合に乱入すると自身の参加したチームのメンバーをダーク化させ、最終的にはどこかへと連れ去ってしまう。
これが他の世界なら、オブリビオン即斬とばかりに倒してしまっても良いのだが、アスリートアースでは、そうはいかない。
なぜなら、オブリビオンを殺しても、ダーク化は解除されないからだ。
ダーク化した人々を救うには、正々堂々とダークリーガーと競技に臨み、そして、勝つしか無い。
「だから、お願い! ここでみんなを転移させるしか出来ない私に代わって、パルクールの競技に参加して、ダークリーガーを倒して!」
夜見が真剣な表情で深く深く頭を下げた。
で、ルールは?
と、誰かが聞いた。
もしかしたら、単に聞いてみただけかもしれないが、夜見はそれを引き受けてくれると解釈したらしい。
満面の笑みで顔を上げ、説明を始める。
「パルクールのルールは「スピードラン」、「フリースタイル」、「スキル」、「ダウ」なんかがあるんだけど、アスリートアースで主流なのはその複合型、街一つをまるごとコースにしての、「パルクールレース」!」
すごく簡単に説明すると、街一つを舞台として規定し、その街の一番対角線が長くなる角からスタートして、対角線上のもう一つの角をゴールとしたレースのようだ。
「街一つが舞台だから、コース取りは自由。以下に美しく障害物を乗り越え、壁を登り、ビルからビルへ飛び移るか、という所謂技術点もあるから、出来るだけ技術点を稼げるコース取りをしたいところだね」
最終的に技術点が最も高い選手が優勝らしい。ではゴールに意味がないかと言うと、ゴールインした順番でもボーナス点がつくので、速いに越したことはない。
ちなみに技術点の判定は街中を飛び回っている無数のドローンで行われるようだ。
「で、ここからが特徴的なところなんだけど、まずはアスリートアースの競技らしく、妨害はあり! ただし、パルクールだからね、美しく妨害を受け流せばむしろこっちの技術点になるし、逆に甘い妨害だとやっぱり相手の技術点にされちゃうかも」
妨害をどういなすかさえ、競技の一貫、ということらしい。
「そして、最後の最後、競技の参加者にタッチして「タッチ!」と宣言したら、宣言された選手はその時点で競技から脱落となる。技術点はそのままだから、脱落までに技術点をめっちゃ稼いでたら脱落しても勝ちの可能性はなくはないけど……、まぁ基本的にはないかな」
つまり、相手選手にタッチされないように立ち回り、可能ならこちらからタッチを狙う、という事も考えなければならないようだ。
ちなみに、タッチそのものには技術点は発生しないらしい。
「で、競技は明日なんだけど、私の所属してるパルクールチーム「フリーロームズ」が前日に現地入りして、コース決めのために下見してるから、合流してくれるかな? パルクールに詳しくない人は、そこでうちのチームの仲間に教えてもらうと良いと思うよ」
先の説明の通り、パルクールレースは「いかに技術点を稼ぎながら」「早くゴールにたどり着くか」が重要となる。技術点を稼ぎやすくかつ最短ルートに近いルートを見つけておくことは勝利の近道と言える。
もちろん、そもそもパルクール自体初挑戦の猟兵はここで技術点を稼げるテクニックについて学んでおく必要もあるだろう。
「あと、ダークリーガーは過去の選手だから、もしかしたら、なにか弱点とか挫折のエピソードとか、知ってる人がいるかも」
私はあんまり過去の選手とか詳しくないから、ごめんね……、と夜見。
「当日になったら、いよいよ試合開始。予知によれば、ダークリーガーは流石の速さでさっさと移動しちゃうみたいだから、まずはダーク化した相手とのデッドヒートになるよ。さっさとパルクールで振り切っちゃうも良し、タッチして脱落を狙うも良し、相手の攻撃をいなして、技術点にしちゃうも良し、とにかくいい感じに対処しちゃって!」
ただし相手も相応のもの。バットで攻撃してきたり、ちょっとした技術的ミスを帳消しにしたり、完全なパルクールで攻撃を回避したりするらしい。
「ゴール近くになれば、ダークリーガーに切迫出来るはず。ダークリーガーの妨害に対処しつつ、ダークリーガーより早く、美しく、ゴールしちゃって!」
ダークリーガーの名はブラッド・エンプレス。『血の女帝』の異名で呼ばれた凄腕のレーサーだが、速さを求めるがゆえ、凄腕のパルクール選手でもあるらしい。
ちなみにゴール近くまでの十分に技術点を稼いでいる時は、自身のレーサーとしてのマシンを呼び出して、ゴールに向かうという荒業に出る時もあるらしい。
「ともかく強敵だから、気をつけてね」
そう、夜見は締めくくった。
「じゃ、いってらっしゃい。勝利の報告、待ってるからね!」
そして、よかったら次は私と競おうね。
と、夜見のグリモアが輝き、転送ゲートが出現する。
行く先は明日パルクールレースが開催される街、パルクールチーム「フリーロームズ」の集合場所だ。
メリーさんのアモル
超人スポーツの世界からこんにちは、メリーさんのアモルです。
「その他」スポーツとして、パルクールを流行らせたい、パルクール好きの私です。
好きと言いつつ、見る専のインドア派なので、間違ってることとかは許してください。
簡単にルールをまとめておきます。
・街一つがまるごと舞台。
・街の一番長い対角線の角と角がスタート地点とゴール地点。
・ゴール地点に早く到達すればするほど、ボーナス点が入る。
・途中、美しい技術を見せつけたり、トリックを決めると技術点が入る。
・妨害はアリ!(ただし、妨害を綺麗にいなせばいなした側に技術点)
・手で選手に触れて「タッチ!」と宣言すれば、その選手はそこで脱落。
●第一章
冒険。チーム「フリーロームズ」のメンバーと一緒に、街を下見します。
いい感じのロケーションなどを発見しておいて、二章以降に使用すると、プレイングボーナスが付きます。
また、単純にこの章でトレーニングしておけば、以降の章でプレイングボーナスをおつけします。
●第二章
集団戦。ダーク化した選手「竹元ボブ子」とパルクール勝負を繰り広げます。
敵はこちらをタッチしようとしたり、妨害しようとしてきたりしますので、いい感じにいなしたり、さっさと追い抜いたり、逆にタッチしてやったりしましょう。
ダーク化してるだけの一般人なので、殺してしまってはいけません。
●第三章
ボス戦。ダークリーガー「ブラッド・エンプレス」とパルクール勝負を繰り広げます。
POWの場合、レーシングカーで走り出すので、気をつけてください。
彼女について第一章で有益な情報を引き出せていると、それを利用することでプレイングボーナスを得られるかもしれません。
殺してしまうと、ダーク化を解除できなくなってしまうので、殺してしまってはいけません。
それでは、正々堂々、パルクールレース、開幕です!
第1章 冒険
『その他スポーツを練習しよう』
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POW : 体当たりで果敢にチャレンジする
SPD : 器用にコツを掴みながら練習する
WIZ : ルールや戦術の理解を深める
イラスト:十姉妹
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
エメラ・アーヴェスピア
なるほど、そういう競技をしている人達も居るのね、この世界
何事も経験かしら…とはいえ私が参加できるかどうかは…ルールの確認がいるけれど
さて、チームと一緒に事前の下見…つまりは【情報収集】ね?
それに関しては私の得意分野、「魔導蒸気ドローン」を飛ばして3Dマップを制作して
そうね、出来るだけ平らな壁や床がある場所を調べたいわ、大きさ自体は関係なしで
最後に一番重要な事をお聞きしたいのだけれど…機械に騎乗しての参戦は許されるのかしら?
OKなら今日下見したコースにあわせて後で「陸戦型高機動魔導蒸気騎乗鎧」の調整をしてしまうけど
…レーシングカーを持ち出す人も居る位だから問題無いと思うわ
※アドリブ・絡み歓迎
「なるほど、そういう競技をしている人達も居るのね、この世界。何事も経験かしら……とはいえ私が参加できるかどうかは……ルールの確認がいるけれど」
そう呟きながら、舞台となる街に降り立ったのは、少女の如き見た目の女性、エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)だ。もっとも、幼女のようなのは見た目のみ、体を機械化したが故に成長こそ止まっているがその齢は……、これ以上は女性に対しては無粋な言及だろう。
早速エメラは、フリーロームズの面々と合流する。
「やぁ、話は夜見から聞いてるよ。パルクールの経験はない人が多いけど、凄腕のアスリート達だって」
フリーロームズは暖かくエメラを出迎えてくれた。
むしろ、まるで人形みたいで可愛い子だな、とフリーロームズの男衆の視線を釘付けにしてしまった。
「それじゃあ早速、街の下見に行こうか」
「事前の下見、つまりは情報収集ね?」
下見に向かうにあたり、エメラには準備があった。かつてはUDC所属の情報戦要員でもあったエメラ、情報収集は得意分野である。
エメラは早速、魔導蒸気ドローンを空に放つ。それは、エメラが紆余曲折の末に身につけた魔導蒸気機械の技術により作られた魔導蒸気で動くドローン。
それは速やかに舞台となる街の3Dマップを作成していく。
エメラがその中で重視したのは平らな壁や床のある場所。
その結果、『街の北側に大きく回り道すると幹線道路があり、ゴールの比較的近くまで平らな道が続いている』事、『街の中央は中層程度のビルが敷き詰められるように立ち並んでいる』事などが見て取れた。
下見を始めてすぐの話である。フリーロームズの面々も下見開始すぐに得られたその情報にすごい、と湧き立つ。基本、身体能力に自信のある彼ら、基本的に足で稼ぐ方法しか知らないのであった。
「すごいや、こんなすぐに街のほとんどの様子が分かっちゃうなんて」
興奮気味のフリーロームズの面々。
「喜んでもらえて良かったわ。ところで、最後に一番重要な事をお聞きしたいのだけれど」
そして、エメラは自身にとって最も重要な問いかけを発する。
「……機械に騎乗しての参戦は許されるのかしら?」
予知によればダークリーガーはレーシングカーを使うとの事だ。無理ということはないと思うが。
「機械に騎乗……? あぁ、乗り物に乗るのは、ルール上問題ないですよ。スタート地点から技術点を稼ぎやすい地点までバスで移動する選手なんかもいたりするくらいです」
フリーロームズの面々はそんな突飛な質問にもすぐに答えてくれた。
「ただ、乗り物に乗っている間は技術点を獲得出来ませんから、よほど効果的に使えるんじゃない限りは機械に乗って優勝ってケースは見ないですね」
パルクールレースは如何に速くゴールに辿り着くかはもちろん、道中の技術点も極めて重要になってくる競技だ。
単に乗り物に乗って速くゴールするだけでは、道中で着実に技術点を積み上げた選手には勝てないことが多いようだ。
ダークリーガーが終盤にレーシングカーに乗るのはそこから先は速さを優先しても問題ない程度にそこまで自身の実力で着実に技術点を稼いで来たという自負があっての事だろう。
とはいえ、フリーロームズの面々は既にエメラがどのような乗り物に乗るつもりなのか興味津々の様子だ。
先に見せた魔導蒸気ドローンのような凄いものが飛び出すのではないかと期待している。
エメラは回答如何で、コースに合わせてチューニングした陸戦型高機動魔導蒸気騎乗鎧を用意するつもりだった。これはやはり魔導蒸気技術で動く鎧で、高速戦闘を想定して様々な装備を搭載出来る機械だ。
結局エメラが陸戦型高機動魔導蒸気騎乗鎧をセッティングしたのかどうかは、明日の本番になれば分ることだろう。
大成功
🔵🔵🔵
ラップトップ・アイヴァー
◎×
コース決定中に、パルクールの前半と終盤の2箇所で良い場所がないか、ロケーションを探索。
そして、パルクールレースのルールと技術点の理解を深めますわ。
特にタッチに関して、甘くない妨害をする技術、そしてこちらからタッチをする時のテクニックを重点的に。
そして最後に、瞬発力で身をひらりと躱すトレーニングを、味方の選手たちに手伝ってもらう。
そして余裕があれば、練習中、血の女帝に関する過去を、知る人を募って聞き出しますわ。
生き残る術はバトロワで学んでいますからね、ギリギリは好きでしてよ!
《相変わらず身体でしか考えないね、お姉ちゃん。
じゃあみきは、頭で情報を整理するの。
頭脳はみきが動かせば、完璧でしょ?》
次に街に降り立ったのは、シエル・ラヴァロと三上・美希の双子で一つの体、ラップトップ・アイヴァー(動く姫君・f37972)だ。
彼女(達)はこのアスリートアースの出身で、姉のシエルはバトロワシューターでもあった。
メインで体を動かしているシエルは、早速フリーロームズの下見に加わり、フリーロームズの面々と一緒に足で情報を稼ぎ始める。
バトロワとパルクール、カテゴリは全然違えど、鍛えた体がものを言うのは間違いない。
フリーロームズの面々とシエルは問題なく話があった。
シエルが気にしたのは二つ。スタート地点周辺、つまりダーク化選手と主に戦う事になりそうな序盤の環境と、ゴール周辺、つまりダークリーガーと戦うことになりそうな終盤の環境だった。
まず、スタート地点周辺、大きく分けて三つのルートが考えられそうだ。
一つ目は、街の北側を大きく回るルート。先の猟兵が発見した幹線道路に向かうルートで、背の高さの違う建物が寄り集まっている。
フリーロームズ達によれば、クライムアップやウォールラン、ランディングなどを駆使すれば、十分に通過可能だろうとのことだ。
二つ目は、街の中央を通過するルート。先の猟兵が発見した中層程度のビルが敷き詰められるように立ち並んでいるエリアに向かうルートで、大きめの公園が存在している。
様々な遊具があり、色々なテクニックを駆使すれば、他の選手と妨害合戦が出来そうだ。
三つ目は街の南側を回るルート。ジグザグした下り道が続いている。
道と道の間はガードレールが塞いでいるが、フリーロームズ達によれば、ヴォルトを駆使すれば、ショートカットが可能とのことだ。
まとめると、『北側ルートの序盤は高さの違う建物が寄り集まっている』、『中央ルートの序盤は広く障害物のある公園がある』、『南側ルートの序盤はジグザグした下り道』、という感じだ。
続いて終盤。
まず北側ルートは、幹線道路はゴール近くまで続いており、そのまま幹線道路を通ってゴールまでいけそうだ。ただ、それは同時に起伏がほとんどないことを意味し、技術点を稼ぐのが難しい、とフリーロームズの面々は言う。
続いて中央ルートは複数の道が行く手を遮っている。ガードレールはヴォルトで超えられるが、車の往来があり、走り抜けるのは危険そうだ。
最後に南ルートはこれまたジグザグな登り道になっている。クライムアップやウォールランで如何に登っていくかが鍵になりそうだ。
まとめると、『北側ルートの終盤は幹線道路でゴールまで行ける』、『中央ルートは複数の車道が行く手を遮っている』、『南側ルートはジグザグした登り道』、と言う感じだ。
ちなみにいずれの場合も最後は幹線道路に合流する。『ラストスパートは幹線道路でゴールまで向かうことになりそう』だ。
ちなみに、これらのまとめはシエルではなく、頭の中の美希が行なっている。
《相変わらず身体でしか考えないね、お姉ちゃん。じゃあみきは、頭で情報を整理するの。頭脳はみきが動かせば、完璧でしょ?》
と言うことで、完璧な双子コンビネーションだ。
ちなみに美希が情報をまとめている間、シエルがしていたのは、ひたすらの練習だった。
パルクールで技術点を得るための基本技。
衝撃を吸収しながら着地するランディングに、着地時に回転して衝撃を分散するPKロール。
障害物を乗り越えるヴォルト。
壁に捕まって登るクライムアップに、壁を蹴って登るウォールラン。
元々バトロワで体を動かしまくっていたシエル。『最終的にシエルは全ての基本技を難なく取得してみせた』。
そして。
「タッチの技術が欲しいですわ。甘くない妨害をする技術、そしてこちらからタッチをする時のテクニックなど」
そして、思想はやはりバトロワ出身か。相手を攻撃する技術をシエルは欲した。
フリーロームズはこれに付き合い、『シエルはパルクールの独特の動きに順応しつつ相手をタッチしたり、妨害できる術を身につけた』。
「なかなか、楽しいですわ。生き残る術はバトロワで学んでいますからね、ギリギリは好きでしてよ!」
上機嫌のシエル。
《お姉ちゃん、血の女王について聞いてみないと》
上機嫌で最後の目的を忘れていそうなシエルに、美希が口を挟む。
「おっと、そうでしたわね」
練習の休憩時間、シエルは手近なフリーロームズの面々に質問を投げかける。
「血の女王と呼ばれるパルクール選手についてご存知でして?」
「あぁ、血の女王か。レーサーとしての方が有名だけど、パルクール選手でもあったらしいよな」
まず一人が応じる。グリモア猟兵も言っていたことだ。この辺が大体知られている範囲の話らしい。
が、深く根気強く聞いてみると、一人が興味深い話をしてくれた。
「昔、血の女王のパルクール経験について聞いたインタビューを見たことがあるよ、非公式な競技だからインタビューアーも詳しくなさそうだったけど、面白いことが書いてあったよ。一度、プレシジョンに失敗して、痛い目を見たらしくて、それ以来、プレシジョンする時は少し身構えてしまうらしい」
プレシジョンとは飛び越え技の事だ。すごく簡単に言えば幅跳びの事、と説明すれば分かりやすいかもしれない。
と言っても、その飛び越える対象は概ね穴。失敗すれば落下し、大怪我の可能性もある。
血の女王と恐れられた彼女も、かつては未熟だったこともあり、その時に怪我をした記憶を忘れられないのかもしれない。
《『血の女王はプレシジョン(飛び越え)が苦手』って事だね。覚えておかないと》
もしかしたら、何かに活かせるかもしれない。
シエルはその後も練習を続け、バトロワにパルクール技術を活かせるだろう程度にはパルクールの技術を身につけた。
大成功
🔵🔵🔵
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
◎
ふーむ、パルクールねえ。
まあ体を動かすのは得意分野だし、何とかなるかな。
それじゃあフリーロームズの人たちに挨拶して準備を始めようか。
さて、まずはどういう動きが技術点になるのか教えてもらわないとね。
一番早くゴールに着けばそれで勝ちってわけじゃないんだし。
実演して貰ったりそれを真似したりして、動きを覚えていこう。
そういえば尻尾とか人間には無い部位を使った時って技術点どうなるんだろ。
一応見た目は人間に擬態した方がいいのかな。
後はコースの下見をしようか。
技術点を稼ぐなら、なるべく入り組んだ所を通るようにした方がいいのかな?
そういう場所を探しながら、当日のコース取りを考えていこうか。
「ふーむ、パルクールねえ。まあ体を動かすのは得意分野だし、何とかなるかな」
そう考えながら、舞台となる街に降り立つのはペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)。長いので、ペトと呼ばせてもらうことにしよう。
「よろしくおねがいします〜」
ペトはのんびりと、しかし、礼儀正しく、フリーロームズの面々に挨拶する。
フリーロームズの面々は「よろしく」とフランクに挨拶を返す。
「さて、まずはどういう動きが技術点になるのか教えてもらわないとね」
ペトは早速とばかりに、フリーロームズの面々に競技について教わり始めた。
――一番早くゴールに着けばそれで勝ちってわけじゃないんだし。実演して貰ったりそれを真似したりして、動きを覚えていこう。
フリーロームズの面々は大なり小なり、パルクールという競技を広めたいと考えており、教えを請われれば勿論、断ること無く、喜び勇んで教えてくれた。
まず最初に教えてくれたのは、パルクールで技術点を得るための基本技達。
衝撃を吸収しながら着地するランディングに、着地時に回転して衝撃を分散するPKロール。
障害物を乗り越えるヴォルト。
壁に捕まって登るクライムアップに、壁を蹴って登るウォールラン。
穴や隙間を飛び越えるための幅跳びに似たプレシジョン。
ペトは熱心にそれを学び、『ペトはパルクールの基本技を取得することに成功した』。
(そういえば尻尾とか人間には無い部位を使った時って技術点どうなるんだろ。一応見た目は人間に擬態した方がいいのかな)
アスリートアースは人間のみが存在する世界だ。基本的には猟兵は猟兵の特殊能力により、人間に見えているはずではあるが、人間には無い部位を使ったアクロバットは技術点にならない可能性もあるかもしれない。
一通り基本を覚えたペトは、その基本を活かせる場所を探すべく、フリーロームズの面々と下見を始めた。
技術を活かす事を考えて探った結果、『南側ルートの中盤辺りから中央ルートの中盤を経由して、北側ルートの幹線道路に合流するルートを通ると、様々なテクニックを使うのに向いたポイントが複数ある』と感じた。ただし、明らかに遠回りで、タイムロスにはなる。
ペトは早速そのコースを使って、体得したテクニックを一通り再確認し、自身の技術が確かに自分のものになっていることを確認し、その日の練習を終了した。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『竹元ボブ子』
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POW : 釘バット乱舞
自身の【バット】に【大量の釘】を宿し、攻撃力と吹き飛ばし力を最大9倍まで強化する(敗北や死の危機に比例する)。
SPD : そうはならんやろ
戦場内の味方の、10秒以内の【失点につながるミス】を無効化する。ただし、自身の幸福な記憶ひとつを心的外傷に改竄する。
WIZ : 完全に理解した
【まるですべてを理解したように】対象の攻撃を予想し、回避する。
イラスト:瓜瓜の狭間
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●アスリートアース - とある街
ついにパルクールレースの当日がやってきた。
フリーロームズも、『血の女帝』率いるライバルチームも、どちらも大いに燃えている。
非公式スポーツゆえに、観客は多いとは言えないが、審判用兼配信用ドローンも数多く空を飛び、画面の向こうで多くの人々が彼らの活躍を待っている。
当然、その参加者の中には、猟兵の姿もあった。
「よーい」
銃型のスターターを持った男がよく通る声で叫ぶ。
スターターが銃声に似た始まりの音を告げる。
両チーム一斉にスタート。
いよいよ、試合が始まる。
同時、ダーク化した選手達がバットで襲いかかる。
フリーロームズの面々はこれを華麗にテクニックを駆使して回避するが、その間に。
「もう『血の女帝』の姿が見えない!?」
驚愕するフリーロームズの面々、しかし、驚愕している暇はない。
後はひたすら、走って、跳んで、越えるだけだ。
●マスターより
ここまでに出た情報をまとめておきます。
●コースについて
・街の北側に大きく回り道すると幹線道路があり、ゴールの比較的近くまで平らな道が続いている
・街の中央は中層程度のビルが敷き詰められるように立ち並んでいる。
・北側ルートの序盤は高さの違う建物が寄り集まっている
・中央ルートの序盤は広く障害物のある公園がある
・南側ルートの序盤はジグザグした下り道
・北側ルートの終盤は幹線道路でゴールまで行ける
・中央ルートは複数の車道が行く手を遮っている
・南側ルートはジグザグした登り道
・ラストスパートは幹線道路でゴールまで向かうことになりそう
・南側ルートの中盤辺りから中央ルートの中盤を経由して、北側ルートの幹線道路に合流するルートを通ると、様々なテクニックを使うのに向いたポイントが複数ある
●『血の女帝』について
・血の女王はプレシジョン(飛び越え)が苦手
上手く活用するとプレイングボーナスがあるかもしれません。
また、その他、「[キャラクター名]はテクニックを身に着けた」といった旨のリプレイを受け取っているキャラクターは、プレイングボーナスが付きます。
エメラ・アーヴェスピア
あら、厳しい解答ね
よく考えれば、人型の乗物が参加する事なんて想定できる方がおかしい、か
…「自身の身体能力の限界を引き出して」って所に引っかかるかもしれないけれど
まぁ技術点が評価されなかったらそれはそれ、ちょっとした色物枠と見てもらいましょう
ルートとしては北側から中央のビルを通る、とにかく建物のあるコースを選択よ
跳躍力と可動域を高めた「陸戦型高機動魔導蒸気騎乗鎧」を【操縦】
始終建物の壁を壁蹴りやローラー【ダッシュ】を生かした壁走りで移動、その跳躍の合間にトリックをするわ
途中一番高いビルには垂直で登り切ったうえで跳躍、フリーフォールからの着地よ
こんな事、普通じゃできないでしょう?これが私の技術力よ
まぁ、無茶させる事には変わらないから試合後のメンテは必須ね…
…自身で走れ?無茶言わないで頂戴、見た目相応程度の身体能力しかないから、日が暮れるわよ?
あぁ、絡まれるのは嫌だからスタートはさっさと跳ばせてもらうわ
『闇切り裂くは我が流星』、射出するのは私が【騎乗】した「騎乗鎧」よ
※アドリブ・絡み歓迎
(あら、厳しい解答ね。よく考えれば、人型の乗物が参加する事なんて想定できる方がおかしい、か)
試合開始前、これから走るコースに向けて陸戦型高機動魔導蒸気騎乗鎧を調整するのはエメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)だ。
(……「自身の身体能力の限界を引き出して」って所に引っかかるかもしれないけれど
まぁ技術点が評価されなかったらそれはそれ、ちょっとした色物枠と見てもらいましょう)
エメラは今回のこのパルクールレースを跳躍力と可動域を高める形で調整した陸戦型高機動魔導蒸気騎乗鎧に乗って走破することを決めていた。
本人の独白の通り、パルクールは自身の身体能力の限界を引き出し、追求するスポーツだとされている。人型の乗り物と言えど、技術点が入る可能性は低そうに思える。
それでもエメラはこのレースに参加すると決めたようだ。
そんなわけで、スタート地点に並んだ時、否応無しにエメラは目を引いた。
なにせみんなが生身で横並びになっている中、二足走行型の騎乗用魔導蒸気兵器に乗っているのだから。
それは当然、ダーク化した選手達からの注目も浴びているということであり、スターターの音が鳴り響くと同時、ダーク化した選手達は一斉にエメラに襲いかかった。
「出力調整及び砲弾の装填完了。それじゃ、終わらせましょう」
しかし、彼らの攻撃がエメラに届くことはなかった。
スタートと同時、エメラはユーベルコード、闇切り裂くは我が流星(シュートアウト)を発動。魔導蒸気カタパルト砲を出現させ、撃ち出した。
砲弾を、ではない。自分自身を、だ。
「悪いわね、絡まれるのは嫌だからスタートはさっさと跳ばせてもらったわ」
飛翔先は街の北側、高さの違う建物が乱立する区画。
一気に飛び出したエメラはそれにより、暫定二位のポジションを獲得し、さらにダーク化した選手達と、そして観客の注目を集めた。
あくまでこれはパルクール、ということなのか、エメラは地面を走らず、終始、建物の壁を壁蹴りし、ローラーを生かした壁走りし、そしてそれぞれを移動する跳躍の合間にトリックを決める。
先に触れた通り、それはあくまでエメラ自身の身体能力の発露ではないため、技術点の獲得には至らないのだが、観客たちはその派手なアクションに大いに湧き、審判までもが、技術点を加算するべきか悩むほどだった。
そんな見事な走りを前に、ダーク化した選手は到底エメラに追いつけず、エメラは暫定二位を維持し続ける。
ダーク化した選手はエメラを追うため、北側ルートに多く移動しているようだ。
しかし、建物群を突破し、幹線道路に到達したエメラは少し幹線道路を走ったと思ったら、即座に幹線道路を降り、街の中央に向けて移動を始める。
町の中央、中層程度の建物が立ち並ぶ区画に向かったエメラは建物に対し、垂直に上昇、さらに最も高い建物を登り終えたかと思ったら、そこから全力で跳躍し、今度はフリーフォール。
「こんな事、普通じゃできないでしょう? これが私の技術力よ」
実際には、無茶させる事には変わらないため、試合後にはメンテが必須なのだが、エメラは得意げだ。
それに対し、観客はさらに沸き立つ。
と言っても、沸き立つ観客だけではない。
ある観客の近くを通りかかった時、エメラは確かにその声を聞いた。
「ちゃんと自分の足で走りやがれバカヤローーーーー!」
「無茶言わないで頂戴、見た目相応程度の身体能力しかないから、日が暮れるわよ?」
その罵倒に、エメラは相手に聞こえるとは思わないなりに、きちんと返答した。
エメラはダーク化した選手の注意を惹き付けた上で翻弄し、暫定二位をキープしたまま走り続けた。
やがて、彼女の活躍を見た人々の一部により「パルクール機械部門」なる部門が成立してしまうまでになるのだが、それはまだ先の話だ。
成功
🔵🔵🔴
ラップトップ・アイヴァー
◎×
《はいはい慌てない。最初は女王が早過ぎて手の付けようが無いんだから、今は敵集団に集中してなの》
じゃあ、こう通ればいいんですのね!?
街の中央を通るルートを使い、可能な限り多くの敵選手と並走しますわ!
手すりはバランスで渡って、
小さな遊具はヴォルトで超えたり、ジャングルジムなどの大きな遊具はたくさんの敵選手と遊ぶのにいっぱい使わせてもらいますわ!
着地は基本的にPKロール!
《お姉ちゃんのバトロワスイッチが入っちゃったの。
スピードを調整してたのね。
そしてわざとタッチの技術を理解される…。
ああ、UCの条件揃ってるじゃん。
自分をわざと不利な戦術上において、3倍の命中率と回避率で敵選手たちの完全理解を上回って、ギリギリで全ての独特な動きをいなしながら、このタッチを多くに届かせるつもりなのね》
そして…妨害こそアクティヴに。
十分な技術点を稼いだら、わざと敵と逆方向にダッシュして、タッチを避けながら多くの敵を巻き込み転倒させ、そしてまたコース通りに走りましょう!
《…あ、死人は出さないでね?
面倒なの》
『血の女王』の圧倒的な走りに、ラップトップ・アイヴァー(動く姫君・f37972)の肉体側、シエル・ラヴァロは追いかけようと駆け出す。
《はいはい慌てない。最初は女王が早過ぎて手の付けようが無いんだから、今は敵集団に集中してなの》
が、それを静止するのは、ラップトップの精神側、三上・美希だ。
冷静に状況を見定め、ここまでの情報をまとめた美希は自身の作戦をシエルに伝える。
「じゃあ、こう通ればいいんですのね!?」
そして、改めてシエルが駆け出した先は、街の中央を通るルートだった。向かう先は中央ルート序盤にある大きな公園だ。
速度を調整し、あえてダーク化した選手達と並走する。
バトロワで対戦相手からの敵意を感じるのに慣れたシエルは、ダーク化した選手達が明らかに自身への攻撃のチャンスを狙っているのを肌で感じた。
シエルは公園までの道道にある手すりを綺麗にバランスで渡り、公園の遊具をヴォルトで越え、着地は綺麗にPKロール。基礎技を着実に積み上げ、技術点を稼いでいく。
そして接近するジャングルジム。シエルはジャングルジムを利用し、アクロバットな動きを披露してダーク化した選手に向けてタッチしようと迫る。
しかし、その動きは熟練した選手から見るとあまりに甘く、軌道を「完全に理解した」ダーク化した選手により、回避されてしまう。
ジャングルジムを越えた辺りで、ダーク化した選手達は、シエルのあまりに一辺倒な動きから、シエルの実力の程度を理解した。
「なるほどね、完全に理解した」
次はこちらの攻撃する番だ。と、ダーク化した選手達は一斉にシエルに襲いかかる。
シエルの行動の癖を理解したダーク化した選手によるタッチ狙い。それはシエルを容易く捉え、シエルを失格にする。
――はずだった。
「ひっかかりましたわね!」
シエルはその全てをあまりに見事なパルクールテクニックで回避して見せる。それは先程までの初歩的な技に終止するシエルの像とはまるで結びつかない見事な動きだった。
《お姉ちゃんのバトロワスイッチが入っちゃったの。スピードを調整してたのね。そしてわざとタッチの技術を理解される……。ああ、ユーベルコードの条件揃ってるじゃん》
「えぇ、魅せていきますわよ……大丈夫、死にはしません」
そう、ラップトップ・アイヴァーの持つユーベルコード、Undead。
それは敵より不利な状況にあるとき、自身の命中率と回避率、そしてダメージを三倍に引き上げる能力。
完全にダーク化した選手に癖を掴まれたシエルは、次の瞬間、そのユーベルコードにより自身の能力を三倍に引き上げたのだ。
ダーク化した選手はまるで全てを理解したかのように攻撃を回避する、回避の達人。
しかし、突如能力を三倍に引き上げたシエルの能力には、対処しきれなかったらしい。
「タッチ!」
「タッチ!!」
「タッチ!!!」
次々にダーク化した選手を脱落させ、再び走り出す。勿論、技術点を細かく稼ぐのは忘れない。
ダーク化した選手は自分たちが手玉に取られたと感じ、頭に血を登らせて、シエルをより追いかけ始める。
――そろそろ技術点稼ぎは良いでしょう。
そして、シエルの作戦はこれで終わりではなかった。
――そして……妨害こそアクティヴに。
シエルは突如、進路転換して反対方向に走り出す。
シエルを追おうと動いていたダーク化した選手達は咄嗟に方向転換しようとし、お互いにぶつかりあって、一団まとめて派手に転倒する。
シエルはそれを尻目に再び元のコースを走り出した。
《……あ、死人は出さないでね? 面倒なの》
作戦が想定通りに上手く言った上機嫌なシエルに、念の為、と美希は釘を刺す。
「ぐ、分かってますわよ」
あくまで死人を出さない程度に、シエルは次にやってくるダーク化した選手をどう妨害するか頭の中で考えを巡らせ始めた。
成功
🔵🔵🔴
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
◎
流石にダークリーガーともなると速いねえ。
それじゃあ、こっちも急ぐとしようか。
最初に【鋭敏感覚】を発動して、ミスなく素早く進んでいこう。
まずは南側ルートをジョルトでガードレールを飛び越えて、
なるべく真っ直ぐに下っていくよ。
中盤の街の中央部は立ち並んだビルを登ったり飛び移ったりしながら進もうか。
ダーク化した選手はいなすか振り切るかで相手するのは極力避けるよ。
時間がかかるルートを通るんだから、あまり選手相手に時間はかけられないし。
【鋭敏感覚】を使っていれば動きを見切るのは問題ないかな。
いつもみたいな殺し合いに比べると、
街を走り抜けるだけでいいのは少し気が楽だねえ。
まあ、油断するつもりはないけどさ。
「流石にダークリーガーともなると速いねえ。それじゃあ、こっちも急ぐとしようか」
『血の女帝』の速さに関心しつつ、それでペース乱されること無く、自身の走りを始めるのは、通称ペトことペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)だ。
開幕のダーク化した選手からの攻撃も、ユーベルコード、鋭敏感覚(シャープ・センス)を発動し、ESPで五感を強化しつつ体内時間を加速させることで、対象の攻撃を予想し、難なく回避。
そして、ペトが選んだのは、最も長くなる代わりに技術点を稼ぐポイントが最も多いルートだった。他ならぬペトが下見の中で発見したルートである。
まずは南側ルートに入る。
ジグザグした下り道が待ち受けるが、ペトは会得したヴォルトでガードレールを乗り越える。
もちろん、着地をランディングがPKロールで決めて、さらに技術点を稼いでいく。
ダーク化した選手が追いすがってくるが、ユーベルコード、鋭敏感覚を継続して発動しているペトに触れられる者はいない。
鋭敏感覚は疲れるのであまり長期間使用したくないユーベルコードではあるが、
――時間がかかるルートを通るんだから、あまり選手相手に時間はかけられないし。
ということで、使用を継続。反撃には出ず、ひたすら回避しいなしていく。
傍から見ると驚異的な反応速度で回避し続けているその動きは、もちろん、技術点を稼ぐのに十分だ。
そこからルートを街の中央に切り替えると、大回りになるからか、ダーク化した選手はほとんど追ってこなくなり、ペトも走り、テクニックを駆使するのに集中できるようになる。
上手くウォールランを駆使して建物に上り、プレシジョンで建物と建物の間を飛び越えていく。
街の中央に差し掛かると、技術点が稼ぎやすいからか、再びダーク化した選手達が増える。
ダーク化した選手の攻撃を引き続き鋭敏感覚で回避する。
高所での戦闘は危険を伴い、ダーク化した選手の中には無理な妨害によって、落下するものも現れるが、ペトが何もしなくても、ダーク化した選手同士で「そうはならんやろ」と助け合っているので、犠牲は出ていない。
中央の建物群を抜けると、再びダーク化した選手の姿は大きく減った。
「いつもみたいな殺し合いに比べると、街を走り抜けるだけでいいのは少し気が楽だねえ。まあ、油断するつもりはないけどさ」
幹線道路に向かう途中で、様々なテクニックを決めつつ、ペトはのんびりと呟いた。
成功
🔵🔵🔴
天宇・司
パルクールなら、俺が出ない訳にはいかないよなっ!
つーわけで、飛び入りで悪いが参加させてもらう
コースは……南・南で行くか
スタートから移動力と勝負勘を増しておく
最初は下りみたいだし
ウォルトからのランディングかロールをメインだな
二階くらいの高さならターンウォルトから受け身で着地
んー、飛んで届きそうな柵があれば、バープレジジョンするか
後半は登りか
仕掛けるのはここからかな
基本、ウォールランやポップウォルトで壁を駆け登って
進んでいくぞ
ボブ子が後ろに近いのなら
駆け登る…ふりしてウォールスピンでタッチか釘バットのどちらかを回避
からのタッチの仕返しっと
攻撃の瞬間が最大の隙だらけ、ってなぁ!
「パルクールなら、俺が出ない訳にはいかないよなっ! つーわけで、飛び入りで悪いが参加させてもらう」
と、舞台となる街に降り立ったのは天宇・司(アルプのパルクーラー・f37987)。俺っ娘? と見せかけて、ある日、目が覚めたら女の子になっていた、というTS少女である。
そして、ここで重要なのは、彼が本業の「パルクール」アスリートだということだ。
前日に練習していなくても、基本どころか応用テクニックまで含めてバッチリ、下見は出来なかったが、猟兵たちの情報共有のおかげで、ルート取りもバッチリだ。
そんなわけで、司が向かうのは南ルート、ジグザグした下り道から登り道だ。
走り出しながら、司は独特な構えと呼吸法を実践し始める。
これが司のオリジナル・スタイル。その独特な構えと呼吸法で、移動力と勝負勘を高めていく。
そして差し掛かるジグザグの下り道。ターンヴォルトで柵を乗り越えてランディングやロールで着地、着実に技術点を稼ぎながらショートカットで飛び入り参加した遅れを取り戻していく。
しかし、その程度であればライバルたちも実践しており、それだけでは追いつけない。
ならば、と司はさらに挑戦的なテクニックを披露する。
ヴォルトで飛び越えた後、そのままバープレシジョンで道路を超えた先の柵の上に着地した。つまり柵から柵までを走る工程を省略したのだ。
司はそのまま容易く柵から柵へと飛び移り、下り道を終えた。
もはや目の前にはダーク化した選手達の背中が直ぐ側に見える。後はオリジナル・スタイルで高めた移動力を活かしてダーク化した選手に迫る。
――後半は上りか。仕掛けるのはここからかな。
ウォールランやポップウォルトでジグザグ道をまっすぐ進みつつ、ダーク化した選手との距離を見極める。
――今だ!
オリジナル・スタイルで高めた勝負勘が発揮される。
後ろに接近するダーク化した選手達。その目的が飛び入りから一気に上位まで上り詰めた司の脱落、即ちタッチにあるのは明白。
司は再び先程のように目の前の壁を駆け上る。
無駄のない動きだが、しかし、敵に背を向ける以上、どうしても隙は生じてしまう。そこをダーク化した選手は逃さない。
が、それこそが司の罠だった。
駆け上ると見せかけた司の使ったテクニックはウォールスピン。壁に手をつき、一回転して着地する技だ。ダーク化した選手達のタッチは空振り、そして、大きな隙を晒していた。
「攻撃の瞬間が最大の隙だらけ、ってなぁ!」
その隙を逃す司ではない。ダーク化した選手達は司のタッチを受け、次々に脱落していった。
成功
🔵🔵🔴
冴神・駿介
◎
随分と手緩い世界が現れたもんだと思ったが……オブリビオン案件である事には変わりねぇ。
流儀には従ってやる。
コース取りは南から中央を経由しての北へのルートだ。
回り道らしいが、動き次第でどうとでもなるだろう。
ユーベルコード「この拳届かせる為に」の効果を競技へ流用する。
【軽業】を活かし登り道は軽快に跳ね登り、立ち並ぶビルの上も飛び移り、タイムロスの無いように進んでいく。
点数の稼げそうな場所だ、同じ考えの奴らの妨害も考えられる。
その時は【見切り】や【受け流し】を利用し対処、【グラップル】を活かした腕の突き込みで素早くタッチを行い、敵を捌いた時の動きやタッチに至るまでの立ち回りで逆に点数を稼いでやるよ。
「随分と手緩い世界が現れたもんだと思ったが……」
そう呟きながら現れるのは銀の雨降る世界からやってきた冴神・駿介(ゴーストハンター・f35755)だ。
両親をゴーストの襲撃で失い、銀誓館学園に所属し第一線でゴーストと戦う「死と隣り合わせの青春」を送った彼にとって、命の取り合いをするわけではないアスリートアースのオブリビオンとの戦いは「手緩い」と映ったらしい。
「オブリビオン案件である事には変わりねぇ。流儀には従ってやる」
とはいえ、オブリビオンの案件であることには変わりなく、猟兵である以上、これを捨て置くこともまた出来なかった。
アスリートアースにおいては、オブリビオンを倒すことはダーク化選手を救出する手段を失う事を意味してしまう。駿介はアスリートアースの流儀に従い、競技に参加することを選んだ。
飛び入り参加し、まず向かうは南側。
パルクール初体験で、練習する時間も得ていない、圧倒的不利と思われたが、駿介には秘策があった。
それが、彼のユーベルコード【この拳届かせる為に】。
それは、彼の持つ技能を引き上げるだけのものだったが、それにより、彼の持つ軽業技能を実に930倍にまで引き上げられた。
南ルートはジグザグした下り道だが、駿介の極めて高い軽業技能は、そのジグザグした道を無視し、最短ルートを一直線に進む事を可能にした。
柵を越え、高いところから美しく着地する能力は、結果的にそれに最適化されたパルクールのテクニックであるヴォルトやランディング、PKロールと相似形を取り、技術点が与えられる。
ここまで恐るべきタイムで到達した駿介は、見事他のダーク化した選手達に追いついた。
そして彼の取った道は、遠回りを理解した上で、中央へ向かうルートを取ることだった。
――回り道らしいが、動き次第でどうとでもなるだろう。
事実、ここまで来た速度を思えば、その判断は間違いとは言えないだろう。
しかし、ここまでの速度と見事なまでの技術点稼ぎを前に、放っておかないのがダーク化した選手達。
回り道ゆえこちらを選択した選手は多いとは言えなかったが、逆に彼らはそこで十分んな技術点を稼げると考えるだけの手練。
現れたライバルを蹴落とすのに、自身のテクニックを遺憾無く発揮しようとした。
しかし、駿介のユーベルコードが向上させた技能は軽業だけではない。
それは即ち、見切りと受け流し。
駿介に襲いかかったダーク化した選手、そのタッチは、駿介に完全に見切られ、駿介はその腕を手には触れないよう腕で受け流していった。
そして、駿介の向上した最後の技能、それは……グラップル。
そう放たれたのはパンチ。
しかし、手は握りこぶしではなく開かれていた。
「タッチ」
数秒後、駿介に一斉に襲いかかったダーク化した選手達は全員まとめて脱落していた。
勿論、その間に速度を緩めてしまうようなこともなく、駿介は中央のビル群をプレシジョンに似たテクニックで飛び越えて、さらに北へと向かっていった。
成功
🔵🔵🔴
天宇・司
さってさてー
まずは追いつけと前半はトリックそこそこだったしな
相手の数も減らしたし、南の後半の後半、追い込みといきますか
相変わらず上り坂
壁を駆け登っていくのは変わらず
と、ジグザク道でもあるから、ウォールランから壁蹴って違う壁へ
キャットリープしてからのクライムアップ
下を通れそうなバーか柵あれば、飛び込す必要もないだろ
アンダーバーか360°ロールかで通り抜けてみるか
まだ残ってる相手もしないとな
今回は道の端っこ、ガードレール付近で仕掛けてみるか
何かされそうになったらそれでパームスピンかバックドンキーで回避すっかね?
ちょいとおちょくってやろう
こっちからのタッチはハンドスプリングの要領で飛び越しながらで
「さってさてー。まずは追いつけと前半はトリックそこそこだったしな、相手の数も減らしたし、南の後半の後半、追い込みといきますか」
止まること無く走り続けながらそう呟くのは、オリジナル・スタイルで見せつけた本業の「パルクール」アスリート、天宇・司(アルプのパルクーラー・f37987)である。
さすが本業だけあり、その技術点を稼ぐ姿勢には余念がなく、ジグザグした登り道をウォールランで壁を蹴って違う壁へ飛び込み、キャットリープで壁に飛びついて、クライムアップで壁を登る、と、自らの技術をガッツリ見せつけながら最短距離で登っていく。
登った先の柵も、普通ならヴォルトで飛び越えるところを、柵の下をくぐり抜けるアンダーバーや体を捻りながらロールする360°ロールといったテクニックで潜り抜けていく。
流石は本業というべきか、後から飛び入り参加したとは思えない順位まで上り詰めている司。流石に周囲にいるダーク化した選手の数は少なくなってきたが、まだいなくなったわけではない。
「まだ残ってる相手もしないとな」
そして、もちろん司もそれに対して手を抜くつもりはない。
――今回は道の端っこ、ガードレール付近で仕掛けてみるか。
あえて道の端、ガードレール付近で隙を晒す司。
ここまで見事過ぎるパルクールを魅せてきた司がここで突然ペースを落とすなどありえないのだが、やばいやつを蹴落とそう、と功を焦ったダーク化した選手達はその機を逃してなるものかとばかりに一斉に司に襲いかかる。
対して司はガードレールに両手を付き、体を浮かせて一回転するバームスピンと呼ばれるテクニックでこの一斉攻撃を回避。
「へへっ、どうした?」
さらなる攻撃を、今度はバック転の要領で後ろに飛び、頭から落ちると見せかけて、両手を地面に付き、跳ね起きの要領で再び飛び上がるバックドンキーと呼ばれる技でやはり回避。
「全然当たらないぜ」
その他様々なテクニックを駆使して、ダーク化した選手をおちょくりながら、攻撃を回避していく。
そして、司も反撃に出る。
本来、ホップからの地面に手をついて、一回転する技であるハンドスプリングを活用して、飛び上がりながら目前のダーク化した選手二人の肩に手を置く。
「タッチ」
そして、ダーク化した選手の肩を利用してそのまま一回転。攻撃と回避を両用したその技は審判により大きく技術点が与えられた。
攻撃を回避され、仲間をやられたダーク化した選手達は頭に血が上り、どんどん司ばかりを見るようになり、ますます周囲の環境を活かした司に勝てなくなっていく。
もはや、ダーク化した選手達は司に技術点を稼ぐチャンスを与えるだけの存在と化しているといっても過言ではない状態にあった。
「っと、こんなところか」
そして気がついた時には、司の周囲にはもはやダーク化した選手は一人として残されていなかった。
大成功
🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
✕
POW
楽しそうね。私も混ぜて頂戴?
【第六感・索敵】で敵の多そうなルートを選び
エッチな下着だけの姿で観客を【誘惑】
【ダッシュ・ジャンプ】で弾む胸
【スライディング】時のパンティの食い込み
極めつけは『欲望解放』
あぁん、見られるのって最高ぉ♥
愛欲に比例して超強化!
敵の攻撃やタッチを【見切り】
【念動力・マヒ攻撃・範囲攻撃】で金縛りに
人間にしては可愛いわね。わからせたくなるわ♥
【盗み・早業】で裸にして
舌を絡め合い、全身を擦り合わせ
殺さない程度に【慰め・生命力吸収】した後
観客に|【投擲】《プレゼント》
観客を鼻血噴出させる新たな血の女帝の誕生よ♥
盗んだジャージは着用。
盗んだ下着はポケットに入れ、レース続行♪
ダーク化した選手達との戦いも終わろうという時、とんでもない飛び入り選手がやってきた。
「楽しそうね。私も混ぜて頂戴?」
彼女の名はドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)。オブリビオンの救済を掲げ、数多の女性オブリビオンを手籠めにしてきた吸血姫である。
そんな彼女が、オブリビオンとの戦いを走り切る形で終わらせなければならないこの戦いに来たのは、なんのためなのか。
そんな思考は彼女の姿を見れば一瞬で消し飛ぶだろう、なにせ彼女は下着以外何も身につけていない姿で転移してきて、走り出したのだから。
それもプレーンな下着ではなく、明らかに見せつけるためのセクシーなやつである。
ダッシュやジャンプで胸を弾ませ、スライディングで食い込む下着を見せつけ、あまつさえ、ユーベルコード・|欲望解放《ネイキッド・フリーダム》で大事なところだけを月下香の花弁で覆った全身露出の姿を晒し始める。
明らかに観客を誘惑しながら、彼女は言うのだ。
「あぁん、見られるのって最高ぉ♥」
まさか、露出して見せびらかすためだけにこの試合に参加したのだろうか。多くの単純な男ども(と僅かな女性たち)は誘惑されているが、それ以外の人間は、やや白けた目で彼女を見ていた。
そして、彼女は気がつけば、ダーク化した選手達の真っ只中に。
実は、ダーク化した選手達の多い場所を選んで向かっていたのである。
痴女としか言えない見た目で走るドゥルールに困惑してながらも、敵ならば脱落させねば、と攻撃を仕掛けるダーク化した選手達。
しかし、ユーベルコードで強化されたドゥルールに触れることは叶わず、ドゥルールの放つ金縛り攻撃に、選手達は動きを封じられる。
「人間にしては可愛いわね。わからせたくなるわ♥」
そう言ったが早いか、恐るべし速度でドゥルールは選手を裸に剥いた!?
極めて深いベーゼを楽しみ、全身を擦り合わせ、殺してしまわない程度に生命力を吸収していく。
そして、生命力を奪われてぐったりしたダーク化した選手は観客のいるゾーンに投げ込まれた。
裸の女性が放り込まれた形である。観客は大騒ぎだ。
「観客を鼻血噴出させる新たな血の女帝の誕生よ♥」
と上機嫌のドゥルール。
もう露出は満足したのか、盗んだジャージを着用し、盗んだ下着をポケットに仕舞い込んで、走り出した。
ちなみに、裸に剥かれた哀れなダーク化した選手達は何事もなく紳士的な運営スタッフたちにより保護されたらしい。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『ブラッド・エンプレス』
|
POW : リミットレス・チューンナップ
自身が操縦する【マシン】の【最高速度】と【加速力】を増強する。
SPD : 絶対なるトップ
自身の【移動速度】を、最も近接する対象と同値にする。対象が変わらない限り、自身の[移動速度]のみ徐々に上昇する。
WIZ : 揺るぎなき女帝
敵より【優位なポジションや順位にいる】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
イラスト:ねぎとろ軍艦
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
さて、勝負はいよいよ大詰め。
様々なルートで走ってきた猟兵達も幹線道路に到着し、今回のターゲットであるダークリーガー、|『血の女帝』《ブラッド・エンプレス》の姿が見えてきた。
後はひたすら走るだけ、と思われたが、そこはパルクールの運営。
なんと、幹線道路上に車や柵といった様々な障害物が配置され、最後まで障害物を上手く利用して走ることが求められることになるようだ。
●マスターより
三章から参加してきたキャラクターは二章の時点で既に出走していた扱いで構いません(三章になってから飛び入りした設定だと設定的に追いつけないと思いますので)
ここまでに出た情報をまとめておきます。
●コースについて
・ラストスパートは幹線道路でゴールまで向かうことになりそう
・幹線道路上には車や柵など、様々な障害物が配置されている
●『血の女帝』について
・血の女帝は|プレシジョン《飛び越え》が苦手
上手く活用するとプレイングボーナスがあるかもしれません。
また、その他、「[キャラクター名]はテクニックを身に着けた」といった旨のリプレイを受け取っているキャラクターは、プレイングボーナスが付きます。
ラップトップ・アイヴァー
車と柵があるようですわ。
…使えそうですわね。
《うん、そうなの。
で、みきたち、勝ちに来てるの。本気でね》
私たちのとっておき、スタートですわ…
《一度で済むと思わないでね。これは1回目。
UCを使用、まだ追って来る奴らはタッチして負かす。
そしてその上で女王に迫って…デッドヒートを繰り広げるの。
向こうの弱点は既に押さえた、3倍だろうと関係無い》
常にギリギリで躍れ…。
基本技をおさらいしつつ、UC効果で、3倍を今度は願いで上回ってみせますわ!
特に柵はヴォルトで超えて…
《女王が車の飛び越しを躊躇した瞬間を狙って…
綺麗なプレジションを決めるの!!》
この身体が、《この心が、》
不滅の姫君を動かしているのだから!!
「車と柵があるようですわ。……使えそうですわね」
最終コースに最初に姿を現したのはラップトップ・アイヴァー(動く姫君・f37972)だ。
そして、肉体側、シエル・ラヴァロは何かを企みニヤリと笑う。
《うん、そうなの。で、みきたち、勝ちに来てるの。本気でね》
そんなシエルの思惑を理解し、精神側、三上・美希が心の中で頷く。
「私たちのとっておき、スタートですわ……」
《一度で済むと思わないでね。これは一回目》
ラップトップ・アイヴァーはより強く駆け出す、そして、|叫ぶ《シャウトする》。
「目の前のライバルにも、ましてや全ての選手にも。絶対に屈しない、この魂こそが私の、みきの!」
その|叫び《シャウト》に込められたのは、願い。「誰にも負けたくない」というアスリート達誰もが持つ、純然たる願いだ。
そしてその|叫び《願い》は観戦中の人々の耳に、心に届き、彼らの応援を喚起する。
その殆どはネットの配信越しの応援であったが、シエルと美希には確かにその応援の力は届いていた。
これこそが彼女達のユーベルコード、Shout。
「誰にも負けたくない」という願いを観客に呼びかけ、その応援を力に変えるもの。
無数の応援を身につけたラップトップ・アイヴァーに敵はない。
彼女達に追い縋るダーク化した選手たちを素早い動きで全員タッチして黙らせると、シエルはそのまま一気に加速し、『血の女帝』に迫る。
しかし、『血の女帝』も侮れない。彼女の持つユーベルコードは、自身が上位にいる限り、回避や命中を三倍にまで引き上げる能力。しかし。
《向こうの弱点は既に押さえた、三倍だろうと関係無い》
美希には策があった。
——常にギリギリで躍れ……
柵を華麗にヴォルトで超えながら、シエルは走り続ける。
『血の女帝』との激しいデッドヒートは、さらに観客の応援を喚起し、それがより二人の力になる。
——三倍を今度は願いで上回ってみせますわ!
そして勝負の時は来る。
並んだ『血の女帝』とラップトップ・アイヴァーは同時に目前の横を向いた車の上に飛び上がる。
さらにその向こうにはやや広めの隙間が空いてもう一つの車。
絶好のプレシジョンチャンス。
《今なの! 女王が車の飛び越しを躊躇した瞬間を狙って……、綺麗なプレシジョンを決めるの!!》
美希の言葉の通り、横並びになっていた『血の女帝』は、その瞬間、僅かにラップトップ・アイヴァーに遅れを取った。
こうなればもはや、二人は負けない。
「この身体が、」
《この心が、》
「《不滅の姫君を動かしているのだから!!》」
そして、シエルは見事にプレシジョンを決め、奥の車に着地、『血の女帝』を見事に上回った。
大成功
🔵🔵🔵
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
◎
さて、ようやく姿が見えてきたね。
遠回りした分少し遅れたけど得点は稼いでるし、
ここからは少し速度重視で走って追いかけようか。
基本的には普通にテクニックで障害物を乗り越えたり飛び越えたりしつつ、
たまに【天魔乱舞】で空中で跳んでショートカットをして素早く進んでいくよ。
女帝に追いついてもやることは一緒かな。
ユーベルコードの効果で移動速度は同じか相手の方が速くても、
空中を跳ぶショートカットで移動経路を短くすれば張り合えるはず。
妨害は相手が仕掛けてこなければ無しで、
純粋なレース勝負といこうか。
こうやって走るのも楽しくなってきた事だしね。
「さて、ようやく姿が見えてきたね。遠回りした分少し遅れたけど得点は稼いでるし、ここからは少し速度重視で走って追いかけようか」
背が見えてきた『血の女帝』を見て、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)ことペトは呟く。
と言っても、慌てることはなく、ここまで身につけたテクニックで障害物をそつなくこなしていく。
そして、本来、プレシジョンで越えられないような大きな段差を前に、ペトは自身のユーベルコード、|天魔乱舞《エア・トレッド》を発動し、空中を蹴って大きくショートカットする。
パルクールはあくまで身体能力を競う競技。ユーベルコードによる移動は加点対象とはなりえないが、ここまで遠回りで得点を稼いできたペトは、速度優先で、このユーベルコードを解放する事としたのである。
その策は十分に成功したと言っていいだろう。
ペトは遠回りルートだったにも関わらず見事『血の女帝』に追いつくことに成功したのだ。
既に一人に抜かれてしまっている『血の女帝』。|自身のユーベルコード《絶対なるトップ》を発動し、ペトと速度を合わせることを選ぶ。
このユーベルコードは対象が変わらない限り、自身の速度だけを上昇させる、競争に特化した厄介なユーベルコードだ。
こうなれば状況は『血の女帝』に有利。敵は妨害してくるはず。その妨害を逆に利用して、倒す、それが『血の女帝』の思惑だった。
しかし。
――妨害は相手が仕掛けてこなければ無しで、純粋なレース勝負といこうか。
ペトは自身の|天魔乱舞《エア・トレッド》でのショートカットに留め、純粋な勝負を選んだ。
――こうやって走るのも楽しくなってきた事だしね。
ただ走ることが楽しいという気持ち。それはかつて『血の女帝』も持っていたはずのパルクールの基本精神の一つ。
思わず『血の女帝』は、そのただ楽しげなペトの表情に意識を奪われ、障害物への対処を誤る。
その隙を狙ったわけでもなく、ただ走るペトは、『血の女帝』を抜かし、どんどん前へと進んでいった。
もはや、|彼女のユーベルコード《絶対なるトップ》では追いつけないほどに。
大成功
🔵🔵🔵
エメラ・アーヴェスピア
まぁ、当然と言えば当然よね
それでもやるからにはやりきりましょう
私も楽しませてもらうわ
さて、折角|「騎乗鎧」《こんなモノ》に乗っているのだし、速さでは勝っておきたいわね
|『我が紡ぐは戦装束』《バトルドレス》、対象は「騎乗鎧」、速度重視のブースターやら魔導系のバランサーを装備
さぁ、レーシングカーを出してきなさい、スピード勝負と行きましょう?
…競技が違う?細かい事言わないの…私は純粋な競技で勝てないのは確定しているのだから
それに、あなたも全力でやりたいでしょう?
私のマシンは人型だから、障害物も飛び越えられるけれど…出来れば純粋な速度勝負で魅せたい所ね
※アドリブ・絡み歓迎
「まぁ、当然と言えば当然よね」
観客の反応を前に、分かってましたとばかりの反応を示すのは、一部の観客にパルクール機械部門というアイデアを与えたエメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)だ。当然のように引き続き陸戦型高機動魔導蒸気騎乗鎧こと「騎乗鎧」に搭乗している。
「それでもやるからにはやりきりましょう。私も楽しませてもらうわ」
パルクールレースは同じく陸上を走る競技であるトライアスロンと違い、途中でリタイアすることは認められている。だが、エメラは色物枠であることを自覚しながらも走り続ける事を選んだ。
「さて、折角|「騎乗鎧」《こんなモノ》に乗っているのだし、速さでは勝っておきたいわね」
そう言いながら発動するのは勿論、ユーベルコード。|『我が紡ぐは戦装束』《バトルドレス》は、任意の魔導蒸気兵器を召喚し、任意の対象に装備させ、駆動用魔導蒸気缶を代償に強化するものだ。
今回の対象は勿論、騎乗鎧。装備するのはブースターとバランサー。
一気に加速した騎乗鎧は、当然のごとく、早いと言っても人間の速力でしか無い『血の女帝』に追いつく。
「さぁ、レーシングカーを出してきなさい、スピード勝負と行きましょう?」
あえて速度を『血の女帝』に合わせ、そんな言葉をかけるエメラ。
「……競技が違う? 細かい事言わないの……私は純粋な競技で勝てないのは確定しているのだから」
『血の女帝』は既に二人に抜かれている。とはいえ、明らかな色物枠であるエメラの挑発にあえて乗る必要があるだろうか。
エメラが例え一位を取ったとしても、『血の女帝』が稼いだ技術点を越えるとは到底思えない。
とはいえ……。
「それに、あなたも全力でやりたいでしょう?」
レーサーとして、その言葉は否定できない。
|『血の女帝』のユーベルコード《リミットレス・チューンナップ》が発動し、レーシングマシーンが姿を現す。それは彼女のためにチューンされ、最高速力と加速力が大幅に引き上げられた代物。
エメラの騎乗鎧と比較しても、そう遜色はないだろう。
かくして、二台は走り出した。
そこは幹線道路とは言え、車や柵があちこちに配置された障害物だらけの道路。レーシングマシーンではどうしてもジグザグと避けながら進むしか無い。
一方、「騎乗鎧」は人型。それこそ、パルクールの動きを応用すれば障害物など無いかのように進めるのだが……。
――私のマシンは人型だから、障害物も飛び越えられるけれど……出来れば純粋な速度勝負で魅せたい所ね。
エメラはあくまで速度勝負、運転テクニック勝負で決着をつけることを選んだ。
二台の乗り物がデッドヒートを繰り広げる。
観客はこれがパルクールレースだということも忘れ、唐突に発生したレースの模様に釘付けだ。
どちらも一歩も譲らぬ展開。
なにせどちらも自身の乗り物を乗りこなすプロ。そしてどちらもユーベルコードで強化されている状態。
永遠に続くかと思われたその勝負は、しかし、最終的にはエメラの魔導蒸気技術に軍配が上がった。
高速でジグザグ道を進む、その無茶な運転についに車は悲鳴を上げた。
エメラの「騎乗鎧」はそれを尻目に進み続ける。
『『血の女帝』のレーシングマシーンは大きく摩耗した。このレース中、次に召喚する時も、フルスペックは出せないだろう』。
成功
🔵🔵🔴
天宇・司
あー、幹線道路とかただ走るだけにならねーか
とか思ってたが、ちゃんとそれ用にセットはするか
それなら、十分
最初、柵はヴォルトで越していくけど
モンキーかダッシュで勢いつけて走っていく
途中からリバースやジャッキーチェンとか
動きの大きいやつで行ってみるかね
車とかジャッキーチェンヴォルトで飛び越してみるとか
面白そうじゃないか?
ま、ヴォルト一辺倒だけじゃ面白みはないから
途中、柵や車の上に飛び乗るが(コークスクリュー飛び乗り)
柵、車をプライオで飛び石みたく飛び移り
女帝が傍にいるなら、あえて真横を煽るように飛び越してみるか
「下を走るだけじゃ、つまらないだろ?」ってな
あとはプレシジョン見せつけながら行くとしよう
「あー、幹線道路とかただ走るだけにならねーか、とか思ってたが、ちゃんとそれ用にセットはするか。それなら、十分」
幹線道路に到達するなりその状況を把握し、ニヤリと笑うのはオリジナル・スタイルでここまで走り抜いてきた現役パルクールアスリートの天宇・司(アルプのパルクーラー・f37987)だ。
ここまでオリジナル・スタイルを継続してきた司。その移動力や身体硬度、勝負勘はかなりのものへと高められている。
しかし、まだ司は技術点を稼ぐことを捨てない。
柵を安定のヴォルトで越えながら、次のアプローチを考える。
勿論、ヴォルトの種類もこれまでとは変えている。
柵に両手をついて飛び越えるモンキーヴォルトや走りながら柵の上に飛び上がって、手で柵を押して前に進むダッシュヴォルトなど、勢いを殺さないヴォルトに切り替えていた。
これで可能な限り減速を抑え、『血の女帝』へ追いついていく。
――動きの大きいやつで行ってみるかね
そして、優れたパルクールアスリートである司は勿論挑戦を忘れない。
柵に片手をついて空中で体を回転させるリバースヴォルトや、某香港俳優の名を冠したダッシュヴォルトの変化型のようなヴォルトで柵を越えていく。
それどころか。
――車とかヴォルトで飛び越してみるとか、面白そうじゃないか?
車をヴォルトで乗り越えることにも挑戦し、当然のように見事成功させる。
――ヴォルト一辺倒だけじゃ面白みはないから
『血の女帝』に近接しつつ、しかし司は挑戦をやめない。ただ追いつくだけでは意味がないのだ。パルクールで上回らなければ。
と、今度は体を空中で回転させながら飛び上がるコーススクリューで車に飛び移り、プレシジョンを繋いでいくプライオと呼ばれるテクニックで、車から車へ、車から柵へ、柵から柵へ、柵から車へ、飛び石の如く次々に飛び移っていく。
そして、ついに『血の女帝』に追いついた。
司のパルクールのテクニックが|『血の女帝』のユーベルコード《揺るぎなき女帝》を上回ったのだ。
「下を走るだけじゃ、つまらないだろ?」
そして、プライオを継続し、プレシジョンを継続していく。
プレシジョンに苦手意識を持つ『血の女帝』は障害物をヴォルトで越えるのが限界で、司に追いつくことは叶わなかった。
そして、司、『血の女帝』とゴールし、ついにパルクールレースは終わりを告げた。
「あぁ……いい勝負だった。|楽しかったよ《・・・・・・》」
『血の女帝』は自分より先にゴールした一行に向けて爽やかにそう微笑んだ。
そして訪れる結果発表の時。『血の女帝』のスコアは決して低くはなかったが、猟兵率いるフリーロームズのスコアの方が高かった。
「その時の私は、きっとこの私じゃないんだろうけど……」
勝負に負けたダークリーガー、『血の女帝』の姿が光と消え始める。
「また次があれば、またやろう」
その言葉とともに、『血の女帝』は消失し、ダーク化した選手達もまた、元の姿に戻り始めた。
大成功
🔵🔵🔵