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迷宮のラビリンス

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●先っちょだけだから
「大丈夫、大丈夫! 行けるって!!」
「こ、怖いよぉ……帰ろうよぉ……」
「何だよタケシ、ビビってんのか?」
 とある迷宮の入口にて、若い学生達が何かをこそこそと話し合っている。
「俺達だって充分な訓練を積んできた筈だろ? あと足りないのは経験だけだって」
「で、でも……ここの迷宮はとくに危険だって、先生が……」
「だーかーらー! これ以上の犠牲が増える前に、俺達が退治すんだよ。な?」
 彼らの中には反対する者もいるようだが、やがて押しの強い者に流され、迷宮の奥へと姿を消していった。学生達が迷宮に入ってから数十分後、おぞましい獣のような咆哮と、痛ましい悲鳴が迷宮の奥から聞こえてきた。

●事件があるだわ
「今回は、アルダワ魔法学園での事件だな」
 佐藤・非正規雇用(スクロール・f04277)は、むっつりとした表情で説明を始めた。
「迷宮の一つに、強力なオブリビオンが現れたようだ。例によって異常な凶暴化を遂げており、魔法学園の人間では手に負えないだろう」
 そして、非正規雇用は「はぁぁ……」と大袈裟な溜息をついてみせた。
「それだけなら良かったんだが、どうやら学生達が面白がって、その迷宮に挑戦しようとしているらしい。道中で学生を見つけたら、力ずくで連れ戻すも良し、脅かして引き返させるも良し、教師顔負けの説得で改心させてやってもいい。」
 続けて、非正規雇用は思案顔で呟いた。
「そうだな……もし、ヤツらの中に気弱そうな学生がいたら、そいつを利用するのもアリかもしれない。『将を射んと欲すれば何とやら』ってヤツだな」
 非正規雇用はテレポートの準備をしながら、猟兵達に語りかけた。
「怪物の討伐に加え、子守まで押し付けてしまって済まないな。愚痴は後で聞くから、無事に戻って来てくれよ」
 そう言って、彼は皮肉っぽい笑みを浮かべた。


アルバイトの佐藤です
 アルバイトの佐藤です。

 だいぶ昔ですが、友達と大型迷宮に挑戦した時、一人だけガチ攻略して先に脱出したことがあります。友達が出て来るまでの数十分、とても暇でした。

 皆様のガチ攻略をお待ちしております。
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第1章 冒険 『無謀な挑戦を引き留めてあげて!』

POW   :    自分達の強さを見せつけたり力ずくで止める

SPD   :    先回りして行動の邪魔をして諦めさせる

WIZ   :    引き返すように言葉で説得する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セルヴィ・アウレアム
WIZ『引き返すように言葉で説得する』
「無謀結構、蛮勇結構!猟兵たるもん、冒険譚に、戦いに、勝利に憧れるのは当然やもんな!」

 無謀な挑戦に挑む生徒たちをあえて焚きつけるような発言を繰り返し、意気をある程度奮い立たせる。

「ところで、にーちゃんらは保険とか入っとんのか?ああいや、傷病手当やのうて死亡保険。そら強大なバケモンに挑むんやもん、コロっと死ぬこともあるやろうしね。そんなとき、家族や、恋人に何ぞ残せるもんを用意しとかんと、ただの無駄死にになるしな。」

 そして全員がある程度の根拠のない自信を付けたところで一転、不安を煽り、リスクを大仰に示し、彼らの行動に釣り合うだけの恐怖を植え付け引き止める。



●金は命より重い
 猟兵達が迷宮の入口に向かうと、丁度、これから侵入しようとしている学生の集団を見つけた。
「なっ、何だよ!! アンタらも俺達を止めようっていうのか!? 俺達は絶対に諦めないからな!」
 こちらが何かを言う前に、学生の方から食ってかかってきた。どうやら、悪いことをしているという自覚はあるらしい。
 セルヴィ・アウレアム(『迷宮喰らい』セルヴィ・f14344)は、最初こそキョトンとしていたものの、徐々に意地悪そうな表情に変わり、ニンマリとした笑顔で学生達に語り掛け始めた。
「止めるぅ? とんでもない! ウチはアンタらの味方や!! 無謀結構! 蛮勇結構! やっぱり男子たるもん、冒険に憧れるのは当然やからな!! あ、もちろん女の子もオッケーや!!」
 ざわ……ざわ……。今までの大人とは異なる反応に、学生達の間に動揺が広がる。
「わ……分かってくれりゃあいいんだよ。じゃあ、俺達は行くからな。邪魔をするなよ」
 立ち去ろうとする学生達を、セルヴィは横目で追いつつ、ぼそりと呟いた。
「いやー、それにしてもエラいわぁ。そんな若いのに、家族のことまで考えているなんてなぁ……。まったく、見上げた孝行者や」
「…………は?」
 言葉の意味を理解できなかった学生が、足を止める。一体、何のことを言っているのだろうか。
「こんな危険なダンジョンに行くんやから、当然、保険には入ってるやろ? やっぱり残された家族や恋人の心までは癒せないものの、生きていくための助けは必要やからなぁ……。保険も入らず怪物に挑むなんて、そんなアホな奴おらんやろうし……無駄死に行くようなもんやな」
 一人で納得してうんうんと頷くセルヴィに対し、学生達は顔を見合わせ、その表情はみるみる青ざめていく。
「ど、どうしよう……オレ、保険入ってねーよ」
「もし死んだらどうしよう……」
「もうダメだ……おしまいだぁ……」
 凄まじい勢いでテンションが下がっていく学生達。リーダーのような男も、仲間達がみるみるやる気を失っていくのを見て、その動揺を隠せないでいた。
「……きょ、今日は皆の準備が不足していたようだな。一旦解散して、準備ができた頃に俺がまた声を掛けるよ……」
 恐らく、その声が掛かることは二度と無いだろう。学生達の様子を観察しながら、セルヴィは静かに確信した。
「ほな、またな~」
 ニコニコと学生達を見送るセルヴィ。彼女は一人で学生の集団を追い返したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水心子・静柄
毎回思うけどアルダワ魔法学園の学生は無謀な子が多いわね。まぁ、そういう子がいなかったらオブリビオンの予知が遅れて後手に回ってしまうのかもしれないから、世の中上手く回っているのね。

さてと道中で学生を見かけたら、私は脅す事しか出来ないわね。気弱な子を利用するなんてまどろっこしい事はしないわ…全員の心をへし折ってあげるわ!(目的と手段が入れ替わった)

まずは殺気をあてて耐えれるか試してみわね。無事(?)に耐えれる子がいたら、そうね…グラウンドクラッシャーで脅すわ。当てると見せかけて、後ろの壁を壊したら吃驚するわよね?



●ダンジョンに出会いを求めるのは間違っている
 入口の学生達は帰させたが、ダンジョンの内部にはまだ他の学生達がいる筈である。犠牲者が出ないようにと祈りながら、猟兵達もダンジョンへと立ち入った。
「魔法学園の生徒って、無謀な子が多いのね。もっとも、そういう学生がいるからこそ、早めにオブリビオンの出現を予知できたのかもしれないけど……」
 水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)は迷宮の探索に慣れているのか、先陣を切って歩いていた。敵の遭遇に備え、第六感をはたらかせる。
「……向こうの方で話し声が聞こえた気がするわ、行ってみましょうか」

 水心子の言葉通り、少し進んだ先に学生達がいた。幸い、まだオブリビオンには遭遇していないようだ。
「おや、皆さんも災魔退治ですか? お疲れ様です。僕らもまだ見つけていませんが、お互い頑張りましょうね!」
 まったく、こちらの気も知らずに呑気なものである。最近はオブリビオン(災魔)の凶暴化が著しく、大人は疎か、若い学生では歯が立たないことも明白だった。
(「こっちは必死だっていうのに、こうも呑気に構えられると、流石にイラッとするわね……」)
 追い返すという目的だけでなく、私情も交えて殺気を漲らせる水心子。何名かの学生がその気配を感じ取り、たじろいだが、全員の気持ちを心変わりさせる程の効果は無かったようだ。
(「……私の殺気では、これだけの人数を相手にするのは厳しいかしら……」)
 どうしたものかと考えあぐねていたところ、空気の読めなさそうな学生が話し掛けてきた。
「どうかしましたか? さっきから怖い顔をして……そんな顔をしていたら、せっかくの美人が台無しですよ。はっはっは」
 考えるより先に手が動いた水心子は、脇差で学生に殴りかかった。唐突な襲撃に驚いた学生は尻餅をついたが、そのお陰で水心子の一撃をかわすことができた。代わりに、学生の背後の壁に大きな穴が空くことになったが。
「あ……あ、あ……」
「……あらやだ。褒められて嬉しくなっちゃったから、ついつい力が入っちゃったわ」
 水心子が、ちっとも嬉しくなさそうな顔で呟いた。
「このダンジョンにいる魔物は、もっと熱烈な歓迎をしてくれるかもしれないわね」
「……帰ります」
 先程、殺気にあてられていた学生達も「やっぱり、やべー人だったんだー」という顔をして、ぞろぞろと去っていった。手段はともかく、水心子は学生達を帰すことに成功した。
 学生達が立ち去った後、猟兵の一人が心配になって水心子に質問をした。
「当てるつもりはなかったですよね?」
「どうかしら。そんな昔のこと覚えてないわ」

成功 🔵​🔵​🔴​

アリシア・マクリントック
こういうのはやはり、自分の力というものを実感してもらうのが手っ取り早いでしょう。
そうですね……口実としては私達は手柄が欲しい、と言ったところでしょうか。私達と学生と、勝負して買った方がこの先に進むなんていうのはどうでしょう?
今回は忘れずに手袋も用意してきましたから、代表者同士の決闘という形はどうでしょうか?この後のダンジョン攻略を考えれば、お互い怪我人は少ない方がよいでしょう。

気の弱そうな子がいればマリアに威嚇してもらいましょう。本の中の化け物よりも目の前の狼の方がはるかに怖いでしょうし、思いとどまらせるのには役立つ……はずです。



●デュエリスト
「待てよ! 俺はまだ納得してねえぜ!!」
 大人しく帰るかと思われた学生達だったが、一人の学生がイキりだした。
「いくら力が強くたって、当たらなきゃどうということはねえんだよ!」
「なるほど……では納得して頂ければ、大人しく帰るということですね」
 一歩前に進み出たのはアリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)だ。普段は温厚な彼女が前に出るのは珍しいが、無謀な学生を気遣ってのことだろうか。
「フン、見るからにひ弱そうなお嬢様じゃねえか。さっきの筋肉女じゃなくて大丈夫か?」
 猟兵の中から、再び強い殺気を向けられたような気がして、学生は慌てて視線を逸らした。
「ま、まぁ、俺としては誰が相手でも構わないが……」
「か弱い娘と侮らないことです。甘く見てると大怪我をしますよ」
 そう言って、アリシアは鞄から白い布のような物を取り出し、相手の足元に叩き付けた。
「こ、これは……!!」

 はんぺん!!

「ま、間違えました。これはマリア用のおやつでした」
 果たして狼がはんぺんを食べるのかは分からないが、焦ったアリシアは白い手袋を相手に手渡しした。尚、地面に落ちたはんぺんは、スタッフが美味しく頂きました(カルマ)。
「よく分からねえけど、決闘ってことだな……?」
「ええ、ルールは簡単。買った方が……いえ、勝った方が先に進めるということでしゅ……す!!」
 さっきからぐだぐだなアリシアを見て、学生が不安になる。何だか自分が凄い悪いことをしているような……いや、女といえど相手は猟兵。油断をしている暇はない筈だ。
 アリシアからレイピアを受け取り、向かいに構える学生。おおよそ剣術の知識があるとは思えない構えだったが、力だけはありそうだ。他の猟兵が審判を務める。
「それじゃあ準備はいい?」
「いいぜ」
「ウィ」
「それでは……はじめ!!」
 合図とともに、学生が仕掛ける。大胆にも胸を狙った刺突。しかし、アリシアは軽くレイピアを合わせて相手の突きを逸らした。
「……ぬ?」
 初撃をいとも簡単にかわされた学生が眉を潜める。それならこれはどうだとばかりに、次にアリシアの脚を狙う。
「ふっ」
 呼気とも嘲笑とも取れぬ声を漏らしたアリシアが、フットワークで学生の突きをかわす。レイピアは脚には当たらなかったものの、アリシアのスカートを貫通してしまった。
「あっ!?」
「……当たらなければ、どうということはないですわ。それより……」
 学生が飛び込んだ瞬間に、アリシアのレイピアは学生の胸に押し当てられていた。決着である。
「ま……参りました……」
 アリシアがスッとレイピアを引き、学生は膝をついた。おやつを台無しにされたマリアが、「勝負あり」とでも言いたげに一声吠えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

四季乃・瑠璃
【ダブル】で常に分身。

緋瑪「力量を測れないお子様は困るよねー」
瑠璃「年はあまり変わらないと思うけど…残念だけど、私達とは力も経験も違い過ぎるかな…」

先回りして感知式ジェノサイドボム(以下ボム)を地雷トラップ代わりにばら撒いて封鎖妨害。
それでも諦めなければ、力の差を見せつけて心をへし折る。

緋瑪が一人で全員を相手。ハンデとしてボムも銃も使用しない。見切り、残像で回避し、早業で麻痺ナイフをカウンター。自分の力量も理解せずに諦め悪く意気がるヤツには苛立ちから、本気で殺そうかと考えが過り、瑠璃に制止されたり。

緋瑪「わたし一人で相手してあげる。わたしを倒せるようなら、認めてあげるよ♪」

※アドリブ等歓迎



●共振
「災魔ってどんな格好してるのかなぁ」
「どんな姿だって怖くないさ。俺の魔法で吹っ飛ばしてやるぜ」
 またしても、別の学生の集団がダンジョンの奥に進もうとしていた。しかし、暫く進むと目の前に人影が――。
「ちょっとちょっと、あなた達。これより先は危ないよ?」
「そうよそうよ、子供は大人しく帰った方がいいんだから」
 学生達の前に立ちはだかったのは、四季乃・瑠璃(瑠璃色の殺人姫・f09675)と、もう一つの人格"緋瑪"である。本来は一人の身に宿る二つの人格だが、ユーベルコードを使用することで同時に存在することができるのだ。まるで鏡の中から連れて来たかのように……。
「な、何だよ。アンタだって俺らとそう変わらない年齢じゃないか。子供呼ばわりされる筋合いはないね」
 それを聞いた瑠璃と緋瑪が顔を見合わせる。
「これだからお子様は……わたしがキミ達と同じだと思ってるなんて……」
 やれやれと、緋瑪が首を振る。
「歳はあまり変わらないかもしれないけど……経験の差は違うと思うよ?」
 おどおどとした瑠璃が、静かに学生の言葉を否定する。
「言いたいことはそれだけか? 俺達は急ぐから、ここを通してもらうぜ!」
 学生は、瑠璃達を無視して強引に通過しようとする。緋瑪は黙っていたが、瑠璃が慌てて止める。
「ま、待って! 危ないよ!!」
「……え?」
 瑠璃の必死さに驚いた学生が足を止める。瑠璃は愛用の拳銃を取り出し、少し先の地面に向かって射撃した。すると、中規模の爆破が起こり、辺り一面に煙が広がった。
 顔が煤と砂まみれになった学生達は、目を瞬いた。
「あーあ、瑠璃は優しいなぁ。せっかく仕掛けたんだから、一人ぐらい吹き飛ぶところが見たかったのに……」
「……これ、お前が仕掛けたのか……?」
 学生の一人が、怒りに身を震わせながら緋瑪に尋ねる。緋瑪は、さらに相手を挑発するように答えた。
「そうだよぉ? 僕ちゃん達なら簡単に見抜けると思ったけど、案外ガバガバなんだねぇ!!」
「くっ、こいつ! わからせてやる!!」
 怒りの限界を迎えた学生が、緋瑪に掴みかかる。しかし緋瑪は、近接戦に慣れてない上に、冷静さを欠いた人間が、勝てる相手ではなかった。顔面を狙ってきた拳を素早く右手で逸らし、左手で相手の襟首を掴んで組み伏せた。そのまま素早く短剣を取り出し、相手の喉を掻き切ろうと――。
「だめぇっ!!」
 瑠璃に制され、緋瑪はしぶしぶ短剣を引っ込めた。
「まったく、瑠璃はあまあまだね。どうせこんなヤツ、後で死ぬか、今死ぬかの違いしかないのに……」
「……それでも……ダメなの……」
 緋瑪に倒された学生は、放心状態で転がっていた。見かねた他の学生が、肩を貸して連れ去っていく。緋瑪も大きな障害だが、この地雷原さえも突破することができない……。となれば、彼らの取るべき道は一つしかなかった。
「ちょっと、やり過ぎちゃったんじゃないかな……」
「こういうのは、徹底的にやっておいた方がいいんだよ。『またダンジョンに入ろう』なんて気持ちが起きないように……犬の躾みたいなものだね」
 立ち去る学生達を、一人の少女が見送っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フレミア・レイブラッド
別に良いんじゃない?わたし、命を粗末に扱うヤツって嫌いなんだよねー…勇気と無謀を履き違えたヤツとかね。止めようとして巻き添え食う子は可哀想だけど…。
まぁ、もし迷宮内で偶然会ったら止めるくらいはしてあげるよ。流石に目の前で見殺しは寝覚めが悪いし。

とか言ってたら実際に遭遇して頭抱える事に…。

とりあえず、貴方達じゃ死ぬだけだから帰りなさい、とか一応説得。聞かなければ強がってるメンバーを叩きのめし【サイコキネシス】で全員の自由を奪う。その上で気弱なメンバーに槍を突きつけ、串刺しにする寸前で寸止め。
仲間を守れない無力感を味わわせると共に、無謀な行いは仲間を危険に晒す事を覚えておきなさい、と忠告する。



●ひとひねり
「別に良いんじゃない? 無謀な学生なら放っておいたって。そんなに無鉄砲なら、どうせ助けても死んじゃうでしょ」
 あえて突き放した言い方をするのはフレミア・レイブラッド(幼き吸血姫・f14467)、年齢の割には幼く見えるダンピールだ。
「まぁ仕事だから見かけたら止めるけど、あんまり期待しないでよ」
 フレミアは手をパタパタと振りながら、他の猟兵達とともに奥へと進んだ。

「……で、やっぱりいるわけね。このダンジョンには、何人の学生が入り込んでいるの?」
 仲間が第六感や野生の勘を働かせていることもあり、学生との遭遇率は高かった。フレミアは面倒くさそうに学生達を説得する。
「あー、あー……あなた達。どうせ、あなた達じゃ死ぬだけだから、大人しく帰りなさい」
 身も蓋もない言い方をするフレミア。あまりにもストレートな発言に、学生達の表情がみるみる険しくなる。
「な、なんだよお前は! 急に出てきて偉そうなことを……!!」
「そうだそうだ! 試してみないと分からないだろ!?」
 逆に、学生達の反感を買ってしまったようだ。彼らは今にも殴りかかりそうな勢いで詰め寄って来た。フレミアは「はぁあああ……」と大きな溜息をついて、両手を構えた。
「なんだ!? ここでやる気か!?」
 すっかり殺気だった学生達が、揃って杖を構えた。ピリピリとした空気が場に張り詰める。しかし、その緊張も長くは続かなかった。学生達の杖が、次々と宙に浮いていったのだ。
「なっ……」
「いい? アンタ達なんてねぇ、私の足の小指ほども力が無いのよ。それが分からないようじゃ……」
 フレミアが手を回すと、空中で杖がくるくると回転し、尖った方がピタリと学生の方を向く。
「死ぬだけよ」
 その言葉を引き金に、杖の群れが一斉に学生達に向けて放たれる。死を覚悟した学生達が、ぎゅっと目を瞑った。
 
 もちろん、杖は学生を貫かなかった。学生達の目の前で止まり、時が止まったように浮かんでいた。フレミアが手を払う仕草をすると、カランカランという音を立てて杖は地に落ちた。
「そんなに死にたいなら、わたしが殺してあげるわ。でも、そうじゃない人は自分の杖を拾って帰りなさい」
 まるでお通夜のような静けさの中、学生達は自分の杖を拾って帰っていった。学生が一人残らず立ち去ったのを見て、フレミアは再び大きな溜息をついた。
「まるで、わたしが悪者みたいじゃない」

成功 🔵​🔵​🔴​

赤星・緋色
ほーむほむほむ、なるほど理解したよ
何やかんやで学生たちを止めればいいんだね

私はこの選択肢を選ぶよ
「先回りして行動の邪魔をして諦めさせる」

という訳で、スピードを生かして先回り
技能罠使いで罠を設置していく感じ
ケガすると可哀そうだから、威力は1回なら痛いで済むけど何度もやると
「あ、これ医者に診てもらった方がいいんじゃ」
ていうレベルに調整するね
現地の魔導蒸気の配管も利用しようかな

極細のワイヤーに引っかかると魔導蒸気で飛び出し足の小指を狙う固い角
カモフラで地面と一体化し足の小指を狙うトラばさみ
乗るとスライドし足の小指に衝突する階段
下ばかり注意を向けると糸にぶつかり上から足の小指を狙う落下物

の4本です!



●アスタルテの導き
「ほむほむ、大体の経緯は理解したよ。学生達を罠にハメればいいんだね」
「えっ。いや、確かにそうだけど……」
「私におまかせ~」
 自慢のスピードで、ぴゅーっと駆け出して行ったのは赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)。いるのかいないのか分からないバーチャルキャラクターだ。たぶん、いる。いやいない。

「お、おい……もう帰ろうぜ……」
「何だよ、せっかくここまで来たのに。もうちょっとだから頑張ろうぜ」
 気弱そうな学生と、根拠のない自信を持った学生の二人組だ。ここまで一体もオブリビオンに出会わなかったのか、ダンジョンのかなり奥まで入り込んでいた。
「なんか、その先に進むのは嫌な予感がするんだ。ここで引き返そうよ……」
「まったくビビりだなぁ。俺が手本を見せてやるよ、いいか……」
 安全であることを示そうと、自信家の学生が一人で先に進む。少し道が細くなっているが、このくらい何でも……。

 ピンッ

「ん?」
 何か外れた音が聞こえた気がして、足元を見る。その瞬間、四角いブロックが足の小指目掛けて飛んで来た。
「がっ!」
「ひっ!」
 小指をやられた学生は、もう一人の学生に悟られまいと気丈に振舞う。
「ほ、ほら。何でも無かっただろ? さぁ、先に進もうぜ」
「本当? 何か足の小指をやられたような声がしたけど……。でも、僕はそっちの広場は行きたくないなぁ……何か嫌な予感がする」
「心配症だなぁ。俺が視てきてやるよ」
 自信家の学生が、広場に足を踏み入れる。こっちは見通しも良いし、先刻のようなワイヤーは……。

 カチ……ばちーん!!

「んがーーーっ!!」
「ひっ!?」
 今度は小さいトラばさみが学生の小指を捕えた。しかし、もう一人の学生に悟られるわけにはいかない。
「べつに何でもないんだぜ」
「何か言葉遣い変わってない? まぁいいや……。僕は、その階段だけは絶対上らないからね」
「お前、わざとやってないよな」
「何のこと?」
「いや、分かんねぇならいいけど……」
 自信家の学生が、注意に注意を重ねて階段に足を掛ける。大丈夫だ、大丈夫。流石に階段に仕掛けるような非道なマネは……。

 シュッ……ごり

「ーーーーーーっ!!」
「ひっ!? 何!? 敵? 敵なの!?」
 学生が声無き悲鳴をあげながら、その場をのたうち回る。しかし、何とか痛みを堪えて、涅槃仏のようなポーズを取る。
「何だか急に昼寝がしたいんだぜ」
「ねぇ、もう隠さなくていいよ。ここは絶対ヤバイ。さっさと来た道を引き返して帰ろう」
「お前、俺の今までの頑張りを一瞬で無駄にするのね」
 自信家の学生は、ジトっとした視線をもう一人の学生に向けながら呟いた。
「しかし、ここから立ち去ろうという意見には賛成だ。俺はもう右足の小指の感覚が無いよ」
「流石に、これ以上のダメージは死に繋がるかもしれない。地面によく注意して進むんだ」
「ああ、分かったぜ」
 全てが赤星の計画通りであった。最後のトラップが10点満点の軌跡を描きながら、自信家の学生の足の小指に落ちた。

「だおおおおおおおおおっ!! このままじゃ、女の子になっちゃうーっ!!」
「しっかりしろっ! 足の人差し指って、触ってると中指みたいだよねっ!!」
 すっかりパニックに陥った二人を見て、赤星は不敵に微笑んだ。

「ほーむほむほむ……」

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒玻璃・ミコ
◆心情
ふむふむ、此が若さゆえの過ちと言う奴ですね
ですが、その代償が命と言うのはいただけませんから
ミコさん、一肌脱いじゃいますよー

◆行動
【POW】で判定です
迷宮の途中ででーんと待ち伏せして学生さん達の行く手を阻みましょう
いわゆる先に進みたくば私を倒して先に行けと言うアレですね
そこの貴方、ふにょんとしたスライムボディを甘く見ては駄目ですよ
笑ったと同時に【気合い】を入れて【怪力】を込めた【鎧砕く】一撃を
迷宮の外壁に叩き込んでにっこり微笑みましょう
大人しく言うこと聞かないと【範囲攻撃】して保健室送りにしちゃいますよ?

◆補足
アドリブ、他の猟兵さんとの連携大歓迎



●←黒玻璃
「人間、誰しも間違いはあるでしょう。とくにまだ若い学生ですから、その面倒を見るのが我われ大人の使命。彼らの命をここで散らすのは忍びない。不肖、黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)、アルダワ魔法学園の若人達を救うため、一肌脱ぎましょう」
「……」
「おや、どうかしました? ブラックタール族を見るのは初めてですか」
 猟兵達の疑問は一つであった。
(「……一肌……?」)
 そもそも大人とも呼べる年齢ではないのだが、その見た目から黒玻璃の年齢を看破する者は現れなかった。

 ところ変わって、最前線を行く学生達。人数も多く、すっかりピクニック気分である。そんな彼らの進む道を阻むように、真っ黒なお餅のような塊が道に置かれていた。
「……なんだこれ? おはぎ?」
「バカ! こんなでかいおはぎがあるかよ。イセ名物のアレじゃねえの?」
「気を付けろ、類似品かもしれないぞ!」
 学生達がああでもないこうでもないと議論していると、突然、黒い餅に顔が浮かび上がり、大声を上げた。
「ぴきーーーっ!!」
「う、うわっ! 何だ!?」
「災魔か!?」
 予想より学生達が驚いてしまったので、黒玻璃は慌てて挨拶した。
「あっ、すいません。私です。黒玻璃・ミコと申す者です」
「くろ、はり……?」
 学生達は、要領を得ない様子で返事をした。
「学生諸君。自分達で決断し、怪物に挑もうとする姿勢は立派です。但し、今回は分が悪い。ここは私の顔に免じて、引き返してはくれませんか」
(「……顔……」)
 学生達が、黒玻璃の幸せそうな顔を見つめる。ダンジョンに、しばしの安息が訪れた。
 しかし、学生の一人がハッとした表情で喋り始めた。
「い、いや? コイツはやっぱり災魔なんじゃねーのか!? 本で見かけた、"スライム"っていう下級の災魔によく似てるぜ!」
「何だ!? やっぱり類似品だったのか!? コイツめ!!」
「消費期限偽装してんじゃねーよ!!」
 謂れの無い罵倒を受け、黒玻璃の表面に青筋が増えていく。しかし表面が黒いため、学生達はその変化に気付かない。
「これから毎日スライムを焼こうぜ!」
「フン! そんな雑魚災魔が俺に敵うとでも……」

 ボグゴォ!

 学生達の野次が一斉に止まった。それもそのはず、黒玻璃からはボディビルダーのような筋骨隆々とした腕が飛び出し、近くの壁を一撃で粉砕して見せたのだ。
 一転、辺りには気まずい空気が流れた。黒玻璃は、しゅるしゅると腕を仕舞う。
「スライムじゃ……ないですよ」
「はい」
「すいません、調子こいてました」
 学生達は回れ右をして帰路に着き、黒玻璃はその様子をニコニコしながら見送った。
「やはり、真心を込めて説明すれば、人は分かってくれるものなのですね」
 他の猟兵達は、イセ名物のアレに思いを馳せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『パズルトラップ』

POW   :    可能性のある組み合わせを総当たりする

SPD   :    詳しく調べたり、鍵開け等の技能で解除する

WIZ   :    知恵を絞って、パズルの解除を目指す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
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●ピンク・ダイキリ
 多くの学生を家に帰し、先に進む猟兵達の前に大きな扉が立ちはだかった。
「なんやろ? この扉」
「どうやら、謎を解かないと開かないようですね。何なに……」
 猟兵の一人が、扉に書かれている文字を読み上げる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 憧れの先輩に告白したが、振られてしまった友達を慰める方法を考えろ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「……これ謎じゃなくね?」
「扉の前に人形があるわね。これに向かって何かアクションをすればいいのかしら」
「バカバカしい、俺は力ずくで扉を開けてみせるぜ」
「うーん。私は人形に対して、物理的に何かしてみようかな」
「それなら僕は、台詞や寸劇で"友達"を慰めてみよう」
 猟兵達は扉を開くため、思い思いの方法で謎に取り組んだ――。
黒玻璃・ミコ
◆心情
青いですねーアオハルですねー
しかーし色恋沙汰と無縁なミコさんに聞いても無駄な事です(キリッ)

◆行動
【POW】で判定です、【POW】ですよ
どのような壁も扉も圧倒的なパワー・・・つまり【怪力】の前では無力です
つ・ま・り、心の扉と一緒で強引にこじ開ければ良いのです
一度や二度、反応が無かったからと言ってそれが如何したのです?
【気合い】を入れて圧し進めば人生の9割は何とかなるのですよ(キッパリ)
解りますか?今回の件も一緒なのですよ
挫けずに己を磨き、障害を物ともせず前に進めば自ずと道は開かれるのですよ





私はしつこい人は嫌いですけどね


◆補足
アドリブ、他の猟兵さんとの連携大歓迎



●open your heart
「ほほう……失恋ですと? 青いですねー、春ですねー」
 黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)が、ほっこりとした表情で感想を述べた。
「……しかし、そんなものミコさんには関係ないのです」
「ひっ……!」
 急に真顔に戻る黒玻璃。その唐突な変貌ぶりに、仲間の一人が悲鳴を漏らす。
「まぁ、見ててください。ミコさん流の謎解きを見せてあげますよ」
 すぐさま元の表情に戻った黒玻璃が、ぬるぬると扉の前に移動した。

 扉や人形を繁々と観察した後、黒玻璃はぽよぽよと波打ち始めた。
「なるほど、なるほど……大体わかりましたよ。この扉はですねぇ……」
 今度は、黒玻璃から2本のマッチョな腕が伸びる。

「力 で 開 け る の で す」

「な、なんだってー!?」
 仲間が横に並び、驚愕の表情を浮かべる。どういうことだ黒玻璃ィ!!
「いいですか? この扉は、失恋により閉ざされてしまった友達の"心"なのです!! 確かに、優しい言葉で慰めるのも良いでしょう……しかし、最終的に人を動かすのは"行動力"……圧倒的なパワーなのです!!」
 黒玻璃から生えたアンバランスな腕が、扉に手を掛ける。本当に力業で開けるつもりだ。
「ふんぬお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」
「ひっ……!?」
 またしても、変わり果てた黒玻璃の顔を見てしまった仲間が悲鳴を上げる。きっと今夜は眠れないだろう。
「人生は、"気合い"さえあれば大体のことは乗り越えられるのですよ……!! 気合いで己を磨き、気合いで障害を乗り越えれば、自ずと道は開かれるのでしょう……!!」
 黒玻璃の『気合い論』に、人形が反応した気がする。小さく震え、微かに光ったかと思うと、扉が僅かに動き始めた。

 ゴゴゴ……ゴゴ……ゴゴ

 扉は数センチ程開いたが、まだ人が通れる隙間ではない。黒玻璃は通れる。
(「私一人が進んでも危険ですし、もう少し扉が開くまで待ちましょうか」)
「スゲーな、黒玻璃!! いきなり扉を開けるなんて!!」
「凄いです、黒玻璃さん!」
「ふふふ……」
「本当すごい! よく分かったな!」
「すごいすごい!! マジですごいよ!」
「ふふ……ふ……」
 どさくさに紛れて、しつこくボディタッチをしてくる猟兵達。あまりの執拗さに、黒玻璃は……。
「やめてください、ちょっとしつこいです」
「はい」
「すいません、調子こいてました」
 黒玻璃の心の扉は固かった。

成功 🔵​🔵​🔴​

水心子・静柄
なるほどね、謎は全て解けたわ!これは一見して友達想いの投稿者が質問掲示板で知恵を求めてるかのように装っているけど、実際は憧れの先輩に告白して振られたのは、友達じゃなくて、これを書いた本人ね。自分のプライドは保ちつつ、でも慰めてもらいたいという魂胆がみえみえで、正直…キモいわ!慰める方法を考えろとか上から目線なのもジコチューぽいわよね。それでもあえて慰めるなら…書いた本人(多分、人形)に鏡を見せて、「ねぇ今どんな気持ち?」って聞いてあげる事かしらね?最初に底辺まで落とせば後は上がるだけだから、慰めるのは後の人に任せたわ。それより最初に持ち上げて、最後に落とす方が良かったかしら?



●恋のタクティクス
「ふうん……大体、分かったわ」
 水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)が、全てお見通しといった様子で語りだした。
「これはよくある、『友達の話なんだけど~』と言っておきながら、実は自分の話でしたっていうアレよ。つまり、先輩に振られたのは友達じゃなくて、質問者本人なのよ」
「な、なるほど……!」
「確かに、『自分が振られた』とは言いづらいですもんね!!」
「やめろ! お前に何が分かるんだよ!! これ以上、俺の古傷を抉らないでくれ!!」
 水心子の推理に色めく仲間達。若干一名、泣きそうな猟兵もいるが気にしないでいいだろう。
「まったく……。保身を図りつつ、皆に慰めてもらおうっていう魂胆が見え見えなのよね、キモいわ。それに『考えろ』って上から目線なのも気に入らないし……きっと自己中だから振られたのね」
「おお……どんどん出題者のプロファイリングが進むな」
「私も、そういう男の人嫌いです!」
「……」
 さっき泣きそうだった猟兵は死んでる。
「この人形が本体かしら? 謎を看破されて、どんな気持ち? ねぇ今どんな気持ち?」
 水心子が、見たこともないような軽快なステップで人形を煽る。重そうな着物を着ているのに、どこにそんな機動力があったのか。
 人形は、また小さく震えたかと思うと、今度は赤く光り出した。

 ゴゴ……ゴ……

「あっ!? 扉が閉じ始めた!! あまりのストレスに心を閉ざしたんだ!!」
「あら、意外と豆腐だったのね」
 慌てる仲間達をよそに、水心子がのほほんと答えた。猟兵達は必死で閉じる扉を押さえようとする。
 その後は、皆でめっちゃ人形を撫でたり、激励の言葉を贈ったりして、何とか扉を元の位置に戻した。
 
「作戦通りね。テンションを落とすところまで落としたから、あとはちょっと優しくするだけで、そいつは靡くわよ」
 恋愛上級者のようなことを言いながら、水心子は扇子を揺らした。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

赤星・緋色
ほーん、なるほどね!
私、知ってる
こーゆーとき、こう答えればいいんでしょ?
「だが断る」

この選択肢で行くよ
・詳しく調べたり、鍵開け等の技能で解除する
人形に向かって寸劇をするってことは、人形と寸劇をする人の両方が見えないとだよね
ていうことは
人形から離れたどこか別のところで、映像と音声が見たり聞いたりして判定する何やかんやがあるはずかな
そこに扉を開けるための何かもあるはずだし
きっと伝声管とかゴーレムっぽいのとかが設置されていて、なんやかんやで判定してなんやかんやで扉を開けてくれてる仕組みのはずだよ

えー、もしかしてないんでござるかぁ?
じゃあ人形ばらして調べよ
扉開けるスイッチとかあるんじゃない?



●分解
「なるほど! つまり、この人形を慰めて、扉を開ければいいんだね!!」
 赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)が、元気よく答えた。
「うんうん。薄汚れて、いかにも可哀想な人形だもんね。優しく慰めて、立ち直らせてあげないと」
 仲間に安堵の表情が浮かぶ。そうそう、皆で強力して扉を開けないと……。

「だが断る」

 猟兵達の間に緊張が走る。今……コイツは何て言ったんだ?
「だが断る、って言ったんだよ。この赤星・緋色の最も嫌いなことは、こんなダンジョンの奥くんだりまで来て、くたびれた人形相手に茶番を演じることさ」
 赤星は、人形を丹念に調べ始めた。
「いかにオカルトじみた仕掛けに見せようとも、声や動作に反応する以上、何処かにマイクやカメラがある筈だよ。それさえ見つければ……」
「な、なるほど……」
 赤星の理論を聞かされ、仲間達が納得する。よく見ると、人形の裏側に極小の円があるのを見つけた。円の中央には、星型の溝が――。
「これは……ネジかな?」
 見たことの無い溝だが、赤星はツールを駆使して器用に回転させる。回った部分はするすると浮かび上がり、ぽろりと取れた。
「……開いた!!」
 しかし、古代の技術で作られているのか、人形の内側は複雑であり、赤星でも理解に窮した。
「んー、何だこれ? "T"って書いてあるけど……」
 赤星が、興味本位でボタンを押してみる。すると――。

『あそぼうよ!』

 唐突に人形が喋った。あまりに危機感を欠いたセリフに、ダンジョン内が静寂に包まれる。
「じゃあ、こっちの"K"っていうボタンは……」
「赤星、もうやめよう。俺の直感だが、それは押しても意味が無い気がする」
「えぇ? ちぇっ、しょうがないなぁ……」
 下手をすると、人形が爆発したり、踊りだしたりしてしまうかもしれない。赤星は渋々と分解を諦めた。
「あ」
「? どうかした?」
 人形を元通りにした後、赤星の手には1本のネジが残っていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

四季乃・瑠璃
【SPD】

【ダブル】で分身継続

扉や壁の薄い部分に遠隔式のジェノサイドボム(以下ボム)を大量生成して設置。【範囲攻撃、鎧無視、鎧砕き】で扉や壁を無理矢理粉砕し、火力で強引に破って突破するよ。
瑠璃&緋瑪「「この手に限るね(♪)」」



緋瑪「慰め方を答えれば開くっていうなら、答えるのも良いかもしれないけどね♪」
瑠璃「ちなみに緋瑪だったらどう答えるの?」
緋瑪「もし瑠璃が振られたら、瑠璃を振った先輩はこの世から消してあげるからって慰めるかな。瑠璃を振った先輩は爆殺確定!瑠璃を傷つけたんだから当然だね♪」
瑠璃「…それ、慰められてるのかなぁ…」

※アドリブ等歓迎



●ヤバイ扉開けちゃうかな
「この人形さんを慰めないと駄目なのか~」
 四季乃・瑠璃(瑠璃色の殺人姫・f09675)が、興味深そうに人形を眺める。
「じゃあ、いっぱい撫でてあげないとね……」
 柱の影から、緋瑪がスッと現れる。
「なんて……」
「言うと思った!?」
 二人はバッと人形から飛びのくと、扉に爆弾を仕掛け始めた。
「こんなの真面目にやる方がバカだよね~」
「そうそう。さっさと爆破して、先に行っちゃお?」
 瑠璃が点火の準備をし、緋瑪が他の猟兵達を下がらせる。
「はいはい、危ないから下がって~」
「それじゃあ、いきますよー。せーのっ……!!」
 瑠璃が勢いよくスイッチを入れると、爆発音が連続して響く。凄まじい爆風とともに辺り一面が砂埃に包まれた。周囲が視認できない程だ。

 砂埃が晴れ、急いで扉の様子を確認する瑠璃と緋瑪。
「う……そぉっ!?」
「これでビクともしない……!?」
 扉は、まるで何事もなかったかのようにそびえ立っていた。一同の間に絶望的な空気が漂う。
「うぅ……ごめんね、瑠璃。わたし、この作戦ならいけると思って……」
「ううん、緋瑪だけのせいじゃないよ。私もこれならいけると思ったもの」
「瑠璃……。あーあ。もし、瑠璃みたいな優しい子を振る男がいたら、コマ切れにして生ゴミみたいに捨ててやるのに」
「緋瑪……」
 頬を染めて向かい合う少女たち。硝煙の匂い薄くなり、どことなく百合百合しい空気が漂い始める。

 ……! ……!

 その時、人形が光り出し、また小さく震えた。そして扉が微かに開く。

 ゴゴゴ……ゴ……

「……開い……た? 一体、何に反応したんだろ?」
「さあ……?」
 瑠璃と緋瑪は互いに手を合わせて、意味が分からないといった様子で呟いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

城田・紗希
えっと、ウィザードミサイルで学生を追い返せば良いんでしょ?
その気になれば90本ぐらいは出せるから、任せて!(計算間違えてるけど実際は115本)
……で、その学生が閉じ込められた、この扉を開ければいいの?

こういう扉って罠が付き物だよね……。
無理に開けようとすると、毒針とか吹き矢とか熱々の海鮮焼きそばが飛び出す感じの。
対策のために、絶望の福音……と、第六感も併用して、回避する準備してから鍵開けするよ!



●ギミック
「えーと、ウィザードミサイルで学生を追い返せばいいんでしょ? 楽勝楽勝!」
 やたら血の気が多いのは城田・紗希(人間の探索者・f01927)。学生の相手をする気満々だが、残念ながら扉の前に学生はいない。
「たぶん、この扉も閉まってたから、ここより先に進んだ学生はいないんじゃないかな。今は、この扉を何とかしないと」
 他の猟兵が状況を整理する。
「えー、そうなの? 学生を攻撃できないのかぁ……」
「そんなにガッカリしなくても、オブリビオンと遭遇すれば好きなだけ暴れられるよ」
「それもそうね!」
 仲間は皮肉のつもりで言ったのだが、城田には通じなかったようだ。

「じゃあ……早速、この扉を何とかしましょうかね」
 扉の前に、どっかと座る城田。腕まくりをして、得意の解錠を試みる。
「その扉、凄く頑丈だよ?」
「そうそう、あんなに爆弾使ってもダメだったんだから」
「ふふふ……何ごとも力で解決してはダメですよ。時には頭も使わないとね!」
 軽口を叩きながら、城田の表情が真剣なものになる。ユーベルコード"絶望の福音"を使って、罠の有無を予見しているのだ。
(「どうやら罠は無さそうね……でも、構造の方はサッパリ分からない……どうしたら開くのかしら?」)
 途方に暮れる城田。とりあえず、ガチャガチャと無闇に弄ってみる。すると――。

 ふっふっふ、ふふふーん、ふふふ、ふふふふーん♪

 急に人形が歌いながら踊りだした。これには普段はクールな猟兵達も唖然。
「な、なんだぁ!?」
「さっき、人形を分解したせいじゃないのか!?」
 猟兵達の狼狽など露知らず、人形は軽快に踊る。その光景はシュールで、僅かな恐怖すら感じさせた。

 ゴゴ……ゴゴ……

「あっ、ちょっと開いた」
 城田は真顔になった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリシア・マクリントック
うーん、慰めると言っても何をどのようにすればいいのか……色恋というものには疎いですし。
そうですね、こういうのはどうでしょう。

アニマルセラピー、と言うのを聞いたことがあります。動物と触れ合うことで癒しを得るのだとか。
ですので……マリアをもふもふするのです。この美しい毛並みと人より少しだけ高い体温……
抱きしめたり、撫でたりしていれば嫌なことなんてすぐに忘れてしまいます!
それに、動物の……彼女の生き様にはいろいろ教えられます。
できなかったことを悔いるのではなく、いつも前を向いている……そんな気がします。

なんだか途中から趣旨が変わってしまった気もしますが……マリアがかわいいので何の問題もないですね!



●ライフ
 アリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)は悩んでいた。
「うーん、どうしましょう……。殆どの方法が試された気がします。あとはもう、普通に慰めるしかないのでは?」
 むしろここまできて、普通に慰める人がいないことに驚きである。皆そんなに慰めたくなかったのだろうか。
「そうですね、せっかくですから私はマリアと一緒に慰めてあげましょう。"アニマルセラピー"というものを聞いたことがあります。きっと動物の暖かさに触れれば、すぐ元気になりますよ」
 合図をすると、マリアがとことことやってくる。そして、アリシアが指示すると、マリアはもふりと人形に覆いかぶさった。
「どうです、このもふもふした毛並と、動物特有の体温! 私も、撫でているだけで嫌なこととか忘れてしまいますね……」
 アリシアが目を細める。もちろん人形は動けないので、撫でたりはできないが、心なしか気持ち良さそうに見える。
 どうして誰も慰めてくれなかったんだろう……。力ずくで開けようとしたり、爆弾を使ったり、分解しようとしたり、こじ開けようとしたり。俺が待ち望んでいたのはこれだよ、これ!! と言いたそうにも見える。
 やがて人形は小刻みに震えだし、一際眩しく輝きだした。泣いているの?
「……マリアの生き方には、私もいろいろ教えられます。『できなかった』と後ろを見て嘆くのではなく、常に必死に前を向いて生きている。そういうのって、凄くシンプルで美しい生き方だと思うんです。貴方もそう思いませんか?」
 扉は静かに開いた。もう、全員が通れる幅だろう。アリシアは仲間を振り返って言った。
「さぁ、私達も前を向いて進みましょう! マリアに負けないように!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『グレーターキメラ』

POW   :    グレートゴリラパンチ
単純で重い【ゴリラの剛腕】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    デッドエンド・バイト
【鷲掴み、または踏み付けによる拘束攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【獅子頭または尻尾の毒蛇による噛み付き】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    山羊頭の暗黒魔法
レベル×5本の【暗黒】属性の【瘴気の魔弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ニーナ・ソーサリーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●魂の袋小路
 扉の向こうに、"そいつ"はいた。暗闇から、二つの紅い瞳がこちらを見つめている。いや、もっと……。
 瞳の主が暗がりから現れると、その異様な姿に圧倒される。六つの瞳は同じ身体を共有しており、更に、筋肉の発達した四肢、肉食獣特有の牙を持っている。もしヤツに捕縛されてしまったら、一瞬でその命を散らすだろう。
 しかし、貴方の背後では、アルダワ魔法学園の生徒達が生活している。それに、学生達にあれだけ大きな口を叩いた以上、成果を出さずに帰ることはできない。学生の未来、または自身のプライドを守るため、貴方は一歩踏み出した。
黒玻璃・ミコ
◆心情
うふふ、遂にやって来ましたボスの住まう階層に
迷宮に潜む恐るべき幻獣と言えば
当然・・・ドラゴンじゃないですと?(驚愕)

◆行動
【黒竜の恩寵】で状態異常力UP
何と言いますか……ショックです
確かにキメラもそれなりに強いですし
中ボスや悪の魔術師のお供というのも有りでしょう
ですが、これはアウトです(キッパリ)
獅子頭に山羊頭、蛇の尾までは許しますがゴリラって何ですか?
そこは胴体をドラゴンにすべきなのに

力説してる私を襲ってきたら有り余る竜狩りへの思いを
【気合】を入れ【怪力】込めた槍の一撃で
【生命力吸収】するヤバい【毒使い】
グサッと【カウンター】気味に【串刺し】にしましょう

◆補足
アドリブ、連携大歓迎



●異界の力
 オブリビオンの恐ろしい容貌に、猟兵達は戦慄していた。
「な、な、なんてこと……何てことでしょう……、おお……そんな……」
 この、黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)も例外ではない……かと思われた。
「このダンジョンのボスは、ドラゴンではなかったのですか!!?」
 黒玻璃はぷるぷると震えながら、感情を吐露させた。数々のドラゴンを屠ってきた、いわば"ドラゴンキラー"の彼女は、今回もどんなドラゴンに会えるだろうかと楽しみにしてきた。しかし、蓋を開けてみれば、そこにいたのは筋肉モリモリマッチョの合成獣だった。
「少しでもドラゴン要素があれば良かったのですが、『尻尾が爬虫類』というぐらいの共通点しかないとは……残念です……」
 しおしおと萎んでいく黒玻璃。しかし、悲しんでばかりもいられない。目の前の敵が、魔法学園に対する脅威であることに変わりはない。ここは私情を捨て、仕事を優先させなくては……。
「せめて、ドラゴンに生まれ変わって来てください。貴方とはここでお別れです、いあいあはすたあ……」
 黒玻璃が詠唱を始める。辺りに、形容しがたい黒い靄が立ち込める。不穏な空気を感じ取ったキメラが、ピクリと動いた。
 「こいつは放っておくとマズイ」、そう判断したのか、キメラが黒玻璃に突進する。そして、その前脚……いや、腕? 腕を振り上げ、渾身の一撃を叩き込もうとする。黒玻璃は、詠唱を続けたまま動こうとしない。このままでは、ダンジョンの壁がおはぎだらけになってしまう――!!

「――!!」

 本日3度目の登場、黒玻璃の上腕二頭筋である。その掌はしっかりとキメラの拳を受け止め、微動だにしない。
「……あい、あい、はすたあ……じっとしててくださいね……一瞬で済ませてあげますから」
 ずもももも……と、聞いたこともないような音を立て、靄の中から"何か"の手が現れる。鈍く光る漆黒の鱗、鉄板も切り裂きそうな鋭い爪、この世ならざる存在が黒玻璃に力を貸す。
「さようなら」
 まるで死刑宣告のように、漆黒の腕が振り下ろされる。危険を感じ取ったキメラが慌てて飛び退くが、行動は遅きに失した。いや、飛び退いたおかげで助かったのか。

 ぼとり。

 蛇だ。人間の腕ほどの太さはあろうかと思われる蛇の尻尾が、キメラの胴体から切り離された。いきなり体の一部を失った獣が、憎悪に満ちた眼でこちらを睨む。
「おや、爬虫類の部分が落ちましたね。ドラゴンじゃないので興味は無いですが」
 黒玻璃は淡々とした様子で呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリシア・マクリントック
アニマルセラピーの話をした後で動物の姿をした相手を攻撃するのは心苦しいですけど……仕方ありませんね。
害獣であれば退治するだけです。変身!

頭が三つもありますけど、喧嘩はしないのでしょうか?真ん中の山羊さんは肉食っぽいのに挟まれてなんだかいたたまれない感じですね……
さておき。マリアと挟み撃ちにして狙いを分散させましょう。体が一つですから前と後ろに分かれて気を引けば、進みたい方向がバラバラになって敵は戦いにくいはず。隙を見つけて一番防御力が低そうな尻尾……?蛇の頭?を切り落としてやりましょう!



●2対2?
「動物を相手にするのは気が引けますが、人に害を為すというのであれば容赦はしません……!!」
 動物を愛するアリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)は、苦渋の決断で剣を手に取った。

(「どうやら、キメラから生えた3つの頭は各々が意思を持っている様子……それなら別々の方向から挑発すれば、相手は混乱するのでは?」)
 アリシアが剣を構えて飛び出す。
「敵の動きが鈍ったところで、尻尾を斬り落とします!! それが私の役目ですね!!」
 マリアと挟み撃ちにして、一番警戒の薄そうな尻尾を斬る。完璧な作戦だった。しかし――。

 びちびち

「し……」
(「尻尾切れてるーーーっ!?_」)
 イメージトレーニングしてる間に、早々に切り落とされた尻尾を見て、アリシアは涙目になった。
「で、でも、まだ頭は2つありますから、私の作戦も有効な筈です……マリア!!」
 ヨロヨロと立ち上がりながらマリアに指示を出し、怪物の反対側に回らせる。マリアは山羊頭を威嚇し、アリシアは剣で獅子の頭を牽制した。
「――!!」
 山羊の部分は思ったより臆病なのか、マリアが吠えると過剰に怯え出した。尻尾が切り落とされたことにより、気弱になっていたのかもしれない。山羊頭が想像以上暴れ出したので、獅子頭が「えっ? ちょっと、お前大丈夫かよ」という顔をして振り返った。
「そこっ!!」
 アリシアの慧眼と素早い突きが、その隙を見逃さない。獅子頭の注意が自分から逸れた瞬間に、鋭く踏み込む。
「―――――――ッ!!?」
 まるで地獄の底のような咆哮が部屋に響く。正面から挑めば、獅子の牙に阻まれていたであろうアリシアのレイピアも、間隙を縫うことで的確に急所を貫いた。顔面に傷を負ったキメラは再び距離を取り、アリシア達に対して構えを取った。己が防戦一方であることに、苛立ちを隠せないようだ。
「……ごめんね……」
 アリシアはピッと剣を振り、刃に付いた血を払った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四季乃・瑠璃
「よーし、やっと暴れられるよ!瑠璃♪」
「少し厄介そうな相手だけど…行こう、緋瑪」

二人で連携して戦闘。【範囲攻撃、2回攻撃、鎧無視、鎧砕き、早業】感知式ジェノサイドボム(以下ボム)を大量にばら撒いて地雷代わりにして敵の接近を封じつつ、接触式ボムでの連続爆破と【クイックドロウ、2回攻撃】でK100による銃撃で攻撃。
敵の攻撃は【見切り、残像】で回避。

最後は切り札、ジェノサイドノヴァを起動。他の猟兵に時間稼ぎを頼み、瑠璃と緋瑪の二人で【力溜め】魔力チャージ。超火力で仕留める

瑠璃「見た目からしてタフそうだけど…」
緋瑪「覚悟してね!まとめて吹き飛ばしてあげるよ♪」

※アドリブ等歓迎



●take this !!
「恐ろしい獣……でも、皆のために倒さないと……」
 四季乃・瑠璃(瑠璃色の殺人姫・f09675)が、相手の姿に畏怖しつつも、使命のために一歩を踏み出す。
「やれやれ。やっと暴れられるね、瑠璃」
 瑠璃の影から、軽口を叩きながら緋瑪が現れる。戦いたくて、しょうがないという顔だ。
「うん。でも油断しないでね、緋瑪」
 その言葉を合図に、二人が同時にキメラに挑みかかる。

 緋瑪が恐るべき早さで爆弾を練成し、敵の足元にバラ撒く。
「さっきは脅しで使ったけど……今度は脅しじゃないよ!!」
 地雷に初めて相対するキメラが、一個目の爆弾を踏み抜き爆風を浴びる。
「――!!」
 悲痛な叫びを上げ、その巨体は大きくよろめいた。
「今ね!!」
 瑠璃が拳銃で追い討ちをかける。魔術強化された弾丸がキメラの体に食い込み、あちこちから黒ずんだ血液が流れだす。緋瑪が地雷でキメラの接近を防ぎ、瑠璃が遠距離から攻撃をする、完璧なコンビネーションだった。どちらも"自分"なのだから、当然といえば当然だが。
「へへへっ、この調子なら楽勝だね……」
「緋瑪ッ! まだ気を抜かないで!!」
 リロードしながら緋瑪を激する瑠璃。目にも止まらぬ早さで装填し、再びキメラに狙いを定める。その時、業を煮やしたキメラが地雷原を飛び越えるところだった。
「なっ――!?」
 急な突進に対処しきれない緋瑪。体勢を崩し、そのままキメラの力強い腕に捕縛されてしまう。
「がッ!?」
「緋瑪ッ!?」
 自分の分身が絶望的な状況に陥ったのを目の当たりにし、瑠璃が悲鳴ともつかぬ叫び声を上げる。
 確かに、キメラの握力は強いが、真に恐ろしいのはその力ではない。その状態で放たれる、獅子頭の牙こそが本当の脅威であった。確実な死を招く、キメラの二段攻撃が緋瑪を襲う――。
「……なぁんちゃって……」
 緋瑪は苦痛に顔を歪ませながらも、左手に持った一際大きい爆弾を、獅子の口の前に突き出した。急に異物を咥えさせられたキメラが怯み、その隙に腕から脱出する。
「派手にブチ撒けなァ!!」
 逃げながら爆弾スイッチを入れる緋瑪。その瞬間、凄まじい爆風が起こり、緋瑪や瑠璃が吹き飛ばされ、他の猟兵達も思わず顔を覆った。

 爆風が晴れた後。キメラの顔は原型を何とか原型を留めていたものの、表面は真っ黒に焦げ、その口内のダメージも計り知れないだろう。そして、怒りに満ちた表情が一層険しくなった。
「うひゃ~。魔力の充填が足りなかったとはいえ、あの爆弾を食らって、まだ立っているとは……」
「もう、緋瑪は無茶しすぎだよ……。こんな危ないことは、もう二度としないでね」
 瑠璃は、緋瑪を起こしつつ説教を始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

赤星・緋色
ひいろ は だいじなもの ねじ を てにいれた!
(ぺかー)

うんうん、私の活躍で何とか突破出来たね
このネジを抜き取らなかったら今頃みんな何やかんやに巻き込まれて粉微塵だったよ

いい言葉だね、私も前を向いて進むよ!負けないように!!
(ムーンウォークで扉を通過)

かもんガジェット!
今回紹介するのは魔導蒸気で駆動するウォーターカッター
適当にザクザク切って行っちゃうよ
頭が沢山あると音楽性の違い出たときに大変じゃない?分けてあげようか

相手は初撃が外れたら次も当たらない攻撃なら、初撃にだけ注意して戦えばいいよね
掴む、踏み付けからのコンボなら見切り技能で前足を特に注意して回避するよ
あ、私毒耐性あるから効きにくいよ



●ごまだれー
「いやー、何とか扉を突破出来て良かったね。私がこの"ネジ"を抜いていなかったら、今頃みんな粉微塵になって死んでいたよ」
 ダンジョンのボスとの戦闘中だというのに、のほほんとした調子で喋っているのは赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)。隣の部屋ではかなり戦局が進んでおり、「ワー」とか「キャー」といった悲鳴が聞こえる。しかし、赤星は動じない。
「それにしても、『前を向いて進む』か……良い言葉だね。私も前を向いて進むよ! 皆に負けないように!!」
 と、絶叫しつつ後ろ歩きで扉を通過する赤星。そんなことをして何になるんだ! 世の中に反抗するために生まれてきたの!?

「ぐぅっ!!」
 赤星が見事なムーンウォークを決めているところに、他の猟兵が吹き飛ばされてきた。それもそのはず、部屋の中では1頭の猛獣が暴れているのだから。
「おや? ずいぶん大きな猫が暴れているようだね……。」
 目を細めて相手を見る。よく見て、それは猫じゃないでしょ?
「これは私も本気を出さねばならないようだね……かもん、ガジェット!!」
 赤星の前に光の"線"が集まり、フレームを形作り、テクスチャが張られ、一つの装置が出来上がっていく。大きな貯水タンクと、ごてごてした装置、そして射出するホースのような部分……。
「じゃじゃーん、ウォーターカッター」
 感動も何もない無表情で装置の横に立ち、手をヒラヒラとさせて装置を紹介する赤星。
「これで、ばらばらにしてやるぞぉ。はっはっは、覚悟するといい……よいしょ、っと……」
 重そうなタンクを背負い、キメラに接近しようとする赤星。しかし、思い直してタンクを再び地面に置いた。
「……これは……死ぬな」
 ウォーターカッターの威力を発揮するために、キメラに接近したい。しかし、このクソ重いタンクを背負ったままでは、その目的も叶いそうにない。
「うーん、どうしようかな……」
「――ッッ!!」
 まるで、スーパーで買い物をする主婦のように悩んでいた赤星に対し、痺れを切らしたキメラが飛び込んで来た。その右腕を大きく横に薙ぎ、赤星を捕縛しようとする。
「それを待ってたっ!!」
 赤星は宙返りし、キメラの頭上を取る。その片手にはウォーターカッターのノズルが――。
「――発射ッ!!」
 トリガを握り込み、音速を超えたスピードで水が射出される。その凄まじい光線が、キメラの山羊頭を捕らえた。
「――――ッ!?!??」
 山羊頭はガクガクと痙攣し、目をぱちぱちと瞬きさせながら奇声を上げた。しかし、赤星は容赦しない。キメラに跨りながら執拗に攻撃し続ける。やがて山羊頭は静かになり、力が抜けたようにぐにゃりと倒れ込んだ。目的を達したことを確認し、暴れ回るキメラから赤星が飛び降りる。
「ふぅ、残る頭は一つか。これで、音楽性の違いに悩むことは無くなったね」
 拳銃に見立てて、ノズルの先端を口でフッと吹いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

水心子・静柄
えー…っと、さっきの謎解きは爬虫類の尻尾蛇が告白し振られて、哺乳類の獅子頭かとな…じゃなく、尻尾山羊が慰め方を聞いていたのかしら?ごめんなさいね、同一体でも別人格に分かれているとは思わなくて。でも尻尾トナカイは同種族からもモテないから諦めた方がいいわ。

さて気を付けるのはゴリラパンチだけど四足状態から繰り出すのと二足状態になってから繰り出すのと、どちらも対処しやすいわね。ゴリラの剛腕を振りかぶったら、覚悟を決めて後足の方にすり抜けるわ。その際、四足ならもう片方の腕、二足なら重心がよってる後足を居合で斬る。ボクサー並の技量で殴ってくるとは思わないけどノーモーションでパンチしてきたら諦めて喰らうわ。



●黄泉送り
(「扉での設問は何だったのかしら……まさか、このキメラの蛇尻尾が告白で振られて、山羊頭が慰め方を聞いてたとか……」)
 謎解きの、更なる闇を覗き込もうとする水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)。しかし、その謎解きの登場人物である蛇尻尾は早々に切り落とされ、山羊頭も先ほど頭に穴を空けられて絶命したところである。
「もう虫の息ね。早く楽にしてあげた方が、お互いのためみたい」
 水心子が脇差を携えて歩みよる。キメラも静かに対峙した。まるで人と獣の闘いとは思えない、剣道の試合前のような光景だった。

「――――ッ!!」
 機先を制したのはキメラだった。水心子を捕らえようと、最高速で腕を薙ぎ払う。水心子は読んでいたとばかりにくぐり抜ける。そのままスライディングし、キメラの足の間を通り抜けた。

 カチンッ

 鍔鳴りの音だけが響く。砂で汚れてしまった裾を払い、水心子が呟く。
「今日も見られずに済んだようね。よかった」
 キメラは両の後足を失って倒れた。苦しそうに呻いたが、もうどこにも行くことは出来ない。水心子がつかつかと回り込み、残された獅子頭の脇に立つ。
「こんな時、何て言ったらいいか分からないけど……そうね、やっぱり慰めるのは苦手だわ」
 再び水心子の手が素早く動いたかと思うと、獅子頭は赤いタテガミを生やし、どさっと首が落ちた。

●凱旋
 猟兵達が迷いながらダンジョンの入口に戻ると、今まで送り返した学生達が帰りを待っていた。
「遅かったじゃねーか。で、やっぱり怪物はいたのか?」
「どんな見た目だった? 無事に倒せたの?」
 学生達の質問攻めにあい、猟兵達は「やれやれ」という顔をした。誰かが何か言おうとしたのを制し、水心子は学生に向かって呟いた。
「何もいなかったわ。私の相手になるようなものはね」
 しずしずと裾を引き摺りながら立ち去る水心子の後を、学生達は呆気に取られた顔で見送った。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月26日


挿絵イラスト