3

【アスエン】ファンファーレが響く時

作者：月天下の旅人

「私たちの所属しているチーム、ANGELの危機なのよ」
　春日・涼（秘密を抱えた偶像・f37787）がそう前置きする。
「若くして非業の死を遂げた伝説のトライアスリートが、ダークリーガーとして蘇り、レースに参加するのよ」
　ダークリーガーと同じレースを走る選手達は、徐々にダーク化されてしまう。
　かつてダークリーガーに対抗するため作られたチームAthleteNobleGrandEpochLegend。
　『アスリートの高貴なる壮大な新時代の伝説』を意味する名から分かるように、格式あるチームである。
「とはいえ今ではダーク化に対抗できる選手も少ない」
　その格式高さ故に、トライアスリートチームとしてのANGELは単なる強豪チームになってしまった。
「もしダークリーガーが勝てば、勝利後のライブパフォーマンスで、観客さえもダーク化してしまうのよ」
　だから猟兵が優勝し、精一杯やりぬいたダークリーガーを成仏（？）させなければならないのである。
「トライアスロンには選手交代がない。だから転移した猟兵は途中リタイアしない限り、水泳からずーっと参加している事になるわ」
　だからグリモアベースから途中で転移した場合でもそれ相応に体力を消耗していることになる。
　と、付け加えて涼は転移の準備をするのだった。
「私は参加できないわ。途中でへばった猟兵を回収しないといけないし」
　グリモア猟兵は転移の都合上戦闘には参加できない。
　それはアスリートアースでも変わらないのであった。

第1章 集団戦 『ヘル・マジシャン・ガールズ』

POW   :    助っ人さんいらっしゃ〜い 【大鍵で異空間の扉を開き、助っ人外国人】の霊を召喚する。これは【外国人というより人外なパワーと特殊能力】や【ものすごく派手な乱闘行為】で攻撃する能力を持つ。 SPD   :    先程お借りしましたユーベルコードでございます 自身が触れた物体ひとつに【ボス級ダークリーガーの力を宿したモフモフ】を憑依させ、物体の近接範囲に入った敵を【そのダークリーガーの持つユーベルコード】で攻撃させる。 WIZ   :    タネも仕掛けも詰め放題 【シルクハット】から、対象の【競技に勝利したい】という願いを叶える【ルールギリギリアウトな凶器や凶悪モフモフ】を創造する。［ルールギリギリアウトな凶器や凶悪モフモフ］をうまく使わないと願いは叶わない。 イラスト：ひろしお 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

「【水中戦】ならグリードオーシャンで経験済みよ」
　ちょっと恥ずかしいけど水着着用…色気も何にもないスポーツ用のものね、
とヴィオレッタ・エーデルシュタイン（幸福証明・f03706）はいう。
「『お友達』を増やしたいのです。とシエナはやる気満々です」
　この世界では下手すればオブリビオンより危険な存在、シエナ・リーレイ（取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107）。
「駄目よ。ここのオブリビオンは『競技』で倒さないといけないの」
　ヴィオレッタを含め、周囲に居たアスリートから決死で止められる。
「決まりなら仕方ないね。とシエナはしょんぼりします」
　周囲の猟兵の決死の説得により競技中は他選手と積極的に触れ合ってはいけないと認識したシエナはいう。
「みんなは自由にしていてね！とシエナは『お友達』に伝えます」
　そういってシエナは【水生生物さん達がお送りする癒しのひと時】を発動する。
「一緒に泳げば癒し効果抜群だよ！とシエナは水生生物な『お友達』を呼び出します」
　マグロな『お友達』の体にシエナはしがみつき、一緒に呼び出された沢山の『お友達』に他の人を癒しにいかなくて良いと言い含めその場を去る。
　それを見たヴィオレッタも【素潜り】【水泳】【息止め】で一気に泳ぎに入る。
「な、なにこれ！？」
　ダーク化した選手、ヘル・マジシャン・ガールズがそういったのも無理はない。
　シエナが放った『お友達』は結果として水泳会場を素敵なアクアリウム（隠喩）に変化させていたのだ。
　本能や好奇心の赴くままに飢えを満たす為の狩りや興味を抱いたモノを対象に遊びを始めた『お友達』。
　それがヘル・マジシャン・ガールズを狩り対象、もしくは『遊び』対象と見なしたのだ。
「人形が泳いでくるなんてどんなユーベルコードなの！？」
　元々ユーベルコードが飛び交う過酷な競技に対応していたヘル・マジシャン・ガールズ。
　なので呪詛の籠った人形に襲われたとしても死ぬことはないがダメージは受けている。
「お返ししてあげるわ！」
　ヘル・マジシャン・ガールズも【助っ人さんいらっしゃ〜い】で反撃。
　外国人というより人外なパワーでヴィオレッタを攻撃する。
「これは貴方の罪」
　それを【自分の銃】で受け止め、一時的に水上に顔を出し詠唱することで【因果応報の鏡】を発動。
　反撃をしてきたヘル・マジシャン・ガールズに対し、逆に複数回の反撃が襲い掛かる。
「うわっー！」
　ヘル・マジシャン・ガールズは過酷なレースに耐えてきたこともあり溺れることは無かった物の、
上位争いからは完全に脱落したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　後方から追いかけてきたのは白匣・覚醒（密室探偵・f22856）、
そして星川・杏梨（聖炎の剣士・f17737）であった。
　だが白匣は焦っていた。
　いくら白匣の存在そのものが密室である怪奇人間といえど、
途方もなく広い水泳会場を『密室』にすることはできない。
　【怪奇密室人間探偵シロベヤメザメ】で密室に変異することはできるが、
『白い部屋に閉じ込める』という性質が水泳とは相性最悪なのである。
「困りましたね……素直に泳ぐしかありません」
　そして星川はスーパー・ジャスティスを発動。
「そうでもないなの。私のとこに来たマジシャン・ガールズを閉じ込めてくれればいいよ」
　飛翔は禁止されているので、星川はそれに従い飛翔はしない。
　だが意志に比例した戦闘力増強は得られるので、それを利用してダークアスリートに対抗しようという魂胆なのだ。
「なるほど……それでしたら」
　【先程お借りしましたユーベルコードでございます】を発動するため接近してきたマジシャン・ガールズ。
　そんな彼女たちを白匣は閉じ込める。
「君達は目覚めた。ここは真っ白な部屋だろう」
　白い密室に溢れたUDCが、マジシャン・ガールズに襲い掛かる。
　マジシャン・ガールズもユーベルコードをUDCに打ち込むことでUDCを対処しているが、
そこで出来た隙を星川が見逃すはずもない。
「この剣に、私の誓いを込めて。行くよ」
　【範囲攻撃】でマジシャン・ガールズを纏めて吹き飛ばし、さらに【二回攻撃】で追撃する。
　遊泳中なので長い時間マジシャン・ガールズを拘束することはできない、
だが拘束することで纏めて薙ぎ払うことができるのだ。
「これで正気に戻ってこれればいいわ」
　だがマジシャン・ガールズも鍛えたアスリート、ただでは転ばない。
　ユーベルコードを利用したカウンターを放とうとする。
「見えてるなの！」
　だが星川は【第六感】を使いそれを【見切り】。すかさずもう一撃食らわせる。
　流石に全力を出し切ったマジシャン・ガールズは満足し、
星川が対峙した集団のダーク化は解除されたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

　最後にやって来たのは河崎・統治（帰って来た能力者・f03854）。
　彼はイグニッションカードから装備を展開、そのまま装着する。
　味方は居ないものの開けた海なので単独で警戒するには困らない。
「武器を大量に持ち込んでもいいってのが助かるな」
　この世界のトライアスロンは選手に対する攻撃が許されている。
　つまり武器を使っても構わないのである。
「とはいえ泳ぐのに邪魔だからアサルトウェポンと水月だけ展開した」
　普段はアームガトリングやら２１式複合兵装やらも展開するのだが、
流石に泳ぎの邪魔なのでアサルトウェポンと水月のみの展開に留めたのだ。
「そっちがその気ならこっちだって！」
マジシャン・ガールズは【タネも仕掛けも詰め放題】を発動。
　相手を溺れさせかねないということでルール違反とされる音波兵器を取り出す。
　しかしそれを見た河崎は真っ先にそれを破壊。
　その後すかさず接近し水月による剣刃一閃でマジシャン・ガールズを切り裂き、
勝負に敗れたマジシャン・ガールズはダーク化が解除されるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

第2章 集団戦 『洗脳テニスプレイヤー』

POW   :    死神の瞳 対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【死神の幻影】が出現してそれを180秒封じる。 SPD   :    一人ダブルス 【もうひとりの自分】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。 WIZ   :    デッドエンドデスティニー 攻撃が命中した対象に【ターゲットマーク】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【どこからか高速で飛来する硬式テニスボール】による追加攻撃を与え続ける。 イラスト：鴇田ケイ 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

　ヴィオレッタ・エーデルシュタイン（幸福証明・f03706）は自転車に乗り換えていた。
　【騎乗】のスキルを応用して自転車もそつなくこなしている。
「相手がテニスプレイヤーなのがとってもシュールね」
　と、ヴィオレッタはいうがこの世界でトライアスロンは花形だ。
　故にテニスプレイヤーが参加していても別に可笑しいことではないのである。
　そんなわけでヴィオレッタは【騎兵の友たる銃】を構えて［制圧射撃］。
　自転車のハンドルを[念動力]でコントロールしながら射撃する。
「直接狙わないだけ良いと思ってちょうだいね」
　ただテニスプレイヤーもやられっぱなしでは居られない、といわんばかりに一人ダブルスを発動。
　それに対しヴィオレッタは【錬成カミヤドリ】で１２２レベル個の青金剛石を
出現させそれを連続してぶつけていく。
「ダイアモンドは…当たると痛いわよ？」
　ヴィオレッタがそういうが、実際ダイアモンドは世界一硬いといわれている。
　更にテニスプレイヤーは高速で自転車を漕いでいたので大ダメージは免れず、
負けたことによってダーク化が解除されるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　次にやってきたのは櫟・陽里（スターライダー ヒカリ・f05640）、
ラムダ・ツァオ（影・f00001）。
　そしてメイリン・コスモロード（飛竜の鉾・f13235）の三人だった。
　三人は水泳に参加したくらいの体力を消耗した状態で自転車レースに参加する。
　まず陽里は元来バイク乗りであり、ひたすら速さを求めるレーサーだ。
　今回はルール上自転車に乗らなければならないので自転車に乗っているが、
その操縦技術は自転車でも生かせる。
　逆にいえば自転車レースの技術がバイクの操縦技術に生かせるので、
陽里にとってはこれ以上ない世界であるといえるだろう。
　とはいえバイクと違い自転車は自分で漕がなければならないという相違点がある。
　その分の違いもありバイクの操縦技術を十全に生かせるわけではないが、
それでもラムダやメイリンよりは早い。
　ラムダも足を生かして自転車を漕いでいるのだが、残像を残すように動くことはできていない。
　見切りの技術があるのでそれを生かしてテニスプレイヤーと対峙する形だ。
　そして三人の中で一番遅いのはメイリン。
　彼女は竜騎士であるのだが、その技術を自転車レースに生かすことはできていない。
　そんな彼女をまず先に潰すべく、【デッドエンドデスティニー】のためにぶつかろうと画策する。
「近づいてきてくれるなら！私の中に眠る竜の力よ、槍に宿りて敵を貫きなさい！」
　攻撃回数を増やした【飛竜の聖槍】によるカウンターをテニスプレイヤーに喰らわせる。
「俺も負けてられないぜ！」
　乗っているのがバイクではなく自転車とはいえ、陽里のレーサー魂に火がついていた。
「火花散るレース、楽しもうぜ！」
　陽里はそういうと、【Side by side】を発動。
　競り合いの火花を命中させ、炎はタイヤ痕を辿り燃え上がる。
「くそっ、味な真似をしやがる！」
　テニスプレイヤーは【一人ダブルス】を発動してそれに対抗する。
　激しいデットヒートに突入しており、レーサーは伊達でないことを示している。
　それでもテニスプレイヤーは炎を振り払い切れず、ダメージを受ける。
　そしてそれはラムダが見逃さない。
「殺しちゃいけないルールになっているけど、これくらいはやっていいわよね？」
　と、ラムダは一人ダブルスで炎を振り払おうとしているテニスプレイヤーに、
【シーブズ・ギャンビット】を発動して追撃。
　タガーによる素早い一撃が、炎で死角になっている角度からテニスプレイヤーに襲い掛かる。
　テニスプレイヤーはその一撃をかわずことができず、もろに喰らってしまう。
　テニスプレイヤーも百戦錬磨なのでそのくらいで死にはしないが、
そのまま上位争いからは完全に脱落。
　真っ向勝負で負けて満足したこともあり、テニスプレイヤーはダーク化が解除されるのだった。
「中々いいレースだったぜ。今度はバイクで戦おうぜ！」
　脱落したテニスプレイヤーを見やりながら、陽里はいう。
　今回は自転車レースだったが、テニスプレイヤーの操縦技術はバイクレースでも生かせると確信するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

「何かあったの？とシエナは尋ねます」
　スタッフは様子が可笑しかった。というのも、海を｜アクアリウム《戦場》にしていた人形の回収で疲れ切っていたからだ。
　選手が居なくなった後も自律行動する上暴れ回る人形の回収はそれだけ重労働だったのだ。
　シエナはそんなスタッフの苦労に気づかないのか首をかしげていた。
　ファンシーなジャージとメットを纏り、何故か頑健さに特化したモデルの自転車を選ぶ。
「相手が誘ってきたなら仕方ないよね！とシエナは理論武装します」
　と楽し気なシエナであったがお世辞にも早いとはいえない。
「邪魔だ！」
　そういいながらテニスプレイヤーが【一人ダブルス】で突っ込んでくると、シエナは豹変する。
「わたしの想いを受け取ってね！とシエナは突撃します」
　というや否や怪力を発揮。更には【お友達との楽しい遊びが引き起こす気分の異常な高揚】を発動させる。
「凄く楽しくなってきたよ！とシエナは気分の高揚を訴えます」
　怪力とユーベルコードの併用で自転車は加速し、そのまま体当たり。
「中々いい走りをするんだよ！とシエナは興奮しています」
　体当たりしながら親愛と好意をあらわにし、自転車の頑健さに任せた轢き逃げアタックを敢行。
　早い話が特攻であり、それを喰らったテニスプレイヤーは耐え切れず脱落してしまう。
　それでもダーク化が解除され、ケガを負う程度で済むのは流石アスリートといったところだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

第3章 ボス戦 『レジェンドアスリーテス』

POW   :    レジェンド降臨 【伝説のアスリート】のオーラを纏い、自身の【陸上】競技力と【水泳】競技力を2〜8倍にする（競技が限定的である程強い）。 SPD   :    疾風のごとく 自身と武装を【敵を切り裂く疾風】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、［敵を切り裂く疾風］を飛ばして遠距離攻撃も可能。 WIZ   :    アンリミテッド・スピード 【全力疾走】の継続時間に比例して、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇する。 イラスト：hoi 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

　マラソンで最初に仕掛けたのはヴィオレッタ・エーデルシュタイン（幸福証明・f03706）。
「あら、なかなか可愛らしい衣装じゃない」
　と、ヴィオレッタはレジェンドアスリーテスの衣装の色違いを用意。
　白地に青色の縁取りのそれを着ることで、相手の衣装を複数同じものがいる内の一つに埋没させようとする。
　というのは建前でちょっと着てみたかったのが大きいのだが。
　そしてヴィオレッタは
「これで騙せるかしら？」
　と【ダミードール】で相手の偽物を相手の走路に置き、［念動力］で粘着。
　彼女はその上でマイペースで走り抜けていく。
「そんな人形なんかに！」
　レジェンドアスリーテスは【疾風のごとく】で【敵を切り裂く疾風】を身にまとい、
視聴嗅覚での感知を遮断して人形を振り払おうとする。
　しかしヴィオレッタには第六感があり、それを利用してレジェンドアスリーテスの位置を把握。
　レジェンドアスリーテスは［敵を切り裂く疾風］で人形を切り裂き、
妨害を何とか突破したもののヴィオレッタに追い抜かれてしまったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「まらそん、ですか……」
　隠神・華蘭（八百八の末席・f30198）は水泳と自転車の分の体力を消耗した状態でやってきた。
「アルダワ魔法学園応援団『轟嵐会』団長 七詩野兵衛である！」
　七詩野・兵衛（空を舞う熱血応援団長・f08445）も同じく披露しているはずなのだが、
迸る『気合い』と滾る『情熱』で鼓舞する姿勢でいるが自分もマラソンに参加する。
「疲れていようが、頑張れ！」
　と、さっそく隠神を鼓舞する。
「中々暑苦しい人ですねえ」
　若干引き気味の隠神ではあったが、それでも逃げ足を応用してひたすら走る。
「やってやるぜ！」
　七詩野も［覚悟］を決めて全力疾走する。
「中々暑苦しいわね。でも！」
レジェンドアスリーテスはそういうや否や【レジェンド降臨】を発動。
　【伝説のアスリート】のオーラを纏い、自身の【陸上】競技力と【水泳】競技力を4倍にして対抗する。
　だがあくまで上がったのは競技力である。
　追い抜かれた猟兵にすぐ追いつけるほど早くなれるわけでもない。
　ただタフになっているのでこのままだと追いつかれてしまう。
　それを見た隠神はとっておきを発動する。
「過去でもなんでも、利用できるものは利用しちゃいますよぉ！」
　【再臨・怨み狸】、それは【闇変化】から派生したユーベルコード。
　骸魂【として召喚した真の姿の過去の自分】と合体し、一時的にオブリビオン化。
　毎秒自身の【レベル×２倍周囲に浮かんだ青白い火の玉】を消費し使い切ると眠る。
　つまり242秒しか持たないのでマラソンからは脱落してしまうが、
前を走る猟兵が勝てばいいという理屈であるようだ。
「なっ！？」
　レジェンドアスリーテスは驚きを隠せない。まさか猟兵がダーク化するとは思っていなかったからだ。
　そして彼女はレジェンドアスリーテスを力任せに殴り飛ばす。
　レジェンドアスリーテスもかつて伝説のアスリートとして数々の修羅場をくぐり抜けた存在。
　なのでそのくらいで至ることは無いが、それでもダメージを受けたことには変わらない。
　先頭を走る猟兵からみてかなり遅れたペースになっていることは確かだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

　最後に姿を見せた猟兵はシエナ・リーレイ（取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107）、
そしてシャーロット・キャロル（マイティガール・f16392）だった。
「転移前に忠告されましたけど確かに途中参加でもめちゃくちゃ体力が消耗してますね……」
　彼女のいう通り、途中参加してきた猟兵も最初から参加していたことになる。
　それ故に相応に疲労しているのだ。
「これなら公式競技になっていない超人プロレスのアピールにもなりますからね！」
　と、シャーロットは超人プロレスのリングコスチューム姿でマラソンを走る。
　普段はこういう移動の場合ヒーローパワーで飛んで行ってしまう彼女であるが、
トレーニングの一環で走り込みをしているのでその経験を生かして走り切らんとする。
　一方シエナはランニングシャツとハーフパンツを身に着けて、走りながら露わとなった球体関節の調子を確かめていた。
　そしてレジェンドアスリーテスが現れると、彼女は挨拶をする。
「よろしくね！とシエナは挨拶をします」
　彼女は｜ジュリエッタ・リーレイ人形《最初のお友達の亡骸》を仮初の体としており、
それ故に｜無尽蔵の体力《死体故に疲れない体》を持っている。
「わたしと一緒に遊びましょう！とシエナはお友達候補との交流を始めます」
　そして彼女は【ジュリエッタ・リーレイの願い】を発動。
　『お友達』候補と仲良くなるために、ただひたすら純粋に走る姿勢だ。
「私だって負けないわよ！」
　レジェンドアスリーテスは【レジェンド降臨】を発動。
　シエナは仲良くなるために手出しされない限り手出ししないため、一見不利に思えた。
　しかしレジェンドアスリーテスは無尽蔵の体力を持つシエナに合わせてしまったため、
オーバーペースになってしまい失速してしまう。
　その後ろに居たシャーロットは根性で正義の心燃やしてただ走る。
　だがマラソンのような持久走に慣れてないこともありそんなレジェンドアスリーテスよりも遅れていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●そして、決着
　一着は最初に仕掛けたヴィオレッタだった。
　次にやってきたのは無尽蔵の体力を持つシエナ。
　そしてレジェンドアスリーテスは三着だった。
「負けた、わね……」
　レジェンドアスリーテスはそういうや否や、即座に成仏していく。
「あっ、待って！とシエナは呼び止めます」
　シエナはレジェンドアスリーテスを｜『お友達』《人形》候補として見ていただけに、悲しそうな表情をしていた。
　だがレジェンドアスリーテスは精一杯やりきった時点で満足しきっており、
手出しされない限り手出ししないシエナのユーベルコードは裏目に出た形だった。
「まあいいや、また次の機会があるから。とシエナは納得します」
　とはいえシエナは諦めない。
　ジュリエッタの願いを叶えるために、猟兵として活動する。
　それが彼女の行動原理なのだから。

最終結果：成功 完成日:2022年07月26日