メガリス奪取作戦、寂しがり屋のメイドカフェ
「来ないなぁ……。」
ウサ耳を付けたメイド服の店員は呟く。シルバーレインの某所にあるメイドカフェ『バニーLOVE』。
ここは今日も今日とて客の来ない、閑古鳥が鳴くほどの寂れた店だった。
「メイド諸君! 良いものが手に入ったぞ!」
そう言って店に入ってきたのは、客ではなくマスターだった。いつも何かを買わされては、失敗を繰り返すマスターだ。
「今度は何を買わされたんですか?」
「聞いて驚くな、なんと千客万来の掛け軸だ! これで客足も伸びる!」
今度は、開運グッズか、と溜め息をつくメイド。もはや注意する気力もなく、店長が掛け軸を飾る様を眺めていた。
「商売繁盛、千客万来、どうかご加護のほどを……!」
「じゃあ、私は入り口の掃除でもしていますね。」
そう呟き、俯きながら玄関へと出ていく。箒を取りに行こうと顔を上げると。
「えっ……きゃあああぁぁぁ!!」
―――。
グリモアベースのとある一室にて。猟兵達は、依頼の詳細を聞くべく集まっていた。その前に立つのは、モフットボール・クラウディン(f3595)だ。
「えー、シルバーレインで野良モーラットが大量発生しました。」
その一言に、あきれたような返事を返すのは、女執事ステワルドだった。
「いつもの事なのです。シルバーレイン三大風物詩なのです。」
「いや、そうだけども。『モラ詰まり』に並んで、よく見かける光景なんだけどね。」
そう返した後、モフットボールはコホンと咳払いしつつ、話を続ける。
「問題は、大量発生の原因なんだ。これを見てほしい。」
モフットボールが指示すると、ステワルドは端末を操作してスクリーンを投影する。映されたのは、1本の巻物だった。
「これ、〈人寄せの巻物〉というメガリスなんだけど。これが悪さしているようなんだ。」
「耐性のない人や動物を催眠状態にして、呼び寄せるです。はた迷惑なメガリスなのです。」
〈人寄せの巻物〉。シルバーレインの各地に眠る、古代の遺物『メガリス』の一種だ。一見すると美術品にすら見えるものもあるが、その常軌を逸したパワーは計り知れない。
「ただ、メガリスの中では制御しやすいというか。効果範囲は『捧げた生命力』に比例するみたい。寿命を削らない限り、大規模な災害は起こらないかな。」
「また、力の代償は『催眠対象が受けた傷に応じた心的外傷』なのです。小さな傷なら、1週間程度で治療できるトラウマを抱く程度です。」
発動方法や力の代償と、物騒な言葉が並んでいるが、メガリスにおいてはこれでも可愛い部類である。
「それで……メガリスの場所なんだけど。」
「メイドカフェ『バニーLOVE』の店内にて、掛け軸にされているです。」
映像は、大量のモーラットに包まれたメイドカフェを映していた。
「これライブ映像なのです。どう見ても手遅れなのです。」
「これがメガリスの力なんだなぁ。」
モーラットを掻き分け、入り口を抜けると、店内に飾られた掛け軸が映される。
「巻物って書いてあったけど、中身は案外キレイな絵だね。ウチに飾りたいよ。」
「無用の長物なのです。」
故意か偶然か、美しい掛け軸に見えるそれは、実際は呪詛の書かれた巻物である。
「この店の主人が手に入れてしまった〈人寄せの巻物〉を、店内に入って停止させる。そして適当にごねて回収する。……っていうのが今回の依頼だよ。」
「その間、モーラットを傷つけるのはなるべく避けるのです。主人が心的外傷を負うのです。」
「……この場合って、モーラットがトラウマになるの?」
「モフモフを見ると虫唾が走るようになるのです。可哀想なのです。」
メガリスの考察をしつつ、ステワルドは端末を操作する。
「付近にオブリビオンの気配も察知されているです。イチゴ大好きなウサギ集団の予感なのです。」
「なるべくオブリビオンが近づく前に〈人寄せの巻物〉を停止させたいけど……。戦闘になる可能性も考慮して向かってほしい。」
スクリーンの映像が切れ、部屋は徐々に明るくなっていく。
「あ、言い忘れてた。メガリスの処遇だけど。」
「銀誓館学園に連絡したところ、『どうしてもと言うなら持ち帰っていい』とのことです。旅団で管理する分には害もないはずです。」
大事なことを最後に言いだし、若干どよめく猟兵達もいたが、モフットボール達は構いなく移動の準備を始める。
「モフモフにはモフモフをぶつけてやるのです。モラ・カーに乗るです。」
ステワルドが指した方向には、モーラットを模した乗り物……のような魔法生物が「もきゅ!」と意気込んていた。ただの転移用車だ。
「じゃあ、作戦の成功を祈ってるよ。……解散!」
猟兵達は、各々と動き出した。
西犬カリバー
手習いマスター西犬です。
今回は、一般人の手に渡ったメガリス回収を目的とした依頼です。ご希望であれば、メガリスを所属する旅団のほうへ持ち帰って構わないそうです。本当にいいの? まぁ掛け軸として飾る分には害がないので、たぶん大丈夫です。
なお、希望者が複数いる場合はサイコロによる抽選とさせて頂きます。ご容赦ください。
第1章は、みんな大好き野良モーラットです。優しく保護してあげてください。催眠と言っても、今はそれほど強いものではないようです。技能でなんとかできるかも?
第2章は、オブリビオン「寂しがり屋の苺雪兎」との集団戦です。メガリスを狙っているかもしれません。可愛らしさに怯まず倒しましょう。
第3章は、メイドカフェ『バニーLOVE』を楽しみつつ、主人と交渉しましょう。案外、楽しんでるだけで手放していただけるかも?
それでは、健闘をお祈りします。
第1章 冒険
『野良モーラットをつかまえて!』
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POW : 走り回ってつかまえる
SPD : 罠をしかけてつかまえる
WIZ : お菓子でおびきよせる
イラスト:RAW
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
山吹・慧
メガリスが市場に出回ってしまいましたか……。
そしてメイドカフェに行きついたと。
よくある話……でしょうか?
それは兎も角、僕はこの手の依頼は初めてというか
一度もモラを捕まえた事がないんですよね……。
これでもモフるのは大好きなのですが。
まあ、とにかくやってみましょうか。
【残像】による【フェイント】でモラと遊びながら
【グラップル】で捕まえていきましょう。
ついでにモフります。
やはりモラのモフモフは至高……。(個人の感想です)
おっと、呑気してはいられませんね。
一般人の方々には事が終わるまで
何処かに避難してもらいましょうか。
アドリブ等歓迎です。
「誰かぁー、なんとかしてぇ~!!」
モフモフに包まれてしまったメイドカフェの前で、メイドは誰にでもなく助けを求めていた。
「お嬢さん、お怪我はありませんか?」
そんな彼女に声を掛けたのは、山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)だった。あまりの美青年が唐突に現れ、メイドは惚けてしまう。
「……はわわ、えっと。私は大丈夫なんですけど、中にまだマスターが!」
「なるほど。僕にお任せを。あなたは避難していてください。」
慧はメイドにそう伝え、モーラットの山へと駆けていく。モーラットもそれに気づき、裏口へまわろうと駆けだした。
「ここは通行止めです。」
「もきゅっ!?」
そのとき。後ろにいたはずの慧が、目の前にいたのだ。そう、先ほど駆けていくように見えたのは残像だったのだ。
とっさに左へと方向転換するも、そこにも慧が先回りしていた。
「もきゅうううぅぅぅ……」
「捕まえました!」
残像によるフェイントに振り回され、目を回すモーラット。その身体をグラップルの要領で手際よく捕まえ、傷つけることなく抱き上げた。
「(あぁ……やはりモラのモフモフは至高……。)」
慧はモフるのが大好きだった。その顔を崩すことなく、こっそりモフモフを堪能した。
そうしていると、モーラットも催眠が解けたのか、平常心を取り戻してどこかへと駆けて行った。
「もっきゅー☆」(手を振っている)
「ふぅ……。おっと、呑気してはいられないか。」
まだモーラットはたくさんいる。それらの催眠を解き、元の場所へ帰してあげよう。
慧は次のモーラットを捕獲しに向かった。
成功
🔵🔵🔴
鳶沢・成美
野良モラ捕獲はけっこう行った方だと思い……ま……す? あれ?
ああこれ、不思議な事がおこって、なんやかんや融合してしまった
シルバーレイン世界の僕の記憶かな? まあいいや
基本はお菓子等でおびき寄せたり、楽し気に遊んで誘導したりしてたなあ……ふむ
じゃあこうしましょう【日曜大工ノ術】で作った罠箱に
お菓子を入れておびき寄せて、野良モラが入ったらふたを閉めてカギをかける
単純だけど、こういうのがわりと効いたりするんですよね
箱は通気性とか考えて、一部を格子状に……箱と言うか木製のケージだなこれ
ちょっと窮屈かもしれないけど、少しの辛抱なので我慢してね
クッキー食べるかい?
「もきゅ……もきゅ……。」
まだまだ大量にいるモーラットの群れを、傍で眺めるハチマキの好青年がいた。
「野良モラ捕獲かぁ、懐かしい。……って、それはこっち世界の僕の記憶か。」
彼は鳶沢・成美(三角定規の除霊建築士・f03142)。彼はUDCアースの出身だが、なんやかんやありシルバーレイン出身の自分と融合してしまったらしい。そのため、シルバーレインでの記憶も有していた。
「たしかお菓子でおびき寄せて、こんな感じの罠箱に……よし。」
シルバーレインでの記憶を頼りに作戦を立て、決まったと手を叩く。
「我、大工也、我、名工也……!」
どこからともなく木材が現れ、あっという間に組みあがっていく。それは精巧な木製のケージだった。中にはクッキーやビスケットの類が仕込まれている。
「もきゅ? きゅうぅ~!」
野良モーラットの群れの一部が、お菓子に釣られてケージへと突っ込んでいく。催眠の影響か、元来の気質か、罠だと気づくそぶりはなかった。
「ここを閉じて鍵をしてっと……。」
「もきゅうぅぅ……。」
「あらら。クッキー食べるかい?」
罠に嵌まったと気づき、落ち込むモーラット達。そのご機嫌をとるために、成美はクッキーをあげる。お菓子を食べると、期限が戻ったようだった。
「よーし良い子だね。」
「あの! その子たち、どうなるんですか?」
すると、遠くで見ていたメイドが駆け寄って質問をしに来た。
「大丈夫だ。大人しくなったら、みんなで元居た場所に返してあげるだけだよ。」
「ほっ……よかった、酷いことされないんですね。」
「そのために、運びやすい『檻』にしておいたよ。そこまで『織り』込み済みってね!」
えっ……っと絶句するメイド。そのダジャレをイケメン無罪とするべきか、彼女は小一時間悩んだそうだ。
成功
🔵🔵🔴
星川・杏梨(サポート)
『この剣に、私の誓いを込めて』
人間のスーパーヒーロー×剣豪、女の子です。
普段の口調は「聖なる剣士(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
時々「落ち着いた感じ(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで凛とした雰囲気です。
常に冷静さを念頭に置く様に努めており、
取り乱さない様に気を付けています。
戦闘は、剣・銃・魔法と一通りこなせます。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
島津・有紗(サポート)
絡み・アドリブ歓迎
「じゃあ、始めましょうか」
戦闘前にイグニッションカードから装備を展開して装着します。
味方と連携しつつ索敵しながら行動し、相手との距離に合わせてなぎなた、強弓、ガンナイフを使い分けて戦います。
味方と連係する場合は、攻撃より味方の支援を優先します。
UCは状況に合わせた物を選択して使用します。
既に3割以上の野良モーラットが捕獲され、順調ではあるが猟兵達にも疲れが見え始めていた。
そこに、2名の猟兵が助力しに駆け付けた。
「傷付けずに捕獲……難しい依頼ね。」
1人は、星川・杏梨(聖炎の剣士・f17737)。普段はスーパーヒーローとして戦う彼女だが、偶然ここに居合わせ、メガリスの話を聞いて駆け付けた。
「悪い子ではありませんし……どうしましょう?」
もう1人は、島津・有紗(人間の戦巫女・f04210)。シルバーレインから転移した過去を持ち、故郷の危機を聞いて駆け付けた。
「そ、その。私はあちらを片付けるよ。島津さんは、そちらをお願い。」
初対面の相手に緊張しつつも、杏梨は手分けして捕獲する事を提案する。
「そうですね。よろしくお願いします。」
有紗はぺこりとお辞儀し、二手に別れていった。
「じゃあ、テキパキいくよ。」
杏梨がそういうと、野良モーラットにゆっくり忍び寄っていく。ゆっくり、ゆっくり。すると、近づくにつれて杏梨の姿が空気に溶け込むように消えていく。
「もきゅ?」
モーラットが気配に気づいた頃には、杏梨は完全に透明となっていた。そうして首を傾げたとき。
「(つかまえた!)」
「もきゅうぅぅ!?」
透明になった杏梨はモーラットを捕まえ、捕獲網に収容した。
これが彼女のユーベルコード【ステルス・インフィニット】。捕獲に没頭している限り、彼女は誰にも見つからない。
「(誰にも私の姿は察知させないわ!)」
そうして、野良モーラットを複数捕まえた杏梨が、一度戻ってみると。
「あれ?」
そこには、野良モーラットを膝に乗せて撫でる有紗がいた。
「島津さん、捕獲は?」
「あぁ、彼に任せています。」
有紗が指すほうを見ると、『影の追跡者(シャドウチェイサー)』がモーラットを抱えてこちらに向かっていた。
「私は、モーラット達の催眠を解いているんです。」
有紗のユーベルコード【巫女のひざまくら】の応用で、彼女は野良モーラット達を癒していた。
既に捕獲されていたモーラットの大半が正気を取り戻しているようだが、まだまだ催眠されたモーラットは数多い。
「……分かった。催眠解除は任せるわ。」
「お任せを。」
杏梨はその役目を悟り、モーラットの捕獲へと帰る。
それを見送った有紗は額の汗を拭い、癒しの言葉を囁き続けた。
―――そうした猟兵達の協力が実り、野良モーラット達は全員捕獲された。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『寂しがり屋の苺雪兎』
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POW : ヘヴンリィ・ストロベリー・ストーム
戦場全体に【苺果汁の雪(ストロベリースノウ)】を発生させる。レベル分後まで、敵は【苺色のベタつく雨】の攻撃を、味方は【優しい雪】の回復を受け続ける。
SPD : 小苺奏甲
【小さな苺】を纏わせた対象1体に「攻撃力強化」「装甲強化」「敵対者に【苺の香りによる腹ペコ状態】を誘発する効果」を付与する。
WIZ : 苺影杖
自身と武装を【苺のオーラ】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[苺のオーラ]に触れた敵からは【生命力と満腹感】を奪う。
イラスト:nico2
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「―――本っ当に、ありがとうございました!」
メイドカフェ『バニーLOVE』のメイドは、猟兵達に深く頭を下げる。細やかなお礼として、コーヒーやオレンジジュースなどの飲み物が提供されていた。
「いやぁ、あの掛け軸にあんな恐ろしい効力が……。」
マスターは、自分の失敗を悔いて反省して
「いや、上手く使えば、今度こそ千客万来なのでは?」
……いなかった。むしろ、このままでは悪用しかねないのかもしれない。
「マスター! 絶対に手放してくださいね! さて、私は仕事仕事っと。」
メイドがそう言って、ふとカフェのキッチンに入った時だった。
「……あれ、あなた、ウチのメイドにいたっけ?」
ウサ耳を付けたメイド服の少女が、冷蔵庫を漁っていた。その耳は、まるで本当に生えてるかのようにピクピクと反応しており……いや、本当に生えていたのだ。
「ない。苺が……ない!」
「へ?」
ウサ耳が生えた少女は、振り返りメイドを見て呟く。その瞳は、熟れた苺のように真っ赤になっていた。
「苺を……出せー!!」
少女の雄たけびに呼応するように、似たような姿の少女が姿を現していく。キッチンに収まらず、ホールのほうでもその姿が確認できた。
思わず、メイドは大声を上げる。
「ま……またなんか出たぁぁぁ!!」
山吹・慧
ふむ、ウサ耳メイドのオブリビオンですか。
このお店の雰囲気に引かれたのでしょうか。
しかし人参ではなく苺をご所望とはいったい……?
兎も角マスターさんとメイドさん達には
もう一度避難してもらいましょう。
苺はありませんが人参ならありますよ。
これで機嫌を直して頂けませんか?
(どこからか人参を取り出し)
……やっぱりダメですね。
敵の攻撃は【残像】による攪乱で回避。
回避困難な攻撃は【受け流し】で対応し、
同時に【エネルギー充填】を行っていきます。
腹ペコ状態は【集中力】を戦闘に向ける事で
凌ぎましょう。
敵の攻撃を凌いだら【リミッター解除】した
【星蓮掌】の【乱れ撃ち】を放ち纏めて仕留めます。
アドリブ等歓迎です。
鳶沢・成美
ウサギ耳? 妖獣の類ですかね。まあ、それはともかくとして
かわいらしい姿ですが、けっこう厄介そうな能力を持っているみたいですね
あまり一般人がいる場所で、残虐ファイトを見せたくないのですが、しかたない
【風神旋風縛】で相手の動きを止め、ユーベルコードを封じる……後は
ハンガーヌンチャクを参考に編み出した三角定規二刀流をくらえっ!
功夫を積んだ早業の攻撃で敵を打ち倒す
銀誓館学園の能力者としての戦い方は、こんな感じでしたね
やはり詠唱定規はいい武器です
「苺ォォォー!!」
「きゃあああぁぁぁ!」
オブリビオン「苺雪兎」の杖が、メイドに襲い掛かろうとしていた。メイドはとっさに目を瞑り、助けを祈る。
「―――っ? あれ?」
「怪我はありませんか?」
目を開けると、山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)の顔があった。店の外へ逃がしてくれていたようだ。
「ありがとう、ございます!」
「しかし、まだ中にマスター達が。」
慧が無事を気にする頃、カフェ内では、苺雪兎がマスターとメイド達を睨みつけていた。
その間に立ちはだかっていたのは、鳶沢・成美(三角定規の除霊建築士・f03142)だ。
「イケメンさんが格好いいことしてくれてたけど、おかげでやりやすくなったね」
すると、成美は鳴らすように両手を合わせ、念じるように呟く。
「風の神様、よろしくです!」
その瞬間、つむじ風がキッチンにいる苺雪兎の群れへ目掛けて吹きすさぶ。同時に、つむじ風が通り過ぎた苺雪兎には、捕まえるように風が吹き荒れていた。
ユーベルコード【風神旋風縛(フージーン)】の能力である。つむじ風が命中した相手を捕縛し、相手のユーベルコードを封じる技だ。しかし代償として、解除されるまで数秒単位で、成美の寿命を削っていく。
「あぁっ、俺のカフェがめちゃめちゃに!」
「マスター! 今のうちに!」
カフェを気にするマスターだったが、メイド達の声を聞き、決意する。
「……カフェは何度でも直せる! キミ達は思う存分暴れてくれ!」
「……その言葉、待ってたよ。」
成美が頷いたのを見て、マスターとメイド達がカフェの外へと逃げていく。入れ替わるように、慧が入ってくる。
「避難は完了しましたね?」
「思う存分、暴れていいとさ。」
成美の言葉を聞いて、慧が苺雪兎に歩み寄る。そこに取り出したのは……人参だった。
「ここはひとつ、人参で手を打てませんか?」
「……無理じゃない?」
慧の交渉の甲斐もなく、苺雪兎は怒りを露わにする。
「苺じゃなきゃ、やだぁぁぁ!」
ユーベルコードを封じられた苺雪兎が、慧にその杖で殴りかかる。その杖は、慧に命中した……かに見えた。
「交渉決裂ですか……残念です。」
残像を残して構えていた慧は、既にエネルギー充填を終えていた。掌から放つ衝撃波を、苺雪兎の群れへ乱れ撃つ。瞬く間に放たれる衝撃波に、苺雪兎たちは避ける間もなく撃たれていく。
慧のユーベルコード【星蓮掌(セイレンショウ)】。彼の掌から放たれる、宿星の光を集束した衝撃波は、既に100分の1秒を越える速度で敵を撃っていた。
「おっと、僕の分も残しておいてよ。」
そう言いながら、成美は大型の三角定規を構える。〈詠唱三角定規〉と言われるものの、直角三角形型と直角二等辺三角形型だ。
「ハンガーヌンチャクを参考に編み出した……三角定規二刀流!」
〈詠唱三角定規〉を功夫の要領による早業で、巧みに振り回していく。ユーベルコードを封じられた苺雪兎は、なんとか杖で受けようにも、捌き切れずに倒されていく。
「やはり詠唱定規、いい武器です。」
「フフフ……」
成美と慧は、あっという間に半分以上の苺雪兎を倒していた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
御門・儚(サポート)
人間の神器遣い×ヘリオン 29歳の男です。
普段の口調ぽややん(オレ、君、呼び捨て、だね、だよ、だよね、なのかな? )
真剣な時は クール(俺、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)です。
「目立つのは嫌なのであくまでもこっそりで内緒内緒だよ?」
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
杼糸・絡新婦(サポート)
関西弁口調。
とある忍者が使っていた武器・鋼糸【絡新婦】のヤドリガミ。
白い女物の着物を着用しているが、
名前沿った姿なだけで、オネエとかではなく中身はれっきとした男。
子供や親子中心に一般人には愛想よく接するが、
敵とみなしたら容赦なく叩く。
日常でも戦場でも自分のペースを崩さず、
フェイントや挑発、相手の動きを拘束するように阻害したり、
あえて誘い出してこちらに攻撃を仕向け、
自他へのすきを作り出したりする、戦闘スタイル。
また使えるものはなんでも使う。
元の持ち主の影響で、忍者らしい動きも見せる。
所持する黒い狩衣を着た狐獣人の姿をしたからくり人形は、
かつての主人が作ったものを模したもの、名前はサイギョウ。
編堵・希亜(サポート)
「……なに?」
「そうなんだ。」
「私は、私だよ。」
囚人服のようなものを着て、いつも黒猫のぬいぐるみを抱えた女の子。口数は少なく、人見知りで猜疑心は強いものの、猟兵としての仕事をこなすためなら、それなりに人と付き合っていける。
甘い物が大好きで、食べればすぐに機嫌がよくなる。嫌いなモノは、かつて自分のいたアリスラビリンスの世界と、それを連想させるもの。
戦闘では、自分ではあまり戦わず、自身に宿るオウガの『カイ』を戦わせたり、ぬいぐるみをバロックレギオンとして相手を押しつぶしたりする。
『カイ』は上等なドレスを着たラミアで、少し高飛車な話し方。宿主の身は守り、敵には容赦がない。『さぁ、敵はどこかしら!?』
キッチンのほうからまだまだ飛び出してくる苺雪兎の群れ。各々が苺を要求して叫ぶ。
「苺ォ……!」「苺、ドコぉー!?」「苺が食べたーい!!」
一見無邪気にも思えるが、その食欲を放置はできない。およそあと半分、猟兵達は気合を入れ直す。
「一般人は逃がしたし、暴れる許可も出たし。あとは全部倒すだけだね。」
御門・儚(銀雪の梟(もりのふくろうちゃん)・f35472)は、普段のぽややんとした空気を消してクールな目つきを見せる。
「さて、手早く終わらせるよ。」
そう言いながら、御門は暗器を手に乗せ、息を吹く。すると、白い雪の花びらとなり、花びらが無数に舞い散る。そして花びらが蝶のような姿に変わり、苺雪兎たちの中を舞う。そうして数秒の時が流れた後、苺雪兎たちは倒れた。
御門のユーベルコード【雪華蝶乱舞】。自身の武器を蝶や雪の花の花びらに変え、周りの敵を攻撃する。
「くぅ……!?」「苺を出せっ!」
苺雪兎は、ターゲットを御門から別の猟兵に移す。そこには、あまりにも無防備な編堵・希亜(蛇に囚われた少女・f19313)がいた。
「しまった!?」
御門はかばおうと向かうが、今回ばかりは間に合わない。小さな苺を纏った【小苺奏甲】が編堵に命中した。……かに、見えた。
「あれ?」
「……返す。」
完全に無効化され、困惑する苺雪兎を無視し、編堵の抱える継ぎ接ぎだらけの黒猫人形から吐息が吐かれる。甘い苺の香りに、苺雪兎たちが悶え苦しむ。
編堵のユーベルコード【仕返し(オペラツィオン・マカブル)】。あえて完全な脱力状態でユーベルコードを受けたとき、それを無効化して抱いているぬいぐるみから排出する。
「……皆、いなくなれ!!」
そのまま、ぬいぐるみを大量に召喚し、それをバロックレギオンとして苺雪兎を攻撃させていく。
数の優位を崩され、苺雪兎たちは圧されていく。
「どうやら、心配は不要だね。」
御門は安堵し、その場を彼女に任せて別の苺雪兎のほうへ集中する。こちらも、蝶と花びらが苺雪兎たちを倒していっていた。
「あらまぁ、楽しそうなことで。」
その光景を見て怪しく微笑むのは、杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)。その瞳で残りのターゲットを見据える。
苺雪兎たちも負けるわけにはと残りの全員で飛び掛かる。
「いっちごおおおぉぉぉ!」
杼糸の上にのしかかり、山になる苺雪兎。いや……その山の下に杼糸の姿はなかった。
「闇が切る……闇を斬る。」
「っ!?」
無事な姿でそこにいた杼糸は、忍刀を鞘に納めていた。と、同時に、苺雪兎たちが斬られ、消滅する。
杼糸のユーベルコード【斬譜儺(キリフダ)】。敵を【闇の闘気を纏った忍刀】で攻撃する。その刃は、自身や味方がピンチである時ほど鋭さを増す。
「これで……!」
「とどめ!」
御門の蝶が、編堵のぬいぐるみが、最後の苺雪兎を倒していく。
「あっ……あぁ……。」
そうして、最後の苺雪兎たちが消滅した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第3章 日常
『メイドカフェを楽しもう!』
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POW : メイドさんの愛がこもった料理を堪能!
SPD : メイドさんのライブステージで盛り上がろう!
WIZ : メイドさんとゲームで遊ぼう!
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「―――ありがとう! おかげでカフェは……ボロボロだけど、皆は無事だ!」
メイドカフェ『バニーLOVE』のマスターは、猟兵達に深く深く礼をした。
「お礼と言っては何だが、私の奢りでカフェを楽しんでいってくれ。」
マスターの粋な計らいにより、猟兵達は『バニーLOVE』で楽しめるようだ。これで一息つける……。
「さて、この掛け軸をどう活かしたものか……。」
わけではない。メガリス〈人寄せの巻物〉こそがこの事件の元凶。マスターを説得し、メガリスを回収して今度こそ一息つこう。
向・存(サポート)
もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~。
ユーベルコードの出し惜しみをするつもりはありませんけどぉ、だからと言って乱発すればいいってものでもないですよねぇ~。
使いどころに迷ったときはぁ、ご同輩に相談すればいいでしょうかぁ~?
けどぉ、非道なことをなされる方には手加減無用、全力で参らせていただきますねぇ~。
あとは最後まで油断大敵、【咄嗟の一撃】も放てるように【逃亡阻止】は意識しておきましょう~。
大丈夫ですよぉ~、手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~。
荒事以外の御用ならめいっぱい楽しんじゃいますよぉ~。
特に読み物なんかは好きですねぇ~。
※アドリブ・連携歓迎
「お疲れさまでしたぁ。」
そう労いつつテーブルに着いていたのは、お団子頭の向・存(葭萌の幽鬼・f34837)だ。先の戦いでは、カフェの外でオブリビオンが外部へ逃げ出さないよう睨みを利かせていたそうだ。
「ちゅ、高校生なのに強いんだなぁ!」
「えーと、こう見えて大人ですぅ。」
彼女は年下に見られることも多いが、21歳の大人である。マスターは平謝りした。
「では、めいどちゃん。遊びましょお?」
「はい、お嬢様!(どことなく古風な人だなぁ。)」
存はメイドを誘い、対面に座らせる。
「では、トランプをご用意しましたので……。」
「えぇ!? 『にゃんにゃんじゃんけん』ではないのぉ?」
「古くないですか……? 当カフェでは他に、将棋や囲碁から、人生ゲームとTRPGまでのご用意がございます。」
そう言って棚を指すと、古今東西のボードゲームが並んでいるかと思えるほどのレパートリーが準備されていた。
「……卓上遊戯かふぇ、とでも改名するべきではないでしょおかぁ?」
「私は好きですよ? カタンとか。」
存はせっかくなので、メイドと囲碁を楽しんだ。
「むむむ……参りました。」
「やったぁ!」
成功
🔵🔵🔴
山吹・慧
とりあえず落ち着きましたね。
では、お腹も空きましたので料理を注文しましょうか。
折角ですからオススメを頂きましょう。
おぉ、これは映えますね。(料理を写真に収め)
ええ、凄く美味しいです。
良いお店だと思いますし、お客さんが来ないのは
知名度が低いからではないでしょうか?
僕も友人、知人に宣伝しておきましょう。
チラシ等があるようでしたら仕事場にも
貼っておきますよ?
また今回のようなトラブルが起きても、
再び駆けつけられるとは限りませんし
その掛け軸はお預かりしましょうか?
(人狼騎士団で)管理しておきますよ?
それから開運グッズは程々にした方が良いかと。
アドリブ等歓迎です。
「とりあえず落ち着きましたね。」
そう言って腰掛けていたのは、山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)だ。
「ありがとう。キミ達のおかげだ。なんでも奢るよ。」
「では、お腹も空きましたので料理を注文しましょうか。折角ですからオススメを頂きましょう。」
慧の注文を聞き、マスターは腕を振るって料理する。
「お待たせいたしました。マスターのスペシャリテです。」
出てきたのは、円筒形の小ぶりなパイだ。その周りを囲うように、色とりどりの野菜と角切りされた鶏肉がソースを纏っている。パイの上には薄切りのマッシュルームとグリンピースが添えられていた。
「おぉ。これは映えますね……。」
「フランスのお袋の味こと、ヴォル・オ・ヴァンになります。」
慧は料理を多角的に撮影し、一口味わう。中の鶏肉やマッシュルームがパイに合う。
「マスター、昔は有名フランス料理店でシェフをしていたそうです。」
「それがどうしてウサ耳メイドカフェを始めたんですか……」
食事を十二分に楽しんだ後、慧は咳払いしてマスターに告げる。
「お世辞でなく、良いお店だと思いますよ。あとは知名度の問題です。」
「むぅ……。確かに、宣伝に力を入れていないというのは否定できない。」
「僕も友人、知人に宣伝しておきましょう。」
慧の言葉を受けて、メイドも決意する。
「私……チラシ描きます! このカフェの魅力が伝わるようなもの!
やっぱり、色々な人に来てもらいたいです!」
「いいですね。出来上がったら、僕の仕事場に貼りますよ。」
その様子を見て、マスターは納得したように頷く。
「そうだな。こんな開運グッズに頼らず、自力で挑んでこその人生だ!」
「そうですよ。僕も応援させていただきます。」
「じゃあ、これは……危険なものらしいが、キミ達に預けておけば安心だな。」
そう言ってマスターは、メガリス〈人寄せの巻物〉を慧に預けた。
今後、〈人寄せの巻物〉は人狼騎士団で管理することになるだろう。
大成功
🔵🔵🔵
こうして、メイドカフェで起きた事件は幕を閉じた。
そして後日。『世界結界』の影響により、人々は日常を取り戻す。それはこのカフェも変わらない。
「メイド諸君! 今年はドジョウブームが来るそうだ、ドジョウ料理で攻めるぞ!」
「マスター! また変な作戦考えたんですかぁ!?」
ただ、そうした日常にも変化があり、このカフェの客足が伸びつつあるようだ。
努力の成果か、単なる運か。どうであれ、どんな失敗や災難があれど、人には前に進める力がある、という事だろう。
「あっ! おかえりなさいませ、ご主人様!」