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デビキッズの天使観察日記

#デビルキングワールド #戦後 #7thKING決定戦 #デビチューブ #断章投下後よりプレイング受付

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「視聴者のみんな〜おはこんばんちわ〜」
 魔界のファッションリーダーを自負するプリ・ミョート(怪物着取り・f31555)、今度は動画撮影に夢中らしい。撮影カメラに向かってニマニマと上機嫌な様子だが、いかんせん表情が読めないのもあって画的には微妙なところだ。猟兵が集まれば、器用に居住まいを正し「集まってくれてありがとう」と普通に感謝を述べる。スパ茶と側面に書かれたペットボトル飲料を振る舞いながら言うには、デビルキングワールドで事件が起こるのだという。
 デビルキングワールドの動画サイト「デビチューブ」、悪魔の中では「極悪炎上動画」で話題となっている……と悪魔のプリは熱弁しているが、内容としては学校のドアに黒板消しを仕掛けるとか自転車のサドルをブロッコリーに変えるとか、そんな感じの投稿内容がバズっているらしい。ご、極悪……なのだろうか、善良な悪魔からしてみれば。
「でな、7thKING WAR、先の戦争での活躍の結果、みんな……つまり猟兵は大人気! この戦争の記録動画、いわゆる『猟兵系』動画は再生回数ウン百万回稼げちまう。猟兵は人気者だべ!」
 どんなジャンルにも二匹目のドジョウはいるわけで、猟兵とオブリビオンがバトルする動画が今の隆盛トレンドなのだという。

「はーい、ここでお便りが届いています。読み上げます。『オブリビオンらしきやつをみたので、どうがにしてください!』。国立デビ川第三小学校の生徒及び父兄・関係者の皆さんよりタレ込みが入ってるべ。内容は……うちの校内にオブリビオンが出没しているから、技の試し打ちに使っています、だと」
 ……えっ!?
 猟兵たちがざわつく。
 たしかに魔界の住民は子供でさえ割と、というかかなり戦闘力はとりわけ強靭であるけれども、必殺技の研究としてオブリビオンをサンドバッグにしているなど前代未聞である。そしてグリモア猟兵が予知をしたということは、つまりオブリビオンは実際に出現しているということの裏付けになる。デビルキングワールドの一般人の能力の高さはどうやら「カンの鋭さ」にも影響しているらしい。
「ケケケ、子供の元気は怖いものなしだべ。それに、まー夏だしな。子供たちの自由研究を手伝うついでに、そのオブリビオンもぶちのめしてほしいんだべ! オブリビオン残党出現事件、再生回数爆上がりの予感だべ」

 デビ川第三小の教室に骨格標本よろしく陣取っているのは『セラフィムブラスター』というれっきとしたオブリビオンである。
 猟兵たちが到着してからしばらくはこのオブリビオンは何もしてこない。当初から子供たちがサンドバッグ代わりに「技の開発」「試し打ち」に使っていたが、どうやら本当に頑丈らしく、ただの刃物や銃弾などでは傷ひとつつかないのだ。例えば彼女から攻撃として認識されるような行動を行えば動き出すかもしれないが……その辺りは猟兵の腕の見せ所だろう。直接手を下すのも、子供たちと協力して研究するのも構わない。要は一般悪魔の皆さんに啓蒙活動を広げる、そのために動画を一部始終に収めるのが重要なのだ。

 必殺技や新技、ともかく技……もとい研究が完成し、ダメージを与えられるとオブリビオンも反撃をしてくるはずだ。
 セラフィムが操る、教室内を飛ぶデビルガトリングに銃弾の雨、さらにセラフィム自身が纏う「天使の加護」と掃討能力に継戦能力は高いが、ちょっとやそっと巻き込まれたぐらいでは学生たちも死なない程度には頑丈である。流石に学校の設備の損傷はあるかもしれないが……機材破損など、少しスリリングなくらいが動画としては見応えがあるだろう。
「今日の再生回数が明日の希望につながるべ。ちゅーわけでよろしくお願いするべ。頑張ってくんろ」
 活躍を記録するための撮影機材を準備しながら、プリはペコリと頭を下げた。
 今日の撮影は一段とハードになりそうだ……!


地属性
 こちらまでお目通しくださりありがとうございます。
 改めましてMSの地属性と申します。
 以下はこの依頼のざっくりとした補足をして参ります。
 今回は戦後の魔界にて、子供たちと銃天使に立ち向かっていただきます。ぼくたちのがっこうにてんしがやってきた!

 この依頼は戦後シナリオとなっておりますので、二章で完結します。世界観的に嬉し恥ずかし描写は十全に反映できない可能性があります。
 あえて不利な行動をプレイングしたとしても、🔵は得られますしストーリーもつつがなく進行します。思いついた方はプレイングにどうぞ。
 基本的に集まったプレイング次第で物語の進行や行末をジャッジしたいと思います。

 また、このシナリオに限っては、投稿用の「動画」の撮影者としてブギーモンスターのプリが同行しています。プレイングに指定がなければ撮影に徹しています。

 続いて、「7thKING決定戦」について補足をば。
 こちらは「7thKING決定戦」の対象依頼です。8/22までに、対象依頼での🔵ベスト10の猟兵が「KING候補者」となります。8/22に投票が始まり、候補者10人はそれぞれ「1位10票、2位9票、3位8票……10位1票」を、候補者の誰かに投じます(もちろん自分に投票が前提ですが、お友達に投票する、アクどい「談合作戦」もOK!)。もっとも票数の多かった人が7thKINGです。

 では皆様の熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 冒険 『ワルの自由研究』

POW   :    力技の自由研究

SPD   :    技術の自由研究

WIZ   :    知識の自由研究

イラスト:神無月みり

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「くらえー! 必殺猟兵ビーム!」

 ――ドドドギゅぎゅッ……ちゅどーん!

「無敵猟兵パンチ!」

 ――ぼかっ、ばきっ、ぺしーん、ぺちっ!

「……」
「効いてない!」
「あーあやっぱり動画の猟兵みたいにはうまくいかないかー」
「つまんなーい。もうあっちで遊ぼーぜ!」
「……」

 デビ川第三小のワルキッズたちも、猟兵の技に匹敵するような威力を繰り出すのは骨が折れるようで、動画撮影にかこつけて教えを施していた先生たちも頭を悩ませている始末。継続は力なり、しかして忍耐は子供にとってもっとも辛い仕打ちの一つ。子供たちの奮励努力を促すには、例えば画面の向こうのヒーロー、猟兵の手解きなくしてはままならないだろう。
 というわけで、動画撮影開始です。カメラまわしてー!
アルテミシア・アガメムノン
あら、プリさんも動画に夢中なのですね。最近、流行っているみたいですわねえ、オブリビオンの残党を追い詰めるのに良いことです。

ほほほ、ワルキッズさん達では火力不足ですか。
ですか、ご心配なく!
わたくしに従えばケチョンケチョンにできますわよ!
さあ、オブリビオンをボコボコにしたい方たちはわたくしの許に集まりなさい!
(悪のカリスマ、ピカーッ)

集まったワルキッズたちに対して『軍神の威風』を発動。
その能力をマシマシに。

ほほほ、力が漲ってくるのが分かるでしょう?
でも、まだです。わたくしの合図と共に一斉に攻撃をするのです。

3,2,1,それ!

力をマシマシしらキッズたちの力をさらに束ねて集束攻撃です!


ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!

オブリビオンさんに臆しないチャレンジ精神!素晴らしいです!
私たち大人も見習わなくてはいけません!

必殺技が通用しないとのことですが
雨垂れ石を穿つ、という言葉を知っていますか?
長い年月、水滴が同じ場所に落ちれば石にも穴も開く
つまり皆さんのパワーを一点に集約しぶつけることで
どんなに硬い相手も貫くことができる!ということです!
では実際にやってみましょう!
大丈夫!きっと上手くできますよ!
(UC【逆悪!理穢命捻災禍煌】を発動し{ダーティテイル}を使った振り子『催眠術』でワルキッズの潜在能力を引き出す)



「あー!!」
「見て見て見て猟兵だ!」
「ねーねー! いつものアレやってあれ!」

 顔を見合わせる。国立デビ川第三小学校……7thKING WARにおいても迫る戦火から助けられた父兄や教員の一般悪魔の教導と薫陶に加え、その活躍を見聞きし、毎日動画で反復、目の当たりにした子供たちの前に姿を現せば、このてんやわんやもやむなきこと。まして幼ければそれを自制する理性も働きはしない。
 やってやっての大合唱が続けば依頼にも支障が出よう。ビシリと声も高らかにポージングする。

「そこのアナタ、私をじっと見ましたね?」
「あっ」

 アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)の小さな声をよそに、ダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)がキメッキメのポーズと共に台詞を放つ。左手を後頭部に当て胸を張り、バシッと決まったいつものスタイルに、バキューンと擬音を上げて鼻血と共に倒れる生徒A・ブギ男。万雷の拍手と共に決め台詞を讃えられる。
 ここで自信に溢れた表情が明るく輝く。無垢なる期待に応えずして何が王か。バサリと羽を広げて教室のど真ん中に浮かび、人差し指と中指の爪の先を唇に当てる。

「オーッホッホッホ! 魔王猟兵見参! 来ましたわよ!」
「むっ」

 再びの喝采の嵐。先の戦争における暗黒魔王殿での戦いは記憶に新しい。
 ……といっても、アレも大概演出過多ではあったのだが、ともあれ、数多の猟兵を勇者戦隊のように引き連れて現れた姿、天候を操る権能を持つ神剣型神器『黄金の神剣』を手に空中でポージングを取るアルテミシア! 教室で再現すればもはや空気が割れんばかりの歓声が響き渡る。ダーティが少しでも視線を奪われたことを機敏に反応しつつ、軽く拍手をする。

「凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!」
「それならわたくしは黄金で純金で大金で白金な女帝ですわ」
「「むむむむ」」

 とはいえ、王の道が交錯しても、交差点は目を輝かせる子供の視線の先なわけで。こほんと咳払いし、私たちも「大人」として見習わなければいけませんね、あのチャレンジ精神、とダーティが溢せば、ええ、子供たち、オブリビオンをボコボコにしたい方たちはわたくしたちの許に集まりなさい! と呼応してカリスマの威風を吹かせる。
 否、実際に無風だったはずの教室内に、猛烈な風が巻き起こり始めているのだ。銃天使の髪がたなびき、カメラが振動でブれる。微風はやがて旋風に、そして突風となって背中を押す。
 ゆらめくのはそれだけではない。黒い矢印のような魔王の尾が、虫を拐かす花弁のようにゆらゆら、ゆらゆら。背を押す風に前のめる子供たちの誘導された視線が、食い入るように見つめる。
 いつの間にやら握りしめた得物や、怪光線を放たんとする目や口、鋭い爪やら剛腕、発展途上だが悪魔としては完成しつつあるそのどれもが、唸りをあげるのを心待ちにうずうず脈動する。

「ねぇ」
「ほほほ」

 笑いかけるダーティが尾を揺らせば、それに釣られて生徒たちは移動し!
 アルテミシアが笑えば、その微笑に無限のエネルギーを生徒たちは得る!
 互いに互いを高めあい、潜在能力をみるみる向上させていく。力を引き出すための策を繰り出すのに余念がない。ゆさゆさと、重たげに身体を揺らしながら、棒立ちのオブリビオンの側に立つと、ダーティは己に視線が向けられることに喜悦しながら言った。

「そこのアナタ、雨垂れ石を穿つ、という言葉を知っていますか?」
「えっ、あぁ、ええと……天気の話……?」
「そう! 雷が鳴り、溶岩が降り、飴やチョコが降り、といったものだけが天気ではないでしょう。そのどれもがインパクトがありますが、一番は継続です」

 ぴっと人差し指を上げて嘯く。
 長い年月、水滴が同じ場所に落ちれば石にだって穴も開く……物理的な話もそうだが、心意気にも通ずる部分がある。身をもって証明した話だ。最初は一瞥くれられる程度だったものがいつのまにか、振り返られ、視線を集め釘付けにし、やがては注目を浴びるまでに至る。千里の道も継続して一歩ずつ踏み出さねば踏破できはしない。ダーティは胸を張り、一点を見つめて進めば叶えられぬ夢はないのだ。
 そして、一人の孤独な願いなら独りよがりだったとしても、それを束ねれば大望となり、総意となる。アルテミシアはぱんぱんと手を打った。

「わたくしの合図と共に一斉に攻撃をするのですわ」
「えー!? 今ならぼくだけでもあいつケチョンケチョンにできるよ!」
「皆が出るまでもない。ここはわたしが!」
「ねえ、もうアイツやっちゃってもいいかな?」
「どうして待たなきゃいけないの?!」

 血気盛んな子供たちに気圧されかけるアルテミシアは、さらに威風堂々と言葉を続ける。

「ほほほ、自分のタイミングではなく友達のタイミングで行動すれば、そのタイミングを乗っ取ることができ、ワルいでしょう?」
「おおー!」「さすが! 女帝!」
「皆さんのパワーを一点に集約しぶつけることで
どんなに硬い相手も貫くことができる! ということです! 大丈夫!」

 加えてダーティの大丈夫、の一言で、脳裏をよぎる失敗の予感は払拭され、数ミリ挫けかけた根性も矯正された。自信と情熱を激らせた子供たちは強いのだ。

「この一点こそ災厄へと繋がる道! きっと上手くできますよ!」
「魔王様!!」「がんばります!」

 潜在能力をふんだんに秘めた悪魔たちが焼け付く視線に光弾、口から吐く火炎、得物の切っ先に牙やら爪やら尾の殴打。

「3,2,1,それ!」

 約束された勝利の元、それらが一斉に銃天使の胸の中央、鳩尾めがけて繰り出される。
 轟音。閃光が火花と共に室内に満ちる。掲示物やらガラスやら、床板やら電灯やら、机諸々備品が弾け飛ぶが、銃天使を昏倒させるには至らない。
 それでも。

 ――ぐら、り……!

 よろめいた拍子に二、三歩後ろへ後ずさった。開いていた翼がはためいて、原型をかろうじて残した教室の壁に背中をつける。

「ほほほ、やりましたわ」
「まだまだ、これからです!」
「ええ。あいにく青空教室になってしまいましたが、撮れていれば問題はございません」

 ぼろぼろになった教室の影から、ブギーモンスターの手が覗いている。アルテミシアは近頃流行の動画に夢中な彼女の撮影ぶりに頷いた。

「オブリビオンの残党を追い詰めるのに良いことです。気を取り直して続けますわよ」
「はい!」

 吹き抜けになった校舎に、異物である随分と見晴らしは良くなった。悪魔なら垂涎の醜穢なる情欲は、戦いと勝利の女神に見守られ邁進するのみだ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
この方は、此処で一体何を?
ま、まあ、何とかしてみますぅ。

同じ事の繰返しでは、子供達も飽きますよねぇ。
でしたら、『目先を変える』のは如何でしょう?
『FTS』に『銃器』や『鈍器』等、他世界の品を含む様々な武器を入れてお持ちし、近くに設置しますねぇ。
そして『これらを自由に使って攻撃して良い』としましょう。
飽きたら違う武器に変えて貰えば良く、練習用の『相互の試合』も有りにすればより幅も広がりますぅ。
更に【至祷】を発動、授業内容に『同意』した方に『豊饒の加護』を与え強化、子供達の攻撃が有効に働き易い状態にしますねぇ。
必要なら『見本』として、同様に強化した私が『刀』で斬りましょう。


劉・涼鈴
うぇええええい!! 劉家拳の伝承者! 劉・涼鈴だよ!
カメラに密着してドアップで【存在感】のアピールだ! 劉家の旗も見せちゃうぞ!

【劉山泊之後継者】として、【功夫】を教えるのは得意だよ!!
悪魔たちはもう強いから身体を鍛えるのは飛ばして、技の鍛錬からでいいね!
このオブリビオンを木人椿代わりに使っちゃおう!

相手が人型の場合はここを攻めればいいよ!って人体の急所を教えながら、拳や蹴りを叩き込んで実演!
身体能力任せじゃない、効率的な殴り方や拳の握り方を教える!
ガトリング砲を腕に見立てて、ここに打たれたらこう捌いてこう打ち返す!って教える!

これは基礎中の基礎だよ!
もし本格的に学びたかったら入門しようね!


エドゥアルト・ルーデル
もうカメラ回ってんのこれ?もうカメラ回ってんのこれ?
…ハイ、よーいスタート

そんなこんなで可愛いキッズ共とオブリビオンの前まで来たのだ
これまで攻撃して見て無傷だった…つまり攻撃を無効化する加護的なナニカが働いているかもしれない訳でござるな!問題解決にはパワーも大事だが分析力が問われるんでござる!

なので押して駄目なら引いてみろ!一見攻撃っぽくない事も試してみればいいジャンッ!とりあえずセラフィムの鼻にワサビ塗るかワサビ!動くかは兎も角動きだした時にデバフにもなるしな
キッズ諸君も五感を刺激するような色々な事試してみるんでござるヨ!ミョート氏ならどうする?お前も仲間に入れてやるってんだよ!


尾守・夜野
(…んー…成程な
デビキンでも自由研究とかあんのな)
サボろうとしたりするような事はないいい子ちゃん達にほっこりしつつ
「…なぁ俺らみてぇな一撃与えてぇってホントかよ
なら武器かしてやろうか?」
皆(怨剣村斬丸)にも聞いてみたが、ちっさいのが頑張ってんのに手を貸すとさ
多分
まぁ返されなかったら相手がやばいかもしれんがそうなってから返してもらうし問題はねぇな
「一時的に負担はこっちがおってやるから使いてぇの使ってみな
返さねぇでいると木乃伊的な死体になるかもしれんから借りパクはなしな」
優しく事実で脅しつつ試し打ちを見守ろう
「ん?これか?これは…(説明略)」

…あ、今いいのが入ったか
んじゃ俺の方の出番かね?




 猟兵が続々集いにわかにどよめきたつ中で、なお仁王立ちを続ける『セラフィムブラスター』に一抹の不安を覚えつつ、各々動画撮影の準備を進める。カメラに向かってキュッキュッとペンで「劉」の字を書いていた劉・涼鈴(鉄拳公主・f08865)にエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)が声をかける。

「もうカメラ回ってんのこれ? もうカメラ回ってんのこれ?」
「戦いは撮る前から始まってるんだよ!」
「答えになってござらんな劉氏〜」
「答えはCMの後で! わおわお! うぇええええい!! 劉家拳の伝承者! 劉・涼鈴だよ! 入門者募集中ー!!」
「なに?! 回ってるの? ねえ、回ってるの!? 怖いよおッ!」

 猟兵系の動画が大人気と聞いてあわよくば、と思わずにはいられないのも人情だろう。増えるといいね、入門者!
 喧騒を遠巻きに見ていた尾守・夜野(墓守・f05352)は、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が向ける視線を気に留める。ぷるぷる揺れる彼女が警戒するのはやはりこの無防備なオブリビオン。

「気になるのか?」
「はい、この方は、此処で一体何を?」
「んー当然か」

 契約書を配るわけでもなければDを集めるわけでもない。オブリビオン残党であるからして何かしらの意図や目論見があって然るべきだが、微動だにしない。
 悪魔が派遣されているのと同じように、他世界にある文明や文化が似た形で存在してるのも妙といえば妙な話だ。サボろうとしたりしないようなのは、この世界特有の「いい子ちゃん」気質なのだろうが。

「今はこの子たちに手解きするのが先決じゃないか?」
「そうですねぇ」

 皆さん、猟兵のようにカッコよくオブリビオンを仕留めてみませんか? るこるはまずはそんな内容で生徒たちに呼びかける。先の大戦の功労者に賛同しかける子供たち。後一押しだろう。
 血気盛んな子供たちの反応に、夜野もまた己が得物に問いかける。

「…なぁ俺らみてぇな一撃与えてぇってホントかよ。なら武器かしてやろうか?」
「いいアイデアですぅ。試していただきましょう」

 協力しオブリビオンを打倒する技を編み出し、それを動画投稿する。授業内容に沸くほどの賛同を得たるこるは、夜野の行動に触発されてか、輸送用祭器フローティングトランスポートシステムからさまざまな武器を取り出し始めた。例えばメイス、縛霊手のような白兵・肉弾武器、スイーツガンにマスケット銃のような銃器。どれも使い勝手に優れており使用は易く威力は折り紙付きだ。夜野は同意を得た怨剣村斬丸や装填済みのNagelを床に置く。
 見たことのない火器銃器に刀、鈍器、武器に子供たちは目を無垢に輝かせる。テンションの上がらない子などいないだろう。

「ねーねー! これ全部使っていいの?」
「一時的に負担はこっちがおってやるから使いてぇの使ってみな。返さねぇでいると木乃伊的な死体になるかもしれんから借りパクはなしな」
「えっ」
「武器を手にした時点で同意したわけですから……もしかすると発育も強化されるかもしれませんねぇ」
「ええっ」


 そしてどうなったかといえば。

「ミイラみてえにカッサカサになった子たち(頑丈なので無事)もいれば、牛魔王みてえにぷよっぷよんになった子たち(頑丈なので以下略)もおるし、なんなら全員見たことのねえ武器を振り回して天使相手にスパーリングしてっべ。でもでもぶっちゃけ画面のほとんど劉家さんの旗に伝承者サマの顔が目立ってるから何の動画かわかんねえ上に、ワイプで目と鼻にわさびしこたま塗りたくられた天使を加工して埋め込んでるべ!」
「お前も仲間に入れてやるってんだよ!」
「どうしてこうなったべさ!」

 ずるずると撮影者が引きずられていくのを尻目に、涼鈴は拱手させたデビキッズたちの前で胸を張る。ちなみに目線は常にカメラを向き、画面内に旗が収まるのを欠かさない。液晶面に直接連絡先を書いたので試聴した入門希望者はいつでもお気軽に問い合わせられるという寸法だ。
 劉家拳は対人拳法の粋。身体的な能力を生まれながら持ち得た悪魔たちには実はうってつけの闘法なのだ。こめかみ、顎、脊椎といった頭部だけではない。「こう! いい? こう!!」と軽く実演して見せながら出す技は、見よう見まねでも当たれば致命に繋がる実戦主義。胴体を殴れば心臓部に鳩尾、相手が繰り出してくるであろうガトリング砲にも、上腕の神経を反撃で絶てる上腕骨隙間を狙うよう指示する。

「脚部なら脛を狙うこと、骨にダメージがいきやすいんだよ。やるなら効率良く!」
「はえ〜っ」「覚えられるかな?」
「これは基礎中の基礎だよ!」
「えーっ!?」「この子の記憶力はクラスメイトの中でも最弱!」「悪魔の面汚しよ!」

 ちっちっち。
 いや、この音どうやって出してるんでしょう。ニヒルな笑みを(悪魔的にはワルい笑顔を)浮かべながら)、エドゥアルトが生徒たちを肩ぽむする。……あまり触れると負担を負ってミイラ化したり、ふくよ化な加護を受けますよ?

「問題解決にはパワーも大事だが分析力が問われるんでござる!」
「もっともらしいー!」「すごーい!!」
「セラフィムの鼻にワサビ塗るかワサビ」
「シンプルにえぐい!」「しびれるーっ!!」
「そしてすでにスタッフが塗ったものがこちらでございます」

 ご覧の有り様だよ!
 パイ投げのパイみたくべっとり塗られた激辛わさびは近づいただけで涙を誘うことだろう。アシスタントのブギーモンスターも塗るのに使ったハケが付着して悶絶している。一周回ってデビチューブ本来のトレンドに戻った感もあるが、涼鈴とエドゥアルトの講義は止まることを知らない。
 オブリビオンが木人椿代わりになると気づいた涼鈴は、天使の手を取り無理やり体勢を動かして、殴りかかってきた場合のレクチャーを続ける。直立するのも難しい状態で固定された天使は、生徒たちに繰り出される心臓目がけた一撃をモロの角度で喰らい、ぐらりと立ちくらんで尻餅をついた。
 置かれた尻の先にはブーブークッションが置かれている。ハジける気持ちに呼応して設置されたパーティグッズだ。服の内部には虫を模した玩具を入れられ、耳には洗濯バサミを挟んでいく。
 元より黒板消し落としですら大人もビビるほどの大悪事。種族の遺伝子レベルで刻まれた良い子ちゃん因子。
 学校内のエリートでもやらないような悪事(いたずら)の数々。それを率先して、嬉々として行う《Pop Man》の存在は、百貨店屋上や遊園地で行われるヒーローショーの主役へにも似た羨望を抱かせるには十分。無論、強く、そして真似できる拳法は猟兵へ夢を抱く子供にはうってつけ。だって真似した意じゃないですか。憧れているんだもの。
 腕や実体のない種族の子供たちは二人の応援と手解きを受けながら鈍器や刃物、銃器でしたたかに攻撃を続けていく。

「…あ、今いいのが入ったか」
「私たちも見本で斬りましょうかぁ」

 やがてそんな子供たちの無邪気さに影響されて、猟兵もまた踏み出し、アクションしていく。
 のちにデビチューブ界隈にて瞬間最高再生回数を更新した絢爛にして混沌のふれあい「猟兵系」動画が爆誕した瞬間であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

カシム・ディーン
UC常時発動中
いや此奴何しに来てるんですか!?
取り合えずダメージを与えるのは色々手があるが…こういう場合は此処の子供達の研究にも協力した方が吉か
「自由研究って懐かしいな☆」

【情報収集・視力・戦闘知識】
取り合えず殴られてるオブビリオンを観察

こういう時は相手の性質を観察することも大事なんです
そうする事で効率的にダメージを与える事も出来ます

必殺技でもターゲッティングしたりする技もあるでしょう?

「ご主人サマ!ダメージを与えないと反撃しないなら…!」
おいまさか…その手があったか!

もしかするとおっぱいが弱点かもしれませんし肌に弱点があるかもしれません(もふもふ(?

これ以上は動画的に行けないのは残念ですがっ


アシズ・アナトテ
教室の虚空に蠢く肉塊、魔皇がワルワルな姿で登場!

決定力不足のワルキッズたちの脳内に響く『力が欲しいか』という声。
諾と返事したキッズの前に触手がシュルシュルと這いより……
『ならばくれてやろう』と【魔皇贈物】で創造された光輝く食べ物が差しだされます。
勇気を出してキッズが食べることが出来れば……
『猟兵みたいなパワーでオブリビオンをやっつけたい!』という欲望が叶えられる力をキッズは得るでしょう。
『さあ、これで汝等の力は猟兵を凌駕する。オブリビオンにぶつけるが良い』
あとは結果を見守るだけ。ちなみにパワーアップは食べ物が消化されるまでです。恒常的な力の獲得は地道に頑張りましょう!



 着実にダメージを蓄積しているハズの『セラフィムブラスター』であったが、それでもなお何ら反撃する様子を見せない。倒されかけたりすれば自立する姿勢を保とうとするものの、視線をくれもしない。
 キャバリアである界導神機『メルクリウス』――メルシーは人間大のサイズに変身し、銃天使の周りをぐるぐる回っている。

「ご主人サマ、こいつヤっちゃっていいかな☆」
「……口調が感染(うつ)ってないか?」
「郷に入っては郷に従え! ここは悪魔の学校だからね☆ それにしても自由研究って懐かしいな☆」

 会話に花を咲かせるカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)の様子を見ていたアシズ・アナトテ(魔皇・f34872)は、懐かしい……? と首を傾げる。やいのやいのと騒ぐデビキッズたちの気持ちには一定の理解を示す一方で、純然たる魔界のラスボスである彼はおよそ思いつく限りの知識を総動員しても人間界の文化には精通しているとは言いづらく、まして宿題や課題といった教導する感覚は共感し難いものであった。
 超越者である己からしてみれば力とは身につけさせるものではない。
 アシズの準備が着々と進められていく中で、カシムとメルシーの興味の向く先はやはりこのオブリビオン。

「いや此奴何しに来てるんですか!?」
「どしたの急に!?」
「言っておくべきかと思って」
「うんうん」

 つかつかと歩み寄る。呼気が当たるくらいまで近づけば、すでに子供たちの攻撃に晒され続けているはずの肌には傷ひとつなく、超然として得体の知れない不気味さを……。

 ――むにゅん。

 えっ。

「ほらご主人サマ! 我ながら名案☆ ほら、ダメージを与えないと反撃しないなら…!」
「おいまさか…その手があったか!」

 メルシーのしなやかな五指が、顔ほどの大きさもある天使の大山脈を鷲掴みにしていた。
 大胆な悪行にデビキッズたちはにわかに歓声をあげる。ピンポンダッシュやスカート捲りが後世にまで語られる大悪事として準えるこの世界の常識に乗っ取れば、オブリビオンへの挨拶がわりの先制攻撃にしては威力が高すぎる。

「す、すげえ!」「やりやがった!」「ウオオォオオ!!」

 なんだか好評みたい☆ とちろりと赤い舌を小さく覗かせる。元来調子に乗りやすく、また甘えん坊なところもある彼女。そんな彼女を嗜めるでもなく静止するでもなく、手を引かれたカシムはメルシーにならってむにゅんむにゅと剥き出しにされた(動画的検閲事項)に(動画的にキビしい検閲事項)し始める。……ええっ、そんなことまでチョメチョメしちゃうんですか?!
 露出している以上この肌に何かしら秘密があるのかもしれない。あるいは立っているだけで達成できる何か目論みがあるのかもしれない。先ほどまで殴られていたオブリビオンを観察した結果とすり合わせ、触れて検証していく。皮膚だけでなく粘膜の接触も必要かもしれない。衣装の都合どうしても隠せない位置に赤く痕が残るぐらいに(動画的超検閲事項)――ああっいけませんお客様! デビチューブはセンシティブ設定を一部視聴者は利用可能です。用法要領を守って適切にワルに取り組んでください。ノーモアセンシティブ。

「なんてやつらだ……」
「くっ……遊びは終わりだ!」
「次こそは、次こそは必ずヤツを仕留めてみせます!」
「今までのは50%の力だったからな……特別に100%を見せてやろう」

 その悪逆非道(?)っぷりに悪魔の子供たちも戦々恐々とした様子。溢れる言葉も申し訳ないけどそこはかとなく小物感が拭えない。悪魔的なお約束なのかもしれないが、こうも着々と失敗フラグを積み重ねていってしまうと、せっかくの授業もご破算になりかねない。

 ――……か?

「えっ」

 ――……しいか?

「な、なんだこの声は」「これは……まさか!」

 しんと教室が静まり返る。
 空気がみるみる重くなり、息をするのも苦しくかけられた言葉がのし掛かるようなプレッシャーを感じる。すると、砕けた天井から覗く魔界の空から、嵐のような雷の嘶きと滝の如き雨が降り注ぐ。

 ――『力が欲しいか』?

 それは時に上位存在からの「お告げ」であり、時に誰しもが憧れる魔王の「囁き」であり、またある時は冒険物語に語られる主人公に秘められた内なる「喚起」であったりする。
 有体に言えば、嫌いな子供などいない。誰しもが生まれながらに持つロマンを刺激する《魔皇贈物(マオウノオクリモノ)》だ。

『ならばくれてやろう』

 ――ぼとっ。

 この世ならざる七色の光を放つ異形が、アシズの手から下される。慌てて拾い上げた子供たちはうやうやしく掲げると大いなる存在へと問いかけた。

「これを……ぶつければいいんですか?」
『どのように使うも、好きにするがいい」
「くんくん。これ食べるやつだね☆」

 メルシーがわんこっぽい仕草で悪魔たちにアドバイスする。界導神機のセンサーは正確だ。猟兵のお墨付きは得た。しかし、しかしである。これを……口に……とドン引きする子供たち。明らかにこの世の物じゃない。生物なのか人工物なのかさえ皆目見当もつかないのだ。巨漢のブギーモンスターから小柄な魔女、角や炎など属性を司る悪魔たちは、誰もが勇気ある一歩を踏み出せずにいる。

『汝らの欲望はその程度か?』

 カメラがズームしていく。逡巡する表情。滲む汗。煌めく稲光。無表情のオブリビオン。ここぞとばかりにほおずりしながらぎゅーと仲良しぷりをアピールするメルシー。満更でないカシム。

「うっうおぉおおおおおオオッ!!」

 視聴者の指先がスクロールバーに伸びそうなくらいにたっぷりと時間をかけて悩んだのち、悪魔たちは一斉に《魔皇贈物》を飲み下した。

『さあ、これで汝等の力は猟兵を凌駕する。オブリビオンにぶつけるが良い』

 悪魔たちは恐怖に慄く己を乗り越え、勇気を証明した。それは限りある時間内で発揮される力ではあるけれど、今この瞬間においては猟兵にも匹敵する。みなぎる活力はオブリビオン打倒すべしの意志の元統一され、トドメとばかりに一撃を加えていく。
 まさしく言葉通りの必殺技。
 当たれば死を覚悟する、乾坤一擲。

「認めましょう。子供でさえも猟兵と交われば脅威たり得ると」

 ひょい、と。あっさりと。
 避ける。同時に、荒れていた天が、言葉と共にぴたりと鳴り止んだ。銃天使が翼を広げ、宙に浮かび上がると共に「回避」をしたのだ。それは漸く、脅威と、敵と、認識を改めたこと。明確に上位だった存在が、その力を認め、芽を摘むに値すると確信したこと。
 輝く銃口を向け、驚く生徒たち、そして猟兵へ微笑する。これは――宣戦布告であった。

「鉦なるかな。鉦なるかな」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『セラフィムブラスター』

POW   :    銃撃の使徒
自身の【翼】を代償に、【空飛ぶデビルガトリング】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【魔力弾の銃撃】で戦う。
SPD   :    セラフィムブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【デビルガトリング】から【銃弾の雨】を放つ。
WIZ   :    スマイルガトリング
自身が【微笑んでいる】いる間、レベルm半径内の対象全てに【デビルガトリングの掃射】によるダメージか【セラフィムの加護】による治癒を与え続ける。

イラスト:hoi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「鉦(せい)なるかな」

 動画撮影は佳境を迎えていた。猟兵に比肩する一撃を繰り出した悪魔の子供たち。そしてそれを脅威と見るや否やあっさりとその攻撃を躱し臨戦状態となった『セラフィムブラスター』。

「世の破滅こそ真なる安寧。遍く罪深き子らよ、天へ召しませ。召しませ。召しませ」

 彼女は観察していたのだ。悪魔の子供たちの動向を。次代台頭してくるであろう存在を。
 あわよくば彼らを屠る一部始終を動画で撮影し、投稿すれば……。

「鉦なるかな。鉦なるかな」

 動画撮影はクライマックスを迎える。猟兵たちは動き出した銃天使へ戦いを挑むのだった――!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
観察なら、他にもやりようが有った気も?
やはり、この世界の方では有るのですねぇ。

『FAS』を使用し飛行、子供達を庇える様天使さんとの間に入りましょう。
そして【仰域】を発動、『乳白色の波動』を纏いますねぇ。
天使さんの『ガトリング』は『攻撃手段』且つ『ユーベルコード』、更に『実体の怪しい魔力弾』と『吸収し易い性質』が揃い、且つ武器の性質上『個々の弾のサイズ』は然程でも無いですから、吸収は容易ですぅ。
多少抜けて来る分は『波動』の内側に展開した『FMS』のバリアでガード、後は変換により強化された『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FDS』の[爆撃]、『FBS』の斬撃で叩きますねぇ。


アシズ・アナトテ
ふむ、見事であった。
その力、今は一時のものだが歩みを止めなければいずれ届き、超えられる力でもある。励むが良い。
(悪魔の子等へ)

そして、哀れな御使いよ、汝は動画再生数の為の贄である。
立場を弁えよ。

『魔皇降臨』を発動。
巨大化して触手マシマシの戦闘モードへ。

宇宙的恐怖vs天使といった動画バエするド派手な戦闘を意識して行いましょう。敵POWUCのデビルガトリングの銃弾を全て反射してハチの巣に。
少しでも動きが鈍くなればウネウネと蠢く触手に絡め捕られて引き千切られるでしょう。
(……とはいえやり過ぎは禁物である。ギリギリを狙っていくべきであるな)


エドゥアルト・ルーデル
「戦いに勝利する」
「バズリも考える」
「両方」やらなくっちゃあならないってのが「猟兵」の辛い所でござるな

最後はやっぱ力イズパワー!【架空兵器】を創造だァ!
こいつは伝説っぽいスーパーロボットのアレー!昔デビキンでやってたロボアニメの主役ロボでござるよ!いや知らんけど
だってほら…具体名ちょっと出すのはアレでござるので…

とにかく動画映えは抜群でござるよ!何しろ見たことあるかもしれないデカいロボットがガトリングの弾幕を装甲で耐えながらごり押しするんだからな!スーパーロボットは装甲が厚くてイイネ!
相手も翼を失って飛べないなら格闘でもいいって事だ!こちらが落とされる前に必殺パンチをお見舞いしてやれ!



 デビキッズたちは平伏していた。
 天使に、ではない。威厳放つラスボス・アシズに対してである。

『励むが良い』
「は、ははーっ!!」

 その端的で短い言葉からは、しかし労いと期待が満ち満ちていた。《魔皇贈物》は確かに万物の願いを叶える奇跡の産物である。だがそれもかりそめの、一時的なもの。見事であったと感嘆するほどのポテンシャルを発揮したのは、他ならない子供たちの熱意、そして元の能力(ステータス)に他ならない。弛まぬ歩みを続ければ、一時的な願いの成就ではない、むしろいずれ届き、超えられる力でもある。
 ぼこぼこと肉体が鳴動する。もたらされた結果に彼自身上機嫌であることの証左でもあった。

『哀れな御使いよ、汝は動画再生数の為の贄である』
「贄なんて贅沢すぎる。燃料か、はたまた芸の肥やしにするのが関の山でござろう」

 エドゥアルトも同調したように笑う。
 「戦いに勝利する」そして「バズリも考える」!

「『両方』やらなくっちゃあならないってのが『猟兵》の辛い所でござるな。覚悟はいいか? 拙者はできてる」
「死を以て汝の罪は浄められたりと――」
「立場を弁えよ」

 ぴしゃりと遮り、さらに弾丸のように突っ込んだ影が銃天使を退かせようと突撃する。四肢のチャクラムが唸りを上げて、受け止めた『セラフィムブラスター』の皮膚が火花を上げた。
 るこるである。後ろに視線をくれれば、エドゥアルトがジェスチャーをする。

「じ か ん か せ げ。なるほど、了解ですぅ。――大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて供物を捧げましょう」

 ダダダダッ! と至近距離から放たれる魔力弾の掃射。四つのデビルガトリングが翼の光羽を弾に見立てて装填し、眼前の使徒を撃ち貫こうとしたのだ。
 避ければ悪魔の子供たちへの流れ弾は避けられない。寸時に下した判断は正しかった。るこるが内心で分析した通り、実体のない魔力弾はユーベルコード製であり相殺することも可能。

「御御足を舐めませ」
「遠慮しますぅ」

 ユーベルコードでは効果が薄いと即断したか、今度は空中で繰り出してきたミドルキックを、固定砲台で迎撃する。硬い。るこるも表情こそ変えないが、なるほど、なかなか骨の折れる相手ですぅと頷いた。
 波動の内側にはフローティングミラーコートシステムを纏っている。彼女が中距離で弾幕を張ってきても、ある程度はゴリ押しができるだろう。弾とて羽根を弾丸に変えている以上無尽蔵ではないはずだ。

「と れ だ か か せ げ……ええ」
「並いる悪魔たちよ。真なる悪をここに。鉦なるかな。鉦なるかな」
「あ……あらぁ?」

 エドゥアルトの更なるジェスチャーに、なぜか『セラフィムブラスター』までもが反応を返している。本能的に注がれる視線には敏感なのか、はたまた内内にインプットされた使命があるのか。「やはり、この世界の方では有るのですねぇ」とるこるはひとり納得すれば、稼働できるフローティング・システムを総動員し、天使の行動に備える。
 振動にぷるぷると揺れる体は、それだけで間違いなく視聴者の視線を奪うことだろう。心配せずとも過剰なまでに発達した肉体美は本人が思っている以上に憧れと羨望を受けるものである。つまり近い将来動画に齧り付く悪魔たちが山と生まれるわけだ。

『終焉である』

 お分かりいただけただろうか? 親愛なる視聴者諸君には伝わらないであろう、脳内に直接語りかけてくるようなプレッシャー。水銀のように重々しくのしかかる。見上げるほどの巨躯が聳え立つ。いつのまにか校舎と並んでも存在感のある体長となったアシズの攻撃が始まった。
 狙いはそう。この世界を脅かす「連邦の白いアレ」である。

「燃えあがーれ燃えあがーれ!」

 エドゥアルトの歓声と悪魔たちの怯える声が重なり合って、確かな燃え広がりを予感させる。炎上不可避である。悪魔的には権利や権威を恐れない仕草こそワル……として……うーん。

「これ審議中? 考えるな感じるでござるよ」

 そうこう言ってるうちにアシズの繰り出した触手が巨大ロボット(と天使)を打ち据える。昔デビキンでやってたロボアニメの主役ロボが触手にのされる姿に子供たちは悲鳴を上げた。「がんばれー」「負けるなー!」と応援する声もちらほら。
 ロボットの繰り出した拳が魔王の結界に妨げられ、金属のひしゃげる嫌な音が響き渡る。ど迫力のインパクト。抑えきれないほどの臨場感。跳ね返った拳が裏拳気味に『セラフィムブラスター』の五体にヒットした。クラクラとよろめいた天使が校庭へと落下する。

「鉦なるかな。鉦なるかな。考えるまでもありません。須く滅びを」
『滅び? 笑わせる』
「か、はっ……?!」

 ――バウんっ!!

 落ちたのは校庭ではない。固い地面の代わりに弾性のあるそれに当たった天使が跳ねる。
 夥しい量の触手が校庭に敷き詰められるように張り巡らされ、天使が墜落すると同時にその威力を反射。地面に墜落したよりも遥かに大きなダメージを与えてみせる。

『終焉を司るは――我、よ』

 テレパシーの如く脳裏に響いたその言葉の意味を咀嚼したのと、首筋を霊刀で斬りつけられたのは同時であった。切り傷の修復を阻害する霊験あらたかな名刀である。
 この代物を軽々振り回せるのは一人しかいない。長い髪を羽根のようにたなびかせて、追い縋った、他ならないるこるの追撃だ。

「弾丸を吸収したからか、撃ってきませんね。補給が間に合っていないのは好都合ですぅ」
「小癪な……!」
「おおっと手が滑ったぁ!!」

 るこるに向けて引き金を弾こうとしたところで、割って入った握り拳。巨大ロボは触手でイジメ抜かれてなお装甲の厚みで稼働域を確保している。

「ってそもそも何でこちらが狙われたのでござろうか!? 具体名出すのは流石にアレだけど味方よ味方」
「察するに原型を保ちすぎると動画投稿できないとか、でしょうか」
「あじゃっぱ!」
「納得……のご返事じゃないですよねぇ」

 ぷるぷる嗜めるるこる。全く意に介さないエドゥアルト。その全てを手中に収め、ギリギリを狙い作戦通りとほくそ笑む偉大なるアシズ。猟兵の三重奏により盛り上がりは最高潮を迎える。
 ならばトドメの一撃と、同士討ちがなあなあになったその鬱憤はオブリビオンをボコって晴らすべし、こちらが落とされる前に必殺パンチをお見舞いしてやれ! と高らかに下知すれば、どこからか響き渡る子供たちのロボットソングの大合唱。憧れの猟兵と大人気のロボットのコラボレーションは垂涎ものであったらしい。
 やはりタッグは、いやさトリオ攻撃はテンションアップ間違いなし。
 触手による殴打が、携行兵器の一斉発射が、空想の産物の必殺技が次々に命中する。満身創痍と化した『セラフィムブラスター』は、いよいよその微笑を崩し、膝をつくのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

尾守・夜野
「…っと動き出したな
さぁ撮れ高が来たぞってな」
未だ貸し出しはしたままだからな
刻印とか内蔵されてるのと余った物以外使えんから位置取りは気をつける

ガトリングはそりゃ暴力的さ
だが弾一発は他と比べりゃまだ威力低いからな
手足とかに当たるのは俺にとっては軽症分類
埋めてるだけで生身じゃねぇし

避けきれず出来た傷で抗体を得、最終的にほぼ無視できる域に

ま、守る契約継続してるから生徒たちの前に立って盾くらいにゃなるさ
…守る必要あるのか甚だ疑問ではあるが
「ほれほれ!そこっ!今だ!チャンスじゃねぇの!あ!おしい!」
そうしてお喋りできるだけの余裕が出来るからまだ諦めない生徒たちに野次飛ばして観戦してるぜ

アドリブ・連携歓迎


ダーティ・ゲイズコレクター
ついに天使が我々を敵認定したようです!
いったいこの先どうなってしまうのか!?

というわけで天使さん攻略編です!
お届けする私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!

天使さん!沢山の方に見られているということを意識して
私を目立たせるよう立ち回ってください!
と口で言うより体感したほうが早いですね!
(UC【元悪!纏絡堕落醜穢終】発動)

(敵の視線を{ゲイズ・パワー}に変換し矢印のオーラで敵を縛り手繰り寄せると{ダーティグリーヴ}による『衝撃波』を纏ったパンチを叩きこむ)
銃撃戦もいいですが格闘技こそ動画映えしますよね!
さぁ続きいきましょうか!


アルテミシア・アガメムノン
ほほほ、天へ召しませ?
貴女の言う天とは何処の事かしらねえ……
オブリビオンになった貴女に微笑む天など存在しはしませんわよ。

熾天使、真の姿を顕して『地母神の戦域』を発動。
戦場全体を輝く霧で覆います。

超音速で飛翔しようと、銃弾の雨を降らせようと此処は既にわたくしの支配地であり、わたくしは絶対君主です。
銃弾をこの身に届くまでに神炎で燃やし尽くし、飛翔するセラフィムブラスターをも燃やしましょう。

動画撮影されていることを念頭に猟兵が上、オブリビオンが下と悪魔達に知らしめるような動きを心がけておきましょう。



「たらふく食らってこの程度か」

 夜野は皮膚を親指と人差し指で摘むと、弾丸を己の肉体から摘出した。デビルガトリングは実弾のほか毒やらエネルギー弾を発射できる優れものだ。
 埋めてるだけで生身じゃねぇしと独りごちる。

「うぉおおおお!」「怯むなぁいけっいけっいけー!」「お前がいけ!」

 夜野の気遣いを知ってか知らずか、もはや押し退けんばかりの勢いで『セラフィムブラスター』へ吶喊していく。押し合いへし合いの乱闘騒ぎに、流れ弾から身を挺して庇おうとする夜野の献身。動画の盛り上がりはいよいよクライマックスに向けてボルテージがヒートアップしていく。

「ついに天使が我々を敵認定したようです! いったいこの先どうなってしまうのか!? 目が離せませんね、この私から、そしてこの私が映る動画の最後まで!」
「その通りですわ。もっとも結末は決まっています。オブリビオンは打倒され我ら猟兵が完全勝利する、そういう筋書きと決まっていますわ」
「――さぁ撮れ高が来たぞってな。ここが正念場だ、ビビったら視聴者も愛想つかしちまうかもな。準備はいいか?」

 天使の威嚇そっちのけでダーティの名実況が光る。そして「物理的」に戦場も輝いていく。
 この霧は視界を妨げない。ともすれば動画撮影用のエフェクトにさえ見えるだろう。しかして実態は《地母神の戦域》。アルテミシアが司る権能が一。神すら恐れる振る舞いに天使も不快感を隠さない。

「滅せよ。疾く天へ――」
「ほほほ、天へ召しませ?」

 バァンと指を高く天へ掲げる。刹那、しんと戦場が静まり返った。まさしくこの世に主役は己しかいないと宣言するかのような振る舞い。
 天とは、すなわち。

「わたくしの立つこの地こそが天! 世界もそう同意し、祝福してくれていますわ。」

 神の力を行使できる彼女は、まるでここが祝祭の会場だと言わんばかりに目一杯誇示する。動画撮影者としてもこの時この場所こそが「祭り」。鰻登りの取れ高を目指して、ド派手に悪く豪奢に喧伝する。そして、それは決して偽りなどではない。
 ばっと両手をかざし広げる。同時に舞い上がる光の霧が、持っていた花弁を散らすかのようにふわっと広がった。夜野も手を止め、おーとパチパチ拍手する。ダーティが視線を集め人の集団意識をコントロールするならば、アルテミシアはこの舞台そのものを掌握しようとしている。

「オブリビオンになった貴女に微笑む天など存在しはしませんわよ」

 今一度ダァンと踏み締める。間欠泉の要領で光の柱がそこかしこから噴き上がった。思わず見惚れる。視線を、奪われる。

「微笑むどころかあなたを見るコなんていません! なぜならこの私がいるから! 天使さん!沢山の方に見られているということを意識して私を目立たせるよう立ち回ってください!」
「何様のつもりで……!」
「よくぞ聞きました。改めて――凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!」
「魔王……ぐ、がっ?!」

 平衡感覚が乱される。足が、翼がひとりでに動く。ぐりんと矢印に引っ張られたかのように体を突き出した銃天使の無防備な肢体に、ダーティの膝蹴りが喰い込んだ。くの字に折れ曲がった体に衝撃波が浸透し、堪らずごぼっと血泡を吐き出した。
 興行試合、プロレスや相撲に代表されるように、格闘技こそ動画映えすることをダーティは知っている。睨み返し、砲身で突いてくるオブリビオンの反撃を夜野の懐中時計が受け止めた。鈍い音と共に時計が凹む。考えなしの反撃であれば衝動に身を任せずとも受け止めることはできる。むしろ今しかできないのは発破をかける、教導の役目だ。夜野は誰ともなく声を張り上げた。

「ほれほれ! そこっ! 今だ! チャンスじゃねぇの! 血吐いて寝転がってるヤツでもトドメ刺しゃMVPだ、そうだろ! へばったり手を打って応援してるだけじゃ今までと一緒だ。切り替えろ!」
「し、しめた!」「やってやる!」
「手柄は譲りません。その首魔王に献上してもらいますね! 私を見て、応援してくれる悪魔のためにも、ここでバシッと仕留めます!」
「何奴も此奴も鬱陶しい……!」

 ハッと気づいた悪魔たちが再び攻撃を繰り出していく。もはや見ているだけの視聴者ではない。参加者、参戦者として爪痕を残す……!
 傷つけてなお持ち前の回復力と黄金の再生力で立ち上がってくる悪魔の子供たち。「怨剣村斬丸」をはじめとする貸出した武器で攻撃力が底上げされ、逃げたり避けようとすればダーティに引き寄せられ、強烈なパンチや蹴りを見舞われる。
 げに恐ろしきは現地民と連携を取る猟兵の存在か。

「――鉦なるかな。鉦なるかな」
「っておい、逃げるのか!?」

 活路は天にしかない。自由に飛び立てるのはこの戦場で己だけだ。超音速で射程外へ飛び出し、弾丸の雨を降らせて一方的に蹂躙する。視線を交わさず、剣も届かなければ無力。吸収できる量も限界があるだろうし、悪魔たちを標的にばら撒けば被弾率は期待できよう。天使は手負いになってなお冷徹に、冷静に状況分析をし、意識を覚醒させる。

「ほほほ、急用でももう少し愛想良くできませんこと?」
「な、あっ、あぁああ!?」
「言ったでしょう。この戦場はわたくしの支配下にあります」

 わたくし――アルテミシア、すなわち黒翼の熾天使。見紛うことのない、銃の天使と同格にして同質の存在。
 飛び出し、逃げ腰を見せた天使の翼を、神炎で灼いてみせる。

「良い子の……いえ、ワルい子の皆さんは、どちらが『上』かこれでわかりましたわね?」

 丸焦げで地に這いつくばり拳を握って、健在の猟兵を見上げる天使。あれほどまでに堅牢を誇っていた天使をこれほどまでに一方的に……! その決定的な瞬間をばっちり撮影された今、もはや大勢は決したかのようだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

劉・涼鈴
クライマックスっつったらアレだよね
魔法少女とか戦うヒロインのお約束、そう、変身だ!
真の姿で大人モードに変身しちゃうぞ! 身長ぐぃーっと伸びておっぱいもばいんばいん!
ふふー、【存在感】はバッチリだ!

劉家拳の身のこなし(功夫・野生の勘・見切り)で魔力弾を回避!
カメラの前で劉家拳の強さをカッコよく【パフォーマンス】だ!
魔力弾の中を駆け抜け(ダッシュ)、【スライディング】で躱して、空飛ぶデビルガトリングを踏み台にする(ジャンプ・軽業)!

練り上げられた紅き【覇気】が獅子の容を得る!
喰らえ! 【劉家奥義・獅吼爆裂覇】!!
【怪力】で掌底打を叩き込んで、カメラの前で決めポーズだ!



 じーっ。
 じーっ。

「んーなんか違うんだよね」

 涼鈴は指に髪を巻いてくりくりと弄っている。ロボ、魔王、光、肉弾戦に武器マシマシ、キッズの活躍。圧倒的に足りないものがある。そう、アレだ。倒れてしまった劉家の旗を校庭のど真ん中に固定すると、カメラの向きを変えてみせる。入門希望者が殺到することはもはや疑いようもないが、念には念を、獅子はウサギを狩るのも全力を尽くす。
 アレ。いるでしょ。

「はいはいはーい、注目注目!」
「な、何者だ!」「新手か!?」
「さっきからいたよね……おっほん!」

 咳払いして戦いの喧騒を遮ると、バチバチに存在感を発揮して仁王立ちする。ざわ、ざわ、と訝しげにヒソヒソする悪魔に、何故かお約束のように様子を見守る銃天使。皆さんが静かになるまでに5分かかりましたと言わんばかりにたっぷり間を置くと、拳を前に突き出して朗らかに笑った。

「わかるわかる。奥義を見たいんだよね?」
「ブーブー」「ちぎゃうちぎゃう」
「思ったのと違う反応……結構ショック。あ、もしかして……変身!? 魔法少女とか戦うヒロインのお約束、そう、変身だ! 赤き闘志を纏いし鋼の拳、今ここに! ぐぃーっばいんばいん!」

 即興の口上にしては上出来! ふふーと得意げに鼻息荒く、しなやかに伸長した体躯と、胸を張りこそすれ恥じらう要素の微塵もない肉体美が、気迫を込めると共に存在感を露わにする。
 そのまま左手はこめかみに、右膝は胸先まで高く上げてウィンクすれば、戦場に吹き抜ける一陣の風が紅いドレスをはためかせて、ばっちりポーズが決まった。魔王が憧れの職業でナンバーワンに君臨するこの世界において、脈動する筋肉、パンプアップに悪魔心をくすぐられない子供はない。
 赤い瞳が真っ直ぐ見据えるのは、世を乱す悪たる天使。いや割と大人しくしてた上に変身も見守っていたけれど、それでも悪は悪なのだ。

「往ね。召されよ!」

 ――ぶおっ!!

「危なっ」

 砲身をそのまま突き出す驚きのガン=カタに、持ち前の戦闘勘で間一髪スライディング回避。涼鈴の掠めた鼻先から至近距離で銃口が煌めき、魔力弾を吐き出した。当たれば蜂の巣になっていただろう。
 だがこれは絶好のチャンスでもある。足先で蹴転がすのは有効だが妙手ではない。臆せず攻めろ! 自分の中で裂帛の気合いを込めて、手のひらが焦げるのも厭わず、デビルガトリングに両手をかける。困惑する天使をよそに、宙返りの要領でぐりんと体重をかけた。運動エネルギーをモロに受け当然つんのめる『セラフィムブラスター』。前のめりになった体に涼鈴のつま先がクリーンヒットする。

「がアッ?!」
「その程度っ!」
「ぐ……甘いっ」

 片手を指揮棒のように動かし、飛来するデビルガトリングに速やかに下知する。足の上がったままの涼鈴を包囲する、空中死角からの乱射戦術。
 それさえも読んでいた鉄拳公主の反応速度はさらにその上を行った。両手を地面につけて振り回した足で銃口を逸らすと、両腕をバネにして跳び上がり、ブレた照準で放たれた弾の雨の間を縫ってガトリングの砲身を蹴って加速。
 呆気にとられる天使の前頭部に、今度は踵落としを決める!

「いい手応えっ」
「お……ッ、ぶ、ぐ」
「からの、乱打! どりゃりゃりゃりゃ!」

 全身の骨が砕けたような、手応えの感触が涼鈴に伝わる。あれほどまでに無反応を決め込んでいた『セラフィムブラスター』に連撃でダメージを与えるなんて、と、悪魔の子供たちはまるで自分が殴られているかのように顔を顰める。ヒットエフェクトが空間に表示されていてもおかしくないくらい、衝撃の余波が体を浸透し、貫通している。空気の揺れ、苦悶に漏れる声、崩れていく微笑。
 そのどれもが必殺の威力であることと、戦いの終わりが近いことを如実に示している。

「いけーっ猟兵!」「劉家バンザイ!」
「そうそうコレが聞きたかったんだ! カメラはどっち? あっち!」

 大きく掲げた拳に、さらに濃密な闘気が収束していく。

「不味い……ガコッ」

 外れた顎から天使は奥の手、体内に潜ませていた仕込みガトリングの銃口から、ノータイムで斉射! せめてその拳を取り返しのつかない形にしてやろうと強襲する。

「獅子の容を見よ! ぶっ飛べえええええっ!」

 ――ズドォンッっ……!! ボっギィいいぃいいン……!!

「ぎ……ばかな……あぁあああッ?!」

 練り上げられたオーラが渦となって、小賢しい企みごとオブリビオンを飲み込んだ。
 圧倒的かつ疑いようもない結果。小さく聖言を述べた天使は威力を消しきれず爆散。涼鈴は――猟兵は、満点の勝利をその手中に収めたのであった。

「……」
「最後にひと言お願いするべ」
「……えー、チャンネル登録はこのボタンと、入門希望者と応援のお便りはこの連絡先まで! 待ってまーす! びしっ」

 ――ばっちりポーズも決めて、最後までワルっぽく宣伝も忘れない。
 大魔王も真っ青なちゃっかりっぷりに、後日悪魔たちは震え上がったことは言うまでもない。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年06月30日


挿絵イラスト