呶呶のつまり、心中、お察しください
●遅延性の眩暈、その行く末
はしる。はしる。筆(ペン)がはしる。タイプライターめいた軽快な音と共に平仮名、片仮名、漢字が編み込まれて往く。まるで脳味噌(シナプス)を想わせる、ひどく難解な物語性(ストーリー)が吐き散らかされて往く。それを完結させなければ『約束』は成らない。それを満たさなければ『絆』は終われない。ぎゅう、と、搾り執った体液(インク)は尽きないほどに顕現(あ)るのだ。大丈夫、私なら絶対に『ピリオド』に辿り着けるのだ。
侃侃諤諤と滂沱(あふ)れた読仮名(ノンブル)が忘れ去られたかのように纏わり憑いている。まだ、こんなに『書いた』として、君は現れないのか。如何して、いや、疑問を叩き付けてはならない――膨らんだ頭の中身を原稿用紙の上で屠(ころ)した。
●グリモアベース
「貴様等、此度の予知も『UDCアース』だ。しかし――視えたのは『オブリビオン』ではなく『妖怪』、最早『誰の記憶にも残っていない』ような類だ。組織も『Null』としての調査が『できない』と思える。不可視は最初から最後まで不可視なのだ」
グリモア猟兵、ロバート・ブレイズは『信仰』についての参考資料を閉じ、猟兵(オマエ)に視線(め)をやった。
「妖怪には如何やら『人間とした約束』があるようで『律儀にもそれを守っている』らしい。内容は『現地に着くまで不明だが』その所為で悪循環が生じている事は必至。人々からの『認識』に餓えた妖怪は『UDC』を喰らい『骸魂が憑いたような状態』になっているのだ。雑魚を蹴散らし、妖怪を倒(すく)うのだよ。そうして現実(いま)を理解したならば妖怪(それ)も幽世へ帰(もど)る事だろう――宜しく頼む」
グリモアが輝いて。
にゃあら
にゃあらです。
龘龘、悶える。
第一章。
妖怪の『気配』に誘われたUDCとの戦闘です。
ここで連中を撃退し、妖怪が食べないようにしましょう。
第二章。
妖怪との戦闘です。
UDCを喰らい、半ばオブリビオンと化しています。
倒せば元に戻るでしょう。
もしも『約束』の内容がわかった場合、プレイングに絡ませる事が出来ます。うまくいけば『有利(ボーナス)』になるでしょう。
第三章。
呪縛から解放された妖怪はアナタ達に『幽世へ渡る為の宴』を依頼してくるでしょう。そうですね『怪談話』なんて愉しそうだと思いませんか?
宜しくお願い致します。
第1章 集団戦
『蠱毒の好餌』
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POW : 断末魔の呪詛
自身が戦闘不能となる事で、【自身にとどめを刺した】敵1体に大ダメージを与える。【嘆きの声や命乞い】を語ると更にダメージ増。
SPD : 餌の芳香
【『蠱毒の好餌』に対して恐怖や絶望】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【邪気】から、高命中力の【残忍性を高める波動】を飛ばす。
WIZ : 蠱毒の汚染
自身が【死の苦痛】を感じると、レベル×1体の【邪悪化の汚染】が召喚される。邪悪化の汚染は死の苦痛を与えた対象を追跡し、攻撃する。
イラスト:塒ひぷの
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
蠱毒(どくどく)しいタイプライターを求めて、或いは冒涜的なペン先を望んで、彼女等――UDC怪物が群がるのか。決して喜ばしくない、楽しくない結末が待っていたとしても――芳香を止める事は出来ない。ツゥ、と嘲笑った体液(インク)が滲み堕し、永久めいた原稿用紙(かみ)を穢して魅せた。遅延性のめまい、その意味とは本来恐怖(ホラー)で在り、受け入れ難い展開と謂える――だが、現状は如何だ。
それ等は娯楽に落ち、人間の脳味噌(オツム)の松果体(ごま)をする――。
ブラミエ・トゥカーズ
現世で事を起こすとは羨ましい話であるな。
とはいえ、外様の力を借りるのは如何な物であろうかな?
さて、種も趣も異なるであろうが妖怪としては助けぬわけにもいかぬか。
故に、貴公等にはお引き取り願おうか。
吸血鬼の前に血を流して現れるのは愚かに過ぎるぞ?
蟲毒の中に病をぶちまける
敵の元が旧い病に対して免疫を持つ現代人だったとしても
蟲毒の中でより生物に対して邪悪に進化する
病に善良も邪悪も関係ないが
余を追うのは良いが、病を追う事の愚かさを改めて思い出すと良いぞ。
今時は何と言っていたかな。
そうそう、ソーシャルディスタンスであったか。
病という恐怖は人が信じ綴った多種多様な物語に嵌められお約束を得た
崩壊する家々(アッシャー)に紛れ込んだのは嘘偽りなく、ただ真実を蔓延させる病魔(オマエ)で在った。朦朧とする仮面(マスク)どもに憑き従って、只管に吸い尽くす塑の貌(さま)は吸血鬼(ヴァンパイア)に相応しいだろう。嗚呼、人類の滾々(いま)は如何した事か、悉くが娯楽(おもちゃ)へと成り果てている。そんな虚(なか)――現世で事を起こすとは羨ましい話であるな――大渦巻き(メイルシュトローム)めいて回転(うごめ)く蛆(ワーム)は腐れた血に依って育まれる。とはいえ、外様の力を借りるのは如何な物であろうかな? なくなく縋り、ふるえる怪物(クリーチャー)は少女にも似て美味そうだろうか。兎角、貴公等にはお引き取り願おうか――ざわつく愚か者は疵を晒す、膿に飛び込んだ。
蟲毒(からだ)に染み込んだ赤死病(やまい)が垂れ、ぶら下がるかの如くに旧きを招いた。現代人(リアル)にとっての免疫(いまさら)も彼女等(オブリビオン)にとっては絶望か。幾つかの部屋(テリトリー)を喰い破られ、色(つよ)く々く惹き吊られる――病に善良も邪悪もないが。その進化(ちから)は留まらない。余を追うのは良いが――。
悉くは最悪で在った。貧血の儘、誰が走り、自滅(たお)れたと謂う。数多は幻覚で成った。そろそろ頃合いだ、今時の台詞(ワード)を伝授(おし)えてやれ。そうそう、ソーシャルディスタンスであったか。空回る感覚と共に死体(にく)が積まれていく。最初の犠牲者は、成程、王様(キング)と解せた――チェックメイト。
多種多様な物語に嵌め込まれた、病・病・病、人々が信じて綴った恐怖(なが)れがお約束を孕む。嗚呼、お父さん、魔王がやってきたよ、お父さん……。
――呪詛塗れの冠がごく普通に憧れる。
成功
🔵🔵🔴
常坂・明孝
蠱毒の贄、か。とはいえ、オブリビオンであるから、結局は「かつての惨劇を繰り返している」だけに過ぎない。
ならば、俺とリィンがやることはこいつらを骸の海に還すことだけだな。
恐怖や「救えぬ絶望」は感じぬよ。あるとすれば、哀れみ、くらいか。
さて、それにしても数は多い。となれば……リィン、お前の剣技と「早業」で攪乱と「時間稼ぎ」を頼む。
その間に俺は【呪塵弾】の準備を済ませる。
幸いにも、ここには餌(この世を呪う者)が沢山いるので、な。
準備が済んだら即座にUC発動。
贄となることを繰り返す哀れなUDCよ、お前達の本来の居場所に戻って眠るがよい。
瞼にこぼれた砂(つぶ)が強いてくるのだ、嗚呼、まだ、眠くないと謂うのに。はしる文字(ふで)が思い付いたのは幻想で在り、奴隷は莫迦みたいに頷く。
埋葬するのも火葬するのも、白骨と化してからでは遅過ぎる。早々とした土壌も此処まで至れば無用の長物で、蝶々が虚(あな)に産卵(う)むほど静寂(さび)しげだろうか。骨々(くつくつ)と笑う貌(さま)に肉片(かけら)なく、眼窩(きょむ)へと意識を閉ざす。蔓延るのはきっと蟲毒の贄だ、蜷局(うず)を描いた少女等の酷くも哀れな賛美歌(かみへとささぐ)――結局は「かつての惨劇を繰り返している」だけに過ぎない。それでも生々しく触れるのは猟兵(オマエ)が現実性(リアリティ)を咀嚼していた所為か。ならば――やるべき事はただのひとつ、彼女等(こいつら)に行き先を伝授(おし)える程度(だけ)か。恐怖も絶望も与える事なく、与えられる事なく、踊り子は頭を垂れる。
脳味噌は考える為の部位(パーツ)ではないのだと何処かのヤブ医者が宣っていた。詰め込まれた呪詛(ロゴス)がじっくりと、猟兵(オマエ)の残虐性(マイナス)を確かめる。「それにしても数は多い」――アップ・テンポが開幕(はじまる)前に屍(ゾンビ)の青春(あおあお)しさを解放(ひら)いてやれ。するりと這入り込んだ血色がようやく心中を悟る――お互いに心臓(ハート)が鈍く、雑で、鼓動(な)きもしない。
幸いにも餌(のろ)いは無尽蔵(たくさん)だった。降霊(アストラル)の渦を集らせ『弾』を混める。永久に永遠に続いていた過去(オブリビオン)に別れの挨拶をしよう。生贄(フレッシュ)も生贄(うみ)も普遍として『本来の居場所』へと誘い、導く――お前達、さあ、眠るが良い――悪い子を連れ去るおばけは、もう、いないのだ。
成功
🔵🔵🔴
露木・鬼燈
UDCだとわかっていても気分はよくない
それでも熟達の忍の刃は揺らがず曇りなし
まぁ、無視して行動できるだけで何も感じないわけではないけど
だから、まぁ、時には非効率的な手段を選ぶこともあるっぽい!
今更苦戦するような相手ではないしね
長く戦い続けるにはこーゆー自己満足も大事なのです
優秀な忍はセルフメンテナンスもできるのですよ
とゆーことで<迦楼羅焔>で送ってあげよう
浄化の火焔なら苦しみもなく、呪いを残すこともなく逝ける
これは僕が与えることのできる慈悲の形
UDCの魂が救われるかどーかはわからないんだけどね
まぁ、僕の気分はちょっとはマシになるので
大して苦労するわけでもないのでこれくらいは、ね
蚯蚓の足跡(あと)を追うべく土壌(えさ)が蠢いた。鉄は熱いうちに打て、と、本能(のう)が鐘を鳴らすのか。邪悪(よこしま)の園が顕現するまで時間は掛からないだろう――汚染物質(むくろのうみ)が攣り遭う。
桜色の呪詛(ひら)が不快感と共に天へと宙へと昇っていく、まるで、獄中で魔導書(ことば)を紡ぐような、蛆(ワーム)を想わせる筆(にく)の汁気(したた)り。膨らんだ皮膚(かわ)から溢れ出た『もの』はきっとこの世でもあの世でも『おぞましい』膿なのだろう。気分が悪くなるほどの臭気に微か、恍惚的な要素(もの)を見つけたのは『気の所為』に違いない――それでも。熟達の忍(オマエ)の罪深き刃は揺らがす、曇る事などない。悉くの悲鳴を無碍にして、無視する術は心得ているのだ。果て――そのような非人道的で『これから』を生きるのか? 常に効率的を欲しては疲弊してしまう。
今更、苦戦するような少女(あいて)ではないのだ。此度は自己満足(み)たされるべく、鬼よりも人を優先(あ)げておこうか。優秀な忍はセルフ・メンテナンスだって軽々と行う。と、ゆーことで――燃えろよ、燃えろ、肺胞(わた)が続く限りに、言辞(ロゴス)を紡ぐのだ。送ってあげよう、怪物(きみ)の精神(たましい)、不浄が鎮まるまで。
慈悲の貌(かたち)は不定形(さだ)まらず、ただ火焔(ほむら)が器(から)を包む。過去(オブリビオン)が救われるのか如何か、未だ、オマエでは判らないが。「僕の気分がちょっとはマシになるので」――歪んでいた女の子は微笑んでいる幻覚(よう)だ。大して苦労するわけでもないのでこれくらいは、ね。
真っ白い彼方を妄認(みと)める、テケリ・リ、テケリ・リ……。
成功
🔵🔵🔴
物部・十王
ほぉ、あちら側にまだ行っていない妖怪がおるとは。
しかも、律儀に約束を待っているとな。感心なもんじゃな。
でも、限界まで待たせるつもりは、わしにはないのじゃ。
変貌させれば、それは骸玉に取り憑かれるのと同じじゃからな。
とはいえ、まずは、寄ってきた『お呼びでない存在』から排除するとするかのぅ。
まず、透明化という【目立たない】能力を使い、連中に気付かれないようにこっそり近付く。
そして、アルコールをもとにした毒霧【属性攻撃】【毒使い】【呪詛】を連中に吹きかけて弱体化させる。
そうして、弱くなった連中から一定距離を離れて石ころを幾つか投げてから、石ころを【クライシスゾーン】で竜巻にして相手を吹き飛ばす。
夜鷹(ウィップ・アーウィル)の鳴き声が反響(こだま)する虚(なか)、まるで深淵(ふめい)じみた輪郭(かたち)が揺れる。鬣(ふわ)りと空を撫で、宙(くう)を掻き乱すのは言葉にし難い蜷局(へび)だろうか。虎が咆哮し猿々と廻る現(リアル)が、蜿蜒(くね)る景色(せかい)を見出していく――ほぉ――未だ、幽世(あちら)側に往かぬ妖怪(もの)が存在(お)るとは。しかも、律儀に約束を守り、待っていると謂う。嗚呼、感心なもんじゃな。ひどく尊い蛆虫(おこない)だが――限界まで起立(とど)まらせてはならない。
骸魂(オブリビオン)に憑かれている状態と等しい。真実を捻じ曲げられた無辜(けもの)の貌(ざま)は、成程、いつしか過去へと溺死(の)まれるのだろう。それを赦してはいけない――その前に前菜(おやつ)とするのは如何だ、たくさんの毒虫が涌いている。
暗渠へと沈むのはぬらりひょんの十八番ではなかったか。兎角、目立たず、闇々と溶け込む猟兵(オマエ)は隣人(ひとのとも)で在れ。連中に気付かれなければ此方(わし)のもんじゃろう。さて、妖怪退治(おとぎばなし)には何が使われる。そりゃあ勿論酒気(アルコール)。満ちる毒素(もの)、色知れず、ただ脳内をむしばむ。
傷塗れの肉片が漬け込まれたら、たとえ酒豪(だれか)で在っても倒れるに違いない。ましては彼女等、若々しい肉体(うつわ)、そんな経験など滅多にないだろう。ぐったりとした群れに石ころを贈呈(な)げる。つまり『罪とやらの意識』は人の内だけか。神は何処まで説いても神を逸脱(はず)せない。
轟――超自然的な現象が覚醒(さ)め竜巻(スクリーム)と化す。伽藍洞を想起(おも)わせる、軽々とした食餌は叡智(かしこ)いオマエに相応しい。
首の塚だったか貝の塚だったか、千切れた部位が暈ばる。
大成功
🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ
死と蠱毒を繰り返すUDC……
大丈夫、私が救済するわ
芳香を止められないなら更に強い芳香で塗り替えるだけ。
守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力を高め
『愛の想起・妖狐桃源郷』で125人の妖狐忍と共に
【誘惑・催眠術・全力魔法】を放ちUDC達を魅了
蠱毒の地獄はもうお終い。
蠱惑の楽園に導いてアゲル♥
【化術・肉体改造】でUDC達の外傷を塞ぐと共に
自身の下腹部に肉のペンを生やし
彼女達の花弁を優しく【串刺し】にして奥深くまで【慰め】
媚毒の【呪詛】を含んだ白いインクを【乱れ撃ち】
悲劇の脚本を塗り潰すように【生命力吸収・大食い】
妖狐忍:ル、ルル殿……我々にも、ルル殿の、それを……♥
うふふ、イイわよ♥
蜷局(へび)の巣に迷い込んだ、旧い々いタイプライターの嘔吐(は)く音色、軽快さと無気味さの両方を孕んだ坩堝(そこ)は、何者も知る事が出来ない、赦されない隔たりなのだ。堕落と称された蜂の巣の虚(なか)、沸々と、はらのそこから煮得る貌(さま)こそ猟兵(オマエ)に相応しい。死と蟲毒を繰り返す化け物の為、ひとつの術士(フリークス)が微笑んだ。大丈夫、私が救済するわ。大丈夫、私が慰めてあげるわ――。
悉くの衝動を擽る、そんな外見(かのじょ)に対して『あい』を捧げるのはきっとオマエだけだ。マイナスを詰め込まれた、生傷まみれの少女等に芳香(にお)いの意図を齎す。遍く塗り替えてしまえば、取り替え仔してしまえば此方の虜(もの)だ。ずんらりと並んだ妖狐(ようえん)導く儘に、嗚呼、彼方こそが正しく桃源郷(ユートピア)か。ぐるり、正気ではなかった目玉に生気(えつ)が宿る。そもそも、道具でしかなかったのだ、抗う術が何処に存在した――? 蟲毒の地獄はもうお終い。蠱惑の楽園に誘ってあげる。
狸か狐にでも化かされた気分だと餌(きみ)は呆然(わら)う。最早、したたる呪詛(まじな)いも失せ、綺麗(けしょう)された背伸び大好きなお子様だ。それで、ぶくぶくと膨らんだ蕾は如何だろう。ひどかった悲劇は多幸感にふれ、くるい、すがる。花の散るイメージ、ぶつりと裂(は)れるが今に。
はねる、はねる、何がはねる。ホワイト・アウトとなった脳漿(インク)が悪徳(さか)えへと沈む。染め上がった視界(せかい)は自ずと正夢(リアル)に融け――羨ましそうに狐(けもの)がコンと鳴いた。それが欲しいのは誰だって一緒(おな)じなのだ。
いいわよ――バク音(つ)いた125以上の心臓(ハート)が粘土(やわ)らかく潰れる。心中するだなんて勿体ない事だと思わないか。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『悪茄子』
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POW : 龍行龘龘
【瞬間的頭の中で敵の死に方を構想する事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【具現化した構想を従う群竜】で攻撃する。
SPD : 奇文共賞
【悪茄子が執筆した超わかり辛い小説】を給仕している間、戦場にいる悪茄子が執筆した超わかり辛い小説を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ : 呶呶不休
自身が装備する【誰も説得できる口】から【説得の台詞】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【ワルナスビの作品を読む事をしかしたくない】の状態異常を与える。
イラスト:九尾みか
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「神代・セシル」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
かたかたと無意味な悲鳴(おと)を嘔吐(た)てていた。
痛々しいほどの真剣(こころ)で言の葉を嘔吐(は)いていた。
呪詛(どく)を呑み、喰らい、言辞(ワード)を紡いだところで。
君が戻ってくる事など『最早ない』――。
そんな現実は知っている。知ってはいる、が。
この心身(たましい)に粘つき、絡まった約束を無碍にする事は出来ない。何作目かの難解、奇本を行数(おこな)いとする――悪茄子は毒されたとして健在だ。呶呶のつまり、心中、お察しください――遅延性の眩暈にしずむ。
教えてください、私は本当に妖怪ですか?
人間との付き合い方を間違ってはいませんか?
――これまで説得出来なかった『もの』はいないんですよ。
群竜に紛れ込んだ鯉のように、患っており〼、故。
如何か、々々化、見逃してくれませんか。
ブラミエ・トゥカーズ
我思うゆえに我ありという言葉があるように、己が妖怪だと思えば妖怪なのではないか?
などと言うつもりは、余の欠片一つ分も無いな。
余等は人が想う故に余等なのだ
ただの一人を想うのは美しい話ではあるが、そこで閉じてしまえばそれで終わりであろう?
良くわからぬ異界の外様を使うくらいならそこの機械でも作って貴公の物語をばら撒けばよかろうに。
腐れ縁な二人も読んであーだこーだいいながら本を読み解く
物語をネットの海に放流する事を提案
貴公のその名の通りにな。
ワルナスビ:駆除が面倒くさい外来の見た目は良い毒草
異界のゲテモノ喰いよりかは余程健康的であるぞ?
読まれ続ければ文が貴公を縛る枷になるであろうよ。
悪魔が、天使が、妖怪が、辞典(エンサイクロペディア)を孕んだら嘘塗れか。冗句の色は悉く黒で成り、現世は哄笑に溢れるだろう。何故に、そのような意味(こ)を? 項目にしがみついた紙魚をつぶす。
我思う故に我在り(コギト・エルゴ・スム)――同じ文句を同じように反芻(は)む事でようやく、妖怪や人間、果ては過去現在未来までも己が身を認識出来るのか。奇天烈(ふざけ)た思い込みを深く々く、自らの地獄(こころ)に注ぎ混めば約束も浸透していこう。こんなにも文字列(ノンブル)が振盪した事はない――ひどい顔色ではないか、余の欠片一つ分も無いな。「余等は人が想う故に余等なのだ」……やかましい。寄生虫(ワーム)めいて恥ずかしくはないのか? 辱められた生涯に一輪の真白、閉じてしまえば終わりであろう? 五月蠅い、五月蠅い、オマエなんか、霧でも蝙蝠でもなく、ただの蠅だと謂うのに。
よくもわからぬ外様(かみさま)風情に委ねると嗤うならば、嗚呼、そこのタイプライターで物語(きこう)を蒔いた方が正気(マトモ)ではないか。絡み憑いた異界(つらづら)が如何にか難読(ページ)を整えていく。ねえ、お医者様、私の病名を教えてください、やあ、少年、私はね、もうじき死ぬんだ――腐れ縁招いてあ々だこ々だと解いていく。ヰやはや、ヤグサハとネットへ放流(なが)して未てはどうかね……。
検索(ワード):ワルナスビ
駆除が面倒くさい外来の見た目は良い毒草
醜くも独創的な御伽噺(メルヒェン)だった。貴公、その名の通りに動くのが良薬だと思われる。ゲテモノ喰いよりかは余程『健康的』であるぞ。そう、そうなのね、詰め込むだけでは理解もされない――読まれ続ければ文が貴公を縛る枷になるであろうよ。
誰彼の病が夢を模る、隠れ々れに殺されて、再びの生に集る。
こまかなウィルスに目の玉をやった、とける、こぼれる、ころがる。
成功
🔵🔵🔴
露木・鬼燈
竜は殺す!
本物でなくとも悪竜は殺すのだっ!
悪竜滅殺の誓いとともに真の姿を開放
<竜喰英雄譚>
まずは戦槌で頭をぶん殴り動きを止める
次は刃と化した手で胸を斬り裂き心臓を抉り出す
後は首を大剣形態で首を切断して頭を落とせば竜殺し完了!
敵が群れだろうともやることは変わらない
一匹ずつ丁寧に処分してやればいいっぽい!
僕は竜殺しに手間を惜しまないからね
それに竜殺しは僕の専門なので
この戦いは相性が良すぎでしたね!
沙汰の知れない大渦巻(メイルシュトローム)、自らを正気と定めて身投げし、他を狂気と定めて突き落とす。空瓶に詰め込まれた曇りが、鈍々と無聊を溜めて往った――即効性の丸薬を潮にとかす、胃液の苦さもわかっていない。
果てしない人の夢とやらを語ると詩(し)ようか、痰(ほのお)の如くに絡み合った儘では『騙り』にしか成らないが、嗚呼、それでも猟兵(オマエ)にとっては十分なのだろう。ただの想像力(イメージ)がインクと化して、鍵打ちと成って虚空(あな)へと至り、ただ暴力を、超自然を揮うと謂うのか。で、在れば――竜は殺す。本物でも贋作でも悪竜(バケモノ)は殺さなければならない。その外殻(よろい)は鱗よりも硬く、只管に呪々(どくどく)しく思えた。まったく、蟲毒を生き残った『大百足』に相応しい。
まるで九頭竜(くとうりゅう)に向かった漁船(まぎ)れの如く、巨槌(えもの)を構えたオマエは振盪(ゆ)らして魅せた。刹那に留まった竜頭から蛇尾(むね)へと手折りを行う。きっと綺麗な心臓(はな)が咲いたのだ。グロテスクな馥郁、鮮血と呼ばれた化粧――化生に対して齎すべきは断頭だ、嗚呼、大剣(ギロチン)に沈む――完了。
一匹ずつ、確実に、丁寧に処理してやれば良い。好むと好まざるとに関わらず遍くがハッピー・エンドに屈するのだ。約束は違えども導(みち)は同じ。「早く正気に戻るっぽい」――手間暇惜しんで成立(な)るものか、ジークフリートの再現。
全ては相性の問題で『片付いて』しまった。龍々(るる)の死骸(よこ)たわりの傍らで猟兵(きみ)が笑う。無理にでも登場人物(ヒロイン)を攫(むか)えに来たのだ。
傾いた竜頭(こうべ)の儘に善良をはかる。
成功
🔵🔵🔴
常坂・明孝
なるほど、言の葉、言霊をそれなりに操る、か。
自らの構想を形にするのは確かに脅威だが……どうにもワンパターンではあるようだ。
さて、リィン。かの者の物語を添削してやろう。かの者の「赤インク」でな。
我らの死に様を構想するのはいいが、それを為すのは竜であることに変わりはなく。
ならば、骸の鎧を纏った女剣士で竜退治としゃれこもう。
竜の生命力はいかほどのものか。吸収した先から力に変え、リィンの剣技と鎧(俺)から放つ魔弾で竜を始末しよう。
番犬ならぬ番竜を排除したら悪茄子を「添削」だ。
骸の海に帰って「構想」を練り直すのだな。
ひどい悪戯娘だと誰かさんが嘆いていた。腕を伸ばし、肢をバタつかせ、おもしろそうに漢字(くろぐろ)と塗る。もう少しだけ頭蓋を開いた方が好いのでは? 編集(きみ)の趣味は知らないと作家先生(それ)はふくれる――。
在り来たり(ワン・パターン)こそが人類の回帰(かえ)るべき場所(その)だと悪茄子(ようかい)は微笑(い)うのか。まるで狂気(ねつ)に誘われた神様(テーマ)の如く、転々と内容(ジャンル)が毀れていく。なるほど、言の葉、言霊を人並(それなり)に操る。考えて未れば信仰のような物語(もの)だ、肉の爛れる貌(さま)は観ていて執着(ねば)憑くらしい――浮かんだ構想(プロット)とやらを添削(ただ)さねば成らない。リィン、かの者の難読(こころ)をほぐしてやろう――赤色(インク)の持ち主に手折り在れ。
我等の死、我等の最期、二度目の末路を構想(もてあそ)ぶのは良いが、結局、宙(くう)をうねるのは龍(たつ)でしかない。英雄譚(サーガ)に於いて彼等は悉く『主人公に倒されるべき敵』なのだ。解々(バラバラ)と改竄(あらた)めて猟兵(オマエ)、産声(ボーン)ドレスと洒落込もう。女剣士(きみ)はまったく美しいものだ……。
啜れ、啜れ、たとえ無尽蔵(かなた)、生命(エネルギー)が存在(あ)るとしても貪るだけだ。赫々とした刀身(み)に埒外が宿り最早敵無しと骸装(がいそう)、鳴った。番犬ならぬ番竜を排除(ふ)せたなら――ギロリ、眼窩(あなぐら)が第四の壁を舐る。
構想(プロット)から練り直すのだな。そんな事を謂ったって『あの人』の好きな内容、今更変える術などない。ぐるりと抉られた言葉(ルビ)の振り方。
――オノマトペが好きそうな外見のクセに。
設定と第一印象の虚(なか)、オマエは『――』を引いた。
成功
🔵🔵🔴
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD
アハハハ! 小難しくて全然わかんない!
でも言葉の引き出しが豊富なのは感心するわ。
中二病なノリとか恋愛モノの口説き文句に活かせるかもね。
ところで、誰が主人公なの??
小説を楽しむ(内容が分からずケラケラ笑う)私の姿に
彼女が苛立って小説の披露を止めた隙に
真の姿で背中に黒炎を生やし
守護霊の憑依【ドーピング】で更に強化。
【不意打ち・ダッシュ・ジャンプ・怪力・捕縛】で抱き着き押し倒す
どんな約束か知らないけど
貴女の喰った子達は貰っていくわ。
私の誓いの為にね
唇、腋、足指、花弁に口づけ
唾液に含んだ媚毒の【呪詛】で魅了し
全身を【慰め・生命力吸収】
骸魂が憑いたような状態なら『吸魂』の要領で戻せる筈
人生を豊かにする為、必要な言の葉は何か。そんな、実に遠回しな連中(いま)に冒涜(かこ)を叩き付ける。隅から隅まで愛してしまえば好い、頭の中までジャム・ペーストだ。とても甘くて、とろけていく。
濁音(だくいん)に塗れた開幕(はじまり)は、成程、外道のはしりに相応しいか。ついばむようにして鴉は飛び去り、面倒臭そうな漢字(じのぶん)が並ぶ。賜った奇妙(メダル)は何者に貼り付けた、憑けた過去(もの)だろうか。アハハ、アハハハ、アハハ、ハ――登場人物の笑い声か猟兵(オマエ)の笑い声かも解せぬ儘、インク、拭い取られる。小難しくて全然わかんない――月が綺麗だと謂ったのは貴女のクセに。妖怪(あなた)には謂ってないわよ――誰が主人公なのかこの際、明確(ハッキリ)してくれ。
ひどく中二病(いた)々しい改行(かい)なしが続いていた。確かに、貴女は小説を『愉しんで』くれている。むかっ腹掻(た)たせた妖怪(それ)はフイ、と小説(ページ)を取り上げた――刹那、黒々とした焔(よく)の広がり、お友達の力添え。認識(りかい)したところで手遅れか――跳躍の儘に抱擁、流されるようにベッド・イン。
どんな約束かは知らない。そんな約束は『置いて』おいて。貴女の『喰った』子達は貰っていくわ。生傷たえない犠牲者(む)れの為に、何よりも「私の誓いの為に」――やわこい桃(くち)にずるりと入れ込んだ舌(タン)。足掻く事も出来ない、悦悦とした。
骸魂(オブリビオン)と似たような状態(うつつ)で在れば、ずずず、荒業(すす)り憑依(だ)す事も可能だろう。慰めるかのように紅がとける。
不変的な意識の領域が最下、怖がらないで、と。
成功
🔵🔵🔴
物部・十王
おぬしが、骸玉に半場取り憑かれているアヤカシかのぅ?
まぁ、その紙の束を見るに、その話を「彼」に呼んでもらいたいんじゃろ?
それ以前に、人間の寿命は80程度じゃ。
100超えるものもいるのじゃが、120以上はおらんのじゃ。
それ以上に、見ていられんのじゃ。
貴様が正真正銘の「UDC怪物」になって人類に害を成す存在になることがな。
だから、止めさせていただくのじゃ。
コレを使わせていただこう。
ヤマタノオロチ、伝説の竜神じゃ。
こうしてでも、貴様を止めさせていただくのじゃ。
噛み付き攻撃や毒攻撃を与え、骸玉を吐き出すまで攻撃する。
骸玉が離れたら、骸玉を攻撃。
魂喰えずにタダ、餓えるだけの夜鷹(ウィップ・アーウィル)。落とした鯛(さかな)の匹(かず)ほどに胃袋が分裂したのだ。
旧く々く、新参者(きみ)の知らない果て々てとした旧く、猿と虎と蛇が嗤っていたのか。揺れる舌(尾)の先端が熱暴走(エネルギー)を察知してマイナス、その頭を凝視(じ)っとした。おぬしが、骸魂に半ば取り憑かれている、そんな現実(ふう)なアヤカシかのぅ? 問答を重ねたところで正解(リアル)は理解(し)っている。紙束(ページ)数を認識(み)てしまえば、無き終いも『げせる』ところだ。その話を人間(かれ)に読んでもらいたいんじゃろ――突き付けるべき真はひどく重く、塑れ故に貌(かたち)知れずか。
人間の寿命は八十程度、そんな事は知っているし、今更『謂われたって』如何しようもない。百を超えるものもいるのじゃが、百と二十以上はおらんのじゃ。うるさい。この、添削(なお)す術もない難解(ことだま)に否定を籠める――叩き付けた改行(あらた)めこそが最悪への導(ルート)なのだろう。ああ、見ていられんのじゃ……。
貴様が正真正銘の『怪物』に成り、何もかもを忘却(な)くす前に。止める為ならば竜神(かみさま)だって従える。滝を登るのは鯉ではなく患いだとオマエは謂う。嗚々、なんとも毒々しい貌(がいけん)、頸(あたま)の数を把握しなければならない。
心中(のぞ)みが叶わぬと宣(い)うのなら、如何か、今此処で私を冒涜(おか)してください。紫煙(けむ)に嚥下(の)まれた魂(悪性)がどろりと融解(と)け堕す。宙へと飛んで消失(う)せたのは何者かのクビだったか。
ゆびきりげんまん、嘘吐いたら、咽喉すらも火葬(のこ)っていない。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『怖い話、好きかい?』
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POW : 又聞きの怖い話をする
SPD : 実体験の怖い話をする
WIZ : 創作の怖い話をする
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
現実を『理解』した悪茄子(ようかい)は正気に戻ったらしく、猟兵(オマエ)へと感謝(こうべ)を垂れた。幽世(あちら)に戻る為には『あと』宴のようなものも必要なので、如何か、もう少し『付き合って』くれませんか……?
酒――未成年はジュース――肉その他が用意され、喰うに困らぬ現に余興をひとつ。皆で怪談(おはなし)しませんか? ええ、ええ、勿論。怖ければ実体験でも問題ありません。満足したら私、このまま戻りますので……。
説得力なんて要りませんし、難しい事なんてこの際、置いておきましょう。私には未練なんて、これっぽちも、最早ないですから――。
ブラミエ・トゥカーズ
物は食えぬが宴に誘われたのなら断るわけにはいかぬな。
酒を、葡萄酒を所望しようか。
新鮮な血でもよいぞ?
実話
十年前、とある領主が仇敵に攻められ、友人に裏切られて殺された話
あれは恐ろしい光景であったぞ、一人も配下《罹患者》を作れず領地《感染地域》を削られる様はな。
で、這う這うの体で逃げた先で友人に追い詰められて心臓を一突き。
時代遅れな領主様は灰になって死んでしまいましたとさ。
人の苦労や幼い頃の煩悶を喜々として語る吸血鬼に料理と酒を二人が渡す
老人はスピリタスを
青年は大蒜多めなスタミナ料理を
一滴だけ自分の血入り
ご馳走風劇毒セット
病は気からと言うけれど、消毒と健康は大事な話
人間が最も怖いと余は思うのだが?
戸口を叩く必要は無かった。ぎぃと開放された人間界(うつしよ)に身を投げ込む。待っていたのは柔らかな後頚部(もの)――つぅと舌を晒した、オマエ。
杭(くぃ)と傾けたワイン・グラスの中身、所望した予想(とお)りの代物で旧き者は安堵(は)いた。濃々と刻々と咽喉を濡らし、粘(ぬ)らす鮮血(あか)は、成程、脳裡に奇怪な臭みを付着(のこ)していく。これは、~嬢、インクではないか。陰陽の前者に腰を下ろして瞑目、昏々と、滾々と暗黒(よやみ)を語る――或いは騙るとでもしようか。実話と謂う名の幻想、幻想と謂う名の病魔――宴に誘われたのなら断るわけにはいかぬな。
ぽた、ぽた、ぽた、汁気(じゅわり)と過去が虻(あふ)れる……。
人間は引き籠もる事を止め、手段(くすり)を手に領主(それ)と戦う道を選んだ。猛威を揮い、数々の命を冒涜してきた領主(それ)も、嗚呼、時の流れには逆らえなかったのだ。徐々に徐々に浄化され、削られていく領地(テリトリー)、最早これまでと領主(それ)が逃げ込んだのは襤褸の宿。やあ、元気だったかい。僕は元気さ、それはもう、処理(どう)しようもないほどに――かくして這う這う、化け物は心臓を一突きにされたとさ。
そんな『時代旧れ』な御伽噺をされたって、今時のお子様は震えないわよ? 罹患者(はいか)も哀れなものね――まったく、~嬢の謂う通りだ。
老人が酒(スピリタス)を注ぎ青年が大蒜を盛り付ける。たらした誰かの体液は、嗚々、弱点(くさ)みを除く筈もなく。病は気から? いいや、いいや、消毒と健康だ。「人間が最も怖いと余は思うのだが、~嬢はどうであろう」――十字をえがく。
捻じ曲げるのが彼等の仕事よ、さあ、いただきましょうか。それに貴女、やけに喜々(きいろ)っぽいわよ。そりゃいつまでも『うらまれる』わ。
――ご馳走風劇毒セット、遅延性などと、生易しい眩暈ではない。
灰は灰に、塵は塵に――nothing more.
成功
🔵🔵🔴
物部・十王
さて、宴の始まりと行こうじゃねぇか。
わしは、酒のたぐいが好きでのぅ。
肉もじゃ。
おぬしがカクリヨファンタズムへ行けるように盛大な宴をしてやろうじゃねぇか。
では、盛大に乾杯じゃ!!
盛大に行ってくるのじゃ!!
真っ白なものはお隠れになった、もう叫ばなくても好いのだ。玉虫色の幻想にタイプライターを投げ棄てる。時代はコンピュータだと人類は告げた。
――今となっては莫迦らしく、酩酊しても悪くはない。
魔除けを一口ほど齧(や)った刹那(ところ)で鵺(つる)のひと声となった。今宵に『ひと』の影はないが、嗚呼、悲しみなど疾うに絶えている。淡々と、説々(とくとく)と注がれた酒は炙り太陽(サン)とでも表現すべきか。さて、宴の始まりと行こうじゃねぇか。妖怪は酒と肉、その他大賑わいが好物だと相場が決まっている。おぬしが幽世(カクリヨファンタズム)へ行けるよう、盛大にしてやろうじゃねぇか。杯を乾すと書いての『乾杯』だ、連々面々、難しい漢字(つら)を並べる必要はない――頁を埋め尽くした感嘆符に仰天の二文字、世の中、此方も彼方も『そんなもの』で丁度好いのだ。
赫々と踊る貌(さま)はまるで木々を渡る化身(ひとがた)か。獅子と呵々(わら)う貌(さま)は成程、太古から宴(うた)われるオマエに相応しい。蛇(じゃ)ぁサヨウナラと一気(ぐぃ)呑めば――これにて閉幕、裏と表は猫の宙返りに等しい。
大渦巻(レヴィアタン)の肉片を焼き、上手に香辛料(かお)らせた竜頭神尾(いただ)き、充分だろうと筆が地に伏せった――後片付けは任せたわ、古参(あなた)。
嗚呼、行ってくるのじゃ。約束を『果たせた』のだと、堂々、行ってくるのじゃ。とどのつまりは『めでたし』だ。呪詛(おに)殺しの音がする……。
成功
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露木・鬼燈
戦いの後はお腹が空くのだっ!
とゆーことで豪快に肉を喰い酒を呑む!
えっ、怖い話です?
んー?なんかあったかなぁ…
えーと、夜の森で小鬼の夜襲に合って全滅した冒険者の話する?
ひとり、またひとりと仲間が消えて行き、最後には誰もいなくなる
そーゆー話なのですよ?
ちょっと盛ってたり想像で補ってたりするけど大体実話
誰もいなくなったのに何で知っているのかって?
全滅したとは言ったけどロストとしたわけじゃないからね
僕が趣味の小鬼狩りの最中になんやかんやで救出しのです
僕の獅子奮迅の活躍もありバッドからビターまで持ち直したのですよ
そんな感じの終わりですが詳しく聞くです?
バッド・エンドを好むのは常に壁の彼方側なのだ、腐乱した柘榴を傍観出来るほどオマエは化け物ではない。深淵へと躍り出るのは、おそらく、無辜の仕業なのだ。けたけたと緑色が嘲笑い、想像(イメージ)を膨らませる。
鬼を殺すか妖怪を殺すか、狂気へと導くような酩酊(アルコール)に沈む。或いは傍らの肉(かたまり)を齧(がぶ)りとやり、嬉々快々な現実(いま)へと投身(みな)げする。こんな心中で在れば悪鬼だろうと人間だろうと万歳(てをあげる)筈だ。豪快さがオマエの長所なのだとタイプライターが嘔吐(しる)した。それで――怖い話です? 両手を頭上にひとさしをくるり、何かしらを思い出したのか、ピン、と背筋(すじ)が伸びた。
暗い々い、月すらも陰る深夜(ふか)い頃、幾人かの冒険者(もの)が野宿(やど)を為していた。攻撃役(アタッカー)だろう大男が大剣(エモノ)を構え、見張りをしている時、茂みから小さな輪郭(かげ)が――エモノを揮おうとしたところで『的が小さく』やられてしまった。続いて不審に思ったのは盾役(タンク)、精悍とした女が見張りを買って出た。流れはもう『おわかりだろう』――最後には誰もいなくなる、よくある悲劇だ。
――誰もいなくなったのに何で知っているのかって?
全滅はしたけど消滅(ロスト)ではなかったのだ。それじゃあ怖い話じゃなくてカッコイイ話じゃないの。アンタ『好い趣味』してるわ。獅子奮迅の活躍を『聞きたくない』かと問われたら嘘の事、これはこれで『ビター』な味わいで好ましい。
詳しく聞くです? そりゃ勿論。
小鬼(ばけもの)の巣を絶滅(ころ)すのに必要なのは埒外だ。
――ぽいぽいと呪詛(のろ)いを籠める。
腹が減るのは人も妖怪も、羅刹だって同じなのだ。
カラカラと器がわらう。
成功
🔵🔵🔴
常坂・明孝
ふむ、宴会……送別会と言ったところか。
土産話はいわゆる怪談、と。
では、ちょっとしたものを、な。
「あいつが来る」そう話してくれたのはある女だった。あいつが何者かは分からない……が、その女は突然笑い、「朝はいつ起きた?」と尋ねてきた。俺が正直に「6時だ」と答えると女は舌打ちをして去って行ったかと思えば、少し離れたところで別の男に何やら話しかけている。その男は怪訝な顔をして離れていった……が、しばらくの後、その男が俺の前に現れ「昼は何を食べた?」と問うてくる。俺はまた正直に「カレー」と答え……男は舌打ちをして去って行った。
思うに、「あいつ」とは質問に正直に答えなかった者に次々と乗り移ることで生き延びている存在ではなかろうか……
時に……朝、オマエは何時に起きた?
さあ、カクリヨへの「土産」としてはそれなりのモノかもしれんぞ?
沸々と笑っていた徳利(ようき)を傾げる、酩酊していたクセに『ハッキリ』だったのは後にも先にも『今』だけか。髑髏(あな)を覗き込むように怪談(おおとり)待つ。さあ、始めてチョウダイ。アナタの『とっておき』を――。
昼――俺はいつもの通りに家を出て、散歩(あゆ)み始めた頃だった。燦々と骨身(こつ)に染みる暑さに呆然(あきあき)していた隙間(わずか)、意識を掻っ攫うかのように『女』が立ち塞がった。理解が追いつく前に『女』は「あいつが来る」と呟く。
アハ。アハアハアハ。アハ。奇天烈な笑い声が響き、四の五の言う間もなく「朝はいつ起きた?」と問うてくる。なんとも形容し難い状況だが俺は正直に「六時だ」と答えてやった。チッ――女は如何いうワケか舌打ちをし、そのままグチグチと離れていった。
曲がり角、先程の女と知らない男が『何かしら』をやっていた。おそらくは『問答』の類だろう。数秒後、男は怪訝(つら)を垂らしてつらつらと何処かへ消えた。
太陽が傾く、鴉の鳴き声が最早ない(う)せる。そんな時刻に俺は『男の方』と遭遇(あ)った。なあ「昼は何を食べた?」――「カレーだ」俺は今日、二度目の『舌打ち』を聞いた。思うに……「あいつ」とは嘘吐きに憑く『存在』ではないのか。正直に答えなかったら俺も「あいつ」になっていたかもしれない。
中々『よくできた』怪談話じゃない。私の作品には届かないけどね。ぺろりと最後の肉片(かけら)を嚥下(の)んだ悪茄子(ようかい)。ニマニマと猟兵(オマエ)を眺める。時に――「朝、オマエは何時に起きた?」「妖怪は朝寝るもんよ」
カクリヨへの土産話としては『それなり』だった、と、真ん丸い目玉(キャンディ)が廻る。それじゃあ「バイバイ」しましょうか。送迎会(うたげ)、ありがとうね。
ちょっとした酒瓶(びん)に詰め込んだ言辞(ワード・サラダ)、悉くは己(なが)れを判断(りかい)し終幕(エンディング)を紡ぐ。呶呶のつまり、現世も幽世も『似たような』モンって事ね。だってさ――。
――筆を置く事なんて出来やしない。
成功
🔵🔵🔴