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碧海の底へ

#シルバーレイン #【Q】 #ゴーストタウン #パシフィック・クイーン号

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#シルバーレイン
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#【Q】
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#ゴーストタウン
#パシフィック・クイーン号


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 沈みゆく船。
 逃れられぬ死。
 絶望の中で芽生える愛。
 ああ、ああ!
 なんて素敵なの!

「――私もそんな恋がしたいっ!」

 船首でくるくる、恋する兎は夢見て回る。
 実らなかった切ない恋の名残を、その愛しい血肉と共に引き連れて。

●鎌倉の海開き
「――には、まだ早いけれど。海に行かないか」
 唐突が過ぎる。
 集めた猟兵たちの姿を見るなり、開口一番しれっと言い放った南天庵・琥珀(ナイトタイムドリーマー・f36445)である。まずは理由を言え。
「パシフィック・クイーン号と言う豪華客船が、鎌倉の港に停泊しているんだ。まあ、とうの昔に打ち捨てられて、ゴーストタウンと化したわけだが」
 よく昔のゴーストタウン見つけてくるねキミ。
 正確に言うなら、この場所は既に銀誓館学園の能力者たちによって浄化されていたのだが、例によって例の如く、オブリビオンの支配を受けたことにより再びゴーストタウンとして機能し始めたのである。
「ああ、けど今回は、当時の能力者たちが経験した、乗組員失踪事件に起因した特殊空間は再現されていないから、その辺りは安心してくれ。尤も、別の特殊空間が生成されているようだけれど」
 そんな気はしてた。
 琥珀が言うには、そもそもこの豪華客船を乗っ取ったのは、宇佐美・藍沙と名乗るオブリビオンだ。恋に恋する彼女は度々、運命の恋人(会う人軒並み運命)を求めて、各地で様々な事件を起こしているようなのだが。
 たまには悲恋や絶望的シチュエーションでの恋もいいよねなんて、パシフィック・クイーン号を悲劇の沈没船に見立てて居座っているらしい。
 一応補足しておくと、様々な悪評や失踪事件の果てに廃船と化しているだけで、特に沈んだりはしない。
 ともあれそんなわけで、今のところ事件は起きていないが、今後一般人や猟兵に覚醒していない能力者が足を踏み入れてしまうと、彼らの命が危険に晒されることは想像に難くないので。
「皆はこの船に乗り込んで――野良モーラットを保護してくれ」
 ――あれ、これ何か別の事件と並行で話してます?
「甲板にどこかから紛れ込んだのか、モーラットの大群が居座って思い思いに遊んでいるから。取り急ぎ埠頭でいいから船外に下ろしてやってくれ」
 曰く、宇佐美・藍沙は隠れて猟兵たちの様子を窺っているらしいが、最終的に姿を現すのはこの甲板なのだと言う。
 放置すれば確実にモーラットも巻き込まれてしまうため、流石にそれは可哀想だからと。つくづく使役系種族に甘いグリモア猟兵である。
「それから藍沙との決戦――とはならない。奴は地下にいるらしいから、それを追って行くことになるんだが、行く手を阻むようにゴーストが特殊空間を展開しているんだ」
 船体内部を下り、上層を抜け下層に足を踏み入れた、その瞬間に特殊空間は広がる。
 そこは涼しい海の中。人工物などは一切なく、見渡す限り碧が広がる。本物の海ではないから、泡は浮かぶが呼吸に困ることはない。泳ぐのが苦手でも、砂に足をつけての海中散歩も夢じゃない。
 揺蕩う魚や水生生物は多種多様で、鎌倉の海では見られないものもここにはいる。皆一様に猟兵たちに好意的で、共に泳ぐこともできるだろう。危険な生物や、希少生物だって例外なく、猟兵たちの友達になりたがる。だってそこは幻想の世界なのだから。
 イルカやウミガメ、サメやシャチにクジラでさえも!
 だが忘れてはならない。ここはあくまで特殊空間。
 そこは美しい想い出を提供し、猟兵たちの本当の記憶をも薄れさせ、『帰りたくない』と思わせる力を持っている。
 最後にはその誘いに抗い、脱出しなければならない。
「特殊空間を作り出している存在は、この個体に限っては空間にユーベルコードで亀裂を入れてやることによって、共に消滅する存在なんだ。折角だから海中散歩を堪能して、キリのいいところで出てきてくれればいい。脱出さえできれば、空間に入る直前の時間に戻れるようだから」
 成程、琥珀の話に余り切迫した空気を感じないのはそのせいか。
 そして、もふもふと戯れ――いや、避難させて。海中散歩を堪能し――いやいや、特殊空間を攻略したら、いよいよ決戦。
「藍沙は皆が特殊空間を脱出するのと入れ違いで甲板へと戻り、待ち構えている。この時点で皆にはもう惚れ込んでいるから、そのまま船を放棄して逃げる心配はない。心置きなく懲らしめてやってくれ」
 息抜き――の割には、最後に精神的に疲れそうな相手が待っているが。
 折角なので楽しみつつも、しっかりオブリビオン退治して、帰ろう。


絵琥れあ
 ゴーストタウンが好きすぎて。
 お世話になっております、絵琥れあと申します。
 シルバーレイン芸人になりつつある自分を自覚する、今日この頃。

 流れと詳細は以下の通りになります。

 第1章:冒険『脱走モーラットを捕まえろ』
 第2章:集団戦『存在しない想い出の写真』
 第3章:ボス戦『宇佐美・藍沙』

 第1章では、何故か甲板を気に入り居座っているモーラットを確保、避難させていただきます。
 疲れさせたり、罠にかけたり、懐かせたりすることによって確保しやすくなるでしょう。
 残念ながら次章の海中散歩(特殊空間)に連れて行くことはできません。危ないので。

 第2章では、海中散歩の楽しい想い出に犠牲者を閉じ込めようとする『存在しない想い出の写真』が生み出す特殊空間を攻略していただきます。
 とは言え、ユーベルコードひとつで出られる&倒せるようになっておりますので、割と何でもありな海中散歩をお楽しみください。脱出したら服はすぐ乾きますが、水着で来てもいいのよ。
 一応、さくっと脱出できたかどうかはユーベルコード(能力値)判定を行います。万一苦戦した場合はちょっと名残惜しくなって出るのに手間取った扱いになります。

 第3章では、このゴーストタウンを支配し悲恋の舞台にしようとしている『宇佐美・藍沙』と戦っていただきます。
 ある意味ユーベルコードによる攻撃そのものよりも、溢れんばかりの恋心と暴走による好き好きアタックの方が厄介かも。
 上手く躱したりお断りしたり、或いは応じるフリをしたりとどうにか乗り切りつつ、しっかり退治をお願いします。

 第1章開始前に、断章を執筆予定です。
 戦闘パートの地形などの追加情報も、断章での描写という形で公開させていただきます。
 断章公開後、プレイング受付開始日をタグにて告知させていただきますので、ご縁がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。

 ※本件の元となったゴーストタウンはこちら(確認必須ではありません)
 『http://t-walker.jp/sr/gate/top.cgi?did=d17』
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第1章 冒険 『脱走モーラットを捕まえろ』

POW   :    全力で追いかけっこをして疲れさせて捕まえる

SPD   :    先読みして待ち構えて効率よく捕まえる

WIZ   :    餌や罠を準備して片っ端から捕まえる

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●いずれと言うまでもなく現れるn番目の彼ないし彼女たち
「もっきゅ」
「もきゅもきゅ」
「もぎゅううぅぅ〜〜〜〜〜〜」
 甲板をころころ転がる者、ぴょんぴょん跳ねる者、ぐでぇと潰れる者、など。
 数多のもふもふ、もとい、野良モーラットの群れが、燦々と照りつける太陽の光の元、思い思いに船上で自由行動していた。
 何処にでも現れるなモーラット、と誰かが言った――かは、定かではないが。何処にでも現れる彼ないし彼女たちは、初夏と言うには少々日差しが強すぎる今日この時にも健在であった。
「もきゅぴ」
 実際、自身のもふもふと日光のダブルパンチでだれている者もちらほらと見受けられた。モーラットにも換毛期ってあるのだろうか、と誰かが思った――かは以下略。
 ともあれ、その大半はまだまだ夏満喫するぞと言わんばかりに元気があり余っている。本格的な夏はこれからなのだけれど。
 無策で全員捕獲しようとなると――無理ではないだろうが、かなり骨が折れるだろう。とは言え放っておくと、いざここで戦闘が始まった時に巻き込んでしまう。
 さて、無事に確保、避難させるにはどうしたものかと、猟兵たちはプランを練るのだった。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風

そう、湿気の高い夏になると蒸して暑いのよな。わかる。
※『侵す者』は生前、狼獣人。

さて、それはそうとして。捕まえねばな…と思っていたら、陰海月と霹靂が飛び出して、UC使っていった。
ジャンプ台になるし、遊びにはいいのよな。集めたら日陰もできるし。
あと、さりげなくゲーミングクッション?であるから、だらーっとしてもよい。
そういうところを捕まえていくか。


陰海月と霹靂、全力追いかけっこをする所存。
たまにUCで出したクッションぬいぐるみで跳ねる。
陰海月「ぷきゅ!」(魅惑のひんやりぷにぷにボディ)
霹靂「クエ!」(ふかふかもふもふ)



●もふもふにぷにぷににふかふかでもうパラダイスさ
「もぎゅぎゅ」
 溶けるように日陰でぐったりしている一匹のモーラット。
 その姿に馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)――より正確に言うなら、彼の中の人格の一人であり、生前は狼の獣人であった『侵す者』――は、思わず遠くを見た。
(「そう、湿気の高い夏になると蒸して暑いのよな。わかる」)
 まだ初夏だと言うのに、憎らしいほどに輝き照りつける太陽である。ただでさえこの時期、梅雨とも被ると言うに。
(「さて、それはそうとして。捕まえねばな……」)
 義透、動きます。
 ――と、思った瞬間。
「む?」
 突如、ぽーんと自身の影から飛び出してくるナニカ。
「ぷきゅ!」
「クエ!」
 声の主はそれぞれ魅惑のひんやりぷにぷにボディと、金色混じりのふかふかもふもふの焦茶羽毛の持ち主。
 見れば平素は影の中に潜んでいるミズクラゲの陰海月と、ヒポグリフの霹靂が、モーラットたちに全力の追いかけっこを仕掛けに行ったようだ。
 ユーベルコードによって召喚された、カラフルな動くミズクラゲ型ぬいぐるみも一緒だ。柔らかいのでジャンプ台代わりにもある。船上はちょっとしたアスレチックに早変わり。
「もきゅ!」
「もっきゅー!」
 ぽーんぽーん。
 思わぬ新たな遊び道具に大はしゃぎの遊び盛りモラ一同。
 陰海月と霹靂も遊んでくれるので、更にテンションアップ。体力など気にせず跳ね回るモラたち。
(「遊びにはいいのよな。集めたら日陰もできるし」)
「も〜きゅ〜」
 見た目にも涼し気なミズクラゲぬいたちの山でできた日陰に、既に何匹かモラたちが移動してきていた。
 何ならその山の上に陣取って埋もれて、ご満悦のモラまでいる。
(「さりげなくゲーミングクッション?であるから、だらーっとしてもよいしな」)
 遊んでよし、休んでよしの万能ぬい。
 そして頃合いを見計らって、義透が回収作業へ。
 埋もれモラをぬいごと船外へ降ろし、涼んでいる子たちも一緒に移動。
 最後には沢山遊んで満足したモラたちを、陰海月と霹靂にも力を借りて、せっせと運び出すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヒース・アーベル(サポート)
*性的表現のあるシナリオは不可
アドリブ・共闘:可
UC:ご自由に
メイン武器:各種投擲用ダガー

基本的には置かれた状況下で楽しむタイプです。人との交流も好きな方ですね。
探索系ならば、積極的に情報収集をしてから行動します。人から聞き出すのは勿論、【飛耳長目】で鳥等に変身して盗み聞きもします。
鍵開けや失せ物探しも得意ですね。鑑定なんかもお任せを。
このとおり、力仕事のない裏方の仕事の方が得意です。ですが、人命がかかっている場合は別です。

予知等で予め方針が決まっている場合は、そちらに従います。
怪我をすることは特に気にしません。また、他の猟兵さんに迷惑をかけること等は致しません。
どうぞ宜しくお願いします。



●アイスにするとどうしても紅茶本来の風味が飛ぶと言う悲しみ
(「流石に初夏でこの暑さは堪えますね……」)
 照りつける太陽に目をやられないよう、手で日除けをしながら天を仰ぐヒース・アーベル(胡散臭い掃除屋・f35538)。
 彼の言葉を裏づけるように、暑さでだれている一部のモーラットたち。
「もぎゅあ」
 しかし元気があり余っているモーラットが多いのも、また事実。
「もっきゅー」
「もきゅぴぴぴぴ」
 飛んで跳ねて、そして鬼ごっこやら隠れんぼやらが始まって。
(「……致し方ありませんね」)
 そんな彼らをよそに、ヒースは紅茶を淹れ始めた。
 但しポットから湧き出るのは、アイスティーである。
 やがて遊び疲れてくてっとし始めたモーラットたち。そこにヒースは身構えられないよう、ゆっくりと歩み寄って。
「喉が渇きませんか? アイスティーをどうぞ」
「もきゅ!」
 ピーンと起き上がるお疲れモーラットたち。現金。
 ごきゅごきゅごきゅと皆一斉に飲み始める。
「ぎゅぎゅ」
「砂糖もミルクもありますよ」
「もっぎゅ」
 苦そうな顔をしているモーラットには、乞われるまま砂糖かミルク、或いはその両方を適量垂らして。
「もきゅ〜」
 水分補給が完了したモーラットたち、すっかりくつろぎモード。
 大変なのはここからだ。彼らを船外へと運び出さなければならない。
(「骨が折れそうですが……まあ、落ち着いてくれただけやりやすくなっていると信じましょう」)
 くつろぎ中の二匹を抱え上げる。幸いにして信じる者は救われると言うべきか、大人しくなったモーラットたちは抵抗もせず、大人しく運ばれてゆく。
 飲み物をくれたヒースに懐いたのか、自主的についてきてくれる者もいた。
 そうして無事、落ち着いたモーラットたちを船外に下ろし切ったヒース。まだ甲板に残っているモーラットもいるが、そちらは他の猟兵たちに任せても大丈夫と言える程度には、仕事をこなしたと言っていいだろう。
 熱気にひとつ溜息を吐いて、ヒースも少し日陰で休むことにした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティエル・ティエリエル(サポート)
◆キャラ特徴
ボクっ娘で天真爛漫、お転婆なフェアリーのお姫様です。
王家に伝わる細身のレイピアを使った空中からのヒット&アウェイで戦うのが得意な女の子です。
・冒険大好きお姫様
・珍しいものにも興味津々
・ノブレス・オブリージュの精神で弱者を放っておけないよ
・ドヤ顔がよく似合う
・困ったら動物さんに協力を!

◆戦闘方法
・背中の翅で羽ばたいて「空中戦」や「空中浮遊」で空から攻撃するよ
・レイピアに風を纏わせて「属性攻撃」でチクチクするよ
・対空攻撃が激しそうなら【ライオンライド】
・レイピアでの攻撃が効かない敵には【お姫様ビーム】でどかーんと攻撃



●甘いものともふもふは正義だと思うのです
「モーラットだ!」
 目を輝かせるティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)。
 モーラットは基本的にはこのシルバーレインにしか生息していない。勿論、猟兵の中にもモーラットはいるし、そうでなくとも偶に異世界に転移してしまう個体もいないことはないのだろうが、少なくともティエルにとって、この世界以外でこんなに大量のモーラットを見る機会は少なかった。
 かわいくて珍しいいきものは正義。
 と言うわけで、なるべく手荒な真似はしたくない。
 そこで取り出したるは甘〜いはちみつ! UDCアースの島国で栽培されたみかんの花から集められた花蜜だけを使った、純度100%で栄養も満点。モーラットのお腹にも優しい!
「みんなー! おやつの時間だよー!」
「もっきゅ!?」
「もきゅー!!」
 おやつ!? おやつが食べられるんですか!!
 そんな声が聞こえてきそうな勢いで、一斉にティエルを見るモーラットたち。
「順番だよー! 並んで仲良く分けてねっ」
「もっきゅー」
 はーい、と言いたげに声を上げたモーラットたち。素直な子たちばかりでよかった。
 お陰で全員に蜂蜜が行き渡った。もきゅもきゅと舐め始めるモーラットたち。
 帰ったら補充しないと! なんて思いつつ、僅かに残った蜂蜜をティエルも一緒にいただきます!
 やがて、おやつタイムが終了する頃には遊び疲れてもいたのか、一匹ずつうと……うと……と。
 今の内に船外に運び出したいところではあるが、ティエルの体格では少々厳しい。
「でも! ボクに抜かりはないんだよ!」
 ドヤァと得意げに取り出したのは、小さな壺。
 そう、妖精さんにはお馴染みフェアリーランドの壺!
 既に警戒心皆無のお昼寝モーラットたちを、次々とフェアリーランドに回収しつつ。
「危ないから船の外にいてね」
 言われた通り、埠頭にぽてぽてと放す。無抵抗でころころ転がるモーラット。これで全てのモーラットを逃がすことができただろう。
「やったね!」
 成果を目の前にして、ティエルはふふんと胸を張ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『存在しない想い出の写真』

POW   :    もしあの日がこうだったら
対象にひとつ要求する。対象が要求を否定しなければ【あの日の正しい記憶を一時的に 】、否定したら【あの日感じた気持ちを一時的に】、理解不能なら【冷静さと客観性】を奪う。
SPD   :    何しに来たんだっけ
【写真 】から、戦場全体に「敵味方を識別する【「見た者が望む映像や音や香り」】」を放ち、ダメージと【やるべきことを忘れてしまう程の無気力状態】の状態異常を与える。
WIZ   :    何処にも行きたくない
【写真 】から【過去の一部】を召喚する。[過去の一部]に触れた対象は、過去の【感情に囚われて、ここを離れたくない気持ち】をレベル倍に増幅される。

イラスト:すずや

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●碧で満ちてゆく
 ――タン、タン、タン。
 軽快に響く、階段を降りる音。
 恋する兎の足跡を追って、船内を駆け下りる。
 上層を通り越して、更に下層へ。階の終わりに辿り着く、フロアに爪先を立てる――直前で。

 ――ざぶん、と。
 世界は一面の碧へと塗り替えられた――。

 兎を追って落ちて行った。
 そこは不思議の国ではなく、全ての理想を集めた碧の世界。
 見渡せば多様な生き物と、美しい景観が視界いっぱいに広がる。見上げればきらきらと、陽光が淡く世界を照らしている。不思議と、水は目を蝕むことはなく、微かに泡を吐きながらも己の肺で呼吸ができる。
 やはりここは、本物の海の底ではなく、特殊空間の生み出す幻想なのだと理解できる。――今は、まだ。
 帰ろう。帰るべき場所だと、思えている内に。
 ――少しだけ、この非日常を楽しんでから。
馬県・義透
引き続き『侵す者』にて

陰海月と霹靂がはしゃいどる。まあ、海は陰海月の故郷であるし。霹靂は海を見たことはあれど、中に入ったことがないからのう…。
たしか、わしも入ったことがない…はず!(内陸部豪雪地帯出身者)

というわけで、陰海月のぷきゅぷきゅ解説を楽しもうか。…光っとるが。
そして、充分に楽しんだら黒燭炎でつついて砕いて出ようかの。


ブルーアルカディア出身な霹靂、「クエ!(海の中!)」とビックリ。
グリードオーシャン出身な陰海月、「ぷきゅ?ぷーきゅー!(穏やかだね?でも、海だよ!)」。海の中の楽しみ方をレクチャー。
二匹とも、やることは忘れない。



●煌めく、揺らぐ
 一瞬にして碧く揺らぐ水の夢。
 その中心に、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)はいた。陰海月と霹靂も、変わらず一緒だ。
(「陰海月と霹靂がはしゃいどる」)
 陰海月は千を優に超える数多の色に輝きながら、踊るように世界を泳ぎ、霹靂も本来の領分である空と変わらず広がる翼で飛翔していた。
「クエ!」
「ぷきゅ? ぷーきゅー!」
 霹靂は初めての海に驚きつつも悠々と碧の中を往き、陰海月は故郷の海と比べ大分穏やかな――尤も、鮫などもかなり友好的な辺り、この世界の海としても異質なのだろうが――様相を些か不思議がりながらも、上機嫌な様子で一人と一頭を誘う。
(「まあ、海は陰海月の故郷であるし。霹靂は海を見たことはあれど、中に入ったことがないからのう……」)
 そして、故郷では内陸部豪雪地帯の出身者であった義透――の一人、侵す者――も、また。
(「たしか、わしも入ったことがない……はず!」)
 少なくとも今現在、彼にそんな記憶はないし、あったとしても思い出せそうな気配もない。幻とは言え実際に海に入ってもそうなのだから、恐らく本当にないのだろう。
 そんな海中散歩初心者な義透と霹靂を導くように、陰海月のぷきゅぷきゅ解説が始まる。きらきらと虹のように、色とりどりに光りながらだけれど。
 すると光に釣られてか、魚たちも寄ってくる。本来ならもっと温かな海にいるのだろう、熱帯魚たちが群がれば、更に碧のキャンパスに彩りが増える。
 ウミガメやシャチが並走するように、義透たちの隣を突き抜ける。ごく近くから、イルカの歌も聴こえてきた。
「ぷきゅー♪」
 故郷ではこんな風に、他種族が和気藹々と、友人のように集まるなどと言う経験はなかったのだろう。幻だと解ってはいるのだろうが、陰海月も嬉しそうだった。
(「……この後にはなかなか難儀な敵が待ち構えているようだが。来た甲斐はあった、か」)
 そんな陰海月と、慣れてきて自らも魚たちと飛ぶように泳ぐ霹靂とを、義透は微笑ましげに眺めて。
 彼らが満足したのを見届けてから、義透たちは揃って碧の夢から覚めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

虹川・朝霞(サポート)
二つの故郷(UDCアースとカクリヨファンタズム)をふらふらしていた竜神。救援要請あるところに行くように。
自分が電脳魔術士であることをよく忘れます。

基本は慈悲を持って接するため、口調は丁寧です。
怒りを持ったときのみ、『阿賢賀水神』に戻ります(口調『遥かなる水神』)
なお、装備品の鉄下駄はUDC圧縮体のため、超絶重いです。鉄って言い張ってるだけです。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はいたしません。
あとはおまかせします。よろしくおねがいします!



●愛は藍より出でて
(「……これは」)
 碧の中、揺蕩う虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)は水神だ。
 あくまで水神であり、海神ではないのだが、それでも穏やかに流れる涼やかな世界は懐かしく。
 昔を想えば、その胸の内に去来するのは。
(「嫁御にも、見せてあげられればよかったのですけれどね」)
 かつて生贄として捧げられたかの人。
 そのまま娶って嫁として、以来ずっと一途に想い続けてきた。
 天寿を全うし、今は生まれ変わり姿も変わってしまったが――その想いは変わらない。猟兵となった折に見つけ出して、その家に押しかける程には。
 愛しい人に想いを馳せれば、番のイルカが不思議そうに朝霞の傍へと寄ってきて。
「……貴方たちも、互いを想い合っているのですね」
 そう、優しく声をかければ嬉しそうにきゅいきゅいと鳴いた。
 寄り添うその姿に、癒される。
「連れてくることは叶いませんが、せめてこの光景を土産話としましょうか」
 帰りを待ってくれている――はず――の愛する人に、故郷に似た美しい碧の夢を見たのだと。
 そのためには、ここから無事に脱出しなければ。
「……さて、少々名残惜しいですが。そろそろお暇しましょうか」
 愛する人への想いまで、碧に塗り替えられてしまわぬ内に。
 世界を離れる意図を持って、重たい下駄で緩やかな波間を軽く、蹴り上げれば。
 幻の海に亀裂が走り、碧は現へ溶けてゆく。

成功 🔵​🔵​🔴​

音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。



自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
                      プロデューサーより



●憂鬱の青は海の中
「世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん、ただいま参上……」
 お決まりの前口上とポージングを決める音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)は今回、ダークゴシックなデザインの水着で配信に登場した。番組のためとは言え、ただでさえ恥ずかしいのに(本人的には)とんだ恥の上塗りである。
 因みに今回は一応、特殊空間攻略と言うことで、自撮り棒もしっかり持参。ついでに言うとここに入るまでは上着も着てました。恥ずかしいし。陽に焼けるの嫌だし。
 可愛らしいウサギフォンに自身の姿が収められるよう気を配りつつ、おずおずと海中を歩くように泳ぐ。呼吸ができるのがまだ救いか。
「ひゃっ」
 色とりどりの熱帯魚がウサギフォンと鬱詐偽自身の間に回り込んで来て、思わず驚く。だが、友好的に鬱詐偽の周りを回遊する姿に癒され――ていると。

「………………きゃああああああ!!!!!!??????」

 突如、今日一の悲鳴を上げる鬱詐偽。
 無理もないことだ。何故なら彼女の背後には巨大な鮫が迫っていたのだから。
 数秒だけ映っていた鮫。ぶれにぶれまくる映像。ちょっとしたハプニング動画である。後ろ後ろ! とでもコメントがつきそうなアレ。
 だが、これはこれで配信的には美味しいのかも知れない。鬱詐偽にとっては災難以外の何物でもなかったが。

 ――その後、鮫も実は友好的だったので何とか誤解は解けたが、特殊空間から脱出した後の鬱詐偽は向こう暫く海に行くのはやめよう、と固く決意した。
 配信スケジュールやイベント次第では、その決意も反故にされそうな気はしますけれども。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルーヴェニア・サンテチエンヌ(サポート)
(※アドリブやアレンジ、協力大歓迎!)
ダークセイヴァー出身の人狼ですけれど、普段はUDCアースに滞在しておりますの。
どんな歌でも心惹かれ、聞いた歌は歌いたくなりますわ。
エレキギターからは軽やかに澄んだ音からぐちゃぐちゃに歪んだ音まで。思いのままに、奏でてみせますの。

~さま呼び、ですの、ですわ口調ですけれど、時折崩れますし、歌う時は自由なのですわ。

実は戦いは得意でなく……少し離れてエレキギターで衝撃波攻撃、オーラ防御したり、歌や演奏で魔法を掛けるような戦い方ですの。
回復系は、歌を媒介として神の御技(みわざ)を分けてもらう(唐突なクレリック要素)のですわ。
新たな設定・戦い方の提案、歓迎しますわ!



●碧に揺らめく恋の歌
「まあ!」
 ルーヴェニア・サンテチエンヌ(命短し吼えよ狼 夜は明けねど歌えよ乙女・f13108)が心惹かれたのは、海の碧そのものよりも、碧の世界を舞台に響くイルカの歌。
 伴侶を求めて歌うのは、紛れもない恋の歌。
 ルーヴェニアには、イルカの言葉は解らないけれど、想いはその声音から伝わる。心ときめき、奪われる。
(「いつだって、誰にとっても、恋は泥棒――」)
 歌い上げたい。高らかに。
 そっと、イルカたちを真似て歌えば、仲間がいるよと喜ぶイルカたち。きゅいきゅいと合唱も楽しげに弾む。
 海の中だが夢の中。ここではギターも奏でられ、音も陸地と変わらず響くようだ。
 合唱を追いかけて、歌いながらも甘く切なく、そして優しく奏でれば、ここにひとつの曲が生まれた。
(「あなたもわたしも、イルカたちだって心奪われてしまうの」)
 それはなんて、素敵なことだろうか。
 恋は地上でも海中でも、心ある者たちの日々を彩る。
 いいことばかりではないけれど、それも含めて心揺れ動く、ちょっとした魔法。
 海の中でも巡り逢えるなんて、嬉しい。
 やがてイルカたちだけでなく、声なき魚たちも集まって、歌う代わりに踊り出す。言葉はなくとも胸踊る感情が今、この世界でひとつになっている。
 夢の世界中を震わせる、この歌で。
 きっとルーヴェニアは満たされた気持ちで、この碧の夢から覚められる。

成功 🔵​🔵​🔴​

城田・紗希(サポート)
基本的には考えるより行動するタイプ。
でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。…脳筋じゃナイデスヨ?
暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。

戦闘は確実性やオーバーキルより迎撃数を優先するので、全力魔法と範囲攻撃で少し広めに撃ってから時間差で仕留める。
もしくは単体攻撃にカウンターや鎧破壊攻撃を乗せつつ、連続して使って、一撃必殺を繰り返す。
「ここから先は行かせないよ、キリッ」
…ところで、なんでオブリビオン居るの?(前後の説明忘れた)

……防御?なんかこう、勘で!(第六感)
耐性……は、なんか色々!(覚えてない)



●碧に塗り潰されたもの
「海だ!!」
 城田・紗希(人間の探索者・f01927)の心はこの上なく弾んでいた。
 泳げるのに呼吸はできるし、魚たちは皆フレンドリーだし、何よりこの蒸し暑い中、一足早く海で涼める。
「泳ぐぞー!」
 早速、碧の世界を蹴って進む。
 程よく冷たい水が、暑さを忘れさせてくれる。
 やがて紗希の姿を認めた魚たちが、その周りを泳ぎ始める。お嬢さん、何処に行くの? と問いかけるように。
 自分は何処へ行くのだろう。この世界の果てを目指してみようか?
 今なら、ここでなら、それもできそうな気がしてきた。辿り着けないかも知れないし、そもそもないかも知れないけれど、挑戦することが大切だ。
 思い切って速度を上げる。魚たちも楽しげについてくる。何だかおかしくて、自然と笑顔になった。
 果てまで行くと告げれば、この子たちも一緒に来てくれるだろうか。来てくれたらきっと、もっと楽しいひと夏の想い出になる。
「ついておいで!」
 溌溂と声をかければ魚たちも皆、乗り気のようで。ならば皆で目指そうか。この世界の果てを探して!
 どこまでも続く碧の世界。けれど流れゆく景色は少しずつ変わってゆくから、飽きはしない。魚たちも時折隊列を変えて泳ぐから、様々な彩りが幾度となく形を変えて紗希の目の前に現れる。
 楽しくてたまらない。不思議と疲れも感じない。この時間がずっと続いたら。
 時間――時間? 時間って何だろう。
「……あれそう言えばこれ特殊空間だっけ?」
 危ない思い出せてよかった。のめり込む前に帰ろう。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『宇佐美・藍沙』

POW   :    どうしよう、好きになっちゃいました!
自身の【恋心に素直】になり、【恋の告白をし続ける】事で回避率が10倍になり、レベル×5km/hの飛翔能力を得る。
SPD   :    きっとあなたも私の運命の人!
【自身や恋人たちの手での引っ掻き】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【声や容姿といった魅力的なところ】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    恋人になってくれなきゃ離れない!
【恋心】を向けた対象に、【全身全霊全腕でのハグ】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:飴屋

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は夏目・晴夜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●残念ながら船は沈まないしお付き合いもできません

「――私と付き合ってくださいっっ!!」

 碧の夢から目を覚まし、甲板に戻った猟兵たちを出迎えたのは、そんな恋する兎の熱烈な愛の告白だった。
 恋に恋する可愛い兎ちゃん――にしては、過去の恋の想い出を物理的かつグロテスクにぶら下げまくっておりますけれども。
 そうでなくともオブリビオン。オブリビオンでなくともほぼほぼ初対面。お付き合いはできません。
 あと、この船は沈みません。
 だが、猟兵たちの物言わぬ拒絶も何のその。
「あん、そんなに見つめないでください恥ずかしいっ!」
 いやちょっと遠い目してただけなんですけれども。聞いてませんねそうですか。
 厄介なことになったなあ、と程度こそ違えど思わずにはいられない猟兵たち。折角海中散歩で癒されたのに、帳消しどころかマイナスになるレベルの疲労感。まだ戦ってもいないのに。
「沈みゆくこの船の上、私と死んでも離れない、永遠の愛を誓いましょうっ!」
 ――お断りです!
馬県・義透
引き続き『侵す者』にて

さて、陰海月と霹靂は影に入っておれ。
そして…何か勘違いしておるようだが。すまんな!わしはお転婆で可愛い5つ下の身長154cmな妻『陽織(ひおり)』一筋なのだ!
※ちなみに、故郷壊滅時に亡くしてます。

というわけで、断りの【四天境地・火】よ!元より、兎は食糧区分であるからな!
狼たちよ、あれが獲物ぞ。行くがよい!
※戦国時代生まれ

そして、その抱きつきは見切って回避、黒燭炎で突くとしよう。
陽織に勘違いさせてはならんかな!


他三人「いつもの」
生前からの惚気光景

陰海月&霹靂(知ってた)
超強火力愛妻家な『侵す者』は何度も見てるが、いつも砂糖まみれな二匹

疲れた三人と二匹。『侵す者』だけ元気



●【他三人と二匹の気力】を代償に【嫁への愛】で戦闘力を増加する
「さて、陰海月と霹靂は影に入っておれ」
 言ってる間にも兎がハート乱舞飛ばしてきているのだが、驚くほどに冷静な馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)――が一人、侵す者。
 ここまで常に表に出ていた二匹が避難したのを確認すると、義透は真っ直ぐ兎へと向き直り。
「そして……何か勘違いしておるようだが。すまんな!」
 毅然とお断りの姿勢。その理由は!

「わしはお転婆で可愛い五つ下の身長154cmな妻『陽織(ひおり)』一筋なのだ!!」

 ――数秒間の静寂。
 常にポジティブシンキングな兎さんさえも情報量の多さに思考停止していた。
 この時、表層に出てきていない残り三人の心はひとつになっていた。

(「「「い つ も の」」」)

 だって生前からこうなんだもの。今更です。
 ついでに言うと陰から『知ってた』とでも言いたげな生温い視線が二つ――実は海月にも眼は存在している――義透と言うか侵す者に向けられていたのだけれど、本人気づいてないもしくは気にしていない様子。
「いいんです、過去に恋人がいたとしても……今、一緒にいられることが大事だから!」
 おっと兎持ち直しよったぞ。
 因みにしれっと過去扱いされているが、実際その陽織さんは故郷壊滅の折に儚くなっている。
 だが、そんなことは関係ないのだ。そう、死すら二人の愛を引き裂くことはできないのだから!
 つまり、ぽっと出の兎の出る幕などないのである。故に。
「狼たちよ、あれが獲物ぞ。行くがよい!」
「えっ」
 断り代わりのユーベルコード。現れた紅輝の魔断狼たちは、オブリビオンのみを焼き食らう。
(「元より、兎は食糧区分であるからな!」)
 生まれた時代が戦国ですからね。牧畜よりも狩猟で肉を得ていた時代ですからね。
「きゃー、こわぁい!」
 なんて言いながら、どさくさに紛れてけしかけた張本人に抱きつこうとする兎だけれども。
 当然そんなもの全力回避。からの、炎を纏って赤熱した黒鉄の槍――黒燭炎の一突きで全力拒否!
「陽織に勘違いさせてはならんからな!」
 見ているか陽織、愛しているぞ――! と。
 天に吠えかねない勢いの義透、もとい侵す者。
 なお、残りの義透たちはこれまでの流れですっかり精神的に疲弊し切り、最早突っ込む気力も残ってはいなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。



●何事にも例外って存在しますよね
「悪いが、応えることはできない」
 誠実に、しかしきっぱりと、こちらも毅然とお断り勢のアス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)。
 彼は生き別れの姉と妹がいる身である。故に、比較的女性への対応は柔らかめなのだが、それとこれとは話が別だ。
 相手オブリビオンですし、そもそも(少なくともこの個体とは)初対面ですし。男女のお付き合いってそんなホイホイ軽率にするものじゃないですし。
 と言うわけで、下手に希望を持たせないようしっかりはっきり好意の押し売りはクーリングオフしてゆく。なまじ変に言葉を濁すと前向きに捉えられてしまいそうだし。
「そんな……そんな……」
 ぷるぷるする兎。流石に可哀想だったか。
「素直じゃないところも素敵! ハッまさかこれが世に言うツンデレ属性ってヤツなの……!?」
 前言撤回。どう足掻いても前向きだった。
 と言うかアスさんはツンデレ属性とは違うと思います。
「好き好き好き好き大好き愛してます!!」
 あ、これ何言っても駄目だな、的な空気を感じたアスは、もう何も言わなかった。
 言葉で解らないのなら、態度で示すまでである。握りこんだ柄を一薙ぎすればブォン、と未来的な音を伴って、一筋の青白い光の筋――刃が現れる。
「破邪の刃は魔に惑わされた心のみを断つ」
「えっ」
「――退魔念導破邪斬!!」
「きゃー!! キレデレも兼ね備えてるっ!?」
 理不尽な暴力ヒロインみたいに言うな。心外が過ぎる。あと何が何でもデレさせようとすな。
 最初はぴょんぴょん躱していた兎だったが、何度も無心で刃を振るえば遂にクリーンヒットした。きゅうと目を回して伸びる兎。
 そこでふと、アスは思い至る。これはあくまで(一応)恋心であって、傍迷惑ではあったものの邪心ではないのではないか。
 だが、兎はちゃんとピヨピヨして起き上がる気配はないので、ダメージは入ったのだろう。ならばよしとしようと、アスは刃を納めた。
 考え出すとドツボにハマる気配がひしひしとするので、賢明な判断だっただろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

パルピ・ペルポル(サポート)
名乗るときにはフルネーム。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用。
基本は隠密行動。
空中に雨紡ぎの風糸を張り巡らせて攻守両方に利用し、敵の行動を阻害したところに穢れを知らぬ薔薇の蕾を併用して行動を封じる、もしくはそのまま糸で切り裂くのが主な攻撃方法。
もしくは徳用折り紙で作成した折り鶴を筆頭に折り紙動物たちをけしかけてのかく乱兼攻撃を行う。
敵UCは古竜の骨のマン・ゴーシュで受け流す。

他の猟兵に迷惑をかける行為はしない。
好奇心旺盛ではあるが、行動は慎重。
お宝は勿論素材になりそうな物も出来る限り確保しエプロンのポケットに格納する。
もふもふは抵抗できないよう拘束してもふる。

アドリブはご自由に。



●恋愛の多様性と見境がないことは別の話だと思います
(「えっ、女の子でもいいの……?」)
 パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は思わず面食らってしまった。
 いや、このご時世、恋愛は異性とするべきだとか、そんな考えは最早ナンセンスだと言ってもいいだろう。異性愛も同性愛も、何ならその枠に当てはまらない愛の形も広く認められて然るべきだ。実際、猟兵たちはそう言った多様性に寛容な者が多い。と言うか当事者も多い。
 が、それはあくまで周囲に迷惑をかけなければ、の話である。その辺りはちゃんと弁えている猟兵仲間たちは兎も角、この困った兎ちゃんの場合は明らかに度を越している。
「幸せに!! します!!!!」
「そういう問題じゃなくってね!?」
 愛していると言いながら無遠慮に捕まえられそうになるパルピ。向こうはちいさきものへのハグのつもりなのだろうか。
 しかし、パルピからしてみれば迷惑なことこの上ない。そして余りにしつこいので、遂に堪忍袋の緒が切れた。
「しつ……っこいんだよこの、……ウサギさん!!」
 おおっと危ない取り乱しかけた。最後の最後で何とか軌道修正する。……できてる?
 できていると信じ、回避しながら密かに仕掛けていた雨紡ぎの風糸を、ばっと広げてガード。透明な網に困った兎はわぷっと思い切り激突した。
 そのまま白薔薇を絡ませて動きを封じる。特に腕を念入りに。そして。
「自分のことしか考えられない困ったちゃんは、お仕置きよ!」
「きゃー!!」
 まさに火事場の何とやら。例えるなら人間が巨人を放り投げるが如く。
 フェアリー舐めたらあかんぜよと言わんばかりに、人間と変わらぬ背格好の兎ちゃんを軽々持ち上げ、甲板から海へとそぉい!!
 どぼん、と大きな水音が聞こえたのを確認して、パルピは溜息ひとつ。
(「はぁ、元はカジノも入ってた船だって聞いたから来てみたけど、実入りは少なそ……あ、さっきのモーラットたち、まだいるかしら?」)
 どっと疲れたのだし、少しくらいご褒美があってもいいだろうと。
 パルピは埠頭に置いてきたモーラットたちを存分にモフるべく、船外へ飛んで行くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ローズ・ベルシュタイン(サポート)
『さぁ、楽しませて下さいますわよね。』
 人間のマジックナイト×電脳魔術士、女の子です。
 普段の口調は「高飛車なお嬢様(私、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、宿敵には「薔薇の棘(私、あなた、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は高飛車なお嬢様風の偉そうな感じです
花が好きで、特に薔薇が大好き
武器は、主にルーンソードや精霊銃で戦う。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●相手の圧に屈しないことでアドを取る
「その意気やよしですわ!」
 驚くべきことに、ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)は止めどない好き好き攻撃を拒絶しなかった。
「お姉様!!」
 ずぶ濡れ兎がきらっきらと目を輝かせてローズを見ている。
 だが、ローズは無条件でその愛を受け入れたわけではなかった。
「私の愛を勝ち取りたくば……私を楽しませてご覧なさい!」
「お、お姉様を……楽しませる?」
「そう、全力でかかっていらっしゃい」
「……!!」
 その言葉に、兎は決意したようにがばと顔を上げて。
「やります。お姉様のことが……好きだから!!」
 兎、ローズの元へと猛ダッシュ!
 しかし、そんな鬼気迫る勢いにもローズが気圧されることはなく。寧ろ優雅に、ダーツでも嗜むが如く白薔薇を兎の胸へと投擲する。
 (自称)愛の力でぴょんぴょんとそれを避け続ける兎。あわやローズの目前まで迫る――その時。
「最後まで油断大敵ですわよ」
 ぷすっと。
 兎の左胸に、可憐な白薔薇が咲いた。
「えっ、あっ」
 見る見る内に純白は鮮血を吸い上げ、見事な赤薔薇へとその装いを変える。
 反して、兎の顔は元より悪かった血色が更に悪化し、呻き声すら上げずにばたりと仰向けに倒れた。デジャヴ。
 再び伸びてしまった兎を見下ろすと、ローズはエレガントに微笑む。
「私の愛を勝ち取るには、役不足のようですわね」
 最早聞こえてもいないのだろうが――それだけははっきりと告げて、ローズはくるりと踵を返すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

バルタン・ノーヴェ(サポート)
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
ご用命あらば即参上! アドリブ連携歓迎デース!

普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
得意な技能:【一斉発射・焼却・武器受け・残像・カウンター・受け流し】

各種武装の中から敵に有効なものを選択して用いてくだサーイ!
刀も銃器も、内蔵兵器や換装式ウェポンも、何でもOKデス!

アタック重視でもディフェンス重視でも対応可能デース!
斬り込み、爆撃、弾幕を張ったり、パリィ盾したり、臨機応変に立ち回りマース!

どのユーベルコードを使用しても問題はありマセーン!
オブリビオンを倒して、ミッションクリアのために力をお貸ししマース!



●困ったら鍋、と言う至言もある
「はっ」
 兎さんお目覚めです。と言うかもうこれまでで既に三回くらい骸の海に強制送還されててもおかしくなさそうな絵面の数々。
「おはようございマース!」
「えっ、好きです」
 はやい。
 しかしそんな切り替え亜光速な兎さんにもドン引きすることなく、笑顔のバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。
「愛があるのはイイコトデス。愛情は料理を美味しくする、最高の隠し味と言いマース」
 あれ、何だろう噛み合わない。
 と言うか、そこはかとなく不穏。
「えっこれは私に毎日味噌汁を作って欲しいと言う遠回しな愛の告は」
「シカラバ、ゴメン! デース!!」
 パーン!!
 理不尽な万能鍋による殴打がときめき真っ最中の哀れな兎ちゃんを襲う!
 いや、自業自得だが。
 そして目を回した兎ちゃんは次の瞬間――目を回して気絶する、一羽の兎になっていた。比喩ではなく、本物の獣。
 しかも大きさは、先程までと全く変わらない。
「これで美味しくなりマース!」
 耳をむんずと掴み、早速調理開始!
 とんとんとんとん……ちーん。
「上手に煮えマシター!!」
 バルタン特製・兎鍋!
 暑さが増してくる時期だが、一日くらいは鍋の日があってもいいだろう。手軽だし、肉も野菜も取れるし。
「折角デスノデ、皆様にも振る舞いマショー」
 猟兵仲間やモーラットたちと、任務達成を祝して楽しく鍋を囲むべく、ウッキウキで皆を呼び戻しに行くバルタンなのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年07月01日


挿絵イラスト