#アルダワ魔法学園
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ステキなセイレイ。ステキなカンケイ。
私はアレらにアコがれた。私達はアレにコわれた。
どうしてかしら?どうしてなのかしら?
迷い込んだのは不思議な国、不思議な話、不思議なモノ。
さぁさ、皆で踊りましょう。狂ったように踊りましょう。
どうせ刹那の物語。サイゴまで輝かせてミせましょう。
「はい皆様、もとい、お暇な方はどうぞこちらへ。グリモア猟兵チャンネル、縮めてグリチャン、はじまりますよ」
楽しげに声を弾ませるグリモア猟兵、煌石・庭園水晶(庭園で佇む静寂・f10825)がパンと手を打って猟兵を見回し、少し間をおいて恥ずかしそうにコホンと咳をひとつする。
「改めまして……アルダワ魔法学園。事件を予知した世界の名前です。皆様ご存知でしょうか?」
庭園水晶はゆるりと微笑みを浮かべて、静かに説明を始める。
予知されたのはアルダワ魔法学院の地下迷宮。その迷宮のひとつの様子が少しおかしいとのことだ。
「私がミたのは、金の髪をしたオブリビオンが迷宮の外へと出ようとしていたところです。そのオブリビオンの邪魔をするように、小さな精霊達が地上へつながる部屋を閉ざして、御茶会を始めたようですね」
精霊達はとてものんきで気まぐれなご様子。精霊達がいる間はそのオブリビオンが出てくることはないだろうが、逆に猟兵がそのオブリビオンの場所へ向かうこともできないということになる。
「ですので皆様には、はじめに精霊達と楽しく愉快に遊んでいただきたいとおもいます。ですが、ひとつ注意を。精霊達はのんきで皆様に敵意を持っておりません。ゆえに、精霊達を傷つけるような行為は決して行わないでください」
もしもがあった場合、どのようなことが起こるか見当もつかないと、庭園水晶は静かに語る。
「皆様の目的は、フロアボスと呼ばれる今回予知された金髪のオブリビオンの討伐です」
目的が達成できるのであればどのような行動を猟兵達がとるかは、好きに選んでもいい。彼女はそう告げると、ゆっくりと笑って見せる。
「それでは猟兵の皆様。どうぞ、よろしくお願いします」
阿離磨
はじめましてこんにちは。何作目でしょうね?
阿離磨(ありま)と申します。
今回はアルダワ魔法学院でふんわりまったりできたらいいですね。
情報はオープニングで語った庭園水晶の説明の通りです。
はじめに精霊達と遊んでいただきます。
注意事項も庭園水晶の説明した通りとなります。
それでは、ご縁がありましたら、どうぞよろしくお願いします。
第1章 冒険
『暇を持て余す精霊達と遊ぼう』
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POW : 身体を使って挑戦。<楽器演奏>や<歌唱>など、場を和ませて楽しんでもらおうか。
SPD : 技術を使って挑戦。<料理>や<パフォーマンス>など、技術を使ってご機嫌を取ってみようか。
WIZ : 知恵を使って挑戦。<世界知識>や<優しさ>など、感性や知恵で満足させてみようか。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
原理が分からないままの青い空が天井に映し出されたあたたかな空間。
風も吹いてないのにそよそよと動く花や草の上を、小さな小さな存在がふわりふわりと飛んで、はねて、まわる。
その様はまるで御伽噺。
その小さな存在は時々閉ざしている扉をちらりと見て、くすくす、と笑う。
その小さな存在は時々地上につながる通路をちらりとみて、楽しそうに、笑っている。
フルール・トゥインクル
わぁ、精霊さんと遊ぶのですね
そういうの大好きなのです、オランジェ達も一緒に踊りましょうです
茉莉花の夢を使って辺りにジャスミンの花をばらまきながら私の契約している精霊さん達も一緒になってくるくる踊るのです
花を楽しんでくれるだけでもいいのです、一緒に踊ってくれたらもっと嬉しいのです
あなたたちはどんな精霊さんなのですか?なんて聞いてみたりしながら、花びらの中でダンスをするのですよ
優しくて楽しそうな精霊さん、あなたたちに会えてとても嬉しいのです
・軽やかに花は踊る
やってきたのは精霊達と同じ小さな客人だった。
「わぁ、精霊さんと遊ぶのですね」
表情を明るくほころばせたフルール・トゥインクル(導きの翠・f06876)が、きょろきょろと周りを見回す。
かわいらしい客人の来訪に、精霊達が小さな羽を動かして近づいてくる。
「何をしましょう……そうです、オランジェ達も一緒に踊りましょうです」
フルールが手にした武器を掲げると、ソレはふわりと香るジャスミンの花びらへと姿を変え、部屋中を柔らかな花びらでいっぱいにする。
『心地よい香りに包まれて、どうぞおやすみなさい、なのですっ』
その光景に精霊達は、歓喜の声を上げる。花びらを追いかけたり、くるくると回るジャスミンの花びらと一緒に回ってみたり。
「花を楽しんでくれるだけでもいいのです、一緒に踊ってくれたらもっと嬉しいのです」
その言葉に精霊達はふわふわとフルールの側まで寄ってくると、手をつないで妖精の円を作り出す。
フェアリーサークルを作りながら花びらに合わせて舞い踊るその様は、まさに幻想。
軽やかな足取りで踊り、はねて、まわる。
『さぁさぁ、クルっと踊りましょう!』
『どうせ踊るなら、楽しまなければ損々!』
楽しさを隠せない精霊達の歌うような声に、フルールも笑顔を浮かべて、甘い香りの漂う部屋の中で精霊達と楽しく踊りを踊っていた。
「優しくて楽しそうな精霊さん、あなたたちに会えてとても嬉しいのです」
その言葉に、精霊達は笑顔で返した。
私たちもうれしい、と言葉ではなく、笑顔で。
――どうせこれも刹那の物語。終われば忘れられる物語。
――だから覚えておいてね、私達のことを。
大成功
🔵🔵🔵
鈴乃音・司
精霊さんたちを楽しませればいいのかにゃ?
つーにゃん、精一杯パフォーマンスして楽しいお茶会にするにゃん♪
今から精霊さんたちに挨拶してくるにゃ♪
「精霊さんたち、初めましてにゃん♪ 一緒にお茶会参加していいにゃ?
つーにゃんは歌を唄えるし、オカリナで演奏も出来るにゃん♪」
少し話をして精霊さんたちの反応を見るにゃ。
――にゃー、なんとなくオカリナを使って演奏した方が良さそうかにゃ?
このオカリナは空の色をしているにゃん。ここの天井みたいにゃん。
オカリナで落ち着いた曲調の曲を吹くにゃ。高音を綺麗に響かせるにゃん♪
・猫が吹いた空色のオカリナ
「精霊さんたちを楽しませればいいのかにゃ?」
機嫌よく踊っていた精霊達のサークルに舞い降りたのは、白い髪を綿毛のようにふわふわと揺らした鈴乃音・司(バーチャル猫耳アイドル・f14615)だった。
次はどんなお客さんかな、と精霊達は目を輝かせて司の周りをくるくると飛び回る。
「精霊さんたち、初めましてにゃん♪ 一緒にお茶会参加していいにゃ? つーにゃんは歌を唄えるし、オカリナで演奏も出来るにゃん♪」
司の言葉を聞いた精霊達はキャッキャと楽しげに宙を跳ね回り、小さなお菓子が置いてあるテーブルの前に彼女を案内する。
切り株の上にのった、何かの焼き菓子や蜜のような金色の液体。それらは司が手にするには小さすぎたが、精霊達は焼き菓子のひとつを運んで、司の手のひらにポンと置く。
御礼を言って焼き菓子を口にしながら、好奇心で目を輝かせる精霊達と簡単な話をしていたが、精霊の視線がオカリナへとむけられていることに気づくと、司はにこりと柔らかな笑顔を見せる。
「オカリナの演奏、聞きたいのかにゃー?」
空色のオカリナを手にした司が、吹き口に唇をあて息を吐くと、澄んだ音色が室内に響き渡る。にぎやかにはしゃいでいた精霊達は、その音色が聞こえると静かに司の周りに集まり、小さなモノたちの演奏会を楽しんだ。
しばらくすると堪らなくなったのか、小さな楽器を取り出して一緒に演奏を始める精霊もちらほらと見えるようになった。
そんな精霊達をほほえましく見つめながら、司と精霊達の静かでかわいらしい音楽会が続いていた。
――これはつづられない物語。これはつづられていた物語。
――この一瞬のきらめき、永遠には残らない輝いた時間。
大成功
🔵🔵🔵
真宮・響
【真宮家】で参加。
おやおや、可愛らしいちっこいのが所かしこに。退屈かい?アタシたちが遊んでやろうかね。一緒に演奏会だ。
飛び交う精霊達に微笑みながら、アルトのハスキーボイスで以前精霊達と歌って作った歌を口ずさもうか。歌と共に瞬の楽器の音色と奏のダンスが合さって。精霊達も一緒になれば、素晴らしい演奏になるだろう。ああ、幸せな時間だね。
真宮・奏
【真宮家】で参加。
うわあ、素敵な花畑・・・精霊さんが一杯飛んでます!!もう我慢出来ません!!私も仲間に加えてくださ~い!!(駆けだして行く)
精霊さん、一緒にダンスしませんか?以前風の精霊さんとダンスして編み出したとっておきのダンスがあるんですよ!!響母さんと歌と瞬兄さんの楽器演奏でバックは完璧です!!精霊さんと楽しくダンスできて幸せです!!(風の精霊のようなかろやかでしなやかな踊り)
神城・瞬
【真宮家】で参加。
おや、精霊さん、退屈ですか?僕達家族と演奏会しましょう。手に乗せた手作りのクッキーを差し出してご挨拶。
僕は楽器演奏で響母さんと奏のダンスのサポートを。精霊さんも一緒に演奏いかがですか?ええ、精霊さんとの演奏の経験もありますので、どんな演奏も併せられますよ。精霊術士の僕にとって精霊とのふれあいはなによりいい経験になります。存分に満喫しますよ。
・奏でて響く瞬きの真宮家
上機嫌で演奏会の名残のまま、花畑の上を飛び回っていた精霊達が地上へつながる通路へと目を向ける。
「おやおや、可愛らしいちっこいのが所かしこに」
紫水晶の目で精霊達を見回す真宮・響(赫灼の炎・f00434)に続いて、その後ろから同じ髪色と宝石のような瞳を持つ真宮・奏(絢爛の星・f03210)が顔をのぞかせる。
「うわあ、素敵な花畑……精霊さんが一杯飛んでます!!」
年相応の愛らしい笑顔を浮かべてふわりと笑う奏を通り過ぎて、神城・瞬(清光の月・f06558)は手に置いたクッキーを精霊たちに見せる。
「おや、精霊さん、退屈ですか? では、僕達家族と演奏会しましょう」
演奏会。その言葉を聞いた精霊達は、パァァ、と表情を明るくしてきゃいきゃいと三人の周りを飛び回って喜ぶ。
いったい何をするの?
3人の顔をよく見て、精霊達がそろって首をかしげる。
「アタシは歌を歌うよ。 以前、精霊達と作った曲があるんだ」
「私はダンスです! 風の精霊さんと編み出した、とっておきがあります!」
「僕は楽器の演奏を。 精霊さんとの楽器合わせもしたことがあります」
それならば、と精霊達が草場に紛れている古い箱をよいせと持ち出し、瞬の目の前に用意する。ふたを開ければ、そこには美しく銀色に輝くフルートがしまわれていた。
どこで手に入れたかはあえて聞かず、瞬はフルートの様子を確認して、軽く調律を行う。
問題はない、と判断すると精霊達に静かな笑みを向ける。
楽器を演奏する精霊は瞬の側へ。
歌を歌う精霊は響の傍らに。
ダンスを踊るたくさんの精霊はこぞって奏の周りへ、集まっていく。
はじめにフルートの音色が静かに響き渡る。それに続いて七色の音が室内を、花畑を、空のような天井を揺らす。音の調子がつかめてきた響が柔らかな唇を開いて喉から音を生み出せば、その声に合わせて精霊達が小さな美しい声を響かせる。楽器と歌、2つの音が合わさり始めると、奏の足は自然と動き始めていた。
くるり、くるり。花畑の中で精霊達と踊るその様は、まるで御伽噺のお姫様のようで。
青い布がドレスのように翻り、精霊達がそれに追従するように飛び回る。
幻想的なその演奏会は、迷宮の一室で美しく輝くような時間を作り上げた。
『あぁ、楽しい時間。楽しい、楽しい!』
『クルクルタッタ、クルッタクルッタ!』
『狂ったように楽しみましょう!!』
楽しい楽しい演奏会を満喫した精霊達に、猟兵は尋ねる。
――この先へ進む扉を開けてはくれないか。
その問いかけに、精霊達は思案するようにそれぞれの顔を見合わせる。
しばらくの後、精霊達が腕をあげて頭の上で丸をつくる。
『いいよ。 アナタ達なら、先へ進んでもきっと大丈夫だから』
『教えてあげて、あの執着している子に』
『教えてあげて、すでに終着している子に』
封じられていた扉は、幻想のようにすぅっと消える。
その先には薄暗い通路が先へとつながっていた。
――私達の物語はここで終わり。
――さぁさぁ、次へと進みましょう。
――次は舞台が待っているのだから。
成功
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第2章 集団戦
『書物の魔物』
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POW : 魔書の記述
予め【状況に適したページを開き魔力を蓄える】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : ページカッター
レベル分の1秒で【刃に変えた自分のページ】を発射できる。
WIZ : ビブリオマジック
レベル×5本の【毒】属性の【インク魔法弾】を放つ。
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
・ショにキザむモノガタリ
通路の先は巨大な巨大な書物庫だった。
どこを見ても本棚と積み上げられた書の塔。上にのぼるためのハシゴもちらほらと。
一見すれば何もない。
しかし、猟兵たちの感覚はしっかりとソコにいるモノを認識していた。
ソレはまるで本棚から舞い出るようにいくつもいくつも飛び出してきた。
本の形状をしたソレらは、表紙を開くと風もないのにページをぱらぱらとめくらせる。
そこからせり上がり形作ったのは、頁の魔物。書の怪物。
『ここから先は通さない』
『ショの先へは進ませない』
『書の向こうへは』
イカサナイ。
オブリビオン、書物の魔物が本棚から集団となって猟兵たちに襲い掛かる。
武器を取り、書を蹴散らし、先へと進むために戦うしかない。
鈴乃音・司
【ライオンライド】でライオンくんを召喚して、素早く騎乗するにゃ!
ライオンくんに本さんたちを蹴散らして、ダッシュで進むようにお願いするにゃん!
攻撃は避けるようにするにゃ。
ただ、互いの戦闘力を強化しているから本さん自体がつーにゃんに向かってきたら、つーにゃんがはたいてなんとかなるかもしれないにゃん。
だけど、基本的に戦いはライオンくんに任せるにゃ!
つーにゃんはライオンくんがどんな動きをしても、しっかりとしがみついて落ちないようにするにゃ!
でも、時々ライオンくんの死角になる後ろを確認して、本さんたちの動きを見るにゃん。
何か危険を感じたらライオンくんにすぐ伝えて、振り落とされないようにしがみつくにゃん!
・頁に合わせて踊る獅子と猫
「さぁ、つーにゃんの見せ所にゃん!!ライオンくん、いくにゃん!!」
召喚した黄金のライオンに軽やかに飛び乗った鈴乃音・司(バーチャル猫耳アイドル・f14615)が、鬣(たてがみ)を優しくなでると獅子は咆哮を上げて、石畳を蹴りながら書物の魔物達の間を縫うように駆け回る。
司の白く柔らかな髪が、風に流れて尾のように靡く。
魔物は地震の体をとなる本をパラパラと素早くめくると、その中から幾枚ものページが飛び出し、鋭い刃となって黄金の獅子と司に向かっていく。
(慌てる必要なんて、ないにゃんッ!!)
司はまたがるライオンの背を人撫でする。
それは信頼。戦いを共に駆け抜ける黄金の獅子に任せるという、合図。
司の信頼にこたえるように、金のライオンは鬣を振るわせて、正面から向かってくる頁の刃を、鋭い跳躍をもって飛び越える。宙でぐるりと一回転し、その勢いのまま爪を振り上げて書物の魔物を引き裂く。
無残に引き裂かれた書物は、敗れた個所から青い炎をともらせて、ボボッ、と焔の中に消えていく。
「ライオンくん!!このまま、押し切るにゃん!!」
死角となる背後をしっかりと確認して、書物の魔物たちの動きを把握しながら、司は黄金の獅子にそう伝える。
そして、白猫と金獅子の踊りが、本棚を舞台に鮮やかに繰り広げられた。
大成功
🔵🔵🔵
フルール・トゥインクル
精霊さんと遊べてとても楽しかったのです
この調子で……わぁお、本なのに私よりもすごく大きく見えるのですよ
先に進むためにもしっかりと倒していかないと、ですね
ライオンライドでお友達のライオンさんを呼んで、背中に乗せてもらうのです
確か本とかの紙は光に当たり続けたりすると日焼けしちゃうのですよね……リュミエール、ちょっと力を貸してくださいなのです
精霊銃に光属性の魔力を込めてもらって、それでページを狙って打つのです
移動はライオンさんに任せて、攻撃にあたらないように駆け回ってもらうのですよ
それでも当たりそうな攻撃は私が精霊銃で狙って打ち落とすのです
にしても本を日焼けさせちゃうのはちょっと悪い気もしますですね
・導きの白翡翠は光の上で踊る
「精霊さんと遊べてとても楽しかったのですが……わぁお」
先を進んだ猟兵の戦闘の名残という名の、書物の魔物の残骸と怒気を感じ取りながらフルール・トゥインクル(導きの翠・f06876)は大きなエメラルドのような瞳をぱちぱちと瞬かせた。
「ここより先に進むためにも、しっかりと倒しておかないと、ですね」
フルールがその場でくるんと宙返りとすると、間にできた円(サークル)から黄金の獅子が飛び出してくる。
フルールの身長の二倍程度なので、人間がいればその目には大きめの猫や犬、にも見えたかもしれない。
しかし、今この場にいるのはオブリビオンたる書物の魔物と、同じ猟兵たちだけである。呼び出された黄金の獅子がどれだけ頼もしく、そして脅威になるかは、言わずもがな。
駆けだした黄金の獅子の背で『光の精霊リュミエール』から力を借りて、精霊銃に光の魔力を込めてもらい、狙いを定めてその引き金を、フルールは引いた。
「確か本とかの紙は光に当たり続けたりすると日焼けしちゃうのですよね」
にこり。笑顔とともに放たれた言葉と魔力が、書物の魔物を光の魔力で焼いていく。強い光が白くも古い頁を焦がし、色あせさせ、刃のように放たれた頁はそこからハラハラと崩壊を始める。
「本を日焼けさせちゃうのはちょっと悪い気もしますですね」
けれど、と黄金の獅子の軽やかな動きに合わせて、フルールは翼を動かしながら振り落とされないように体制を維持しながら、書物の魔物達を跳んだ宙の上から見下ろす。
「私達、負けるわけにはいかないですよ」
小さきモノと侮るなかれ、それは妖精の輪舞。それは黄金の獣を従えるモノ也や。
大成功
🔵🔵🔵
真宮・響
【真宮家】で参加。
精霊達の頼みだ。この本達が何かを護ろうとしてるのは理解出来るが、こちらも先に進む理由があるからね。押し通らせて貰うよ!!
本とはいえ、無数とページによる攻撃とインクによる攻撃は厄介だねえ。【目立たない】【忍び足】で敵の視線から逃れつつ、【ダッシュ】で敵に接近。【残像】も使いながら、敵が射撃した隙を狙って、【先制攻撃】【二回攻撃】で竜牙を使うよ。状況に適したページを開く攻撃も、アタシたち家族の連携に対応しきれるかい?試してみようか。
真宮・奏
【真宮家】で参加。
アルダワの迷宮では、書物庫の本も動くのですね・・・本の皆さん、すみませんが、私達も精霊さんと大事なお約束をしたのです。道を開けて貰います!!
まずトリニティエンハンスで防御力を高めてから【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】、攻撃が範囲に及ぶようですから、【拠点防御】も併用して、家族を【かばう】。インクの毒の魔法弾も【毒耐性】で耐えます。攻撃する余裕があれば、炎属性の【属性攻撃】【二回攻撃】【衝撃波】で攻撃を。
神城・瞬
【真宮家】で参加。
執着してる子がいる、と精霊がいってましたが、なるほど、この書物庫の向こう側を見せない事に執着してる本の群れですか。貴方達を解放するのも精霊達の願いです。行きますよ。
僕は遠距離で援護を。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の矢を【二回攻撃】で撃ち、【範囲攻撃】でインク魔法弾を相殺していきます。余裕があれば飛んでくるページの刃に【マヒ攻撃】も撃ち込んでおきたいですね。氷晶の矢は奏の攻撃に【援護射撃】する形で撃ち、響母さんと奏が接近して攻撃が当たるまで【時間稼ぎ】をします。
・響く戦いを物語が奏でたその先の一瞬
足を踏み入れた瞬間、襲ってきたのは飛翔する白い頁の刃だった。
真宮・響(赫灼の炎・f00434)は軽い足取りで横に跳び、刃を避けると長槍を構えて不敵に笑う。
「問答無用ってワケかい、わかりやすくていいねぇ」
穴抜けになった本棚を見回せば、どれだけ多くの書物の魔物が倒されたかがうかがえる。
舞い踊る焔、靡く風、熱を鎮める水。3つの魔力を身に纏い自身の守りを固くした真宮・奏(絢爛の星・f03210)が紫水晶の瞳でオブリビオンを見据える。
「本の皆さん、すみませんが、私達も精霊さんと大事なお約束をしたのです。道を開けて貰います!!」
その言葉に反応したかはわからない。魔物達は自身のページを一斉にめくりだす。それは戦闘力を高めるため、この状況に適した頁から知識を得るための行動だ。すぐにその意味を察知した神城・瞬(清光の月・f06558)は複雑に組んだ指先を書物の魔物の群れへと向ける。彼の周りに冷たい冷気が渦を巻き、やがてそれはいくつもの小さな氷の粒を生み出すと鋭い氷晶へと成長する。
「撃(ショット)」
その言葉を引き金にするように、氷晶の矢が放たれ書物の魔物達の身体を、頁を射抜く。めくっていたページは見事、無残に貫かれ、知識の記述という意味をなさなくなっている。
オブリビオンにも怒りの感情はあるらしく、魔物達は書物から咆哮をあげると、己に記述している文字からインクをしゅるりと浮かび上がらせ、インクの魔力弾を作り上げる。
それらは標的を狙うように、響へと向けられ斉射される。
「させません!!」
奏が手のひらをインクの弾へと向ければ、その手から焔が燃え出で、広範囲の衝撃波(ウェーブ)となってインクを散らす。一度に消しきれなかったインク弾も、間髪入れずに放たれた赤い衝撃波に押され、すぐに霧散した。
「アタシも負けてはいられないね」
響は気持ちのいい笑顔を家族へ見せると、すぐに敵へと視線を向け、床を蹴り、敵をすり抜け、本棚に足をかけて高く跳躍する。
『この一撃は竜の牙の如く!!喰らいな!!』
刃が煌めき、一陣の銀線を描く。刹那の後にさらにもう一線。銀の線が消えると、数体の書物の魔物が両断され、青い炎をともして消え去った。
「何かを護ろうとしているのは理解出来るが、こちらも先に進む理由があるからね。押し通らせて貰うよ!!」
響の宣言に奏と瞬は目で応える。
迷宮の書庫で戦い踊るその様は、冒険譚の様。
それを記述するモノは、残りはしなかった。
猟兵達はすっかり静かになった書庫を見回す。先へ進むため道はないだろうかと。
一見して、それらしい扉も通路も見当たらない。
しかし、猟兵たちの視線がある一点に集中したとき、何もなかったその視線の先の壁に複雑なレリーフが刻まれた扉が魔法のように現れた。
先へ進めそうな扉はそのひとつだけ。
ひとりの猟兵が扉を開けば、その向こうには長く、しかし不思議な灯が漂う静かな通路が続いていた。
武器をひと撫でして、猟兵はそっとその通路へと歩を進めた。
そして、その通路の先にあったモノは。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『セイレイに愛された少女の亡霊』
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POW : 『黒き焔』と遊ぶセイレイ
【揺らめく複数の黒炎玉 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 『旧き幻想の知恵』のドレス
対象のユーベルコードを防御すると、それを【古代精霊言語に変換し身に纏い 】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ : 『私も精霊に愛されたかった』
自身に【数体の黒い生霊(セイレイ) 】をまとい、高速移動と【威力の高い魔術の衝撃波(ウェーブ)】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「アサノ・ゲッフェンルーク」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
そして、その通路の先にあったモノは。
金糸の髪を揺らした、少女だった。
朧げな瞳の先で、妖精に似た、しかしまるで性質が違う黒いセイレイ達が軽やかに踊る。
『私のセイは、すでに終わっている』
『それでも私は執着している、あの美しい精霊達に』
『私は、ただ、いっしょに並びたかっただけ』
『なのに』
――どうして“あなた達”は私を閉じ込めたの?
金糸の少女の宝石のような瞳から、一条の涙がこぼれ伝い落ちる。
ダレへの言葉だったのだろうか。
猟兵たちは少しだけ考えたかもしれない。
しかし、目の前にいる少女こそ、この迷宮で精霊達が外に出さぬようにしていた最奥の敵。
目的は果たさなくてはならない。
涙をこぼした少女と、彼女の周りに集まるセイレイ達に、猟兵達は意思をむけた。
真宮・響
【真宮家】で参加。
お嬢さん、アンタは精霊が大好きだったんだね。アタシも精霊術士の親だ。でもお嬢さんはもうこの世界にいてはいけないんだ。せめて、その偽りの生を終わらせてやる事がアタシたちにしてやれる事だ。
精霊に縁がなかったとはいえ、その術の威力と精度は大したものだ。真紅の竜を呼び出し、【騎乗】【残像】を使いながら、敵の頭上から【先制攻撃】で【槍投げ】で【二回攻撃】。黒い生霊を纏うなら、【串刺し】で地面に縫い留めて無理やり動きを止めてやるよ。接近してくるなら、【フェイント】を入れた上で【カウンター】を入れてやるか。
真宮・奏
【真宮家】で参加。
貴女の悔恨のお気持ちや無念、察するに余りあります。でも、もう貴女は過去の存在なんです。貴女を眠らせて上げることが精霊さんたちの真のお願いだったかもしれませんね。約束は果たします。
精霊に縁がなかっただけで名のある術士であった事は確かなので、トリニティエンハンスで防御力を高め、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】、黒炎玉と黒い生霊でのパワーアップに備えて、【拠点防御】【激痛耐性】【火炎耐性】も駆使して、すべての攻撃から仲間を【かばう】つもりでいきます。動きを止める必要があるなら、【二回攻撃】【属性攻撃】【二回攻撃】【衝撃波】をぶつけますね。
神城・瞬
【真宮家】で参加。
僕も精霊術士ですから、精霊が友にならなかったらどうなってたか、と考えることがあります。歯車が少しでも狂っていたら、同志になっていたかもしれません。もう過去の存在である貴女を眠らせて差し上げてあげる事が僕達の務めです。
偉大なる先達に敬意を込めて。初めから全力で行きます。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の槍を【二回攻撃】で撃ちます。【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】で手足を貫く感じで。どうか貴女が生まれ変わったら、精霊と共にあれますように、と密に【祈り】も込めます。
フルール・トゥインクル
倒さなければならない、のでしょうけど
一体全体なにがあったのです?
精霊さんは私の友達ですし、あの方と一緒にいるのはなんだか異なる存在に見えるのですけど……
今回はサポートに徹するのです
渦巻く記憶の波を使って相手の足止めを狙うのです
高速移動も行えるようですし、少しでも足止めになれば他の猟兵さんも仕掛けやすくなるはずなのですよ
私自身は樹属性を込めた精霊銃で相手の足元か、纏っているセイレイを狙って撃つのですよ
あのセイレイって樹で絡めとって落とせたりできませんですかね?
鈴乃音・司
執着は拗らせれば拗らせるほど辛くなるだけにゃん。
敵さん、とても辛そうにゃん。
だけど、可哀想だけど、このまま放っておく訳にはいかないにゃ。
つーにゃんは【グッドナイス・ブレイヴァー】を使うにゃ!
この撮影ドローンが何処に映像を送るのか、精霊さんたちと敵さんに何かあったのかわからないけど、精一杯戦うにゃん!
まずは空色オカリナの力を借りて、この場にいるかもしれない鼠さんに協力をお願いするにゃ。
良かったら敵の注意を逸らして欲しいってお願いするにゃ。
敵からの攻撃はダッシュとスライディング、必要ならジャンプで避けるにゃん。
それで、衣装の迷彩効果も利用しつつ敵に近づいて捨て身の一撃の体当たりをするにゃ!
・処の共壊
「倒さなければならない、のでしょうけど……一体全体なにがあったのです?」
金糸の少女と同じ色の瞳でフルール・トゥインクル(導きの翠・f06876)は彼女の周りを飛び交うセイレイを見る。
「精霊さんは私の友達ですし、あの方と一緒にいるのはなんだか異なる存在に見えるのですけど……」
「……執着は拗らせれば拗らせるほど辛くなるだけにゃん」
優しい緑色の目をした鈴乃音・司(バーチャル猫耳アイドル・f14615)が、黒衣を纏う少女を見つめる。ケガをしているわけではない、けれども、目の前でシュウチャクしてる少女が、どこか痛々しく。
「だけど、可哀想だけど、このまま放っておく訳にはいかないにゃ」
司は両手を広げると足元にサークルを描き、そこから動画撮影のドローンを召喚する。
「お嬢さん、アンタは精霊が大好きだったんだね。アタシも精霊術士の親だ。でもお嬢さんはもうこの世界にいてはいけないんだ」
真宮・響(赫灼の炎・f00434)は静かに『事実』を告げる。既に今を生きるものではなくなった少女は、オブリビオン。倒さなくてはならない世界の敵だ。
『さて、一緒に行くよ!!気張りな!!』
響きは凛とした声で言葉を紡ぐ。その背から赤い焔と共に声に応じたのは身の丈3メートルはあろうかと思うしっかりとした体躯の真紅の竜。危なげなくその背に騎乗すると州をひと撫でし、宙へと舞い上がる
「ドローンさん、一緒に行って!つーにゃん達の活躍を映してほしいにゃん!」
司がお願いすれば、撮影用ドローンは響きの近くへと飛んでいき、戦闘の邪魔にならない場所から下の様子を撮影し始める。
『精霊……いいなぁ、いいなぁ』
『私も精霊に愛されたかった』
金糸の少女がふわりと、その場で踊るように回ると、黒いセイレイ達が彼女の周りに集まりその力を増幅させる。金色の杖でカツンと床を打ち鳴らした瞬間、音は波となり衝撃波となり、その波は神城・瞬(清光の月・f06558)へと流れ向かう。
瞬は片手の指で印を組むと冷気を呼び出し、杖の先端を敵へと向ける。作り出された美しい氷晶の槍が衝撃波へと向かい、まるで布を割くように見えない波を切り裂き霧散させる。
「僕も精霊術士ですから、精霊が友にならなかったらどうなってたか、と考えることがあります。歯車が少しでも狂っていたら、同志になっていたかもしれません」
けれども、と瞬は続ける。
「もう過去の存在である貴女を眠らせて差し上げてあげる事が僕達の務めです」
「……サポートはまかせてください!!」
後ろで敵と仲間の行動の様子を確認していたフルールが、ふわりと前に出る。手にしたエレメンタルロッドをくるんとまわし、告げる。
『契約により力を貸してほしいのです。アングルナージュ、時を操る力の一端を私に!』
ロッドの先端で小さな紺碧と星のような煌めきが奔流をつくる。時の精霊が作り上げたソレがオブリビオンへと向け、放たれる。
衝撃波を割かれ、無防備になっていた金糸の少女はその小さな時の奔流をその身で受けると、緑の目を見開き、唇を震わせて、手にした杖を強く握りしめる。
『あぁ、あぁ……どうして、どうして!?なにがダメなの、なぜ私ではだめなの!?あのヒトたちはあんなに精霊に愛されたのに!!私は愛されなかった、触れることさえかなわなかった!!私はただ、一緒に、いっしょに……!!』
柔らかな髪を振り乱し、宝石のような瞳から大粒の涙をこぼして、精霊に夢を見て泣いた。
オブリビオンたる彼女が、時の精霊の力でいったいどのような過去の記憶を見たのかはわからないであろう。しかしそれは、決して楽しい記憶ではないことがうかがえた。
少女の悲鳴のような泣き声に、黒いセイレイ達が慌てたように近寄ろうとするが、フルールの精霊銃が彼らを狙い、撃つ。撃たれたセイレイは黒い霧のようになって消えていくが、それでもかまわず、消える瞬間まで黒いセイレイ達は少女に手を伸ばす。
「精霊ではなく、“セイレイ”に愛された少女、か」
響がぽつりとつぶやくと、気分を害したのだろうか、黒い精霊達はくるくるとその場で円を描くように回り、その中心から黒炎玉を呼び出し響へと放つ。手数を重視したのだろう、いくつもの炎の玉が真紅の竜へと放たれる。
「させません!」
風の魔力を纏い、ふわりとその風の流れにのり踊るように舞い上がった真宮・奏(絢爛の星・f03210)が、響と黒炎玉の間に体を滑り込ませる。
炎、水、風の魔力を用いて自身の防御を堅牢にした奏がオーラを操り己の周りに鮮やかで美しい防御壁を構築する。さらに、炎に対しての耐性を持っていた彼女に、セイレイの焔はその役目をなさない。防御壁に阻まれ、火の粉となって消えた炎の玉を、悔しそうに見るセイレイと、嘆く少女に、奏は言葉をおくる。
「貴女の悔恨のお気持ちや無念、察するに余りあります」
でも、と彼女は続ける。
「もう貴女は過去の存在なんです。貴女を眠らせて上げることが精霊さんたちの真のお願いだったかもしれませんね」
セイレイと少女の意識が奏と、その後ろで飛ぶ響へと向けられる。涙で濡れた少女の瞳はうつろであり、ただただ哀しい、と、それ以外の感情を見ることができない。
司は空色のオカリナを唇に寄せ音を響かせる。その音に呼応するように迷宮に住み着いていた小さなネズミたちがひょこりひょこりと現れる。
オカリナの音によってお願いをされたネズミたちは、金糸の少女ドレスの中に入り込み、注意をそらすように暴れまわる。
驚いたように、慌てたように、少女がドレスを翻し、中からネズミを追い出そうとした。それが隙だった。
「約束は、果たしましょう」
「せめて、偽りの生を終わらせてやる事がアタシたちにしてやれる事だ」
奏と響が短く言葉を交わす。
真紅の竜が宙で旋回する。円の力を使い、手にした槍に威力をのせていく。
そして。
「終わろう」
響が鋭さと威力が強まった槍を構え、少女めがけてその刃を投げる。
セイレイたちが少女を庇うよりも、速い。ユーベルコードであれば、少女の力でそれを受け止めることもできたかもしれない。しかしソレは、ただの単純で重たい、しかし間違いなく達人の一撃。
槍が少女の胸を貫くと、あ、と小さな声が漏れる。
『私は、ただ……あの美しい、すがたに、あこがれ、壊れた。そして、セイレイに、恋われた。そして、私という存在の否定が、請われた』
『私は、ずっと、ずっと、コワレルだけ、なのね』
光のなかった緑の瞳に、小さな光がやどる。それに気づいたモノがいたかは定かではない。けれども、けれども。
槍が穿たれた胸から粒子のような光が立ち昇り、オブリビオンは消えていく。
そのさいごに、少女が浮かべたのは。
笑顔、だった。
こうして、精霊とセイレイに愛された少女の物語は、しおりを挟まれ、おわった。
それは、書の境界。
そして、初の響界。
物語『ショのキョウカイ』は、静かに終わり、そして、誰かの記憶に少しだけ残って、終わりを記された。
大成功
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