襲い来る狂濤凶龍
●言の葉を深き海に託して
蓋のついた丸い硝子の珠の中に手紙を入れて、そっと島の端から気泡の外に押し出す。瓶は周囲の海流に乗ってどこかへと消えていった。
深海に沈んだこの島、ソフォル島には一つ言い伝えがある。海に旅立った人に、手紙の届かぬ人に、彼岸にいる人にどうか届いてほしいと、硝子玉に詰めた手紙を流す。そうすれば海が届けてくれるというのだ。小さな貝やアクセサリーなら一緒に入れられる。
この島に宝探しに来ていた深海人、アルシェは今日も硝子玉を流す。彼の友人に、家族に届くように。それから仲間の元へと戻っていく。
「おう、今日も言の葉流したか。アルシェ」
「ああ、おやっさん。船の上のにーちゃんに当てて! あとは彼岸のとーちゃんに」
「届くといいなぁ」
「おう、ディットにーちゃん。明日は手紙にいいことかけるように頑張るよ」
宝探しの仲間と軽口を叩き合い、アルシェも皆と同じようにスコップを手に取り地面を掘り進めた。
ザクザクと皆で声かけ助け合い、島の地面を掘り返す。そのうちに、カツンと硬いものにアルシェのスコップが当たった。
「おやっさん、何かある!」
「何だ! 掘り返してみろ!」
皆が手を止め見守る中、アルシェが目を輝かせて掘り起こしてみれば、丈夫な木の箱が出てきた。逸る気持ちのまま蓋を開けると、そこには綺麗な装飾の施された羅針盤が入っている。
「やった! お宝だ!」
喜ぶ宝探しの一同の背後、深い海の中から深海の王が迫っていた。
●猟書家の侵略
「グリードオーシャンで、猟書家が現れますー……」
グリモアベースでそう、寧宮・澪が猟兵達へ語りかける。
ソフォル島という名の深海島で、宝探しをしていた深海人がカルロス・グリードが隠したメガリスを見つけてしまうのだ。そしの直後、猟書家幹部「狂濤凶龍アトラティヌス・モササウルス」が彼を襲撃し、メガリスを奪い去っていく。
深海人は大怪我を負ってしまうし、奪われたメガリスはグリモアベース襲撃に使われる可能性がある。それは防がなくてはならない。それに協力してほしい、というのが澪の話だ。
「放っておいてもお宝……メガリスは、見つかりますし、襲ってきたアトラティヌス・モササウルスを撃退するだけでも十分です。が、深海人の宝探しチームと協力すると、いい感じになりそうですー……」
沈んだ島の伝説、言の葉流し。蓋のついた手のひらに乗るほどの硝子玉に手紙を入れて深海の流れに乗せると、海に旅立った人や届かぬ人へと運ばれていくという。これを行って体験を共有してもいいだろう。宝探しチームと交流するのもいい。
そうすれば、アトラティヌス・モササウルスとの戦いでも彼らは同じ体験をした猟兵を、交流した猟兵を助けようと力を貸してくれるから。
「よければ、彼らとも力を合わせてみてください、な……」
よろしくお願いします、と澪は頭を下げて、深海の島へと道を繋ぐのだった。
霧野
言の葉流して思いを乗せて。霧野です、よろしくお願いします。
●シナリオについて
幹部シナリオです。二章で完結です。
言の葉流しや交流などで深海人と絆を深めたあと、襲ってくる「狂濤凶龍アトラティヌス・モササウルス」を撃退してください。
以下のプレイングボーナスがあります。
=====================
プレイングボーナス(全章共通)……深海人と協力する。
=====================
●複数人で参加される方へ
どなたかとご一緒に参加される場合や、グループ参加を希望の場合は【グループ名】もしくは【お相手の呼び方(ID)】を最初にご記入いただけると、助かります。
●アドリブ・絡みの有無について
以下の記号を文頭に入れていただければ、他の猟兵と絡んだり、アドリブ多めに入れたりさせていただきます。なければできるだけ忠実に作成します。
良ければ文字数節約に使ってください。
◎:アドリブ歓迎。
○:他のグループや猟兵とも絡み歓迎。
〆:負傷OK。 (血や傷の表現が出ます)
第1章 日常
『言ノ葉流し』
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POW : 思うままに書きなぐる
SPD : 言葉を書きつける物や素材を選ぶ
WIZ : 手紙を流す場所を探す
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●言の葉寄せて、波間に託し
硝子玉に手紙を入れて、そっと島の外へと押し出す。深海の流れは託された硝子玉を抱え込んで、暗く穏やかな夜のような海の彼方へと運んでいった。
もしかしたら、船の上の人や、遠くへ行ってしまった人、届かないはずの彼岸の人にも届けてくれるのかもしれない。そう思わせてくれる。
====
・宝が眠る島、と噂されるソフォル島。そこで言の葉流しを行って深海人のアルシェと交流するのもいいでしょう。
・フラグメントを気にせずに、他の深海人と交流するのもありです。一緒に宝探ししたり、休憩に飲み物やお菓子を食べたり、話を聞いてみたり。ソフォル島についてや、彼らの暮らす島について聞けるかもしれません。
・手紙を流す硝子玉はたっぷり用意されているので気にせずに使ってください。
仲佐・衣吹(サポート)
私ことウォッチが対応致しましょう
執事のように礼儀正しく丁寧口調の人格
常に微笑みを絶やさず立ち振る舞いはスマート
調べ物や相手から信用を得ることが必要ならば適任でしょう
あー……少々吃驚したり怖かったりするアクシデントには弱いのですけれど
(数秒固まった後に)微笑みと口八丁で誤魔化すのは得意です
アイテムやユーベルコードはその場に応じて選んで下さって結構です
雁野・リジ(サポート)
青い毛の狸。青い以外は普通の狸に見える。
でも片言の人語を喋る。
自分はふわふわでとても可愛いと思っている。
可愛いから捕まえられそうになるのも仕方がないが、
毛皮や狸汁にされるのはごめんなので敵には容赦しないことにしている。
敵じゃなければ撫でてくれたり、抱っこしてもらいたい。
高階・茉莉(サポート)
『貴方も読書、いかがですか?』
スペースノイドのウィザード×フォースナイトの女性です。
普段の口調は「司書さん(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「眠い(私、キミ、ですぅ、ますぅ、でしょ~、でしょお?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
読書と掃除が趣味で、おっとりとした性格の女性です。
戦闘では主に魔導書やロッドなど、魔法を使って戦う事が多いです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
しなやかな腕がすっと空気の壁の向こうへと硝子玉を押し出す。仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)の人格、ウォッチが宛てた手紙の先は彼がいつか迎えに行きたいと願う者。果たして届かない場所に届くという手紙は、手元に戻るのだろうか。それとも何か不思議な力によって宛先に届くのだろうか。
「……それはわかりませんね」
一つ、息を零してウォッチはいつものとおり、スマートな笑みを浮かべた。空気の壁のそばに立つウォッチに気づいた筋肉がついた深海人が彼に声をかける。
「あんちゃんも言の葉流しか?」
「はい。届くかはわかりませんが、試してみようかと」
「まあ伝説だからなぁ! ただ俺は届くといいなぁとは思うぜ!」
そんな夢見がちなことを言うのはやはりロマンを追い求めて宝探しをしているからだろうか。からからと笑う肉体派の見た目の彼に、ウォッチは穏やかに話しかける。
「皆様は宝探しをされていると伺いました。どのような宝物を探されているのでしょう?」
「おお、興味があるかい? この島にはな――」
「どんな場所も指し示す羅針盤があるって話だよ」
「ラシンバン」
青い毛並みの狸、雁野・リジ(たぬき・f34917)を丁寧に撫でながら、細身のおっとりした深海人は語った。
空気の壁の辺りをうろうろと探っていたリジを見つけた彼は、丁寧に撫でてもいいかと尋ねてくれたのだ。とってもふわふわで可愛いリジの毛並みを撫でたいならば歓迎だ。狸汁や毛皮にされるのは遠慮したいが。
許可を出したあと、彼は丁寧に優しく撫でてくれるから、抱っこしてもいいというと、嬉しげに笑って抱き上げてくれた。そして彼らの目的も話してくれた。
ふっかふかで手触りのいい毛並みを優しく撫でて、青年は語る。
「海の上でも方角を示す道具なんだけど、その羅針盤は望む物の方角を示すんだってさ」
「便利ねー」
つまり望むお宝の場所がわかると言うことだ。怪盗の自分にも便利かもしれない。怪盗とは何か、という問いは未だに尽きないが。
「見つかりそう?」
「うーん。結構長い間探してて、この島だって手がかりもあるんだけどね」
「確証?」
「それはね――」
「ここから流した手紙が、海の上、船の上の誰かに届くのはその羅針盤の力が漏れてるからじゃないかって話さ」
「そうなんですね」
階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)は言の葉流しをした深海人に話を聞いて頷いた。
「届かぬ場所へ届く手紙の話は色々な本に記されていましたが……こちらの島の伝説はその宝物の力ではないかと」
「そうそう。今までにもここから出した手紙が本当に海の上の船に届いたって聞いたことあるよ」
彼は話しながらざくりと土を掘る。茉莉はその様子を見ながら、図書館で読んだ物語の数々を思い出していた。
「不思議な力を持つ宝の効果が僅かに漏れ出て、辺りに影響を及ぼす話はたくさんあります。その中のいくつかが真実だったことも。この島もそうであってもおかしくありません」
「へえ、そうなのか。おねーさん物知りだな」
「司書ですので」
茉莉は穏やかに微笑んだ。それに今回は答えもわかっている。
ざくりと掘ったスコップが、カツンと音を立てた。
「おやっさん、何かある!」
「何だ! 掘り返してみろ!」
宝を掘り進んでいた皆が手を止め見守る中、猟兵達が警戒する中。宝探しをする深海人、アルシェが目を輝かせて掘り起こしてみれば、丈夫な木の箱が出てきた。逸る気持ちのまま蓋を開けると、そこには綺麗な装飾の施された羅針盤が入っている。
「やった! お宝だ!」
それを手に取った瞬間、空気の壁を突き破り、狂濤凶龍アトラティヌス・モササウルスが青年めがけて牙を向く。
「させませんよ。ご招待させていただきます」
影色の招待状が巨体を捕縛する。だまし討ちの一撃がモササウルスを捕らえて、青年に噛み付こうとする顎が固まった。
「えーい」
巨大な青色の狸が動けぬモササウルスを弾き飛ばす。思わず驚くほどの威力で弾き飛ばされたモササウルスは、地面へと一度落とされた。
「皆さんは下がってくださいね。さぁ、お聞きください。最高にハッピーエンドのこの物語を」
穏やかな語り口調に耳を傾けた巨魚は、誘惑されるような語りに思わず続きを聞きたいと思ってしまった。
茉莉が童話を語りその隙に捕縛を解除したウォッチが深海人達を下がらせ、リジが庇う。
あとは、現れた猟書家を倒すだけだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 ボス戦
『狂濤凶龍アトラティヌス・モササウルス』
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POW : 海喰覇龍ド・ラ・ケートゥス
【驚異的な吸引力で周囲のものを吸い込み】【隕石をも喰らう牙で噛み砕く。捕食物を】【吸収し必要な物質に原子レベルで変換する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : 狂濤雷葬ラ・ト・ヴァジュラ
【全身】から【半径300mに放射雷撃とそれに伴う電熱】を放ち、【遠距離の敵にはプラズマレーザーを放つ事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 冥海災渦デ・ジ・カリュブディス
【電撃と海流を乱し生み出す渦による巨大雷渦】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に残り、雷渦から電気を吸収し自身を強化】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:井渡
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ビードット・ワイワイ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
巨大な顎が、大きく開く。鋭い牙は何物をも切り裂き砕くだろう。
雷撃を、渦を操る巨大な猟書家、アトラティヌス・モササウルス。
彼にメガリスを奪わせてはならない。彼に深海人を襲わせてはならない。
猟兵達は引かず、前を向く。
その侵略を防ぐために。
レプリカ・レグナント
あらあらとても大きなお魚さんですね?
我が王国が健在ならば持って帰って水槽にでもぶち込んで差し上げたものを・・・残念ですね
ですがレプリカは貴様を叩き潰さねばならない気がしてまいりした
うぅっ、驚異的な吸引力このまま吸い込まれたらあの大口と鋭い牙で噛み砕かれてしまいますね?
ならば先にこれをお食べになって、オレ様の唾をなぁ
その唾は灼熱を生み出しあらゆる物を銀色の灼熱で包み込む
それを飲み込んだ貴様は体内のあらゆる臓器を内から焼き尽くされる
正にスベテヲツツムギンノアジ、じっくり味わってくださいましね?
最後の晩餐を、アハハハハ
●
豪、と空気が引き寄せられ渦を巻く。モササウルスはその大きな口を目いっぱいに開き、周囲を飲み込まんと息を吸い込み始めた。
レプリカ・レグナント(亡国の王女・f32620)はくるりと巻かれた、先を赤く染めた灰色の髪を靡かせる風に赤の目を細め、ゆったりと微笑んだ。
「あらあらとても大きなお魚さんですね?」
人型など何人でもまとめて飲み込んでしまいそうなほどの大きな口。小型の船すら超える体長。モササウルスの巨体は簡単には見通せないほどに大きいのだ。そんな怪獣とも言える存在が目の前で口を開けていてもレプリカは冷静であった。
「ああ、我が王国が健在ならば持って帰って水槽にでもぶち込んで差し上げたものを……残念ですね。ですがレプリカは貴様を叩き潰さねばならない気がしてまいりした」
ほう、とレプリカはため息をつく。ただ、かつて彼女治めた国を失っていなくともその願いは叶わかなっただろう。目の前で轟々と周囲を吸引する巨大な魚はオブリビオン。倒さねばならない世界の敵だ。そのことはレプリカもよくわかっている。
島の地表が剥がれて土塊や小石が口に飛び込んでいく。レプリカの体もぐらりと揺れた。このまま放っておけば、レプリカ立つ地面もろとも飲み込まれてしまうだろう。
「うぅっ、驚異的な吸引力。このまま吸い込まれたらあの大口と鋭い牙で噛み砕かれてしまいますね?」
そうなればレプリカといえどもただではすまない。牙に引き裂かれ、顎で砕かれ、大怪我を追ってしまうのは自明の理だ。
だからレプリカはその口を開いた。
「ならば先にこれをお食べになって――オレ様の唾をなぁ」
レプリカの口元からとろりとこぼれた銀色の液体が、モササウルスの口へと吸い込まれる。
僅かな量の液体が触れた瞬間、モササウルスは銀の灼熱に包み込まれた。体の内から燃え上がる熱に焦がされて、モササウルスは苦悶の叫びめいた音を上げる。もはや周囲の物を飲み込むべく吸引することもできやしない。
「基様はあらゆる臓器を内から焼き尽くされる。正にスベテヲツツムギンノアジ、じっくり味わってくださいましね?」
とろりと銀を口元から零しながら、レプリカか圧政者の如く高らかに笑みを浮かべて、細い腕に見合わぬ大物、反抗大斧を振りかぶる。
「最後の晩餐を、アハハハハ!」
勢い良く振り下ろした斧の刃は銀の灼熱に悶えるモササウルスに食い込み、巨体の肉を切り落としたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ニクロム・チタノ
ウフフ、邪仙参上お宝には興味ないけど猟書家をこのままにはしておけないよねぇ?
それにしても大きいね、封神武侠界には沢山幻獣が居るけどこんな怪物は見たことないよ、何はともあれコイツを倒さなくちゃ
これは大渦、それだけじゃない、電撃も帯びているの?
このままじゃ例え抜け出してもこの辺りはヤツに有利な地形に変わるだけだ流石にそんなことになったら勝機はなくなってしまう
ボクも邪仙、舐めないでよ禁術だけど仕方ない
これが私の反抗
属性融合の力を暴走させるよ、氷の津波は全てを凍てつかせる例え超自然現象でもねぇ
氷って動けないところに炎の渦巻きを発生させて温度差攻撃で脆くなった体にダメージを負わせるよ
この術疲れるんだよね
●
「ウフフ、邪仙参上」
黒の中華服の袖をたなびかせ、薄緑の髪を結い上げた
ニクロム・チタノ(隷属者・f32208)は笑みを浮かべて降り立った。彼女の視線はモササウルスを見据えている。
「お宝には興味ないけど猟書家をこのままにはしておけないよねぇ?」
この島のメガリスに彼女は興味はない。けれど猟書家を放置するわけにはいかない。同時に彼らにメガリス渡るのも防がなくてはならない。故にニクロムはここにいるのだ。
「それにしても大きいね」
島に立つニクロムが見上げる程にモササウルスは大きく、体長は小型の船を超える程。
「封神武侠界には沢山幻獣が居るけどこんな怪物は見たことないよ、何はともあれコイツを倒さなくちゃ」
仙境にもいないだろう、巨大で凶悪なモササウルスを見上げつつ、ニクロムが仮面に隠さぬ片目からモササウルスを眺めれば、大きな音と共に島の周囲の水が渦を巻き始める。
轟々と嵐の如くに水が渦を成す。ぐるりぐるりと巡るそれは一つ所に集まって、何人をも飲み込もうとしているようだ。
赤の目でそれを見据えたニクロムはその渦に注目する。
「これは大渦、それだけじゃない、電撃も帯びているの?」
ばちり、ばちりと渦の合間に走る雷の光。渦を直接浴びればその奔流と雷撃に身を激しく打ち据えられ、かといって避けてしまえば、当たった地形が雷を帯びた水に濡れてモササウルスの得意とする場になってしまう。流石にそんなことになったら勝機はなくなってしまう、とニクロムは分析した。
けれどそれで諦めるわけなどないのだ。
「ボクも邪仙、舐めないでよ。禁術だけど仕方ない」
ニクロムの周囲に氷が生まれる。ほんの一瞬で大きく広がった氷は、個体であることを忘れたかのようにモササウルスへと覆いかぶさる。自然には起こりえないはずの氷の津波だ。
「これが私の反抗」
ニクロムはわざと津波の制御を緩め、暴走させる。どんな超自然現象をも凍りつかせる津波に飲み込まれた雷渦とモササウルスはその動きを全て止められた。
「この術疲れるんだよね」
凍ったモササウルスを見ながらニクロムは荒く息を吐いた。先程の暴走させた術の反動が現れたのだ。それでもニクロムは手を差し伸べる。それに従うように、炎の渦巻きが生じ、凍りついた巨魚に襲いかかった。
すべてを燃やし尽くすような勢いの炎はモササウルスを覆い尽くし、極端な温度差で亀裂も生じさせる。まるで悲鳴のような音を立て、巨大な猟書家は炎の中で悶えるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能
接近戦で戦う場合は鎖鎌や鎖分銅の【ロープワーク】による攻撃がメインだが、プロレスっぽい格闘技や忍者っぽい技もいける
遠距離戦では宇宙バイク内臓の武装による射撃攻撃やキャバリアによる【結界術】
その他状況によって魔術による【属性攻撃】や【破魔】等使用。
猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。
基本的にチャラい上辺ですが、人々の笑顔のため、依頼自体には真面目に取り組みます
ミスティ・ストレルカ(サポート)
基本方針は専守防衛・他者フォローです
サポート故、連携重視のお任せ
知らない人にはどうにも気後れしてしまうけど
それでも他の人が怪我するのも嫌なので押すところは押すのですよ
主にサモン・シープ等攻撃系のUCで他者行動の隙を消す様に立ち回るのです
中遠距離をとり全体を掴む感じですね
防御系の技能で時間稼ぎも行けますので
生まれながらの光での前線維持、魔力性防御障壁の囮役も…ちょっと怖いけど
でもでも、みんなの居場所を守るのですよー
そうそう、えっちなのはいけないと思います。
興味がない…訳ではないですがひつじさんが怖い雰囲気纏って凄い勢いで止めにツッコんでくるのです
年齢制限がどうとか、らしいです
政木・朱鞠(サポート)
ふーん、やっと、ボスのお出ましか…。
もし、貴方が恨みを晴らすためでなく悦に入るために人達を手にかけているのなら、不安撒き散らした貴方の咎はキッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ。
SPDで戦闘
代償のリスクは有るけど『降魔化身法』を使用してちょっと強化状態で攻撃を受けて、自分の一手の足掛かりにしようかな。
ボス側の弐の太刀までの隙が生まれればラッキーだけど…それに頼らずにこちらも全力で削り切るつもりで相対する覚悟で行かないとね。
得物は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使いつつ【傷口をえぐる】【生命力吸収】の合わせで間を置かないダメージを与えたいね。
アドリブ連帯歓迎
●
荒れ狂う海流に乗って、モササウルスは猟兵達へと襲いかかる。まずは全て飲み込んでしまえと言わんばかりに、大きな口を開いて鋭い牙を見せつけながら辺り一帯を吸引していく。このままでは島の大地もそこに立つ者も、全て吸い込まれて鋭い牙に切り裂かれ、顎に砕かれてしまうだろう。
けれどそれは叶わない。ぐるりとモササウルスの顎に鎖分銅が巻き付いて勢い良く引っ張られた。強大な力にも負けず鎖分銅はモササウルスを締め上げて、その口を閉じさせる。
「正義のヒーローの登場っすよ~」
背後に下がった深海人の一人に体を借りて、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)が締め上げたのだ。宇宙バイク『アルタイル』の性能も活かし、藍色に変わった髪を靡かせて、不敵な笑みでモササウルスの口を締め上げる。
モササウルスもおとなしくしてはいない。暴れて鎖を解こうと体をくねらせ、体から電熱を放ってリカルドを焼こうとするが、その間隙に白い羽が舞う。
「トリさん、ゴーなのですっ」
ミスティ・ストレルカ(白羽に願う・f10486)の召喚したデフォルメ調のニワトリたちがモササウルスの表皮や目を突いて気をそらす。確実に狙った場所に突き刺さるくちばしに煩わしく思うも、オーラで防御しながら隠れた小柄なミスティを見つけられない。巨体故に小さな物を見つけるのは難しいのだ。
動きの止まったモササウルスを暴風の如き鞭の殴打が襲う。ぐるりと巻き付いた鎖分銅が離れると同時、打咎鞭『九尾〆下帯』がモササウルスを切り裂きながら巻き付いた。
「ふーん、やっと、ボスのお出ましか……」
政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)は電熱やプラズマを生もうとあがくモササウルスを締め上げて、にいっと唇を弛めた。
「恨みを晴らしたいのか、悦に入るためなのか、わからないけどね。不安撒き散らした貴方の咎はキッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ」
ミスティのニワトリとキツツキの第二波にあわせて朱鞠は鞭を解き、びょうという音と共に振り下ろす。硬い鱗もやすやす砕き、傷口を抉られたモササウルスは吠えるような音を立てながら地に落ちた。素早い鞭さばきはモササウルスに逃げる暇も、攻撃する暇も与えない。
「侵略は、よくないと思います」
彼女の大切な人達の、皆の居場所を守るため、ミスティも覚悟を決めてニワトリ達の召喚を維持する。朱鞠の鞭の隙を埋めるように祈りながら、精一杯の時間稼ぎだ。
「そっすよ、笑顔をなくす行為は許せないっす! 押し潰されるがいいっすよ!」
ミスティが確保した時間でリカルドの準備も整った。圧縮を重ねた高重力の闇弾が放たれる。藻掻いて島の外に逃げ出そうとするモササウルスを、朱鞠の鞭が打ち据えた。命を削りながらも放たれた打咎鞭『九尾〆下帯の一撃は十分に重く、モササウルスを逃さない。地へと叩きつけ、身動き取れなくなったモササウルスに闇弾が叩きつけられる。
ミスティのオーラで守られた三人が見守る中、深海の島の地面と共にモササウルスはその巨体を砕かれていくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴