7thKING WAR㉖〜ガチで勝ちにいけ!
●相手がガチならこちらもガチだ
「これが最後の戦いだな」
そう言って、萍・星鴉(羽衣人の白燐蟲使い・f37142)は猟兵たちの顔を見た。
「デビルキングワールドで唯一、生まれながらに「邪悪さ」を有していた、初代デビルキング、『魔王ガチデビル』。これの話は聞いているな」
デビルキングとは、デビルキングワールドを統治する悪魔の王であるが、そもそも、デビルキング法はガチデビルを倒すために生まれたもの。
そして邪悪なる王は、7thKINGの座を勝ち取ることにより、いにしえの『悪魔契約書』を用いた『他世界への悪魔輸出』を目論んでいる。
「デビルキングワールドは、一見するとふざけた奴らの集まりに思えるかもしれない。でも、その実力はお前たち猟兵に匹敵するほどだ。そんな奴らが他の世界で『悪さ』をしたら、きっと、無事では済まない。だから、なんとしてでもここで仕留めておかないといけないんだ」
この戦争に負けたとしても、カタストロフは発生しない。
しかし、7thKINGとなったガチデビルによって大量の『悪魔契約書』がばらまかれれば、他の世界で「カタストロフに繋がる大事件」が発生する可能性がある。
それだけは、絶対に避けなければならない。
「ガチデビルは、必ず先制攻撃を仕掛けてくる。それだけじゃなくて、ガチデビルの周囲には5つの「KING宝珠」が飛び回っていて、ガチデビルに有利な効果を送り続けている。だけど、これらは一定のダメージを与えると「猟兵の味方」になり、その効果を猟兵に使ってくれるようになる。だから、積極的に利用して、うまく戦ってくれ」
それぞれの詳細はこれだ、とまとめた資料を渡されて、それに目を通した猟兵のひとりがぽつりと。
「便利だなあ……」
「KING宝珠は、ガチデビルを倒すと消えるよ」
「それは残念」
もっとも、そんなものに頼り続けなくとも、猟兵たちは戦い方を心得ている。ただ、ちょっとだけ残念なだけで。
グリモア猟兵は、改めて猟兵たちを見つめると、ゆったりとした袖の下で手を重ねて腰に当て、そっと膝を折って頭を下げた。
「どうか、よい勝利を」
鈴木リョウジ
こんにちは、鈴木です。
今回お届けするのは、ガチの戦い。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●1stKING魔王ガチデビルとKING宝珠
デビルキングワールドで唯一、生まれながらに「邪悪さ」を有していた、初代デビルキングです。そもそも、デビルキング法はガチデビルを倒すために生まれました。
恐るべき『悪魔契約書』で、悪魔達を他世界に輸出しようとしています。
ガチデビルの周囲には5つの「KING宝珠」が飛び回り、ガチデビルに有利な効果を送り続けています。
しかしこれらは一定のダメージを与えると「猟兵の味方」になり、その効果を猟兵に使ってくれるようになります。
宝珠はガチデビルを倒すと消えますが、積極的に利用して、勝機を引き寄せましょう。
以下が効果の一覧です。
2ndKING『魔王ビストログルメ』の宝珠:様々な料理を作って食べさせ、所有者を回復する。
3rdKING『堕天使エンケロニエル』の宝珠:所収者に従う「植物怪獣軍団」を召喚し続ける。時間経過でねずみ算式に増える。
4thKING『キング・ブレイン』の宝珠:新たな知識を脳内に流し続け、戦闘時間に比例して所有者を強くする。
5thKING『勇者リリリリ』の宝珠:宝珠自身が盾のオーラを放出しながら飛び回り、所有者を護る。
6thKING『ビームスプリッター』の宝珠:所有者は通常のユーベルコードと同時に「腹からビーム」を撃てるようになる。命中精度・ダメージ共に大。
●プレイングボーナス
このシナリオには、以下のプレイングボーナスがあります。
=============================
プレイングボーナス……敵の先制攻撃に対処する/「KING宝珠」を味方にする。
=============================
なお、🔵が成功数に達すると判断して以降のプレイングの採用を見送らせていただく場合があります。
ご了承ください。
それでは、よろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『1stKING魔王ガチデビル召喚形態』
|
POW : 『強欲』
レベル×1体の【配下の古代悪魔軍】を召喚する。[配下の古代悪魔軍]は【邪悪】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : 『憤怒』
戦場全体に【ガチデビルの魔力が具現化した闇色の炎】を発生させる。レベル分後まで、敵は【炎から現れる『憤怒獣』】の攻撃を、味方は【闇色の炎による治癒】の回復を受け続ける。
WIZ : 『嫉妬』
自身と対象1体を、最大でレベルmまで伸びる【悪魔契約書による契約の魔術鎖】で繋ぐ。繋がれた両者は、同時に死なない限り死なない。
イラスト:落葉
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
尾守・夜野
(…植物達に古代悪魔質…数でこられると厄介だな…)
「…外に出て…それでも居場所があるならいい。でもそれで傷つくのは奴らと別の世界の全員だ。なら許すわけにはいかんよ」
特に3rdと5htのKING宝珠はやばい…が即座に動ける訳もない
(…ここは雌伏するしかねぇか)
攻撃は可能な限り黒纏で受け流しその間に接触したのにUCで呪詛流し込みながら共通点を探るぜ
黒纏は俺の血も吸ってるからUCの範囲に含まれてるぞ
全てはガチデビルと宝珠を通してる
なら…同一であるとみなせんだろ
繋がりから呪詛を流し込み全員呪い一気に表面化
もし何か築きあげようと、呪いのオブジェになってるだろうよ
そこからも呪詛を流し込む
アドリブ・連携歓迎
御形・菘
はっはっは、生まれながらとか関係あるまい
大切なのは生きる中で何を為すか
だからお主は邪悪であり、妾にボコられるのだ!
防御のために、左腕に邪神のオーラを集中
痛みは我慢、直接攻撃や腹ビーム、獣の攻撃はすべて受けて凌ぐ!
そして即座に反撃に移る!
天地に乗って空から突撃だ
獣も怪獣も振り切り、まずは宝珠を叩こう
攻撃は当てられんさ、天地の機動は決して読めんよ…妾も知らんし
いかに戦場で映えるか、カッコ良さがコンセプトで丸投げだ!
狙う宝珠は5thと6th
ガードを潰したら速攻で決める!
なるほど天地よ、突っ込むと見せかけて妾だけ射出か、意表を突いて素晴らしい!
そのまま頭突きをキメて、合わせて至近で腹ビームもズドンだ!
1stKING魔王ガチデビルは、ギラリと猟兵たちを睨む。
「忌々しくも、よくもここまで辿り着いたものだ」
決して文字通りではない称賛を吐く魔王の周囲に従う5つの宝珠に目をすがめて、尾守・夜野(墓守・f05352)は心中で唸る。
(……植物達に古代悪魔達……数でこられると厄介だな……)
今こうしている目の前で、宝珠によって召喚される植物怪獣軍団が現れ続け、彼我との間に増え続けていた。
「……外に出て……それでも居場所があるならいい。でもそれで傷つくのは奴らと別の世界の全員だ。なら許すわけにはいかんよ」
だが、うかつに手を出すわけにはいかない。ガチデビルだけでなく、浮遊する宝珠もまた猟兵たちを狙っているのだ。
特に3rdと5htのKING宝珠はやばい……が即座に動ける訳もない。
策を練り機を伺う夜野の耳を打ったのは、高らかな哄笑。
「はっはっは、生まれながらとか関係あるまい」
御形・菘(オブリビオンではない・f12350)が、蛇身をうねらせ魔王の真正面に対峙する。
「大切なのは生きる中で何を為すか」
どのように生まれようとも、決めるのはその生き様。
「だからお主は邪悪であり、妾にボコられるのだ!」
「ならば届いてみせろ!」
ガチデビルの喝破とともに闇色の炎が轟狂と猛って戦場を包み込み、炎のなかから憤怒獣が現れると同時に、無数の古代悪魔の軍勢が現れる。各々の咆哮が空気を震わせ、猟兵たちの肌にも響いた。
我先に攻撃を仕掛けようと襲いかかる敵を前に、夜野は鋭く息を吐いて身構えた。
(……ここは雌伏するしかねぇか)
それに、ただ耐え凌ぐだけではないのだから。
襲いかかってくる敵の攻撃を黒纏で受け流し、あえて自身に接触させて呪詛を流し込みながら共通点を探る。
多種多様な敵におおよそ共通点などはほとんどないが、しかし、決定的な要素をそれぞれに見出していく彼の結果的な支援となり、菘が敵軍へと突っ込んでいった。
防御のために、左腕に邪神のオーラを集中し、痛みは我慢、直接攻撃や腹ビーム、獣の攻撃はすべて受けて凌ぐ!
力技としか言いようのないその戦い方は無謀にさえ思えたが、余計な動作を排除し隙を与えない。隙を与えないということは、必要以上のダメージを受けないということでもある。
そして即座に反撃に移る!
「行くぞ天地! お主が共に在れば、空すらも妾の統べる領域となる!」
高らかな呼び声に召喚された高性能AI内蔵の映像撮影用ドローン、天地通眼に乗り、菘が憤怒獣も植物怪獣も振り切っていく。ならばと狙いを定めて攻撃を仕掛けてくるも、無軌道な機動を捉えることができない。
歯噛みする敵へ向けて、邪神は不敵に笑ってみせた。
「攻撃は当てられんさ、天地の機動は決して読めんよ……妾も知らんし」
えっ。
今なんて言った?
「いかに戦場で映えるか、カッコ良さがコンセプトで丸投げだ!」
縦横無尽というよりフリーダムに動き回る天地通眼に翻弄され、ガチデビルの軍勢は数で押しているはずなのに、たったひとりの猟兵を捕らえることができない。
「おのれ、ちょこまかと!」
妨害しようと軍勢のみならずガチデビルからも狙われながら、邪神は宝珠をやたらめったらに攻撃していく。
(「全てはガチデビルと宝珠を通してる。なら……同一であるとみなせんだろ」)
見出した共通点に、夜野はユーベルコードの仕上げにかかった。
繋がりから呪詛を流し込み全員の呪いを一気に表面化すれば、あっという間に敵軍勢が無力化されていく。さしものガチデビルは強く影響を受けていないが、それでも苦悶じみた様子を見せている。
(「もし何か築きあげようと、呪いのオブジェになってるだろうよ」)
ちらと一瞥すれば、古代悪魔たちは何かしらを築くだけの時間はなかったようで、しかし呪詛に侵され身動ぐこともできない様はオブジェのようとも言えた。
菘に攻撃され夜野の仕掛けた呪詛が侵食し、先に5thと6thの宝珠が、次いで3rdの宝珠が不意にがくりと落ちかけたかと思うと、ゆらり揺れて猟兵たちのほうへ飛んでくる。
それと同時に、増え続けていた植物怪獣軍団の勢いが止まった。
宝珠が自分たちの味方になったと判断した菘が、まっすぐにガチデビルめがけて突撃し……天地通眼は、持ち主を射出した。
移動速度に射出された際の速度が上乗せされ、その勢いは非常識に加速していきながら、なぜか自慢げに笑う菘。
「なるほど天地よ、突っ込むと見せかけて妾だけ射出か、意表を突いて素晴らしい!」
「貴様、それでいいのか!?」
破天荒な攻撃をガチデビルが攻撃で押し止めようとするが、宝珠の援護を受けた蛇神には阻止たりえない。
そのまま頭突きをキメて、合わせて至近で腹ビームもズドンだ!
「ぐっ……!」
「少し、注意散漫じゃないか?」
あまりの衝撃にぐらりと身を傾いだ魔王の前へ影が躍る。
ガチデビルがその存在を確かめるより早く、夜野の一撃が叩き込まれた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
土御門・泰花
※アドリブ・連携等大歓迎
さてさて、戦争には出遅れてしまいましたが……まだできることがあるのなら微力を尽くしましょう。
転送直後【早業/多重詠唱】にて【オーラ防御/結界術】展開、堅い守りを。
移動は【早業/軽業/地形の利用】で俊敏に。
先制攻撃である憤怒獣の出現を【聞き耳/第六感】で察知、【戦闘知識/学習力】で行動分析し、他の猟兵に向かおうとする分も挑発し【おびき寄せ】る。
「さぁ、お相手は私ですよ」
攻撃は【見切り】か防御結界で弾く。
貫通したものは薙刀で【武器受け】し【呪詛】を纏わせた薙刀か黒揚羽で【咄嗟の一撃/2回攻撃】。
機をみてUC発動し、花びらの幻影で本体のガチデビルや宝珠ごと纏めて【範囲攻撃】。
アルゼブ・アズモリィ
ガチデビル!ここでお前に引導を渡してやるぜ!
『あの口に呑み込まれんように気をつけろ』
ああ!分かってる!
って、古代悪魔軍だって!?
悪カッコイイが、当ってやるわけにはいかねえ!
《ダッシュ》で逃げ回り、直撃の危険があればレブヤ・ベザルで《受け流し》を試みる
さすがの攻撃だ。こいつはやばいな…
だがこっちにだって軍はいるのさ!
【炎の魔王軍】!出てこい!
ヤツらに真正面からぶつかっていけ!
猟兵はアツい戦いもできるってことを見せつけるんだ!
押せ押せー!
そして目標は4th『キング・ブレイン』の宝珠!
オレもレブヤ・ベザルから《斬撃波》を放って援護する!
一人でも多く届いてくれ!
*アドリブ、共闘OK
*『』は喋る武器の声
豪炎渦巻く戦場に立ち、土御門・泰花(風待月に芽吹いた菫は夜長月に咲く・f10833)は長い黒髪を背に払った。
「さてさて、戦争には出遅れてしまいましたが……まだできることがあるのなら微力を尽くしましょう」
素早く術式を展開し、堅い守りを築き上げてから薙刀を構えた。
「小賢しい真似を……!」
ガチデビルの唸りとともに、炎を具現化するかに憤怒獣が現れ、猟兵めがけて疾駆する。
泰花は憤怒獣の出現を察知し俊敏に移動しながら、彼女以外の猟兵を狙って向かおうとする分も挑発しおびき寄せる。
戦いのさなか、アルゼブ・アズモリィ(玉座を見据えし悪魔・f31513)が啖呵を切った。
「ガチデビル! ここでお前に引導を渡してやるぜ!」
『あの口に呑み込まれんように気をつけろ』
「ああ! 分かってる!」
喋る武器、レブヤ・ベザルの尊大な警告に応えながら駆け出すアルゼブの前に、轟然と雄叫びをあげる軍勢が立ちはだかった。
彼とて無策でガチデビルを狙っていたわけではないが、不意打ちじみた勢いで現出されれば話は別である。
「って、古代悪魔軍だって!?」
悪カッコイイが、当ってやるわけにはいかねえ!
なだれ込むように襲いかかってくる古代悪魔たちの攻撃をダッシュで逃げ回り、かと思えば繰り出される剛撃にはレブヤ・ベザルを構えて受け流しを試みる。
数に圧されて避けるばかりになってしまい、上半身を狙っての攻撃に身を低くしてかわしながら唸った。
「さすがの攻撃だ。こいつはやばいな……」
『いつまでも逃げ回るわけにいかんぞ』
「分かってる!」
思いきり振り下ろされた一撃を紙一重で避け、次の手に移ろうとした隙をついて、死角を狙った攻撃がアルゼブを襲う。
ダメージを覚悟したその時、彼と敵との間に黒揚羽が舞った。かと思うと、泰花の刃が閃いた。
「さぁ、お相手は私ですよ」
油断などさせず、する暇すら与えない。
だが、いくつかの宝珠を奪われても、ガチデビルのユーベルコード自体が脅威であることに変わりない。
そして、その支配下にある軍勢もまた。
「いかに猟兵が強かろうとも、この軍勢を前に倒しきれまい!」
優位に驕るガチデビルの言葉に呼応して、轟吼が戦場を震わせる。
そう、確かに猟兵たちがただ武器を振るうだけならば、いずれ消耗して敗北を喫するだろう。
「だがこっちにだって軍はいるのさ!」
笑みを浮かべて切り返すアルゼブは、すぅと息を吸い。
「炎の魔王軍! 出てこい!」
強く呼ばわったその声に応え、多くのモンスターたちが現れる。
「ヤツらに真正面からぶつかっていけ! 猟兵はアツい戦いもできるってことを見せつけるんだ! 押せ押せー!」
ドドッと押し寄せていく炎の魔王軍に敵の勢いを抑えさせて、狙うのは4th『キング・ブレイン』の宝珠!
アルゼブもレブヤ・ベザルから斬撃波を放って援護する。
しかし、それでも猟兵たちの攻撃は敵に……ガチデビルには、まだ届かない。
「一人でも多く届いてくれ!」
悲鳴めいた願いに応えるように、炎熱と咆哮が渦巻く戦場で、不意に何かが舞った。
それは、場違いなほどに美しい花。
「春一番ならぬ菫一番、とでも洒落込みましょうか」
高く跳躍した泰花が足を引き、仕込み草履による極超音速の蹴りを魔王へと鋭く放つ。
憤怒獣の群れにも古代悪魔軍にもその攻撃を阻止できず、風を切って趨った蹴撃は、それと察知する間もなく巨躯を正確に伐った。
「ガアッ!!」
蹴りだけでなく、音速を超えた一撃により発生した衝撃波にも打たれたガチデビルがかろうじて発せたのは、獣じみた叫喚。
無数の菫の花びらの幻影が舞うなか、泰花は追撃に移る。妨害しようと立ちはだかる敵勢を花びらの幻影で討ち倒し、またそれを足場として敵を回避して。
「おのれ……おのれ猟兵め!!」
吼え猛りながら腹部の口をグワッと開き、唯一残った2ndKINGの宝珠から回復を受けながら、魔王は菫花の猟兵を睨む。
「おっと、よそ見してたら危ないぜ!」
「!!!!」
レブヤ・ベザルを大きく振るったアルゼブの斬撃が宝珠ごとガチデビルを斬り、魔王を守ろうとする敵には菫の花びらの幻影が蹂躙していく。
「これで、終わりです」
さやかに揺れる花のごとく放たれた泰花の一閃に、1stKINGは苦鳴をあげることなく膝を折り、どうと倒れ臥した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵