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7thKING WAR㉖〜ガチなる悪魔、大降臨!!

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #1stKING『魔王ガチデビル』

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#デビルキングワールド
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#7thKING_WAR
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#1stKING『魔王ガチデビル』


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●魔王、反省する
「私は、悪魔達も、猟兵達も、決して侮ってはいなかった。両者とも刺激せぬよう慎重に計画を進め、異世界より最強の魔王を呼び寄せ、ジャッジメントガールの目覚めに合わせ、万全の状態で此度の戦いをはじめたのだ」
 デビルキングワールドにおける初代デビルキングである『魔王ガチデビル』は、そう述懐すると静かに嘆息した。
「にも関わらずこの現状。私の力不足を認めねばなるまい。だが、デビルキングにならずとも、猟兵達の猛攻を凌ぎ続ければ、『悪魔契約書』を幾らかはばら撒き、あわよくば逃げおおせるかもしれぬ」
 ガチデビルは、この魔界において唯一の邪悪な存在。ゆえに、いざとなれば全てを捨てて逃げを打つことも卑怯とは思わない。
「猟兵達に立ち向かうため、最後の備えを使うとしよう。私の後にデビルキングを僭称した者共……すなわち、

 2ndKING『魔王ビストログルメ』!
 3rdKING『堕天使エンケロニエル』!
 4thKING『キング・ブレイン』!
 5thKING『勇者リリリリ』!
 6thKING『ビームスプリッター』!

 私は奴らの能力を解明し、5つの『KING宝珠』を作り出した。私のユーベルコードと、5つのKING宝珠。この組み合わせで、勝機を掴み取ってみせよう。悪魔輸出によって、全ての世界にカタストロフを齎すために……!」
 ガチデビルの腹にある巨大な口から、5つの禍々しい光を放つ宝珠が解き放たれた。
 それらは、ガチデビルを護らんとするかのように、その周囲を飛び回り始めたのだった。

●決戦、1stKING!
「皆さんの活躍で、ついに初代デビルキングである『魔王ガチデビル』に挑めるようになりました」
 エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)は、集まった猟兵達に興奮気味にそう告げた。
「ですが、ガチデビルは歴代デビルキングの力を秘めた『KING宝珠』を作り出し、自らを支援させています。ただでさえ強力なガチデビルにKING宝珠の力が加われば、まさに完全無欠といえるでしょう」
 宝珠はそれぞれ、特有の能力を以てガチデビルを支援するという。
 2ndKING『魔王ビストログルメ』の宝珠は、様々な料理を作って食べさせ、所有者を回復する効果。
 3rdKING『堕天使エンケロニエル』の宝珠は、所収者に従う『植物怪獣軍団』をねずみ算式に召喚し続ける効果。
 4thKING『キング・ブレイン』の宝珠は、新たな知識を脳内に流し続け、戦闘時間に比例して所有者を強くする効果。
 5thKING『勇者リリリリ』の宝珠は、宝珠自身が盾のオーラを放出しながら飛び回り、所有者を護る効果。
 6thKING『ビームスプリッター』の宝珠は、所有者に通常のユーベルコードと同時に命中精度もダメージも高い『腹からビーム』を撃てるようになる効果。
「一見付け入る隙が無いように見えますが、KING宝珠は一定のダメージを与えると本来の自我を取り戻し、猟兵の味方をしてくれるようになるという特性もあるんです。この特性を積極的に利用すれば、勝機も見えてくるはずです」
 だが、宝珠がなくてもガチデビルはガチで強い。『古代悪魔軍』や『闇色の炎』を召喚したり、悪魔契約書による『契約の魔術鎖』を放ってきたりするので十分注意が必要だ。
「相手は最初にして最強のデビルキング。恐るべき相手ですが、皆さんなら、必ずやガチデビルの野望を阻止してくれると、ワタシは信じています」
 エルシーは笑みを浮かべてそう言うとグリモアを取り出し、転送を開始したのだった。


J九郎
 こんにちは、J九郎です。
 遂にオブリビオン・フォーミュラである『魔王ガチデビル』との決戦です。
 張り切っていきましょう。

 ガチデビルは必ず先制攻撃してきます。
 また本文にある通り、『KING宝珠』に守られています。
 このシナリオでは、次の行動をとることでプレイングボーナスを得ることができます。

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 プレイングボーナス……敵の先制攻撃に対処する/「KING宝珠」を味方にする。
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 それでは、ガチデビルよりもガチな、みなさんのプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『1stKING魔王ガチデビル召喚形態』

POW   :    『強欲』
レベル×1体の【配下の古代悪魔軍】を召喚する。[配下の古代悪魔軍]は【邪悪】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    『憤怒』
戦場全体に【ガチデビルの魔力が具現化した闇色の炎】を発生させる。レベル分後まで、敵は【炎から現れる『憤怒獣』】の攻撃を、味方は【闇色の炎による治癒】の回復を受け続ける。
WIZ   :    『嫉妬』
自身と対象1体を、最大でレベルmまで伸びる【悪魔契約書による契約の魔術鎖】で繋ぐ。繋がれた両者は、同時に死なない限り死なない。

イラスト:落葉

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

龍巳・咲花
お主を倒し、皆の世界を守ってみせるでござるよ!

先手で呼び出される古代悪魔軍には撒菱やクナイで牽制しつつ、あえて群中に飛び込み、合間を縫うようにして動き回る事で同士討ちを狙うでござる
その間にも3rdKING宝珠を狙って、ムシュマフの逆鱗を投げつけ周囲の軍勢ごと攻撃するのでござる!

上手く支援が此方に付けば古代悪魔軍を植物怪獣軍団に任せ、軍と軍のぶつかり合う喧騒に紛れて拙者はガチデビルへと接近するでござるよ!
軍を混乱させ将軍首を狙う、忍者の腕の見せ所でござるなあ!

これを抜かれたらお主はどうなるでござるか?
逆鱗の爆破による不意打ちの隙に、口の中へ鎖鎌の分銅を投げ入れ白羽の矢を引っこ抜いてみるでござる!



●激突!大軍団
『魔王ガチデビル』の下へと真っ先に辿り着いたのは、忍装束に身を包んだ龍陣忍者の少女、龍巳・咲花(バビロニア忍者・f37117)だった。
「お主を倒し、皆の世界を守ってみせるでござるよ!」
 声高にそう宣言する咲花に、しかしガチデビルは視線を向けようとすらしない。
「私は決してお前たち猟兵を侮ったりはしない。だが、たった一人で私に挑もうなどと、さすがに思い上がりも甚だしい!」
 ガチデビルの怒声に呼応するかのように周囲の空間が歪み、その歪みの中から100体を超える古代悪魔軍団が姿を現した。現代の悪魔達とは異なり、邪悪そのものの
古代悪魔達は、一斉に咲花へと襲い掛かる。
 先陣を切って突っ込んできた古代悪魔が振り下ろした歪んだ剣を、辛うじてクナイで受け止めた咲花だったが、古代悪魔達は雲霞の如く次々と迫ってきていた。
 だが、突然古代悪魔軍団の一部の足が止まる。咄嗟に咲花がばら撒いていた撒菱に引っかかったのだ。
「ここはあえて、死中に活を求めるでござる!」
 その隙に、咲花は自ら古代悪魔軍団の只中に飛び込んでいく。そして、攻めも守りも捨てて、超高速で古代悪魔軍団の中を駆け抜けていった。攪乱された古代悪魔達は、咲花を捉えようと出鱈目に攻撃を繰り出しては仲間に誤爆し、結果的に同士討ち同然の状況に陥ってしまう。
「今でござる! 龍陣忍法 バビロニアン・ムシュマフ・バースト!」
 足を止めずに姿勢を低くして動き回りながら、咲花は『炎竜ムシュマフの逆鱗』を、ガチデビル目掛けて投げつけた。だが逆鱗はガチデビルに命中する前に、その周囲を護るように飛翔する『KING宝珠』の一つに激突してしまう。たちまち大爆発が巻き起こり、飛び散った燃え盛る竜鱗が周囲の古代悪魔達にも降りかかっていったが、肝心のガチデビルには全くダメージを与えられなかった。
「どうした? そんなものか、猟兵の実力とは」
 せせら笑うガチデビル。だが、咲花の目的はガチデビルではなく、最初からKING宝珠だった。
「『堕天使エンケロニエル』、拙者に力を貸して欲しいでござる!」
 そう、咲花が狙ったのは3rdKING『堕天使エンケロニエル』の宝珠。逆鱗の直撃を受けた宝珠は正気を取り戻したかのようにガチデビルの下から離れていく。そして宝珠は、自身の周囲にねじ曲がった木や蔦からできた植物怪獣軍団を生み出し始めた。産み落とされた植物怪獣軍団は、どんどん数を増やしながら古代悪魔軍団へと攻撃を仕掛けていく。
「軍を混乱させ将軍首を狙う、忍者の腕の見せ所でござるなあ!」
 巻き起こった軍団同士の激突の喧騒に紛れて、咲花はガチデビルに気付かれないように接近していった。
 そして、今度はガチデビルの腹部の巨大な口目掛け、炎竜ムシュマフの逆鱗を放つ。
「ヌグウオオオッ!?」
 口内で大爆発が巻き起こり、ガチデビルの動きが一瞬だけ止まった。
「これを抜かれたらお主はどうなるでござるか?」
 その隙に、咲花はガチデビルの腹の口の中に突き刺さっていた白羽の矢を、素早く引き抜いてみせたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘
はっはっは、お主と妾がバトるのは世界の必然よ
ビジュアル被りをした以上、どちらが上かは決めんとな!

軍団の召喚と同時に突っ込み、乱戦に持ち込んで片っ端からブッ飛ばす!
緒戦から味方を巻き込む遠距離攻撃は使ってこんであろう?
キングの直接攻撃が来ても、邪神オーラを纏った左腕でガードだ

右手を上げ、指を鳴らし、さあ降り注げ流星よ!
戦場全体に絨毯爆撃に見せかけ、実は命中率重視で宝珠優先…特に2ndへと集中攻撃だ
妾自身も流星の攻撃範囲内!
接近しても安全圏ではないし、回復するから問題ないということだ!

当然直接ボコりもするとも
邪神の左腕の一撃でブッ飛ばす!
それとカッコ良いから、腹ビームも至近距離から一緒にズドンだ!



●魔王VS邪神
 続いて現れた猟兵の姿を見て、『魔王ガチデビル』は怪訝な表情を浮かべた。
「貴様は悪魔……いや、他の世界の魔王、か?」
 そう、悪魔を思わせる角と翼を持ち、大蛇の下半身を持つ御形・菘(オブリビオンではない・f12350)の姿は、デビルキングワールドの魔王と言われても何の違和感もないものだった。
「妾が魔王だと? とんでもない、妾は邪神ぞ」
 菘は、その自称に相応しい禍々しい笑みをガチデビルへと向けた。
「フン。貴様が邪神だろうが猟兵だろうがどうでもよいこと。私の前に立ちはだかるというのなら、排除するまでよ」
 ガチデビルが手をかざすと、時空が歪み、古代悪魔軍団が滲み出るように姿を現す。
「はっはっは、お主と妾がバトるのは世界の必然よ。ビジュアル被りをした以上、どちらが上かは決めんとな!」
 言うや菘は笑いながら古代悪魔の群れへと突っ込んでいった。そして古代悪魔達の攻撃をかわしながら、当たるを幸いと左腕で殴り飛ばしていく。
「緒戦から味方を巻き込む遠距離攻撃は使ってこんであろう? 予想通りだ」
 そのまま古代悪魔達を蹴散らしつつ、菘はガチデビルへと肉迫していった。
「私と直にやり合おうというのならば、思い上がりも甚だしいっ!!」
 ガチデビルは両手を組み合わせると、勢いよく菘目掛けて振り下ろす。菘も邪神オーラを纏った左腕を振り上げてその一撃を受け止めんとするが、魔王の剛腕を受け止めきれるものではない。地面にめり込むほどの勢いで大きく態勢を崩した菘へと、古代悪魔達が群がる。
 だが菘は古代悪魔の群れに飲まれながらも、右腕を高々と天へと伸ばしていた。
「さあ降り注げ流星よ!」
 そして菘が指を鳴らすと同時に、無数の流星が天から降り注ぐ。密集していた古代悪魔達は、成す術もなくその流星に撃ち抜かれ、たちまち軍団は総崩れとなっていった。
「絨毯爆撃だと? 小癪な真似をしてくれる。だがそんな無差別攻撃では貴様自身も身がもつまい」
 ガチデビルが、邪悪なオーラで身を守りつつせせら笑う。そう、流星は古代悪魔達の中心にいる菘にも降り注いでいるのだ。だが、菘は不敵な笑みを絶やさない。
「無差別……? お主にはそう見えるのか?」
 次の瞬間、ガチデビルの回りを飛び交っていたKING宝珠の一つが、菘の下へと飛んできた。それは、2ndKING『魔王ビストログルメ』の力を秘めた宝珠。そう、無差別攻撃と見せかけつつ、菘は密かに2ndKINGの宝珠へと、特に攻撃を集中させていたのだ。
 宝珠から次々と湧き出す料理を、菘は貪るように口に入れた。
「流星で傷ついても、この料理で回復するから問題ないということだ!」
 そのまま、古代悪魔軍団を再度振り払った菘は、邪神オーラを纏った左腕で思いっきりガチデビルの横っ面を殴り飛ばす。
「ぐううっ!!」
 直撃を受けたガチデビルの巨体が大きくのけぞった。だが菘の攻撃は、それだけでは終わらない。至近距離から放たれた禍々しきオーラがビームの如く、ガチデビルの蛇の下半身を撃ち抜いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
機神搭乗
悪魔の世界で唯一の邪悪とか色々矛盾してやがるな
「悪魔の方が人よりも素直で真面目なのは真理かもね☆」(鶏立体映像

対SPD
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の動きと戦況
宝珠の動きや闇の炎の性質と獣やガチデビルの攻撃の癖を分析
【属性攻撃・弾幕・浄化・迷彩・武器受け】
光属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠蔽
同時に立体映像を無数に展開して捕捉妨害
浄化の力を込めた水の弾幕を展開して闇の炎の消滅ないしは減弱を狙
賢銀水槍による自動防御も展開

【念動力・スナイパー・空中戦】
UC発動
超高速で飛び回り5の宝珠を攻撃して味方につけ防御を剥がし
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
口を狙い鎌剣で切り刻み
料理は強奪し回復妨害



●機神の舞う戦場
 なんとかこれまでの猟兵の攻撃を凌ぎ切った『魔王ガチデビル』は、次に現れた存在に目を瞠った。
「銀色の巨人だと……!? いや、違う。私は知っているぞ。それは、キャバリアとかいう異世界の機械仕掛けだったな」
 初見で驚きはしたものの、すぐにガチデビルは平常心を取り戻し、自身を中心に闇色の炎を発生させていった。
 その様子を、銀色のキャバリア――界導神機『メルクリウス』のコクピットから眺めていたのは、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)だ。
「あれが魔王ガチデビルか……。悪魔の世界で唯一の邪悪とか色々矛盾してやがるな」
 思わずカシムが漏らしたそのつぶやきに、彼の頭上に止まっていた鶏が、人の言葉で応じる。
「悪魔の方が人よりも素直で真面目なのは真理かもね☆」
 いや、よく見ればその鶏は実体ではない。どうやら立体映像のようだ。
 そして、カシムと鶏がそんなやり取りをしている間に、ガチデビルの周囲を覆った闇色の炎の中から異形の獣『憤怒獣』が飛び出し、メルクリウスに襲い掛かってきた。
 しかしカシムもただ鶏と雑談していたわけではない。ガチデビルと宝珠、そして黒い炎を観察し、情報を収集・分析していたのだ。
「いくぞ、メリクリウス。まずは光属性だ」
 襲い来る憤怒獣をBX鎌剣『ハルペー』で迎え撃ちながら、次第にメルクリウスの姿が、周囲の景色に溶け込むように薄れ始めた。
「光学迷彩か。小賢しいっ!」
 他の世界の知識も持つガチデビルはそのからくりに気付き、次々と憤怒獣を差し向ける。だが次の瞬間、周囲に複数のメリクリウスが湧き出るように出現した。
「今度は分身だと!?」
 さすがのガチデビルも驚愕する。光属性に変化したメリクリウスは光の屈折率を操り、自身の姿を複数宙に投影させたのだ。長時間は騙せないだろうが、攪乱には充分だ。
 憤怒獣達は、メリクリウスの分身に食らい付いて消滅させ、或いはメリクリウスが元居た場所の周辺で暴れまくる。このままでは、消えたメリクリウスが発見されるのも時間の問題だろう。
 だがもちろん、カシムは発見されるまで黙って隠れているつもりはなかった。RBS万能魔術砲撃兵装『カドゥケウス』に水の弾丸を込めると、ガチデビルを包む闇の炎目掛けて撃ち放つ。これで居場所はばれてしまうが、少しでも闇の炎を減衰できるなら、多少のリスクは覚悟の上。
「そこかっ!」
 果たしてガチデビルは、発見したメリクリウス目掛けて大量の憤怒獣を解き放つ。対するカシムは槍型の宝貝『賢銀水槍』を自動防御モードで展開すると同時に、メリクリウスの加速装置を起動させた。
「メルクリウス……お前の力を見せてみろ……!」
 限界を超越した速度で飛翔したメリクリウスは、憤怒獣の群れを振り切るとBX鎌剣『ハルペー』を振るってガチデビルへと切りかかる。だがガチデビルを護るように、5thKING『勇者リリリリ』の宝珠が盾のオーラを放出してハルペーを受け止めた。
「ならっ!」
 カシムは攻撃対象を宝珠そのものへと切り替え、超高速で飛び回りつつ、何度も宝珠へと切りつける。やがて『勇者リリリリ』の宝珠が我に返ったようにガチデビルの下を離れ、逆にメリクリウスの周囲を巡り始めた。
「今だっ!!」
 その一瞬に、メリクリウスはハルペーを縦横無尽に振るい、ガチデビルの腹部に大きく開いた咢をズタズタに切り裂いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

時織・創
【ドヴェルグ】POW
ゆかりちゃん、ラウラさん、エミリオくんと
先制の悪魔軍&ビームには【始祖のリンゴ】を齧ってパワーアップの【ドーピング】
【材料インベントリー】から【早業】で鉄の壁材を引き出して、壁にしつつ叩きつける!
叩いた討ち漏らしはこの後挽回するよ!
ゆかりちゃんの烈焔陣が周囲を焼いたらUC群衆製作で金と鋼と魔法の石を材料に【地形耐性】を付けたモブ召喚!あたしも耐性付ける!
金40体は先制してきた悪魔軍を処理して、鋼45体は5組に分担!宝珠を叩きまくって!
強力な魔法の石は3体、あたしの【クラフト武器】と一緒にガチデビルを倒すパーティに加えるよ!
くらえ【限界突破・リミッター解除】の【串刺し】だぁ!


ラウラ・シュトラウス
【ドヴェルグ】
POW

あれがガチデビルか……
とにかく全力で叩き潰そう

創、ゆかり、エミリオと協力
先制攻撃とお腹のビームに関しては防御手段が無いから、回避をすることに専念

攻撃をギリギリまで引きつけ、攻撃が来たら[第六感],[見切り]で横に[ダッシュ]あるいは[ジャンプ]で避けるよ

避けたら反撃開始だ
[地形の利用]で窪みやバリケード代わりの物の後ろに陣取って、『”Grater”』の[弾幕]による[制圧射撃]をして宝珠ごと悪魔軍を削ろう
武装は一つに絞ったから弾は沢山あるよ

途中、ゆかりのユーベルコードに巻き込まれないよう距離を取る
攻撃の締めは《The Sweeper》でガチデビルに弾丸の雨を浴びせてやろう


エミリオ・カリベ
【ドヴェルグ】
戦いも大詰め……みんな無茶は禁物だよ?

【集団戦術+戦闘知識】を【瞬間思考力】で活かし古代悪魔軍を撹乱。
【雷撃】魔法による【神罰】の【範囲攻撃】で撃破するよ。
Trueno!(西語で「雷」)

宝珠のビームから仲間を【かばう】魔法障壁【オーラ防御+結界術】を展開。
【爆撃】魔法で反撃。
Explosión!(西語で「爆発」)
キング・ブレインの宝珠(知識)は興味深いかも。

さて、残るは……ゆかりさんに続き僕も少々派手に行くね。
【世界知識+占星術】で星の配置を読み魔力を。
【全力魔法+多重詠唱+高速詠唱+限界突破】で威力を強化したUCを発動。
闇を払い、邪悪を滅する黄金に燃ゆる太陽……覚悟は良いかな?


村崎・ゆかり
【ドヴェルグ】

始まりの魔王! あなたの望み、ここで断つ!

先制攻撃は、折り紙から禽獣の式神を大量生成し、「式神使い」「集団戦術」で古代悪魔軍や植物怪獣と全面衝突させる。
場を膠着させ、押し込まれるのを阻止。

じゃ反撃。派手なの行くから、皆はあたしの後ろへ。
「全力魔法」炎の「属性攻撃」「範囲攻撃」「竜脈使い」「呪詛」「仙術」「道術」で烈焔陣。
式や敵兵も巻き込み、戦場一帯を火の海にする。

「火炎耐性」「地形耐性」を付けて絶陣に突っ込み、敵の間をすり抜けてガチデビルに「衝撃波」伴う薙刀の「なぎ払い」を一閃。
更に「貫通攻撃」で口の中に「串刺し」出来るか狙って。

葬送の送り火にしてはちょっと派手になったかしらね?



●葬送の送り火
「……私は、猟兵達を、決して侮ってはいなかった。だが、猟兵達の力は、どうやら私の想定を遥かに上回っていたようだ」
 『魔王ガチデビル』は、2ndKING『魔王ビストログルメ』の宝珠が生み出す料理を腹の口で喰らってこれまでの戦いの傷を癒しながら、そう述懐する。
「何よりも想定外だったのは、猟兵達にこちらの手の内が全て筒抜けだったことだ。我がユーベルコードも、切り札だった『KING宝珠』の能力も、奴らは知り尽くしていた。それこそが猟兵の強さの秘密ということか」
 だが、最初から手の内が割れていると分かれば、それなりの戦い方がある。ガチデビルは 4thKING『キング・ブレイン』の宝珠の力を借りて、自らの戦闘パターンのアップグレードを開始した。
 だが、ガチデビルのパワーアップをみすみす見逃す猟兵達ではない。
「あれがガチデビルか……。とにかく全力で叩き潰そう」
 駆け付けたラウラ・シュトラウス(放浪者(ワンダラー)・f32573)は静かにそう呟くと、サブマシンガン『Vector SDP-SB Custom “Grater”』の銃口をガチデビルへと向けた。
「始まりの魔王! あなたの望み、ここで断つ!」
 共にやってきた村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》/黒鴉遣い・f01658)も、霊力の籠められた戦闘用折り紙を懐から取り出し、構える。
「あのKING宝珠、どうやって創ったか興味あるんだよね」
 時織・創(クラフトの神・f35818)は『ものづくりの神』の一族として、魔王ガチデビルの周囲を巡るKING宝珠に興味があるようだ。
「戦いも大詰め……みんな無茶は禁物だよ?」
 エミリオ・カリベ(星空と本の魔法使い・f07684)は、それぞれにやる気を漲らせている『蒸気飛行船 ―空中工房ドヴェルグ―』の仲間達にそう念を押す。
「今度は4人まとめてか。面白い、相手をしてやる!!」
 そんな4人に向けて、ガチデビルは召喚した『古代悪魔軍』と『植物怪獣軍団』に突撃を命じた。100体を超す古代悪魔達と、次々と増殖を繰り返す植物怪獣達が、一斉に猟兵達へと押し寄せる。
「先制攻撃に関しては防御手段が無いから、回避に専念するよ」
 そう言って早速周囲の地形をバリケード代わりに回避行動を取るラウラに対し、
「なら、せめて攪乱するように散開しようか」
 エミリオはそう声をかけると、ゆかりと創にもそれぞれ別の方角へ逃れるようにと指示を出した。
 一斉に散開した猟兵達を追うべく、古代悪魔達と、植物怪獣達も分散していく。ここまではエミリオの作戦通り。
 だが次の瞬間、ガチデビルが6thKING『ビームスプリッター』の宝珠の力を借りて腹の巨大な口からビームの奔流を薙ぎ払うように撃ち放った。先ほどまでの戦いでは古代悪魔軍を巻き込むことを恐れて使用を控えていたが、『キング・ブレイン』の宝珠の知恵を借りて作戦を変更したようだ。
「ビームは任せて下さい!」
 そのビームから仲間達を守るように、エミリオは魔法障壁を展開させた。ビームを完全に防ぐことはできないが、多少の時間稼ぎはできる。
 その間に創は『始祖のリンゴ』を齧って人智を超えた知恵を手に入れ、ゆかりは折り紙を折って禽獣の式神を生成していった。
「小細工をする暇など、与えんっ!!」
 ガチデビルがビームの出力を上げ、遂にエミリオの張った魔法障壁を粉砕する。そのままビームは直進し、戦場を薙ぎ払っていった。
 だが、魔法障壁が一時的にでもビームを防いだおかげで、ビームの軌道ははっきりと読み取れる。ならば、戦闘経験豊富なラウラにとって、かわすのは容易なこと。ぎりぎりまでビームを引き付けてから、横っ飛びに跳んでビームを回避することに成功する。
 そして始祖のリンゴによってドーピングした創は、クラフトに使う材料が詰まった『材料インベントリー』から鉄の壁材を引っ張り出すと、それを盾代わりとして身を守った。
「なんとか初撃は凌げたわね。じゃ反撃。派手なの行くから、皆はあたしの後ろへ!」
 ゆかりの叫びに、散開していた他の3人がゆかりの背後へと移動を開始する。当然それを阻止しようと古代悪魔軍と植物怪獣軍団が動くが、それらはゆかりの放った禽獣型の式神とラウラの”Grater”の乱射による弾幕に阻まれ、思うように猟兵達の行動を阻害することができない。さらにそこへ、
「Explosión!」
 エミリオの放った爆発の魔法が炸裂した。そうして敵の軍団が足止めされている間に、3人の猟兵達はゆかりの背後へと辿り着く。
「それじゃ行くわよ! 古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。汚濁に染まりし三昧真火よ。天帝の赦しを持って封印より解き放たれ、地上を劫火の海と為せ。疾!」
 ゆかりの詠唱が終わると同時に、やにわに大地に亀裂が入り、そこから無数の炎の柱が立ち上がった。そして、戦場全体を覆わんばかりに荒れ狂う炎の奔流が古代悪魔軍と植物怪獣軍団を飲み込んでいく。
「ぬううっ! これほどまでに凄まじい魔術を用いるとは!」
 ガチデビル本人は、5thKING『勇者リリリリ』の宝珠が放った盾のオーラの力でその紅蓮の炎に耐えきって見せた。だが、古代悪魔軍と植物怪獣軍団はもはや、壊滅状態だ。
「討ち漏らしはこの後挽回するよ!」
 続いて、創が材料インベントリーから金と鋼と魔法の石を取り出していく。
「ちゃちゃっと作っちゃうね~! ――はい、出来た」
 それらを材料に創が生み出したのは、人型の存在『モブ』だった。
「それじゃ、いってらっしゃーい♪」
 早速創は、40体の金のモブ達を生き残った古代悪魔軍と植物怪獣軍団の殲滅へと向かわせ、同時に45体の鋼のモブ達をガチデビルの周囲を巡るKING宝珠の攻撃へと向かわせる。
「やってくれたな猟兵ども。だが、私が健在である限り古代悪魔軍は幾らでも召喚できる。無駄なことだ!」
 ガチデビルが、宝珠に執拗に攻撃する鋼のモブ達を迎撃しながらも、新たに古代悪魔軍を召喚しようとする。
「そんな時間は与えないよ。……ゆかりさんに続き僕も少々派手に行くね」
 だがそこで、それまで空を見上げて星の配置を読んでいたエミリオが、高速で複数の呪文の詠唱を開始した。
「La fuente de todo el poder……llama caliente……¡Sol brillante!」
 詠唱の完了と同時に、空に燦々と黄金色に輝く巨大な炎球が出現する。
「闇を払い、邪悪を滅する黄金に燃ゆる太陽……覚悟は良いかな?」
 その炎の塊は、エミリオが振り上げていた腕を下ろすのに合わせてゆっくりとガチデビル目掛けて落下していった。
「おのれ! KING宝珠よ、私を護れ!!」
 ガチデビルが『勇者リリリリ』の宝珠にそう命じる。だが鋼のモブ達の集中攻撃を受けていた『勇者リリリリ』の宝珠は、我に返ったようにガチデビルの下を離れていってしまった。
「ぬぐうううっ!」
 やむを得ずガチデビルは召喚した直後の古代悪魔軍を盾代わりとして、炎球の直撃を避ける。その圧倒的高熱の前に古代悪魔達は炎球が触れる前に蒸発するように消滅していき、その炎は直撃を防いだはずのガチデビルの全身をも覆い尽くしていった。
 だがガチデビルは腹の口を大きく開くと、自身を覆っている炎を飲み込み始めた。白亜のごとき全身の装甲を黒く炭化させながらも、遂に炎を鎮火してみせたガチデビルだったが、
「武装は一つに絞ったから弾は沢山ある。全弾叩き込んでボロ切れにしてやる……!」
 そこへ追い討ちをかけるように仕掛けたのは、ラウラだった。”Grater”の銃身が焼き切れるほどの弾丸の集中砲火を、ガチデビルに浴びせかける。その絶え間なき豪雨のような猛攻の前に、既に一部が炭化していたガチデビルの装甲が剥がれ、弾け飛んでいった。
「くっ、だがまだだ。まだ私は敗北していないっ!」
 満身創痍となり、更には全てのKING宝珠を失いながら、なおガチデビルは諦めることなく腕を前方に伸ばした。その腕の動きに合わせるようにガチデビルの周囲の空間が歪み、その中からまたもや古代悪魔軍が姿を現さんとする。
 しかし、銃撃を浴びせ続けるラウラの存在に気を取られていたガチデビルは気付いていなかった。大きく回り込んで側面から突撃してくる3体の魔法の石製のモブの存在に。
 魔法の石で作られた精鋭のモブ達は一斉にガチデビルに組み付き、古代悪魔軍の召喚を妨害すると同時にその動きを封じ込める。
「おのれっ! 人形風情がこの私を封じられるとでも思っているのかーっ!!」
 ガチデビルが身をよじってモブ達を振り払わんとした、その時。
「やーっ!!」
 ゆかりが薙刀『紫揚羽』を一閃させ、発生させた衝撃波でそのガチデビルの動きを妨害した。さらにゆかりは一気に駆け込んでガチデビルとの距離を詰めると、紫揚羽の紫にきらめく刃で、ガチデビルの腹部の巨大な口を刺し貫く。
 更に、猟兵達の猛攻はこれだけでは終わらなかった。
「くらえ! 限界突破を超えた力で、串刺しだぁ!」
 ゆかりから一歩遅れて創が、体全体をぶつけるほどの勢いで、手にした手作りの『クラフト武器』を、ガチデビルの額へ突き刺したのだ。
「ガ……ハッ……!!」
 ガチデビルは2人に刺し貫かれた額と腹の口から大量に血を吹き出すと、仰向けにドウっと倒れる。
「これで倒せた……かな?」
 そのまま動かなくなったガチデビルを見て、エミリオがほっと息を吐いた。
「うん。でも念には念を入れなきゃね」
 ゆかりが再び【烈焔陣】を発動させ、大地から噴き出した炎がガチデビルを飲み込んでいく。たちまちのうちに炎に全身を焼かれ、崩れるように燃え尽きていくガチデビル。
「葬送の送り火にしてはちょっと派手になったかしらね?」
 ゆかりが術を解くと同時に、炎が幻のように消え去っていく。
 こうして最初にして最悪の魔王ガチデビルは、猟兵達の活躍により、とうとう滅び去ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月22日


挿絵イラスト