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銀河帝国攻略戦⑭~駆け抜けた先に

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●片道切符の用意はいいか
「へーい!皆さん順調っすか?コンディションはいかが?まだまだやることは山ほどありますよ!」

 休んでる暇はないですよ。と、グリモア猟兵の零落・一六八(水槽の中の夢・f00429)が集まった猟兵達に話始める。

「さてと、のんびりしてる暇はあんまりないんで、ぼちぼち説明始めますね。
 敵さんも『エンペラーズマインド』を落とされて焦ってるんですかね?
 『白魔』艦隊っていうのが動き出したみたいなんですよ。」

 かつて『伝説の解放軍』を散々に翻弄し苦しめたといわれている艦隊だと説明を続ける。

「これが高速輸送艦を自爆させて、混乱してるところに強襲兵力を投下してくるとか。
 『伝説の解放軍』はこの作戦に対する対応策が無かったらしいんですよね。
 まー、そりゃーそうでしょうよ。自爆特攻ってやられたら厄介ですもんね。」

 芝居がかったようにお手上げのようなジェスチャーをとり、わざとらしく困った困ったと吐き捨てる。

「そこでボクの出番ってワケです。そう、ボク達には輸送艦の内部に入り込む方法があるじゃないですか。――グリモア猟兵の転移が。」

 にやりと笑みを浮かべ、その手の中にグリモアを浮かび上がらせる。

「では、今回の作戦を説明をします。
 今から皆さんには輸送艦の内部に転移してもらいます。
 残念ながら、ちょくでコアルームまではいけないので、そこから一本道。
 敵を蹴散らし、コアルームまで全力で駆け抜け、輸送艦を爆破させてください。
 敵は多すぎて全滅は不可能なので、余計なことは考えずまずコアルームです。
 中の自爆装置を起動させたら、すぐ転移するんで安心してください。」

 自体は一刻を争う。一六八は説明をしながら少しずつ転移の準備を始める。

「さて、転移したら敵地のど真ん中。皆さん、準備はいいですか?行きますよ!」

 その掛け声と共に猟兵達は高速輸送艦の内部へと送り出されるのであった。


山野芋子
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 こんにちは少しお久しぶりです。山野芋子です。
 折角の初めての戦争なので微力ながら私も参加させていただきます。
 純戦闘です。判定は普段よりややシビアです。
 細かいことは気にせずぶちかましてやってください。
 よろしくおねがいします。
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第1章 集団戦 『彷徨うウォーマシン』

POW   :    多弾頭型収納ミサイルポッド
レベル分の1秒で【腰元から複数の誘導ミサイル】を発射できる。
SPD   :    演算処理
【高性能ソナーによって】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    近接形態
自身に【強化外骨格】をまとい、高速移動と【スラスター】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クラウシス・ゴドリベント
追い詰められ、死兵になった敵ほど恐ろしいものはない。
ここでまとめて討ち取れるならば、一気に叩かなければならないね。

そのためにも、僕は皆の盾になろう。

転移した後は即座に先頭に立ち【衝撃波】と【念動力】、サイコキネシスで通路にいる敵を押しのけて道を開かせる。
その後大盾を構え、【盾受け】と【オーラ防御】でガードしながら【ダッシュ】し、敵の攻撃から味方をかばいつつ前進。
後続の味方の体力の温存を優先、速度が遅れ始めたら殿へ移動し後ろから来る敵をサイコキネシスで牽制しつつ、盾で防御。近距離まで迫った敵に対し【早業】と【二回攻撃】で迎撃し、味方への被弾を最小限に押し止める

アドリブ歓迎


フローリア・ヤマト
「敵の数が多いわね…
私が食い止めるからみんな先に行って!」
彼女は能力を発動させる。
「アンタらロボットって何で仲間を攻撃しないかわかる?」
彼女の能力「侵黒」で機能停止したウォーマシンを人形のように操り始める。
「仲間の機体は攻撃できないようにプログラミングされてるからよ!」
狙われない機体を手にした彼女は他のウォーマシンを襲い始める。

(他の方のプレイングでウォーマシンが何体か倒れてから、それを操る形で採用して頂けると有り難いです)


フォルク・リア
「やれやれ、自爆とは何とも色気のない策を立てる。
なら、此方は丁重に潰して差し上げるとしようか。」

転送されたら仲間(いれば)と連携して兎も角先に進む事を優先し。
自分は機械が苦手なのでウォーマシンの足止めや
道を開く事を主に行う。
真羅天掌で氷雪の風を起こし、氷で固めて移動を妨害。
氷結箇所を選べるなら出来るだけ
脚部やミサイル、ブラスターの発射口を狙う。
完全に足止め出来なくても。移動、攻撃範囲を狭め、
駆抜ける隙を作り、ダメージより妨害を優先。
通路上に敵を密集させ数の利を生かさせない。
敵が密集箇所に【全力魔法】。
氷で固めた敵は他の敵からの攻撃の盾にする等利用。
場合により自分が留まり仲間を先に行かせる。


荒月・紫音
1体1体相手にしていたら、面倒だし、時間も無い。
だったら、一気に駆け抜けるのが一番だよな!

「さて、出し惜しみ無しだ。飛ばしていくぜ!」
初っ端から【炎舞昇舞(フレイヒール・サルサ)】で
攻撃しつつ、俺の方におびき寄せて引きつける。
敵が近づいてきたり、横に避けたりして通れそうな隙間が出来たら、
スライディングや見切り使って、
敵や敵の攻撃を避けつつ、コアルームまで駆け抜けるぜ。

アドリブや絡み、歓迎だぜ!


堕地・シャッテンリヒト
アドリブ、他の参加者との連携絡み歓迎

一本道ね。なら、駆け抜けるだけよ。
この私の初陣に相応しいシンプルかつ大量に斬れるいい機会じゃない。

【妖剣解放】を使い、敵の数が少ないところを狙い突っ込むわ。
突っ込みつつ足や腰を狙って【鎧砕き】を狙って斬撃を放つ。
動けなきゃ、追ってこれないでしょ?

出来るだけ多くの敵をぶっ壊してやりたいけれど、無茶は禁物ね。他の猟兵の手の回らなそうなところを支援する形になるかしら。

敵陣を突破したらとっとと自爆させて撤退しましょ。
花火は遠くから見るに限りますもの。



●壁を打ち砕け
 転移が完了すると異物を感知した輸送艦の内部に、赤い警報ランプが点滅し、けたたましい警告のブザーが響き渡った。
 顔を持たぬウォーマシン達が突如現れた外敵の方へと視線を向ける。
 人であれば状況を把握するまで数秒要したであろう。しかし、機械の脳が演算によって高速ではじき出した答えに迷いはない。
 猟兵達を取り囲むウォーマシンが一斉に照準を合わせ、おびただしい数のミサイルを発射する。
 その間、猟兵達の転移が完了して1秒にも満たない出来事だった。

 刹那、轟音が鳴り響く。

 いくら猟兵とはいえ、転移したばかりの無防備な状態でそれに直撃したのならただでは済まない。
 爆発によって引き起こされた煙が辺りを埋め尽くす。
 徐々に煙が晴れていく。
 その中心には、煌々と輝く王家の紋章、身の丈ほどもある巨大な盾が一斉に放たれたミサイルから猟兵達を守っていた。
 クラウシス・ゴドリベント(流浪のプリンスナイト・f03839)が転移して即座に動けるように備えていたのが幸いしたのだろう。
 ウォーマシン達が侵入者の生体反応が消えていない事に気づくと、盾という防御手段に対しては後ろから回り込むことが有効であると判断したようだ。
 モーター音を響かせ、接近形態にその姿を変化させる。背中のスラスターにより、高速で複数のウォーマシンが接近してきた。
 クラウシスが念動力によって軌道を逸らそうと試みるが、パワーで押し切られてしまう。

 その時だった。
 流れる空気の温度が急激に下がっていく。

 真羅天掌によって巻き上がった風にフォルク・リア(黄泉への導・f05375)のローブがふわりと靡く。
 薄氷色の光が冷気を纏い、急速に周囲へ広がっていく。床はピキピキと音を立て凍りつき、スラスターによって移動していたウォーマシンがわずかにバランスを崩す。
 その僅かな隙にクラウシスがサイコキネシスで進行方向を捻じ曲げる。滑りやすくなった氷の床に猛スピードで移動していた勢いも加わり、機械達は勢いよく壁に打ち付けられた。

(この私の初陣に相応しいシンプルかつ大量に斬れるいい機会じゃない。)

 堕地・シャッテンリヒト(影光じゃないよ。シャッテンリヒトだよ。・f14303)は不敵な笑みを浮かべるとその刀に怨念を宿らせる。
 白鞘を抜き、フォルクによって氷結されバランスを崩した機体へ刀を振るった。
 妖刀から放たれた斬撃は黒く軌道を描き、凍った鉄を斬り砕く。

「さて、出し惜しみ無しだ。飛ばしていくぜ!踊ろうぜ、情熱的にな!」
 
 荒月・紫音(光現の歌舞手・f06279)が床を踏みしめ力強く足音を刻む。
 全身の律動が血を沸き立たせ、紫音の動きによって生み出された風の流れに、徐々に橙色の炎が燈る。
 氷を逃れた機体は炎舞昇舞(フレイヒール・サルサ)により燃え落ちていく。
 襲い来るウォーマシンは1体1体は猟兵からすれば恐れるに足らない。しかし、それ以上に数が多すぎた。
 機体は次から次へと湯水のように投下され、外敵をコアルームにさえ近づけなければそれでいい、代わりはいくらでもいるとでも言わんばかりに、猟兵達の行く手を阻み立ちふさがる。
 だからなのだろうか、高性能ソナーが搭載された機体であるにも関わらず回避行動ではなく、むしろ進行を邪魔するように踊り出くるのだ。おそらく、そうプログラムされているのだろう。

「やれやれ、自爆とは何とも色気のない策を立てる。」

 この艦隊も、内部の機械兵達もそうだ。
 使い捨ての消耗品。死ぬ為に相手に突撃していく。
 その様子にフォルクは呆れたように呟いた。
 ピキピキと音を立て、氷ついた機械の足が冷気に耐え切れずに砕け散る。
 コアルームまで駆け抜けようにも道を塞ぐ機械の兵の隙間を作らなければならない。
 倒した数よりも追加される機械の数が上回っている現状では、なかなか道を開くことができなかった。
 
「敵の数が多いわね……。」

 このまま膠着状態では時間切れになってしまう。
 敵側は時間さえ稼げれば目的を達成できるが、こちら側はそうは行かない。
 フローリア・ヤマト(呪いと共に戦う少女・f09692)が後方から状況を見据え左手を翳す。
 銀色の指輪が黒く輝き、呪いの力によって侵食された指先から影のような糸が地面に転がる機体へと伸びていった。

「アンタらロボットって何で仲間を攻撃しないかわかる?」

 ゆらり。

 自らの力では立つことのできない機械達が、フローリアの侵黒により再び立ち上がる。
 体が欠け、起動ランプも消え、確実に停止しているはずの機体が、金属の体を軋ませて、何とか重心を安定させ、そして仲間だったはずの機械へと向き直り、そのまま少し鈍くなった動きで襲いかかった。

 そこで初めて、演算によって動いていた機械の動きに隙が出来る。
 ピピピと機体を識別する。登録されている番号であり、仲間であるはずの機体による想定されていない攻撃に反応が遅れたのだ。

「仲間の機体は攻撃できないようにプログラミングされてるからよ!」

 こんな事態はプログラムされていなかったのだろう。
 現状に合わせ演算が修正されるよりも先に、フローリアによって操られた機体が激突し、機能停止させられる。

「大海の渦。天空の槌。琥珀の轟き。平原の騒響。宵闇の灯。」

 戦いは一瞬の判断で状況が変わる。敵の動きが僅かでも止まったことにより、戦況が切り替わる。
 フォルクは詠唱と共に魔力を全身に蓄積させていく。
 覆うように回転している風が徐々に凍てついていき、地には薄氷色の光で魔方陣が浮かび上がる。

「人の世に在りし万象尽く、十指に集いて道行きを拓く一杖となれ。」

 その言葉と同時に、強大な魔力が一気に放出された。
 突風が巻き上がる。
 全てを凍らせる吹雪のような暴風が、目の前の機械達を巻き込んで行く。
 氷雪が止んだ後、そこに残るのは氷ついて動けなくなった鉄の塊だけだった。

 道は拓かれた。


●その先まで駆け抜けろ
 戦いの流れが変わった。
 フォルクの大規模な魔術により拓かれた道を、敵を、更に広げるようにクラウシスが盾で押し進める。
 進行が可能となった通路へ紫音とシャッテンリヒトが駆け出していく。
 炎を纏い、舞い踊るように隙間を縫っていく紫音、迷いなく突き進み阻む敵を切り伏せながら進むシャッテンリヒト。
 当然、倒された分だけ敵は追加されていく、追うように放たれたミサイルへ、フローリアの侵黒によって操られた機体がぶつかり爆発させる。

「私が食い止めるから先に行って!」

 礼は後だ、今はただ、この一本道の先へと駆け抜ける。目指すのはコアルーム。
 フローリアが対応しきれない敵は、フォルクの冷気が機械の間接に流れ込み、的確に動きを封じる。
 ほんの僅かでいい、僅かに動きが遅らせられれば、走り出した二人を止めることは出来ない。その一瞬の停止が駆け抜ける者への活路となる。

 一度停止した機体が、スラスターの熱で再び動き始めた。
 高速移動で背後から襲いくるウォーマシンの鋭い足が、先を目指す二人を襲いかかる。

 瞬間、金属が衝突する音と、強い衝撃によって走る閃光。
 素早く滑り込んだクラウシスが進む二人の後ろで盾を構えてその攻撃を防ぐ。
 進み続けて隙だらけになるはずの背後は、たった一人の騎士によって難攻不落の城塞となる。

「こちらは僕が盾になろう!二人はコアルームへ!」

 背後の守りはクラウシスにより強固になり、フローリアとフォルクによって開かれた道を駆け抜けた。
 取りこぼした僅かな敵を切り伏せ、燃やしつくし、厳重に閉ざされたコアルームの扉が見えてくる。
 フォルクが扉を凍らせる。凍ったことにより脆くなった扉に、付近に倒れていた機体をフローリアが操り向かわせた。
 壊れた機体ではクラスターの使用は不可能で、動きは鈍い、しかし機転を利かせたクラウシスがサイコキネシスによってその機体を押し出すことにより、高速な移動を可能にする。
 二人が扉へと辿り着く。
 踊るように放たれた紫音の炎によって温度差にピシッと扉が軋み、罅割れる。
 走り抜けた勢いを殺さぬままシャッテンリヒトが衝撃波を放つのと、操られた機体が扉へと衝突するのはほぼ同時だった。
 頑丈な鉄の扉はガラスが割れるような音を立て砕け散る。
 そのまま止まることなくコアルームへと転がり込んだ。
 幸い、それらしき装置は入ってすぐに目に付いた。

 扉の破壊に注力したことで、一体二体と、倒しきれなかったマシンがコアルームの侵入者を排除しようと動き始める。
 猟兵達にはその攻撃を対処する時間は残されていなかった。
 自爆装置を起動させるのが先か、マシンが二人に追いつくのが先か。
 放たれたミサイルが、起動装置へ向かう二人に迫ってきていた。
 だが、たった一人で目指しているわけじゃないのだ。
 紫音がシャッテンリヒトの背中を押す。

「いっけええええ!」

 それにより加速したシャッテンリヒトが薄い板で守られたスイッチを柄を叩きつけ押した。
 それはミサイルが着弾する直前のことだった。
 スイッチが押されてすぐさま猟兵達の転移が開始する。
 標的の居なくなったそれが爆発するのと、猟兵達が居なくなった輸送艦が爆発するのとではどちらが先だったのだろうか。
 どちらにせよ目的地に辿り着くことなく、それらはもう宇宙の塵へと還る。
 帰還した猟兵達にその花火の音が聞こえることはなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト