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7thKING WAR㉖〜原初にして最悪の魔王

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #1stKING『魔王ガチデビル』

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#7thKING_WAR
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#1stKING『魔王ガチデビル』


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●グリモアベース
「みんな、聞いて! オブリビオン・フォーミュラの出現を予知したよ!」
 翡翠色のドレスを着たグリモア猟兵シスカは大声を張り上げた。半月ほど続いた魔界での戦いもいよいよ最終局面。ついに、オブリビオン・フォーミュラ、『魔王ガチデビル』の居場所への道が開けたのだ。

「元々、魔界の住民たちは悪魔とは名ばかりでみんなとても良い子なんだ。でもデビルキングワールドで唯一、生まれながらに「邪悪さ」を有していた存在がいた。それが初代デビルキングであるガチデビルだ。そもそも、魔界の悪魔たちをワルたらしめているデビルキング法は、ガチデビルを倒すために生まれたものなんだ」

 シスカはカンニングペーパーを見ながら、魔界の歴史について猟兵たちに解説した。

「復活したガチデビルは強敵だよ。こちらがユーベルコードで攻撃しようとしても、必ず先手を取ってくるだろう。戦う前に敵のユーベルコードの対策を考えておいてね 。あと、ガチデビルキングは『KING宝珠』を使ってくる。これにも注意して!」

 ガチデビルが作り上げたKING宝珠は2stから6stまでの歴代の魔王の力を秘めた宝珠だ。それらは以下のような力を秘めている。
 2ndKING『魔王ビストログルメ』の宝珠:様々な料理を作って食べさせ、所有者を回復する。
 3rdKING『堕天使エンケロニエル』の宝珠:所収者に従う「植物怪獣軍団」を召喚し続ける。時間経過でねずみ算式に増える。
 4thKING『キング・ブレイン』の宝珠:新たな知識を脳内に流し続け、戦闘時間に比例して所有者を強くする。
 5thKING『勇者リリリリ』の宝珠:宝珠自身が盾のオーラを放出しながら飛び回り、所有者を護る。
 6thKING『ビームスプリッター』の宝珠:所有者は通常のユーベルコードと同時に「腹からビーム」を撃てるようになる。命中精度・ダメージ共に大。

「無策で挑めば敗北は必至だろう。でもこの宝珠には弱点がある。それは宝珠は一定のダメージを与えれば猟兵に屈服し、魔王を裏切って猟兵に寝返ってしまうことだ。宝珠には自我があるらしく、魔王に絶対の忠誠を誓っているわけじゃない。パワーイズジャスティスな仕様なんだ」

 恐らくはガチデビルが意図してそうなったわけではないのだろう。だがこの弱点は猟兵が多いに利用できる。

「先制攻撃をなんとか凌ぎ、宝珠を味方につけてその力を利用してガチデビルを叩く。それがこの戦いのセオリーになると思う。説明は以上だよ。じゃあ、準備ができた人からよろしく!」


大熊猫
 こんにちは。大熊猫です。数あるシナリオの中より本シナリオをご覧いただきありがとうございます。いよいよ魔界の最終決戦ですね。本シナリオはガチデビル「大罪形態」との戦いとなります。

●プレイングボーナス
 ①敵の先制攻撃に対処する。
 ②「KING宝珠」を味方にする。
 ※プレイングが①②の両方を満たしている場合はボーナスも2つ分乗ります。なお、宝珠はガチデビルが死ぬと一緒に消え去ります。

●文字数省略用記号
 アドリブ歓迎→☆、連携歓迎→★、何でも歓迎→◎(☆★と同じ)、ソロ描写希望→▲。

●合わせプレイングについて
 グループ参加の場合は、迷子防止の為プレイング冒頭にグループ名をご記載下さい。

●受付について
 OP公開時より受付開始いたします。
 オブリビオン・フォーミュラ戦ですが、2st宝珠みたいなお笑いっぽい要素もあるのでコメディ寄りのプレイングでもOKです。ご興味がありましたらよろしくお願いいたします。
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第1章 ボス戦 『1stKING魔王ガチデビル大罪形態』

POW   :    『傲慢』
【真なる魔王の姿 】に変身する。変身の度に自身の【操作中のKING宝珠】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
SPD   :    『暴食』
【腹部から放つ顎状エネルギー『暴食顎』 】が命中した敵から剥ぎ取った部位を喰らう事で、敵の弱点に対応した形状の【魔王】に変身する。
WIZ   :    『色欲』
【闇色の魔力障壁 】を纏わせた対象1体に「攻撃力強化」「装甲強化」「敵対者に【ガチデビルと悪魔契約したい気持ち】を誘発する効果」を付与する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スピカ・ネビュラスター


残念だけど、誰かの下に付くのは趣味じゃ無いね
呪詛耐性で悪魔契約したい気持ちになんとか抵抗して、『星天支配』を発動するよ
事象改変による治癒だから、特殊な効果も回復出来るはず
他にダメージを受けてたら一緒に回復だ

さあ、これが最後だし派手に行こうか
惑星直列からの天変地異を巻き起こし、KING宝珠にダメージを与えていくよ
4と6が優先かな。火力や強化を失わせれば、負ける要素は減るからね
それからは2と3を味方にして、最後に5の盾を奪ったら
合体してるアークツルスから放つ6のビームで攻撃するよ

デビルキングの座はキミにふさわしくないね!

●姿は「https://tw6.jp/gallery/?id=127930」


ルドラ・ヴォルテクス


思い出せ、俺の矜持、使命、守るべきは……。

【先制対策】
祈り、それは未来を望む心。
覚悟、それは未来を暴虐から奪還する意志。
ストームブリンガーの勇気、闘争心が従属を許さない。

【ジャガンナート】
ジャガンナート形態、限界突破、リミッター解除!
俺を止めることはできない、まずは四の宝珠!タービュランス!巻き上げろ!
六の宝珠、インシネイト!焼灼せよ!三の宝珠、ラプチャーズ!爆散しろ!五の宝珠、アンピュテイター!両断する!二の宝珠、エレクトロキュート!溶断しろ!
全ての宝珠をこちらに従えた時、強化されたジャガンナートは誰にも止められない!チャンドラーエクリプス!突撃形態!魔王を蹂躙する!



●服わぬ者達
「この現状。私の力不足を認めねばなるまい」
 魔王ガチデビルは独りごちる。悪魔達を過少評価していたわけではない。猟兵を侮っていたわけでもない。両者とも刺激せぬよう慎重に計画を進め、万全の状態で此度の戦いを始めたつもりだった。にも関わらず、ガチデビルはこの戦争に敗北しようとしている。異世界より招き寄せた最強の魔王たちは悉く敗れ去り、猟兵達はこの暗黒魔王殿にまで迫りつつある。
「――だが、デビルキングにならずとも、猟兵達の猛攻を凌ぎ続ければ、『悪魔契約書』を幾らかはばら撒き、あわよくば逃げおおせるかもしれぬ」
 ガチデビルが悲壮な覚悟を固めたその時であった。

「今更逃げられると思うか? ガチデビル」
「チェックメイトだよ、1st。キミを逃がすわけにはいかないんだよね」
「――来たか」
 魔王の眼前に二人の猟兵が姿を現した。『嵐闘雷武』ルドラ・ヴォルテクスと『銀河の魔女』スピカ・ネビュラスターだ。

「我が計画はまだ終わらぬ。私は魔王だ。私に従うがよい、猟兵たちよ」
「ぐっ……!」
「これは……!」
 ルドラとスピカの体を魔王の魔力が包む。その瞬間、二人の全身が闇色の障壁に包まれ、力が溢れてきた。魔王が魔力を分け与えているのだ。無論、魔王がタダで力を分け与えるはずもない。二人の内には魔王と契約し、彼の軍門に下りたいという強烈な欲求が渦巻き始めた。

「この力が欲しいだろう? 力を望むのなら私に従うがいい」
 魔王は邪悪に笑う。だがルドラは悪魔の誘惑に全力で抗い、その支配を跳ねのけようとしていた。

「思い出せ、俺の矜持、使命、守るべきは……」
 祈り、それは未来を望む心。
 覚悟、それは未来を暴虐から奪還する意志。
 荒廃した不毛の大地の景色と、武器を手に取り、支配に抗う人々の姿がルドラの視界で明滅する。そう、ルドラは人類の大半が死滅し、滅びかけた世界を救う為に再誕した『ストームブリンガー』だ。彼の内に宿る勇気と闘争心は誰にも奪えず、邪悪への従属を許さない。
「断る!」
 ルドラが吠えると、その姿が破壊的なものに変貌していく。これぞ『不可抗の蹂躙戦者』(ジャガンナート)。暴風の化身たるルドラの蹂躙形態だ。

「残念だけど、誰かの下に付くのは趣味じゃ無いね」
 スピカは笑う。彼女は強大な魔王の誘惑に「己もラスボスである」という誇りと呪詛耐性で抗い、跳ねのけた。

「何ッ!? よかろう、ならば死ぬがよい!」
 魔王は二人を支配下に置くことを諦め、猛然と突撃してきた。

「さあ、これが最後だし派手に行こうか」
 スピカは自らを銀河の魔女たらしめる媒介『魔界渾天儀』に魔力を注ぎ込み、とっておきのウィッチクラフトを発動させる。
「さあて、キミはどうしてあげようかな……?」
 スピカが薄く笑った瞬間、空から目も眩む輝くを放つ流星の雨が降り注ぎ、ガチデビルの居城を撃ち抜いた。
「こ、これは……ッ!?」
 流星の正体は惑星直列(フルパレード)による天変地異だ。スピカは得意とする天体操作で宇宙をキャンバスに見立て、星の魔力で自身のウィッチクラフトを強化、天変地異レベルの大魔法を行使しているのだ。絶え間なく降り注ぐ隕石の嵐は魔王を守る宝珠を傷つけていく。特にスピカが集中的に攻撃しているのは魔王に腹からビームを放つ力を与える6thの宝珠だ。矛たる6thを剥ぎ取られれば、魔王は守勢に回らざるを得ない。

「ジャガンナート形態、限界突破、リミッター解除! 俺を止めることはできない!」
 魔王の注意が天に向いた隙を突き、暴風そのものとなったルドラは魔王へと突撃した。すると、主を守らんと4thの宝珠が魔王にその対抗策となる知識を流し込む。

「させん! タービュランス! 巻き上げろ!」
 ルドラはすかさず4thの宝珠へと剣を叩きつけた。猛烈に乱回転する旋風が宝珠を巻き上げ、叩きつけられた刃がヒビを入れた。二人の猛攻に屈服したのか、二つの宝珠はあっさり二人を主と認めた。

「残りは3つだな。3と5は俺がやる」
「オーケー。じゃあボクは2だね」

 ルドラとスピカは二手に分かれ、魔王から残りの宝珠を引き剥がすべく、さらなる攻撃を加える!

「ラプチャーズ! 爆散しろ! アンピュテイター! 両断する!」
 炸裂したエネルギーグレネードが3rdの宝珠を吹き飛ばし、弧を描いて飛ぶビームアックスが5thの宝珠に亀裂を入れた。
「これこそが銀河の魔女のウィッチクラフトの真髄さ」
 スピカがタクトのようにスタッフを振ると、超小規模がブラックホールが発生し、2ndの宝珠を飲み込んだ。メキメキと軋む音を立てていく宝珠。やがて二人の攻撃に耐えかねたのか、全ての宝珠が二人に屈服した。

「く……! おのれ……!」
 魔王は苦し紛れに拳を振り上げ、二人へと襲い掛かったが――。

「チャンドラーエクリプス! 突撃形態! 魔王を蹂躙する!」
「デビルキングの座は君にはふさわしくないね! 喰らえ!」
「ぐおおお――ッ!」

 巨大な顎(あぎと)の形状となった二対の剣が魔王の肉体を深々と切り裂き、魔王は膝をつく。そこにスピカの魔星からビームが放たれ――、直撃を受けた魔王は光に呑まれ、城の外まで吹き飛んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルイ・エルドレッド
★ 

「さぁて、行きますか」
『初戦争のラスボスだナ? クックック、楽しみだ』

まず敵の能力にこちらは世界浸食ソフト『OPUS』を駆使し【ハッキング】。世界を書き換えて弱体化。これで周囲へのアシストが出来るはず。【戦闘知識】も役に立つ。

「さぁ後は頼むぞ」

そのままUCを発動し、今まで共に戦った猟兵たちをコピーした兵を大量に召喚。一部には宝珠への攻撃を任せ、もう一部には他の猟兵へとアシストを命令する。これで場は整った。

「こっちは独りじゃないんだ」

装備しているアルターとユーナを召喚。アルターは強力な金剛斬、ユーナは【属性攻撃】による必殺技、敵を干からびさせる“ウィザーレイン”。ルイも合わせて斬撃を放った


龍巳・咲花

植物怪獣を盾にしたり、分銅と鎖を巻きつけ急制動の回避に使ったりしながら、先制攻撃の暴食顎を回避するでござるよ!

そのまま3rdKING宝珠へ爆弾化した鱗を投げつけダメージを蓄積させるでござる
上手く味方に付いたら、植物怪獣軍団と共に残りの宝珠を攻撃したり遠ざけたり、ガチデビルを押さえつけてもらったりして動きを抑えてもらうのでござるよ

隙ができたところでその大きな口の中へと爆弾化した鱗を全て突っ込んでやるでござる!
序に鎖と分銅で口の中にある白羽の矢に絡みつかせて、爆発に合わせて引っこ抜けるか試してみるでござるよ!
世界の為にもお主には7thKING候補の座から退いてもらうでござる!



●兵は詭道なり
「ニンニン! 見つけたでござる!」
「さぁて、行きますか」
 身を隠し、先刻の戦いで受けた傷を癒していた魔王ガチデビルの前にまた新たな猟兵達が現れた。『隠しボス』ルイ・エルドレッドと『バビロニア忍者』龍巳・咲花である。
『初戦争のラスボスだナ? クックック、楽しみだ』
 ルイの影から邪悪な雰囲気の声が聞こえた。彼の影に潜む相棒、契約魔獣『ジーク』の声だ。

「既に傷は癒えた。私の力を思い知るが良い。『暴食』、『色欲』」
 魔王が厳かに呟くと、魔王の腹部から巨大な顎状のエネルギーが飛び出し、咲花を食らおうと牙を剥いた。同時にルイを闇色の魔力が包み込み、彼の内にガチデビルと契約したいという抗いがたい欲求がこみあげてきた。さらに魔王の闘志に呼応し、宝珠が召喚した夥しい数の植物怪獣の群れが二人へと襲い掛かった。

「ニンニン! 変わり身の術でござる!」
 咲花は必死に鎖分銅を投げつけ、手近な怪獣の足へと巻きつけた。そして力いっぱい引っ張り、自身の盾へとすべく怪獣を引き寄せる。果たして間に合うか。それは正に刹那の攻防であった。
 バクン! 魔王の顎が豪快な音を立てて閉じた。
「む……!?」
「危なかったでござる」
 グシャッ。ボリボリ。耳障りな咀嚼音が響く。あと一瞬動作が遅れていれば、咲花自身に魔王の牙が食い込んでいたに違いない。

「……解せんな」
 ガチデビルは訝しむ。自分は確かに間に合った。瞬きほどの差ではあったが、身代わりは間に合わず暴食の顎はあのくの一に突き刺さっていたはずだったのだ。だが顎が命中する寸前、まるで一瞬時が時が消し飛んだかのようにくノ一が瞬間移動し、顎には植物怪獣が刺さっていた。

「どうした、魔王? 肝心な時にラグったか?」
 ルイが笑う。先刻の魔王の攻撃を妨害したのはルイの仕業だ。彼は魔王のユーベルコードを受けながらも、秘かに世界浸食ソフト『OPUS』を起動していた。その結果、魔王の攻撃に僅かな遅延が発生し、攻撃の当たり判定が消失したのだ。それはほんの僅かな時間だったが、その刹那が咲花を救った。さらにルイは自身を包んでいる魔王の障壁もハックし、弱体化させることで強引にユーベルコードを霧散させた。

「龍陣忍法・バビロニアン・ムシュマフ・スケイル! の術でござる!」
 咲花が片素早く印を結ぶと、炎竜ムシュマフから大量の鱗が剥がれ落ちた。咲花は鱗を両手でつかみ、雨あられと宝珠へと投げつける。
 ドカンドカンドカン! 3rdの宝珠に突き刺さった鱗は連鎖的に爆発を起こし、傷付いた宝珠は既に召喚されていた怪獣達もろとも、咲花に寝返った。
「怪獣たちよ! ガチデビルを足止めしてほしいでござる!」
 咲花が号令をかけると、植物怪獣達は一斉にデビルキングへと襲い掛かった。
「ええい、離せ! 誰が主かも分からぬか!」
 魔王は際限なく呼び出される怪獣達に注意を割かざるを得なくなり、猟兵達への警戒が薄れた。

「さぁ後は頼むぞ」
 ルイの影から百を超える数の魔物が飛び出した。彼らは『猟兵の擬態召還(オマージュミミック)』。ルイが今まで共に戦った猟兵たちの能力をコピーした魔物達だ。耐久力こそ紙だが、その攻撃力は本物に限りなく近い。剣、銃、牙――。一体一体が全く異なる戦法を持つミミック達の攻撃を解析することは4thKING『キング・ブレイン』の宝珠にも叶わなかった。約半数が宝珠を攻撃し、もう半分は魔王へと襲い掛かった。ルイ自身は魔王の攻撃に回っているミミック達に紛れ、魔王へと近づいて行く。

「こっちは独りじゃないんだ。来い! アルター、ユーナ」
 ギリギリまで魔王に近づいた時、新たにゴルドオークのアルターと単眼の魔獣ユーナが召喚された。ルイはアルターの金剛斬、ユーナのウィザーレインと合わせ、自身も斬撃を放つ。
「ぐおおっ……!」
 植物怪獣とミミック達に気を取られ、反応が遅れたデビルキングはルイ達の合体攻撃をまともに受け、大きくのけぞった。
「調子に乗るな!」
 魔王は腹からビームを放ち、ルイ達やミミック達をまとめて薙ぎ払う。だが、ルイはOPUSでビームの出力を書き換え、なんとか威力を抑えた。その瞬間、魔王の注意は完全にルイ達の方を向いていた。だがこの場にはもう一人の猟兵――咲花がいたのだ。

「世界の為にもお主には7thKING候補の座から退いてもらうでござる!」
 ミミック達に紛れ込み、間合いを詰めていた咲花が狙いを付けたのは魔王の腹の口の奥に突き刺さっている『白羽の矢』。ガチデビルが7thKINGとなるためには必要不可欠なものだ。
「貴様! この矢は絶対に渡さんぞ!」
 咄嗟にガチデビルは口を堅く閉ざし、全力で己の白羽の矢を庇った。庇ってしまった。
「隙あり、でござる!」
 咲花はデビルキングの体に鱗全てを巻きつけた鎖分銅を巻き付け、一斉に起爆した!
 カッ!
 轟音と共に紅蓮の花が咲き、ガチデビルを呑み込む。

「ぐうっ……! おのれ……」
 手痛いダメージを負った魔王は口惜し気に呟くと、空を飛んでその場から離脱した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

桐嶋・水之江

現れたわねマヂデビル
ワダツミでお相手するわ

魔力障壁で益々強くなるのね
しかも何故か悪魔契約したくなってきたわ
なら発想を転換するのよ
悪魔契約しちゃってもいいやと
ほら私と契約してデビルキング水之江にしなさいよ
ダメ?ケチ

KING宝珠…略してKIN珠の2と4と5はどうにもならないとして、3にはメガビーム砲で反撃して少しでも数を減らすわ
6のKIN珠ビームはプロテクトフィールドと装甲厚で耐えるしか無いわね
耐え切れたら水之江キャノンで仕返しよ

狙いは6のKIN珠
味方に付けたらユーベルコードキャンセラーを発動
魔力障壁を無力化するわ
同時に6のKIN珠ビームが出る筈ね
UCの守り無しで喰らったらかなり痛いわよね?



●空の魔王
「――空から何か来る……また猟兵か」
 岩陰で体を休めていたガチデビルは追手の気配を感じ取り、空を見上げた。
 ギュイイイイン……!
 その直後、巨大な空飛ぶ船が上空に出現した。桐嶋・水之江が愛用の強襲揚陸艦ごと戦場へと転移してきたのだ。
「見つけたわよマヂデビル。ワダツミでお相手するわ」
 水之江は全速力でワダツミを魔王に突っ込ませながら、魔王を消し炭とすべく主砲を魔王へと向けた。
「遅い!」
 だが、主砲が発射されるより早くガチデビルは動いていた。同時にガチデビル守る五つの宝珠たちが主を守護するべく動き出す。
『色欲』
 魔王がそう呟いた瞬間、ワダツミのブリッジにいた水之江の全身を闇色の魔力障壁が包んだ。魔王の障壁に当てられた水之江は何故かガチデビルと悪魔契約したい気持ちがこみあげてきた。
「さあ、私と契約せよ。さすれば永遠の若さを授けよう」
「……へえ」

 それは悪魔の囁きだった。水之江(37才)は思わず誘惑に屈しそうになったが、発想を転換した。どうせ契約するなら、もっとこちらに有利な条件で契約すればいいのだ。
「契約してもいいけど条件があるわ。私を7th KINGにしなさい。それが私からの条件よ。ほら私と契約してデビルキング水之江にしなさいよ」
 厚かましくも水之江は契約の代価として自身がデビルキングとなることを要求した。だが、この戦争の発端となったのはそもそもガチデビルが7thデビルキングになろうとした為だ。この条件で契約してもガチデビルに意味はないし、そもそもガチデビルの一存では水之江を7thデビルキングにすることはできない。
「くっ! この年増が! 調子に乗りおって!」
「な ん で す っ て ?」
 聞き捨てならぬ一言に水之江は眉を吊り上げた。ガチデビルはもはや殺し合うしかないとビームを撃つ。しかし水之江はワダツミのプロテクトフィールドを被弾部分に集中させ、ガードした。流石オブリビオン・フォーミュラというべきか、圧倒的な熱量のビームを浴びてワダツミの装甲がみるみるうちに溶解していくが、水之江はプロテクトフィールドの構造を対魔王仕様に組み替え、なんとかビームを弾き返した。

「楽に死ねるとは思わないことね」
 水之江は魔王顔負けの台詞を吐いた後、魔王に向かってワダツミの対艦ミサイルを全弾ぶっ放した。すぐさまガチデビルを守護する宝珠が起動し、ミサイルを弾き返しつつ、植物怪獣軍団をワダツミへと取りつかせた。怒りに燃える水之江はメガビーム砲で怪獣達を焼き払いつつ、反撃の目を探る。
「狙いは攻撃の役割を担っている6のKIN珠!」
 水之江の目が光り、6thの宝珠目掛けてビームが乱れ飛ぶ。水之江の迫力……じゃなかった、攻撃力に屈服した宝珠は寝返り、魔王の腹から出ていたビームが止まった。

「これで私もビームが撃てるわけね」
「ふ、我が魔力障壁に包まれた状態では撃てても意味はあるまい」
「それはどうかしら?」
 水之江がパチンと指を鳴らすと、ワダツミが鳴動し不気味な波動が放出され始めた。波動を浴びた水之江の体からは魔王の障壁が消え、水之江は魔王の影響から逃れることに成功した。

「地獄に墜ちなさいマヂデビル! 水之江ビーム発射!」
 水之江の腹からワダツミの主砲を凌駕する出力のビームが迸る!

「ぐああああーーっ!」
 ガチデビルはビームの直撃を浴び、岩を貫通して吹き飛んでいく。
「ワダツミ、活動限界まであと60秒……ちっ。ここまでか」
 水之江は舌打ちし、この戦域から引き揚げていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ワルルーナ・ティアーメル


先制攻撃……というかいわゆる第二形態という奴だな!
もしくは超魔王マジデビルとかかもしれない!

ではまずは増えた宝珠対策だな!
まずはとにかく1つ、6番目に狙いを絞って攻撃は魔王のオーラ防御と自身の肉体改造で対応して、竜の首からのブレス一斉集中攻撃を仕掛けるぞ!まあ5番がかばいに来るならそっちでもいいが。

そしてUC!まあもしかしたら改めて時間かかるかもだが
年齢性別外見性格……どこかが違う「もしも」の偽物ガチデビル軍団を召喚!
当然同じUCも使えるから、猟兵側に離反した宝珠を増やして使わせ、さらに宝珠を堕としてゆくぞ!

遠慮するな「ただのガチデビル」
貴様も知らぬ貴様の一面、好きなだけ堪能するがよい!


カシム・ディーン

機神搭乗
相手が相手だ
協力するとしよう
「協力プレイだね☆」(鶏立体映像

【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の動きと攻撃の癖
周辺の状況と宝珠の動き
顎を含む攻撃の方向性を分析し仲間や後続の猟兵と情報共有させ

対SPD
【属性攻撃・迷彩・武器受け】
光水属性を機体に付与
光学迷彩で隠れつつ水の障壁で匂いや音を隠蔽
立体映像を無数に展開して捕捉を困難に
それでも避けきれない時は水槍で防御し被弾避

UC発動
【弾幕・空中戦・念動力・スナイパー】
超高速で飛び回りながら宝珠を狙って念動光弾乱射
6と5を優先
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
強奪成功すれば防御を宝珠に任せての鎌剣で口を狙って切り刻み
ビームで更に焼き
料理強奪し回復妨害



●真なる魔王VS機神VS百胎堕天竜魔王!
「く……猟兵たちの力がここまでとは……」
 魔王ガチデビルは荒い息を吐いていた。見た目には無傷を保っているが連戦に次ぐ連戦で魔力は急速に枯渇しつつある。このままでは敗北する――ガチデビルはそんな焦燥に駆られていた。
 バシュッ! バシュッ!
「ムッ!」
 そんな魔王の前に新たに転移してきたのは銀色の機械巨人と多頭多翼の竜の体躯から堕天使少女の上半身が生えたいかにも魔王な外見の少女――。『小さな竜眼』カシム・ディーンと『百胎堕天竜魔王』(自称)ワルルーナ・ティアーメルであった。

「しつこい奴らだ」
 ガチデビルの全身が闇に包まれる。
「これが真なる魔王の姿だ」
 闇が晴れた後、禍々しい姿となったガチデビルと、数が二倍になったKING宝珠が姿を現した!

「先制攻撃……というかいわゆる第二形態という奴だな! もしくは超魔王マジデビルとかかもしれない!」
 ワルルーナはおお、と驚嘆した。
「相手が相手だ、協力するとしよう」
『界導神機メルクリウス』に搭乗しているカシムがそう呟くと、『協力プレイだね☆』と、メルクリウスが鶏の立体映像で相槌を打った。
「行くぞッ!」
 魔王は図体に似合わぬ素早さで二人へと突撃した。それに追随し、魔王に従う十の宝珠が輝く。さらに宝珠が呼び出した大量の植物怪獣の群れが辺りを埋め尽くし、腹部から放たれたビームがワルルーナを、ガチデビルが放った巨大な顎型の暴食エネルギーがカシムを襲った。

「メルシー、防御だ!」
 カシムは機体から最大出力で水の障壁を展開し、なんとか魔王の暴食顎の攻撃を反らした。だが、一撃逸らされた程度で諦める魔王のユーベルコードではない。弾かれたエネルギーはブーメランのように曲がり、再びカシムを機体ごと喰らわんと再び牙を剥く。

「魔王はしばらく僕達が抑える! 今の内に宝珠を!」
 カシムはワルルーナにそう呼びかけ、フッと姿を消した。光学迷彩を起動したのだ。さらにカシムは立体映像によるデコイを大量発生させ、魔王の注意を引く。魔王は腹部からビームを乱射し、瞬く間にカシムのデコイを消し飛ばす。カシムは時折隙を見て水槍で反撃するが、宝珠の盾が魔王を護り、有効打とはならなかった。

「心得た! ではまずは増えた宝珠対策だな!」
 ワルルーナは魔王の攻撃の起点となっている6thの宝珠に狙いを定め、下半身に生えている竜たちの首から火炎ブレスを吐きまくった。植物怪獣が防御に回るが、ワルルーナも伊達に魔王を名乗ってはいない。ブレスは怪獣を焼き尽くし、その奥にあった宝珠を焼き焦がした。宝珠は暫く抵抗していたが、やがてブレス攻撃に屈服し、ワルルーナの方についた。

「ぬっ!?」
「ビームが止まった! 今だ! 加速装置起動…メルクリウス…お前の力を見せてみろ…!」
 カシムは魔王のビームが止んだ瞬間、グイっとレバーを引いた。その瞬間、メリクリウスの加速装置が起動し、機体はマッハ347の超高速で上空に飛翔する。カシムは全速力で魔王の周りを飛び回りながら、念動光弾を乱射した。

「ぐおおおっ……!」
 宝珠の盾がオーラシールドを展開し魔王を護ったが、弾幕に耐え切れずガラスのような音を立ててシールドが砕け散った。その瞬間、二個に増えていた5thの宝珠はカシムの側に寝返った。

『やった! 盾の宝珠がこっちの味方になったよ♪』
「うおおお――!」
 カシムは防御を宝珠に丸投げし、機体の背にマウントされていたBX鎌剣『ハルペー』を抜いてそのまま魔王へと急降下する。

「おのれ! 小癪な! 弾き返してくれる!」
 ガチデビルの目にはしっかりとカシムの機体が見えていた。ガチデビルはカシムを迎え討たんと巨大な腕を後ろに引いたが――。

「我が名は勇者ガチデビル! 貴様の野望を打ち砕くため、汝を討ち滅ぼさん!」
「わたし、魔法少女ガチデビル! 恋に結婚詐欺に大忙しなの!」
「おっす! オラ、ガチデビル! オラ、強えやつと戦うとワクワクすんだ!」
「なんだ貴様らは!?」
 大量のガチデビルを名乗る不審な悪魔達がガチデビルの腰にしがみついてきた。彼らはワルルーナが召喚したガチデビルの偽物たちだ。偽者とはいえ、見た目は遠目で見れば本物と区別がつかない程度には似ている。見た目は。
「遠慮するな『ただのガチデビル』、貴様も知らぬ貴様の一面、好きなだけ堪能するがよい!」
「私にそんな一面などない!! 偽者共め、さては我の尊厳を破壊しようという魂胆か、そうは――」
「喰らえ、魔王ガチデビル!」
「しまっーー!」
 ザンッ! ジュウウウウ!

「ぐうっ……! 貴様ら、覚えておれよ!」
 背後から超高速の斬撃をお見舞いされ、ビームで焼き払われた魔王は綺麗に真っ二つになり、上半身だけで慌てて逃げて行った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メンカル・プルモーサ
☆▲
(飛行式箒リンドブルムに搭乗)
さーて…確かにこいつは他と違って本当に邪悪っぽい感じだね…
…まずは先制攻撃の対処…暴食顎と同時にビームも飛んで来るか…
…遅発連動術式【クロノス】を使った多重障壁で顎とビームを押しとどめて…
…障壁が全て割れる前に現影投射術式【ファンタズマゴリア】で自分の幻影の囮を出して退避…
…そのままガチデビルに接近…時間かけても居られないから一気に行くよ…
…【起動:海神咆吼】を発動…荷電粒子砲で宝珠と植物怪獣軍団をまとめて無差別に焼き払おう…
…これで宝珠をこっちの物にしたらあとは宝珠の力や幻影での攪乱で時間をかけて立ち回って…
…強化されたら魔力の槍を全力で叩き込むよ…



●魔女VS魔王!
「あれが魔王ガチデビルか……さーて……確かにこいつは他と違って本当に邪悪っぽい感じだね……」
 メンカル・プルモーサは飛行式箒『リンドブルム』に搭乗し、空からガチデビルへの接近を試みていた。ガチデビルは先に転移した猟兵達の攻撃で体力を消耗しているようだが、攻撃力の方は全く衰えていない。油断すればあっさり落とされるだろう。だがメンカルに油断などない。如何なる状況でも常に最前手を模索するのが『トリニティ・ウィッチ』の流儀である。

「――そこにいるな」
 如何なる能力によるものか、かなりの遠距離からメンカルの接近に気付いたガチデビルはメンカルを撃ち落とさんと腹部からビームを放った。メンカルは事前に用意しておいた術式から多重障壁を展開し、魔王のビームを押し留める。だがこれは本命の攻撃ではない。ガチデビルはビームの影に隠れるように『暴食』のエネルギーを放っていた。
「!」
 ビームを押し留めるので精いっぱいだったメンカルは、障壁を貫通して放たれた暴食の顎に呑まれ、腰から上を食い千切られてしまった。
「術比べは私の勝ちだな、異界の魔女よ! ハーハッハッハッハ!」
 魔王ガチデビルは目を見開いたまま絶命しているメンカルの上半身を腹の口に放り込み、高笑いをするのであった……。

(……よし、うまくいった……)
 メンカルは生きていた。魔王に喰われたように見えたのはメンカルが現影投射術式『ファンタズマゴリア』で作り上げた幻影である。視覚や触覚のみならず、味覚も含めた魔王の五感全てを騙してのけたのはメンカルの凄まじい技術とこだわりの賜物だ。

「……時間かけても居られないから一気に行くよ……座標リンク完了。魔女が望むは世界繋げる猫の道……」
「おかしい。なぜ私の形状が変化しない?……なんだ、この魔力は!?」
 魔王が違和感に気付いた時はもう遅かった。すでにメンカルの魔術は完成しており、上空には異界へと繋がるゲートから巨大な船の砲門が顔を覗かせていた。
「主砲、一斉射! 『起動:海神咆吼』(ラン・ワンダレイ・ハウリング)」

 それは正に破壊の嵐であった。天から降り注いだ荷電粒子砲の一撃はガチデビルさえ全力で防御せざるを得ないほどの一撃だった。ガチデビルは攻撃を凌いだが、攻撃に巻き込まれた植物怪獣達はまとめて焼き払われ、黒焦げになった宝珠はメンカルに屈服し、彼女を主と認めた。

「おのれ! やってくれたな!」
 激昂したガチデビルはメンカルに巨大な拳で殴りかかってきた。だが、盾の宝珠がメンカルをガードし、その拳は届かなかった。
「……よし……あとは……」
 首尾よく宝珠を奪い取ったメンカルは全力で魔王から距離を取り始めた。4thKING『キング・ブレイン』の宝珠は時間をかければかけるほど、メンカルに力と知識を与えてくれるからだ。植物怪獣に幻影を被せて自分の身代わりにしたり、宝珠から出てきたゼリー飲料で魔力を補給したりと、あの手この手でたっぷりと時間を稼いだメンカルは魔王へと残る全ての魔力を込めた術式を叩きつけた。

「おのれ、魔女め……!」
 メンカルの長剣から伸びた巨大な光の槍にどてっ腹を貫かれた魔王は血を吐き、己の居城の方へと吹き飛ばされていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャルロット・シフファート
アンタは一つを除いて完璧と言えたわ
契約に由来するUCで異世界の強大な魔王を呼び寄せ、それらを己の盾とする
そして契約書で洗脳した悪魔たちを差し向け、悪魔王遊戯を破壊する…
ええ、完璧だわ…アルダワの無限災群の如く、それらが対猟兵の布陣として不完全だったことを除けば!
そう挑発しながら万仙陣とヴァイスシュヴァルツで幻影を見せながら先制攻撃を受けた時間軸を破却して先制攻撃を凌ぎ、UCを発動

光速を突破して特殊相対性理論を崩壊した私の神速
因果律を粉砕しながら暴食顎に触れないよう周囲の因果律を粉砕し、周辺の空間をパージするかのように消し去っていくわ
無論のこと宝珠にも光速で連撃を繰り出し、仲間にしていくわ



●因果律の破壊者
「ハア、ハア……」
「ずいぶんとお疲れのようね、魔王ガチデビル」
 居城に戻り、玉座の間で傷を癒していた魔王に新たな刺客が歩み寄る。名はシャルロット・シフファート。『異界展開式現実改変猟兵』である。
「アンタは一つを除いて完璧と言えたわ。契約に由来するユーベルコードで異世界の強大な魔王を呼び寄せ、それらを己の盾とする。そして契約書で洗脳した悪魔たちを差し向け、悪魔王遊戯を破壊する……ええ、完璧だわ……アルダワの無限災群の如く、それらが対猟兵の布陣として不完全だったことを除けば!」
「よく吠えた。私を挑発した代償は高くつくぞ!」
 ガチデビルは音もなく玉座から立ち上がると、腹から暴食顎のエネルギーを放ち、シャルロットを攻撃した。

「宝貝『万仙陣』」
 シャルロットは魔王を迎え撃つべく、宝貝と双剣を起動した。たちまち周囲の空間が『万仙陣によって侵食され、一切が無に帰した何も無い空間へと置き換わった。万仙陣は理想の世界を映し出す宝貝だ。つまり、この何もない世界がガチデビルにとっての理想郷――カタストロフ後の世界ということなのだろう。

「この魔王が、こんなものに惑わされるか!」
 ガチデビルは幻を意に介さず、シャルロットを暴食顎で貫いた。だがその瞬間、シャルロットの姿がガラスのような音を立てて砕け散る。ガチデビルの背後に再出現したシャルロットは魔王の背に向け、手にした白と黒の双剣を一閃した。
「ガッ!?」
「『ヴァイスシュヴァルツ』」
 シャルロットがガチデビルの先制攻撃を凌いだカラクリはこの二振りの剣にある。シャルロットは時間の軛を超える能力を持つ双剣の力を以て、攻撃が命中した瞬間の時を破却したのだ。

「今度はこっちの番よ。過ぎたる魔術と科学、即ち叡智と技術はやがて魔の法の域に到達する。其れは因果を跳躍して理を紡ぐ超人の御業なり」
 シャルロットは自分を追ってきた暴食顎のエネルギーから逃れるべく、ユーベルコードを発動した。その瞬間シャルロットの全身が発光し、彼女は光速を超えた。

「『無尽光全て司どりし戴冠聖光』(アンリミテッド・シャイン・コンプリート)。これが私の神速よ」
 因果律を破壊した今のシャルロットには時が止まって見える。シャルロットは暴食顎には触れぬように移動しながら、手刀やキックで一つずつ魔王の宝珠を攻撃し、屈服させた。

「貴様――!」
 それでもガチデビルはシャルロットの動きが見えていたのか、シャルロットの動きに合わせてパンチを放ってきた。しかしー―。
「遅いわ」
 シャルロットは魔王の攻撃を紙一重で躱し、一瞬で魔王の全身を切り刻む。光速の連撃を受けた魔王は城の外まで吹っ飛んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

菫宮・理緒
先制攻撃には、
【覚悟】【狂気耐性】【呪詛耐性】で抵抗。『契約』への誘惑に耐えるよ。

耐えきったら、まずは宝珠を味方につけよう。
狙うのは『魔王ビストログルメ』の宝珠。回復はいちばんやっかいだからね!

【フレーム・アドバンス】で宝珠の動きを鈍らせたら、【M.P.M.S】で攻撃するよ。
弾頭は、わたし特製の七味+マグマ・フルーツ榴弾!

グルメならば、その舌は敏感なはず。わたしの辛味に耐えられるかな!

と、その味覚を麻痺させて、グルメとしてダメージを与えていくよ。

宝珠がわたしに力を貸してくれるようになったら、
美味しいごはんで、みんなを癒やしていくことにするね。

みんな、これは辛くないからいっぱい食べてねー♪



●激辛の使者
「ガチデビル、この近くにいるみたいだね」
 魔王の居城、暗黒魔王殿付近の荒野にて。『バーチャルダイバー』菫宮・理緒はレーダーに映った巨大な影に冷や汗を掻いていた。このままだと、あと一分もしない間に自分一人で魔王と相対することになる。オブリビオン・フォーミュラとの一騎討ちはかなり危険だがここまで来た以上はやるしかない。

「あ、いた!……ってなんか食べてる?」
「ガツガツ。モグモグ……猟兵か。ちょうどいいところに来てくれたな。手駒が欲しかった所だ」
 目が合った瞬間、魔王ガチデビルは食事をやめて理緒に攻撃を仕掛けてきた。理緒の体を魔王の闇の魔力が包み込み、理緒の体に力が溢れてきたが、その代償として理緒に「魔王と契約したい!」という衝動が溢れてくる。

「お前には私のパートナーとなってもらおう。さあ、私と契約せよ!」
「ぬぐぐぐぐ……!」
 理緒は歯を食いしばり、魔王との契約を跳ねのけんと必死に抗った。
「私と共に来い。共に世界を滅ぼし、理想郷を作り上げようではないか」
 魔王は地面にうずくまる理緒へと甘い声音で囁いた。

「うーん、ないかな!」
 戦う覚悟を決めた理緒は誘惑を振り切り、きっぱりと言い切った。
「何!? 私との契約を断るというのか!」
「フレーム・アドバンス!」
 理緒はそう叫びながら魔王の持つ2th宝珠へと視線を向ける。その瞬間、カシャカシャとシャッター音が鳴った。理緒の脳波を感知したゴーグル型コンピューターが宝珠の写真を撮影したのだ。すかさず理緒は動作同期プログラムを宝珠へと放ち、その動きを停止させた。

「撃って! 弾頭は七味+マグマ・フルーツ榴弾で!」
 ドシュドシュドシュドシュ!
 理緒が叫ぶと、宝珠へとミサイルランチャーを発射した。狙いはかなり適当だが、優秀な補助AIが勝手に補正してくれる。ミサイルは見事全弾命中し、宝珠に変な汁が降りかかった。

「グルメならば、その舌は敏感なはず。わたしの辛味に耐えられるかな!」
 2thの宝珠は『魔王ビストログルメ』の宝珠だ。理緒の激辛弾頭を浴びた宝珠は、ただちに味の審査に入った。

「辛い! 辛い! 辛い! 合格!」
 マグマのような辛さに痺れた宝珠は理緒に屈服し、魔王を裏切った。
「宝珠さん、わたしに力を貸して!」
 理緒が呼びかけると、たちまち理緒の周囲は激辛料理で埋め尽くされた。理緒は戦闘を持ち込んだ戦闘艦や呼び出した戦闘用ドローンに任せ、自身はワークスペースに引っ込み、ご飯休憩を取り始めた。
「む。このマーボーおいしい! こっちのトムヤンクンもなかなか……」
「くっ……! なんだこの刺激臭は……!」

 理緒の体力が続く限りドローンは際限なく呼び出される。魔王は理緒の体力が尽きるまでの間、延々と機械達と戦わされ、体力を消耗したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

狐裘・爛
《燦々爛々》☆★

大悪魔を前に大した余裕ね。ふふ、でもおかげで勇気がわいてくるよ

炎戯・魂魄幽囚をぶつけるわ。もっともあくまで目眩し、当然ダメージを受けるのは織り込み済み。私の狙いは
って今マジメにやってんの! ワキワキしない! カノジョに言いつけるわよ
えーと私の狙いはKING宝珠ね。自我のある宝物でも私の綺麗さに太刀打ちはできないよ。乱れ打ちした狐火で2ndKINGの回復料理を狙う。受けたダメージや誘惑はこれで解消よ

最後は合体狐火で燃やしてあげる。その心を奪ってあげる!
もう私はお腹いっぱいだもの。お返しはその口に捩じ込んであげるわ


四王天・燦
《燦々爛々》☆★

もっと凶悪な敵いくらでもいるよなーと爛に笑うよ

色欲の強化がされて一発事故死しないよう見切りを効かせて回避する、敵の命中は変わらないんだし恐れはしない
悪魔契約な気分で、手をワキワキさせながら爛にぐへへへ♪とか言っちゃうのはご愛敬…狂気耐性で持ち直します

破魔の符で闇色の魔力障壁を引っぺがすぜ
剥げた所を神鳴で滅多切り

ブレインの宝珠が味方につけば、怪力で夢匣から本棚を出して叩きつけてやる
猟書家キングブレイン流・本棚ばーん!

葬儀は火葬でいいかな?
二人のフォックスファイアと魂魄斗が合わされば火+火で炎になる!
計236個の狐火を合体させてお口にぶち込むぜ
美女二人からの御馳走だ、残さず食べな



●ガチデビル、墜つ!
「くっ……この私が敗れるというのか……馬鹿な……」
 ガチデビルは自身の目算がかなり甘かったことを痛感していた。想像以上に猟兵達の力は強力だった。魔力はすでに枯渇しつつあり、絶体絶命の窮地に追いやられていると呼べる状況だ。そんな彼の前に、死神が姿を現した。金と銀の体毛を持つ鮮やかな一対の妖狐、四王天・燦と狐裘・爛だ。

「こいつが生まれつき邪悪だったっていう魔王ガチデビル……もっと凶悪な敵いくらでもいるよなー」
 燦はガチデビルの巨躯を見上げながら、歯を見せて笑った。
「悪魔を前に大した余裕ね。ふふ、でもおかげで勇気がわいてくるよ」
 爛はそんな燦の頼もしさに、くすりと笑う。

「おのれ、ただでは死なぬぞ! 骸の海に戻る前に一人でも多く道連れにしてくれる!」
 魔王が目が妖しく光る。その瞬間、二人の体が闇色の魔力障壁に覆われた。魔王の魔力が二人を侵蝕し、二人にさらなる力を与えるが、その代償として魔王と契約したいという衝動がこみあげてきた。

「炎戯・魂魄幽囚!」
 爛は己も巻き込まれるのも厭わず、闇色の障壁に狐火を放った。炎が瘴気を焦がし、数メートル吹き上がった炎の壁がガチデビルの視界を覆う。余波で自分の服も焦げ、激痛が爛を襲うが、逆にその痛みに意識を集中し、契約の誘惑から意識を逸らす。

「なんだか悪魔契約したい気分……ぐへへへ」
 一方、魔王の瘴気で色欲が強化されてしまった燦は目を爛々と輝かせ、手をわきわきさせながら爛へとにじり寄っていく。
「今マジメにやってんの! ワキワキしない! カノジョに言いつけるわよ」
「うっ。それは勘弁」
 ピシッと姿勢を正した燦は破魔の符を障壁に貼り付け、無理やり自分の体から引っぺがし、刀で滅多切りにして障壁を霧散させた。
「燦! 先に宝珠を攻撃するわ!」
「応!」
「させるか!」
 魔王は二人の作戦を阻止せんと、植物怪獣をけしかけ、腹からビームを連射した。燦は爛の前に飛び出し、ビームを刀で切り払った。
「爛! 急げ! アタシ一人じゃ長くは抑えられない!」
 燦は破魔の札をばら撒きながら雷を纏った日本刀で斬りかかり、必死に魔王を抑え込む。その間に爛は魔王の宝珠に狙いを定め、再び狐火を放った。宝珠は狐火の熱量にも平然と耐えていたが――。

「自我のある宝物でも私の綺麗さに太刀打ちはできないよ」
爛の狙いは宝珠の破壊ではなく簒奪だ。魂魄に影響を与える炎に焼かれた五つの宝珠はすぐに魔王を裏切り、爛の味方になった。
「あ、このお蕎麦おいしい! こっちの天丼もイケるわ!」
 2ndKING『魔王ビストログルメ』の宝珠が生み出した料理を大急ぎでかっ喰らい、爛は舌鼓を打つ。これで体力も全快だ。

「燦、パス!」
 爛は魔王を抑えていた燦に向かって宝珠を片っ端からぶん投げた。すでに爛の支配下に置かれていた宝珠たちはすぐさま燦に加勢し、魔王の攻撃をオーラでガードしたり、植物怪獣で魔王を妨害したりした。

「なんかアタシの中に知識が入ってくる! この技のやり方はこうか? 猟書家キングブレイン流・本棚をバーン!」
 燦は夢匣から本棚を引っ張り出すと、ダイナミックに本棚をキック。ガチデビルに向かって叩きつけた。
「こ、これは四代目の……っ!」
 無茶苦茶な量の本の山に埋もれ、動けなくなったガチデビルは驚愕する。キング・ブレインはガチデビルが死した後に生まれた魔王であったが、宝珠の能力を解析する過程でガチデビルはキング・ブレインのことを詳しく調べていた。それが仇となり、驚いて一瞬硬直したガチデビルへと爛が迫る。

「葬儀は火葬でいいかな? 二人のフォックスファイアと魂魄斗が合わされば火+火で炎になる!」
「最後は合体狐火で燃やしてあげる」
 二人は仲良く並び、フルパワーで狐火を放った。空中で合体した二百三十六の狐火は巨大な火球となり、ガチデビルへと襲い掛かる!

「ぐぉおおお!! この私が……! こんなところで……!」
「その心を奪ってあげる! もう私はお腹いっぱいだもの。お返しはその口に捩じ込んであげるわ」
「美女二人からの御馳走だ、残さず食べな」
「ガアアアアア――ッ!」
 腹の口に大火球をねじ込まれ、内側から全身を焼き尽くされたガチデビルは、灰燼となって骸の海へと還っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月20日


挿絵イラスト