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7thKING WAR㉓〜ザ・パスト・イン・ブラック

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #召喚魔王『パラダルク』 #純戦闘シナリオ #どうしてこうなった

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「みんな、7thKING WARも終盤戦だねっ!」
 グリモア猟兵の蛇塚・レモン(白き蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)は、グリモアベースに集まってくれた猟兵たちへそう告げると、今回の討伐対象の解説を始めた。

「今回の相手は召喚魔王『パラダルク』たよっ! なんでも、三年前の銀河帝国攻略戦において登場した『実験戦艦ガルベリオン』と同一艦と思われる戦艦が突如として魔界の上空に出現して、その中でお供のドラグナーガール(竜乙女)たちが踊りながら『碎輝』を探す『儀式』を執り行っているんだってっ! カクリヨファンタズムの竜神親分とと同一なのかは断言出来なかったけど、放って置くわけにはいかないよねっ? なにせ、こいつを倒さなきゃガチデビルまでの道が拓かれないから、なんとしてもまかり通ってほしいなっ! あ、でも、今回の戦闘では『パラダルク』を殺すことはできないって予知もみえたんだよね……。だから、無理せず、儀式の妨害に徹してもいいと思うっ!」

 して、肝心の『パラダルク』のユーベルコードの能力は?

「これが厄介でね……っ? 【森羅万象をドラグナーガール(竜乙女)へ変えて操る】能力で、どんな概念や武器や能力やユーベルコードも、女の子にして操ることができちゃうよっ!」

 ……つまり、こちらの攻撃が通じない!?

「その可能性は大いにあるよっ! しかも、今の『パラダルク』のそばには、過去属性のアンヘルブラックの能力をドラグナーガールとして従えてるから、繰り出される絶対先制攻撃は回避は厳しいよっ!」

 確定した過去から襲い来る攻撃はたしかに回避は不可能に近いだろう。
 それでも猟兵は立ち向かわねばならない。それにアンヘルブラックはすでに打倒したオブリビオン。あの時よりも強くなった今の猟兵たちなら乗り越えられるはずだ。

「回避不可能な絶対先制攻撃をなんとか対処する。魔王パラダルクを退けるかドラグナーガールを殲滅して儀式を食い止める。この2つを成し遂げなくちゃならないけど、みんなならやり遂げてくれるって信じてるよっ!」

 レモンはグリモアを輝かせて、猟兵たちの転送を開始する。
 果たして、猟兵たちは召喚魔王パラダルクの企みを阻止できるのだろうか……?


七転 十五起
 過去を操る異能を(女の子に変えて)従える魔王です。
 完全討伐は無理ですが、せめて儀式を食い止めましょう。
 なぎてんはねおきです。

●プレイングボーナス
 敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する(しない限り必ず苦戦か失敗になる)/踊るドラグナーガール達を倒す。

 また、魔王パラダルクの前では、汎ゆる森羅万象が女の子になって操られてしまいます。長期戦になればなるほど、猟兵の攻撃手段等が女の子に変えられてしましますのでご注意下さい。

●その他
 コンビやチームなど複数名様でのご参加を検討される場合は、必ずプレイング冒頭部分に【お相手の呼称とID】若しくは【チーム名】を明記していただきますよう、お願い致します。
(大人数での場合は、チームの総勢が何名様かをプレイング内に添えていただければ、全員のプレイングが出揃うまで待つことも可能ですが、その際はオーバーロード投稿を推奨します)
 なお、本シナリオは全てのプレイングを採用できない可能性があります。
 予めご了承くださいませ。

 それでは、皆様の創意工夫を凝らしたプレイング、お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『召喚魔王『パラダルク』アンヘルブラック』

POW   :    パスト・ガールズ
レベルm半径内を【ドラグナーガールの大軍】で覆い、[ドラグナーガールの大軍]に触れた敵から【ユーベルコードの使い方の記憶】を吸収する。
SPD   :    リピートコード
【戦場内のドラグナーガールのいずれか】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、戦場内のドラグナーガールのいずれかから何度でも発動できる。
WIZ   :    パラダルク・パラダイム
【水光土火樹薬風毒氷闇の十属性】によって【ドラグナーガールの軍勢】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。

イラスト:モツ煮缶

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユニ・バンディッド
アドリブ歓迎
空飛ぶ金貨達の鏡面加工で周囲警戒・視界確保。自慢の視力で敵の動きを盗み先読み。空中でも動ける様に空飛ぶ金貨達を足場に蹴っていくよ。
ドラグナーガールが金貨を扱い出したら、コピーしたボクのユーベルコードを使う気だね!使わせないよ。収納の魔術カードを投擲!「敵の金貨」を盗みカードの中へと詰め込んで。敵がコピーした効果の不発を狙うよ。
自腹分は最終手段。隙をみてドラグナーガール達から盗って、モノにした金貨を代償にユーベルコード発動!【ゴーイング・マイウェイ】更に盗みの成功率を上げて。アレコレ盗っちゃえー。だってボクはあくまで魔界盗賊!あらゆるものを盗むのがおしごと!。



 ~デビルキングワールド・実験戦艦ガルベリオン~

 猟兵達は儀式が執り行われている真っ最中の宇宙戦艦内へ転送されてきた。
 彼らの目の前に件の魔王が、その後ろでは『同じ顔』『同じ声』『同じ背丈』で踊り狂う竜乙女(ドラグナーガール)が飛び込んでくる。
 過去属性の竜乙女を侍らす、若き召喚魔王『パラダルク』がユニ・バンディッド(贋作の悪魔・f31473)を睨む。
「言ったはずだ、他を当たれと。六番目の猟兵達よ、私に勝つことは不可能だと何故分からぬ?」
 ユニは指先で金貨を弾くと、パラダルクに言葉を返した。
「そっちこそ、喧嘩吹っ掛ける相手を間違えたんじゃないかな?」
「ふん、言わせておけば。過去を操り、絶対必中かつ絶対先制を成す私の攻撃を猟兵達が防ぐ手立てはない。そして私は万物を『女の子(ドラグナーガール)に変える力、即ち森羅万象……水・光・土・火・樹・薬・風・毒・氷・闇の十属性に纏わる全てを、ドラグナーガールに変える能力を持つ。お前の武器も、ユーベルコードも、呼吸する空気さえも、全て私のものとなる。それが分かっての狼藉か?」
 パラダルクは自身の脅威をユニへ語る。
 だが一向にユニは引こうとしない。
「……私は忙しい。かつて私を殺した仇敵……『碎輝』を捜す儀式を行う為だ。 故に再度告げる。ここは行き止まりだ、他をあたれ」
「いやだよ! 魔王ガチデビルの元へ行くためにも、その怪しい儀式を止めるためにも、ボクはまかり通るからね!」
 ユニは再び金貨を指で弾いた。
 先ほどから幾つもの金貨を指で弾いているユニに、パラダルクは目を細めていた。
「児戯なら他所でやれ。ドラグナーガール、客人がお帰りだ。出て行ってもらえ」
 途端、パラダルクの周囲から大量の竜乙女が出現し、ユニへと殺到していった。
 しかし、ユニは弾いた金貨になんと飛び乗ったではないか!
「やーい! こっちこっちー!」
 どういう原理か不明だが、弾かれた金塊亜が空中で固定され、足場として戦場にばら撒かれていたのだ。
「ゴーイング・マイウェイ! ユーベルコードさえあれば、どんな物理法則だって盗んじゃうよ!」
 ドヤ顔で竜乙女の追跡をかわすユニ。
 しかし、パラダルクは顔色一つ変えなかった。
「ほう? 面白い芸を披露するではないか。だが既に私のユーベルコードは『完了』している」
 殺到した竜乙女が既に金貨に触れていたのか、たちまち金貨の一部が竜乙女へと変身してしまっていたのだ。
 こうすることでパラダルクは、ユニのユーベルコードを一定時間コピーして行使可能となった。
「なるほど? 代償となる金貨の量に応じて、あらゆる行動を成功させるユーベルコードか。素晴らしい。そしてお前の物体を複製する能力で、代償を相殺しているのか。ならばその能力も我が物としよう」
「え、噓でしょ?」
 ユニは『金貨の竜乙女』と『贋作の竜乙女』の出現に顔が引きつった。
「これじゃ魔王もボクと同じで、ノーリスクでユーベルコードを使えちゃう!」
「そうだ、もはやお前に勝ち目など……」
 勝ち誇ったパラダルクがほくそ笑んだ、その時だった。

「――なんて、このボクがこの状況を想定してないなんて、ありえないよね?」

 胸元から取り出したカードを天へ掲げるユニ。
「収納魔法、発動! 対象は『この戦場に存在する全ての“金貨”』だよ!」
「なにっ!?」
 パラダルクが気付いた時には時すでに遅し。
 自身が複製した金貨も竜乙女も、全てユニのカードへ収納されてしまう。
 しかし、これでは『パラダルクが大量の金貨を失った』ことになり、ユーベルコードであらゆる行動が成功してしまう。
 それを悟ったパラダルクが安堵の表情を浮かべてみせた。
「とんだ悪手ではないか。自分の首を絞めただけだったな?」
「ボクはあくまで魔界盗賊! あらゆるものを盗むのがおしごと! けれど、ボクはワルい魔界盗賊だから、偶には勇者行為……『施し』もしちゃうよ?」
 再び収納魔法カードを胸元から取り出したユニ、今度はそれをパラダルクへ突き付ける。
「収納した全ての金貨を放出! 一時的にボクは“無一文”になるよ!」
「……まさか、やめろ!」
 パラダルクが真意を読み取った。
 無限に増える金貨を回収し、それをすべて吐き出せば……パラダルクが失った元手のはるか数倍、いや数十倍の金貨があのカードから放出される。
 それだけの代償を支払ったユニは、この場で最強の存在となるのだ。
「あ、気付いた? でもそろそろ魔王さんのユーベルコードの使用期限も終わりだよね?」
 ユニは相手のユーベルコードが時限性であることも加味したうえでの作戦を練っていた。
 パラダルクのコピーしたユーベルコードが使用不可になったところを見計らい、弾幕と化した無尽蔵の金貨がカードから一気に放出された。
「そのまま魔王さんごと儀式を妨害しちゃえー!」
「がは……ッ!?」
 飛んできた金貨に全身を撃たれた魔王が後ろへ吹っ飛ぶ。
 儀式に参加していた竜乙女たちは金貨が命中すると粉々に爆散。
 こうしてユニは、見事に儀式の進行を遅らせることに成功したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

朔夜・煉
なるほど、因果の先行か。
『既に当たった』という因果が在るが故に、回避は出来ん、と。
ならば、その因果を逆手に取るまで。
ルーンの秘蹟を用い、目立たないよう、防護のソーン、停止のイス、縁切りのユル、そして破壊ハガルの順にルーンを刻み、確定した過去との因果を断ち切ることで、先制攻撃への備えとする。
併せて、死生の書によりこれらのルーンを音声魔術として多重詠唱させ、効果を補強。
先制攻撃を凌いだら、右の魔眼で仲間を視野から外し敵全体を捕捉。ユーベルコードを発動。
「少しネタバラシをしよう。俺のユーベルコードはこの右目で視認しなければ効果を発揮できない。仮にコピー出来たとしても、果たしてお前達に使えるかな?」



 朔夜・煉(鍾馗・f35342)は、グリモア猟兵から聞いた『魔王パラダルクの過去属性の異能』を自身なりに次のように解釈していた。
「なるほど、因果の先行か。『既に当たった』という因果が在るが故に、回避は出来ん、と」
「その通りだ。更に相手がどんなに先んじて攻撃を仕掛けても、『過去』である私の攻撃がそれを凌駕してゆく。故に私は無敵だ」
 パラダルクは憮然とした態度で朔夜に告げる。
「それでも私へ挑むというならば、お前も私が乗り越えなければならない『試練』ということだ。来るなら来い、全て蹴散らしてやる」
「そうか。ならば、その因果を逆手に取るまで」
 朔夜はすかさず魔王に隠れてルーン文字を刻んでゆく。
 防護のソーン、停止のイス、縁切りのユル、そして破壊ハガルの順にルーンを描くことで、確定した過去との因果を断ち切る奇蹟を乞う。
 しかし、パラダルクに果たしてそれが通用するだろうか?
「小細工など私に通じると思ったか? お前は既に袋の鼠だ」
 パラダルクが右手を前方に差し出すと、朔夜の周囲に大量の竜乙女たちが出現する。
 朔夜はこれに訝しがると、包囲された状況に舌打ちをした。
「確定した過去との因果を断ち切る以前の問題……単に技の出の速さで圧倒されただと?」
「お前はどうやら私のユーベルコードを警戒して、何やら小細工を仕掛けようとしたようだが、そのワンクッションが私のユーベルコードの発動する隙を生む。何故それが分からない?」
 パラダルクのユーベルコードは『相手のユーベルコードのコピー』効果を持つ。一見受動的な効果だが、パラダルクは『森羅万象を女の子へ変換する』能力をもち、コピーのトリガーも竜乙女が起点となる。
 つまり、最初からコピーされるならば、そのコピーを圧倒するだけのパワーで押し切ればいいだけの話であり、事前行動をすればそれだけ魔王と猟兵の間に竜乙女の壁を作られて儀式妨害が遠のくだろう。
 だが朔夜は諦めない。
「だったら、ルーンの奇蹟を音声魔術で補強するまでだ。これはユーベルコードではないからコピーは出来ないだろう?」
「確かにな。しかし私の『森羅万象を女の子に変える能力』で、そのルーン魔術とやらを女の子に変えてしまえばどうだ? 吐息すら変化できてしまえるなら、音声ならば尚更のことだ」
 ……それが出来てしまうのが魔王パラダルクの恐ろしいところだ。しかも『過去属性』を従えるこの魔王の所作は、下手に動けば“初めからそうだった”という既成事実となってしまえる。これが『過去属性』の最大の長所だ。
 単純に朔夜と魔王のユーベルコードの相性という点も除外しても、朔夜と『過去属性』は相性は悪いようだ。
「どうだ、猟兵? おとなしく踵を返す気になったか?」
 パラダルクの問いに、朔夜が素直に首肯するはずもなく、ルーンを詠唱しながら魔眼のユーベルコードを発動させた。
「ソーン、イス、ユル、ハガル……! そして、Memento mori……!」
 ユーベルコード『凄惨たる滅びの時来たれり(ミゼラブル・アポトーシス)』は、朔夜の魔眼で視認された対象へ『内部から自壊と壊死させてゆく呪詛』を与える。
 睨まれた竜乙女たちはことごとく内臓が壊死して斃れてゆくが、これによってパラダルクに朔夜のユーベルコードがコピーされてしまう。
「愚かな。散々に私が警告したのに押し通るとはな? 強力な呪殺の魔眼、お前自身の身体で味わうがいい」
 パラダルクが朔夜を呪い殺そうと睨み付ける。
 朔夜の内臓が一気に自壊し、腐り落ちてしまう!
 ……かと思われたのだが、何も起きなかった。
「何故だ? 何故発動しない? 確かにユーベルコードはコピーできたはずだが?」
「少しネタバラシをしよう」
 安堵の表情を浮かべた朔夜が、右目に宿した魔眼でパラダルク及び儀式場で踊り狂う竜乙女たちを見据えながら言い放った。
「俺のユーベルコードはこの右目で視認しなければ効果を発揮できない。仮にコピー出来たとしても、果たしてお前達に使えるかな?」
「なんだと? 効果をコピーできても、発動トリガーが揃わねば無意味だというの、か……うぐッ……!?」
 パラダルクは途端に苦悶の声を上げて血反吐を足元にぶちまけた。
 朔夜の呪詛が内臓を壊死させ始めているのだ。
 同様に、儀式を執り行っていた竜乙女のいくらかが腐乱死体となって崩れ落ちる。
 これに振り返った魔王が舌打ちをした。
「私はこの程度で済んだが、女の子たちは無事では済まないか。また儀式が滞ってしまうではないか。やってくれたな……!?」
「なんとか当初の目的は果たせたか。未来属性の貴様は大したことなかったが、過去属性の貴様はやりづらいことこの上ないな……俺も出直すとしよう。次はこうはいかないからな……?」
 どうにか朔夜は勝利を収めたが、朔夜にとって色々と課題の残る結果となったのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

レーヴァ・アークルージュ
ブラックアンヘルとホワイトディアブロ……
この力はそう称されているんだね

白と黒の未来と過去を司る狐火を灯すと同時、その黒白の炎は『攻撃を受ける未来』と『攻撃を受けた過去』そのものを焼き尽くしていき、先制攻撃を放った時間軸を焼却して無効化していく

過去と未来の属性を操れるのは自分だけじゃないって事
其れを胸に抱いて逃げると良いよ

周囲の大体100mを空間を火炎に変換し、敵を構成する『過去』に由来する全ての力をドラグナーガールから奪っていく
そのユーベルコードは『敵』……つまり私に触れないと発動しないでしょ?
そうじゃなくても『記憶を忘れた過去』を焼き尽くして無効化
そのまま黒き炎で焼却していくよ



 レーヴァ・アークルージュ(超学園級の烈焔魔導士・f29627)という、赤毛の妖狐少女のことを少し話そう。
 彼女は森羅万象を『炎』で制御せんと試み、それを実現させる者である。
 その制御の対象は時間も例外ではない。アポカリプスヘルでの『時間質量論』の論文の発見が、レーヴァにとって大きなブレイクスルーとなったのだ。
「アンヘルブラックとディアブロホワイト……『過去』と『未来』を操る力は、そう称されているんだね」
 レーヴァは魔王パラダルクと対峙する。魔王の傍らに侍らせる黒い踊り子装束を纏った『アンヘルブラック』の竜乙女を見遣りながら、烈火の妖狐少女はキラキラと目を輝かせる。
「過去の具現化に受肉化。ある程度の自我が見られて、それでいて従順な性格。いや、過去属性のオブリビオン化ともいえるのかな? とても興味深いね?」
「先程から何をぶつぶつと呟いている? 用がないなら帰れ。今までは不覚を取ったが、私の能力は無敵といって差し支えないのだからな」
 パラダルクは背後に控える竜乙女の儀式を守るように立ちはだかる。
 そして一瞬のうちにレーヴァの周囲を竜乙女で完全包囲してみせる。
「絶対必中にして絶対先制。私のユーベルコードに一分の隙も無い」
「これが『万物を女の子に変える能力』だね。確かに凄い精度が高い能力だけど……相手が悪かったね?」
 レーヴァの傍らに白と黒の狐火が浮かび上がる。
 竜乙女たちはその火を捕えて、レーヴァのユーベルコードの使い方を記憶して新たな竜乙女を生み出すリソースとせんと試みた。
 しかし、殺到した竜乙女たちは一瞬で黒白の烈火の前に灰燼へと帰してしまう。
 一瞬の出来事に魔王パラダルクが唖然としている……!
「馬鹿、な……? 過去属性の攻撃だぞ、確定した時間軸の事象が防がれるはずがない!」
「だから、相手が悪かったねって言ったはずだから。過去と未来の属性を操れるのは自分だけじゃないって事だよ。私の黒き狐火は『私が攻撃を受けた過去』を、白き狐火は『私が攻撃を受ける未来』を焼き尽くす事が出来る。魔王パラダルク、それはつまり、先制攻撃を放った時間軸を焼却して無効化していくことを意味する」
「なん、だ、と……!?」
 パラダルクは開いた口が塞がらず、驚愕のまま固まってしまう。
 絶対の自信をもって会得した『過去』と『未来』の竜乙女たちの効力を、既に目の前の赤き妖狐少女は当然のことのように……しかもパラダルクより巧みに扱っているのだから。
「パラダルク、そのユーベルコードは『敵』……つまり私に触れないと発動しないでしょ? でも触れる前にドラグナーガールたちが存在していたという『過去』を私は焼却できてしまう。『過去』をなかったことに出来る。ここから先は私の独壇場で、ひたすらの蹂躙の時間。其れを胸に抱いて逃げると良いよ、魔王パラダルク」
「馬鹿な、ありえない。そんなことがあって堪るか!」
 過去属性へのピンポイントなクリティカルヒットに、パラダルクは恐慌してしまう。
 レーヴァは周囲に蔓延る竜乙女たちを一掃するべく、ユーベルコードで一気に勝負を決めにいった。
「全てを喰らえ、太陽を統べる者にして全てを貪る者たる黒き焔よ。汝が貪るは過去から蘇りし忘却の理の由来たる起源なり。汝の名は――『起源たる理の由来を奪う暴食の黒焔(ロストブレイズ・ブラックアポリオン)』……!」
 半径112m内の虚空から『空間』そのものを変換して生み出した黒き焔……過去を焼き払う狐火が出現すると、竜乙女たちの『過去に由来する全ての力』が失われ、レーヴァの周囲から消失してしまった。
 それは儀式を司る竜乙女たちにも影響を与え、かなりの人数を消失させていった。
「猟兵にも時間を操る者がいるとは……想定外ではないか!」
 パラダルクも黒き焔をその身に浴びるが、完全な滅殺までに至らない。今の猟兵たちの実力ではパラダルクを殺せないとグリモア猟兵も言及していたが、レーヴァの『過去を焼き払うユーベルコード』でも倒せない程の強敵であることが証明されてしまった。
「この焔に耐えるんだね……。次に会ったときこそ、必ず焼き尽くしてみせるよ」
 魔王こそ退けることは出来ずとも、圧倒的なユーベルコードの威力で儀式の妨害を成功させたレーヴァは満足しながら後続の猟兵とバトンタッチしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
「ご主人サマ!女の子を一杯増やすドスケベドラゴン君がいるよ!それならもう…あれだね!」

お、お前!!あれをやれってか!?
ちっ…彼奴の眼球は奪ったし…帝竜眼は…くそ!力負けするか!(ぎりぃ

おいドスケベドラゴン…これからてめーにとって嬉しい展開だ
泣いて喜べ(死んだ目

【情報収集・視力・戦闘知識】
戦艦の構造
ガール達とパラダルクの陣形や立ち位置
踊ってるのの捕捉
更にこの場から脱出のためのルートの把握
対WIZ
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を己と竜眼号に付与
光学迷彩で隠れつつ水の障壁で匂いや音を隠蔽


…UC発動
「「ひゃっはー☆女の子が一杯だー!」」
絶望の宴が始まる…
僕は脱出し竜眼号搭乗

幼女軍団
【空中戦・集団戦術・弾幕・念動力】
一部は主の護衛
残りは戦艦内外を蹂躙
念動光弾で破壊の限りを尽くし
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み・捕食(意味深)】
ガールに襲い掛かり複数で確実に一撃で仕留め回復の間は与えない
踊ってるのを優先的に撃滅

「元から幼女だし☆」
「でもねドラゴン君…女の子でも…」
「生やせるぞ☆」

地獄の幼女祭り発生中


ムゲン・ワールド
【莉出瑠(f36382)】アドリブ歓迎
SPD

 森羅万象を女の子化して侍らず能力!? な、なんて羨ましいんだ。私も欲しい……。
 
 さて、ユーベルコードをコピーするのか。なら私はユーベルコードを使わない。

 莉出瑠、ゴーストガールで私に取り憑け!
 これでよし、莉出瑠のユーベルコードはコピーされるだろうが、私にはもう莉出瑠が取り憑いている。ドラグナーガール達は脆弱な状態のまま何にも取り憑けないはずだ。
 
 あとは仕込み杖を抜き放ち、儀式のために踊るドラグナーガール達を血祭りに上げるとしよう!

 可愛い女の子に手をあげるのは本当に忍びない!
 すまない! もし何かの間違いで転生したら私を囲ってくれ!


有栖川・莉出瑠
【ムゲン(f36307)】アドリブ歓迎

 うー、アナタ、また他の女、話、してる。
 ワタシ、も、たくさん、増える、ユーベルコヲド、欲しい、な。そしたら、アナタ、ワタシ、だけ、見てくれる?

※莉出瑠はムゲンをアナタと呼ぶ
※莉出瑠はムゲンを恋人だと思っているため、他の女に嫉妬する

 おー! アナタ、一心同体! いいの!
 やる! やる!

 ユーベルコード、発動。ドラグナーガール、より、早く、アナタ、取り憑く!

 後、蛇の尾、操って、アナタ、狙う、敵、噛み付く! うー!

 うー、結局、他の女、話……。ワタシ……ここ、いる、のに……。

 アナタ、ガブっ
※ムゲンのケツに噛み付く。


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

うっひゃあ、なんだこの空間は……
擬人化、って奴だよなコレ?
イケメン無罪かなんか分からねぇけどさ、
趣味に走った魔法か何かかよ、って
コラ珍獣!「魔法」ってだけで反応して出てきやがったな!?
あのな!?見て分かるだろこの状況!
ほとんど世の全部の属性があんな感じに女の子になって!
やる気満々でこっちに向かってきてるわけ!
アタシも対抗するにゃ無属性の『衝撃波』をぶち込むくらいしか……
え?アッチが先手を取ってくれたからやり様がある?
じゃあやってみせろよ!変身でも何でもするからよ!

って「ドラグナーガール」を「魔法少女」に変えて無力化!?
因果律操作の応用ってか魔法少女への熱意怖ぇ……。



 魔王パラダルクは絶望した。
 今の自分は猟兵達の攻撃を受けても死ぬことはない。
 だが、いっそ殺せと魔王は願った。
 何故なら――。

 ……時を戻そう。
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)の相棒こと銀髪美少女然とした機神メルクリウス……メルシーは、魔王パラダルクを指差すなり叫んだ。
「ご主人サマ! 女の子を一杯増やすドスケベドラゴン君がいるよ!」
「羨ましいですね……リア充、殺すべし。慈悲はない。ぐぎぎぎ……!」
 ドラゴンに対して敵意をむき出しにするカシムが、目の前でリア充ハーレムを展開されていたら、そりゃもう激おこ案件なわけである。
「おいてめーパラダルク! その『過去属性』のボインボインなドラグナーガールを僕に寄越せ! そしたら見逃してやらんでもないです! 代わりに、この性癖が歪んだクソ駄女神と交換してくれ!」
「ヘイヘイ☆ バッチコーイ☆ メルシーの性癖は百八式まであるぞ☆(迫真)」
「お前らは何を言ってるんだ?」
 パラダルクは既にカシムとメルシーの会話に置いてけぼりを喰らっている!
 そしてもう一方、ムゲン・ワールド(愛に生きたナイトメア適合者・f36307)と有栖川・莉出瑠(サキュバス・キュアのパーラーメイド・f36382)もドラグナーガールのハーレムに反応を示してみせる。
「森羅万象を女の子化して侍らず能力!? な、なんて羨ましいんだ。私も欲しい……!」
「うー、アナタ、また他の女、話、してる。ワタシ、も、たくさん、増える、ユーベルコヲド、欲しい、な。そしたら、アナタ、ワタシ、だけ、見てくれる?」
 頬を膨らまして不貞腐れる莉出瑠がムゲンの顔を覗き込む。ムゲンはそんな莉出瑠に対して、邪魔だと言わんばかりに顔を横へ退ける。
「いや、今だって莉出瑠を見てるだろう。なんでそんな不機嫌なんだ、全く……」
「うー、うー! ちがう、そうじゃない!」
 河豚のように膨れっ面の莉出瑠、そんな反応に何にも感じないムゲン。
 こんな2人をカシムとメルシーが見たらどうするか?
 当然、カオスが量産させる。
「気が合いますね。僕も森羅万象を女の子化させてエロエロ、じゃなかった色々と侍らせたいと常日頃から考えている紳士でして。ああ、申し遅れました、僕は天ッ(↑)才(↓)魔術盗賊で超絶イケメン猟兵のカシムさん様です」
「私はムゲン・ワールドです。なるほど、カシム君もハーレムに興味をお持ちで? 愛は良いものです。しかも多ければ多いほど素晴らしい」
「その通りです! 愛とエロは多ければ多いほど素晴らしい!」
 互いに自己紹介を済ませた『紳士』2人は、直感的に「こいつとは友達になれるんじゃね?」と確信する。
「まさかここまで話が合う猟兵がいるなんて思ってませんでした。イエスハーレム、ゴータッチです!」
 カシムの言葉にムゲンに稲妻が走る。
「イエスハーレム……ゴータッチだと!?」
「勿論ですとも! イエスハーレム、ゴータッチ!」
「素晴らしい! イエスハーレム、ゴータッチ!」
「「イエスハーレム、ゴータッチ!!!」」
 ガシッとカシムとムゲンが熱い握手を交わす。
 今ここに『紳士同盟』が締結された瞬間である。
 そして、こっちもこっちで異種族コミュニケーションが図られていた。
「もー、ホント男子ってスケベなんだからー☆ ねー? 莉出瑠ちゃん☆」
「え、だれ?」
「メルシーだよ☆ よろぴこ☆」
 距離感ゼロのメルシーにビビる莉出瑠。
 だがメルシーは莉出瑠の悩みを察して言葉を投げかける。
「好きな人に振り向いてもらえないのってマジつらたんだよね~?」
「っ! おー! わかる? ワタシ、アナタ、一緒、ラブラブ! でも、アナタ、いつも、無視する……」
 莉出瑠はムゲンを指差しながら片言でメルシーに自身の想いの丈を訴える。
 どうやら莉出瑠の中では、ムゲンは恋人という認識らしい。しかしムゲンはそんなことを微塵も思っていないのは今までのやり取りで明白である。
 これにメルシーが腕を組んで理解者面をする。
「メルシーもご主人様サマ超ラブ勢アルティメットマックスハートなのに、全然振り向いてくれなくてね? いつも蹴っ飛ばされたり敵の攻撃の盾にされたり……」
「暴力男! キケン! ヤバイ! たいへん!」
 莉出瑠がカシムを指出して喚く。
 だがメルシーは首を横に振る。
「心配してくれるの? 莉出瑠ちゃんってば優しいんだね! でも大丈夫! ご主人様サマはガチのクズだけど、本当はとっても優しくてカッコイイんだよ☆ キャッ☆」
「おー! 恋女房! ナイジョのコー!」
 DVクズ男に心酔する駄目カノジョの構図なのだが、莉出瑠はメルシーの無駄に健気な部分に何かを見出してしまったらしい。
 方や男の友情が、方やコイバナで盛り上がる猟兵。
 そして魔王パラダルクは……。
「いや、帰れ!!」
 割とブチギレていた。
「そっちが攻撃の意思がないので静観していたのだが、いや、私は今、何を見せられているのだ? そこの猟兵、この状況は一体何なのだ? 説明しろ」
 パラダルクから急に話を振られたのは、同じく目の前の状況を傍観せざるを得なかった数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)である。
「いや、そんなことアタシに言われてもね……。つか、そちらさんも大概じゃないかい? うっひゃあ、改めて見てみればなんだこの空間は……擬人化、って奴だよなコレ? イケメン無罪かなんか分からねぇけどさ、趣味に走った魔法か何かかよ」
「黙れ。これこそ私の異能力。そういうお前も背後から何かが出ているではないか?」
「へ? いやいや、そんな馬鹿な……?」
 数宮は恐る恐る背後へ振り返る。
 するとそこには……。
「やぁ、奇遇だね、多喜ちゃん!」
「てんめぇコラ珍獣! アタシの『魔法』って言葉だけで反応して出てきやがったな!?」
「でもなんだか困ってるようだし、そろそろ僕の助けが必要なんじゃないかな?」
 ウサギのような精霊のような、マントを羽織ったアイマスク神獣がニタニタと笑みを浮かべる。
 そんな神獣に数宮はパラダルクと紳士同盟とコイバナをそれぞれ指差して声を荒げた。
「あのな!? 見て分かるだろこの状況! ほとんど世の全部の属性があんな感じに女の子になって! やる気満々でこっちに向かってきてるわけ! オマケに味方はカオスを現在進行形で量産中だ! どうしろってんだよ! ツッコミ役に回ろうとも、既に手遅れじゃないか!」
「敵ながら私もそう思う。非常に度し難い」
「ほら! 魔王も匙投げてやがる! つか、いきなりユーベルコードを撃ってきやがった!?」
 もはやカオスの楽園と化した儀式場から猟兵を排除するべく、パラダルクはユーベルコードを全力で発現させた。
「いい加減に出ていけ。私は忙しいのだ」
「チィ! こうなったらサイキックと衝撃波で凌げるところまで凌いでやろうじゃないか!」
 押し寄せてくる水光土火樹薬風毒氷闇の十属性の竜乙女たちが数宮とカシムへ突っ込んでいく。
 数宮はどうにか持ち前のサイキックで竜乙女たちの接近を防ぎつつ、拳から電撃を放って応戦する。
「魔王は雷に苦手意識でもあるのかね? 十も属性を操るわりには雷属性だけは変換できないからさ!」
「ぐっ……! くそ、知らない記憶が、うぅ……!」
 電撃を浴びるたびにパラダルクが苦悶の声を呻く。そして数宮の読み通り、雷だけは何故か変換できずにダメージが通っていく。
 だが十属性の竜乙女たちは攻撃の他に回復も施せるため、数宮だけの対処では千日手になってしまう。
「多喜ちゃん! やっぱり僕の出番だね! 耳を貸して!」
 此処で満を持して神獣が数宮に耳打ちする。
「え? アッチが先手を取ってくれたから、いくらでもやり様がある?」
「しーっ! 声が大きいよ!」
「あ、悪かったね……ってなんでアタシが謝るのさ? もうなんでもいいからやってみせろよ!」
「それって変身もオッケーってことだよね?」
 ニヤリと黒い微笑を湛える神獣に、数宮はやけっぱち気味に叫んだ。
「早くしろって! アタシなら変身でも何でもするからよ!」
「やったー! 今日も業績ノルマ貢献、ありがとう多喜ちゃん!」
「あー、珍獣って業績ノルマがあるだっけか? そっちの業界も大変なんだな……って感傷に浸ってる暇はないさね!」
 数宮は手元に現れた『らじかる☆ハートロッド』こと戦車砲身を掲げて叫んだ。
「まじかる☆らじかる☆たりらりらーん!!!!!」
 ……この瞬間、魔王パラダルクの絶望が始まった。
 一方、カシムとメルシーへ襲い掛かった竜乙女たちはというと?
「ひゃっはー☆ おっぱいブルンブルンの女の子たちが迫ってくるよ! これはもう、あれをやるしかないよね!」
「まさか……あれをやるのか!? 地獄を始めるというのか……?」
「何時やるの? 今でしょ?」
「ぐぎぎぎ……! 帝竜の力じゃ押し負けるし、最悪は女の子に変換されるか!」
 カシムは苦渋の決断を下す。
「おいドスケベドラゴン魔王……これからてめーにとって嬉しい展開だ。泣いて喜べ」
 しかしカシムの目は死んでいた。
 次の瞬間、カシムの姿が儀式場から姿を消す。彼は実験戦艦ガルベリオンの外に待機させていた空中巨大戦艦『竜眼号』の中へと転移していた。
 そして残されたメルシーはというと……。
「みんなー! メルシー初夏の幼女祭り、はっじまるよ~☆」
 その身体が白銀のメタルスライムに変化すると、そこからポコポコと幼女化したメルシー達が飛び出していくではないか。その数は留まることを知らず、儀式場に溢れ始めてゆく。
「「メルシー達は全員で125師団分出てくるぞ☆」」
「馬鹿なのか!? そんな人数、この場に収まるわけがないだろう!?」
 慌てるパラダルクだが、既に幼女メルシー達が戦艦内部の破壊を開始している!
「あ、パイプがもげた☆」
「この配線、どこのだっけ?」
「押すなって書いてあったボタンを押しちゃった☆」
「何してんだお前らァァァァァァ!!」
 儀式場の一部が爆発! 鳴り響く警告アラート! どっかから水漏れがする音!
 戦艦ごと破壊しようとする幼女メルシー軍団に魔王は慄く。
 しかし、幼女祭りの真の恐ろしさは此処からだった。
 そうとも知らずにパラダルクはノーマークだったムゲンと莉出瑠へ(半ば逃げるように)攻撃を仕掛ける。
 竜乙女をけしかけ、ムゲン達のユーベルコードを浴びさせてコピーしようと目論むのだ。
「さて、ユーベルコードをコピーするのか。なら私はユーベルコードを使わない。莉出瑠、ゴーストガールで私に取り憑け!」
「おー! アナタ、一心同体! いいの! やる! やる!」
 莉出瑠は喜々としてムゲンの身体に憑依開始する。
「ユーベルコード『コスチュームプレイ・ゴーストガール』、発動。ドラグナーガール、より、早く、アナタ、取り憑く!」
 肉体が脆弱になる代わりに、シーツを被ったお化けのような姿になってムゲンへ憑依すると、お尻から蛇の尻尾を生やしてみせる。
「というか、パラダルクはドラグナーガールを憑依できない。つまりコピーしても使えないからな? これでよし。あとはドラグナーガールを仕込み杖で片っ端から斬り伏せるだけだ!」
「蛇の尾、操って、アナタ、狙う、敵、噛み付く! うー!」
 今いる猟兵の中で、まともに戦闘するのはこの2人だけだったりする。
 ムゲンと莉出瑠は他の惨状を見て見ぬふりをしていた。
 何故なら……。
「ってドラグナーガールを魔法少女に変えて無力化!?」
「そして魔法少女軍団でドラグナーガールを攻撃だよ、多喜ちゃん!」
「因果律操作の応用ってか魔法少女への熱意怖ぇ……て、アタシも行くのかよ!」
 数宮はピンクのフリフリ衣装な魔法少女に変身しており、巨大な戦車砲身をぶん回して竜乙女ごと魔王をぶん殴り始めた。
「グワーッ頭部への殴打ぁー!?」
 訳も分からず吹っ飛ばされるパラダルク!
 そこへ忍び寄る幼女軍団!
「メルシー達もドラグナーガールになっちゃったぞ☆」
「角も生えたけど、股間も生えたぞ☆」
「というか元からメルシー達は雌雄同体の完全なる神様だから生えてるぞ☆」
「メルシー達の股間のガトリング砲が火を噴くぞ☆」
 大量に存在した竜乙女たちはアレコレされて昇天されてゆき、もはや魔王と儀式に参加する竜乙女しかこの場に存在する敵がいなくなっていた。
 メルシー達は魔王の肢体を拘束すると、その股間目掛けて猛ダッシュ!
 そして全力でその股間を蹴り上げた!
「くたばれ租チn野郎☆」
「アバーッ!?」
 クリティカルヒット!
 続けて数宮も戦車砲身で股間を殴打!
「もうツッコミきれねー! どうにでもなりやがれ!」
「グワーッ!」
 魔王は悶絶!
「敵、蹴る! うー!」
「馬鹿! そんなとこ蹴るな!」
「アババババーッ!?」
 莉出瑠がムゲンの身体を動かして魔王の股間を蹴り上げれば、ムゲンの身体が思わず竦み上がってしまう。男子なら誰しもが幻痛に苛まれるからだ!
「可愛い女の子に手をあげるのは本当に忍びない!  すまない! もし何かの間違いで転生したら私を囲ってくれ! イエスハーレム! ゴータッチ!」
「うー、結局、他の女、話……。ワタシ……ここ、いる、のに……ガブッ!」
 莉出瑠は憑依を解除すると、嫉妬心に身を委ねてムゲンのケツへ噛り付く。
 突然の激痛にムゲンが飛び上がる!
「いだだだだ! 莉出瑠、何がしたいんだ!?」
「うー! うー! メルシー! アナタ、鈍感!」
「そーだねー? ムゲンくんは鈍感だねー? よしよし☆」
「メルシー、やさしい。メルシー、ともだち!」
「メルシーも莉出瑠ちゃんとズッ友になりたいな☆」
 股間を抑えて涙を流す魔王パラダルクを尻目に、キラキラな女子力アトモスフィアが戦場に充満する。
「多喜ちゃん! あの輪に入って流れを掴むんだ!」
「流れを掴むって、なんの!? 10代の輝きか? アタシが20代だからか!? 余計なお世話だこの珍獣!!」
「おうっふ! 今、僕の新たな性癖がオープン・ザ・ドアー!」
 雑巾絞りにされる珍獣が恍惚の笑みを浮かべる。
 そんなカオスを、空中戦艦のモニター越しに眺めていたカシムが呟いた。

「……いや、なんだこれ!?」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
属性や此方の武装が女の子に、擬人化させる能力とは、業が深い魔王ですが……竜神親分の命を狙う上に、ガチデビルの手の者なら、尚の事思う通りには

●POW:UC対策込み
ドラグナーガールで包囲が避けれないならその時に『早業』で『オーラ防御&誘導弾&属性攻撃(デコイ)』込めた『2回攻撃&範囲攻撃&制圧射撃』の【全遠距離武装】の『砲撃&弾幕&レーザー射撃&一斉発射』周囲展開

『念動力』で『弾幕』を『盾受け』する様に展開し阻み『早業』UC発動&オーバーロード

『空中戦&推力移動&ダッシュ』で駆け『第六感』で『瞬間思考力&見切り』つつドラグナーガール達の攻撃や隣接を『空中機動&残像』で回避し【なめろうフォースセイバー】で『なぎ払い&切り込み』ドラグナーガール達の儀式を妨害、引っ掻き回し

その中でもドラグナーガールの各属性の特徴を『学習力&戦闘知識』で『見切り』それに対応した『属性攻撃』の『弾幕&レーザー射撃&誘導弾&砲撃』に切り替え迎撃しつつ隙あらば『貫通攻撃&一斉発射』でパラダルクごと攻撃です

※アドリブ歓迎


テラ・ウィンディア
…そうか
あんたはその力を使うのか

なら…おれもまた使おう

【戦闘知識】
パラダルクとガール達の陣形と動き
踊ってる奴の立ち位置を把握

特にパラダルクについては他の依頼での戦い方も確認
目の前のとの差異も細かく分析

相手はガチデビルも超える相手だ
そしてアンヘルの力を宿すならおれの刃を届かせる…!

更にパラダルクがこの場を去ろうとするなら何処を通るかのルートも捕捉

対pow
【属性攻撃・オーラ防御】

炎のオーラ展開し近づけさせない

【空中機動・残像・見切り・第六感・武器受け】
大軍に触れられないように飛び回りながら残像を残し回避
避けきれないのは剣と太刀で迎撃!触れられないようかいひ激しく斬撃を空間に刻むよう振るう

【弾幕・切断・二回攻撃・早業・重量攻撃・貫通攻撃・串刺し】
三呪剣展開

斬撃弾幕の如く暴れ回させる

ガンドライド
ドリルビット展開!
重力弾幕でガール達の動きを止

剣と太刀による連続斬撃で切り捨てる!

斬撃は仲間や敵の放ったものは須く頭に叩き込む!

斬撃濃度が高まり踊ってるのやパラダルクも巻き込める時

消えざる過去の痛み発動!



 先ほどのカオスをなかったかのように振舞いながら、若干涙目の魔王パラダルクは猟兵を出迎える。
 今までとは気迫が違う2人の猟兵達……ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)とテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は、あと少しで儀式を停止できると確信していた。
「属性や此方の武装が女の子に、擬人化させる能力とは、業が深い魔王ですが……竜神親分の命を狙う上に、ガチデビルの手の者なら、尚の事思う通りにはさせません」
 ビスマスは腰元に装着したディメイション・ローカルドライバーへ、『鮪』『アボカド』『バナナ』のディメイション・ローカルライドカードをスラッシュさせる。更に、オーバーロード・ガジェットを挿入し、戦闘準備は万端だ。
 テラも魔王が『過去属性』を操ると聞いて黙っていられない。
「……そうか。あんたはアンヘルブラック……その力を使うのか」
 テラは魔王が侍らせる『過去属性』の源泉こと黒騎士アンヘルの力にかつて大敗を喫した。
 それからテラは独学で限定的に『過去』を操るユーベルコードを取得したのだ。
「なら……おれもまたアンヘルブラックを使おう」
 魔王パラダルクは2人の猟兵へノータイムでユーベルコードを放つ。
「無駄だ。私のユーベルコードは確定された『過去』から放たれる。それは決定した事実であり、お前たちの敗北は宿命付けられているのだ」
 儀式場が竜乙女で満ち溢れ、2人は一瞬で完全包囲されてしまった。
 テラは身構え、全身に炎のオーラを発散させて超克!
 真の姿である紅蓮の炎を纏った赤き竜巫女へと変身すると、空中砲台ガンドライドと自律駆動掘削兵器ドリルビット2基を竜乙女たちへ放った。
(相手はガチデビルも超える相手だ、そしてアンヘルの力を宿すなら、必ずおれの刃を届かせてやる……!)
 テラ自身も燃え盛る紅龍槍『廣利王』と、真紅の星の輝きを宿した星刃剣『グランディア』の二振りを左右同時に鞘から抜き払うと、近寄ってきた竜乙女たちを躊躇なく斬り捨て、穿ち、撃ち抜いてゆく。
「通常攻撃ならパラダルクのユーベルコードでコピーされないはずです! テラの武器も女の子に変えられるでしょうが、魔王の能力には弱点があります!」
 テラの頭にしがみつく黒猫ヘカテにゃんがテラへ囁く。
「それは、パラダルク自身が対象を認識していない限り、女の子へは変えられないことです! 事実、この大軍がパラダルクの視界を覆って私達の猛攻を視認できていません。だから……」
「ガンドライドもドリルビットも、『廣利王』も『グランディア』も! 奴に奪われずに済んでいるのか!」
 魔王パラダルクの『女の子化の能力』は万能ではない。
 何故なら、魔王が把握しきれていない事象や認知していない装備など、思いもよらない初見の事例には効果が及ばないのだ。魔王自身がいくら過去を操れるからとはいえ、それはあくまで受動的な効果であり、奇襲攻撃や隠密行為は魔王には有効!
「ヘカテさん、それが本当なら……私も遣り様がありますよ!」
 ビスマスは敢えて竜乙女たちの中へ身を突っ込ませると、敵中でドライバーのギミックを発動させて変身する!
 ドライバーの謎の電子音声が竜乙女たちの軍勢の中から轟いた!
『Namerou Hearts……tuna! banana! Avocado!』
 突如、亜空間から出現したマグロ型鎧装・バナナ型鎧装・アボカド鎧装の3種が竜乙女たちを吹き飛ばし、パラダルクの視界を覆う肉壁となる。
「今です! 生成(ビルド)! ナメローズマバア・オーバーロード!」
 オーバーロード・ガシェットも同時発動させれば、3種の鎧装がコンバイン装着し、七色のグラデーションを誇るハワイアンなめろう鎧装を纏ったビスマスが爆誕した!
「この鎧装に触れさせません! 光学ミサイル弾頭ハワイアン風味! 発射!」
 砲身から発射された『ビスマスの姿をしたミサイル弾頭』が竜乙女たちを吹っ飛ばす!
 更に爆破した余波エネルギーをオーラ人形として操作することで、数の不利を押し返そうと試みる。
 これに魔王パラダルクは当然、デコイのビスマス人形を竜乙女へと変換するのだが……。
「引っ掛かりましたね! そのデコイ人形は私の意思で自爆します!」
 竜乙女化したデコイ人形が操られる前に、ビスマスは次々と敵陣のど真ん中で人形を自爆させてゆく!
 これには魔王も予想だにしておらず、南国の陽のエネルギーが込められた爆発に圧倒されてしまう。
「くっ!? 爆発で肝心の猟兵が何処だか見えぬ!」
 目に見えるビスマスを竜乙女に変えては自爆されるので、どんなに竜乙女たちを生み出してもすぐに倒されてしまう。
 その猛威は次第に儀式を執り行う踊り子の竜乙女たちも被害を受け、ひとり、またひとりと自爆特攻の餌食となる。
「ちょっと後味悪いですが……定められた『過去』を打ち破るのは、誰も予想だにしていない『未来』と相場が決まっています! この奇襲が成功したことが、それを証明しているのです!」
 ビスマスは虹色に輝くなめろうフォースセイバー(ハワイアン風味)を振るいながらマグロ・キリミ・ウィングの推進力で儀式場を高速で移動して魔王の認知を遅らせてゆく。
 薙ぎ倒される竜乙女たちが宙を舞えば、そこへテラの赤き剣閃が素早く空間を走る。
「魔王パラダルク! お前の過去は、この宝貝『時空魔刃・三呪剣』で斬り捨てる!」
 テラが浮遊する白・黒・灰の三対の剣型宝貝をパラダルクへ射出!
 竜乙女の合間を縫って突っ込む6つの切っ先が魔王の肉体に突き刺さった瞬間、竜乙女の出現がぴたりと止まった。
「な、何故だ? 何故私の能力が使えない!?」
「教えてやる、パラダルク……お前の過去を、ほんの少しだけ『切り取った』んだ。今のおれじゃ、ほんの少しだけしか狙えなかったが……それでいい。おれが一番切りたかった『過去』は……“ここで先制攻撃をおれ達へ放った”という『過去』だからな!」
 テラはピンポイントの『過去』だけを三呪剣で斬り捨てることで、パラダルクの能力を一時的に停止させたのだ!
 これにビスマスが喝采の声を上げた。
「つまり、もうこれ以上の竜乙女を作り出せないってことですね! テラさん、ナイスです!」
「ビスマスのデコイ自爆もえげつなかったけどな? でもあれのおかげで、おれは三呪剣を精確に魔王へ放つ事が出来たんだぞ!」
 互いを認め、勝利へ向かって足搔いた結果、最良のコンビネーションを2人は生み出していた。
 あとは儀式を完全に停止するだけだ!
「テラさん、一気に決めましょう!」
「ああ! ビスマス、もっと剣を使ってくれ! まだ『足りない』んだ!」
「分かりました! なめろうフォースセイバー、フルチャージです!」
 マグロ型のビームソードが七色の輝きに満ち溢れれば、南国のご当地パワーが臨界点を超越して巨大化してゆく!
「この威力は砲撃に迫る破壊力を誇ります! これが、ハワイアンなめろうのコンボです!」
『Namerou Hearts Charge!! tuna! banana! Avocado!』
「セイヤーッ!」
 突撃したビスマスが巨大化したなめろうフォースセイバーを何度も振り下ろして魔王へ叩き込む!
「ナメローズマバア・バーッシュ!!」
「グワーッ!?」
 爆発するパラダルクに巻き込まれ、竜乙女の多くが粉々に吹き飛んだ!
 そしてテラはこの時を待ち詫びていた!
「よし、この場に『斬撃』が満ちたぞ! 魔王パラダルク、みせてやる……これが、おれの『過去』の力だ!」
 テラの叫びに呼応して、虚空から『今まで空間に刻まれた斬撃』のすべてが浮かび上がる!
「これは我が悔恨……我が無念……そして、おれが知る恐るべき刃だ…! 魔王パラダルク、とくと味わえ……!」
 テラが射程圏内から逃れたのと同時に、斬撃の軌跡が魔王パラダルクと竜乙女へ浴びせられてゆく!
「黒騎士アンヘル譲りの剣技! 悔恨『消えざる過去の痛み』!」
「うがあぁぁっ!?」
 過去の斬撃が現在を刻み、死という未来をもたらす!
 これにより竜乙女は全滅し、儀式が完全に停止した。
 だが魔王パラダルクは満身創痍ながらも、いまだ健在であった。
「……見事だ、六番目の猟兵達。この深手の傷ではもはや目的を成し遂げることは不可能か。ならば一度撤退するとしよう」
「待て! 貴様は何処へ行くつもりだ!?」
 テラの問いに、パラダルクは不敵な笑みだけを返す。
「そういうわけで、お前たちには艦から降りてもらおう。さらばだ」
「うわっ!」
「きゃあ!」
 テラとビスマスの身体が光に包まれたかと思えば、一瞬でデビルキングワールドの何処かへ転送されてしまった。
 上空には、亜空間へ飲み込まれてゆく実験戦艦ガルベリオンの姿。
 結局、テラの知りたい情報は掴めなかったが、魔王パラダルクの儀式を阻止し、魔王ガチデビルへの道を切り拓いた。
 最終決戦が、幕を開ける……!

<了>

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月22日


挿絵イラスト