7thKING WAR㉕~ミッション:BREAK UP
●破界の力
「まずは地面を……デェェェストロォォォォイ!!」
大地に拳を叩きつけるデストロイキングボス。身の丈50mの巨体から放たれる破局の力が放たれ、大地は割れてマントルを刺激する。巨大なマントルの上昇流「スーパープルーム」が誘発され、そこかしこで即席の火山が誕生し、火砕流が吹き上がって火山弾が破壊された大地に降り注ぐ。これぞデストロイキングボスが振るう破界の力だ。
「我が力は破界。この力によって真なるデストロイキングダムを再世する。全ての創造には破壊が伴う……我が力は新たな創造の礎となるのだ!」
破壊の化身、デストロイキングボス。その力を振るうに相応しい相手を、彼はただ待つ。
「来い、猟兵よ。我が破界の力をその身に受け、真なるデストロイキングダム創世の礎となるために!」
その破壊衝動は、デストロイキングダム再世のための力。だが、デストロイキングダムは破壊のための世界──それは自らを飲み込むウロボロスが如き永劫回帰が齎す停滞の世界だ。
●その再世を破壊せよ
「改めてとんでもない奴を連れてきたものね、ガチデビルは」
グリモア猟兵、ベルゼ・アール(怪盗"R"・f32590)は戦慄していた。環境を完全に変える暴威はあまりにも強大すぎる。持てる力を全て破壊に回しているのだから、それらが猟兵に向けられると考えれば背中に寒気が走る。
「これを呼び出して従えてるんだから、ガチデビルの強大さが伺えるわよね。これでフォーミュラじゃないのよ? ……確かに、殲神封神大戦の鴻鈞道人みたいなイレギュラーも見かけるようになったけど」
ともあれ、とベルゼはスクリーンにミッションの概要を表示させた。
「今回のターゲットはこのデストロイキングボスよ。本来はビューティスパイダーっていう眷属を使ってテレポート能力を行使したりするんだけど、今回はそれを使わないみたいね。純粋に自分自身の破壊の力を使って猟兵との真っ向勝負をしようとしているわ」
正直、デビルキングワールドを一部とは言え破壊している以上、デビルキングワールド出身者のベルゼとしては放置するのは寝覚めが悪い。
「今のところは市街地とか集落なんかは巻き込まれてないから大丈夫だけど、こいつが人里に現れたらもう大惨事は見えてるわね。なんせデビキン住人の一部に該当するデストロイキング一族の始祖らしいから、タフネスに定評のあるデビキンの一般住民でも出血は避けられないでしょうね」
故に、討伐は確実に行うべき、とベルゼは強く主張していた。
「まず地面が完全に崩壊してマントルがむき出しになってるような状態だから、地に足をつけて戦うってのはもう不可能ね。相手のサイズも考えると空中戦を行うしか無いわ。幸い、足場はいっぱいあるわよ。岩盤が無数に浮かんでるから、それを上手いこと活かして戦ったほうが良いわね」
もちろん、絶え間なく火山弾や岩石が降り注いでいるため、これらを避けることも重要になる。
「同じところに留まってると痛い目を見るわよ。常に動き続けて、デストロイキングボスを翻弄してやりましょう」
単純なパワーで勝負を挑むのは愚の骨頂。スピードと戦略で対抗するのが良いだろう、とベルゼはアドバイスする。
「破壊しか考えていないやつに負けるわけにはいかないわ。こっちには知恵ってのがあることを見せてやりましょう!」
ベルゼは猟兵たちに檄を飛ばすと、端末を操作してグリモアを起動する。ポータルの先は全てが破壊し尽くされようとしている領域──急造のデストロイキングダム。
──7thKING WAR、デストロイキングボス討伐ミッション「BREAK UP」、開始。
バートレット
どうも、バートレットです。
デストロイキングボス戦のシナリオをお届けします。力こそパワーなデストロイキングボスに知恵と勇気で立ち向かいましょう。
今回のプレイングボーナスは以下のとおりです。
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プレイングボーナス……敵の先制攻撃に対処する/崩壊した大地の上で空中戦を展開する。
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ユーベルコード1回の行使につき1回の先制攻撃が行われます。先制攻撃への対処はその都度必要になることを頭に入れてください。また、両方の条件を満たさない限りプレイングボーナスの対象とならない点も注意が必要です。
OP承認後即座に募集を開始します。締切はシステム的に閉まるまで受け付けますので、奮ってご参加ください。可能な限り執筆いたします。その他諸注意はMSページをご確認いただければ幸いです。
では、皆さんのアツいプレイングをお待ちしております!
第1章 ボス戦
『デストロイキングボス・大地殲滅』
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POW : デストロイブラスター
自身の【敵の至近距離に移動して】から極大威力の【デストロイエネルギー】を放つ。使用後は【エネルギーチャージ】状態となり、一定時間行動できない。
SPD : デストロイサンダー
【デストロイしたい!という気持ち】のチャージ時間に応じ、無限に攻撃対象数が増加する【デストロイサンダー】を放つ。
WIZ : アルティメットデストロイ
自身の【肉体が究極デストロイモード】になり、【自分の受ける攻撃全てをデストロイする】事で回避率が10倍になり、レベル×5km/hの飛翔能力を得る。
イラスト:シャル
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リリスフィア・スターライト
災害のような相手だけれどだからこそ
放っておくわけにも負けるわけにもいかないね
絶対宣誓で真の姿になって出し惜しみなく戦うよ
まずは先制攻撃をどう凌ぐがだけれど
至近距離からの襲撃だという事は分かっているから
近づいてきたらタイミングで全速で距離を離して
デストロイブラスターの直撃は受けないようにかな
それでも極大威力による衝撃は避けられないだろうから
後は全力で耐えるのみだね
多少身体は傷ついても反撃できるだけの余力は残しておくよ
エネルギーチャージ状態になったなら反撃開始だね
魔剣を手に斬り込んで可能な限り
デストロイキングボスにダメージを与えるね
体力の限界が近づくかチャージが完了しそうなら一時後退するね
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
ぐわー!?でっかーい!?
だがこいつを倒さんと世界を救えない…!
ならば返りデストロイしてやるだけだ!行くぞー!
キャバリア操縦して空を駆け抜け崩壊した大地を飛び回ろう
敵の位置と行動を索敵し情報収集
瞬間思考力で攻撃を見極めカリスマオーラ纏い
ブラスターからとにかく必死に逃げ回ろう
敵が動けなくなったら敵目掛けて滑空して突撃
RBXSサークランサーを翳して敵の目に目掛けて串刺して目潰し!
UCで零距離巨大荷電粒子砲をぶっ放してやる!
なーにがデストロイだー!
滅茶苦茶にしやがって~!
私はベルト・ラムバルド!光明纏う暗黒騎士だ!
魔王なら騎士に黙って討たれてろー!!!
チェストー!そしてデストローイッ!!!
夜刀神・鏡介
拳の一撃でこれとは……。破壊力は今まで戦ってきた敵の中でも類を見ない
だが、だからこそ、こんなものを野放しにはできないか
神刀を抜き、神気を纏って身体能力を強化
空は飛べないので破壊された岩盤をダッシュとジャンプで飛び移る
先制攻撃は逃げつつ適当な岩を切り崩してそれにぶつけて威力を削いだ上で、神刀で切り払い
陸の秘剣【緋洸閃】で無数の刀を空中に生成。これを飛ばして攻撃すると共に、浮いたそれを足場として利用
空を飛ぶかの如く自在な操作はできないが、これで少しばかり移動の選択肢が増える
緋洸閃の刀で牽制しつつ、近付いて叩き切る
但し敵の攻撃で破壊される可能性は考えられるので、できる限り余裕を持って動く
●その暴威、まさに災害
「ぐわー! でっかーい!?」
「拳の一撃でこれとは……!」
ベルト・ラムバルド(自称、光明纏う暗黒騎士・f36452)、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)はデストロイキングボスの暴威に戦慄する。一撃で大地を砕くその威力こそ──。
「──災害、だね」
リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)がデストロイキングボスを一言で形容する。台風や地震などと同じ、常人ならば立ち向かうことなど不可能な、ただ過ぎ去るのを伏して待つか逃げるしかない。
「だがこいつを倒さんと世界を救えない……!」
「あぁ、だからこそ、こんなものを野放しにはできない」
「うん、放っておくわけにも負けるわけにもいかないね……行こう、皆!」
だが、猟兵は違う。相手が災害級の力を持っていたとしても、それが世界を破壊する存在であるのならば討ちに向かう。そして、台風や地震を相手にしても立ち向かい、打ち勝つだけの力があるのが猟兵という存在だ。
「来い、猟兵たちよ! 我がデストロイを前にせいぜい足掻いてみせよ!」
戦闘態勢を取る猟兵達を前に、挑戦的に言い放つデストロイキングボス。
「足掻く? 違うね! 返りデストロイしてやるだけだ! 行くぞー!」
自信たっぷりに言い返しながら、ベルトは愛機パロメデスを駆って突き進む。デストロイキングボスが放つ極大のデストロイエネルギーの奔流を回避する姿は、まさに彼が自称する光明纏う暗黒騎士の名そのものだ。
「っ、離れていても衝撃波だけで……!」
流れ弾はリリスフィアの元にも降り注ぐ。直撃こそ免れているが、エネルギーが通過する際の衝撃波はリリスフィアの体躯を容赦なく揺らした。だが、リリスフィアには「絶対に敵の攻撃を耐え抜き勝利を掴む」という覚悟がある。その覚悟を誓いにして、リリスフィアは真の姿──白亜の天使の姿にその身を変じた。
「この姿になったからには絶対に勝ってみせる!」
その決意は、デストロイエネルギーの奔流すら防ぐほどの耐久力となって現れる。もちろん回避を基本とすることは変わらないが、ビームがその身をかすめたとしてもリリスフィアの身体には傷一つつかない。
一方、鏡介はデストロイキングボスが放つ雷槌の対処に追われていた。キャバリアを扱うベルトや、魔力による飛翔が可能なリリスフィアと違い、鏡介には空を飛び回る手段がない。よって、神刀を抜くことで神気を纏って身体能力を強化し、破壊された岩盤を次々と飛び移りながら雷を躱していく。さらに、飛んできた岩を切り崩して雷に当てることで威力を殺し、弱めた雷を神刀で切り払ってみせた。
「もう少しだ! 奴がエネルギーを吐き出し切ったところで反撃に転じるぞ!」
鏡介は回避しながら機を伺う。デストロイキングボスの強大なエネルギーは無尽蔵ではない。どこかで力を再び蓄える必要があるだろう。その瞬間こそ、猟兵たちに許された反撃のチャンスなのだ。
「タイミングはこっちで測っている! 後10秒……5、4、3、2、1、今だっ、かかれーっ!!」
忙しなくペダルを踏み、操縦桿を操りながらコンソール上に表示された情報を見つめていたベルトは、デストロイキングボスに残されたエネルギーが無くなったことを確認するやいなや号令を出す。それと同時に、自分もまたデストロイキングボスの懐へと潜り込ませるべくパロメデスのスラスター推力を全開にした。
「チャージが完了するまでの間が勝負だね!」
「あぁ、合わせるぞリリスフィア!」
魔剣と神刀が閃く。リリスフィアはデストロイキングボスに急接近して魔剣を振るい、鏡介は空中に無数の刀を生成してこれを飛ばすことでリリスフィアを援護しつつ、浮いた刀の上を飛び移りながら自らもデストロイキングボスに肉迫。剣士2人の連撃がデストロイキングボスの巨体に確実にダメージを与えていく。
「ぬ、ぐおおッ……一振り一振りの重さよ……! 我をデストロイしようというのか、剣士たちよ……!」
「本命ももちろん用意してある!」
「そうだね、出番だよベルトさん!」
「呼ばれたからには応えようッ!!」
2人の呼び声に応じて駆けつける光明纏う暗黒騎士、ベルト・ラムパルドとその愛機パロメデス。その手に持つ巨大槍の鋭い一撃がデストロイキングボスの眼に突き刺さる。
「が、ガアァァァっ!! 我が眼をよくもォォォォッ!!」
「なァにがデストロイだこの野郎ォ! 滅茶苦茶にしやがってェ!」
悲鳴を上げるデストロイキングボスの眼に巨大槍サークランサーを突き刺したまま、ベルトはその槍の力を解放する。バチバチと音を立てて周囲の空気がイオン化したかと思うと、穂先より放たれるのは鮮烈な光条。そう、魔王を討つのは騎士の務め。騎士の一撃は魔王にとってはまさに、災いの一撃となる。
「き、騎士よ……我を討たんとするその力、名を我が心に刻むに相応しい……! その名を名乗るがいい……!」
「我が名はベルト・ラムバルド……光明纏う暗黒騎士だ!」
ベルトは高らかに名乗る。デストロイキングボスはその名と称号を深く心に刻み込んだ。自らの頭部への痛みと共に。
大成功
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ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎
わぁお、いっそ清々しい力isパワーっぷり。実際粗方のことは殴ればカタつけられるからタチ悪いわぁ…
ミッドナイトレースに○騎乗すれば〇空中戦は問題ないとして。受けるとか耐えるとか論外だし、どうにかスカさないとねぇ。
煙幕なりで視線切って魔術文字で分身を形成、二手に分かれて進撃…
まあ、脳筋気味だけどバカじゃないし、そりゃ射線に入れて同時撃破狙うわよねぇ。知ってた。
――まあ、どっちもニセモノなんだけど。
描いた魔術文字はラグと摩利支天印。「幻影」と「陽炎」による二重の光学迷彩で自分は射線から外れるわぁ。どれだけ威力が強烈だろうと、当たらなければどうということはないのよぉ?
動きが止まったところで●重殺を起動。さすがに行動不能相手に外さないわぁ。
刻むルーンはベオーク・ウル・シゲルの二乗・ハガル・ユル。
「成長」し「暴走」する「エネルギー」は「臨界」し「崩壊」による「終焉」を齎す――
あたし、あなたみたいなタイプを嵌めるのは割と得意なほうなのよねぇ。御免なさいねぇ?
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!
間に合うならば、加勢に駆け付けマース!
もう大丈夫デース! 何故って? ワタシが来た!
楽しいパーティを始めマショー!
崩壊した大地の上を、滑走靴で滑空して現地入り!
ピサロ将軍とのバトルで培った空戦スキルが活きるステージであります!
空中機動で駆け回りつつ、先制攻撃の兆候を見切って緊急回避!
ブラスターに呑まれた? HAHAHA、それは残像デース!
大きなデストロイキングボスの頭部に乗って、「六式武装展開、煙の番!」
至近距離で煙を巻きながら、パイルバンカーの一撃を叩きつけマース!
派手なバトルは好印象、面白い戦場を構築する手腕も見事!
しかし周囲への配慮が足りてマセーン!
アディオス!
●圧倒的な力の代償とは
「わぁお、いっそ清々しい力isパワーっぷり。実際粗方のことは殴ればカタつけられるからタチ悪いわぁ……」
ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)はデストロイキングボスを前に一種の感心すら覚えていた。これを一人で相手取るのはやや難しい。バイク型UFOのミッドナイトレースに搭乗しているため空中戦は問題ないが、どうにか相手を翻弄する手立てがほしいところだ。
そこへ、一人の猟兵が加勢してくる。バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)だ。
「もう大丈夫デース! 何故って? ワタシが来た!」
「あら、頼もしい言葉が。よろしく頼むわねぇ?」
ひとまずは相手の攻撃をどうにか掻い潜る必要がある。攻撃を受ける、耐えるなどというのは論外だ。
「煙幕をお願いできるかしらぁ? その間に一手仕掛けてみるわねぇ」
「お任せあれ! 六式武装展開、煙の番!」
バルタンが煙幕を展開し、一瞬視界を遮る。これにより僅かな時間が出来た。ティオレンシアはこの時間を利用して魔力による分身を作成し、二手に分かれてデストロイキングボスへと向かわせる。バルタンもまた、煙幕を展開しながら敵の懐へと潜り込むべく空中を駆けていく。
「小癪な真似を……その程度の小細工など我の前では通用せぬことを知るが良い!」
デストロイキングボスは拳からデストロイブラスターを放ち、周囲一帯を薙ぎ払う。
「っ、範囲攻撃でありますか!」
「まあ、脳筋気味だけどバカじゃないし、そりゃ射線に入れて同時撃破狙うわよねぇ。知ってた──」
バルタン、ティオレンシアの姿は共にデストロイブラスターの光芒の中に飲み込まれていく。如何に猟兵と言えど、この大出力をまともに喰らえばひとたまりもない。デストロイブラスターの照射が終わり、再びエネルギーのチャージ態勢に入ったデストロイキングボスは、2人の姿がかき消えた光景を見て鼻で笑う。
「他愛ない」
だが、その時。不意に目の前が煙で覆われる。
「──何?」
「HAHAHA、残像デース!」
頭上から聞こえるバルタンの声。そう、バルタンは残像を残してデコイとした上で、さらに上空へと飛び上がりデストロイキングボスの真上の位置を取ることに成功していたのだ。
「だが、もう一人は分身もろとも倒した……貴様一人さえ討てば!」
「そうねぇ、分身消えちゃったものねぇ」
「馬鹿な……!?」
続いて聞こえるティオレンシアの声にデストロイキングボスはさらに驚愕する。そう、接近していた2人のティオレンシアはどちらも分身。ティオレンシアはラグと摩利支天印の魔術文字を描くことで、「幻影」と「陽炎」による二重の光学迷彩を形成していたのだ。これにより、ティオレンシア本人は射線から完全に外れたところで態勢を整えていた。
「バルタンさん、合わせるわよぉ?」
「了解であります! パイルバンカー起動!」
煙幕によりデストロイキングボスは正確な位置を捉えられず、またチャージ態勢が解けないままであるため回避もままならない。ティオレンシアはベオーク、ウル、シゲルの二乗、ハガル、ユルのルーンを刻んでいく。意味するところは、「成長」し「暴走」する「エネルギー」が「臨界」し「崩壊」による「終焉」を齎す──。これこそが、ルーン魔術の重ねがけによる射撃術式「重撃」。5発のルーンを刻んだところへ、最後の一撃でとどめを刺す。一方、バルタンはパイルバンカーを展開。単純にして強烈、かつピンポイントでの破壊の一撃──最もスマートな破壊の形を顕現する文明の利器だ。
「派手なバトルは好印象、面白い戦場を構築する手腕も見事! しかし周囲への配慮が足りてマセーン!」
「そして、あたしはそんな貴方みたいなタイプを嵌めるのは割と得意なほうなのよねぇ。御免なさいねぇ?」
2人がそれぞれの破壊の力を解放する刹那、デストロイキングボスは自らの運命を悟る。ここまで鮮やかに自分への破壊を齎すものが現れるとは。ならば、ここで果てるのは必定か。
「──見事である、猟兵! 斯様な猛き破壊をこうも鮮やかに、華麗に魅せるとは……! 我が敗北を認めよう、さぁ首級を挙げるが良い!」
「過分なお言葉痛み入りマース! アディオス!」
デストロイキングボスの称賛を受け、バルタンとティオレンシアは返礼とばかりに
トドメの一撃を浴びせる。かくして、パイルバンカーと終焉のルーンをその身に受けたデストロイキングボスは、自らに齎された破壊をしたたかに受け入れ、骸の海へと還っていくのであった。
──7thKING WAR、デストロイキングボス討伐ミッション「BREAK UP」、任務完遂。デストロイキングボス、完全撃破。
大成功
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