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銀河帝国攻略戦⑮~軍を討つにはまず将を射よ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「皆様、またも銀河帝国の軍隊が来襲いたしました」
 銀河帝国との戦いに日夜駆り出され連戦の疲労がたまった猟兵達の前に、差し入れの飴を持って現れたオクタ・ゴート(八本足の黒山羊・f05708)は、その飴に手を伸ばした猟兵達に慇懃な物言いで残酷にも追加の任務を語りだす。

 難攻不落の帝国大要塞「エンペラーズマインド」を突破した『解放軍』と猟兵達は、帝国旗艦『インペリウム』を目指し快進撃を続けている。だがその最中に立ちふさがるのは、帝国宇宙戦艦による大艦隊、『白城』艦隊。圧倒的な士気と練度を誇るこの艦隊と『解放軍』との戦いは熾烈を極めるが―――予知によれば、この戦いの結果敗れるのは『解放軍』であるのだという。
「『解放軍』は大義の為立ち上がった舞台では御座いますが、いい方を変えれば寄せ集められた不揃いな軍。統制された部隊には【士気と練度】で圧倒的に劣ります」

 しかし、はいそうですか、と敗北を受け入れるわけには決して行かない。
「今回、『白城』艦隊の前線指揮官を特定致しました。これを撃破するのが、今回の任務です」
 指揮官が落ちれば士気は崩れ、『解放軍』にも勝機が生まれる。そうはいっても、決して簡単ではない。襲い来る砲火を躱しながら、軍船を叩き落す必要がある。だがオクタの赤い光のような目には微塵の不安もない。

「皆様でしたら、必ずや成功させて下さると信じておりますゆえ」
 これまたさらりと言ってのけたオクタの背後には、既にグリモアによって開かれたゲートと、星屑煌めく漆黒の宇宙が広がっていた。


佐渡
●シナリオフレームについて
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 こんばんは、佐渡と申します、戦争シナリオです!
 敵の戦艦の砲撃をなんやかんやして船をぶち堕としてください!曲芸のような回避……板野サーカス……うっ頭が。
 皆様の格好いいプレイングをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『帝国宇宙戦艦』

POW   :    フルバースト・コズミック
【全砲一斉射撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    デストロイレーザー
【10秒間のエネルギーチャージ】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【主砲からのレーザー砲撃】で攻撃する。
WIZ   :    インペリアル・マカブル
【自身の稼働可能時間】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【帝国式鏖殺形態】に変化させ、殺傷力を増す。
👑15
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

喰龍・鉋
ワクワクしてるんだね、大五郎、ボクもだよ!!
戦艦を斬る機会なんてめったにないしね!
【おびき寄せ】を使って戦艦のターゲットを可能な限り引き受けるよ
成功したら避けるにしても多分自分にとっては多すぎるだろうから、
問題なく負傷できるしUCの発動条件にも一致すると思うよ
発動できたら反撃開始、距離を詰めたら【鎧砕き】【怪力】【二回攻撃】を駆使して
皆の邪魔をする砲台の破壊工作に集中するよ、もし戦艦が動くために重要な機関も其の時に見つけられたら同様の手段で攻撃を仕掛けるよ!
どれだけ負傷してもボクは大五郎と一緒なら平気さ!
*アドリブ歓迎


ドミニク・トインビー
精鋭の艦隊相手か,腕が鳴るな
こちらも艦隊だ,月の海賊艦隊発動し【騎乗】する
複製した船を先に突撃させ【空中戦】,反撃で砲撃しながら距離を詰める,存分にかき乱してやろう
こちらに砲撃が集中しても他の猟兵が接近しやすくなればよし
集中しなくてもこちらの全艦隊の砲で【零距離射撃】にて【一斉発射】すれば打撃を与えられるだろう
相手は「城」こちらは「海賊」存分に略奪してやろう



●宙を舞うは士か賊か

 『白城』艦隊は、帝国に迫る解放軍を迎え撃つべく既に陣を敷いていた。その隊列は一部の乱れもない。この大部隊が、たった一人の前線指揮官によって統制されているという事実は、驚きや称賛の域を通り越し、異常さと異質さに寒気を覚える程のもの。
 既に彼らは策を整えていた。幾重にも張り巡らされた戦略と、それを可能にする部隊の練度。そして、帝国の為に命さえ擲つ絶対的な士気の高さ。敗北の要素は欠片さえ残っていない。

 ――――はずだった。

 突如戦艦内部に鳴り響く警報音。予想よりも遥かに速い会敵。だが、艦隊には一切の動揺はない。多少の誤差を埋めるための予防策も完備してある、問題はない。
 しかし、彼らが迫る「艇」を目撃した時、緊張感は一気に跳ね上がった。
 速度を重視し小型化されながら、レトリックな装飾と、宇宙空間では一切の意味を為さない帆を張る船団。揺らめく黒の旗は、挑発的な髑髏の意匠。
 そう。紛う事なき―――海賊だ。

「行くぜ、お前ら!」
 喝を入れるように叫び、正に城壁とも言うべき巨大な戦艦の布陣へと突撃するドミニク・トインビー(宇宙海賊のブラスターガンナー・f00622)。ユーベルコードによって操られる十九機の小型艇が、散開しながら戦艦へと向かっていく。
 だが多少のイレギュラーが現れたとて、慌てふためく程『白城』は甘くない。隊列を組んだ軍艦の主砲が徐々に光を帯びていく。
 機動力のある小型艇に複数の砲台による弾幕は不要。大きさと数の差を利用した極大のレーザーの斉射による面の攻撃で吹き飛ばす。突っ込んできたタイミングを見透かしての指令は、反転しても射程圏外に逃走できないよう見越したもの。突撃しても、艦に近づく前にレーザーの発射の方が速い。
 一手で、既に敵はチェックメイトしていた。そう、して「いた」のだ。
 ……相手が、普通の存在ならば。

 突然だが、ドミニク・トインビーのユーベルコード、『月の海賊艦隊』の能力を確認してみよう。『自身が装備する【宇宙海賊船】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する』、とある。
 ―――そう、『複製』。だとするならば、全ての船を用意したならば十九機の複製に原型の一機を加えた、二十機であるべきだ。しかし、今戦艦の前に颯爽と現れた海賊旗を掲げる機体は十九機。では、残ったもう一機は、どこへ行ったのか?

 『白城』の内部で、再度警報が響く。だがそれは会敵の合図ではない。―――自身の艦が、ロックオンされた至急の報せ。
 チャージを行っている、背後から迫る……常軌を逸した速度で接近するオリジナルの海賊艇によって。
「嬢ちゃん、しくじるなよ!」
 操縦桿を握るドミニクは、緊迫した面持ちで、自身の背後に居る猟兵に向けて呼びかける。
「おっけー、ボクにどーんと任せといてよ!」
 だが返答する猟兵の声音は実に明るく無邪気で、この緊迫する戦いには不釣り合いだ。なにしろ、その表情でさえ、実に楽しげな笑顔なのだから。

(ワクワクしてるんだね、大五郎―――ボクもだよ!)
 漆黒の旋風を纏う喰龍・鉋(楽天家の呪われた黒騎士・f01859)は、自身の手にした剣に呼び掛けながら、戦艦の上空で飛び降りる。背負った簡易的な推進装置で、向かうは指揮官の乗るという戦艦のみ。
 だがこの危機的状況を打破するべく、荒業で主砲のチャージを止めた戦艦が、高射砲を乱れ撃つ。本来小型機などを撃ち落とすための熱弾は、確かに主砲のレーザーに比べれば遥かに小さいが、人体に命中すればひとたまりもない程の大きさを持っている。
 だが喰龍は躱さない。墜落するような格好で、熱の弾が掠るのも気にせずただただ目標に向かう。彼女の頭にあるのは、ただ一つだ。

「戦艦を斬る機会なんて、滅多ににないんだから!」
 恍惚とした彼女の笑み、全身を灼く熱と傷が、彼女の愛剣の真の力を呼び覚ます。身の丈を超え、黒剣は歪に巨大化する。枝葉の様に伸びながら、やがて船をも断ち切る程になる。
 ―――支払った代償は大きい。だが、それに見合う力を、黒剣・大五郎は彼女に与える。
 ざん、と。
 力一杯横薙ぎにされた剣は横並びの船体を真っ二つに切り裂いていく。厚々とした特殊金属の装甲は引き裂かれ、整然とした陣形は、斬ってくださいといわんばかりのお行儀の良い列でしかなかった。

 次々に爆発する巨大な戦艦。すぐに、空いてしまった穴を埋め、指揮官を援護しようと殺到する『白城』の忠実な軍船たち。しかし、注視するべきなのは喰龍だけではない。
「横っ腹ががら空きだ!」
 念力によって操るドミニクの海賊船が、乱れた陣形の間隙を縫い複数の艦に肉薄する。三日月斧の名を冠する船の砲は、戦艦のそれに比べれば少しばかり見劣りするだろう。だが、編隊飛行しながら一点に集中するその攻撃は、深く深く抉り取るように傷をつけていく。足が遅れれば――後は、略奪の鴨になり下がったも同然。
 
 迎撃の弾幕を、跳ねるように躱しながらその歪な巨剣で引き裂いていく黒騎士。舞い飛んで避け、交差と同時に要所を穿つ海賊。

 綿密な戦略と絶対的な士気。それが、たった二人の猟兵によって崩壊を始めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シキ・ジルモント
◆SPD
アドリブ歓迎

宇宙バイクで出撃
なるほど、レーザーも砲撃も強力だ
しかし他の部位より装甲は薄そうだな
敵戦艦の搭載武装を破壊する事で戦艦本体にもダメージを与えよう

敵を観察して攻撃軌道を『見切り』、『騎乗』技術をもって回避しながら接近する
レーザーは10秒間隔で発射されることを念頭に置き、発射時は回避専念
ウェポンエンジンの出力を調節しての急加減速、宇宙空間という『地形を利用』した上下移動も回避行動に取り入れ、敵の目測を誤らせる

ある程度近付いたら一気に距離を詰める
より弱い箇所は発射口だろう
攻撃直後の隙を狙ってユーベルコードを叩き込む
攻撃後は急加速(『ダッシュ』)で離脱、すぐ取って返して攻撃を繰り返す



 既に用意していた計略は既に瓦解した。これ以上の戦闘続行は自軍に被害を出すだけだという判断を下し、撤退を開始するまでに迷いはなかった。
 真っ先に逃げようとする一隻を守るように組まれる陣形。決して少なくない被害を受けているにも関わらず敵はその穴をきっちりと埋めながら猟兵達の前に立ち塞がる。そう、その名に冠する『城』のように。
 敵に逃げられてしまうかもしれないという状況ではあるが、逆にこれは好機でもあった。決して少なくない打撃を与え、同時に敵の旗艦は明白。この戦艦の牙城を崩せさえすれば、目標を確実に捉えられるはず。

 横隊の戦艦は次々と自身の稼働可能時間を代償に【帝国式鏖殺形態】に変形していく。それは、ここでなんとしても時間を稼ぐという意思の表れであった。
 次々に放たれる大小様々な攻撃。光線、光弾、追尾ミサイル、チャージし放たれる主砲からの巨大砲。そのどれもが猟兵を狙い、四方八方から殺到する。
 しかし、慌てない。確かに巨大で多数の兵器を搭載し、防御力も高く何より数の優位性と連携の密さを持つ敵だ。しかし、的が小さく機動力がある事を武器に回避する。
 シキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は乗り慣れた愛機を操り敵の攻撃の予兆を見切りながら敵へと接近してゆく。更に、面攻撃には上昇や降下。弾幕には的を絞らせない為急停止や急加速。不規則な軌道は自身も又宙で戦う者特有の知。
 主砲からのレーザーの発射を感じ取れば、無理には進まず回避に専念する堅実さ。確かな経験に裏打ちされたそれらの対処はどこまでも的確だった。
 そして、彼の攻撃の有効範囲に敵を収めたと同時に、放たれるユーベルコード。
『全弾くれてやる』
 神速と言って差し支えないその連続射撃は、砲にエネルギーを送り込む貯蔵庫を砕く。―――攻撃を優先した殺戮形態が仇となった。通常以上の出力を出す砲と並び限界までエネルギーを蓄積した部分に穴が開けば、当然起こるのは暴発。連鎖的に広がっていく爆音。最後には青い炎を上げて艦は堕ちていく。
「さて、次の敵はどいつだ」
 密着した横隊では被害を受けかねない。陣形を整えようとする敵艦隊を見るジルモントの目は、さながら狩人といったものだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノノ・スメラギ
相手は帝国宇宙戦艦だって?
あはは! これからワンオフの化け物どもを相手にしようって言うんだからね、肩慣らしにはちょうどいいさ!
銀河に蔓延る害獣共! このボク、ノノ・スメラギがあの世へ送り返してやろうじゃないか!

ガンナーズとスライサーを展開して射撃モードのVMAXランチャーと同時に一斉射撃しながら突貫するよ!(技能:一斉射撃、二回攻撃) 相手の砲火はシールドデバイスの盾受けと鎧の防具改造、あとは戦闘知識とリフターの機動力(空中戦)でしのいで、最後はVMAXランチャー・アックスフォームの最大出力のビームアックスの刃で敵の艦橋を叩き潰してやる!(技能:怪力、捨て身の一撃)


甘夏・寧子
成程、こりゃあ久々に宙で暴れられそうだね。
アタシの愛機、『夜建鴉』の出番か。騎乗して相手に近付こう。相手からの攻撃に関しては【騎乗】の腕前で切り抜けようかね。まぁ、万が一当たっても一発二発程度なら死ななきゃ安いってもんさ。態勢を立て直せれば何度でもやるよ。
ある程度射程距離にまで到達したら二丁熱線銃で連射攻撃するかね。あとは……意外と火力が高い『WATARI』で一点狙い撃ちってのもアリだね。【第六感】と【スナイパー】の目で一か所を集中的に攻撃出来れば悪くない結果になるんじゃないかい?
どっちを使うかは相手の出方次第にしておこう。臨機応変に対応して確実にダメージを叩き込めるようにね!



 銀河に名を轟かせた艦隊は、今や海の藻屑となりかけている。だが、今回の任務の目標は未だ討たれていない。旗艦の撤退までもう数刻の時間の猶予もない。だが、火の手上げ墜ち行く防衛ラインを潜り、逃すまいと追う者がいた。

「久々の宙で、こいつもご機嫌なんでね」
 地上を這う事に飽いた『鴉』は、主人を乗せて飛べる喜びを表すかのように大きく嘶いた。それに応えるように彼女がグリップを捻れば内熱機関は重低音と振動を伴い、一層の加速を見せる。その瞬間、甘夏・寧子(錦鈴の女・f01173)と、相棒【夜建鴉】は、宇宙には吹く筈のない「風」になった。
 旗艦とはいえ飾り立てられているだけのものではない、他の戦艦同様、いやそれ以上に正確な照準を以て近づく敵を迎撃せんとする。これまで一切の動きがなかったその船から放たれる光線は宛ら驟雨の如し。
 しかし今の彼女は『風』。それを掴む事などできようか。駆け抜ける速さに捉えられない光線は、時に明後日の方角へ消え、時に違う光線とぶつかり消える。靡く黄金の髪一房さえ焦がせないのは、最早鈍間だと嘲笑うよりも同情さえ湧く程に儚い。

 加速の途絶えぬ中彼女は一丁の狙撃銃を構える。長年連れ添った相棒に自身の全てを預け、手綱を離す。何も知らぬ者から見れば狂気の沙汰であるが、彼女に一切の不安はなかった。
 あくまでも冷静にただ一点に照準を合わせ、狙いを澄ます。どたばたと銃口を振り回さずに、ただ目標が照準の中心に辿り着く瞬間を待つだけ。―――引き金が引かれる。一条の糸のように伸びる軌跡が、流星の様に戦艦へと降り注ぐ。
 狙いは正確だった。弾丸は、管制レーダー等を積んだ戦艦の『目』を穿つ。矢鱈と乱れ撃ちされたレーザーがぴたりと止まり、それに伴い彼女もまた武器を収める。
 自身の役割は、もう終わったとでも言うように。
「一発位は当たるつもりだったのに、拍子抜けしちゃった」
 苦笑しながら、彼女はもう一度そっと相棒の背を撫でるのだった。

 情報収集に不可欠な部分をこうも容易く射抜かれ、丸裸同然。辛うじてソナーで拾えたのは、大胆にも主砲に真正面から突っ込んでくる存在だった。
「これからワンオフの化け物どもを相手にしようって言うんだからね、肩慣らしくらいにはなってくれよ!」
 快活に笑い、しかしその目には燃え盛る程の闘志漲る。小柄な体躯をゆうに超す数多の魔導武装を携えた少女、ノノ・スメラギ(銃斧の騎士・f07170)は、名乗りの直後に数ある兵器を展開し、一斉に放つ。
 ブーメラン型のユニットは大きく弧を描きながら船体を抉り、彼女の纏う通称【VMギア】に接続された大型の砲台は、自身に狙いを定める戦艦の火器を逆に打ち返す。更に手にした巨大な装備、彼女の主力武器である魔導と科学を融合された黒色の砲は、彼女の内なる感情の昂りに呼応するように、巨大な魔法の光球を乱れ撃つ。
 戦艦を相手にしているというのに、これだけ圧倒的に立ち回れる。味方の猟兵からの援護があったとはいえ、その技術力と攻撃力は目を剥くものだ。
 とはいえ、ただただやられ続けるだけではない。残ったエネルギーを全て主砲に注ぎ込み、最後のデストロイレーザーの発射を敢行する『白城』指揮官機。悪手も悪手であれ、しかし何れ墜ちるのならば一人でも敵を討ってから、とでも考えたのだろうか? だが決してその願いは、残念ながら叶わない。
『VMリアクター、第一限定解除! フルドライブ! ファイナルシーケンス!』
 ノノの音声に寄って、黒色の大砲は姿を変える。巨大な両翼の刃を持つ斧。彼女の行く先に立ちはだかる関門を、全て抉じ開けるマスターキー。
「いっけぇえええええええ!」
 放たれた極大のレーザーを、最大出力を引き出し投擲されたビームアックスは回転しながら斬り断つ。縦に裂かれ二股にされたそれはノノを捉えることも、他の猟兵を消し去る事もなく虚空の彼方へ飛び去って行く。

 そして―――斧は、主砲を砕き、巨大な孔を生み出したのであった。

●名将の正体見たり

 その後、その宙域に陣取っていた『白城』部隊は、旗艦の損傷のためか全てが骸の海へと消えた。作戦に参加した猟兵達は、当初の目的である前線指揮官の討伐の為に艦内へと潜入する。
 こんな残酷なものを生み出す戦いは、終わらせなくてはならない。そう決意するのに十分なものが、そこにはあった。
 巨大な、機械。所々に、口にするのも憚られる非人道的な生体部品を筆頭とする悪趣味な機構を備えてはいたものの、指揮官などというのは名ばかりの、巨大なシステムでしかなかったのである。
 ―――銀河帝国に忠を近い、身を賭し戦う名将かと思われた『白城』の主は、意志さえ持ち合わせない空虚な歯車に過ぎなかった。

 猟兵達は、この船を造る為に「使われた」人々を弔い、そして破壊する。
 そして。銀河には、ほんのひと時の静寂が訪れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月18日


挿絵イラスト