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7thKING WAR㉕〜Heaven or Hell

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #召喚魔王『デストロイキングボス』

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#デビルキングワールド
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#7thKING_WAR
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#召喚魔王『デストロイキングボス』


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●デストロイの発狂
「デェェェストロォォォォイ!!」
 皆さんご覧ください。
 これがむしゃくしゃして急造デストロイキングダムを壊すデストロイキングボスです。
「足りぬ、デストロイがまるで足りぬぞ!」
 デストロイが足りない……とは。
「力とはパワーだ! パワーがあればデストロイできる!」
 アッハイ、そうですね。それは一理あります。
「そして我は、人面蜘蛛ビューティスパイダーの居場所にテレポートする能力を持つ」
『イエス、ビューティスパイダー』
 なんか蜘蛛がいました。無駄に美少年の顔です。
「つまり『悪魔契約書』でスパイダーを送れば、我は全ての世界をデストロイできる。
 故に、ガチデビルの護衛を引き受けたのだ!」
 このデストロイキングボス、まさかの護衛でした。
「だが、やめだ! 何故ならばデストロイが足りぬからだ!」
 そりゃ、デストロイ案件が増えない方がいいでしょ護衛なんて。
「猟兵! お前達を我が標的とする!」
 うわこっち向いた。
「我こそはデストロイの王のボス、デストロイキングボス!
 真っ向勝負だ、猟兵よ……!」

●グリモアの溜息
「……ってことで、頭痛いんだけど頼むわ」
 マリア・ルート(紅の姫・f15057)が頭を抱えながら頼んでいる。
「とんだ脳筋よ、こいつは。その癖に無駄に転移能力なんか持ってるし」
 そう、奴は限定的ながら転移能力を持っている。
 ビューティスパイダーのもとへと素早く転移することができてしまうのだ。
「そのまま喰らえばあんたらもデストローイ、あいつはデストロイを満たす。
 悪いことづくめになってしまうわ」
 対処としては、勿論ビューティスパイダーを片付けることだろう――が。
「こいつ、先制攻撃持ちなのよね……つまり、コードで片づけるのは間に合わないわ」
 防御寄りならワンチャンあるだろうが先にビューティスパイダーを片づける場合は、何かしら策や手がないと十中八九間に合わないだろう。
「ちなみにビューティスパイダーは特徴的な口癖と美少年の顔があるから……他の蜘蛛と見間違える可能性はないと思うわね」
 まずデビルキングワールドに原生の蜘蛛がいるのか、という話ではあるが。
「ただくれぐれも間違えないように。最終目標はデストロイキングボスよ。
 ビューティスパイダーばかりにかまけて、本題を疎かにしないでね」
 だが或いはビューティスパイダーに専念して後を託すのもアリかもしれない。
 全ては猟兵のアイデア次第だ。

「既にゼルデギロスは倒れた。後はパラダルクを撃退すればガチデビルに挑めるわ。
 だけど、放置しておくと何しでかすかわかったもんじゃない」
 過去の戦争でも有力敵が生き延びると何かしらヤバい事をしてきた。
 それが異世界の魔王たる存在となれば……?
「私は今回はグリモア側に専念してるから、あんたら頼んだわよ」
 どこか悔しそうに彼女はグリモアを展開した。……大量の蜘蛛がいた。


結衣謙太郎
 デストローイされないようにしないと! 一撃必殺技はマズいって!
 結衣(戦争モード)です。
 デストロイな魔王攻略戦。
 以下詳細。

●メイン目標
 『デストロイキングボス・一撃必殺』を討滅せよ!

●章構成
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「7thKING WAR」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●敵
『デストロイキングボス』
 ギルティなあれとは多分関係ない。
 先制攻撃(下の説明をご覧ください)持ちです。
 ビューティスパイダーがいるとそこに転移するコード持ち。
 身長50mでコード使わずとも素のパワーが高いです。

『ビューティスパイダーx沢山』
 美少年の顔をした蜘蛛。
「イエス、ビューティスパイダー」としか喋らない。
 放置してもいいですがデストロイキングボスが転移する座標になります。

●ロケーション
 障害物のない荒野。
 恐らくデストロイキングボスが荒れ狂った後です。

●先制攻撃について
 先制攻撃を持つ敵と戦う時、猟兵たちのコードはなんやかんやで必ず後手になります。
 罠とかを張るなど先手が有利になるようなコードを使うときは要注意!
 また、先制攻撃で来るコードは猟兵が使うコードと『同じ能力(POW・SPD・WIZ)』のコードによる攻撃が必ず飛んできます。

 先制攻撃の対策で重要なことは、先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動です。対抗策を用意せず、ただ単に自分の攻撃だけを行おうとしても先制攻撃で大打撃を受けてしまい、敵にあまりダメージを与える事はできないと思われます。対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性が高いので注意してください。

 重要な点はもう一つあります。
 先制攻撃は『ユーベルコード1回につき1回』繰り出されます。よって、2つ以上のユーベルコード使用、あるいは1つのユーベルコードの複数回使用は推奨されません。それだけ先制攻撃が飛んでくるので。

 以上、先制攻撃についての注意点でした。ギミックの1つとしてご承知おきくだされば幸いです。

●備考
 プレイングはオープニング公開後から受け付け開始します。
 オーバーロードは納期の都合により後回しになる可能性もあります。

 このシナリオは有力敵依頼、かつ高難度依頼です。
 判定がいつもより辛くなります。ご注意ください。

 以上、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『デストロイキングボス・一撃必殺』

POW   :    デストロイフィンガー
【ビューティスパイダーへ瞬間転移し、指先】で触れた敵に、【デストロイエネルギー】による内部破壊ダメージを与える。
SPD   :    デストロイタイフーン
【多くの敵を捕捉できる地点に転移して】から、戦場全体に「敵味方を識別する【破壊の大嵐】」を放ち、ダメージと【装備破壊】の状態異常を与える。
WIZ   :    インビジブルスパイダー
【転移先となる透明ビューティスパイダー】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

雪・兼光
●SPD
ザ・脳筋王か

先制攻撃には、自分のキャリーバッグを盾受け、オーラ防御で踏ん張って耐える
空に浮いた場合は、空中戦を利用して体制を整える

以降は見切りと第六感を利用して回避

ブラスターか弓が、壊れていないならどちらかで範囲攻撃と乱れ打ちでビューティースパイダーを攻撃

助走をつけてユーベルコードでのドロップキックからのステゴロでスタート、部位破壊と範囲攻撃は忘れずに

ある程度片付いたらデストロイキングへ

空中に浮いた場合はビューティースパイダーの頭へキックするようにユーベルコード使いながら落下

敵の急所(頭、鳩尾、顎の先)をなるべく狙うようにユーベルコードで部位破壊、2回攻撃で攻撃

とっと退場してもらおう



●兼光のステゴロ
「行くぞ猟兵! デェェェストロォォォォイ!!」
 早々に見渡しやすい後方に転移したデストロイキングボスを見た雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)が一言、
「ザ・脳筋王か」
 と呟くや否や、それを効いていたのか否か即座に大嵐が襲いかかる!
 咄嗟に兼光は魔法と科学力で強化した33Lのキャリーバックで防ぐ――が。
 そこは流石デストロイキングボス、装備破壊の文字は伊達じゃない。
「くっ、流石に厳しいか」
 大嵐をこのキャリーバッグを盾として防ごうとしていた兼光。
 その発想は良かった、が、装備破壊を舐めてもらっては困るということか。
 キャリーバッグはボロボロになり、兼光もあっさり吹き飛ばされた。
「っ……」
 どうにか空中受け身はできたから良いものの、どうする――?
(ブラスターは……壊れてない。よし)
 空中から華麗に着地すればすぐに四肢にエネルギーを纏い助走からの突撃。
 そのターゲットは――
『イエス、ビューティスパイダー』
 ビューティスパイダー達だ! まずは一発その美少年の顔にステゴロをお見舞い!
 するとブラスターを乱れ撃ちして眼前のビューティスパイダーを次々蹴散らしていく!
『我を忘れてもらっては困るな!』
「!」
 デストロイキングボスが転移せずそのまま肉薄してくる!
 元よりビューティスパイダーに集中すしある程度片付いたらデストロイキングボスへ行くつもりだった。キリがないしね。順番が入れ替わっただけに過ぎない。
「とっとと退場してもらおう」
 エネルギーを纏った足で跳びあがるとデストロイキングボスの体を次々踏み込んで50mの体を上へと上っていく!
「終わりだ」
 そして顎の先に蹴り上げを決めようとした、瞬間――!

『甘い、甘いデストロイだ、猟兵よ!』
 デストロイキングボスの頭突きが兼光を地面へと叩き落す!
 背中からもろに叩きつけられた兼光の息が荒くなってしまった。
 急所を狙うのは大型を狙う際のセオリーだ、それは間違いないだろう。
 だが、最初から肉薄してそれを狙うにはデストロイキングボスはあまりに今の態勢に隙が無さすぎた。否、フィジカルに自信のあるデストロイキングボスだからこそ……なのかもしれないが。
 もし例えば転倒して膝をついてたりしたところでこれが決まってれば――なんて想像なんていくらでもできる。
(デストロイキングボス……これほどとは)
 異世界の魔王、というその強さはどうやら伊達じゃないようだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

御形・菘
はっはっは、パワー極振りとは実に清々しい!
ワルの究極理想形の一つだな!
乗り越えてやろうではないか、妾の全力を以て!

最も近い蜘蛛の位置、つまり攻撃が来る方向は把握しておくぞ
防御に回した左腕にオーラ類をを限界まで集中させ、触れる指先は左腕で確実に受けよう
痛みは我慢、覚悟を決めてこのバトルでは左腕は捨てる!
内部破壊ダメージは左腕までで受け止めきる!

距離を取らせるのは絶対にNGだ
尾で跳びはね右手を使い、迅速に身体を登っていこう
理想は頭や首だが…そこまで向かうのが難しければ、狙いは膝や鳩尾、あるいはレバーなどの急所だな
二撃目を受けるより先に攻撃をするぞ
致命に至る邪神の一刺し、渾身の切り札を食らうがよい!



●真っ向から挑むという覚悟
「下がっておれ」
 荒い息の兼光の前に庇うように立つは堂々としたラスボス――否、キマイラ。
 御形・菘(オブリビオンではない・f12350)だ!
 ……えー、こんな称号だけどラスボスじゃないし悪魔じゃないです。
「はっはっは、パワー極振りとは実に清々しい!
 ワルの究極理想形の一つだな!」
『ふっ、このデストロイの魅力に気づく者がいるとはな!』
 配信者モードに入った菘の褒めにデストロイキングボスは浮かれ模様。
「ならば乗り越えてやろうではないか、妾の全力を以て!」
『面白い、かかってくるが良い猟兵よ!』
 これぞまさに正々堂々というような睨み合いからのこの啖呵である!

(ビューティスパイダーの位置は……こう、であるな)
 啖呵切りながらも菘は最も近いビューティスパイダーの位置は把握していた。
 そこに転移して攻撃がくるだろうとわかっていたから。
 いくら菘でも死角からやられればたまったものじゃない。
(故に――っ)
 目の前からふっ、とデストロイキングボスが消えた瞬間、
(こっちだ!)

 ――ガガガッ!
「おぉぉぉぉぉぉぉおおおおっっっっ!!」
『む……ハ、ハハハ! 面白い、腕の1つでデストロイエネルギーを耐えるか!』
 菘の向いた方向はデストロイキングボスが攻撃してくる方向ドンピシャ!
 そしてその先制攻撃に――限界まで防御技術を集中させた左腕で受ける!
(痛みなど我慢だ……普段の配信の相手と違い、こやつは明らかに――強い!
 妾も――否、『私』も、覚悟を決めないといけないですか……!)
 内部破壊のダメージが菘の左腕を痛みつけていく!
(捨てることになってもいい、暫く使えなくなってもいい!
 とにかく、耐えろ私――!)

「はぁっ!」
 菘は一瞬の隙をつき右腕からパンチ、デストロイキングボスを少し吹き飛ばす!
 どうにか……どうにか耐えてみせたのだ……!
『面白い、面白いぞ猟兵よ! 我のデストロイを耐えきってみせたか!』
 言ってるデストロイキングボスだが体制は崩れている。
(はぁっ……はぁっ……なんとか……ですが……左腕は暫く……否)
 すぐに菘は怯んだデストロイキングボスに肉薄を図る!
(これは絶好のチャンス――『妾』に与えられた、絶好の!
 左腕だけですむなら――むしろ儲けものよ!)
 菘はすぐにデストロイキングボスに肉薄すれば尾で跳びはね右手を使い、迅速に身体を登っていく。そして首まで迫れば――!
(二撃目を受けるより先に――攻撃する!)
 先手必勝。それしか、ない!
「はーはっはっはっ! デストロイキングボスよ!」
 勝ち誇ったような笑いが菘から零れる。
「誇るがよい! 妾の左腕を壊した褒美に、切り札をひとつ披露してやろう!」
 右手を構えながら言い放つそれは自分への鼓舞か、それとも。
「致命に至る邪神の一刺し、渾身の切り札を食らうがよい!」
 デストロイキングボスへの、死刑宣告か。
『おおおおおおおおっっっ――――!!』
 右の貫手が、深くデストロイキングボスの首に突き刺さった!
 デストロイキングボスが気合で菘を撥ね飛ばす!菘は華麗に着地しながら相手を見据えた。首を押さえ、苦しそうにしている相手――デストロイキングボスを。
『いい……いいぞ! 我の体がデストロイされたのは久方ぶりだ!
 やはり猟兵、お前達ならば我のデストロイを満たしてくれる……!
 名をなんという、猟兵よ!』
 名を聞かれる。それは戦いにおいて相手を認めた証たる名誉だろう。
 そしてそれは国民的スタアにしてライブストリーマーたる彼女に又とない機会。
「妾こそはキマフュの一番星! 御形・菘だ! 覚えておくが良い!」
 フィジカルと気合で真っ向から渡り合った彼女はきっと後に語り継がれる――かもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​

シズホ・トヒソズマ
装備破壊とか人形遣いとしては冗談じゃないですね…
デストロイなんて絶対させませんからね!

敵が移動したら牙剣『王劾』から多数の炎獣を召喚
炎獣たちでスクラムを組み私をドーム型に覆います
イチかバチかこれで防ぎます!

なんてね
炎獣の壁で見えない隙にライダを地中対応のドリル潜行形態に変形させ◆騎乗
ライアの振動破砕能力も使い柔らかくした大地を掘り進み
余波の破壊も届かないくらい潜行し破壊の嵐を地下でやり過ごします
風が来ない様に来た所も塞ぐ

地上の揺れが収まったらUC発動
ウルカヌスの力使用
地上までの大地を全て炎に変換し
ライダを飛行形態に変形し飛翔
炎でスパイダーやボスを◆焼却
飛行しながら突撃しボスを王劾で切り裂きます



●人形遣いの騙し討ち
「装備破壊とか人形遣いとしては冗談じゃないですね……」
 シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)かく語りき。
 彼女にとって装備破壊されるというのは死活問題である。故に、
「デストロイなんて絶対させませんからね!」
 とシャウトが出るのも当然のことだった。そしてその声を聞けば、
『面白い、その意志ごとデストロイしてやろう』
 とデストロイキングボスがニヤリと笑いながら言うのも当然に聞こえた。

 瞬間、デストロイキングボスが視界から掻き消える。
 シズホはそれを見るや否や炎獣牙剣『王劾』を取り出し、炎獣を召喚。
 その数はゆうに200を超え、それらがスクラムを組みシズホを覆う!
「イチかバチかこれで防ぎます!」
 ドーム状に炎の壁――炎獣の壁に覆われたシズホはデストロイキングボスからも見えにくい。が、それはあくまで本体だけであり、目立つ物は目立つ。
 そして破壊の大嵐が、その炎獣の壁ごと全てを吹き飛ばした、その後に残るものは何一つとして無し……つまりシーンエンド……

「なんてね。そういう結末にするつもりなのでしょう。ですが甘いんですよ」
 シズホは生きていた――地中で!
 炎獣の壁で見えない隙に騎乗機械変形人形『ライダ』を地中対応のドリル潜行形態に変形させ騎乗、振動破砕能力も使い柔らかくした大地を掘り進んでいた。ちゃっかり地中への穴も塞いでおく徹底っぷり。これでは大地殲滅しない限りシズホが破壊の大嵐にやられることはない。
(時間もそれなりに経ちましたし、そろそろ嵐も止みましたかね……?)
 頃合いと見たシズホはここで満を持してコードを起動。
「人形が吸いし鋼神ウルカヌスの影、我が身に宿り力となれ。
 応報を持って因果を制す!」
 それは人形の中からオブリビオンの幻影を出現させ全身に纏う事でその力を宿すというもの。一種の憑装だ。
 今回選んだのは鋼神ウルカヌス――かつてヒーローズアースでの戦争で戦い、討ち漏らし、後々まで脅威を齎した神。その力で、地上までの大地を全て――炎に変える!
「さぁ、反撃ですよデストロイキングボス! コードが切れる前に倒しきる!」

 一方地上では。
『この程度か、猟兵よ! 足りない、デストロイが足りないぞ!』
 荒れ狂ったデストロイキングボスがデストロイに飢えていた。すると――
『な、なんだ!?』
 突如、己の体が宙に浮いた。そして身を焦がす感触がした。
 デストロイキングボスのいた場所にはいつのまにか大きな穴が空いており、そこは炎に満たされていた。地獄の門とか火山みたいな生易しいものじゃなく、本当の意味で炎に満ちていた。それは全てシズホによるものだ! そしてどういうことかと下を見た瞬間――!
「デストロイキングボス、覚悟!」
『ぐおおおおおおおおっっっ!!』
 飛行形態に変形したライダに乗ったシズホが、落ちゆくデストロイキングボスを王劾で辻斬りした――!

 ……大穴に落ちゆくビューティスパイダー達。その身を地獄へ落ちる蜘蛛の如く燃やしていく。デストロイキングボスはといえば――
『あ、危なかったぞ……』
 脱出していた。シズホが地上に出た場所とはまた違う場所に。
 この一帯のビューティスパイダー達はみんな落ちて焼けていったが、別にすべてのビューティスパイダー達がやられたわけじゃない。離れた場所にはまだ健在な奴もいる。それを座標として転移したのだ。……もっとも、辻斬り前には間に合わなかったようだが。
 一方のシズホはといえば。
「くっ……やりますね。ここが限界ですか」
 地上に出た後、コードのデメリットに苦しんだ挙句コードを解除。
 デストロイキングボスと距離も離された。これ以上の継戦は難しいだろう。
「一度撤退ですね……ですが」
『面白い、面白いデストロイだったぞ猟兵よ』

「『次は勝つ!』」

 遠く離れた場所、別々の意味はあろうが、放った言葉はシンクロした。

成功 🔵​🔵​🔴​

カシム・ディーン
機神搭乗
生身でキャバリアの十倍サイズとかデカすぎだろ
「大きい相手でも負けないぞ☆って何時もの必殺技は?」
今回はなしだ

【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の動きと癖や性質
そしてビューティスパイダーの位置を確実に捕捉する

対POW
【属性攻撃・迷彩・武器受け】
光水属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠しつつ水の障壁で熱源や音も隠蔽
立体映像展開し攪乱

己の立ち位置
蜘蛛の位置から転移先を予測

被弾を避ける!
其れでもあたりそうな時は水槍で受け止め直ぐ手放す
【空中戦・弾幕・念動力・スナイパー】
飛び回りながら念動光弾を乱射して動きを鈍らせ
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
鎌剣での連続斬撃から
わたぬき発動!
その臓腑を奪う!



●メルシーの本気
 そして今、戦場に1機のキャバリアが現れる。
「生身でキャバリアの十倍サイズとかデカすぎだろ」
 コックピットでパイロットのカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は一つぼやいた。
「大きい相手でも負けないぞ☆」
 コックピットにいる鶏から声がする。この鶏はこのキャバリアの意思。メルクリウス、通称メルシーという。
「ってキャバリア状態? 何時もの必殺技は?」
「今回はなしだ」
「えー」
「はっきり言って今回は真剣にやらないとマズい。普通にどっちか死ぬ」
 これまでのデストロイキングボスの動きと癖や性質……それらを眺めていたカシムは冷静にそう分析した。
 メルシーはキャバリアではなく人間の姿にもなれるのだが……今回は封印だ。
 コックピットからいつもより念入りにビューティスパイダーの位置を確実に捕捉するカシム。
「ぶーぶー、真面目過ぎてつまんないー!」
「煩い、いいから早く光学迷彩と熱源隠蔽かけろ」
「はーーい……」
 むすーっとした感じのメルシーだが仕事はちゃんとする。
 光学迷彩、水の障壁による熱源隠蔽。属性の力を使った機構だ。
「あと、立体映像って出せるか?」
「立体映像?」
「ああ、攪乱に使えると思ってな」
 その指令に立体映像を展開しつつもメルシーは疑問に感じた。
「ご主人サマ……今回そんなに真面目にやらないといけない感じ?」
「……あの蜘蛛の位置に奴は来る。そして、奴の攻撃は一撃必殺級だ」
「で、でも! 言ってくれれば防壁とかもっともっと」
「無意味なんだよ全部!」
 声を張り上げてしまったカシム。
「……無意味、なんだよ……奴の攻撃を受けた奴の末路は、どれも悲惨だ」
 涙をこぼしながらカシム語る。
「僕は、盗賊だ……故に失いたくない。メルシーを壊されたくないし、一緒にデストロイされて心中も御免だ」
「ご主人サマ……」
 暫くシーンとなる、が。
「つまりそれはメルシーにデレたということだよね!? やったー、ついにご主人サマが」
「ああもう、センチになった僕がバカだった! ほら動け、エンゲージするぞ!」
「はーい☆」
 どこか上機嫌のメルシー。
(……もしかして、メルシーを心配して言ってくれたのかなご主人サマ)

『ええい、どこかリア充の匂いがするぞ! デストロイしてくれる!』
「キャラ変わってないか?」
 カシムのツッコミそこそこにデストロイキングボスが転移してメルシーに肉薄。もちろんそれは予測していた通りではある、が。
(――っ、早い!)
 予想よりその転移は早かった。
「メルシー!」
「宝貝『賢銀水槍』展開! ご主人サマに傷一つつけさせないよ!」
 指先とデストロイエネルギーを賢銀水槍で受ける! 瞬間、デストロイエネルギーが賢銀水槍、だけじゃなくメルシーそのものにも響き渡る!
 激しい揺れ、赤く点滅する照明、乱れる鶏の姿。
「メルシー、放せ! 早く!」
 カシムが叫ぶ! 慌ててメルシーは賢銀水槍を放す! が、メルシーは外も中も所々が壊れていたり火花が散っていたりしている!
「損傷……率……61%! ご主人……サマ、これ、以上」
「飛べ! メルシー! 早く!」
「……」
「メルシー! メルシー! ――メルクリウス!」
「……ご主人サマに」

 ――存在は、自分や自分にとって大切な者が限界を迎えそうな時こそ、感情のままに限界を超える事がある。往々にしてある話、所謂『覚醒』や『本気』の証――

 メルシーは飛んだ。デストロイキングボスを捉えたまま。
「ご主人サマにこれ以上、手を出すなーーー!!」
 メルシー怒りの念動光弾乱射! 飛翔しながら放つそれはデストロイキングボスを惑わせ、ビューティスパイダー達を倒していく!
「おい、メルシー」
「ご主人サマ黙ってて! これはメルシーの」
「……いや」
 カシムが鶏にそっと触れる。感触はあまりなくても、きっと――
「ハルペー展開、コード『わたぬき』発動!
 ……これはお前だけじゃない、僕たちの戦いだ!」
「ご主人サマ……!」
 その言葉に、メルシーもようやく冷静になれた。
 鎌剣『ハルペー』に換装し、全速力で再びデストロイキングボスに迫る!
「「はあああああっっっ!!」」
 鎌剣の先端がデストロイキングボスの胸に突き刺さる! 瞬間、それは体をすり抜け、大きな臓腑を大地に落とさせた!
『む――!?』
 デストロイキングボスは何が起きたか最初よくわからなかった。が、自分の体の感触は自分が一番よくわかるもの。すぐにわかった――『内臓を取り出された』ことに。
『は、ハハハハハ! 良いデストロイだ猟兵よ! 我が臓腑を出せば我が動きが鈍ると考えたか!』
 次の瞬間、デストロイキングボスは取り出された己の内臓を――踏み潰した!
 溢れる何かがメルシーにも降りかかる。すぐに水の力で落としたが。
『臓腑を失えば我がデストロイも勢いをなくすと思ったか? 否!
 我がデストロイ欲はこの程度では尽きぬ!』
「ご主人サマ……!」
 圧倒的。圧倒的にも程があった。もしや心臓をやればよかったか、否、もしかしたら心臓を抜いても生きているかもしれない。想像はいくらでもできる。できてしまう。
 デストロイキングボス、確かに異世界の魔王らしく『埒外』だ――!
「メルシー! エンゲージ離脱だ! 体勢を立て直すぞ!」
「がってん!」
 そしてメルシーは飛び去って行った。その様子をデストロイキングボスは高笑いしながら見つめていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルネ・シュヴァリエ
誘惑の力を解放、殴ってくるなら近い蜘蛛が危なそうだからそっちを注目。
ボスが現れた瞬間に催眠術を仕掛けるよ、誘惑が効いてるなら一瞬でも動きは止まるはず。
他の蜘蛛がルネに見えるように催眠をかけたら空中軌道で回避と距離を取るね。

見えてる蜘蛛はルネが生命を吸収して倒しておくとして、
問題は透明な蜘蛛だよね、こっちは蛇の使い魔に索敵してもらうよ。
蛇は赤外線を、熱を感知できるもの。透明でも体温は消せないよね?

位置が分かったら気づいてないふりして蛇を待機、再転移してきたボスに噛みついてもらってその攻撃を基にルネがUC発動。
常に快感受けて動けなくなるだろうから、ルネは付かず離れずそのまま倒れるのを待つね。



●誘惑、催眠、それは恐ろしいバステだと誰かは言った
「殴ってくるなら近い蜘蛛が危なそうだよね」
 と考え一番近いビューティスパイダーに注目を注ぐルネ・シュヴァリエ(リリスの友想い・f30677)。早速誘惑をすれば、
『イエス、ビューティスパイダー……』
 普通に誘惑されたビューティスパイダー。メロメロな感じで近づく。
 だがそれを踏み潰す巨体!
『デェェェストロォォォォイ!!』
「っ!」
 デストロイキングボスだ! しかし現れた瞬間にルネが催眠術を仕掛ける!
『む……?』
 そしてすぐにルネは離脱。何をしたんだ?

 ふと、デストロイキングボスがごしごしと目をこする。もう一度こする。
『な、なんなのだこれはーーー!!』
 なんかシャウトしたーー!?
 説明しよう! 先の催眠により、デストロイキングボスはなんと! 他のビューティスパイダーが全員ルネに見えるようになったのだ! しかも本物のルネは空を翔けて離脱済み! なんということでしょう!
『イエス、ビューティ……スパイダー……』
 しかも次々に倒れている! これはルネ本人が生命吸収したからなのだがデストロイキングボスからすれば何が起きてるかわからず不思議な光景! 脳筋だしね!
『なんなのだこれは……くっ、最早頼れるのは己の力によるものだという事か!
 行け、透明ビューティスパイダーよ!』
 自分のコードで放つ物なら大丈夫だろう、透明で自分にも見えないし。そう信じたデストロイキングボスは透明ビューティスパイダーをルネに向かわせ転移の構えを取る。

 対するルネは至って冷静だ。
「メリュジーヌ、お願い」
 舌を動かして是の意思を出すメリュジーヌ。
 ――蛇は赤外線や熱を感知できる。そして例え透明でも体温を消すことは不可能だ。ならば、メリュジーヌなら透明ビューティスパイダーの居場所を感知できる!
 居場所の特定に成功したメリュジーヌがそそくさと出向こうとするのをルネはさっと手を出して静止、と同時に。
『デェェェストロォォォォイ!!』
 デストロイキングボスが転移してきた! 待っていたかのようにさっとルネが手を振ればメリュジーヌがデストロイキングボスに噛みつき!
『ハハハハハ、そのような噛みつきなどこの巨体の前にはかすり傷』

「……まだ気づかないんだ。哀れなあなた」

『ハハハハハ、ハハハ、あぁ、肉体が次々デストロイされるこの感覚、久しい、ずいぶん久しいぞハハハハハ、ハ――』
 ……えー、デストロイキングボス、今ルネの前で高笑いしながら倒れたり立ち上がったりしつつ色々ポーズ取ってます。これは彼女のコードによるもの。今デストロイキングボスは絶え間ない快感に襲われまともに動けない状態なのだ。それが己の肉体のデストロイによるものなのは予想外だが、多分それほどデストロイ欲が強くて、そして、脳筋だったのだろう。

 ――だが、それまでだ。ルネにそれ以上の策はない。存在すればコード効果で勝手に相手はこのように滑稽な動きをしてくれるが……
「ふぁ……眠くなっちゃった」
 決め手には、欠ける。
 結果、自分でスリップダメージで倒れるのを待つしかないルネはデストロイキングボスの傍でウトウトするに至ってしまった。こんな煩い中でウトウトできるかはさておき。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロバート・ブレイズ
地獄も天国も不要だと、貴様(それ)は謂うのか。成程、俺に相応しい題名(もの)だが、兎も角
装甲の類で防ぐのは不可能に等しいか。ならば――奴が触れた『部位』を栞(いと)により即座『切断』する。内部破壊とやらを極力抑え込むのだ。実に悦ばしい――!
何?
切断した箇所が頭部や胴体の場合――?
莫迦々々しい、その程度で俺が死に絶えるとでも思ったのか

超克(オーバーロード)、断章(ユーベルコード)発動、自らを完全なる邪神とし、形態変化と共に傷を癒す。嗚呼、貴様、破壊(デストロイ)が好きなのだな――ならば【壊アップ】だ、クカカッ!
此処からは純粋な殴り合いだ。貴様が指先で触れ、俺が神化(なお)す。さて、何方が先に折れると思う――?
ひとつひとつの攻撃に『恐怖を与える』を重ねる。『情報収集』で奴の『脆い』部分を把握していく。完全なる邪神の形態が『三つ』で終えない事を、さあ、伝授してやろう――



●完全にこれは最適解(間違い)だったかもしれない
「地獄も天国も不要だと、貴様(それ)は謂うのか」
 ロバート・ブレイズ(冒涜王・f00135)は己すらデストロイするデストロイキングボスを見てそう語る。
「成程、俺に相応しい題名(もの)だ」
『否、我がデストロイはお前達には全くふさわしくない! なぜなら我こそがデストロイキングボスだからだ!』
 嘲笑するロバートのもとに転移してきたデストロイキングボスが、『否定』しながらロバートの頭部に触れれば、デストロイエネルギーが駆け巡りロバートの頭が内部破損する!
「成程、装甲の類で防ぐのは不可能に等しいか。ならば――」
 次の瞬間、ロバートはとんでもないことをした。

 ――自分で、自分の頭を切断した。銀糸の栞で、己の頭を。
『なんだ、気でも触れたか! 我がデストロイの力にお前も狂ってしまったか!』
 笑みを浮かべるデストロイキングボス。だが――
「狂っている、だと? 私はもとより狂って(正常で)いる」
 ひゅんひゅんと糸を舞わせながらロバートは語る。
「貴様が触れた『部位』を栞(いと)により即座『切断』する。
 内部破壊とやらを極力抑え込むのだ。実に悦ばしい――!」
『だ、だが、頭だぞ我が壊したのは!? お前でも、頭を壊せば――』
「莫迦々々しい、その程度で俺が死に絶えるとでも思ったのか」

 ――沸騰せよ我が脳漿。
 それは『完全なる邪神』へと至る超克(オーバーロード)的断章(ユーベルコード)の発動。ロバートの肉体は常軌を逸した変形、再構築をし、まるでUDCアースの敵にいそうな姿、そう、『邪神』へとなっていく――!
『な……なんだ、そりゃあ……』
 これにはデストロイキングボスも唖然。
「自らを完全なる邪神とし、形態変化と共に傷を癒す。私の断章(ユーベルコード)だ――嗚呼、そうだ、貴様、破壊(デストロイ)が好きなのだな――ならば【壊アップ】だ、クカカッ!」
 壊アップ。どこかの世界線で確かにあったかもしれない[削除済]の力を示すかのように、邪神の腕が、肉体が、盛り上がる。
 最早その邪神がロバート・ブレイズだった面影は殆どどこにもなく、声のみが彼のそれとして生きている。身長は倍にもなっており、思考も加速している。
『――くそっ、我がこの程度で怯むと思うか!』
 デストロイキングボスが強がりながら再び指でその邪神を突けば、邪神はあっさりと内部からデストロイされぐちゃぐちゃの肉塊となる。が――
「完全なる邪神は幾多もの形態を持つのだよ、遊戯(にちじょう)でもままある噺だ、クカカッ――」
 やったそばから再びコードで復活し、さらに大きくなる。
 つまりロバートの作戦はデストロイキングボスが先制攻撃持ちなのを逆利用し、先制攻撃で破壊された後、コードで復活、回復しながら自分を強化する繰り返しなのだ。倒されるたびに強くなる、それはまるでゲームや、あるいは少し形は違えどどこかの親分のように。
 これでは、デストロイキングボスが圧倒的不利だ!
「此処からは純粋な殴り合いだ。貴様が指先で触れ、俺が神化(なお)す。さて、何方が先に折れると思う――?」
『――上等だ。我のデストロイが勝るという事を見せつけてやろう!』
 恐らく普通の有力敵ならここでリスクを背負ってでも攻撃をやめるだろう。やってもどうせ回復されるから。さらに強くなっちゃうから。
 だがデストロイキングボスは悲しいかな脳筋だった。そして己のデストロイを信じており、デストロイ欲に飢えた獣だった。
 故に、乗ってしまった。それが最大の間違いとも気づかずに。

 ――何度繰り返しが続いただろう。3回、4回――否、100回は続いたか。
 デストロイキングボスは実は徐々に疲弊していた。それは彼自身にも体力的な限界はあったという当たり前といえば当たり前な事の他、ロバートが己の攻撃でデストロイキングボスに恐怖を味合わせていたのもある。幾度の繰り返しの中で彼を観察し、的確な『脆い』位置に放たれる攻撃。すぐにデストロイキングボスにやられるが、そのたびに強くなり復活する――
「完全なる邪神の形態が『三つ』で終えない事を、さあ、伝授してやろう」
 3回目の復活の時彼は言った。その通り、最早『百つ』までも続いている。否、それ以上ではなかろうか?
『いい加減に――デストロイされるがいいっ!』
 もはや何回目になったかもデストロイキングボスは覚えていない。もう数えるのを、考えるのをやめてしまった。否、そもそもなんで我はこいつと戦っている? それすらも考えられなくなってしまった。
 思考を支配する恐怖と同じことの繰り返しは、彼をまるで『機械』であるかのように、『目の前の邪神をデストロイエネルギーで倒す』、それだけのために肉体を動かすようにデストロイキングボスをしてしまっていた。
 ――それはまさに、本能で動く『獣』。そしてそのような変化を見逃す邪神ではない。
「思考停止は敗北と知れ、貴様の存在を否定しよう」
 最早何度目になるかわからない攻撃の末――ついに、デストロイキングボスは大地に倒れた。そしてその瞬間、彼は思考を――恐怖に囚われてしまった思考を、再開した。してしまった。
『我の、デストロイが、全く敵わないだと……!』
「嗚呼、ようやく終いか。では蹂躙をするとしよう」
 最早どれだけ大きくなったかもわからぬ邪神が、デストロイキングボスなんか軽々超える大きさの邪神が、デストロイキングボスを覆う――!
「否定せよ」

 ――これ以上の記録は削除されている。
 だが、デストロイキングボスがその場に無残な遺体として残っており、猟兵「ロバート・ブレイズ」が五体満足無事な状態で帰還したのは、確かであった。

 かくして、圧倒的脅威たるデストロイキングボスは、猟兵たちの手により、返り討ちにデストロイされたのだった。きっと彼も今頃躯の海でデストロイ欲を満たせたことを喜んでいるであろう――

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月22日


挿絵イラスト