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その巨人は、満たされない飢えの中にいる。
世界すらぶち壊す、超ド級の力を持ち、事実そうして世界を壊そうとしていた。
だが、それでは足りないのだと、その巨人は思う。
「猟兵よ……!」
しかし、満足に足るであろう存在を、ソレは見付けた。
「我こそはデストロイの王のボス、デストロイキング!」
振り上げる両の腕に、力みの血管を浮き上がらせたデストロイキングは、昂りのままに振り下ろして大地を爆発させた。
表層から深層にまで達した衝撃は、眠っていた熱を吹き上がらせ、周囲一帯を天災に見舞わせる。
そうして、彼はまだ何もない虚空を見据えて笑うのだ。
「さあ、来い、我との真っ向勝負を、猟兵よ!」
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「身長は50m。ただの腕力で地殻すら砕く、正真正銘の怪物、デストロイキングボス。それを、これから倒してきてもらう」
光を宿さない双眸を眼鏡で隠した肆陸・ミサキ(黒白を弁ぜず・f00415)は、グリモアベースの一角で声を上げた。
ガチデビルが召喚した、デストロイキングボス。その存在は、非常識の一言に尽きると前置きをして言う。
「奴は貴方達の来訪を待ち構えているわ。破壊した溶岩と岩盤が噴き出しては降り落ちる場所で」
最早、大地等と言う概念はそこにない。あるのは人為的に巻き起こされた天災だけだ。
必然的に、戦いの場は空中で、と言うことになる。
「地に足つけた行動なんて出来ないものだと理解して。けれど、まあ、地に足つけなくても、戦う事に不都合を感じるなんて余り無いかもしれないけれど……それに」
なにより、敵が望むのはただ、真っ向勝負だと言う。
「挑む側としては、わざわざ相手に合わせて上げる義理もないのだけれど、細々とした条件が無いって言うのは解りやすくて実に良い」
黒のグリモアが繋ぐ先を指し示し、ミサキはただ一言。
「じゃ、倒してきて。いつも通りにね」
見送りの言葉で、猟兵を導いた。
ぴょんぴょん跳び鯉丸
魔王です。
今回もどうぞ、よろしくお願いします。
プレイングボーナス……敵の先制攻撃に対処する/崩壊した大地の上で空中戦を展開する。
第1章 ボス戦
『デストロイキングボス・大地殲滅』
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POW : デストロイブラスター
自身の【敵の至近距離に移動して】から極大威力の【デストロイエネルギー】を放つ。使用後は【エネルギーチャージ】状態となり、一定時間行動できない。
SPD : デストロイサンダー
【デストロイしたい!という気持ち】のチャージ時間に応じ、無限に攻撃対象数が増加する【デストロイサンダー】を放つ。
WIZ : アルティメットデストロイ
自身の【肉体が究極デストロイモード】になり、【自分の受ける攻撃全てをデストロイする】事で回避率が10倍になり、レベル×5km/hの飛翔能力を得る。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ティエル・ティエリエル
むむむー、まけないぞーー! デェェェェェェスゥトロォォォォイだ☆
相手のデストロイしたい!という気持ちに負けないようにこっちも元気に叫んじゃおう!
ちっちゃくて見えないって? ボクはここだぞー☆
デストロイサンダーは発生位置を「見切り」、華麗な「空中戦」で回避だ!
崩壊した大地なんかも盾にしちゃおう♪
雷の数が減って来たらバレルロールとかで雷を避けながら全速力で突貫!
真正面から【妖精の一刺し】でぶつかっていっちゃうぞ!
どうだ! これがボクの全力全開だー!
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
「デェェェストロォォォォイ!」
「デェェェェェェスゥトロォォォォイだ!」
片や超大型の怪物、デストロイキングボス。
片や超小躯の妖精、ティエル・ティエリエル。
両極端の二人は、しかし共にデストロイしてやるぞ! という強い気持ちを叫びあっていた。
「良いデストロイだ小さな猟兵……!」
「むむむー、まけないぞー!」
そうして、気持ちをチャージさせたデストロイキングボスは、雄叫びと同時に電撃を放った。
それは一条の蛇行する光。ティエル目掛けたそれを、彼女は華麗な飛行で回避する。
「ふふん、ちっちゃくて見えなかった? ボクはここだぞー!」
「ふははは、まだまだデェェェストロォォォォイ!」
だがもちろん、怪物の真価はここからだ。
浮遊する岩の裏や隙間を泳ぐように行くティエルを狙う光は、その数をどんどん増やしていく。
ティエル本人はもちろん、盾となる障害物を狙って貫く意図もそこにはあった。
逃げ場を潰し、狙う標的を確実に叩く。
そんなデストロイキングボスの攻撃に、しかしティエルが窮する事は無かった。
辺りの岩が無くなって生まれた空白に、ポツンと一人晒された彼女は、可憐な微笑みで加速。
「いざデストロイ……!」
直線的に放たれる稲妻の軌道をなぞる様に回避し、構えたレイピアの切っ先を前へ。
「いっくぞー!」
デストロイキングボスの胸、その中心を抉り衝撃に跳ね返って吹き飛ぶティエルはニッと笑った。
「どうだ! これがボクの全力全開だぁー!」
大成功
🔵🔵🔵
ルァハイム・ラアル
翼はあらかじめ三対全て展開。
接近してくる動きを【見切り】、翼三対分の【空中機動】能力と重力加速を利用して、デストロイキングボスの足下に入り込む形でデストロイエネルギーの放射を躱す。
躱せたら、こっちもUCを発動して大鴉に変身。変身後のサイズ相応に巨大化した後槍に変化させた銀器を操って邪魔になる岩盤や溶岩を破壊しながら、、真っ向から脚で掴み掛かる。
お前、キングなのかボスなのかハッキリしろっつーの!
ルァハイムは、デストロイキングボスとの相対直後に動いた。
「……!」
ゾクリと背筋をなぞる寒気は、強烈な死の予感だ。
動かなければ殺られる。確信に似た予感が急かした行き先は、真下。
「デェス、トロォォイ」
仰向けで落ちる目の前、巨大な口が現れた。それが相手の腹部に据えられた器官であると理解すると同時、その真っ暗な奥に光る、破壊のエネルギーを見る。
「ぉ」
これだけでは足りない。翼を、身体を包む様に閉じ、頭を下に直滑降。加速に加速を重ね、ちらりと視線を敵へ向ければ、そこには極大のエネルギーが迫っていた。
「おおおおお!」
瞬間、翼を解放すると同時に、噴き上がってきた岩盤へ両手で着地。弾くように軌道を変え、デストロイキングボスの足側へ飛翔したルァハイムは、
「叩き潰す――!」
巨大な鴉へと変身し、エネルギー放射で自由落下する敵の直上へ至った。
鋭い鉤爪の脚を押し込むようにぶちこんで、
「お前、キングなのかボスなのか、ハッキリしろっつーの!」
崩壊した大地へと、叩き落とした。
大成功
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馬県・義透
第三『侵す者』武の天才にして破壊神
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎
よし、わかりやすくてよい!
それにしても…こういう場でなければなあ。気が合いそうなのだが。
先制攻撃は…悪霊であるから、空中機動にて動きつつ、前方に厚く張った結界でその力を削ぐ。結界は壊れてもよいしな。
それに加えて、四天霊障によるオーラ防御もやっておるからのう。
いつまでもそのエネルギーが続くこともないであろうて。
さて、一定時間動けぬのよな?
その一定時間がわからぬから、早業な空中機動ダッシュで近づき、そのスピードも加算したUC使用の黒燭炎にて突くことにする。
破壊対決で、わしが負けるわけにはいかんのよ!
わしの得意戦法だからの!
「真っ向勝負か。よし、わかりやすくてよい!」
喉をからからと鳴らして笑う義透は、巨体を前に気負うこと無く居た。
ふわりと重力を感じさせずに浮いた彼は、こうして敵味方で分かれなければ、気が合うのだろうなと内心で呟く。
「中々に良きデストロイの気配よ……猟兵、いざ」
起こりは、エネルギーの胎動だ。
デストロイキングボスの腹口に集中する、超高出力のエネルギー。放たれたらあらゆる存在を破壊してきた、とっておきの一撃だ。
「来るか……!」
此度の相手は気持ちの良い敵だ。ならば今回も全力でデストロイをする。
その想いで発射された極太ブラスターは、狙い違わず義透を捉え、しかし破壊だけは為されない。
「ほう……!」
結界だ。
護るために作り出した分厚いそれは、盾というより壁、壁と言っても城壁の様に堅固な代物。
高密度に維持された結界は、攻撃に晒される箇所からじわじわと崩壊を始めていく。
「むぅンッ」
「デェェェストロォォォォイ!」
壊れるのが先か、エネルギーが尽きるのが先か。
その結論は、意外と早く訪れる。
「――!」
渇いた破裂音は、結界の消滅を示した。出しきったブラスターの光が尾を引きながら義透を飲み込んで、残るのは静寂と動けなくなったデストロイキングボスだけ――
「……このデストロイの気配は……!」
いや、いる。
残光の跡地に、黒槍を手にした男が。
「破壊対決で、わしが負けるわけにはいかんのよ」
空を駆け、得物から発せられた火を纏いながら、破壊神の名を冠した悪霊は、
「わしの得意戦法だから、の!」
敵の額へと、その一撃を突き込んだ。
大成功
🔵🔵🔵
アルテミシア・アガメムノン
デストロイキングボスさん。
物凄く迷惑な方ですが、他の召喚魔王さんほどの不快感はありませんわね。
とは言え、放置できる存在ではない。
真っ向勝負で倒させてもらいますわよ!
先制対策
敵WIZUC、自分の受ける攻撃全てをデストロイするということは逆に攻撃全てに対応するということでもあるでしょう。
ということで『アルテミシアの翼』から魔力弾を乱射、弾幕を張ることで魔力弾をデストロイさせて牽制、後は攻撃動作を見極めて回避です。
(瞬間思考力×見切り)
しかる後に『氷獄の魔帝』を発動。
真の姿となり、無限の魔力で回避率など関係ない周辺一帯を吹き飛ばす魔力爆発でデストロイキングボスさんを滅ぼしましょう!
身体の軋む音が聞こえた。
現着を果たしたアルテミシアの耳に届いたそれは、デストロイキングボスの巨体から発生したものだ。
自身の肉体を、究極のデストロイモードという形態へ変じるための音は、体躯に比例して大きく鳴っているのだろう。
「物凄く迷惑な方。ですが、他の召喚魔王さんほどの不快感はありませんわね」
個人的な感情だとそう思う。だが、それでは放置出来るのかと言えば、答えは否だ。
「真っ向勝負で倒させてもらいますわよ!」
だからやる。
黄金三対の光翼を広げ、巨大な的であるデストロイキングボスへと魔力弾の乱射だ。
「デェェェス」
その攻撃を、相手は一息の呼吸の後。
「デェスデスデスデスデストロォイ!」
拳で、口で、気合いで。
瞬く間に打ち落としていく。
圧倒的な物量で圧して来る攻撃に、圧倒的なごり押しで対処したのだ。
これにはアルテミシアも微かな苦笑を浮かべる。が、しかし内心で、それで良いとも思う。
「ええ、あなたは受ける攻撃全てを、デストロイするのでしょうね。どの様な攻撃であっても、対応するのでしょう」
放つ魔力弾は数を増し、角度を広げ、やがては全方位からの斉射へと移る。
「――!?」
息吐く暇無く繰り返される攻撃と、回避とは名ばかりの破壊。
それは正に、アルテミシアが描いた通りの様相となる。
「さあ、審判の時は今です」
黄金から漆黒へ。三対から六対へ。
纏う気配を変質させた魔王は、異世界の魔王へ手を上げる。
「あなたを、滅ぼしましょう」
笑みで見つめる先、白光が空間を塗り潰す。
その残光の後には、何も存在はしていない。
大成功
🔵🔵🔵