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7thKING WAR㉕〜我破壊する、故に我在り

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #召喚魔王『デストロイキングボス』

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#召喚魔王『デストロイキングボス』


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●まず地面を砕きます
「デェェェストロォォォォイ!!」
 猟兵達が相対するであろう異世界の魔王、デストロイキングボスは万物万象の破壊者であり、このデビルキングワールドでも手始めに大地を破壊した。
 そうして次なる破壊の標的は猟兵。爆裂した大地の中を驀進するデストロイキングボスを止めることができるのか。全ては猟兵の知恵と勇気に懸かっていた。

●おのれデストロイキングボス……!
「ただただ『強い』と表現するしかない魔王が呼び出されていました……その名は『デストロイキングボス』。分かりやすく破壊者ですね」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)が告げた三体目の魔王の名は破壊の王で首領であった。それ以外に形容のしようがない、しかし破壊に完全特化した最強クラスの魔王だ。
「デストロイキングボスも逃がすわけにはいきません! ここでやっつけてしまいましょう! ただ、やはり強敵ですので戦うにも注意が必要です。強敵の例に漏れずデストロイキングボスは先制で大地を砕き、ユーベルコードを放ってくることでしょう。ユーベルコードへの対処と、大地が破壊され足場が無い中での立ち回り、その二点が勝利を掴むためには必須になってきますね。足場が無いということは必然的に空中戦を強いられます。浮き上がった岩盤や溶岩などを躱す、あるいは利用する、といったことが考えられますね。後は皆さんの経験と勘などでバシッと捻じ伏せちゃってください! それではよろしくお願いします!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 ここがデビルキングワールドの世界か……みたいな。

●フラグメント詳細
 第1章:ボス戦『デストロイキングボス・大地殲滅』
 先制で大地を砕き、猟兵の元へ一直線に突っ込んでくるやべーやつです。
 先制攻撃への対処、空中戦を強いられる不安定な足場への対処など考えておくとよいでしょう。
 こちらのシナリオではデストロイキングボスの先制の大地破壊でビューティスパイダーが全滅しているため、テレポートを警戒する必要はありません。
 目の前に来たやつをボコボコにしてやりましょう。
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第1章 ボス戦 『デストロイキングボス・大地殲滅』

POW   :    デストロイブラスター
自身の【敵の至近距離に移動して】から極大威力の【デストロイエネルギー】を放つ。使用後は【エネルギーチャージ】状態となり、一定時間行動できない。
SPD   :    デストロイサンダー
【デストロイしたい!という気持ち】のチャージ時間に応じ、無限に攻撃対象数が増加する【デストロイサンダー】を放つ。
WIZ   :    アルティメットデストロイ
自身の【肉体が究極デストロイモード】になり、【自分の受ける攻撃全てをデストロイする】事で回避率が10倍になり、レベル×5km/hの飛翔能力を得る。

イラスト:シャル

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マリア・ルート
いやすごい力なのはいいけどビューティスパイダー全滅させてどうすんのよ!?
バカなのかしらこいつ…?

まぁそれはともかく。
足場が不安定になりながらの先制と聞くけど、所詮一撃の話。
【指定UC】で武器を盾のように展開してエネルギーをガードするわ。無敵の武器達だしデストロイされようと代わりはいくらでもいる!
足場の不安定にも武器で足場を作って空中に浮かぶ足場として対応するわ。

先制後は相手が動けなくなるから相手を追いかけながら武器達を一斉掃射。
一撃必殺系はね、一発で仕留められなかったらおしまいなのよ。
あと悪いわね…私、某所で殲滅担当とか名乗ってるの。
わかる?つまりーー私もデストロイはお得意だってこと!



●デストロイ&デストロイ
「デェェェストロォォォォイ!!」
「ぎゃーーー!!」
 予知に聞いたとは言え、大地を破壊され余剰の圧力によって宙に打ち上げられる感覚はハードなジェットコースターのようで、マリア・ルート(紅の姫・f15057)は天も地も見失って絶叫していた。
 そして巻き込まれたのはマリアだけではない。デストロイキングボスが放っていたビューティスパイダー達は無慈悲な暴力に為す術無く全滅。デストロイキングボスと戦う上で一つ好材料ではあるが。
「いやすごい力なのはいいけどビューティスパイダー全滅させてどうすんのよ!? バカなのかしらこいつ……?」
 デストロイキングボスの頭の出来を案じるだけの余裕はあるか。しかし刻一刻と上昇力は奪われて、やがて重力に引かれ落下する。一瞬たりとも無駄には出来ない。
「我のデストロイブラスターを食らってデストロォォォイ!!」
「デストロイ確定!? 冗談じゃないわ!!」
 浮いた岩盤だろうが溶岩だろうがお構いなしに足場にしてデストロイ、前を塞ぐ物は当然のようにデストロイ、おまけにマリアの耳までデストロイしそうな程に喧しくデストロイを謳うデストロイキングボス。デストロイが飛ぶように売られている。
「所詮は一撃――受け切ってしまえば!」
 デストロイキングボスがデストロイの術を無くした時にチャンスは訪れる。圧倒的威圧感で迫ってくるデストロイキングボスに対抗すべく、マリアは自分が信じる無敵の武器を想像から創造した。何でも良いからとにかくぴたりと密着して盾となるように配置し、また一部は固めて自らの足元に配置し足場とした。
 受ける準備は整った。マリアは力いっぱい盾とする武器達を支える。デストロイキングボスのデストロイタイムは間もなく――。
「デスト――ロォォォォイッッ!!!」
 デストロイキングボスは双腕、爪をがりっとマリアの盾に突き立て、両掌より極大威力デストロイエネルギーを発射した。零距離射撃に無敵の武器達が晒されて、夥しい光と熱がマリアとデストロイキングボスを含む極限空間を満たす。
「くぅぅっ――!!」
 無敵であっても気を抜けば即座に弾け飛んでいきそうな超高圧。デストロイキングボスの姿も迸る光の中に消えていて、マリアはひたすら全てが収まるまで支え続けるしかなかった。過ぎ去る一秒にも気が遠くなるような思いで、しかし信じることを止めてはならないという絶望的状況。デストロイキングボスの咆哮が脳内で反響しマリアの意識を苛んでくる。
 だが、途轍もない力とは無限ではない。時の感覚が狂った状況で不意に終わりは訪れた。マリアの目の前に赤毛青肌の巨躯がふっと現れ固まっている。
「終わったようね! デストロイ破れたり! 一撃必殺は一発で仕留められなかったらおしまいなのよ!」
 デストロイエネルギー全放出の反動でデストロイキングボスはエネルギーチャージ状態に移行している。行動不能を狙い撃つのは今まさに全てを受け切った盾――もとい武器達だ。刃が剣山となって並び、至近距離からの一斉発射。盛り上がった双腕に牙を剥く胴体を無秩序に斬り裂きデストロイキングボスを押し返していく。
「ぬぉぁあ……我がデストロイ、破るとは、何者だ、猟兵……!」
 デストロイを名乗る者として、確かめておかねばならない。デストロイキングボスの言葉にマリアは薄く笑って答える。
「悪いわね……私、某所で殲滅担当とか名乗ってるの。わかる? つーまーりー……私もデストロイはお得意だってこと!」
 魔王でなくともデストロイ――此度はマリアに軍配が上がったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジョゼ・ビノシュ
強敵と相見えるのは初めてだから、なんだか緊張するわね。まあ、やれるだけやってみましょう。

足場の不安定さは【空中機動】があるから大丈夫。【援護射撃】と【誘導弾】で出現箇所をある程度絞って、対策を容易にする。空中機動もあるしそこそこ速いはずだし、回避に専念するけど、それでも対策足らないかしら……じゃあ、そのうえでデストロイエネルギーを【念動力】で捻じ曲げるわ。エネルギー余波には【オーラ防御】。
なんとか初撃を凌いだら、私のターンだわ。動けない状態からもう一度【念動力】と【衝撃波】で【体勢を崩す】。それから、指定UCで、一撃──食らってもらうわよ!!



●デストロイ崩壊の序曲
 大地はいつしか溶岩の海に変わり果てていた。からからに乾ききった大気が灼熱を帯びて湧き上がってくる中をジョゼ・ビノシュ(アイシイ・アンリアル・f06140)は飛んでいく。
(やれるだけ……やってみるしかないわね……)
 真剣とも取れるが、ジョゼの表情はどことなく固い。開戦から間もなく二週間が経過しようとしている7thKING WAR。ジョゼがこの戦争において最初の戦いを挑むデストロイキングボスは魔王と称される強敵だ。生半可な策は通用しない相手、ジョゼは可能な限り備えはしたが、緊張からくる不安は拭い切れない。
「ハァァァ――次のデストロイは、貴様だデェェェストロォォォォイ!!」
「――っ!?」
 まだ百メートル近く距離はあろう。だが遮蔽物がなくなった戦場では見失うほうが無理のある巨体から放たれる圧は凄まじい。ジョゼがデストロイキングボスを認識するのと同じく、デストロイキングボスがジョゼを認識し直視した、ただそれだけでジョゼの体は凍り付く。
 それからものの数秒の出来事だった。デストロイキングボスは溶岩の海を三歩で越える。それでジョゼが赤髭の一房を見分けられるまでの至近に躍り出たデストロイキングボスは、蚊でも叩き潰すかのような動作でジョゼを両掌に挟み込んできた。
 誘導する暇など無かった。ジョゼは命の危機を感じて無理矢理思考を再燃させ、回避行動に全力を注ぐ。上昇して魔の手を逃れるか――だがデストロイキングボスの視線がジョゼの動く先を捉えるが早く、両掌を再度ジョゼへ突きつけると、今度こそデストロイエネルギーを圧縮照射した。
「うっ――ぐううぅぅぅっっ!!」
 ジョゼは逃げ切れなかった際の代案と考えていた念動力を発揮してデストロイエネルギーを捻じ曲げにいき、さらにオーラ防御を張って余波の影響を少しでも抑える。回避行動もデストロイエネルギーの放射を二方向から一方向に減らす働きをしていたが、策を積み重ねてもまだ深海に沈められたかのような高負荷に晒されていた。息は呻きとして逃げていくだけで吸う間が無い。果てしなく続く破壊の圧力、真白の光の奔流の中では意識が薄れ視界が霞んでいるのかも分からず延々と地獄が続く。
 滅ぶのは容易い。しかしそれでは決意が偽りになってしまう。やれるだけ、とは意地でも我を通すという不屈の精神であり、己の限界を定めることではない。ジョゼは体の内に在るあらゆる力を絞り出してデストロイキングボスに立ち向かっていた。
「デストロォォイ……ォォォオオオッ!!」
 何時しか、追い詰められていたのはデストロイキングボスのほうだった。一度ならず二度までも破られることがあってはならない。魔王のプライドが真綿のように首を絞める。
 而して、決着の時は訪れた。
「…………はっ、はぁっ…………崩れな、さいっ……!」
 ジョゼに色と呼吸が同時に戻る。岩石のような両掌があり、ジョゼはすぐさま衝撃波を念動力に乗せて押し飛ばした。不可視の圧は一直線に両掌へ命中して弾け、巨体がぐらりと傾き始める。
「一撃――食らってもらうわよ!!」
 邪悪に牙を剥く腹の口へ、放たれたるはやはり念動力だった。空間が歪んで細長の舌が捩れ、牙がべきべきと折れていく。
「我をデストロイするか、貴様……!!」
 腹を抱える右手に牙が零れる。ジョゼが見せつけた受け入れ難い現実を、デストロイキングボスは忌々しく握り潰すしかなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

サカマキ・ダブルナイン
デストロイとキングとボスが合わさりゃそりゃ強いじゃろ、どういう名前じゃ……!
これは一刻の猶予もないぞよ、直ぐに「炎熱狐」を機動!

……敵対存在の破壊行動を確認。「99式ファンビット」を展開、回転を停止させ足場として用います。

攻撃の完全な回避は困難と予測……当機は腹部へのエネルギー集中を実行。
至近距離の敵対存在に対し、「99式腹部レーザー砲」による【零距離射撃】を実行。エネルギーの一部相殺を試みます。

敵対存在の攻撃後、各部の甚大な損傷が予測されます……当機の戦闘続行は困難と判断、『99式援護要請』を実行。

スペアボディへの命令を入力……炎熱狐起動後、敵対存在の再行動まで全兵装を以て攻撃を実行せよ。



●信念は繋がっている
 デストロイキングボス――名前を聞いてサカマキ・ダブルナイン(ロボ巫女きつねのお通りじゃ!!!・f31088)は我が耳を疑った。デストロイ、キング、ボス、ひたすら強そうな言葉を三つ繋げただけの名前は安直でありながら明快に最強の名を示す。
 そして戦場へ転送されてきたサカマキは言葉を失った。大地が創世の時に還っており形が無い。破壊されたのだ、溶岩の海に聳える蒼の魔王に。
 サカマキは即座にクロックアッパー「炎熱狐」を起動させながら「99式ファンビット」を扇型の足場とすることで宙に着地した。これで落下は免れたが、その間にもデストロイキングボスは激烈に溶岩を波立たせて迫っていた。
 三歩必殺、腹の口にある牙は他の猟兵の攻撃で折れていたが、その喉奥には爆発的なエネルギーが溜め込まれている。
「デストロォォォイブラスタアァァァ!!!」
 咆哮でまた溶岩が波打った。至近からの暴走的なエネルギー放射。混沌を無に帰す真白の波動は一瞬にしてサカマキを呑むが。
 命令の復唱は無い。ただサカマキも接近戦用として備えた「99式腹部レーザー砲」を放ってデストロイエネルギーを穿たんとした。真正面から激突していく両者のエネルギーだがその規模は太陽と月の如き差で、黒点のようなピンホールがぽつんと一つ生まれるだけ。
 全てを防ぐことは叶わない。強靭な巫女服がボロ布のように千切れ飛んで皮膚構造が破壊されていく。内部の機械構造が負荷に耐えられず火花を散らして爆ぜていったが、爆風、爆炎すらデストロイエネルギーの前では一瞬で掻き消えていた。
「ハァーッハッハ……デストロォォォイ!!」
 デストロイエネルギーを放出しきってデストロイキングボスは声高に叫ぶ。ようやく満足のいく結果を得たか――サカマキが足場を失い真っ逆さまに落ちていくのをデストロイキングボスは見下ろしていたが、本来ならば消失しておかしくないところ、サカマキはその身を残している。
「ソンショウジンダイ、キノウテイカ……」
 声帯機能が傷ついてサカマキの声は錆びていた。虚ろな瞳だけが辛うじて面影を残すサカマキの呼び声、それは神に縋るための泣き言ではない。全ては手筈通り――声に応じて虚空に現れたスペアボディが扇形の足場を跳び渡って、落ち行くサカマキを両腕で抱き止める。
 サカマキは剥き出しの回路から伸びるコードをスペアボディに連結させて命令を送信、そこで役目を終えた。
「『炎熱狐』を起動、敵対存在の再行動まで全兵装による攻撃を実行します」
 サカマキの体を足場の上に横たわらせたスペアボディは入力された命令を復唱した後、感情を沈めてまずはデジタルカード「射管狐」を投擲、生成射出された電磁弾を追いかけるように扇型の足場を繋いでデストロイキングボスに迫る中でヴァイブロナギナタ「狐乱丸」を高速振動させ、スタンパッド「狐雷球」の電撃を付加することで遥か天に伸びる雷の刃を作り上げた。
 電磁弾がデストロイキングボスの両肩に直撃し、巨体が揺れ動く。
「ぐぉぉ……デストロイできていないだと……!?」
 スペアボディが頭上まで上り詰めていくのをデストロイキングボスは見遣るしかなく、その双眸には無表情のまま雷を振り下ろしてくるスペアボディの姿が映った。避雷針となった二本の角から叩き込まれた雷は全身を貫いていき、腹にある口は痺れて堪らず舌を硬化させて仰け反る。
「がああぁぁぁ!!」
 猟兵達が積み重ねてきた一撃がついに花開いた。よろめいたデストロイキングボスの足元では溶岩が波紋を広げ、事態の急転を物語るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ソニア・シルヴァーヌ
なんという圧倒的な破壊力…!
まさにデストロイとはこの方のことを表すかのような…!

ですが、私も負けていられませんね…!

【空中浮遊】で岩盤飛び交う中を移動しつつ、敵と対峙します。

さて先制攻撃ですが。
至近距離まで転移される以上、下手な離脱は無意味。
ならば、思い切って残酷な光翼の【推力移動】で更に近づき、デストロイエネルギーが届かない位置へ潜り込みましょう。
場合によっては彼のお腹の口の中へ突入するのも選択肢に。飲み込まれないようにだけ注意しつつ。

そしてそのまま反撃に転じます。
彼が再び動き出すまでの間に、全ての終わりを閉ざす炎をありったけ叩き込んでいきましょう。



●デストロイデストロイヤー
 原形がどうであったか、全く以って推測不能な溶岩地帯へと変貌していた世界の一画にデストロイキングボスは在った。この世とは思えない光景はデストロイキングボスが一撃で大地を粉砕した結果だと――ソニア・シルヴァーヌ(玻璃の白百合ラスボス仕立て・f31357)は驚愕を禁じ得ない。
「名は体を表す、とはまさにこの方の為にあるような言葉……ですが、私も負けていられませんね……!」
 ソニアの中ではデストロイへの対抗心が沸々と湧き上がる。圧倒されてもおかしくない状況だったが、ソニアは嬉々として強大な相手に勝負を挑みかかっていた。
 まるで海岸のように波を寄せ返して飛び散ってくる溶岩の合間を縫いながら空中を突き進んでいくソニア。それはデストロイキングボスが溶岩を踏みつけ進撃してくる影響で、互いの距離はあっと言う間に詰まっていく。
 改めてソニアが目の当たりにしたデストロイキングボスは、高身長の種族、ラスボスの彼女でさえ簡単に握り潰してしまえる程の巨体だった。一直線に向かってきたソニアの頭上に振り下ろされてくる両掌から放たれるデストロイエネルギーは瀑布であり、瞬く間に溶岩の海まで到達して溶岩すら蒸発させる。
 巻き込まれて尚、生き延びられる者が居ようか。デストロイエネルギーは絶対――故にソニアは潜り抜ける道を選んだ。至近に迫るデストロイキングボスのユーベルコードを相手取り、更に至近へ迫りながら急降下、撃ち出されたデストロイエネルギーを浴びるかどうか、溶岩に突っ込み沈没するかどうかの瀬戸際で股下をすり抜けてデストロイキングボスの背後に回り込むと、
『受けてみるが良いです、百魔獣の王の炎!』
 世界を灼熱で満たしたお返しに、ソニアは球形に近い下半身が開けた口から火球を吐き出した。溶岩が霞むほどに煌々と燃え上がった火球は一兆度という桁外れな温度に到達し、デストロイエネルギーを放出しきって反動のチャージ状態になったデストロイキングボスの、背に生えた翼状の部位を炭も残らぬ程に抹消する。
「我が……我がデストロイされると言うか……おのれデストロォォォイ!!!」
 デストロイキングボスは狂ったように咆哮する。破壊者が破壊に恐怖した瞬間であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七那原・望
念動力で飛行が可能になったスケルツァンドに乗り空中戦。
第六感で敵の動きや障害物の軌道を見切り、魔力を溜めながら回避に専念を。

敵がユーベルコードによって至近距離に移動したら即座にスケルツァンドを手放し、更に溜めた魔力を上に向かって解放し、魔法によるジェット噴射、重力、慣性で斜め下に一気に超加速する事でデストロイエネルギーを回避。
回避に成功したらすぐにジェット噴射を止め、果実変性・ウィッシーズラブを発動したら今度は背中の翼で空中戦。

わたしの最愛の人や大切な友達を破壊しようとするお前を生かしておくわけにはいきません!

敵が動けない内に多重詠唱限界突破全力魔法を幾度となく叩き込み、終わらせます。



●愛より出ずる無限の力
 宇宙バイク「奏空・スケルツァンド」に騎乗した七那原・望(封印されし果実・f04836)が溶岩原の上空をかっ飛んでいた。伝え聞いた容貌に違わぬ存在感がびしびしと肌に突き刺さってくるのを感じながら、望は静かに魔力を溜めている。
「ウォォォ……デェェストロォォォイ!!」
 破壊者たるが故の雄叫びを上げるデストロイキングボス。これまで放ったデストロイエネルギーは悉く不振に終わっており怒りと苛立ちは最高潮に達している。また一人、空を征く望の姿が見えて、デストロイキングボスは眼下の溶岩を有り余るパワーで踏みつけた。
 ずどんと沈む右足、その下で周囲に押し出された溶岩は数十メートルはあろうかという巨壁となって空中に溢れ、望とデストロイキングボスが存在する空間を囲む。逃がさぬという執念。だが襲い掛かる溶岩の飛沫にも望は動じることなく、念動力を操り巧みな操縦術を見せてデストロイキングボスとの間合いを計る。
「わたしの最愛の人や大切な友達を破壊しようとするお前を――生かしておくわけにはいきません!」
 高らかに叫ぶ望。根底にあるのは深き愛情だ。大地を破壊し、剰え愛する者達へ破壊の矛先を向けようなどという暴虐を許す道理は存在しない。たとえそれが五十メートルに達する巨悪だとしても。
「生殺与奪を握ったつもりか! 一切合切デストロイしてくれるわ!!」
 デストロイキングボスが両掌を手首の辺りで合わせて望目掛けて突き出し、花弁のように包み込んだ掌中から溜め込んだデストロイエネルギーを解き放った。世界を塗り潰す閃光が莫大な破壊力を伴って発射され、望の全身を直射する――。
 紙一重の攻防であった。デストロイキングボスが動き出した瞬間に望はスケルツァンドを空へ放棄して、ここまで溜めてきた魔力を真上に全解放。スケルツァンドが持っていた推進力と、重力、魔力のジェット噴射が合わさって前方へ急激落下するのと同時にデストロイエネルギーが頭上を抜け、溶岩壁を貫いていく。
 高々溶岩の破壊など望むはずもなく、デストロイキングボスはぎりと奥歯を噛み締める。それを横目に望は溶岩へ墜落しそうになっている自らを翼で支えて再浮上させると、デストロイキングボスの左側面へと回り込み、
『わたしは望む……ウィッシーズラブ!』
 信じる愛のありったけを纏って「翼望・シンフォニア」を掲げ、天空に多重の魔法陣を描く。
「終わりです!」
 欠片も残さないという強靭な意志により放たれた裁きの光。天空よりデストロイキングボスへ落ちてきた光の束は巨体を丸ごと包み込んで悪しき魂を滅す。
「ゥゴアアァァァッッ!! 我が……デストロイが…………こん、な…………」
 再三自身が放っていた力と真逆の力にデストロイキングボスは呑まれていった。溶岩壁が重力で落下し世界が開かれ、有らん限りの魔力で放たれた光は魔法陣の成就を以って掻き消える。望はデストロイキングボスが消滅してぽっかりと空いた大空間をしばし見下ろし、それから思い出したようにスケルツァンドの回収に向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月14日


挿絵イラスト