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7thKING WAR㉒〜スーパーでカオスなやつ

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』

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#東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』


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 その竜は、まさしくカオス。
 三つの頭部が呼吸をするたび、しゅうしゅうと毒々しい瘴気が漏れ出している。一枚だけ逆立った鱗に、この魔界で一、二を争うワルを選び取るという白羽の矢が突き刺さっていた。
 名をスーパーカオスドラゴンという。男の子の憧れ全部盛りである。
「ゲヒャ〜ッヒャッヒャ! ……さて。カシオリ配り忘れたお宅はねェだろうな!? 何せこれからカオスの具現化たるオレサマが7thKINGになるべく全力全開で暴れ回るんだゼぇ! 万が一逃げ損ねた間抜けがいたら跡形もなく消えてカオスの一部になっちまうだろうからなァ!」
 辺りには人っ子、いや悪魔っ子一人いない。どころか建物ひとつない荒野なのだが、念には念を入れてかなり遠くのお宅にまで挨拶回りをしたらしい。
「何せこのオレサマが本気出したら何が起こるかわからねェからなァ! 悲鳴も聞けねェだなんてそんなのはツマラネエ! 何事も事前準備ってのァ大事だよなァ!! ゲヒャ〜ッヒャッヒャ!」
 ただでさえデカいのにより大きく見せるように肩をいかつらせ、醜悪な笑い声を轟かせながら、段ボールの中の箱詰めのお菓子をひとつ残らず配り終えた事を丹念に確認していた。
「ァー、そういやあのお宅には足が悪い婆ちゃんがいたが、うまく逃げきれたかなァ? 隣の家の吉田さんに頼み倒して避難の手伝いをお願いしておいたから大丈夫だろォとは思うが……ん~でもまァ一応完全封鎖の前に訊いておくか! 万一があったらいけねェからなァ!! (プルルル……プルル……)あァ~もしもし? こちら吉田ゴンザレスさんの携帯電話でお間違いないですかァ~? オレサマ、いいやワタクシ、スーパーカオスドラゴンという者なんですけどォ~、ええ、はい、お世話になっておりますゥ~……」


「お集まりいただきありがとうございます」
 生真面目そうな男が猟兵達に深々と頭を下げる。案内人の佐東・充(オルタナティブ・f21611)だ。
「早速ですが本題に入りましょう。皆様に向かって頂きたいのは東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』の討伐です。彼を斃す事は必須ではありませんが、東西ラスボスのどちらかを斃す事で猟兵の皆様が7thKINGの暫定候補者となります。戦争終了までガチデビルがKINGの座に就くことが出来なくなるため、戦況を有利に運ぶことが可能となるでしょう」
 どのみち、ガチデビルへ戦いを挑む為の通り道の一つでもある。そして自身が7thKINGになる可能性を阻む猟兵達に対しては、スーパーカオスドラゴンも一切の遠慮はせず襲い掛かって来る事だろう。

「彼はオブリビオンでは無く魔界の住人ですが、だからこそ遠慮は不要です。討伐を重ねれば完全に滅ぼされてしまうオブリビオンとは異なり、彼の息の根を止める事は不可能に近いでしょうから。と、いうよりも、油断をすれば殺されるのは貴方達です」
 心してかかれと充は云う。
「彼は『カオスヘッダー』なる混沌魔法を行使し、無限に増殖しては破壊を続けます。この魔力は尽きることが無く、戦闘が長引けば長引くほど戦場は膨大な数のスーパーカオスドラゴンで覆い尽くされる事でしょう。一体一体が彼の力を完璧に模したものであり、まともにやりあっていれば皆様といえど苦戦は免れません。しかし対処法はあります」
 猟兵を見回し、彼らが耳を傾けているのを確認してから、充は告げる。
「増殖したスーパーカオスドラゴンは、正しく完全同一の存在。強さも、力も、そして生命力も。ゆえにどれか一体でも斃せば、全てのスーパーカオスドラゴンは消滅します」
 結局はなんやかんやで復活して死なないらしいが、その戦力を大きく削ぐことは出来る。

「当然、彼は数の利を活かして撹乱し、阻もうとしてくるでしょう。その対策があれば戦いやすいかもしれませんね。幸い、周囲は何もない荒野。戦闘以外の事に気を取られる心配は無用です。彼自ら丁寧に挨拶回りを済ませ、辺り一帯を封鎖したそうですから」
 ――ん?
 カオスなドラゴンと挨拶回りというギャップに首を傾げる猟兵に、充は頷いた。
「デビルキングワールドは真面目にデビルキング法を遵守してワルい事をしている良い子達の集まりらしいですからね。破壊を具現化したかのような彼もまた、例外ではないということです。彼はこう呼ばれているそうですよ。魔界随一のエセ乱暴者、と」
 よくわからん。云っている充も理解出来ている節はなかった。


ion
●お世話になっております。ionです。
 ラスボスさんどっちも実にいいキャラしていますね。

 プレイングボーナス……無限に増殖し続けるスーパーカオスドラゴンの群れと戦い、どれか1体を倒す。

 無限に増えるスーパーカオスドラゴンは皆同じ見た目をしていて、数を活かして撹乱してくるので一匹に攻撃を集中させるのは困難です。たとえば目印をつけておくとか、工夫があるとよいでしょう。
 オープニングはふざけてますが、リプレイは真面目に書きます。多分。
 プレイングにもよります。

●プレイングについて
 追加OPなどはありません。募集スケジュールはタグでご案内予定です。
 素敵なプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』禍』

POW   :    ハイパーカオスチャージ
【カオスで予測不能な軌道を描く】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他のスーパーカオスドラゴン】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    アンリミテッドカオスファング
【三つの頭の牙による連続噛みつき】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    マッドカオスフレイム
自身が【混沌魔法「カオスヘッダー」を発動して】いる間、レベルm半径内の対象全てに【属性を変え続ける混沌の炎】によるダメージか【肉体を癒やす混沌物質】による治癒を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

葛城・時人
相棒の陸井(f35296)と

良い奴すぎて気が引けるけどやんないと
先行けないなら此処は真剣に

UC「天より来る百億の光使」をセット
陸井に見えるよう一体を真っ直ぐ指さして
「あいつ指定してやるから!」

このUCは発動先指定だ
何百体が暴れようが発動さえしたら
絶対に指定先だけを攻撃する
「作ってよかったよ」

詠唱即恐らく攻撃喰らうけど
【空中機動】等技能フル活用で躱す
119秒経つと過たず指定した一体だけを
119体の光使化したククルカン達が襲う!
陸井には「死龍葬弾」の準備を

攻撃は白燐蟲の乱舞攪乱と【かばう】などで防ぐ
「筆順時間はこれで稼げる!」

119体が全て撃破されても
残念だな!止めは絶対刺せる!
「陸井!頼んだ!」


凶月・陸井
相棒の時人(f35294)と参加

相対してみると無限に増殖って言うのは圧巻だ
多分見ている間も増えて行くんだろうけど
落ち着いて時人と打ち合わせだな
「了解。なら発動してからは派手に頼むぞ!」

最初は只管回避に集中
武器受け・見切り・フェイントを
それぞれフルに使用して敵の攻撃を回避
合間に攻撃を入れ覚悟・威圧・存在感で
自分へ攻撃を向けるように挑発
「数だけで圧倒できると思うか?ほら、もっとかかってこい」

時人のUCが発動し始めたら自分のUCを準備
【戦文字「死龍葬弾」】を書く間は時人に任せ
書き上げたら時人のUCで傷だらけの一体に接近して打ち抜く
「傷だらけでいい目印だな。ついでに風穴か、首の一本もらって行くぞ」




『今』敵が何体いるのだろうなどという考えは、戦場についた途端に霧消した。
 ただでさえ巨体の三つ首ドラゴンが瞬く間に増殖していく様はいっそ爽快ですらある。それを相手取らなければならないという前提さえなければ、だが。
「……増えすぎて、増えているのかどうかすらよく分からないな」
 凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)は呟く。数百か数千か、地表を覆い尽くすほどの竜の群れを見ても声音は冷静そのものだ。敵の数が数万になろうが数億になろうがやる事は変わりないのだから。
「どんなに増えようと、住人の避難先まで潰すほどの派手な攻撃はしてこないだろうしな」
「それだよ。良い奴すぎてちょっと気が引ける。けどやんないと先に行けないなら、真剣にやらないと」
 葛城・時人(光望護花・f35294)はそう零した。能力者として、猟兵として力無き者の盾で在り続ける彼としては、弱者にまで気を配れる自称ワル相手はどうにもやりづらい。それは「護」の字を背負い続ける陸井も同じだろう。
「どいつを狙う?」
「あいつだ」
 時人の白い指が一体のドラゴンを指差した。その指先が、白い綿埃のようなものを纏っていく。時人が体内に使役する蟲がさわさわと蠢き出す気配。
「見逃さないように指定してやるから!」
「了解。なら発動してからは派手に頼むぞ!」
「ゲヒャヒャ、なんか企んでやがるなァ?」
 指差されたドラゴンがじろりと二人を見下ろしてきた。
「そういう大技ってのはなァ、発動する前にやっつけちまえばいいんだゼぇ!!」
 何体ものスーパーカオスドラゴンが同時に地を蹴った。砂埃が二人の視界を乱し、予測困難な不規則軌道の体当たりが二人を襲う。
「――っ!」
 大きく横に跳んで最初の体当たりを躱す時人。息をつく暇もなく次の個体が体当たりをかましてくる。
 武骨な短刀銃で突進を受け止めた陸井は、背後からぞっとするほどの殺意を感じて身を翻した。猛然と牙を剥いた三つ首が獲物を仕留め損ね、歯がぶつかり合うがちりという音が響いた。
「こいつら物量で押し切るだけの乱暴者と見せかけて、そうじゃないな」
「ああ。増えた個体数をちゃんと使いこなしてる」
 ドラゴンの巨体からしてみれば、人間などちょこまかと動き回る羽虫のようなものだろう。圧倒的なパワーで考え無しに焼き払おうとすれば、むしろ同族を誤射する可能性が高まる。それを踏まえたかのような正確かつ最小限の動きに陸井は舌を巻いた。
「ゲ~ヒャヒャ! カオスの化身たるオレサマにそりゃァ買い被りってモンだゼぇ!!」
 だがドラゴンはあくまで魔界の住人として破壊そのものの如く振る舞う。飛翔を絡めた不規則軌道の体当たりは、絶妙なフォーメーションで攻撃と撹乱を同時に行う。目視での個体認識が困難だと分かり切っているからこそ、陸井は敢えて攻撃に移らず防御と回避に努め続ける。今狙うべき者を知っているのは時人だけだ。正確には、彼に宿る純白の羽毛と翼持つ蛇ククルカンだけ。
「数だけで圧倒できると思うか? ほら、もっとかかってこい」
 切り札たる時人が仕留められるリスクを少しでも減らす為、陸井は挑発を重ね、熾烈なる連撃を受け止め続けた。
「――っ良し、頼んだぞククルカン!」
 時人の周りから、百体を優に超える翼人たちが出現した。迸る光魔法と輝く剣が、たった一体の竜めがけて降り注ぐ。
「ゲヒャ~!」
 指定した相手を決して見逃さない光使たちの力。この技を作っておいて良かったよと時人は息を吐いた。
「だがまだオレサマを仕留めるには足りないゼぇ!」
 光の魔弾に撃ち抜かれながらも竜は呵々と嗤う。光の雨に紛れ、陸井が宙に戦文字を描き出した。
「まだ奥の手を隠し持ってやがったかァ!」
 ドラゴンががばりと牙を剥く。光使ククルカン達が軌道を変え、ドラゴンの狙いを阻むように三つ首にそれぞれ纏わりついた。
「筆順時間はこれで稼げる!」
「助かるぞ時人!」
「ゲヒャ~! 邪魔な奴らだぜ!」
 ドラゴンが吼える。彼らの牙によってククルカン達はすぐに撃破されてしまった。
 しかし時人の術によって体中を傷だらけにされた龍には、最早目印などは不要だ。
「さっさとさっきの眼鏡野郎を仕留め……ん? しまったァ~!!」
 ドラゴンが光使たちに気を取られているうちに、陸井の描いた文字は完成を迎えていた。複雑な漢字ほど威力の高まる書道使いの戦文字「死龍葬弾」。三つ首のスーパーカオスドラゴンすら超える四つの龍を繋げた漢字から放たれるは一撃必殺。
「傷だらけでいい目印だな。ついでに風穴か、首の一本もらって行くぞ」
 目を灼くほどの力の奔流が、凝縮され弾丸の如く放たれる。龍の首を穿ち、辺りにはすさまじい咆哮が轟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

流茶野・影郎
久遠寺(f37130)と同行

でかいのが沢山
一体を狙っておけばいいとは聞いたけれど、どうやって目印を付けたものか
(なんか聞こえた)

皆さん、とりあえずアレを狙いましょう

さて俺はと
あっちが超高速連続攻撃で一気に噛みついて来るなら、遅くなってもらうまで

キャスターカードイグニッション
『キャスター・スティンガー・ブレイク』

相手の正面に魔法陣作成
運動エネルギーを久遠寺の分からさらに10分の1にさせて、ゆっくりになったところで軽業の要領で回避、顔面に蹴りを叩き込む
「俺は世界有数のエセ忍者だからね、そうこれが忍術」

ついでに久遠寺も救出しておこう
「生きてる?」
「というか、どうしてこうなった?」


久遠寺・絢音
流茶野先輩(f35258)と

このいっぱいいるやつを一匹でも倒せたら勝ちなのねー
…閃いた

魔弾の射手で魔法陣を展開し、ここに突入してきて遅くなった個体へ銀糸絢爛と玲瓏玉鬘をひっかけてしがみつく!
私が存在感を放って目印になればみんなも攻撃を当てやす…

うわぁぁぁ他の人の攻撃が私をもかすめていくぅぅ!!
お" や" ぶ ん" だ ず げ で ぇ ぇ ぇ(絹を割くような悲鳴)
い"だい"い"だい"ぃ〜!(激痛耐性で我慢)

落ちろ!おぢろー!
(鋼糸を握る片手は離さず呪髪でも組み付き、もう片手で杖を握って呪殺弾を零距離射撃。なお詠唱の呂律は回らない)

(ボロ雑巾なのが先輩の手に引っかかる)
…ヒールと風呂




 地表を覆い尽くす龍、龍、龍の群れ。
「このいっぱいいるやつを一匹でも倒せたら勝ちなのねー」
 編み込んでアップにした玲瓏たる黒髪、諦観と慈しみを同時に称えた山吹色の双眸。美しい女性は思案を巡らせ、
「……閃いた」
 何事かを思いついたらしい。久遠寺・絢音(銀糸絢爛・f37130)という名のその人は、ドラゴンの一体めがけて一目散に駆けていった。
 一方その頃、解放と強化を同時に可能とする“トリプルイグニッションシステム”を携えた覆面忍者、流茶野・影郎(覆面忍者ルチャ影・f35258)もまた、龍の群れを仰ぎ見ながらその対策を練っていた。
「でかいのが沢山。一体を狙っておけばいいとは聞いたけれど、どうやって目印を付けたものか」
 覆面の奥、日常に戻れず摩耗し続けた静かな視線が動く。その先に、絢音が描いた魔法陣が展開されていた。
「なんだァこれ? 邪魔だし蹴散らしてやるゼぇ……おおっと?」
 そこに突撃してきた龍が動きを阻害される。通過した者が味方ならば運動エネルギーを大幅強化し、敵ならば十分の一に阻害する魔術だ。
 絢音のアップヘア――呪髪がしゅるりと解けていく。魔法陣に囚われ動きを遅らせた個体めがけ、漸く使いこなせるようになった蜘蛛糸と、髪と蜘蛛糸を縒り合わせた呪髪とがダブルで絡みついた。
「何だコイツ! オレサマから離れろ!」
 絢音の身体は龍に煽られ宙に放られるが、ワイヤーアクションの如く反動で龍の体へと戻り、がっしりとしがみついた。
「私が存在感を放って目印になればみんなも攻撃を当てやす……」
 得意げな絢音が全てを云い終わる前に、どこからともなく一斉集中する攻撃たち!
「うわぁぁぁ他の人の攻撃が私をもかすめていくぅぅ!!」
 むしろそこまで作戦を立てておきながらどうして当然予想されるであろうフレンドリーファイア対策を怠ったのか。そこが一番大事じゃないのか。
「お" や" ぶ ん" だ ず げ で ぇ ぇ ぇ」
 絹を裂くような悲鳴にも影郎は肩を竦めるだけだった。
「皆さん、とりあえずアレを狙いましょう」
 これはこれしきじゃ死なないだろうという共犯者への信頼である。多分。きっと。
「さて俺はと」
 これで狙いを誤る心配はない。残る心配は噛みつき攻撃である
 限界無き混沌の牙。ただの噛みつきに随分大仰な名前をつけたものであるが、それにふさわしいだけの速度と破壊力を秘めている。それを三つの頭で、絶妙なコンビネーションで繰り出してくるのだから、絢音が奴の動きを遅らせたところで油断は大敵だ。
 ならば。
「キャスターカードイグニッション――『キャスター・スティンガー・ブレイク』」
 影郎もまた、こちらへ向かって来るドラゴンの眼前に魔法陣を作成する。
 対象の運動エネルギーそのものに働きかける、力の特性としては絢音の術によく似たものだ。
 異なるのはその成り立ち。絢音は魔弾術士の力を正統進化させたものであり、影郎のものは能力者が強力な相手を決死で迎え撃つ時に組む布陣のひとつ「キャスター」のポジション効果を応用したもの。どちらも銀誓館学園が積み重ねてきた戦歴の賜物である。
 二つの魔法陣が龍に作用し、動きを更に愚鈍にさせる。
 大きく開いた顎からの噛みつきをひらりと避け、逆にその頭蓋に飛び乗って足場にしてやった。
 あんぐりと口を開けるもうひとつの顔面に、ロープから身を躍らせるルチャドールの如く宙を舞って蹴りを叩きこむ。
「ゲヒャァ! オイオイ随分卑怯な真似するじゃねーか!」
「まあね」
 反吐を撒き散らすドラゴン目掛け、影郎は悠然と云い放つ。
そっちがエセ乱暴者だというのなら。
「俺は世界有数のエセ忍者だからね、そうこれが忍術」
「ぐぬぬー! おちろおちろー!」
 一方その頃、忍ばない覆面忍者ルチャ影の影で絢音も頑張っていた。
 足場にされた首と足蹴にされた首の他、残る最後の首にへばりついた彼女は呪髪でしがみ付き、鋼糸でもしがみ付きながら必死で柳の杖を握り締め呪殺弾を放っていたのだ。
 文字通りの零距離射撃である。既にグロッキーなため呂律は怪しいがちゃんと威力がある辺りさすが歴戦の能力者、そしてみんなの憧れ理科のあやねせんせーである。
「グ、ゲゲ……!」
 蹴りと呪殺弾の応酬に、とうとうドラゴンが泡を吹いて巨体をぐらりと傾がせる。斃れるドラゴンに押しつぶされる前に絢音は影郎に救出された。やはり先程の無慈悲な判断は信頼によるものだったらしい。たぶん。
「生きてる? ……というか、どうしてこうなった?」
 影郎の問いに、もはやボロ雑巾のような絢音は呻くのだった。
「恋愛も戦闘も戦場という点では同じ。動けるうちに動こうと……」
「すまん、わけがわからない」
 若い女子たちを鼓舞するあやねせんせー節はくたびれかけた三十代には通用しなかった。誠に遺憾である。
 とりあえず、欲しいものは。
「……ヒールと、風呂」
「はあ」
 それだけ元気があれば大丈夫だろうと、影郎は嘆息するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
いやいい人、いやドラゴン、というかなんだコイツ
おっと思わず素が

【激痛耐性】を乗せた【オーラ防御】を纏い【空中戦】

目で追いきれないなら【聞き耳】や体感で
音や風圧を感じ取る事で死角を補い
適当な一体の目元目掛けて★飴玉ぶちまけ【高速詠唱】で炎魔法の【属性攻撃】
高熱の水飴を顔面に貼りつけてやろうかと

べたべたな見た目と甘い香りを目印に
目晦ましにもなるかな

混沌の炎は痛いかもしれない
でも対処してる間にも増え続けるなら
怪我も体調悪化(心臓弱い)も全て覚悟で早期決着優先
全部耐えながら【指定UC】発動
数体の鳥は増殖体への囮にしつつ
残りを水飴を目印に一体にぶつけ
【破魔】の炎で【浄化】攻撃

また無茶してって怒られるかな


ベルベナ・ラウンドディー
本当に猟兵が討伐を重ねても死にませんでしたね
人派の姿でははじめまして
貴方と戦った60人近くの猟兵の1人です

散々浴びたその力の片鱗、漸く掴んだことを知りおいて頂く
コード使用、今回の喧嘩は私の混沌魔法で手仕舞いとしましょうか!


●属性攻撃+功夫・ぶん回し・衝撃波
槍に混沌魔法を付与、円運動中心の白兵戦
敵攻撃は刃の上を滑らせて流し、その勢いを回転運動に変えてブン殴る
攻防に衝撃波を放ち、敵群の支援・接近をそもそも許さない


●精神攻撃
貴方みたいに混沌物質で肉体修復など器用に出来ません
だが壊すのは治すより簡単でね
代わりに精神破壊なら出来ます


コーヒーはご馳走様、恨みはこれで帳消しにしてあげます
言いがかり?知るか!




「本当に猟兵が討伐を重ねても死にませんでしたね」
「あァ~ん? その声は……」
 スーパーカオスドラゴンが首を擡げ、声のした方向を見遣る。
 そこには二色の髪を持つ青年がいた。スーパードラゴンはその姿こそ目にした事が無かったが、その声ならばいやというほど知っている。
「人派の姿でははじめまして。貴方と戦った60人近くの猟兵の1人です」
 慇懃とすらいえる態度でベルベナ・ラウンドディー(berbenah·∂・f07708)は頭を下げ、にこりと微笑んでみせた。
「60人のうちの1人っつーか、紛れもなくてめェが一番積極的にカチコミに来てたと思うゼぇ?」
 そう。名実ともにベルベナは積極的にスーパーカオスドラゴンを倒して倒して倒しまくっている存在である。
「覚えてるんだ、そういうの。義理堅いというかなんというか」
 二人の会話にぼそっと呟く栗花落・澪(泡沫の花・f03165)だった。さすが暴走前に一軒一軒自ら挨拶回りに出向いているというだけある。
「いやいい人、いやドラゴン……というかなんだコイツ」
 おっと思わず素が。咄嗟に口元を手で覆う。
「混沌魔法とやらに興味がありましてね。散々浴びたその力の片鱗、漸く掴んだことを知りおいて頂く」
「へ~ェ? オレサマがオレサマである所以の混沌魔法をテメエごときが掴んだって? カタハラがイテェわ!」
 大きく裂けたような口を更に吊り上げ、ドラゴンが哄笑する。
「なら見せてみろよ、オレサマの本物の混沌魔法「カオスヘッダー」で捻じ伏せてやるゼぇ……!!」
 禍々しい緑の炎が奔出し、戦場を猛烈な熱気が包み込んだ。


「ベルベナさんはどうやって狙いを定めるつもり?」
「最初から一体に狙いを絞って食らいつきます。離されなければ相手を見分ける必要もありません」
「なるほど。じゃあ見極めって点では必要ないかもだけど」
 澪は目についた一体目掛けて大量の飴玉を投げつける。それがドラゴンの身体に当たる直前、炎魔法をぶつけて溶かし超高熱の水飴へと変化させた。
「ヘッ、こんなモンでオレサマの炎がうわわわあっちー!」
 慌てふためくスーパーカオスドラゴン。でもなんていうかそのリアクションには妙に余裕がある。敢えてやってくれてるというか。
「なんていうか……律儀だなあ」
 隠し切れないいい子ぶりに戸惑う澪。ドラゴンはカオスヘッダーの力ですぐさま火傷を治癒するが、水飴はべったりと顔にへばりついたままだ。
「うっ、周りが見えづれェ」
「ちょっとは目くらましになりそうだし、万一見失ってもべたべたな見た目と甘い香りで見つけやすいと思う」
「助かります」
 柔く笑んだベルベナが地を蹴った。混沌の炎を掻い潜り、携えた槍∂∂∂(デルズ)に魔力を付与する。
「はーん」
 円を描くように放たれた切っ先がドラゴンの鱗の隙間に突き刺さる。それでもドラゴンはニヤリと牙を剥くのみだった。
「そいつがテメエの混沌魔法か」
 仕返しとばかりに放たれた炎がベルベナを襲う。槍を引き抜き、高速で回転させて炎の勢いを殺すが、避け切れないものがヒトの膚を焼いていく。
「ベルベナさん!」
 鳥の姿をした祝福が空を翔ける。澪の力が放つ破魔が混沌の炎を浄化させていった。
 戦場中に満ちる混沌と増殖体。それらが追いつめられている一体に加勢しようとする度、ベルベナの衝撃波が往く手を阻み、澪の鳥が囮となる。一体のみを追い続ける作戦は功を成しているが、それでもドラゴンは強敵であり二人の消耗は免れない。
 混沌の炎を間近で浴び続けているベルベナの身体は焼け爛れ、そして強力な魔法を行使し続けている澪もまた、呼吸を整える事さえ難しくなってきている。
(「――胸が、っ」)
 元より健康とは程遠い澪の体は、酷使をすればすぐに悲鳴を上げる。ままならぬ身を奮い立たせようときつく握り締めた拳からは血が滴った。
(「でも、ここで踏ん張らなきゃ」)
 増え続ける竜はいつか抑えられなくなる。その前に決着をつけなければと澪は歯を食いしばる。
「ッハァー! いいゼいいゼぇ!! ラスボスってのはやっぱ、勇者みてェな善の塊を相手する時が最も輝くってモンだゼぇ!!」
 ドラゴンが吼える度に混沌の炎が囂々と燃える。澪の、ベルベナの全身を焼き尽くすほどに。
「テメエもボロボロじゃねェか。混沌魔法をモノにしたってェくせに肉体修復さえ出来ねェのか?」
「ええ。貴方みたいに混沌物質で修復など器用に出来ません」
 自らの弱点を簡単にばらすベルベナに、ドラゴンは訝しそうな表情を見せる。
「だが壊すのは治すより簡単でね。代わりに精神破壊なら出来ます」
「精神破壊だってェ? ――!」
 ベルベナが大きく跳躍し、大きく裂けた竜の口目掛けて槍の先端から魔力を放つ。
「これが私の混沌魔法です!」
 肉体と精神を崩壊させる混沌物質。それを口腔から喉へと流し込まれたスーパーカオスドラゴンは――。
「うぎゃあなんだこれマッズ!!! つーかイテエ!!!!」
 恥も外聞も無くのたうち回り始めた。
「コーヒーはご馳走様、恨みはこれで帳消しにしてあげます」
「コーヒー? 何のことだ!?」
「貴方が作った地獄の事ですよ!」
 ドラゴンは数秒ぽかんとした後、ようやくそれがグルメコロシアムの事だと理解したらしい。
「むしろそれ暴走したのは一般悪魔の方じゃねェか! とんだ言いがか」「言いがかり? 知るか!」
 シルキー(ゴリゴリ)なえぐみがドラゴンを襲った。
 食べ物の恨みと云うのは恐ろしいのである――ん? なんか違うな。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミア・ミュラー
おー、これはワルくて強そうな、ドラゴン。かっこいい。後で写真撮らせてもらっても、いい?

囲まれて一斉攻撃されたら、まずい。だからあえてこっちが、突っこむよ。懐に入ってすれ違うように避ければ攻撃が当てづらい、はず。
追い詰められたらカメラを、向ける。ん、写真撮らせてくれるって言った、よね?きっといい人だから思わず動きを止めたりポーズをとってくれる、はず。そこに【炎槍】を素早く口に放り込んで中から、燃やしちゃう。後は口から炎が出たり苦しんでるのを目印に、集中攻撃。
ふっふっふ、あなたが負けたら十分休んでけがを治してから、わたしの気が済むまでツーショットを撮ってもらう、よ。決めポーズを考えておくこと、ね。


シズ・ククリエ
なんだかんだ真面目というか…
悪のカリスマ一直線の方がカッコいいと思うんだけどなあ
『俺サマ達の宿命だ…諦めようぜ…』
喋る武器の電球杖フィラメントも呆れ気味だ

さーて、この無限増殖スーパーカオスドラゴン
どうしてくれようか
捕まえられて…攻撃も出来る…うーん
あ、アレにしよ

CF.Stella…保存領域ステラから呼び出すは
魔力の糸で編み上げた【追尾型の投げ網】

目標が分かればこっちのものだよね
攻撃は捕まえた1体に絞り
動きを封じている間に、決めの一手だ

杖を強く振るい
電球が強く灯ると同時に
網糸に沿って流れる電撃は
彼のドラゴンに向けて

流し込め、電撃!
フィル、、一発で決めてよね
『命令すんじゃねェヨ!痺れちまえ!』




 どこか金属を思わせる硬質なボディ。
 そこから噴出する、ヴィヴィッド・グリーンのカオスな炎。
「おー、これはワルくて強そうな、ドラゴン。かっこいい。後で写真撮らせてもらっても、いい?」
 それらを見上げるのはミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)。記憶喪失の弊害か言葉は訥々としているし、表情も薄いが、ドラゴンを見る眸は少女らしい高揚にきらめいている。
「おー、モチロンだゼェ! まァそっちが生き残ってたらだけどなァ!」
 裂けたような口を更に大きく開け、めっちゃにこやかに応じるスーカーカオスドラゴンである。
「なんだかんだ真面目というか……」
 薄氷の瞳をぱちりしながらシズ・ククリエ(レム睡眠・f31664)が零した。
「悪のカリスマ一直線の方がカッコいいと思うんだけどなあ」
『俺サマ達の宿命だ……諦めようぜ……』
 シズの手元で喋る武器の電球杖フィラメントが呆れ気味に諭すのだった。
「そうだよね、フィルだって口は悪いけど悪い奴じゃないし」
『なーんか一言余計なんだよなあ』
 そう、堕天使でありデビルキングワールドの魔術道具屋の店員兼用心棒であるシズは知っている。デビキンの住人というものは大体においてそういうものなのだ。みんながワルを良しとするくせに本物のワルは滅多にいない。店にやって来る礼儀知らずどもを物理的に追い返すのは面倒だが、律儀にこなしていれば大きな厄介事は起こらないものだ。
「さーて、この無限増殖スーパーカオスドラゴンどうしてくれようか」
 既に地平線も見えぬほどに敵が増えきった地獄絵図を打開するため、シズは思案を巡らせる。
「捕まえられて……攻撃も出来る……あ、アレにしよ」
『CF.Stella』。
 保存領域ステラから呼び出す魔術道具は魔力の糸で編み上げた【追尾型の投げ網】だ。
「おー、勝手に追いかけてくれる、の? それは便利そう、だね」
 何もない所から出現したようにしか見えない魔術道具にミアも興味津々だ。
「オイオイ、オレサマはサカナか何かじゃねェぞ!?」
 三つ首の龍が地を蹴り、ミア目掛けて飛び掛かってきた。カオスの炎が漏れ続ける顎をがばりと開き、小さな身体を食いちぎろうとする。
 ミアが走りだした。横や後ろに避けるのではなく、敢えて前へ。敵の巨体を逆手に取り、懐に入ってすれ違うようにして躱す。
「ゲヒャ~、マジかよ!」
 魔法使いらしい大きな杖に、プリンセスの象徴たる宙に浮かぶスートたち。ミアのいかにも魔術主体といった可憐な見た目からは予想外の身のこなしに驚くドラゴンだった。
 速度と破壊力を兼ね備える代わりに咄嗟に中断できない連続噛みつきの隙を突き、シズの投げ網が炸裂する。
「クッソ~、オレサマがこんな網ごときに!」
「オイ、アイツがやられちまいそうだぞ!」
「オレサマの癖に情けねェな、仕方ねェ!!」
 絡みつく網に捕らわれもがく個体を救助すべく他のドラゴン達が突撃してくる。ただの突進だけでシズとミアの二人など撥ね飛ばされ、踏みつけられて跡形もなくなってしまいそうな猛烈な数だ。
 ここでミアの奥の手が炸裂する。
 隠し持っていたカメラをここぞとばかりにドラゴンの群れに向けたのだ!
「ん、写真撮らせてくれるって言った、よね?」
 やくそく。ね?
 無垢な少女にこてりと首を傾げながら問われれば、エセ乱暴者たちは皆思わず足を止めてしまうのであった。
「ん~勿論だゼェ!」
「そっちのドラゴンさんも、目線、くれる?」
「いいゼ~バッチリ格好良く撮ってくれよ!」
 ミアの要望にも快く応じてくれるのであった。うーんいいひと!
「……やっぱりカッコいいとは思えないなあ」
 中途半端なワルっぷりに、シズはこっそり嘆息する。
『つべこべいってないで決めようぜ』
 わかってるよ、と相棒を強く振るう。名の通りフィラメントが輝き電球が強く灯ると同時、網糸に沿って流れる電撃は彼のドラゴンに向けて。
「よーし、わたしも、がんばろ」
 ミアも目にも止まらぬ早業で炎の魔法を槍の形に練り上げて、もがくドラゴンの口の中に放り投げる。
「あっちゃァ~!?」
 龍からしたら小さな槍は、しかし気づかれる事無く喉を通り抜け、龍の身体の内部で激しく燃え上がる。
「流し込め、電撃! ……フィル、一発で決めてよね」
『命令すんじゃねェヨ!痺れちまえ!』
 身体の裡から火炙りにされてのたうち回るドラゴンへと、猛烈な電撃が炸裂した。
 空気を劈くほどの悲鳴と共に、ドラゴンがどさりと倒れ込む。ぷすぷすと黒煙の上がる巨体へと、ミアが云った。
「ふっふっふ、あなたが負けたら十分休んでけがを治してから、わたしの気が済むまでツーショットを撮ってもらう、よ。決めポーズを考えておくこと、ね」
 炎と電撃で黒焦げになりながらもドラゴンはサムズアップするのだった。
「おう、任せとけ。分身よりもカッコいいオレサマオリジナルの決めポーズを見せてやるゼぇ!」
 ――どこまでも律儀な奴である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鍋島・小百合子
POW重視
他の猟兵との連携可

大層な名前に反してえらく律儀な竜じゃのう・・・
戦では一才の遠慮はせぬぞ

「竜殺しの名誉、わらわがしかと頂いていく!」
矢劇薬塗布の矢を長弓に数本番いては、無数にいる竜のうちの一体の頭部に向け正確に狙い射る(毒使い、マヒ攻撃、継続ダメージ、スナイパー、弾幕、集中力、鎧無視攻撃併用)
以降はUC「精錬降魔刀」で「竜殺し」と「聖光」の属性を持った魔刀(薙刀型)を生成、頭部に矢を受けた竜を重点的に攻撃を仕掛ける
頭部の矢を目印にできる上、かの竜に矢毒の効き目が出れば識別も容易き候
他の竜が邪魔であれば纏めてなぎ払いで衝撃波を発し吹き飛ばすのみぞ(属性攻撃、神罰、破魔、範囲攻撃併用)


地籠・陵也
【アドリブ連携歓迎】
確かに、何かどことなく憎めないオーラを感じるとは思っていたんだよな。
関係ない被害が出ないように取り計らってくれたことに感謝しつつ、全力で立ち向かおうか。

【高速詠唱】【多重詠唱】で【結界術】と【オーラ防御】、【継戦能力】を高める強化(【肉体改造】)術を施して防戦を意識して戦う。
最初の攻撃を防ぎ【カウンター】。
【属性攻撃(氷)】で俺の目線で確認しやすい位置を凍らせ目印をつけ【指定UC】の対象指定。俺の身長に合わせたら相手には見えないだろう(遠い目
結界には【破魔】と【浄化】の力も張り巡らせて防ぐことで力を削ぎ、UC発動するまで凌ぎ切るぞ。




「ゲ~ヒャヒャヒャ! ダレがナニをしようとオレサマの混沌魔法でカオスにしてやるゼぇ! ちなみに今からオレサマはアンリミテッドカオスファングっていうカッケェ技をするゼぇ! 避けられても止まれねえ代わりに当たりゃテメエらなんざまとめて一網打尽だゼぇ!!」
 大地を轟かせながらスーパーカオスドラゴンが吼える。その内容に、二人の猟兵は目を丸くしていた。
「技名から弱点まで解説をしてくれるとは、大層な名前に反してえらく律儀な竜じゃのう……」
 暴走前の挨拶周りの件といい、と呟く鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)。
「確かに、何かどことなく憎めないオーラを感じるとは思っていたんだよな」
 姿を見た時の直感は当たっていたと地籠・陵也(心壊無穢の白き竜・f27047)も頷くのだった。
「関係ない被害が出ないように取り計らってくれたことに感謝しつつ、全力で立ち向かおうか」
「うむ、戦では一才の遠慮はせぬぞ」
「ゲヒャ~ヒャヒャ! それでこそオレサマが輝くってモンだゼぇ!」
 此度の戦争で多大なる成果を上げている二人を相手にしても、ドラゴンが怯む様子はない。何せラスボスである、立ち向かって来る正義を圧倒的パワーで真っ向から叩きのめしてこそという心意気なのだろう。
 ならば猟兵は猟兵らしくそれに応えるのみ。陵也はすぐさま高速・多重詠唱にて結界と防御、更に肉体強化の術を施した。
「随分と器用じゃねェか、だがそんだけトばして身体が持つかァ!?」
「どっちみち短期決戦しかないんだから関係ないさ」
 ドラゴンの挑発にも、陵也は冷静さを崩さない。無尽蔵のパワーを誇る相手を打開する方法は「増えきる前に一体を倒す」ことだけなのだから。
「竜殺しの名誉、わらわがしかと頂いていく!」
 小百合子もまた然り。否、こちらの初手は更に攻撃的だ。
 長弓に番いて放ったのは数本の矢。同じ軌道をなぞるが如く正確に放たれた矢は、無数で吶喊してくる龍のたった一体の頭部に突き刺さった。
 だが龍は矢如きではびくともしない。そもそも白羽の矢とやらが突き刺さったまま平然としているのだから、蚊に刺されたくらいのものなのだろう。
「あァ~!? その程度かァ~!?」
 小百合子目掛けて突撃してくたドラゴンの噛みつきを、護りに特化した陵也の武器が防ぐ。
「防いだだけじゃ」
「オレサマ達は止まらないぜ!」
 続く連撃に工具のようなものを握る腕が軋む。なんとか凌ぎ切りながら、渾身の力を込めて薙ぎ払うようなカウンターを叩きこんだ。迸る魔力が氷の刻印をドラゴンに刻むが、表面の鱗を僅かに凍らされた事に彼は気づいてすらいないようだ。
 実際四つ足の龍からは凍らされた腹の下の方はよく見えていないのだろう。
「……うん」
 陵也自身が見落としにくく、かつ狙いやすい位置にしるしを刻んだわけであるが、成人男性としてはかなり小柄な彼としてはちょっぴり複雑な心境でもある。
 龍からしてみれば160センチ弱だろうが2メートル越えだろうが大差ないだろうが、陵也は気にする。ほんの少しだけだが。
 煌々と輝く刃が閃いた。振るったのは小百合子だ。想像から創造する魔刀を最も使い慣れた形状、つまり薙刀の形で生成し、矢と氷の刻まれた個体を薙ぎ払う。竜を屠る聖なる光が、刃を追いかけるように美しい半月を描いていた。
「あいつが狙われてるぞ」
「そうはさせねェ!」
 他の龍たちが加勢しようとするが、陵也の張り巡らせた結界術と小百合子の武器から衝撃波が接近を許さない。
「くっそォ、孤軍奮闘ってやつかァ……」
 焦れた龍が小百合子に噛みつこうとしてたたらを踏んだ。
「ア? なんだァ? 身体が動かねェ」
「ようやく効いてきたようじゃの」
 小百合子が唇をきゅっと吊り上げた。ドラゴンが動きを止めたのは、彼女が矢に塗布した劇薬によるものだ。
 並の生物ならば掠めただけでも命に関わる猛毒、相手が巨体すぎて想定以上に時間がかかってしまったものの、きちんと効果があったようだ。
「さて、そちらの奥の手もこれからじゃろう?」
「よく判ったな。その通りだ」
 くつくつと笑む小百合子に陵也が答える。氷が『指定』した相手目掛けて、無数の白竜がどこからともなく呼び寄せられた。
 天の御使いが如き姿の神竜を何故自分が召喚できるのか、その理由こそ知らずとも、陵也は彼らの力を正しく引き出すことができる。
「其は代行者。尊き御名の下、地を這う穢れし魂に裁きを雨と降らせ給え!」
 周囲のドラゴン達の動きをも丸ごと止めてしまうほどの重圧を放つ咆哮が轟き、あらゆる不浄を浄化する光が、ワルのトップ候補たる竜を浄化していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

九重・白亜
何というか、善なる混沌という感じでしょうか……まあいいです。

方針としては、かなり傷ついてる、もしくはマークされている一体を重点的に攻撃します。
指定UCを発動して戦場へ。動きやすい姿になって三つの頭による攻撃を避けつつ、乱れ撃ちをします。
ストリーマには全力魔法で破壊魔術をブーストさせておきます。戦場はスーパーカオスドラゴンだらけ。外したとしても別のカオスドラゴンに当たるでしょう。

大勢で見られると恥ずかしいんだが!!いやでもコイツ増殖してるだけで一個体だし……でもやっぱ見るな!!

【アドリブ・絡み歓迎】


地鉛・要
まずはこいつを食らえ!
UDCでお土産の時に持って行くお菓子ランキング10~1位の詰め合わせパックだ!日持ちするから近所の子供に分けて食べるんだぞ!

戦闘:早業で鎮圧用サイコビットを展開後即攻撃、目的はUCの発動条件を満たす為なので狙いは気にしない
動きが鈍った1個体に戦争機構からペイントボールを取り出しぶつけて、張り付くように追撃


秋月・充嘉
わーお、すごい数。…一応聞くんすけど、どれが本物っすか?
…うん、予想どおりの回答どうもっす。

じゃあとりあえず、こっちも助っ人喚ぶっすかね。
カモーン!ウルフとプレジデント!そしてその影二つ!
これで5対無数…無数?ともかく分担作業っすよ!
俺、ウルフ(とその影)、プレジデント(とその影)に分かれて、目についたカオスドラゴンに攻撃っす。

場当たり的対処に見えるかもだけど、それが狙い。
俺の『シャドウウェポン・札』で手頃な一体のカオスドラゴンにマークっす。
適当に戦ってるように見せて、そいつに集中攻撃っすよ。
もちろん、そうと気づかれないように『なぎ払い』で範囲攻撃してるように見せかけるっす。




 迸るエメラルド色の炎はスーパーカオスドラゴンの混沌魔法「カオスヘッダー」に依るもの。目まぐるしく属性を変える対処困難な炎は、その使い手たる竜の鱗に触れた途端肉体を修復する治癒術の役割も担うという代物だ。
「だが、回復する前に斃しきってしまえばいい」
 背の高い女性と錯覚させる線の細い容姿。地鉛・要(夢幻の果て・f02609)が云う。
「ゲ~ヒャヒャ、云うのは簡単だなァ。テメエらにんな真似ができるかァ?」
「出来るさ。というわけでまずはこいつを食らえ!」
 せせら笑うドラゴンめがけ、要は何かを投げつける。ぽふっと鱗に当たって地面に落ちそうになったそれを竜がキャッチした。
「何だァ、これ」
「UDCでお土産の時に持って行くお菓子ランキング10~1位の詰め合わせパックだ! 日持ちするから近所の子供に分けて食べるんだぞ!」
 要の云う通り、段ボール箱の中にはバナナみたいな形のふわふわなやつとか、お月さまみたいなまんまるなやつとか、ひよこさんとか鳩さんとか餡子が美味しいやつとか、とにかく『外さない』定番セレクトがぎっしり詰まっていた。
「ヒャア! こいつはありがてえ!」
 ドラゴンが歓声を上げる。
「配る菓子にD(デビル)使いすぎて自分のおやつが無かったんだよな! ガキどもと一緒にたくさん味わって美味しかったら次のあいさつ回りにも活用するゼぇ!」
 戦場のあれやこれに巻き込まれては大変だからと、無数にいるドラゴンたちはバケツリレーの要領でお土産を戦場外に避難させるのだった。
「何というか、善なる混沌という感じでしょうか……まあいいです」
 メイド服の似合う少年、九重・白亜(今を歩む魔術師・f27782)は細かいことを考えるのを放棄した。何故なら猟兵界隈でツッコミは万年人手不足、ブラック企業も尻尾巻いて逃げ出す修羅の道だからである(※個人の見解です)。傭兵とメイドの二足の草鞋で充分多忙なのだからこれ以上仕事を増やす必要もない。
「わーお、すごい数」
 中性的な要や白亜とは正反対のがっしり体型のキマイラが龍の群れを仰ぐ。狼ベースの獣人、秋月・充嘉(キマイラメカニカ・f01160)だ。
「……一応聞くんすけど、どれが本物っすか?」
「げ~ひゃひゃ!」
 充嘉の問いに、ドラゴンは哄笑で答える。
「分身しといてわざわざ名乗り出る奴がいるか! ……と云いたいとこだが機嫌がいいので教えてやる! このオレサマだァ!」
「……うん、予想どおりの回答どうもっす」
 やっぱり律儀だった!


「じゃあとりあえず、圧倒的に人手が足りないしこっちも助っ人喚ぶっすかね」
 充嘉が体内の魔力や精神力を注ぎ込み、具現化するのはウルフとプレジデント、そしてその影が二つ。ちなみにデビキン生まれデビキン育ちのスーパーカオスドラゴンは知らないがプレジデントというのはアポヘルのあいつである。一目ぼれしたナイスガイをちゃっかり連れて帰ってきたとか何とか。
 やっぱり格好いいな、と緩みそうになる口元を引き締め、充嘉は彼らに指令を下す。
「これでこちらは五、白亜さんと要さんを入れて七。七対無数……無数? ともかく分担作業っすよ!」
 ウルフと影、プレジデントと影、それから充嘉。三つの部隊に分かれて各々の武器を構え、目についた竜に手あたり次第向かっていく。
「さて。宣言通り早めに済ませるか」
 要は鎮圧用サイコビットを展開後、即攻撃に転じる。彼の意志に応じて浮遊する小型砲台から予測不能な軌道を描くエネルギーバウンド弾が放たれ、龍の群れを翻弄した。
「ちィ、ちょろちょろやかましいゼぇ!!」
 不規則に跳ね回る弾を混沌の炎がまとめて焼却する。だが燃え盛る炎を掻い潜り、ひとつの弾が龍を叩いた。文字通りかつんと叩いただけで、その鱗には傷ひとつさえも刻まれていない。
「動きがトリッキーなだけで大した事ねェな……」
 竜はせせら笑おうとして動きを止める。確かに弾の当たったところは綺麗なままだ。なのにそこから内部が侵食され、体内がざわつくような感覚がする。
『己では何を持っても見ること能わず。此れは目視の叶わぬ』
 そう、まるで大量の虫が皮膚下を這いずり回っているような――……。
「ウゲゲ、なんだこれきもちわりィ……!」
 たまらず掻き毟るが頑丈な鱗はびくともせず、困惑と不快感に唸るドラゴン。動きが鈍った敵めがけ、要のペイントボールが炸裂した。
「目印はつけた。あいつを狙え」
「なるほど、助かります」
 白亜がメイド服を脱ぎ捨て身を躍らせる。動きやすさ重視の“白き騎士(ホワイトパラディン)”――というが、傍目にはぴっちりした全身タイツにしか見えない姿に転じた。体のラインを露わにしても尚、白亜は一見しただけでは性別の判定が困難なところがあった。つまり、やけに似合っている。
「オイオイ、やたらキュート&セクシーな子が来たな」
「あれに噛みつくとかさすがにワルすぎねえ? ワルっつーかちょっぴり犯罪臭がするぜ、色々大丈夫かァ?」
「ゲ~ヒャヒャ、天下のラスボスが今更ブルってんのかよ」
「だって法律の壁は怖いだろ」
 云いたい放題のドラゴン達である。羞恥と悔しさに唇を噛む白亜。この形態は文句なしに強いし、この服も大好きな姉とお揃いの大切なものなのだ。正直着るのは満更でもない。でもやっぱり見られるのは恥ずかしい!
「大勢でこっち見るな!! いやでもコイツ増殖してるだけで一個体だし……でもやっぱ見るな!!」
「ハン、敵から目を逸らす間抜けがいるかよ!!」
「くぅぅ、じゃあその記憶ごとなかったことにしてやる!」
 軽機関銃に破壊魔術をブースト、容赦なく機銃掃射を浴びせかける。
 炎が燃え滾り竜の負傷を癒していく。時に高温で、時に絶対零度で身体を蝕む混沌の炎を掻い潜りながら、要も武器を振るう。体に傷が増えるたび、顔には笑顔が刻まれていた。
 自分というものに価値を置けない戦闘狂には相応しい場所だ、戦場というものは。
「ちィ」
 ドラゴンが歯噛みする。白亜や要の攻撃は勿論だが、三グループに分かれて遊撃している分分散していると思われた充嘉達からのダメージが予想外に重く圧し掛かっているのだ。
 一体何故、と焦れる竜の脚には影で編まれた札が貼られていた。闇や影の術を得意とする充嘉によるものだ。要がペイント弾でマークするよりも早く、彼は狙いを絞っていたのだ。
「漸く気づいたっすか? でももう遅いっすよ」
 竜に悟られなかったのは、取るに足らぬと油断させるため薙ぎ払い主体の範囲攻撃で好き勝手暴れているように見せかけていたからだ。考え無しに動いているように見せかけて、一つの攻撃動作の最も破壊力のある部分を的確に一体に集中させ続けていた。充嘉のみならず、彼の使役するウルフやプレジデントも然りだ。
「そろそろ頃合いっすかね」
 色の無い左目が細められる。充嘉の声に要と白亜もありったけの攻撃を集中させた。
「ちィ、マジかよ! カオスの象徴たるオレサマが、ぽっと出の部外者にやられちまうのかァ!?」
 ダメージが炎の治癒を上回る。絶叫と共に竜は地面にどうと斃れるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

まさしくカオスの権化!
近隣に人の気配は無し、安心してヒャッハーできマース!
気合は十分デース、レッツファイト!

目標であるスーパーカオスドラゴン殿1体を狙って、空から襲撃を仕掛けマース!
滑走靴でのスライド移動で頭上を取り、UC発動!
「骸式兵装展開、岩の番!」
ブラキエルモードに転じて、叫びながら直滑降であります!
スパドラ殿、予測不能な軌道を描いて回避するよりこちらを迎撃する方が取れ高はありマスヨー!
正面からぶつかって、パワー勝負と行きマショー!
(避けられる場合は地面に着地後、改めて突撃します。それもまたカオス?)

接敵後は見逃さないよう引っ付いて、岩腕と岩翼で殴り合いマース!


天瀬・紅紀
混沌を称する割にはマナーの良いドラゴンさんだね
分別をわきまえて暴れるのが好きって言うなら気が合いそう

君も炎を使うのか
僕を燃やせるものなら試してみてよ
どんな属性であろうと炎は炎
僕自身の炎で己が燃えない為の火炎耐性装備なんだ此方は

放つ紅焔鞭で一体に集中攻撃
巻き付く炎で四肢と三つ首を縛り上げ、その動きを止め捕捉
目印には充分だろ?
邪魔する子は足を纏め縛り接近阻止

…優しい炎だね、君の炎は
生温いとか言う意味じゃない、言葉通りの意味だ
混沌とは即ち自由と多様性
破壊と再生を体現した炎なんだね

炎鞭の火力上げて更に攻撃しつつ
一気に詰めてカオスドラゴンに居合いの一撃斬り込む
今回は残念だけど、次頑張って
応援してるからさ


ラビオ・ブラフマン
【アドリブ&共闘歓迎】

可愛い堅物クンに頼まれて来てはみたものの…
『イマの俺』の実力じゃ、援護射撃が関の山かなァ。

気怠げに伸びをひとつして――UC発動。

触手を銃口に変え、周囲と協力しながら
最寄りの最も弱っている個体から集中砲火を浴びせたい。
標的を見失わないよう
墨色のペイント弾を用意しておくねェ。
アハッ★胴体に黒い花が咲いたみたいでカワイイんじゃね?

他のカオスドラゴンの接近には
ペイント弾で目潰しを行って対抗しようかなァ。

そうだ、伝え忘れてた。
この辺りに植わってる貴重な植物があるらしいんだけど
アンタの足元で潰しちゃってなァい?
動揺して足を上げたら、軸足を狙撃して転倒させたい。
なァんてね…嘘だよ、嘘。




 無数のスーパーカオスドラゴンが、それぞれに不規則な軌道で突進を仕掛けてくる。
 間を掻い潜るようにして躱すのは、黒と白のコントラストも眩しいメイド服を翻すバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。
「まさしくカオスの権化! 近隣に人の気配は無し、安心してヒャッハーできマース!」
「おうともよ、実力派の悪魔どもに周辺のパトロール頼んでッからうっかり誰かが迷い込む心配もねェぜ。遠慮せずかかってきやがれ!」
「気合は十分デース、レッツファイト!」
 バルタンが地を踏みしめる。水上のみならず陸上でも効果を発揮する滑走靴が彼女の身体を天高く舞い上がらせた。
「可愛い堅物クンに頼まれて来てはみたものの……」
 破壊の化身たる竜で埋め尽くされた戦場を、悠々と歩くキマイラがひとり。ラビオ・ブラフマン(Abyssal fish・f36870)だ。
「『イマの俺』の実力じゃ、援護射撃が関の山かなァ」
 かつて生命の埒外に堕ちた時の力は失った。記憶という経験値はあれど、新しい器自体の戦闘力は未熟と言わざるをえない。それでもわざわざ強敵に逢いに来た理由? ――さてねえ。
 案外下らない理由かもよ、なんて誰にともなく嘯きつつ、気怠げに伸びをひとつして。
「UC発動」
 腰元から伸びる墨色蛸の触手が解けるように数を増やし、そのひとつひとつが銃器へと変化する。
「ココから先は俺の海域だ――奈落へヨーコソォ」
 嘗ての悪神を彷彿とさせる姿。ニイ、と双眸が細められる。
「混沌を称する割にはマナーの良いドラゴンさんだね、分別をわきまえて暴れるのが好きって言うなら気が合いそう」
 天瀬・紅紀(蠍火・f24482)が龍を仰ぎ見ながら云った。どこか呑気さすら感じさせるのんびりとした話しぶり。
「テメエとオレサマがか? とてもじゃねェが暴れるのが好きってタイプにゃ見えねえけどなァ?」
 訝しむような様子の龍に、くすりと笑みを向ける。紅い双眸が見回したのは、戦場を覆うヴィヴィッド・グリーンの炎。
「君も炎を使うのか。僕を燃やせるものなら試してみてよ」
 色素というものが抜け落ちたかのように白い膚と髪を、紅紀の目と同じ赤い炎が撫でる。
「へえ?」
 愉快そうにドラゴンが目を三日月型にまで細めた。
「オレサマに炎で挑むつもりか」
 繰り出される翠の炎をしなる「鞭」が阻む。それは紅紀の炎で練り上げたものだ。
 混沌の炎が叩かれ、散った火の粉が雨の様に降り注ぐが、紅紀は避ける様子もない。
「どんな属性であろうと炎は炎。僕自身の炎で己が燃えない為の火炎耐性装備なんだ此方は」
 羽のように拡がる赤色の袖無しインバネスは見栄えがするだけではなく様々なものに耐性を持たせているが、特に耐熱性においては繊維からこだわり抜いている。
 意図的に生み出された念発火能力者『紅紀』。その異能と付き合う術なら、生涯を通して身につけてきた。


 視力を補うゴーグル越しに、注意深く敵を観察するラビオ。
「あいつかな」
 傷の最も深い個体に狙いを定め引き金を絞った瞬間。
「骸式兵装展開、岩の番!」
 中空からバルタンの声が朗々と響き、かのオウガ・フォーミュラを模した姿に変身する。
 頑強な岩翼と二対の岩腕、岩鎧を装備した姿。かの大天使が司る『絶対物質』のような何物にも侵されないほどの強度ではなくとも、単純な防御力なら十分すぎる程だ。
 何より。
「スパドラ殿、予測不能な軌道を描いて回避するよりこちらを迎撃する方が取れ高はありマスヨー!」
 戦場では華奢とすらいえる体躯にそれらを装備しても尚、バルタンの敏捷性は一切損なわれていない。
「はっ、おもしれェ!」
 風変わりなイントネーションの語尾、愛くるしささえ感じさせる容姿。
 それらは「バルタン・ノーヴェ」という存在のほんの表面でしかない事を竜は本能で感じ取る。
 彼女は紛れもなくプロの中のプロ。隙を見せれば一瞬で付け込まれる。だからこそ竜はバルタンの言葉に乗り、真っ向からかち合う事を選んだ。
 巨人の如き岩腕と竜の巨体がぶつかり合い、互いに互いを撥ね飛ばし合う。
 次の瞬間には互いに着地を決め、地を蹴ってまた再びぶつかっていく。
 猛烈な力の応酬を、ラビオが八十八の銃口で援護する。
「あの様子じゃこれは不要だったかなァ」
 頼りになる先輩に敬意を示しつつ、万一彼女が引き離された時のために一応と墨色のペイント弾を投げておく。
「オイオイ、オレサマのイカしたボディがタコスミまみれじゃねェか」
「アハッ★胴体に黒い花が咲いたみたいでカワイイんじゃね?」
 揶揄いながらも眼光は他の龍の接近を敏感に察知している。こちらに向かって突進をかましてくる龍を振り返る事無く、銃口はマーキング済みの龍を狙ったまま、ただ右手だけが動いた。
「ギャアアア、目がぁぁぁ!」
「オイオイ、しっかりしろよオレサマ!」
 三つも首があるのが災いして、一つの首がペイント弾を目に食らっただけで脚を止めてしまう。悶絶する竜にぺろりと舌を出しつつ、ラビオは掃射を続ける。
「チィ、仕方ねーなァ!!」
 竜の咆哮と共に炎が巻き起こり、猟兵達の往く手を阻む。
 毒々しい緑色に視界が塞がれてしまう前に、紅紀の操る紅焔鞭が炎を掻い潜るように迫った。
 鞭のように自在に姿を変え、巻き付く炎で四肢と三つ首を縛り上げる。
「チャンスデース!!」
 バルタンの岩翼がはためき、龍を頭蓋を殴打する。衝撃で脳震盪を起こしぐったりとした頭を引き摺りながら竜は応戦する。
 加勢に入ろうとする個体は、紅紀がその脚元から鞭を顕現させて縛り接近を阻止する。それでも龍の炎は燃え滾り、彼らの傷を癒していく。
「……優しい炎だね、君の炎は」
 目を細める紅紀に、龍は唸った。
「そっちは優しそーな見た目の割に随分挑発的だなァ」
 意図を図りかね、紅紀は一瞬きょとんとする。すぐに察して訂正した。
「ああ、違う。生温いとか言う意味じゃない、言葉通りの意味だ」
「どういうことだよ」
「混沌とは即ち自由と多様性――破壊と再生を体現した炎なんだね」
 火は争いの種であると同時、生命と文化をはぐくむもの。
 印象とは対極に「いい子」だらけのこの世界。彼の炎は、まさにデビルキングワールドらしいと云えるのだろう。
 トドメとばかりに放たれた鞭を避けて、傷を塞いだドラゴンが立ち上がる。
 紅紀へと繰り出された突進を、岩翼を広げ間に割り入ったバルタンが受け止めた。またしても激しい攻防が繰り広げられようとした時。
「そうだ、伝え忘れてた」
 ラビオがふと思い出したかのように呟く。
「この辺りに植わってる貴重な植物があるらしいんだけど、アンタの足元で潰しちゃってなァい?」
「エ、マジ?」
 思わず足を上げて足元を確認する律儀な竜。
「なァんてね……嘘だよ、嘘」
 軸足を一斉狙撃されてすっ転ぶ。人の良さを見事に利用された形である。
 推進装置の出力を上げ、速度と破壊力を増したバルタンの剛腕が龍の鱗を粉砕する。紅紀の炎鞭が何重にも束ねられ、互いに延焼するようにして囂々と燃えながらその傷口を打擲する。
 凄まじい悲鳴が辺りにこだました。
「今回は残念だけど、次頑張って」
 応援してるからさ、とウインクで見送る紅紀。
 風の噂では、既に7thKINGの暫定空位は決しているという。あとは残る候補、最悪の一体を潰すのみだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ゼロ・クローフィ
【まる】

…やっぱりアレで終わってなかったか
あぁ?属性増し増しってカッコ良い事言ってるが、ただ変なモンくっついてるだけだろうが?
まぁ、どうでもいいけどと興味無しげに

エセ乱暴者ねぇ
男のロマン詰め詰めセットなんだろ?
本人的にカッコ良いって思ってるんじゃ?
チラリと敵を見て、
俺的にはただ息巻くガキにしか見えないがなと挑発するようにニヤリと笑って
ん?あぁお前さん手加減なんて出来るのかよ
それにお前さんの方が「エセ」じゃないだろ
はいはい、いつでもどうぞ

一体倒せばいいんだろ?
俺に求めるなんて珍しい
しょうがねぇなと言いつつ何処か楽しそうに

どんな技だ
まぁいいんじゃね?
普通なら荒れ野になりそうな技だかアレが燃えるだけ

甘そうなドーピングに眉間に皺を寄せつつ自分も煙草を一服
全力でやるならそれに応えないとな
あんまり喚びたくないが
最凶悪
おい、地獄の王ならあんな奴簡単だろ?
面白いモン観れるぞと円を指して交渉し
敵を破壊し跡形も無く消滅させろ

そんなに疲れるのか
はいはい。お疲れさんと頭をぽんぽんとして
後で甘いモン作ってやるから


百鳥・円
【まる】

出ましたね!スーパーカオスドラゴン!
おにーさん、例の属性増し増し龍ですよう
まーた興味無いってお顔してますね?

悪いんだか良いんだか頭が痛くなる世界ですね
エセ乱暴者なんて言葉聞いた事無いですよ
ともあれ、凶暴なくらい強いのは本当らしいので
手加減抜きの大真面目で行きますよう
おにーさん、準備は良いですか?

無限増殖って厄介ですねえ
一体一体が強力なら引き離したいものですが
おにーさん、強力プリーズ!
わたしもおにーさんに応えますので

う〜ん、せっかくですし
普段はあんまり使えない技を披露しても良いです?
んふふ、業火の怪鳥を喚び出すアレそれです

さあ!ご披露と行きましょう!
わたしも宝石糖を全喰らいでドーピングです
わたしの焔は――強いんです
びゅーんと翻弄して、おにーさんにチャンスを!

おにーさん、今ですよ!
ちゃあんと一発で決めてくださいねっと!

ふう、すっかりと疲れちゃいました
せっかくなので使ってみましたけれど
アレ喚び出すの結構しんどいんですよ

わ、本当ですか!
んふふー、一瞬で元気になっちゃいました
楽しみですねえ




 見上げる程に巨大な竜。……が、大量にひしめきあっている。
 ただでさえ一つの身体に三つの首。それがうじゃうじゃいるのだから、一目見ただけでは個体の視認さえ困難なほどだ。
「出ましたね! スーパーカオスドラゴン!」
「……やっぱりアレで終わってなかったか」
 猟奇的なほぼ生肉を美味しく平らげた百鳥・円(華回帰・f10932)は意気揚々と、何だったのかさえよくわからない何かを食べさせられたゼロ・クローフィ(黒狼ノ影・f03934)はうんざりとした様子で群れと対峙する。
「おにーさん、例の属性増し増し龍ですよう……まーた興味無いってお顔してますね?」
「あぁ? 属性増し増しってカッコ良い事言ってるが、ただ変なモンくっついてるだけだろうが?」
 スーパーウルトラハイパーミラクル何たらと叫んでいた小学生がほんの少しだけ難しい言葉を学んだだけのような名前ではないか。まぁ、どうでもいいけど。
 冷めた目線でゼロは群れを眺める。
「…………」
 猟兵が色々頑張ってきたおかげで、あきらかに一体だけ傷だらけの奴がいた。
「……さっさと終わらせるか」
「おいおい」
 狙いを絞る手間が省けたとのたまう男に、そのスーパーカオスドラゴンとやらが息巻いた。
「随分甘く見られたモンだ。だが追いつめられてからがエセ乱暴者の真骨頂だゼぇ!」
「エセ乱暴者ねぇ」
「悪いんだか良いんだか頭が痛くなる世界ですね。エセ乱暴者なんて言葉聞いた事無いですよ」
 積極的に人をアイしひとと戯れる円も、他人どころか自分の事さえもわからないのに神父の座に就かされて人の話なんざぐだぐだ聴かされる羽目になっているゼロも聞いたことがないのだから、多分この世界以外では滅多にない概念だと思われる。
「男のロマン詰め詰めセットなんだろ? 本人的にカッコ良いって思ってるんじゃ?」
「いや格好いいだろ」
 胸を張るドラゴン。もはや否定さえしないゼロである。心底どうでもいいので。
「俺的にはただ息巻くガキにしか見えないがな」
代わりに挑発するようにニヤリ。あーん? と子供の様に乗っかって来るドラゴン。
「ともあれ、凶暴なくらい強いのは本当らしいので手加減抜きの大真面目で行きますよう」
「ん? あぁお前さん手加減なんて出来るのかよ」
 今知ったぞとゼロは目を微かに見開いてみせた。――それに。
「お前さんの方が「エセ」じゃないだろ」
「あらら、おにーさんったら可愛い女の子に対してひどいですねえ」
 その言葉に円はわざとらしく眉を吊り上げてはくるが、否定はなかった。肩を竦めるゼロ。
「とにかくおにーさん、準備は良いですか?」
「はいはい、いつでもどうぞ」
「ゲ~ッヒャヒャ、随分余裕があるじゃねェの」
 竜が二人を嘲笑い、群れの中に姿を消していく。囂々とヴィヴィッドグリーンの炎が燃え上がった。歯向かう者の往く手を阻み、味方の負傷を癒すという攻防一体の炎だ。
「無限増殖って厄介ですねえ、一体一体が強力なら引き離したいものですが」
「一体倒せばいいんだろ?」
「そういうわけでおにーさん、強力プリーズ! わたしもおにーさんに応えますので」
「俺に求めるなんて珍しい」
 ぱん! と手を合わせて頼み込んでくる円にしょうがねぇなと答えつつ、ゼロはどこか楽しそうな様子だ。
「う~ん、せっかくですし普段はあんまり使えない技を披露しても良いです?」
「どんな技だ?」
「んふふ、業火の怪鳥を喚び出すアレそれです」
 二色の瞳が自信ありげにきらめいた。幼い少女のような好奇心と、獲物を見定めた獣のような獰猛さに満ちた、「エセ」ではないとゼロが形容した彼女の瞳だ。
「まぁいいんじゃね? 普通なら荒れ野になりそうな技だがアレが燃えるだけだろうし」
 どうせ元から荒野である。だからこそ向こうも好き勝手に増えているわけで。
「さあ! ご披露と行きましょう!」
 瓶詰の宝石糖が瞬く間に円の口へと消えていく。文字通り宝石箱をひっくり返したように赤やら黄色やらがしゃりしゃりと溶けていく光景は見ているだけでも甘ったるくて、ゼロは若干眉間に皺を寄せつつ煙草に火をつける。
「わたしの焔は――強いんです」
 カオスの炎さえも掻き消すような、目映い炎が噴出する。
 円の想像から生まれる獄炎鳥(スピネル)の強さを裏付けるもの。生み出した彼女自身がそれを信じる心、ただひとつ。
 しかし元より揺らがない想いを口にするのは、ただの確認作業のようなものだ。
「……仕方ねえ」
 全力でやるならそれに応えないとな、とゼロも重い腰をあげる。
「あんまり喚びたくないが」
 手の甲に刻まれた契約。神父として振る舞うゼロの中に少しでも信心深さがあるのなら最も忌むべきであろう『再凶悪』、悪魔ルシファーが顕現する。
「おい、地獄の王ならあんな奴簡単だろ?」
 並の者なら畏怖で竦みあがって声を出す事さえままならぬだろう相手を前にしても、ゼロは気だるげな態度を変える様子が無い。どころかヒトの身に余る存在に、ぞんざいに交渉を投げかける。
「面白いモン観れるぞ」
 契約の証が宿る手で円を指差す。
 その先には、魔界を統べる資格を持つ竜の群れをたった一人で翻弄してみせる円の姿があった。
「おもしれェ、オレサマに炎で挑むとはなァ!」
 怪鳥の獄炎を食らった竜が、逆に怪鳥を喰らってやろうと突進を仕掛けてくる。何体もの竜が同時に飛び掛かって来ても互いに足を引っ張らないのは、彼らが同一個体であるがゆえの統率だろう。
 だが、獄炎鳥を操る円が一歩上手だった。巨大な竜の群れを掻い潜り、ひゅんひゅんと躱す身のこなしはまるで遊んでいるかのよう。
 身を翻してその翼で竜を掠める怪鳥は決定打こそ与えられないものの、じっくりじっくり鱗を炙っていく。その表面だけを、まるでブリュレ仕立てのように。
 いつまで経っても捕まえられない獲物を追いかける度に竜の列が乱れ、奥に潜む傷だらけの個体が見え隠れする。
「おにーさん、今ですよ! ちゃあんと一発で決めてくださいねっと!」
 悪魔が動く気配。ゼロは目を瞑る。“結果”なら、確認せずともわかっている。
 最凶たる悪魔がその力の一端を発揮する。地獄の四元素、その二つまでを。
 放出した膨大なエネルギーが龍を一瞬で破壊、消滅させる。
 ――悲鳴さえもなかった。或いは自分が消えていった事さえドラゴンは理解していなかったかもしれない。
 彼の消滅の直後、連鎖するように他の龍たちも爆発して、消えていった。あれだけ大量の竜たちが、跡形もなく。
「……あれで死なないってんだから、そこは大したもんだ」
 悪魔の司る残りふたつは「天昇」と「転生」。だが奴がまた同じ姿で復活するというのなら、それが発動する余地もない。
「名乗りを変えた方がいいんじゃないか。エセ乱暴者よりまともなものがもっとあるだろ」
 それこそどうでもいいわけだが。そのうち復活するとはいっても、今現在スーパーカオスドラゴンはこの魔界のどこにも存在しなくなっているわけではあるし。
 力を発揮したルシファーが姿を消した直後、円の創造した怪鳥も想像の淵に溶けていなくなった。
「ふう、すっかりと疲れちゃいました」
 ぺたんとなにも居なくなった荒野に座り込む円。
「せっかくなので使ってみましたけれど、アレ喚び出すの結構しんどいんですよ」
「そんなに疲れるのか」
 視線を落とす。
 円が「ん」と何かを訴えるように見上げてくる。あれだけの竜の群れをたった一人で手玉に取ったとは思えないように無邪気な、――なのになぜかその事実に妙に説得力があるような、そんな眼差しだった。
「はいはい。お疲れさん」
 ゼロが子どもにしてやるように頭をぽんぽんと軽くと、んふふーと満足そうな微笑が返ってきた。
「後で甘いモン作ってやるから」
「わ、本当ですか!」
 微笑は一気に満面の笑みに変化する。ついでにすっくと立ちあがった。
「んふふー、一瞬で元気になっちゃいました。楽しみですねえ」
「何がいいんだ」
「んー、そうですねえ……」
 会話を交わしながら、二人は帰路へとつく。
 二人が消えていった後、荒野に動くものは何もない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月24日


挿絵イラスト