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7thKING WAR㉓〜白き未来の魔王

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #召喚魔王『パラダルク』

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#召喚魔王『パラダルク』


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●実験戦艦ガルベリオン
「やれやれ、猟兵はやる気満々みたいだねえ……」
 艦内で召喚魔王『パラダルク』ディアブロホワイトが溜息を吐く。その背後ではドラグナーガール達が「儀式の舞」を踊っていた。
「いやあ、参ったなあ……どうしても、僕を見逃してもらう訳にはいかないのかい? いかないんだろうねえ……」
 ならば仕方ないと、未来属性の力を使い初老のパラダルクは猟兵を迎撃する準備を整えた。

●グリモアベース
「ガチデビルが特級契約書で呼び寄せた新たな異世界の魔王『パラダルク』の居場所がわかった。どうやら銀河帝国攻略戦で姿を見せた「実験戦艦ガルベリオン」と同一艦と見られる戦艦に乗っているようだ」
 バルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が新たな異世界の魔王の情報を猟兵に伝える。
「パラダルクは「万物を女の子(ドラグナーガール)に変えるユーベルコード」を持っている。自然現象やこちらの攻撃のみならず、時間さえも女の子化して操るというふざけた能力のようだ」
 何もかもを女の子にして自らの力にしてしまうとんでもない能力を持っている。
「ドラグナーガール達は踊って何か儀式をしている。ガチデビルが呼んだ相手だ碌な事は起こるまい。なのでそれを阻止してもらいたい」
 儀式によって何かが起きようとしている。それを放っては置けないだろう。
「儀式を阻止するにはパラダルクを倒すか、ドラグナーガール達を倒すことでも止めることができる」
 パラダルクかドラグナーガール達のどちらかを倒せば儀式は止まる。

「初老のパラダルクは未来を操ることができるようだ。故に諸君らに先んじてユーベルコードを放ってくる。これに対処しなくては勝つことは難しいだろう。諸君の得意とする方法でこれに対処してこちらが攻撃するチャンスを作る必要がある」
 強烈なユーベルコードの攻撃が直撃すれば、こちらが攻撃することもできなくなる。何とかそれを凌がなくてはならない。

「パラダルクは倒しても倒し切れない時間を操る能力を持っているようだ。なので方法はどちらでも構わない。何としてでも撤退させ、ガチデビルの思惑を阻止するのだ!」
 バルモアがゲートを開き、パラダルクの待つ実験戦艦ガルベリオン内へと猟兵を送り出した。


天木一
 こんにちは天木一です。
 異世界の魔王パラダルクとの戦いとなります。

 このシナリオは、1章だけで完結する戦争シナリオとなります。
 強敵であるやや難易度の高いシナリオとなっております。

 敵は実験戦艦ガルベリオン内で無数のドラグナーガールを従えています。
 ユーベルコードによる先制攻撃をしてくるので対処する必要があります。
 倒しきることはできないので、撤退させることになります。
 敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する/踊るドラグナーガール達を倒すとプレイングボーナスが得られます。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページかタグにて。
 それでは未来を操る強敵を倒し、道を切り拓きましょう!
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第1章 ボス戦 『召喚魔王『パラダルク』ディアブロホワイト』

POW   :    ガールズ・ポシビリティ
自身の【下僕であるドラグナーガール】ひとつを用いた行動・攻撃の威力を3分間3倍にする。終了後[下僕であるドラグナーガール]は【可能性を使い果たしたこと】により破壊される。
SPD   :    フューチャー・ルーラー
【ドラグナーガール達と連携し、精神支配魔術】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【以降の動き方や使用ユーベルコード】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    パラダルク・フューチャー
召喚したレベル×1体の【ドラグナーガール】に【ガルベリオン鋼の機械兵器とダンス技術】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

月夜・玲
倒しきれない敵…かあ
戦場がこの戦艦内なら…勝利条件を満たす戦いは何とかなるかも

パラダルクに合う前に戦艦の構造を解析して隔壁や制御コンソール等の位置を確認
確認が済んだら戦場へ
《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
相手のドラグナーガールが強化されたら戦場から反転、艦内へ逃げ込もう
制御コンピュータを『ハッキング』
周囲の隔壁を下ろして敵の行動を阻害
後は3分鬼ごっこをするだけ
追いつかれたら『武器受け』したり『オーラ防御』で盾を作り防戦
時間が経ったら反撃開始だ
コンピュータで現在位置を確認
パラダルク達の位置を把握して【Code:T.S】起動
最大サイズで遠距離から『なぎ払い』斬り裂く!


ケイティ・ネクスト
 ではKNN256を出します。今回の戦争でやたら出番のあったKNN256を出してパワープレイに持ち込むにゃ。ダンスにはダンスをぶつけるにゃ。
 まあ、最初はそっちのダンスに乗ってやるにゃ。支配してないのに支配されてるんじゃないかって位完璧に踊ってやるにゃ。
「5万D それでワタシは アナタのモノよ♪」
「5万D それでアナタも ワタシのシモベでしょ♪」
 油断させた所でじわじわと代表曲『実際順法行為』を流してダンスを乗っ取るにゃ。全く気が付かない内にKNN256になる。
 儀式的な踊りなら手順は決まっている筈。違う踊りで上書きされたら儀式は失敗だよにゃー?


白斑・物九郎
●WIZ



●対先制
飛ぶヤツらが相手だってんなら、開けたトコに居たら四方八方から詰められていいマトでしょうわな

なら、敵先制の間は壁を背に――それから硬い得物(心を抉る鍵・真)を頼みにシノぐ
敵が寄せて来る方角を限定するコトで【野生の勘】での警戒もより集中させられるって寸法っスよ


●反撃
【ワイルドドライブⅢ】、発動

あの女共は『あらゆる環境に適応して飛ぶ』んですって?
ならこの迷路の中も迷わず出口までスッと飛んで来るんでしょうわな

ソレを踏まえて、待ち構える
この迷宮は、俺めの現在地が出口に該当するように作ってある!

来た瞬間に――ドンピシャリ魔鍵でブン殴る!!(ジャストガード+怪力)

飛んで来い
罠猟ですわ(狩猟)



●未来を変える力
「倒しきれない敵……かあ。戦場がこの戦艦内なら……勝利条件を満たす戦いは何とかなるかも」
 撃退だけならどうにかなりそうだと、月夜・玲(頂の探究者・f01605)は戦艦を見渡し、構造を解析して隔壁や制御コンソール等の位置を確認してから戦場に向かった。

「やれやれ、来てしまったようだなあ。僕は戦うつもりはないのだけど、火の粉は払わないとねえ」
 白のパラダルクが猟兵の侵入に気付き、重い腰を上げて艦内の広い部屋で迎撃準備に入った。
「僕の可愛い子たち。楽しいダンスを披露してあげるといい」
 パラダルクの呼びかけに応じて、大気や艦の物質からドラグナーガール達が作り出され、空を飛びながら舞い踊りガルベリオン鋼の機械光刃を振るう。
「今回の戦争でやたら出番のあったKNN256を出してパワープレイに持ち込むにゃ。ダンスにはダンスをぶつけるにゃ」
 先陣を切って敵の元に到着したケイティ・ネクスト(蠱惑の仔猫・f26817)は相手のダンスを上回ってやろうと考える。
「踊ろう踊ろう♪」
「一緒に踊ろう死のダンスを♪」
 ドラグナーガール達が次々と軽やかに宙で踊りながら斬撃を放つ。
「まあ、最初はそっちのダンスに乗ってやるにゃ。一緒に踊ってやるにゃ」
 ケイティは相手に負けじと踊って振り抜かれる刃を躱した。
「まだまだステップが甘いにゃ」
 相手のダンスのタイミングに合わせ、自らも同じように踊ることで目にも止まらぬ鋭い攻撃を躱した。
「ダンスはスピードだけじゃないにゃ。リズムが大事にゃ」
 続けてドラグナーガールがくるりと舞いながら放つ斬撃も、息を合わせるダンスのようにくるりと回転して避ける。
「へえ、僕の可愛い子たちと一緒に踊るなんてやるねえ」
 感心しながらもパラダルクは余裕をもってその余興を眺めていた。

「飛ぶヤツらが相手だってんなら、開けたトコに居たら四方八方から詰められていいマトでしょうわな」
 白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)は壁を背にして敵を迎え撃つ。
「踊ろうよ!」
「楽しくね!」
 ドラグナーガールが楽しそうに飛び回り物九郎にも斬撃を浴びせる。
「せっかくのお誘いですが遠慮しときまさァ」
 モザイク状の空間から巨大な魔鍵【心を抉る鍵(真)】を抜き出すと、斬撃を受け流していく。壁を背にしているお蔭で、前からの攻撃に集中して捌くことができた。
「敵が寄せて来る方角を限定すれば、一度に相手をする人数を限定できるって寸法っスよ」
 物九郎は敵の攻勢を凌ぎ続け、ドラグナーガールの攻撃は背後の壁ばかり傷つけていった。

「ここに居たか」
 遅れて玲は二振りの剣【《RE》Incarnation】と【Blue Bird】を抜刀して構える。
「さあ、可愛い子。猟兵を排除してくるんだ」
 パラダルクの命を受けた下僕であるドラグナーガールがその身体能力を高めると玲に向かって来る。
「主様の命令だから殺しちゃうね」
 ドラグナーガールは無邪気な笑みを浮かべて命令を遂行しようとその身に宿る可能性の力を放つ。
「こっちだ」
 間合いに入られる前に玲が踵を返して艦内を逃げると、ドラグナーガールを引き込んで艦の制御コンピュータをハッキングして周囲の隔壁を下ろした。
「もう! 邪魔よ!」
 ドラグナーガールが隔壁を破壊するが、玲は既に大きく距離を離していた。
「どれほど強力でも時間制限があるなら話しは簡単だ、3分鬼ごっこをするだけでいい」
 玲はとにかく時間を稼いで逃げ続け、ようやくドラグナーガールが距離を詰めて放つ魔力の刃の一撃を剣で受け止めたところで、ドラグナーガールが可能性を使い果たして動かなくなり消滅した。

「そろそろ反撃にゃ」
 ケイティがユーベルコード『レジェンド・オブ・ニャンコ』を発動し、歌って踊れる猫アイドルKNN256を艦内に降らせ、戦場を熱狂的ダンスパフォーマンス空間に変えてしまう。
「5万D それでワタシは アナタのモノよ♪」
 そして代表曲『実際順法行為』を流して相手に合わせていたダンスを自分のダンスに変える。
「5万D それでアナタも ワタシのシモベでしょ♪」
 冴えわたる楽しいダンスをKNN256と共に披露し、それとリズムが戦場を満たしてドラグナーガールも釣られて同じように踊ってしまう。
「あれ?」
「間違えちゃった!」
「儀式的な踊りなら手順は決まっている筈。違う踊りで上書きされたら儀式は失敗だよにゃー?」
 舞の乱れが儀式にも現れ、ドラグナーガール達があわあわと慌て始めた。
「やれやれ、これは困ったねえ」
 パラダルクは眉間にしわを寄せて、儀式が滞ってしまうと新たにドラグナーガールを呼び出す。
「おっと、ここからはこちらの手番でさァ」
 敵の攻勢が弱まったところで、物九郎がユーベルコード『ワイルドドライブⅢ』を発動し、モザイク状の空間で出来た迷路を作り出し飛び回るドラグナーガール達を捕えた。
「なにこれ?」
「閉じ込められちゃった!」
「脱出しよう!」
 ドラグナーガール達が迷路を抜け出そうと、高速で飛び出して迷わず正解ルートを辿って出口を目指す。。
「あの女共は『あらゆる環境に適応して飛ぶ』んですって? ならこの迷路の中も迷わず出口までスッと飛んで来るんでしょうわな」
 物九郎はニヤリと笑い、出口で待ち構えていた。
「出口だわ!」
「脱出ー!」
「この迷宮は、俺めの現在地が出口に該当するように作ってある!」
 ドラグナーガール達が飛び出してきた瞬間――物九郎がドンピシャリ魔鍵でブン殴り、纏めて敵を薙ぎ払った。吹き飛んだドラグナーガール達が凄まじい勢いで壁にぶつかって消滅していく。
「なになに?」
「なんで戻って――」
 外の状況がわからずに新たに出て来たドラグナーガールにも魔鍵が叩き込まれる。
「飛んで来い。罠猟ですわ」
 物九郎は迷路に閉じ込めたドラグナーガールを根こそぎブン殴って消滅させていった。
「困ったものだねえ。だが可愛い子達はいくらだって生み出せる。さあ、お帰り願おうか」
 だが消されてもパラダルクはまだ尽きぬ力を使い新たなドラグナーガールを生み出す。
「さあ、反撃といこうか」
 皆とは違う部屋から玲はハッキングして敵の位置を掴み、ユーベルコード『Code:T.S(コード・サンダーソード)』を発動する。
「この距離なら――届く!」
 玲の持つ剣から雷刃が生み出され、それが最大サイズで長く伸びると遠距離からのなぎ払いによって、戦艦の壁ごとパラダルクを斬り裂く!
「えぇっ!?」
 驚きの声を上げたパラダルクが咄嗟に魔力の壁で防ごうとするが、雷刃はそれを切り裂いて体に届き、ざっくりと刃が肩から血を噴しながら吹き飛んだ。
「はあ……痛いねえ……こんな未来僕には見えなかったなあ」
「主様!」
 パラダルクがドラグナーガール達に支えられながらゆっくりと起き上がり傷を塞ぐ。だがその身に内包する力は目に見えて落ちていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルパート・ブラックスミス
青く燃える鉛の翼展開し【空中戦】

先制攻撃によって繰り出されるドラグナーガールには
兆しの鈴の音(【第六感】)を頼りに攻撃を【見切り】【カウンター】
回避と同時に高速【空中機動】で頭上をとり
刀身を【武器改造】した短剣を【投擲】し地上に縫い付けように【串刺し】
奴の攻撃範囲から離脱する【時間稼ぎ】にさえなればいい、付き合っている余裕はない

先制攻撃を凌げたならばパラダルク及び踊るドラグナーガール目掛けて【ダッシュ】しつつUC【黒騎士が宣告する火刑】の【範囲攻撃】
後は他のドラグナーガールの邪魔立てあろうが認識した端から【焼却】し【蹂躙】するのみ。

逃がさん。貴様の見る未来、一度ここで我が炎で焼き潰してやる。


霧島・絶奈
◆心情
愉しみましょう
この『逢瀬』を

◆行動
敵の先制攻撃対策として【限界突破】する程【各種耐性】を高めた【オーラ防御】を多重展開
オーラ自体は万物には属さず、層には空気も含まれます

更に【罠使い】として持ち込んだ「白燐発煙弾」を【衝撃波】で周囲に投射
煙幕、オーラ、空気…
これ等の万物全てを同時にドラグナーガールに出来ないならば、いたちごっこの千日手
つまりは拮抗により凍結された現在です

抑々、貴方の未来には「積み重ねが無い」
未来属性と言うだけで、其は死を踏み生きた果ての未来ではありません
死を踏み生きる「今」の重さを知ると良いでしょう

<真の姿を開放>

『涅槃寂静』にて「死」属性の「濃霧」を行使し【範囲攻撃】
全ての終着という「概念」にして、貴方の持ち得ぬ属性です
貴方がオブリビオンである以上、此れから逃れる術はありません
ある意味、貴方の原点なのですから

更に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

貴方に新たな【恐怖を与える】としましょう

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


アルテミシア・アガメムノン
いかないですわねえ。
ガチデビルさんが呼び寄せた魔王を放置するつもりはありませんし……
その儀式、成功させると碌な事が起こらないとわたくしの勘が囁いていますの!

先制対策
敵WIZUCで強化された敵群に向けて雷の嵐!(全力魔法)
機械兵器の性能を劣化させた上で攻撃行動を見極め、『クロノスの大鎌』で弾いたり、回避したりいたします。(見切り×瞬間思考力)

初撃を凌いだ後に『氷獄の魔帝』を発動。
真の姿に変身。変身後の強さは無限の魔力に比例ということで無限です!
開幕で見せた雷を遥かに超越した雷の嵐を戦艦全体に吹き荒れさせて、踊るドラグナーガール達を屠りましょう!

ほほほ、それではごきげんよう!



●白き未来を覆す
「はあ……戦うつもりはなかったんだけどねえ。未来を操作できるのに、未来を視れる猟兵とは相性が悪いねえ」
 不利な状況にパラダルクが大きく溜息を吐く。
「未来に干渉することができるか、だがどんな強敵であろうと我が炎でその未来を阻む」
 青く燃える鉛の翼展開したルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)が燃える鉛を滾らせて敵の前に立つ。
「困ったねえ、これ以上儀式が滞るのは遠慮するよ。僕の可愛い子、猟兵を止めてくるんだ」
「はい、主様!」
 パラダルクが下僕であるドラグナーガールを強化し、燃えるように炎を上げたドラグナーガールが飛び出す。加速して目にも止まらぬ速度で背後に回り込み燃える拳を打ち出す。それに反応して【兆しの鈴】が鳴り響いた。
「仕掛けてくるか」
 すぐさまルパートは翼から炎を噴射して跳躍し炎の拳を交わした。そして頭上を取ると刀身を長くギザギザに改造した【ブラックスミスの短剣】を投げて敵の脚に突き刺し地面に縫い付ける。
「痛っ!」
 ドラグナーガールの動きが止まり、喰い込んだ短剣を抜こうとする。
「幾らでも生み出される敵に付き合っている余裕はない。本命を叩く」
 先制攻撃を凌いだルパートは着地すると、パラダルクとその背後で踊るドラグナーガール目掛けて駆け寄る。
「ああ、こっちに来ちゃったねえ、頼むよ」
 踊るドラグナーガール達がその間に割り込む。
「邪魔だ」
 ルパートがユーベルコード『黒騎士が宣告する火刑(スペルビアセンテンスステーク)』を発動し、蒼く燃える鉛を浴びせて燃え上がらせた。それは呪詛を宿しあっという間にドラグナーガールの存在を消し去る。
「困ったねえ」
 パラダルクがドラグナーガール達に守られながら下がろうとする。
「逃がさん。貴様の見る未来、一度ここで我が炎で焼き潰してやる」
 ルパートがさらに踏み込み、視界に入るドラグナーガールを端から焼却して蹂躙し、蒼い炎はパラダルクにまで届く。
「いやはや、これは熱い。燃えてしまうよ」
 パラダルクが眉を寄せて炎に焼かれる体を見下ろした。
「儀式の邪魔は困るんだよねえ」
 パラダルクが視線をルパートの背後に向けると殺気を感じてルパートが飛び退く。すると燃える拳が立っていた場所を貫いた。
「私が止めるわ!」
 先ほど足を縫い付けた強化ドラグナーガールが短剣を足に刺したまま追いかけてきていた。それをルパートは振り向いて迎え撃つ。

「未来に干渉するとは強敵ですね。愉しみましょう。この『逢瀬』を」
 強大な能力を持つ相手だと微笑み、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は限界突破してオーラの多重防壁を展開する。
「オーラ自体は万物には属さず、層には空気も含まれます」
 さらには白燐発煙弾を衝撃波で周囲に投射して煙幕を張った。
「次々と現れるねえ、こちらも数で押すとしようか」
 パラダルクがさらに空気から機械の剣を持つドラグナーガール達を作り、絶奈に向かって襲い掛からせる。
「「煙幕、オーラ、空気……これ等の万物全てを同時にドラグナーガールに出来ないならば、いたちごっこの千日手。つまりは拮抗により凍結された現在です」」
 絶奈は煙幕で姿を隠し、届く攻撃はオーラで防いで攻撃を凌ぐ。
「どこ?」
「そこかも!」
 ドラグナーガール達が諦めずに数に物を言わせて機械剣を振るうが、絶奈は防戦に徹して攻撃を掻い潜る。

「これは本当に参ったなあ、ねえ、僕を見逃って訳には……いかないよねえ」
 ダメージが重なり力を減らしたパラダルクが何とか儀式を継続したいと声をかける。
「いかないですわねえ。ガチデビルさんが呼び寄せた魔王を放置するつもりはありませんし……その儀式、成功させると碌な事が起こらないとわたくしの勘が囁いていますの!」
 アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)が儀式を止めようとその行く手を塞いだ。
「では強引に押しと通るしかないですねえ」
「退いてもらうから!」
「主様の邪魔はさせないよ!」
 パラダルクがドラグナーガール達を作り、機械光剣を手に一斉に飛び掛かった。
「強化されて動きが速いなら、逃げ場のない攻撃で迎え撃ちますわ!」
 アルテミシアは全力で魔法を発動し、雷の嵐を起こして辺りを雷撃で包み込む。それによって精密機械である機械光剣の出力が弱まった。
「このぉ!」
 それでも諦めずに雷でダメージを受けながらもドラグナーガール達が攻撃してくる。だがその手に持つ剣はバチバチと帯電して光の刀身が短くなっていた。
「機械兵器が故障してしまえば脅威ではありませんわ!」
 アルテミシアが威力の弱まった光剣の攻撃を【クロノスの大鎌】で弾き、感電して動きの鈍った斬撃を飛び退いて裂ける。

「はあ……どうしたこうなったのか、未来が思った通りに進まないよ」
 パラダルクが困惑して己の能力を超えてくる猟兵に脅威を感じる。
「抑々、貴方の未来には「積み重ねが無い」。未来属性と言うだけで、其は死を踏み生きた果ての未来ではありません。死を踏み生きる「今」の重さを知ると良いでしょう」
 絶奈が真の姿を開放し、神々しい異端の神の姿に変わる。そしてユーベルコード『涅槃寂静(ヨクト)』を発動し、濃密な死を宿す濃霧で辺りを包み込んだ。
「なにこれ、気分が悪い……」
「ああ、力が抜けてっちゃう!」
 攻撃していたドラグナーガール達が崩れ落ち、やがて存在が薄くなり消えていく。
「全ての終着という「概念」にして、貴方の持ち得ぬ属性です。貴方がオブリビオンである以上、此れから逃れる術はありません」
 濃霧がドラグナーガールごとパラダルクを覆い、死を浴びせて命を削っていく。
「ある意味、貴方の原点なのですから」
 絶奈は霧によって一面を埋め尽くし、逃げ場のない死の空間を生み出す。
「これは厄介な攻撃だねえ。霧を可愛い子達に変換するか、だけど量が多いねえ」
 パラダルクが霧をドラグナーガールに変えるが、すぐに周囲の霧が押し寄せてドラグナーガールを消してしまう。
「貴方に新たな恐怖を与えるとしましょう」
 その存在ごと消すように、絶奈は濃霧を厚くしてパラダルクの身体を侵食していく。
「一度引かないと不味そうだねえ」
 パラダルクが霧を突破しようと移動を始め、ドラグナーガール達が消滅覚悟で突撃して時間を稼ぐ。
「そう簡単には逃しません」
 絶奈はドラグナーガール達を衝撃波で押し戻し、霧から出られる前にパラダルクから生命力を吸い上げる。

「これじゃあ儀式は無理かなあ」
 パラダルクが溜息を吐くと、そこへルパートが飛び込む。
「貴様の思惑は決して叶わん。我々猟兵が居る限りな」
 そこへルパートが蒼い炎を叩き込み、全身を燃え上がらせた。
「熱いねえ。炎を変換しようか」
 パラダルクは自らを燃やす炎をドラグナーガールに変えていく。
「そちらが無限に配下を呼び出すのなら、わたくしは無限の魔力で打ち破ってみせましょう!」
 アルテミシアがユーベルコード『氷獄の魔帝(サタン)』を発動し、真の姿である六対十二枚の翼を持つ輝ける熾天使へと変身した。
「天使?」
「なんであっても主様の邪魔はさせないから!」
 ドラグナーガール達が一斉に斬り掛かる。だがその身体が雷光に貫かれて吹き飛んだ。
「変身後の強さは無限の魔力に比例ということで無限です!」
 先ほどよりも遥かに超越した雷の嵐が戦艦全体に吹き荒れ、ドラグナーガール達を薙ぎ払っていく。
「このまま踊るドラグナーガール達を屠ってしまいますわ!」
 アルテミシアは儀式を継続しているドラグナーガール達に雷を浴びせ、激しく轟く嵐によって消し飛ばし踊りを止めさせた。
「ここらが潮時かねえ。撤退しようか」
 パラダルクが諦めて艦の奥へと尻尾を巻いて逃げ出した。
「此の場を逃れても、我々猟兵には敵わぬという意識を植え付けておきましょう」
 絶奈が衝撃波を背中に浴びせ、死の霧と共に恐怖を刻み込む。
「ほほほ、それではごきげんよう!」
 遠ざかる背中にアルテミシアは別れを告げながら、追い立てるように雷の嵐を容赦なく叩き込んだ。吹き飛ばされたパラダルクが這う這うの体で逃げ去る。
「どうやら撤退したようです。これで儀式は阻止出来ましたね」
 絶奈が敵が戻ってこないのを確認し、元の姿に戻って戦闘態勢を解いた。
「今はまだ倒せぬが、いずれは倒してみせよう」
 ルパートがいずれは倒してみせようと誓い、一先ずは勝利できたと猟兵達は帰還した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月16日


挿絵イラスト