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7thKING WAR㉓〜碎輝を守るために

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #召喚魔王『パラダルク』 #プレイング受付終了しました

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#召喚魔王『パラダルク』
#プレイング受付終了しました


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「パラダルクてめぇ、俺の推しに何しようとしてくれてんじゃゴルァ」
 グリモアベースで、雨月・雨莉(は何もしない・f03581)が荒ぶっていた。なんか声かけづらい。猟兵達が戸惑っていると、気付いた雨莉の方から駆け寄ってきた。
「大変っす! 碎輝がピンチっす!!」
 あたふたしながら訴える彼女の話を要約すると、現在開催中の7thKING WARで、ガチデビルによって召喚された異世界魔王、『パラダルク』。その彼はどうやら、かつて『成長する敵』に敗北した記憶を持つらしく、かつて自分を殺した仇敵……『碎輝』を捜す儀式を行っているらしい。
「パラダルクが捜してる碎輝が、竜神親分の碎輝と同一人物かは分かりませんけど……ともかく、パラダルクに碎輝が見つかったら絶対、なんか大変なことになるような予感しかしないっす。なんでその前にパラダルクを……消し炭にしてきて欲しいんすけど」
 言うことが大分過激だった。推しに危害を加えるかもしれない存在に対して容赦がない。でも、と雨莉は残念そうに頭を垂れた。
「パラダルクは自然現象やこちらの攻撃は勿論、時間さえも女の子化して操る超強敵……倒しても、完全な撃破は難しいかと」
 俺としては、後顧の憂いを断つためにもここで消し炭にしてやりたいんすけど、と爪を噛みながらぶつぶつ呟く雨莉。言うことが怖い。引いてる猟兵達の視線に気付いたのか、彼女は顔を上げた。
「……あ、でも……たとえパラダルクを倒しきれなくても、碎輝を捜す儀式を阻止できれば。とりあえず、しばらくは安心……ですかね」
 パラダルクは現在、銀河帝国攻略戦において登場した「実験戦艦ガルベリオン」と同一艦と見られる戦艦内部で儀式を行っているとみられる。彼を倒せば儀式は止まるが、その背後で「儀式の舞」を踊るドラグナーガール達を倒しても儀式は阻止できる。
「どちらを選ぶかは、皆さんにお任せしますが……なんにしても、パラダルクは必ず先制攻撃をしてきます。それに対処しなければ、苦戦は免れないかと」
 ちなみに、パラダルクは過去属性『アンヘルブラック』のドラグナーガールと、未来属性『ディアブロホワイト』のドラグナーガール、二つの力を合わせ持っているが、今回戦うのは、未来属性(ディアブロホワイト)の力を体現した「初老のパラダルク」。
「たぶん『いやあ、参ったなあ……どうしても、僕を見逃してもらう訳にはいかないのかい?』とか言いながら襲い掛かってくると思いますけど、もちろん碎輝に危害加えるかもしれないヤツを見逃すわけにはいきませんよね! 遠慮なくギッタギタにして……いや、踊るドラグナーガール達を倒してもいいんすけど……ともかく、碎輝を捜す儀式は絶対に阻止してきてくださいっす! 絶対っすよ!?」
 たとえ今回倒しきれなくても、儀式を破壊できれば撤退させられるでしょうから、と念押しし、雨莉は猟兵達を送り出す。全ては、推しを守るために。


ライ麦
 ライ麦です。なんで俺の嫁(嫁じゃない)(お前のじゃない)に飛び火してるんですか!? パラダルク絶許……!
 というわけでパラダルクから碎輝を守るシナリオです。正確にいうと、パラダルクが碎輝を捜す儀式を阻止するシナリオです。よろしくお願いします。
 方法は二通り。パラダルクを倒すか、背後で踊るドラグナーガール達を倒すかです。パラダルクは必ず先制攻撃してくるため、先制攻撃ユーベルコードに対処する必要があります。対処しない限り、必ず苦戦か失敗になります。逆に対処があればプレイングボーナスがつきます。
 また、踊るドラグナーガール達を倒すことでもプレイングボーナスがつきます。どちらを選ぶかはお好みで。パラダルクを倒すか、儀式を破壊して撤退させれば勝利です。(しかしパラダルクは、戦力を0にしても完全な撃破は難しいよう。とても残念です←)

 パラダルクは過去属性『アンヘルブラック』のドラグナーガールと、未来属性『ディアブロホワイト』のドラグナーガール、二つの力を合わせ持っていますが、今回戦うのは、未来属性(ディアブロホワイト)の力を体現した「初老のパラダルク」の方です。

 それでは、皆様のプレイングを心よりお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『召喚魔王『パラダルク』ディアブロホワイト』

POW   :    ガールズ・ポシビリティ
自身の【下僕であるドラグナーガール】ひとつを用いた行動・攻撃の威力を3分間3倍にする。終了後[下僕であるドラグナーガール]は【可能性を使い果たしたこと】により破壊される。
SPD   :    フューチャー・ルーラー
【ドラグナーガール達と連携し、精神支配魔術】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【以降の動き方や使用ユーベルコード】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    パラダルク・フューチャー
召喚したレベル×1体の【ドラグナーガール】に【ガルベリオン鋼の機械兵器とダンス技術】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヒース・アーベル
倒すか、儀式の妨害か…まぁ、なんとかやりようがありそうですね。
私は他の方への支援に回りましょう。

魔術によるオーラ防御を展開しつつ、攻撃が当たらないように立ち回ります。
万が一攻撃が当たったとしても、予めオーラ防御を展開しているので多少は耐え切れるでしょう。
攻撃の隙を突いて、UCを発動します。
これで、敵の視界は霧に閉ざされるでしょう。
攻撃が当たっていて私の動きが分かっていたとしても、私はあくまで囮役。
それに、いくら命中率が上がっていたとしても霧で分かりにくくなっている筈。
後は適度にダガーを投げたり、そのダガーの呪文を発動させたりしてこちらに注意を向けさせます。

私だけ見ていたら、足元掬われますよ。


オーガスト・メルト
ドラグナー…一応、こいつらも竜か?
とはいえ人型のやつから素材を狩るつもりはないが…

【POW】連携・アドリブ歓迎
デイズ、ナイツ、【竜鱗飛甲】を召喚して操作を頼む
『うきゅー』『うにゃー』
俺は【焔迅刀】を構えて徒歩で接敵
敵の先制攻撃は【見切り】で回避、避け切れないものは竜鱗飛甲で【盾受け】して受け流す

使い魔を使い捨てるスタイルは気に入らん!
力を借りる相手には敬意を払え!

デイズ、UC【呑竜咆哮】で「ドラグナーガールたち」を焼却しろ
前線のやつも後方で儀式してるのもまとめてだ
『うきゅるるる!』
パラダルクまでの道が空いたら【ダッシュ】で一気に距離を詰め、抜刀術の【2回攻撃】で斬る!


アルテミシア・アガメムノン
ほほほ、碎輝さんが推しですのね。
完全撃破は難しいみたいですが、とりあえずは碎輝さんを探す儀式は潰しておきましょう!

先制対策
敵WIZUCで強化された敵群に対して開幕、超雷嵐(全力魔法×範囲攻撃)!
雷によって機械兵器の性能を落とした上で攻撃動作を見切り、(第六感×見切り)『クロノスの大鎌』で払い、或いは回避して初撃を凌ぎましょう。

しかる後に『氷獄の魔帝』を発動。
真の姿の強さは無限の魔力に比例するという事で無限です!
無限のパワーで実験戦艦ごと破壊する勢いで魔力爆発を起こしましょう。パラダルクはどうなるか分かりませんが……儀式で踊っているドラグナーガール達は耐えられないでしょう。


月夜・玲
うーんまさかの召喚魔王も推し活とは…
違う?
まあ似たようなもんっしょ
兎も角自分でハーレム作れるんだから、それで我慢しててくれたら良いのに…
ま、行き止まりは殴り抜けるのが猟兵
魔王の推し活邪魔させて貰おうかな


《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
まずは『天候操作』
艦内の空気を操作しドラグナーガールの進行方向に強烈な向かい風を発生させて、少しでも飛行速度を落とそう
更にその向かい風に『斬撃波』を追加!
『吹き飛ばし』てこっちの攻撃の時間を稼ごう
一応、『オーラ防御』で盾を前面に展開して遠距離攻撃にも備えるよ

そしてこっちも【ソード・ファントム】起動
踊ってるドラグナーガールに遠距離から攻撃!


蛇塚・レモン
技能適宜活用
アドリブ・連携◎

先制攻撃対策
あたいは大声で叫ぶよっ!

ちょっと待ってっ!
あたいは碎輝君の居場所を知ってるよっ!
情報が欲しいなら攻撃を止めてほしいなっ!?
21回も碎輝君とバトッたあたいが言うから間違いないねっ!

魔王は未来を見通す力をもってしても碎輝の居場所や情報を掴めてない
つまり、魔王はこの誘いに必ず乗る!

……んで、肝心の情報だけど

とある女性猟兵が碎輝に一目惚れしているにも関わらず認知されたくないムーヴ中や、今は力を使い過ぎてショタ化していること(ただし一瞬で成長するので無意味だ、とは言わない)など、微妙にズレた情報を提示する
魔王はイライラして正常な判断を失うはず
その隙に他の猟兵が攻撃を仕掛けられる好機を生むよっ!
これぞ兵法『混水摸魚』!

えっ?
居場所の情報を吐け?
ごめんね、それ蛇神様が知ってたよっ!
今、召喚するねっ!

そう言ってまんまとUC発動
蛇睨みで破壊念動波と呪詛を魔王と竜乙女へ!
これで魔王の身動きと異能は封殺!
召喚された竜乙女も消失!
あとは皆で儀式場破壊と魔王を袋叩きだよっ!


豊水・晶
万物を女の子に変えて侍らせている当の本人が執着するのは一人の青年…。ナニか閃きそうですが、今は無視!

パラダルク、碎輝さんを害そうなど言語道断。彼は我々の仲間であり、無限に成長できるという大きな力があります。これからの戦いで必ず助けになってくれるでしょう。それに、碎輝さんが死んでしまったら……、雨莉ちゃんが曇ってしまうじゃないですか!!
あの可愛い可愛い雨莉ちゃんが曇ってしまうなんて…それはそれで可愛いかもしれませんけど、やっぱり推しに悶えてる姿が一番なんですよね。
だから、雨莉ちゃんと私のために儀式をブッ壊します!
結界術、オーラ防御で防御を固めて見切り、受け流し。先制されようとも耐えきれれば問題無いのです。
UC発動。
パラダルクだけを狙っているように見せつつ、後ろのドラグナーガールを攻撃。あらあら、碎輝さんと同じ竜神である私に出し抜かれていては彼に勝てませんよ?彼はまっすぐ故に強いですからね。アドリブや絡みなど自由にしていただいて大丈夫です。


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

あー、うん。
もうちょい落ち着いてくれるとアタシが安心するよ雨月サン。
まあ推しをどうこうしようって脅威に憤るのは分かるからハッスルしすぎなさんなってーの!?

とにかくやって欲しい事は分かったからさ、
カブに『騎乗』して儀式の会場へ突っ込むよ……
うん、あれメカ少女って奴だろ?
どこぞの戦場でも見たような気がしなくもないよ。

ともかくアタシは相手がどの属性だったとして、まずは『操縦』テクを駆使して逃げ回るだけさ。
その上で反撃とばかりに電撃の『マヒ攻撃』を、当たるを幸い放ちまくる。
そうしてる間にダンス会場にゃ静電が満ちるんでね、
【超感覚領域】でガール達にゃ痺れてもらおうかな!!


エドゥアルト・ルーデル
碎輝狂いは言う事が違うな…

到着すぐに強化ガールがすごい勢いで襲ってくる!防ぐしかあるまい!目の前に緊急【架空兵器】創造展開!なんかいい感じのロボットで受け止めるんだよ!
なんとかなれーッ

それはロボットというにはあまりにも大きすぎた
大きく、分厚く、重く、そして造詣が大雑把すぎた
いや造詣がしっかりするとむしろヤバいんだけどネ!
普段は設定を守ったいい感じのサイズでお出しするんだけど咄嗟だったからな…お出しするサイズ設定を間違えたかもしれん…戦艦内部がギチギチになるぐらい…いやもっとデカいか…?

まあガール達やパなんたらが押し潰されたり儀式のスペースがなくなったりしたから結果オーライでござる…狭い!


馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎

まあ、雨莉殿の気持ちはわかる。
(どうも生前にあった、妻への付きまといを思い出したようだ)
あ、雨莉殿。一回、黒燭炎触っとくか?

さて、強化されたドラグナーガールを見極め。戦闘知識からの第六感で回避していく。
3分間の避けか…!四天霊障での結界を張っておるから、万一はそれを広げ、内部支援の重力属性からの重量攻撃にしてでも避ける!

やることは一つ。パラダルクのやつに攻撃だの。
二回攻撃でUCも使いつつ。『消し炭』のオーダーだからの。
そう…黒燭炎の成長する呪詛と怒りの炎でな!碎輝由来があるが、パラダルクには黙っておく。



 ――パラダルクを消し炭にしてきて欲しい。自分達を送り出したグリモア猟兵の願いを思い出し、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)はどこか遠い目で呟いた。
「碎輝狂いは言う事が違うな……」
 うん、まあ、ちょっと殺意高すぎるよね。アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)は、そんな物騒な願いにも、
「ほほほ、碎輝さんが推しですのね」
 なんて、優雅に笑っているが。さすがデビルキングワールド制覇を目指す女帝は格が違う。一方、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はこめかみを押さえてやれやれと首を振った。
「あー、うん。もうちょい落ち着いてくれるとアタシが安心するよ雨月サン。まあ推しをどうこうしようって脅威に憤るのは分かるからハッスルしすぎなさんなってーの!?」
「まあ、雨莉殿の気持ちはわかる」
 多喜の肩を叩き、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は頷いた。四人で一人の複合型悪霊である彼の、今の人格は第三『侵す者』。武の天才である彼は、パラダルクの碎輝への執着を見て、どうも生前にあった、妻への付きまといを思い出したようだ。大切な人が害されるかもしれない恐怖や憤りは痛いほど理解できる。雨莉殿のためにも、あの魔王を倒さねばな、と義透は真っ直ぐにパラダルクを見据えた。
 執着、といえば。豊水・晶(流れ揺蕩う水晶・f31057)は、ふと考え込んだ。
「万物を女の子に変えて侍らせている当の本人が執着するのは一人の青年……。ナニか閃きそうですが、今は無視!」
 そう言われると、書いてる人もナニか閃いてしまいそうなんですが無視無視! 思考を意識の下に押し込め、晶はビシリと、踊るドラグナーガール達の前に悠然と立つパラダルクに指を突きつけた。その両脇には、白いオリエンタル風の衣装を纏った少女と、同じく黒い衣装を纏った少女がベッタリとくっついている。
「パラダルク、碎輝さんを害そうなど言語道断。彼は我々の仲間であり、無限に成長できるという大きな力があります。これからの戦いで必ず助けになってくれるでしょう」
「……ほう? どうも、君達は彼を知っているようだね?」
 初老の男性の姿をしたパラダルクは、興味深そうに片眉を上げた。
「僕が捜している碎輝と、同一存在なのかは分からないけれど……そうか、彼が『仲間』とはね……」
 意味深なことを呟く彼に首を傾げつつ、晶は続ける。
「それに、碎輝さんが死んでしまったら……、雨莉ちゃんが曇ってしまうじゃないですか!」
 ……雨莉? さすがにその名には聞き覚えがなく、首を捻っているパラダルクを尻目に、晶は自らの体をかき抱いた。
「あの可愛い可愛い雨莉ちゃんが曇ってしまうなんて……それはそれで可愛いかもしれませんけど、やっぱり推しに悶えてる姿が一番なんですよね。だから、雨莉ちゃんと私のために儀式をブッ壊します!」
 パラダルク無視で自己完結した晶が拳を握る。今の、当の本人が聞いてたら「俺のどこが可愛いんすか!?」って、顔覆って真っ赤になってるだろうなあ。というのはともかく。アルテミシアも頷いた。
「ええ、完全撃破は難しいみたいですが、とりあえずは碎輝さんを探す儀式は潰しておきましょう!」
「そうね。しっかし、うーんまさかの召喚魔王も推し活とは……」
 世の中分かんないわ、と月夜・玲(頂の探究者・f01605)は首を振った。
「……君達が言う、『推し』っていうのはよく分からないけれど。心外だなあ、僕は、僕を殺した仇敵を捜しているだけなのに」
 肩をすくめるパラダルクに、玲はきょとんとしてみせる。
「違う? まあ似たようなもんっしょ」
 大分違うと思うが。兎も角、と玲はため息をついた。
「自分でハーレム作れるんだから、それで我慢しててくれたら良いのに……ま、行き止まりは殴り抜けるのが猟兵。魔王の推し活、邪魔させて貰おうかな」
 スラリと《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀する玲。ヒース・アーベル(胡散臭い掃除屋・f35538)も懐からダガーを取り出しつつ、相槌を打った。
「倒すか、儀式の妨害か……まぁ、なんとかやりようがありそうですね」
 次々に武器を構える猟兵達に、パラダルクはわざとらしく両手を広げる。
「いやあ、参ったなあ……どうしても、僕を見逃してもらう訳にはいかないのかい? なら……仕方ないね。行くよ、僕のドラグナーガール達」
 スッと掌を掲げ――。
「ちょっと待ってっ!」
 蛇塚・レモン(白き蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)が大声で叫ぶ。ピタリと動きが止まった。
「……何用かな?」
「あたいは碎輝君の居場所を知ってるよっ! 情報が欲しいなら攻撃を止めてほしいなっ!? 21回も碎輝君とバトッたあたいが言うから間違いないねっ!」
「……21回も戦った? 興味深いね。話を聞こうじゃないか」
 掲げた掌を下ろし、パラダルクは腕を組む。
「……この僕を殺した碎輝とそんなに戦って無事とは、信じがたい……やはり、僕が捜している碎輝とは別物なのか……いや……猟兵が特別頑丈だという可能性もなくはない……あるいは弱体化した? ……分からない……とりあえず、話を聞いてから判断しても遅くはない、か」
 などと、ぶつぶつ呟きながら。レモンは密かに拳を握った。彼女には勝算があった。時間すら操るという彼の力をもってしても、碎輝の居場所や情報を掴めていない。つまり、魔王はこの誘いに必ず乗る! すぅっと息を吸い、レモンは話し始めた。
「……んで、肝心の情報だけど」
「ふむふむ」
 身を乗り出して聞いている彼に、心の中でガッツポーズしながら、レモンは続ける。
「とある女性猟兵が、碎輝に一目惚れしてるんだよねー」
 一発目から、微妙にズレた情報だ。雨莉は、あくまで碎輝が『推し』なだけであって、彼に惚れているわけではない。彼女の恋愛対象は女性だ(ステシ参照)。しかし、あえてズレた情報を提示することで、彼を翻弄する。
「……それが、さっき話に出てきた雨莉って子かい? その子が、彼と一緒にいると?」
「ああ、それが、彼女、碎輝に惚れてるわりに認知されたくないって引きこもってるから、彼女も彼の居場所知らないんだよねー」
 パラダルクはズッコケた。彼女が認知されたくないと引きこもっている部分だけは事実だが。彼にとっては、「じゃなんで話したの」という話だろう。だが、それで彼を苛立たせ、正常な判断力を失わせることこそ、レモンの目的。これぞ兵法『混水摸魚』。彼女はさらに続けた。
「ごめんごめん、今のはあんまり関係ない話だったねっ! 本題に戻るんだけど、彼今力を使い過ぎて、ショタ化しちゃってるんだよねー。だから、戦ってもあんまり意味ないっていうかー」
 一部は本当で、一部は嘘だ。小学生形態となった碎輝も、いずれは『成長』して元に戻る。だから戦って無意味ということもないのだが。先ほどからのズレた話題に、次第にイライラして。指先で組んだ腕を叩いていたパラダルクが、深いため息をついた。
「……分かった、もういい。何が本当かは、僕が碎輝をこの目で捜し出して見極める。おいで、僕のドラグナーガール達」
 パラダルクが指を鳴らす、その瞬間に無数のドラグナーガールがガルベリオン内部に出現した。
「あっ……」
 しまった、引っ張りすぎたかとレモンは唇を噛む。微妙にズレた情報で彼を苛立たせ、他の猟兵が攻撃を仕掛けられる好機を生む作戦だったが、しびれを切らした彼に先手を取られてしまった。さすがは異世界の魔王、一筋縄ではいかない。それでも。
「いい時間稼ぎになりましたわ。ナイス作戦ですわよ」
 アルテミシアが励まし、この問答の時間に溜めた雷属性の全力魔法で、召喚されガルベリオン鋼の機械兵器を生やしたドラグナーガール達に超雷嵐を落とす。迸る電撃に、生やした機械兵器は次々に煙を上げた。それでも主の命令に従い、果敢に向かってくる彼女達の攻撃は、第六感でもって見切り、黄金の『クロノスの大鎌』で払い、回避して凌いだ。玲もまた、天候操作で艦内の空気を操作し、ドラグナーガール達の進行方向に強烈な向かい風を発生させる。与えられた飛翔能力で、飛んでこちらに向かってきていた少女達は風に煽られ、思うように進めない。
「まだまだいくよ!」
 玲は更に、その向かい風に斬撃波を追加! 風に交ざって飛んでくる斬撃波に、ドラグナーガール達の装備は斬り裂かれる。耐えきれず、何人かの少女は風に吹き飛ばされた。生やした機械兵器による砲撃も、アルテミシアの超雷嵐で性能が低下している上、オーラ防御で盾を前面に展開している彼女には届かない。この隙に、と玲はユーベルコード、【ソード・ファントム】を起動させた。
「見えざる刃に切り刻まれてみる?」
 後方で踊るドラグナーガールに、《RE》IncarnationとBlue Birdの剣先を向ける玲。ただ遠方から剣先を向けられただけ、それなのに次の瞬間、踊るドラグナーガールの服も肌も斬り裂かれた。不可視の斬撃によって斬られたドラグナーガールが倒れ込む。その隙を狙い、多喜は宇宙カブJD-1725に騎乗して、踊るドラグナーガールの群れに突っ込んだ。やって欲しいことは分かった、要するに碎輝を捜す儀式をぶっ壊せばいい。当然、そうはさせまいとガルベリオン鋼の機械兵器を生やしたドラグナーガールが躍りながら攻撃を仕掛けてくるが、
「うん、あれメカ少女って奴だろ? どこぞの戦場でも見たような気がしなくもないよ」
 などと呟きつつ、操縦テクを駆使してカブを操り、ひたすら逃げ回る。ただ逃げるだけじゃない。反撃とばかりに電撃のマヒ攻撃を、当たれば幸いとばかりに放ちまくる。幾人かのドラグナーガール、機械兵器を生やしたものもそうでないものもが、それに当たって暫し動きを止めた。ただ、多喜の目的はそれじゃない。真の目的は――……。
 電撃から逃れたドラグナーガールが、多喜に向かって、敵意のこもった瞳で機械兵器から銃弾を放つ。それを待っていた。華麗な操作で銃弾をかわした多喜は、死角から迸る電撃を放つ。やたらめったら電撃を放ったおかげで、周囲には静電が満ちている。そこにさらに電撃を放てば……静電が反応して、敵意を向けた対象だけでなく、連鎖して、全体に電撃が走る!
「碎輝に目を付けたのがアンタらの運の尽きさ! 痺れてもらうよ!」
 電撃をくらったドラグナーガール達は、まともに踊ることができない。多喜の言葉通りに痺れ、足がもつれて倒れ込む。それを見ていたパラダルクは、ほぅ、と感嘆の息を漏らし、ぱち、ぱちと手を叩いた。
「やるねぇ、さすが僕の元まで辿り着いただけあるよ。じゃあ、これはどうかな?」
 そう言うと、彼は残ったドラグナーガール達と連携し……何やら呪文を唱え始める。何が始まったのか。注意深く見極めようとしたヒースの精神に、自身を支配しようとする、強烈なパラダルクの思念が襲いかかった。
「う……」
 攻撃が当たらないよう、うまく立ち回っていた彼だが、さすがに精神支配魔術という目に見えない攻撃を防ぎきることは難しい。ヒースの脳内に、ガンガンと『僕に従え』というパラダルクの声が響き渡る。ふらつく足。片手で頭を押さえ、苦悶の表情を浮かべ……たのは一瞬。すぐにいつもの表情に戻る。予め、魔術によるオーラ防御を展開していなければ危なかったかもしれない。なんとか耐えきった彼は、
「……やってくれましたね。お返しに、しばらく迷っていてください」
 と戦場全体に魔術による濃霧を発生させる。視界を閉ざされ、狼狽えるドラグナーガール達、そしてパラダルクに、さらに痺れを伴う毒が襲い掛かった。しかし、その霧は猟兵達の視界を奪うことはなく、むしろ体力や傷を回復させる。こちらだけ明瞭な視界には、う~んと困ったように苦笑いを浮かべるパラダルクがはっきりと映っていた。
「困ったねぇ、これじゃ君達がどこにいるのか、よく分からないよ。……ああ、でもあれなら、この霧の中でもなんとかなるかな?」
 ポンと手を叩いた彼が、自身の傍にいたドラグナーガール一体に「頼んだよ」と囁き、その背中を軽く叩く。瞬間、彼女は目にも止まらぬスピードで駈け出した。速い! ヒースが発生させた霧のせいで迷い、あっちこっちぶつかってはいるが速い。何らかの強化を施されたとしか思えない。霧の中から、どうにか猟兵達の姿を見つけ出した彼女はすかさず飛び掛かってきた。義透はそれを、戦闘知識からの第六感で回避していく。この強化にも時間制限はあるはず、それまで避けきれれば……! だが、強化された状態での猛攻を凌ぎ続けるにも限界がある。やむを得ず、義透は四天霊障で張っていた結界を広げ、内部支援の重力属性からの重量攻撃にして避けきった。重量攻撃に押しつぶされそうになった彼女はすかさず標的を変え、今度は晶に向かってくる。慌てず騒がず、晶は結界術とオーラ防御で防御を固め、見切り、受け流した。さながら、流れる水の如く。先制されようと、耐えきれれば問題無い。涼しい顔で受け流す彼女に、このまま攻撃していても無駄だと悟ったのか。強化ドラグナーガールはさっさと見切りをつけ、エドゥアルトに襲い掛かってきた。何しろ、この強化には時間制限がある。焦るのも当然。すごい勢いで襲ってきた少女に、エドゥアルトは慌てふためいた。
「ど、どうする!? って防ぐしかあるまい! 出でよ、なんかいい感じのロボット―!!」
 目の前に緊急【架空兵器】創造展開! なんとかなれーッ! っという彼の気合いと願いによる想像から生み出されたそれは、ロボットというにはあまりにも大きすぎた。大きく、分厚く、重く、そして造詣が大雑把すぎた。いや、造詣がしっかりするとむしろヤバいんだが(著作権的に)。普段は設定(設定って言っちゃったよ)を守ったいい感じのサイズでお出しするんだが、咄嗟のことでサイズ設定を間違えたかもしれない。具体的には、戦艦内部がギチギチになるぐらい……いや、もっとデカいか……? とにかく、
「……狭い!」
 そう、出した当人がぺしゃんこになって呻くぐらいには狭かった。だが、おかげで襲ってきた強化ドラグナーガールも、他のドラグナーガールも、もちろんパラダルクも押し潰され、儀式のために踊るスペースもなくなったりしたから結果オーライだ。ただ、一つ問題があるとすれば。
「……あの、苦しいんだが」
 オーガスト・メルト(竜喰らいの末裔・f03147)がロボットの下からツッコむ。そう、一つ問題があるとすれば、味方まで巻き込んでしまうことだった。尤も、ヒースの展開した霧のおかげでノーダメージだが。
「ごめんね☆」
 てへぺろ☆ と舌を出した黒ヒゲがそそくさとユーベルコードを解除し、巨大すぎるロボットの姿はかき消えた。やれやれ、と埃をはたいて立ち上がったオーガストは、改めてドラグナーガール達を見やる。
「ドラグナー……一応、こいつらも竜か? とはいえ人型のやつから素材を狩るつもりはないが……」
 しげしげと興味深そうに眺める彼は、祖先の倒した竜の遺物を様々な武具に加工する技術を持つ。実際、彼の持つアイテムのいくつかはそれで作られたものだ。しかしもちろん、仮にも人型をしたものから素材をとる趣味はないが。ともあれ。エドゥアルトの架空兵器に押し潰されてなお、必死に向かってくる強化ドラグナーガールを見据え、オーガストはドラゴンランス【デイズ】と竜核二輪乗騎【ナイツ】に指示を出した。
「デイズ、ナイツ、竜鱗飛甲を召喚して操作を頼む」
 『うきゅー』『うにゃー』と返事した、ヘンテコ白竜饅頭とヘンテコ黒大福(かわいい)が、陰陽二枚の夫婦盾を召喚し、強大な竜気の壁を展開する。それを盾に焔迅刀を構え、徒歩で接敵する彼に、強化ドラグナーガールの威力を増した攻撃が襲い掛かった。見切り、それでも避け切れない攻撃はデイズとナイツが操作する竜鱗飛甲で盾受けして受け流し。凌ぎぎったオーガストは、再びデイズに指示を出した。
「デイズ、呑竜咆哮で『ドラグナーガール達』を焼却しろ。前線のやつも後方で儀式してるのもまとめてだ」
『うきゅるるる!』
 一声鳴いたデイズは、再び儀式を行うべく踊っているドラグナーガール達にも、前線で猟兵と戦うドラグナーガールにも、等しく視線を向ける。それだけで、彼女達は全てを焼却する炎嵐に包まれた。竜王の炎に燃やせぬものはない。燃やされ、さらに時間経過により可能性を使い果たした強化ドラグナーガールがへたり込む。
「――ああ、この子はもうダメだね」
 平然と言ったパラダルクが指を鳴らす、その瞬間に彼女の体はボロボロと崩れ落ちた。それを見たオーガストは、怒りに拳を震わせる。
「……僕のドラグナーガール、とか言いながら、結局は使い捨てか……!」
「そうだねぇ、だって僕は、万物を女の子(ドラグナーガール)に変えられるから。いくらでも生み出せるし、一体くらい別に」
 何が悪いのかい? と言い放った彼に、オーガストの怒りは頂点に達した。独自の騎士道を重んじ、デイズ、ナイツ、それに蜘蛛ロボ【グローム】を供にして共に戦う彼にとって、ドラグナーガールを使い捨てる彼の戦闘方法は到底受け入れられるものではない。ダッシュで一気に距離を詰め、抜刀術の2回攻撃で斬る!
「使い魔を使い捨てるスタイルは気に入らん! 力を借りる相手には敬意を払え!」
「おお、怖い怖い……そんなに熱くならないでおくれよ」
 おどけるように言いながら、2回も斬られたパラダルクの体は大きくふらつく。その隙を見逃さず、義透はすかさず黒燭炎で2回、続けざまにその体を穿った。穿たれた箇所はユーベルコード、四天境地・『狼』(シテンキョウチ・オオカミ)により破壊され、黒燭炎の成長する呪詛と怒りの炎で燃え上がる。
「『消し炭』のオーダーだからの」
 グリモア猟兵の願いを忘れてはいない。オーダー通りに燃やした彼は、黒燭炎を引き抜き、この炎の由来に思いを馳せた。そう、この槍は成長電流により一度は砕けたもの。槍が纏う成長する炎は、元は碎輝由来のものだ。しかし、パラダルクには黙っておいた。
「……ッ! さすがに、これは痛いね……お返しが必要かな?」
 顔をしかめた彼が、オーガストと義透を睨みつけ……その足元に、ヒースの投げたダガーが突き刺さる。
「私の事を忘れてもらっては困りますね」
 突き刺さったダガーの呪文を発動させ、炎、氷、電流を浴びせるヒース。その攻撃に、パラダルクの注意はこちらに向いた。
「……そうだね、君のことも、忘れちゃいけないよね。精神支配、できなかったし」
 今度こそは、とパラダルクは再び残りのドラグナーガール達と連携し、ヒースを精神支配魔術で攻撃する。たとえ霧で視界を閉ざされていても、一度攻撃が(一応)命中したヒースの動きや使用ユーベルコードは覚えており、命中力も威力も上がっている。だが、こちらとてそう何度も同じ手はくわない。霧に紛れ、攻撃を凌ぎきった彼は、そうそう、と口を開いた。
「私の事を忘れてもらっては困りますが……私だけ見ていたら、足元掬われますよ」
「その通りです!」
 頷いた晶が、豊泉晶場宝楔から細かい水晶片を含んだ純水を放つ。それは真っ直ぐにパラダルクに向かい……しまったと慌ててドラグナーガールを召喚する彼を素通りして、度重なる攻撃にもめげずに、儀式のために踊り続ける後方のドラグナーガール達を穿った。晶の狙いは最初からこれだ。パラダルクを倒せずとも、踊るドラグナーガール達を倒せれば、目的は達成できるのだから。ドラグナーガール達の悲鳴に振り向き、晶の意図に気付いたパラダルクが肩をすくめる。
「……狙いは僕じゃなくて、儀式を行うドラグナーガールか……してやられたね」
「あらあら、碎輝さんと同じ竜神である私に出し抜かれていては彼に勝てませんよ? 彼はまっすぐ故に強いですからね」
 くすくす笑う晶に、
「その彼の居場所を知りたくて儀式を行っているんだけどね」
 パラダルクは冗談めいた口調で言う。――しかし、その目は笑っていない。
「それなら蛇神様が知ってるよっ! 今、召喚するねっ!」
 レモンがすかさず巨大な白き蛇神を召喚する。無論、その言葉を鵜吞みにするパラダルクではない。ないが、またかと胡乱な目を向けたのが運の尽きだった。蛇睨みで放たれた破壊念動波と呪詛が、パラダルクとドラグナーガール達を襲う。それに捕らわれ、縛られ。気づけば身動きがとれなくなっていた。ユーベルコードも発動できない。
「……しまった」
 パラダルクが唇を噛む。どうせ不確かな情報しか言わない奴だと侮ったのが仇になった。当初思い描いた流れとは違うが、レモンの作戦は確かに実を結んだのだ。見事逆転を果たした彼女は、意気揚々と指を天に突き上げる。
「これで魔王の身動きと異能は封殺! あとは皆で儀式場破壊と魔王を袋叩きだよっ!」
「お見事です。お手柄ですわね」
 称賛するアルテミシアが、時は満ちたと【氷獄の魔帝(サタン)】で、真の姿である六対十二枚の翼を持つ熾天使に変身する。
「さあ、審判の時です」
 神々しい姿で、スッと掲げた掌から、無限の魔力が迸る。無限は字義通り限りが無いこと。故にその力が損なわれることはありえない。その無限のパワーでもって、実験戦艦ごと破壊する勢いで魔力爆発を起こす! 盛大な爆炎と爆風に包まれる艦内。この威力、パラダルクはどうなるか分からないが、少なくともドラグナーガール達は耐えられないだろう。ヒースのユーベルコードのおかげで、猟兵達は無傷だが……固唾を飲んで見守る猟兵達の前で、次第に爆発の煙が晴れていく。煙が晴れるにつれて、爆発後の艦内の様子が段々と明らかになってきた。やはりというか、儀式で踊っていたドラグナーガール達は、一人残らず真っ黒になって床に倒れ伏していた。では、パラダルクは……?
 その時、漂う煙の中から、むくりと一つの影が起き上がった。
「いやぁ、参った参った……強いねぇ、君達。すっかりやられちゃったよ」
 頭を掻きながら笑う彼――パラダルクの、オリエンタル風の衣装は、爆発の余波ですっかりボロボロになっていた。しかし、そこから覗く彼の体には……先ほど猟兵がつけた傷を除いては、あの爆発の威力にも関わらず、ほとんど傷がついていない。その事実に、彼が『超強敵』であることを否が応でも思い知らされ、猟兵達は戦慄した。
 すっかり倒され尽くしたドラグナーガール達を見やり、パラダルクはやれやれと肩をすくめる。
「……これじゃ儀式は続けられないね。仕方ない、ここは一旦引こうか。また会おう、六番目の猟兵達よ」
 両脇に『アンヘルブラック』のドラグナーガールと、『ディアブロホワイト』のドラグナーガールを抱え、翼を広げて飛び去っていくパラダルク。
 退けることには成功したが……新たな戦いの始まりを、猟兵達は予感するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月16日


挿絵イラスト