7thKING WAR㉓~絢爛舞踏アンヘルブラック
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「おう、来てくれてありがとうよ、「7thKING WAR」において新たに確認された「異世界の魔王」パラダルクについて予知できたぜ」
忌塚・御門(RAIMEI・f03484)は、見るものが見ればいつも通りに目の下にべっとりと隈を張り付け、シニカルな笑みを浮かべて自らの呼びかけに応えた猟兵たちにそう言った。
「スペースシップワールドでの戦争、銀河帝国攻略戦を覚えてる奴ァいるか? まあ、その頃にいなかった奴がいたとしても問題はねぇ話なんだがな。問題があるとすれば、その時にあった「実験戦艦ガルベリオン」と同一艦がデビルキングワールドにある、っつーことなんだわ」
魔王ガチデビルが特級契約書によって呼び寄せた異世界の魔王、「召喚魔王パラダルク」は、その艦内に存在し、何らかの儀式を行っているようだと御門は言う。
「まあ、魔王パラダルクを倒せば儀式も止まるだろうよ。問題なのは、パラダルクは……何だろうなこのふざけた能力、「万物を女の子に変えるユーベルコード」を持ってるってことだ」
意味わかるか? と御門はキレ笑いを浮かべる。つまり彼の言うところによれば、自然現象、猟兵の攻撃、ユーベルコード、果ては時間さえも「女の子」――ドラグナーガールという名前がついているらしいが――に変え、操ってしまうのだという。
「つまりこっちの攻撃はほぼほぼ通らねえ。【超強力】な敵だ。メタなことを言うぜ? 奴の戦力をゼロにしたところで、完全な撃破は難しいってこった」
だが、それでも。魔王パラダルクを攻略する方法は存在すると、御門は言った。
「魔王パラダルクの後ろで「儀式の舞い」を踊るドラグナーガールたちを倒して儀式を阻止すること。それでもまあ、攻略したことにはなる。何せこの戦争は「7thKING WAR」だ。儀式を阻止すりゃまあ、何とかなるって考えて良いぜ」
攻撃も武器もユーベルコードも自然現象も時間さえもドラグナーガールに変えて操るという魔王だ。まともにやりあうだけ損だ、と御門は捨て鉢気味に言う。
「だから、倒すべきは儀式の舞を踊ってるドラグナーガールの方だ。ちなみに今から行ってもらいてぇのは、過去の属性をドラグナーガール化した「アンヘルブラック」の力を体現した若い姿のパラダルクの所でな、妙なことを言ってきやがるんだわ」
――私の力を知っても向かってくるならば……碎輝と同じくお前達も、私が乗り越えるべき『試練』という事だ!
「碎輝といやあ、カクリヨファンタズムの竜神親分の名前じゃねえかよ、なあ? あの魔王、儀式を成功させたら次はどこに行ってなにをしやがるか、嫌な予感がバチバチにしてくるじゃねえか。……ま、とにかく、だ。」
魔王パラダルク本体を倒すことは難しくとも、儀式を破壊してしまうことは十分に可能だと、グリモア猟兵はそう言って。
「ただし気をつけろよ、魔王パラダルクは必ず先制攻撃を仕掛けてくる。攻撃、ユーベルコード、こちらが使おうとするより絶対に早くだ。とにかくそれだけは避けるなり受け止めるなり、対処してくれや」
万年筆を抜き、空中になにごとか書きつけると、インクは光り輝き転移の門を形作る。
「転移は俺が引き受ける。準備が出来たら、俺に声をかけてくれ」
遊津
遊津です。デビルキングワールドの戦争シナリオをお届けします。
ボス戦一章構成、難易度はやや難となっております。
魔王パラダルクは必ず先制攻撃を行ってきます。先制攻撃に対処を行わない限り、必ず苦戦もしくは失敗になりますのでご注意ください。
当シナリオにはプレイングボーナスが存在します。
※プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する(しない限り必ず苦戦か失敗になる)/踊るドラグナーガール達を倒す。
「戦場について」
実験戦艦ガルベリオンの艦内となります。先ず戦闘開始と同時に眼前に魔王パラダルク、そしてその背後でドラグナーガールたちが儀式の舞を行っています。
戦艦であり内部は広大であるため空中戦も可能ですが、屋内となり太陽の光などは遮られる状態となります。
戦闘を邪魔するようなものはなにもありません。戦場にある何かを利用しようという場合、「使えるものは何でも使う」といった曖昧な表現ではなく、「何を」「どうやって使うか」明記してください。
リプレイ開始時点で既に戦闘は開始されており、何かをあらかじめ準備しておくということは出来ず、何らかの準備行動には戦闘と並行して行うこととなります。
「魔王パラダルクについて」
過去属性(アンヘルブラック)の力を体現した「若い姿のパラダルク」は、必ず先制攻撃をしてきます。
倒すか、儀式を破壊して撤退させれば勝利です。
ただしパラダルクは万物万象の全て、おおよそ考え付くすべての攻撃とユーベルコード、アイテムなどもドラグナーガールに変えて操ってしまうため、魔王パラダルクを倒すことはほぼ不可能です。ドラグナーガールを倒して儀式を破壊する方が賢明でしょう。
すなわち注意すべきは先制攻撃となり、そのあとはパラダルクは放ってドラグナーガールを攻撃する方向で構いません。
先制攻撃に対処しないと苦戦もしくは失敗となります、ご注意ください。
当シナリオのプレイング受付開始は5/11(水)朝8:31からとなります。
シナリオ公開の時間によっては上記タグ・マスターページにプレイング受付中の文字が出ていないことがありますが、その状態でもプレイングを送ってくださってかまいません。
採用できないプレイングの内容など、諸注意はマスターページに書いてありますので、必ずマスターページを一読の上、プレイングを送信してください。
また、送られてきたプレイングの数によっては全員採用をお約束できない場合がございますので、あらかじめご了承ください。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『召喚魔王『パラダルク』アンヘルブラック』
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POW : パスト・ガールズ
レベルm半径内を【ドラグナーガールの大軍】で覆い、[ドラグナーガールの大軍]に触れた敵から【ユーベルコードの使い方の記憶】を吸収する。
SPD : リピートコード
【戦場内のドラグナーガールのいずれか】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、戦場内のドラグナーガールのいずれかから何度でも発動できる。
WIZ : パラダルク・パラダイム
【水光土火樹薬風毒氷闇の十属性】によって【ドラグナーガールの軍勢】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。
イラスト:モツ煮缶
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アルテミシア・アガメムノン
倒せないとは厄介な敵だこと!
ですが戦場に出てきた以上、無事に帰れるとは思わないことです。
具体的に言うと貴方の望みの儀式、打ち砕かさせてもらいますわ!
先制対策
敵POWUCで強化されたドラグナーガールさん相手に背中の光翼(『アルテミシアの翼』)から魔力弾を乱舞、弾幕を張りつつ攻撃を見切り(第六感×見切り)、『クロノスの大鎌』で防ぐ、あるいは回避です。
初撃を凌いだら反撃です。『明星の栄光』を発動して無限の魔力で高まった戦闘力(魔力)を凝縮して解放!
艦内全体に超高温の炎熱地獄を現出して踊るドラグナーガールたちをこんがり焼きましょう!(属性攻撃:灼熱×全力魔法)
解放と同時に離脱。 それではまたどこかで!
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「はあ……。倒せないとは、厄介な敵だこと!」
アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)は自らの前に襲い来る無数のドラグナーガールの軍団を前にして、肩を竦めながら――不敵に微笑んだ。
ドラグナーガールたちの軍勢、彼女たちのどれか一体にでも触れられてしまえば、ユーベルコードを、正確にはその「使い方の記憶」を吸収されてしまう。この眼前にせまるドラグナーガールたち相手に? 無茶だ。それでも、無茶などアルテミシアにはお手の物。
万物をドラグナーガールに変える魔王パラダルクがなんだ。アルテミシアは女帝だ。世界征服(ワル)を標榜して悪魔臣民たちの支持を得る魔王国の王、言ってしまえばアルテミシアだって魔王みたいなもの、いや、もう魔王と言ってしまっていいのでは!?
「ふっ……ですが戦場に出てきた以上、無事に帰れるとは思わないことです……。具体的に言えば!」
びしっ!とアルテミシアは指をさす。その人差し指はまっすぐに魔王パラダルクの向こう――パラダルクの後ろで儀式の舞を踊り続けているドラグナーガールたちに向けられていた。
「貴方の望みの儀式、打ち砕かせてもらいますわ!」
アルテミシアは押し寄せるドラグナーガールたちの軍勢相手に、背中の光翼「アルテミシアの翼」から羽根型の魔力弾を乱舞させ、弾幕を張る。黄金の翼、そのひとひらに触れたドラグナーガールは瞬時にして蒸発し消滅した。それでも襲い掛かってくるドラグナーガールたちの一挙手一投足を見切って避け、手にした「クロノスの大鎌」を振るってその手が近づくのを防ぐ。
「さあ、ここからは反撃のお時間!わたくしのターンですわよ!」
勿論、パラダルクに愚直にも正面から挑むような愚策を冒すアルテミシアではない。万物全て、猟兵の攻撃、武器、ユーベルコードの、果ては時間までもをドラグナーガールに変えるパラダルクに関わり合うのはもはや無意味というもの。アルテミシアの全身が【明星の栄光(ルキフェル)】による光り輝くオーラで覆われる。彼女の持つ無限の魔力、それを根源としてアルテミシアの肉体、戦闘能力は増強され、時速12500キロメートルに及ぶ飛翔速度を得ている。時速12500キロメートル。UDCアースの地球がおよそ外周4万キロメートルなので、三時間とちょっと翔べがUDCアースの地球一周出来てしまう速度である。ふざけている。
その速度でパラダルクを走り抜くと、アルテミシアは高められた魔力を手の中に凝縮し、そして灼熱の炎として解放する!実験戦艦ガルベリオンの艦内に超高温の炎熱地獄が現出される。踊りながらも焼き焦がされていくドラグナーガールたち。
「ふふっ、それでは、またどこかで!」
ドラグナーガールたちが焼け焦げるのを確認するまでもなく、アルテミシアはガルべりオンから離脱し、時速12500キロメートルの速度で遠ざかって行った。
大成功
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シホ・イオア
倒せないから邪魔をする作戦だね。
数が多いから大変そうだなぁ。
軍勢の発生も回復も防ぐ手段はないからそれを利用できないかな?
UCの詠唱をしつつ残像と空中戦を駆使して回避重視で敵軍勢に突入。
小さな体を生かして敵を盾に弾幕と制圧射撃で暴れまわる。
まあ、回復されちゃってるし再行動で攻撃が激しくなるんだけど
敵を引き付けるには好都合。
盾が増えるよ!
狙いは儀式を行っている娘達なんだけどできるだけ
多くを巻き込むようにUC発動!
『恋に浮かれ、愛に溺れる者を断つ! 名付けて恋愛破断剣!』
体は回復できても精神への攻撃はどうかな?
長居は不利なのでUCを放ったら離脱。
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「倒せないから邪魔をする作戦、だねっ。了解♪」
シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)は実験戦艦ガルベリオン艦内に飛び込んだ。
「来たか六番目の猟兵よ……だが、私に傷一つつけることは叶わないと知れ!」
魔王パラダルクはシホを目にしても余裕の笑みを崩さない。まさに強者の余裕。パラダルクは何もせず――次の瞬間、ドラグナーガールの軍勢が現れる。むべなるかな、ガルベリオン艦内にあるすべての要素、水、光、土、火、樹、薬、風、毒、氷、闇。その十属性がパラダルクにドラグナーガールを発生させる要素だ。この艦内でシホが呼吸をしていられる以上、そこには空気がある、パラダルクを見ることが出来ている以上、そこには光がある。そこからパラダルクはドラグナーガールの軍勢を生み出すことが可能なのだ。
「んん……数が多い!予想してた以上に大変!」
(軍勢の発生もドラグナーガールの回復も防ぐ手段はないから……それを、なんとか利用できないかなあ?)
シホは詠唱をはじめる。シホのユーベルコードは詠唱時間が長ければ長いほど効果が上昇するものだ、故にここからは、余計なことに口を割いている暇は一秒たりともない。全力の力を、ぶつけなければならないのだから。
ドラグナーガールの爪がシホの小さな体を捕えたと思うや否や空を切る、彼女が爪を掛けたのはシホの高速移動による残像だった。空中を飛び回りながら、シホは溢れ出してくる軍勢の中に飛び込む。フェアリーの小さな体を生かして飛び回り、時にはドラグナーガール同士の相討ちに持ち込みながら、マジカルガトリングブーツから魔法弾を射出し、弾幕を張り、制圧射撃を行って暴れまわるが――
(ん、もう!やっぱり回復されちゃう!)
魔王パラダルクのユーベルコードは味方全員の負傷を回復し、再行動させるもの。その味方全員とは「ドラグナーガールの軍勢全て」を指す。いかにシホがドラグナーガールに傷を負わせようとも、そこに光がある限り、そこに風が起こる限り、ドラグナーガールは回復し再行動を行うのだ。
(まあ、敵を引きつけるには好都合!盾が増えるよ!)
回復して再行動をはじめ、再びシホに襲い掛かるドラグナーガールの軍勢の間をすり抜け、さらに弾幕を張って魔法弾をガトリング射出して、そしてシホは一気に魔王パラダルクの頭上を飛び越える!
詠唱は充分にできている。シホは宝石剣エリクシアを手にすると、口を開いて叫んだ。
「――“恋に浮かれ、愛に溺れる者を断つ!……名付けて、恋愛破断剣!”ッ!!」
縁結びと縁切りの属性を持つ三連の斬撃が舞い踊るドラグナーガールたちを断ち切る。
縁結びと縁切りとはすなわち、一太刀目で恋に落ち、二太刀目で愛を知り。そして三太刀目で恋に破れるまでのプロセス。斬られれば永遠に「ぼっち」になるという恐ろしいもの。そして――「ぼっち」になるということは、つまり。
「身体は回復できても、精神への攻撃はどうかなっ!?」
斬られたドラグナーガールは、確かにドラグナーガールかもしれない。けれど「ぼっち」なドラグナーガールとは、「ドラグナーガールの軍勢の一員」ではなくなるということだ。だってそうである、ぼっちなのだから。故に軍勢でなくなったものは、魔王パラダルクの回復の効果範囲には含まれず、再行動も出来ないということ!――恐るべし、恋愛破断剣……!
「長居は不利だからねっ、それじゃあバイバーイ♪」
倒れ込んだドラグナーガールたちを捨て置き、シホはガルベリオンから急ぎ離脱していくのだった。
大成功
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ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!
なんだかとんでもないワルなことを企んでいるようですが
私より目立つワルは邪魔しちゃいます!
早速の先制攻撃ですね!
うぉぉ!私の側に近寄るなぁ!
{ダーティガントレット}で地面を殴って『衝撃波』を起こし
{ゲイザー・パワー}を使った『オーラ防御』で壁を作り
『気合い』と『根性』で接近を防ぎます!
こうしてドラグナーガールさんからの視線で蓄積された魔力を
UC【醜悪!邪王穢澱烙印槍】で一気に解き放ち
オーラを身に纏ったままドラグナーガールさんに突撃します!
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「私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!」
ダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)は魔王パラダルクの前に立ち、指をびしりと突きつける。
「なんだかとんでもないワルなことを企んでいるようですが!!私より目立つワルは邪魔しちゃいます!」
「よくぞここまで来たと称賛しよう、六番目の猟兵よ。だがここは行き止まりだ、他をあたれ。何故ならば、私は『魔王パラダルク』。お前達が私に勝つことは不可能だ」
「ええ、知っていますよあなたの能力!ユーベルコード!私の武器もユーベルコードもすべてすべて女の子に変えるのだとか!」
「ならばそれこそ行き止まりだとわかっているだろう」
「いいえ、いいえ!私は魔王ダーティ!あなたと同じ魔王なんです!ならば!一太刀と言わず、一泡吹かせてやろうというのが魔王魂というもの!」
「……なるほど、私の能力を知って、それでも挑むのならば、お前もまた碎輝と同じく私が乗り越える試練ということだ……!」
魔王パラダルクがそう言い切った瞬間に、ガルベリオンの艦内にドラグナーガールの軍勢が現れる。ドラグナーガールたちはダーティからユーベルコードの使い方の記憶を吸収せんと、その手を伸ばして襲い掛かってくる!
「うぉぉ!私の側に近寄るなぁ!」
自慢の両拳「ダーティガントレット」でもって地面をぶん殴るダーティ。将棋と囲碁では常に最悪手を指すこの手も衝撃波を纏うパンチならばおまかせあれ!巻き起こった衝撃波と「ゲイズ・パワー」の常にダーティを指さす赤紫の矢印マークのオーラによって壁を作り、ドラグナーガールの軍勢に接触されぬようダーティは踏ん張る!気合いと根性で!
――さて、ダーティ・ゲイズコレクターは視線誘導の悪魔である。注目を浴びやすいナイスバディのみならず、視線を集めることに特化したオーラ。例えそれがなくともドラグナーガールたちの軍勢はダーティからユーベルコードの使い方の記憶を奪おうと、ダーティだけを見つめている。一軍勢が、ただひとりダーティだけを、見つめている!
視線の力は蓄積される。大きな赤紫色の矢印の姿をしたオーラはまさに「こっちを見ろ」と言わんばかりにダーティを指している。そしてダーティは、ついに自らのユーベルコードを発動させる。
「邪なる王に潜む悍ましき穢れの澱よ!烙印刻む矛と成れ!」
【醜悪!邪王穢澱烙印槍(ジャオウアイデンラクインソウ)】!!ものすごくワルい名前だカッコイイ!!ドラグナーガールたちの軍勢のみならず、魔王パラダルクとてダーティを無視できるはずもない。敵対者の視線を一身に集め、集め、集め、そして解き放った力は、ダーティに時速12300キロメートルで飛翔させる力を与える。三時間とちょっとでUDCアースの地球を一周できる速度である。インフレが凄いんだよなあ。
飛翔力だけではない、戦闘力も格段に上昇している。ダーティはその恐るべき速度で魔王パラダルクへと突進し――
「来るか、六番目の猟兵――……!?」
その脇を一心不乱にすり抜けた!
「言いましたよね!邪魔しちゃいますって!!戦うとは、一言も言ってませんよーだ!!」
叫びながらダーティは赤紫色の矢印オーラを纏ったまま、儀式の舞を踊るドラグナーガールたちに突撃する。
蓄積された力を解き放ったダーティの体当たりを喰らったドラグナーガールたちは吹き飛ばされ、再起不能となる。そのままダーティは時速12300キロメートルでガルベリオンから離脱する。巨大な赤紫色の矢印が、ガルベリオンから遠ざかっていくのであった。
大成功
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月夜・玲
倒せない敵…ね
また長いお付き合いになるのかな?
ま、変な儀式は止めて貰おうかな
《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
大軍相手ってのは厄介だけど…ま、斬り合うだけだね
近寄ってくるドラグナーガールは『なぎ払い』『串刺し』にして対処していこう
時折『斬撃波』も混ぜて、『吹き飛ばし』てむやみに触られないようしよう
防御もなるべく『オーラ防御』で生成したオーラの盾で直接触れられないよう対処
けど、念には念を入れて使い方を記憶されても左程問題無い奴を使おうかな
さあ、反撃開始だよ
【アームデバイス起動】
外装部分転送、副腕展開
後は其処らの敵を捕まえて踊るドラグナーガールに投げ付けて儀式の邪魔をしよう!
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「倒せない敵……ね」
月夜・玲(頂の探究者・f01605)は魔王パラダルクを前にして独り言ちる。猟兵たちが最初に経験した戦争、スペースシップワールドでの銀河帝国攻略戦を実際に知る玲だ。グリモア猟兵によって「今は倒すことが出来ない」と言われた敵と出会うのは初めてではない。
(また、長いお付き合いになるのかな?)
玲の胸中など知らず、過去属性の若き姿の魔王パラダルクは玲の独り言を自らに向けられたものだと思ったようだ。
「そうだ、私は魔王パラダルク。故にお前たちが私に勝つことは不可能だ。ここは行き止まりだ、他を当たれ」
「……悪いけど、そういうわけにはいかなくてさ。ま、変な儀式は止めて貰おうかな」
そういうと玲は「《RE》Incarnation」そして「Blue Bird」の二振りを抜く。それは彼女特性のガジェット「System[Imitation sacred treasure]」を利用した兵器の一つ。模造神器という名の指す通り、UDCの力の再現を目指す兵器だ。
彼女が抜刀したのに反応して、魔王パラダルクの周囲にドラグナーガールの軍勢が現れる。
ドラグナーガールたちは玲からユーベルコードの使い方の記憶を吸いださんと迫る。その手に触れられれば、玲の持つユーベルコード、その使い方の記憶は吸収され、彼女たちにも使えるようになってしまうだろう。
「大軍相手ってのは厄介だけど……ま、斬り合うだけだしね!」
玲の剣捌きは見事であった。近づくドラグナーガールに触れられぬようにしながら、二振りの刃でもって薙ぎ払い、貫く。その斬撃から衝撃波を噴き出してドラグナーガールを吹き飛ばし、無闇に近寄らせないように牽制しつつ、その指を斬り落とす。これまでの戦いを走り抜けてきた玲は手練れと呼んでいい。その練度だけでなく、様々な技術を高いレベルで有している。並の猟兵がこの域に達しようとするならば、ユーベルコードを用いるしかない高いレベルの技術を複数素の状態で習得しているのだ。雑に刃を振ったように見せて、そのひと振りで幾人ものドラグナーガールが薙ぎ払われ地に伏せる。
防御技術も至高の状態と呼んでいい。全身から吹き上がるオーラを束ねて生成した盾で直接触れられないように立ち回り、そうしながら頭の中では使用するユーベルコードを厳選する。
(これだけやれば触れるのは難しいと思うけど……念には念を入れて、使い方を記憶されても左程問題ない奴を使おうかな)
「さあ、反撃開始だよ。……“デバイス転送。動力直結。攻勢用外部ユニット、起動完了”」
外装部分を転送し、副腕を展開する。それは彼女の真の姿の限定起動。副腕だけを装着し、そしてその副腕で、玲は今まで戦っていたドラグナーガールを掴み上げる。
副腕は1トンまでの対象の掴める部分を掴んで持ち上げる。持てるだけのドラグナーガールを持ち上げると、彼女たちが抵抗するのにも構わず振り回して儀式の舞を踊るドラグナーガールたちに向かって投げつける!!
ドラグナーガールでもってドラグナーガールを制す。次々とドラグナーガールをちぎっては文字通り投げていく玲。弾丸となるドラグナーガールなら幾らでもいる。否、魔王パラダルクが幾らでも生み出してくれる。万物をドラグナーガールに変える魔王パラダルク、その恐るべき能力を逆手に取った攻撃だった。
「く……おのれ……っ!賢しい真似を……このままでは……!!」
儀式が続行不可能とみるや、悔しげに歯噛みして、若き姿の魔王パラダルクは撤退していく。ガルベリオンが空中に浮かび上がると同時、玲は艦内から離脱した。
かくして、この地に魔王パラダルクはいなくなった。
魔王パラダルクと猟兵との戦いは、猟兵の勝利に終わったのである。
大成功
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