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7thKING WAR㉓〜過去を織りなす黒

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #召喚魔王『パラダルク』 #プレイング受付中

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#召喚魔王『パラダルク』
#プレイング受付中


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●過去を織りなす黒
 実験戦艦ガルベリオンの中で異世界の魔王、パラダルクは儀式を行う。森羅万象の力を少女の形に変え、舞を踊らせ、彼の望みを叶えるために。
 現れた猟兵へと「過去の彼」へと姿を定めたパラダルクは目を向けながら言い放つ。
「まずは、よくぞここまで来たと称賛しよう。だが六番目の猟兵達よ、ここは行き止まりだ、他をあたれ」
 その場に満ちる万物に少女の形を与えながら魔王パラダルクは続ける。
「私は万物を少女に変える。そして彼女達の舞で私を殺した仇敵を探し出すのだ。お前達の相手をする暇はない」
 そう言われても猟兵が引くことなどない。それならば、とパラダルクはこの場に臨んだ猟兵を敵と認識した。
「私の力を知っても向かってくるならば……碎輝と同じくお前達も、私が乗り越えるべき『試練』という事だ!」

●新たな召喚魔王
「何でもかんでも、自分の力に変えちゃう……そんな魔王が、現れました」
 寧宮・澪が新たな強敵の出現を告げる。
 7thKING WARで猟兵達が快進撃を進めた結果、今まで詳細がわからなかった召喚魔王の一人の情報がわかったのだ。
 その名もパラダルク。彼は万物全て、更には時間すら少女の形を与えて自分の力にする能力を持つ。
「パラダルク、とても強くてですね……こちらのユーベルコードも、パラダルクと戦って成長する時間も……全部、あちらの力に変えられてしまいます……今は、撃破は難しいかと」
 けれど、今回の勝利条件に関して言えば倒さなくても何とかなるのだ。
「パラダルク本人はどうしようもないのですが……彼の先制攻撃をいなしてから、周囲で踊る、万物の力の具現化した少女達。彼女達を倒してしまえば、儀式は失敗します」
 儀式が失敗すればパラダルクは戦場から撤退する。そうすればガチデビルへの道も開けるのだ。だから猟兵の皆には、今回送り出すタイミングで定まった姿、「過去を操るパラダルク」の行っている儀式を妨害してもらいたい。
「ええと、探してる仇敵……カクリヨファンタズムの龍神親分、碎輝さんと同じ名前、ですが……聞いても何にも教えてくれない、みたいです。周囲で踊る少女達、ドラグナーガールの対処に集中した方が、良さげですー……今は聞けなくとも、またいつか、聞けるんじゃないでしょか……」
 気になる情報得たい気持ちも、や強大な敵の撃破を望む気持ちもあるだろう。しかし今回は儀式の妨害がとにかく重要である。それに注力した方がいいだろう、というのが澪の予知だ。
「ガチデビル、倒すためにも……どうか、よろしくお願いしますー……」
 そう澪は頭を下げて、猟兵を過去を操るパラダルクのもとへと送り出すのだった。


霧野
 過去を操る存在を乗り越えて。霧野です、よろしくお願いします。

●シナリオについて
 これは7thKING WARのシナリオの一つです。
 以下のプレイングボーナスがあります。

=============================
プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する(しない限り必ず苦戦か失敗になる)/踊るドラグナーガール達を倒す。
=============================

 過去を操る力、アンヘルブラックを従えたパラダルク。彼の先制攻撃に対処し、周りで儀式のために踊るドラグナーガール達を倒して儀式を失敗させてください。
 先制攻撃に対処するプレイングがなければ判定は必ず苦戦か失敗になります。複数のユーベルコードを使った場合、先制攻撃のユーベルコードも複数になります。
 また、このシナリオにおいては「砕輝」という存在について尋ねても何も反応を返しません。

●複数人で参加される方へ
 どなたかとご一緒に参加される場合や、グループ参加を希望の場合は【グループ名】もしくは【お相手の呼び方(ID)】を最初にご記入いただけると、助かります。

●アドリブ・絡みの有無について
 以下の記号を文頭に入れていただければ、他の猟兵と絡んだり、アドリブ入れたりさせていただきます。なければできるだけ忠実に作成します。
 良ければ文字数節約に使ってください。
 ◎:アドリブ歓迎。
 ○:他のグループや猟兵とも絡み歓迎。
 〆:負傷OK。 (血や傷の表現が出ます)
 ♪:これがあるとシリアスよりはギャグっぽかったりコミカルな感じになるかもしれません。
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第1章 ボス戦 『召喚魔王『パラダルク』アンヘルブラック』

POW   :    パスト・ガールズ
レベルm半径内を【ドラグナーガールの大軍】で覆い、[ドラグナーガールの大軍]に触れた敵から【ユーベルコードの使い方の記憶】を吸収する。
SPD   :    リピートコード
【戦場内のドラグナーガールのいずれか】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、戦場内のドラグナーガールのいずれかから何度でも発動できる。
WIZ   :    パラダルク・パラダイム
【水光土火樹薬風毒氷闇の十属性】によって【ドラグナーガールの軍勢】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。

イラスト:モツ煮缶

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 パラダルクが彼の力の一端を振るう。それは敵と見据えた、この地に現れた猟兵へと向けられた。
ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!

称賛ありがとうございます!
でも貴方の後ろにデビルキングへの道が拓いているので
回れ右はしません!

周りの女性の方々が私のUC【元悪!纏絡堕落醜穢終】で先制攻撃するとのこと!
よっしゃ!バッチ来いです!
『覚悟』と『気合い』と『根性』は十分です!
いただいた視線を{ゲイズ・パワー}に変換し
『オーラ防御』に使うことで耐えて見せましょう!

さらに私からもUC【元悪!纏絡堕落醜穢終】の上乗せです!
キタキタキタ!
皆さん気持ち良いですか!?私は最高でーす!
(『斬撃波』と『衝撃波』を周囲にまき散らしながら叫ぶ)




 送り出されたダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)は堂々と胸を張り、朗々と名乗りを上げる。
「私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター! 凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!」
 ワルであることがより良いこととされるデビキンの悪魔であるダーティが自分が悪であることを主張するのは当然だった。パラダルクはちらりとダーティに視線をやる。
「そうか。よくぞここまで来たと称賛しよう。だがここは行き止まりだ、他を当たれ」
「称賛ありがとうございます! でも貴方の後ろにデビルキングへの道が拓いているので、回れ右はしません!」
 どんなにパラダルクが強敵であっても、ダーティが引くことはない。はきはきと元気よく褒められたことには礼をいい、けれど引かぬ姿勢で大きく腕を振りパラダルクの背後を指す。その声に、動作に、周りで踊る万象の具現化の少女達も時折ちらりと視線を投げた。
 パラダルクはダーティを敵と認識する。彼女を見据え、静かに言い放った。
「ならば私は、お前も乗り越えてみせよう」
 その言葉と共に生まれたドラグナーガール達が動き出す。ダーティの過去の時間から形を与えられた無数の少女達がダーティを見た。ダーティのオッドアイによく似た目で彼女を見据え、まるで実体を持っているかのような、無視できない烈な存在感の視線がダーティに向けれられる。その視線だけで精神を病んでしまいそうだ。
 けれど視線誘導の悪魔であるダーティは負けることはない。
「よっしゃ! バッチ来いです!」
 むしろ視線は大歓迎だ。どんな視線でも、向けられれば彼女の力へと変えられる。
 覚悟、気合、根性で圧を加えてくる視線を受け止めて、その力を赤紫の矢印――ゲイズ・パワーに変換し、己の身を守る力に変えていく。視線の圧力もなんのその、無数の視線をむしろダーティは楽しんでいた。
「ふふ、私をどうぞ見てください! さあ! ――今より此処、底に至る。汝ら魂、憐れなり」
 視線を集めたまま、ダーティは戦場の全てにより強力な存在感を持つ視線を向ける。見つめられることを恐れず力に変え、逆に見つめ返して存在感を焼きつけた。圧力に負けたドラグナーガール達の動きが鈍る。
「キタキタキタ! 皆さん気持ち良いですか!?私は最高でーす!」
 集めた視線の力を一気に放出し、ダーティは斬撃波と衝撃波を撒き散らしてドラグナーガール達を元の姿に戻していく。その表情は清々しく楽しげで、視線をどこまでも楽しんでいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

朱酉・逢真
行動)転送された後、そのまま頑強な結界で無数に宿(*カラダ)を覆う。最初の触られンのだけ防げばいい。どォせどれほどの結界で覆えど、この1発で壊れるだろ。だが最初の接触さえ防げばUCに繋げられる。
UCの結界で宿を覆う。俺は何もしない。だから無敵だ。お嬢さんらの攻撃を、元締めの兄さんに反射するだけだ。さぞかし強いンだろォさ。毒はおなごにするらしいが、病はその中になかったな。闇に含まれるとかいうなら毒だってそのはず、わざわざ細分化するのはそうでない証拠。たまには女性にひっぱたかれてごらんよ、モテ男。一撃反射出来たら即座に退散するよ。慎重派なんだ、お前さんと同じで。




 新たに現れた送られた朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)にパラダルクは視線を向ける。
「ここまで来たことは賞賛に値する。しかしここは行き止まり、早く帰るが良い。私は、忙しい」
 その言葉通りパラダルクは新たな来訪者から視線を外し、己の力で万物に形を与え、織りなす舞によって行う儀式へと集中する。彼の目的を果たすためには、些事にかかずらっている暇などないとばかりに。
 彼の周囲に少女の形をした力が現れる。数多のドラグナーガールの一人はくるりくるりと踊りながら逢真へと手を伸ばした。過去の力を含んだ彼女は、触れることで逢真の力を読み取るのだ。
 けれどその手は弾かれる。触れた手には病が宿り、仮初の形を崩して少女の姿は消えていった。魔王パラダルクはドラグナーガールの向こうで眉を潜める。
「何をした」
「特別なことはなにもしていないさ。ただ、「己」を巡らさただけさね」
 転送されてすぐに逢真は己の権能を結界として自分の宿の周りへと巡らせたのだ。存在自体が強い力であるドラグナーガールの一触れでそれはすぐに破れてしまったが、改めてより強いものを張る時間が稼げればいい。新たなそれを張りながら、影より呼び出したヤギの背に乗り、逢真はだらりと身をもたれさせる。彼の赦す過去も操る魔王をゆるりと紅い目で眺めながら。
「俺は何もしねェよ。儀式を続けたらどうだい?」
「戯言を」
 パラダルクは苦虫を噛みつぶしたような顔で逢真を見る。先程からパラダルクが生み出すドラグナーガールの一人が逢真の結界に触れた途端に崩れ、その側の少女も伝播するように崩れていくのだ。まるで疫病が伝わっていくように。
 一度でも触れれば十分だ。病を振りまいた逢真はにこりと笑い、ヤギの背を撫でる。
「お前さんはさぞかし強いンだろォさ。万物をおなごにすると言う。アァ、ただ、毒はおなごにするらしいが、病はその中になかったな」
 崩れる娘の姿にも優しげな目を向けながら、病毒に戯ぶ神は柔らかに告げる。
「闇に含まれるとかいうなら毒だってそのはず、わざわざ細分化するのはそうでない証拠。たまには女性にひっぱたかれてごらんよ、モテ男。俺はもう帰るから」
 とんとヤギが足元を蹴り戦場を去っていく。
「慎重派なんだ、お前さんと同じで」
「逃げられると、っ」
 パラダルクの言葉が途中で止まる。逢真が最後に見えた視界では、パラダルクが崩れる病の娘に縋られ、狂乱の内の彼女に頬を強かに打たれていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

国栖ヶ谷・鈴鹿
SPD ◎◯

【先制対策】
きこやんの結界術、白鈴晶燈の防御陣系の守り、魅了の効果で使い切りになるけど、今は初撃を防ぐこと、紅路夢の機動力で“発動”の時間も稼がせてもらおうか!

【反撃の超機械】
解けた!ジヰニアスロック解除、超機械、超改編式回帰性装置、起動!
この超機械はね、現象を元ある形に改編して戻す装置さ。極を拡大させていけばドラグナーガールを改編して元の現象まで回帰させられる。反転の極で中和出来る欠点はあるけど、理解して“使える”かな?

パラダルクは世界改編を相殺出来るかもだけど、儀式のドラグナーガールは改編して止めよう!
世界を変えるのは、キミだけの技じゃないってところ見せてあげるよ!




 ひらりと給仕服の袂を翻し、百弐拾伍式・紅路夢にまたがって戦場へと降り立った国栖ヶ谷・鈴鹿(未来派芸術家&天才パテシエイル・f23254) をパラダルクは一瞥する。
「次から次へと……ここは行き止まり、私はお前達に関わっている暇などないというのに」
 けれど彼の言を借りればそれも試練だ、ということなのだろう。彼は手のひと振りで新たなドラグナーガール達を生み出して鈴鹿の元へと遣わせる。時間を具現化した彼女達は鈴鹿のユーベルコード受け止めて跳ね返し、何度も繰り返すそんな力を持った存在だ。彼女達は鈴鹿の「今現在に繋がる過去」を読み取り、彼女のユーベルコードを真似て見せた。手元に現れたガジェットを操って鈴鹿を滅ぼそうとしてくる。
 けれどジヰニアスでメカニックな鈴鹿は対策済みだ。紅路夢が一気に後ろに進む。収束して撃たれたガジェットの超速ビームの初弾の直撃を回避し、余波の衝撃は鈴鹿に宿る稲荷狐の結界で抑え、連続して放たれる第二波、第三波も紅路夢の急旋回で回避し、最後に投げつけられたガジェットの爆発も敢えて飛び込んで白鈴晶燈の守りで凌いだ。
 その間にも鈴鹿の反撃準備は進んでいたのだ。回避しながら鈴鹿は手の中に生み出した超機械の複雑なロックを解除していた。そして最後の一つが今外れる。
「解けた! ジヰニアスロック解除、超機械、超改編式回帰性装置、起動!」
 鈴鹿の手の中の超機械が満を持して発動した。くるりと歯車と回る金属の輪を幾つも組み合わせたようなそれは、鈴鹿の周囲から影響を及ぼし始めた。
 パラダルクの眉が寄る。徐々にパラダルクにも迫るその機械の影響に、そして彼女達が少女の形を崩して元の現象に戻っていく現実に。
「何をした」
「この超機械はね、現象を元ある形に改編して戻す装置さ」
 くるりと回る機械はパラダルクが生み出した少女達を元の姿に戻していく。それは過去への遡行ではなく世界改変の方に近いだろう。過去の姿を読み取り、その姿へと今を改変する。
「極を拡大させていけばドラグナーガールを改編して元の現象まで回帰させられる。もちろん、同じ機械を使って、反転の極で中和出来る欠点はあるけど、理解して“使える”かな?」
 影響を受けながらも、受けたユーベルコードを反射しようとするドラグナーガールだが、複雑なロックを外せずに元の現象へと改変されていく。
「世界を変えるのは、キミだけの技じゃないってところ見せてあげるよ!」
 鈴鹿の周囲のドラグナーガール達は既に元の現象へと改変され、舞を踊る姿を留めていない。パラダルクの万物を少女へと変える力を一瞬上回った超改編式回帰性装置は、一気にドラグナーガールを元の現象へと改変し、無秩序な力がすぐ側のパラダルクへと襲いかかりその力を削ぐのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユニ・バンディッド
アドリブ歓迎
ユーベルコードをコピー・連鎖攻撃する感じかな?
空飛ぶ金貨達の鏡面加工で周囲警戒、他の猟兵からコピーしたユーベルコードだとしても自慢の視力で敵の動きを盗み先読み回避していくよ。
金貨を扱う様ならボクのコピーで確定かな?使わせないよ。収納の魔術カードを投擲!「敵の金貨」を盗みカードの中へ詰め込んで。敵がコピーした効果の不発を狙うね。
自腹分は最終手段。隙をみてドラグナーガール達から盗ってモノにした金貨を代償にユーベルコード発動!更に盗みの成功率を上げて。アレコレ盗んで無力化するよ。だってボクはあくまで魔界盗賊!あらゆるものを盗むのがおしごと!。
――金貨を、供に希う【ゴーイング・マイウェイ】




「忌々しい……邪魔をする猟兵め。試練だとはいえ煩わしい」
 パラダルクはドラグナーガールを更に呼び出し、現れた怪盗装束の猟兵へと差し向ける。彼女達はパラダルク呼び出したユニの過去のユーベルコードを具現化した存在だ。
 飛び交うユーベルコードの波を観察し、ユニ・バンディッド(贋作の悪魔・f31473)はどのような効果を持つものか推測する。優れた視力で戦場中を見渡して、その効果の発現に辺りをつけた。
「ユーベルコードをコピー・連鎖攻撃する感じかな?」
 既に彼女の周囲には表面を鏡のように加工された金貨が飛び回り、視界の死角をカバーしている。幾つもの金貨の表面に映る像で戦場を俯瞰し、ユニは胸元から取り出す動作で顕現したカードを辺りへ勢い良く投げつける。
 現れたドラグナーガール達がユニ自身のユーベルコードを呼び覚ましたからだ。キラキラと輝く金貨を生み出した彼女達は、それを代償にユニへと跳びかかってきていた。
 カードが飛び散る戦場で、ドラグナーガール達は失速する。宙に飛び上がったはいいが姿勢が崩れ、強かに床に叩きつけられることになったのだ。彼女達が代償にしようとした金貨は、既にユニのカードの中へと納められていた。
 たんまりと金貨を盗み出し、カードの中に詰め込むことに成功したユニはにこりと笑う。狙ったとおりに彼女のユーベルコードをコピーしたドラグナーガール達の行為を失敗できたからだ。
「ボクは一流の魔界怪盗だからね。自分のユーベルコードをコピーされたものだって盗み出せるさ」
 改めてユニはドラグナーガール達から盗んだ金貨を放出し、全て代償にして戦場を駆け踊る。
「だってボクはあくまで魔界盗賊! あらゆるものを盗むのがおしごと! ――金貨を、供に希う」
 ひらりと身軽く走るユニが手を伸ばすたび、ドラグナーガールという現象を少女の形に留める力を、パラダルクが行う儀式の力を、パラダルクが操ろうとした時間への干渉力すら盗み出してみせた。
 膨大な金貨が一枚残らず消えたその時にはドラグナーガールは姿を消していた。有り余る盗んだ力をユニは全て短剣に硬質化、パラダルクへと投げつける。パラダルクは避けることもできずに腕へと短剣が突き刺さる。あまりに大きな力がパラダルク体を駆け巡り、結果集中が途切れた。パラダルクが己を取り戻したときにはユニはすでに姿を消し、彼が行っていた儀式の効果も霧散していたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

荒谷・つかさ

●POW対抗

何でも女の子に変える、ねぇ。
ま、細かいことはどうでもいいか。
私にできることは、いつも通りぶん殴るだけなんだから。

その子達に触れるとコードの記憶を奪われる、確かに厄介ね
……で、それが何か?(平然とぶん殴る)
コードの記憶を奪われるなら、そもそも使わなければいい
そうすれば、その娘達も死に能力の雑兵に成り下がる
こっちもコードは使えないけど、問題ないわ
何故なら私は、生半可なコードを凌駕するレベルの「怪力」を持っているから
この「怪力」を活かした格闘術で軍団を蹴散らし、そのまま儀式も力尽くでぶち壊しにしてあげるわ
(可能ならパラダルクも一発殴っとく)

コードを使うだけが、猟兵の戦いじゃないのよ!




 戦場に無数に現れていたドラグナーガールの舞を見据え、荒谷・つかさ(逸鬼闘閃・f02032)はしなやかな腕を組みながら一つ呟いた。
「何でも女の子に変える、ねぇ」
 万象の力を、過去も未来も、全て少女の形へと具現化し、留めて儀式の力にする。確かに強大な敵である。けれどそれがどうしたというのか。つかさには何も問題ではなかった。
「ま、細かいことはどうでもいいか。私にできることは、いつも通りぶん殴るだけなんだから」
 つかさの方へと舞い踊るドラグナーガールの手が伸びる。避けることのないつかさへと、彼女達が手を触れさせ、ユーベルコードの使い方の記憶を吸収する。
 その瞬間、確かにつかさの記憶から何かが失われた気がした。
「その子達に触れるとコードの記憶を奪われる、確かに厄介ね」
 慌てふためくこともなく、つかさは彼女のユーベルコードを使おうとするドラグナーガールへと相対し、その拳を握りしめ。
「……で、それが何か?」
 そしてつかさへと最初に飛び込んできた一人を殴り飛ばした。そのまま一人、また一人、手近なドラグナーガールから殴り飛ばしていく。コードの記憶を奪われると言うならば、コードを使い、コードに頼る戦い方をしなければいいのだ。つかさには己の体が、何よりも信じる筋肉があるのだから。
 小柄な体躯からは、若い娘の細い腕や脚からは、とても想像などできないほど怪力。生半可なユーベルコードを凌駕する、つかさがストイックに、一途に鍛えてきた怪力。それがつかさの一番の武器だ。筋肉は奪われず、彼女を裏切らない。
 真っ直ぐな拳の突きで数多の力を抱くドラグナーガールの正中を穿ち軽々と放り投げ、ぶんと風を切る回し蹴りで複数人まとめてなぎ倒し、更には掴んた少女を勢い良く投げて他のドラグナーガールへと叩きつける。つかさはドラグナーガールの群れを怪力と格闘術で潜り抜け、打ち据えていった。
 コードを凌ぐ怪力に晒された彼女達は存在を保てない。一人、また一人と少女の姿を崩して、弱まった元の形へと戻っていく。
 暴風のようなつかさの飛び蹴りがまた一つ、ドラグナーガールの壁を崩した。その先に見えたパラダルクへと一気に肉薄し、つかさは言い放つ。
「コードを使うだけが、猟兵の戦いじゃないのよ!」
 見事、つかさの拳はパラダルクの体の中心を捉え、ドラグナーガールの群れへと叩き飛ばすのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜刀神・鏡介
無敵と言っても大抵はどうにかなるものだが……こいつは嫌な感覚だ。言うだけの事はあるか

戦場は十分な広さがあるようだし『八咫烏』に騎乗して向かおう
利剣を抜いて敵と相対。かつて妲己の魅了にも抗う力を与えてくれた宝貝だし、こいつの力にも幾らか効果はあるだろう

バイクで駆け巡り、急旋回も駆使して攻撃を回避していく
儀式担当以外を必死に倒しても仕方ないので基本は回避優先で

仮にユーベルコードの記憶を奪われても、刀の使い方まで忘れた訳じゃないので然程問題なく戦える
決定力に欠ける可能性はあるが、その分は八咫烏に乗った突撃の勢いで補おう

走りながら位置を調整して、儀式担当の所へ一気に突撃。すれ違いながら刀を叩き込む




 戦場へと訪れた夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)はその空気に一層気を引き締めた。
 これまで数多くの事件や戦争の戦場にも訪れた鏡介である。それ以前の経験も含め、相手の力量は感じ取れるようになっていた。その感覚が告げるのだ。――危険だ、と。
 利剣【清祓】を抜き放ち、八咫烏に跨ったまま転移してきた鏡介は一つ呼吸を整える。
(無敵と言っても大抵はどうにかなるものだが……こいつは嫌な感覚だ。言うだけの事はあるか)
 これまでにも無敵と言われた敵はいたが、それを解く何かしらの手段があった。無敵とはものの言い様だったこともあった。けれどそれとは違う感覚に、利剣を持つ手に力が篭もる。
 少女の姿をした力に囲まれたパラダルクは若い男に見えた。けれどそこから放たれる雰囲気や身のこなしが、彼が見た目通りの存在ではないことを伝えてくる。けれど鏡介はその雰囲気に飲まれることはない。
「また邪魔者か……ここは行き止まりだ、他を当たれ」
 顔を顰めて手を振るパラダルク。その仕草に合わせてドラグナーガールが動き出す。少女の形を取った力が鏡介触れようと手を伸ばした。
 麗しい乙女の誘いには目もくれず、鏡介は常人にはありえない動きで手を伸ばしてくるドラグナーガール達を回避する。八咫烏のギアを上げ急発進、互いに触れる直前で大きく傾けて旋回し、その奥の儀式の舞を踊る少女の一群へと迫る。踊り続けるドラグナーガールの横を通り過ぎざまに利剣【清祓】を振るい、下から切り上げた。剣の通る線上にいたドラグナーガールが二つに別れ、元の姿の残滓を残して消えていく。
 仮に鏡介の記憶を奪おうと迫るドラグナーガールに触れられてユーベルコードの記憶を奪われても、体が覚えた刀の使い方まで忘れた訳じゃないので然程問題なく戦えるはずだ。その場合、ドラグナーガールを一撃で断ち切ることは難しいかもしれないが、八咫烏の機動力を上乗せすれば威力も補えるだろう。
 片手で剣をしっかと握り、もう一方で八咫烏のハンドルを握った鏡介は再度バイクのアクセルを踏み込んだ。記憶を奪われるという力に怯えることなく真っ直ぐに前を見据え、八咫烏の勢いを活かして手を伸ばすドラグナーガールを潜り抜ける。目指すは儀式担当のドラグナーガールのみだ。彼女達が倒れればこちらの勝ちなのだから。
 鏡介は戦場を八咫烏で駆け巡り、伸びる手を躱して儀式の舞を構成する個体を切り飛ばして順調に数を減らしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

月夜・玲

ま、本音を言うとここでケリを付けたいんだけど
どうもそうはいかないみたい…か

《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
ドラグナーガール達と剣で斬り結び、『斬撃波』で『吹き飛ばし』ながらチャンスを待とう
けど、そっちも待ちの姿勢は良くないと思うな
剣での『武器受け』や『オーラ防御』で盾を形成し防御しながら一端距離を取り【Duplicate Myself】起動
悪いね、これは自分をコピーするUC
現れた分身の技量は私以上
それに例えコピー出来たとしても…今更増えた所で誤差!
分身に余りの剣を2本渡して儀式の邪魔をしよう
2人で踊るドラグナーガールを『なぎ払い』や『串刺し』にして確実に倒していこう




「ま、本音を言うとここでケリを付けたいんだけど。どうもそうはいかないみたい……か」
 数多くの少女の形を取った力の向こう側に見える魔王パラダルクを見ながら、月夜・玲(頂の探究者・f01605)はそう呟いた。
 後顧の憂いは残しては置きたくはないものだ。けれどそれを許してくれそうにないほどの力量を魔王パラダルクが持っていることは玲にはわかっていた。ここは素直に儀式の失敗を誘うほうが良さそうだった。玲は《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀し、ドラグナーガールの群れへと向き合う。
 玲に気づいたパラダルクは心底邪魔だと言うように顔を顰めていた。
「猟兵が……儀式の邪魔をすると言うならば、お前も私の乗り越えるべき試練だと言うことだ」
 ならば排除するまで、とパラダルクは手を振って新たなドラグナーガールを呼び出した。彼の過去を操る力で、玲の過去からユーベルコードを読み取り生まれた少女達は自分をコピーして素手で玲へと飛び掛って来る。一人目を玲は《RE》Incarnationで受け止めた。すぐにもう一方の青を閃かせ、斬撃の波で受け止めた少女ごと後続の数人を吹き飛ばした。詰め寄る第二の少女の波をオーラの盾で受け止め、今度は黒剣のひと振りで吹き飛ばしつつ距離を取る。
 相手の先制攻撃を凌いだ玲はにっと笑った。その隣にもう一人の玲が現れる。何も持たぬ彼女に空の記憶とKey of Chaosを投げ渡す。
「分身か」
 離れた位置から戦闘の様子を見ていたパラダルクの声に玲首を振る。
「いいや、これは自分をコピーするUC。現れた分身の技量は私以上」
 玲の分身は先程よりも鮮やかな動きで飛び掛って来るドラグナーガールを払い除け、切り飛ばす。切られたドラグナーガールは元の力の残滓を残して消えていった。
「さあ、行こうか」
 ここからが本番だとばかりに、一層I.S.Tの力を引き出して二人の玲は戦場を舞う。増えて邪魔をしようとするドラグナーガールごとなぎ払い、儀式のために踊る少女達を串刺し、切り捨て、その姿を消していく。確実に一体ずつ元の力の形へ戻るまで。ときに斬撃の波で切り払い、ときに鋭い剣閃で突き穿つ。
 UDCの力の一端を存分に引き出し、二人の玲は戦場を駆け巡る。彼女達の剣の舞は確実に儀式で踊るドラグナーガールを消し去って、パラダルクの思惑を潰してみせたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年05月14日


挿絵イラスト