7thKING WAR㉓~過去が踊る
●
碎輝。
私は君を倒す。
この争いは、其の為の前哨戦に過ぎない。
森羅万象をこの手に操る私を打ち破った、君の“成長し続ける”力。
其れを封じるために、私は過去と未来を手に入れて、ドラグナーガールに……私のものにした。
例え過去と未来をうつろう姿になろうとも、私は君を倒す為に何も惜しまない。
猟兵よ、其処をどくといい。
君は私の敵ではない。取るに足らない小虫であり、倒すべき敵ですらない――!
●
「魔王パラダルク」
ヴィズ・フレアイデア(ニガヨモギ・f28146)が簡潔に名を告げる。
「ガチデビルが召喚した、第二の魔王だ。……強敵だよ。火や水といった属性から、呼吸する空気まで、全てをドラグナーガール……少女に変えてしまうという力を持つ。けれども、一度打ち破られた。成長する力に倒されたのさ。……知ってるだろ? 妖怪親分の碎輝だよ」
だが、と唇に指を当てるヴィズ。
「宇宙にでも行って来たのかね。魔王パラダルクは“過去と未来”をドラグナーガールに変えて帰って来た。強敵だよ。今回相手にして貰うのは、過去(アンヘルブラック)を従えた幼いパラダルクだ。けれども……撤退はしても、撃破は出来ないだろう。今のあたし達の力じゃ其れが限界だ。撤退させるには、儀式を破壊する必要がある。パラダルクの後ろで踊っている過去属性の少女を倒せば良い」
白磁の門は開く。
此処に碎輝がいればねえ、とため息交じりにヴィズは言う。
「まあ、いたらいたでこじれて大変な事になっていたんだろうけど。取り逃がせばカクリヨファンタズムにも騒乱が届きかねない。何の儀式をしてるか知らないが、此処で其れを阻止して、なんとしても撤退させるんだ。良いね?」
白磁の門の先は……デビルキングワールドとは思えない、何らかの施設の中だった。
知っている者は判るだろう。“実験戦艦ガルベリオン”、其の同一艦の中に君たちは進撃するのだ。
key
こんにちは、keyです。
ショタと青年のパラダルク……ショタが好みですね。
●目的
「ドラグナーガールを倒し、パラダルクを撤退させよ」
●プレイング受付
オープニング公開後、すぐに受付開始です。
受付終了日時はタグ・マスターページにてお知らせ致します。
●このシナリオについて
1章で終わる戦争シナリオです。
●プレイングボーナス!
「敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する(しない限り必ず苦戦か失敗になる)/踊るドラグナーガール達を倒す」
パラダルクは「必ず」先制攻撃してきます。其れをしのがない限りドラグナーガールに攻撃する事は出来ません。先制攻撃への対処がない場合、必ず苦戦か失敗になります。先制攻撃を凌ぎ、追撃をさばきながら、儀式の舞を止めて下さい。
(何の儀式をしているかは不明です)
●注意事項(宜しければマスターページも併せてご覧下さい)
迷子防止のため、同行者様がいればその方のお名前(ID)、或いは合言葉を添えて下さい。
また、失効日が同一になるタイミングでプレイングを送って頂ければ、こちらとしては助かります。
単独行動希望の方も一言添えて下さると嬉しいです。
●
此処まで読んで下さりありがとうございました。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『召喚魔王『パラダルク』アンヘルブラック』
|
POW : パスト・ガールズ
レベルm半径内を【ドラグナーガールの大軍】で覆い、[ドラグナーガールの大軍]に触れた敵から【ユーベルコードの使い方の記憶】を吸収する。
SPD : リピートコード
【戦場内のドラグナーガールのいずれか】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、戦場内のドラグナーガールのいずれかから何度でも発動できる。
WIZ : パラダルク・パラダイム
【水光土火樹薬風毒氷闇の十属性】によって【ドラグナーガールの軍勢】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。
イラスト:モツ煮缶
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
国栖ヶ谷・鈴鹿
●SPD 連携OK
【先制対策】
とにかく、UCは当てないよ!
紅路夢の機動とぼくの銃火器スキルで迎撃、きこやんの結界術で最初の一撃だけは凌ごう!
それに使うのが難しいんだよ。
【コンナコトモアロウカト】
ジヰニアス・コヲド解除、超改編式回帰性装置!
ドラグナーガールを“元に戻す”装置さ。回帰性極相を中和すれば装置は解除される欠点はあるけど、問題はこれを有効に使えるか。使い方を“理解”しない限り、極相は極限化して、此処一帯の現象は超常的な回帰性によって、改編される。
厭穢欣浄パラダヰムシフトだと、割と簡単に利用されると思ったから、敢えて時間のかかる手と、ぼくの頭脳を有意に使わせてもらったよ!
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん?
武器:四天霊障
本当に強敵ですねー。ですが、一度は戦ってみたく。
先制攻撃でそれということは、必ず防御されるのでしょうね。
しかも、普通に攻撃も来ますよね…!
ダッシュと戦闘知識から来る瞬間思考力による見切りの逃げの一手ですね。私なのは、一番素早いのでー。
そして、UCが使えるようになったのならば、即座に。コピーをしたとて、四悪霊の呪詛はそちらにあらず。
さらに、総量はこちらが多いのでー。
ドラグナーガールへの攻撃は、四天霊障にて。これは私たちの無念、呪詛。
地形破壊レベルの重量攻撃を、彼女たちに与えましょう。
●
――ユーベルコードは当てない。
其れが、国栖ヶ谷・鈴鹿(未来派芸術家&天才パテシエイル・f23254)の作戦の一つ。
「どうした? 過去と未来を目にして、最早成す術もないと理解したか」
パラダルクの後ろで少女が踊っている。黒い布は過去の証。ひらり、と揺らしながら、無音の艦内でのびやかに踊っている。
「本当に強敵ですねー。一度戦ってみたかったんです」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)――其の四人格のうちの一人、「疾き者」が頬に手を当てて笑う。
「パラダルク様は本当に強敵よ!」
「そしてとっても素敵なの!」
「「あの方が出るまでもないわ、私たちに勝てるかしら!」」
翠の服に水色の服――様々なエレメントを具体化したドラグナーガールたちが鈴鹿と義透へと襲い掛かる。
風の刃に、水の槍。
鈴鹿は紅路夢に搭乗し、素早く其れを避ける。
「乗って!」
「まあ、ありがとうございます」
疾き者は紅路夢に引っ掛かるように乗り込み、二人は蛇行を画いてドラグナーガールの攻撃を避けていく。
「きこやん! ――駄目、衝撃が来るよ!」
「右へ避けて!」
パラダルクが構えた光球に、鈴鹿は稲荷狐を呼び出して結界を張る。そうして、辛うじて見切った義透の一言を信じて、右へとハンドルを切った。
けれど、其れで防がれる程度ならば、一騎当千の猟兵をもってしても“撤退させるのが精々”という相手ではないのだ。
どおん、と強い衝撃が奔って、稲荷狐の結界が破られる。紅路夢のボディにひびが入り、鈴鹿は内心で舌を打った。これは修理代をいずれ請求しなければ気が済まない!
「大丈夫、敵へのユーベルコードは私がー」
義透が言って、呪詛を解き放つ。ドラグナーガールは其れを受け止めて――ふふ、と笑った。コピーしたらしい。
「あははっ、ありがとうねおにーさん。じゃあ、お返ししちゃう……パラダルク様のために!」
――四悪霊・『解』。
義透は目を細め、同じユーベルコードを二度返す。
四悪霊が寄り集まり形を成した存在が、義透である。ではドラグナーガール、貴方にお聞きしますが、其の四悪霊が封じてきたに足る“呪詛”を、貴方はもっていらっしゃいますか?
持っていないでしょうね。
ドラグナーガールが鈴鹿と義透から奪い取る生命力は僅かで、ドラグナーガールたちから義透がつまみ取る生命力は凄まじいものだ。みしみし、とドラグナーガールの足元が軋んで、床にひびが入る。
「く……ッ!?」
「呪詛なんてもの、貴方たちはもっていないでしょうー? ……“真似っこ遊び”はおしまいですよー」
「こっちも準備出来た! さあ、――過去に戻って貰うよ!」
がこん、と鈴鹿が良く判らない機械を構える。これまで何をしていたかというと、己の作り出した超機械の使い方をやっとこさ理解していたのだ。
――超改編式回帰性装置。
噛み砕いていうなら、ドラグナーガールを“元に戻す”装置。この極相を中和されれば解除される欠点はあれども、義透のユーベルコードをコピーしたドラグナーガール相手ならば最早恐れるものはない。
さあ、スイッチを入れろ。エンジンを回して、……そうして回帰する。ドラグナーガールはエレメントへ、そして、過去に還るんだ!
「……!」
腕を組んで、一撃以降見守っていたパラダルクが背後を振り返る。黒い衣装を纏ったドラグナーガールはきゃあ、と悲鳴を上げた後、視認できない属性と概念へと回帰していった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
叢雲・源次
単独希望
迫りくる大軍を前に一歩も引かず、二刀を抜き放ち待ち構える
迎撃の最中、こちらに触れられ剣技をコピーされ一瞬だけ眉を顰めるも静かに呼吸を整える
「生憎だが…この業は一対多において行使する事に意味がある。この状況で貴様らに使いこなせるものか。」
インターセプター、アナライザー起動
マルチロック…対象、半径109M内敵性存在
「只々、骸と化せ。」
執行『死山血河』
特殊戦靴とリミッター解除による高速戦闘開始
敵の攻撃対処はこちらのみ…こちらの攻撃対象は吐いて捨てる程ある…ならば乱戦に持ち込み間合いに入ったドラグナーガールを斬り伏せながらパラダルクへ肉薄し儀式と止めんとする
「邪魔だ。退け。」
●
叢雲・源次(DEAD SET・f14403)は立っている。
ドラグナーガールたちの足音が迫る。パラダルクが直接手を出さないのは、手加減というよりは“其の価値もない”という認識なのだろう。
なんとなく、腹の底に怒りが燃えたような気がした。
お前の爪先にも及ばない存在だと、そう言いたいのか、と。
けれど源次は其の感情を呑み込む。今は怒りに身を任す時ではない。彼にとって、いつ何時とてそう。感情は戦闘には不要のもの。冷静に冷徹に駒を進めなければ、勝負には勝てない。
“灰ノ災厄”。
“黒ノ混沌”。
二刀は我が手の内。
――女子供といえども。
インターセプター、アナライザー起動。
―― 一切の容赦なく。
マルチロック……対象、半径109M内の敵性を確認。
――只々、骸と化せ。
執行は迅速に。
源次が繰り出した神速の斬撃に、ドラグナーガールたちの血飛沫が散る。切って捨てられた手足はそれぞれのエレメントへと還って行って、水や炎が飛び散り、風がふうわりと舞った。
靴が火花を散らす。疾風という言葉など生温い。光すらもまだ遅い。最早只々速い一つの“災い”と化した源次は戦場を駆け巡り、ドラグナーガールたちを非情に斬り捨てていく。
「おにーさんすごーい!」
「だけど、ユーベルコードの使い方、忘れちゃったんじゃない?」
そう。ドラグナーガールたちに触れた瞬間、源次は確かに忘れたのだ。己が使おうと思っていたユーベルコードは、どのように使うのだったか?
――けれど。
「生憎だが、使い方を奪ったとて――この業は一対多において行使する事に意味がある。この状況で貴様らに使いこなせるものか」
そう。とても単純な事。ユーベルコードがなくても源次はただ、“斬れば良かった”。目の前のものを斬る。斬り、斬る。其れだけで良かった。幸いにして、的なら掃いて捨てる程あるのだから。
属性を纏って踊るように攻撃してくるドラグナーガールの手足をさっぱりと斬って落とす。驚いた其の顔を、其の頸を斬って落とす。
そうして一直線の屍山血河を画いて源次は奔る。パラダルクの横を通り過ぎる際――確かに、目が合った。
「一人斬り捨てたところで、終わると思うのか」
「――終わるとも。少なくとも、俺の役目は一人でも多く斬り捨てる事だ。……判ったなら、ただ見ていればいい」
パラダルクはドラグナーガールを捨て駒としか見ていない。
斬り捨てられても、また作り出せば良い。其の方法は既に得たのだから。
――だから、源次はひどくあっさりと、過去のドラグナーガールを斬り捨てたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ソニア・シルヴァーヌ
…何故でしょうか。
彼に会ったことは無い筈ですのに、パラダルクの名には聞き覚えのある気がするのです。
過去に何か関わりがあるとでも…?
…いえ、今は戦う時、ですね。
残酷な光翼の【推力移動】で飛翔。出来るだけ高い位置へ移動。
見た処、ドラグナーガールは空を飛ぶことは不可能な様子。であれば、彼の周りをドラグナーガールで覆うとしても、空中までは覆えない筈。
その上にて環境適応・自己進化発動、防御力を犠牲に射程距離を強化。
狙いを見抜かせぬ為、波動砲でパラダルクを攻撃します。恐らく放った魔力もガール化されるでしょうが、即座に攻撃はされない筈。
頃合いを見て踊るガールへ触手を伸ばし【捕縛】、そのまま締め落とします。
●
何故かしら。
ソニア・シルヴァーヌ(玻璃の白百合ラスボス仕立て・f31357)は首を傾げる。彼に会った事はない筈なのに、“パラダルク”という名には聞き覚えがある気がするのだ。
過去になにか、関わりでもあったのだろうか。
其処まで考えて、いいえ、とソニアは頭を振った。今は戦う時だから。思い出を探っている場合ではない。
黒い衣のドラグナーガールが踊っている。果たして彼女の、パラダルクの目指すものが何なのかは判らないが――
ソニアは飛んだ。背後の推力機関が翼を画く。
「うふふ、無駄よ、空を飛んだって」
「パラダルク様の傍には私たちがいるんだもの」
ドラグナーガールは笑っているが、どうやら彼女たちは空を飛ぶ気はないようだ。其れが“パラダルクと離れたくない”という唾棄したくなるような理由だったとしても――其れはソニアにとって好都合だった。
艦の高所にふわりと降り立って、不定形なソニアの下半身がとうねる。
――環境適応・自己進化。
防御力は要らない。其の代わり、射程距離が欲しい。其の願いを叶えるべく下半身はうねり、“より強く撃ち出す”ために臨時の四肢が生えた。
「――これで倒せる敵ならば、よかったのですが」
そうはいかないだろう。
ソニアは両手を翳して、光を集める。
「パラダルク様!」
「あの女、何かする気だわ!」
ドラグナーガールたちが集まって、パラダルクを守る。ソニアは彼女たちごと葬るつもりで――波動砲を撃った。
艦を揺らがす大光線は、パラダルクの周囲を護っていたドラグナーガールたちを吹き飛ばし……けれど、
「おいで。君も、私の“お友達”になろう」
手を差し伸べたパラダルクの手に、細く白い手が触れる。
さらさらと波動砲が白い粒子のように解けて、一人の白髪の少女へと変じた。
「――パラダルク様!」
ドラグナーガールとなって、パラダルクへと抱き着く。
ソニアにとって好都合だった。敢えて息を殺し、ソニアは触手をしゅるりと伸ばす。長く長く伸びた触手。そう、射程距離を伸ばしたのはこの為。
「……あ!?」
パラダルクの後ろで踊っていたドラグナーガールの首筋にしゅる、と触手は絡み付き……一気に力を込めれば、あっという間に少女の意識は途絶えた。
大成功
🔵🔵🔵
ユニ・バンディッド
アドリブ歓迎
あらゆるものを盗むのが魔界盗賊!過去だって盗んでみせるよ
他猟兵のユーベルコードもコピーして使ってくるものと警戒して
自慢の視力で敵の動きを盗み先読み回避、ボクのダガー錬成と同様に魔力やその辺にあるものも動きを視るね。
ドラグナーガールからドラグナーガールへのコピー・連鎖攻撃っぽいかな?収納の魔術カードを投擲、敵の攻撃を盗んでカードの中へ詰め込み、僅かでも連鎖の中断を狙うよ
パラダルクを追い詰めるのは任せるね!隙を見て【スキルマスター「スティール」】受け止めた過去を作らせないよ!手品の様にカードを増やして範囲攻撃。ドラグナーガールごと収納の魔術カードで、みんなカードの中へ詰め込み盗っちゃえ
●
ユニ・バンディッド(贋作の悪魔・f31473)はドラグナーガールにウィンクする。
「あらゆるものを盗むのが魔界盗賊。過去だって盗んでみせるよ!」
「ほう、……では私から、あのドラグナーガールを盗んでみるか?」
「其れも良いかもね。でも、……其の顔。簡単には盗めないって顔だ」
パラダルクの唇が笑みをかたどる。
後ろで踊るドラグナーガールが、嫉妬したように不満げな顔をした。
別の灼熱のような紅い髪をしたドラグナーガールが、炎を飛ばして攻撃してくる。ユニは其の動きを“盗み”――先読みして、炎の豪雨を回避する。
魔力に関するものは――自分たちを観察しているパラダルクの背後、ドラグナーガールが踊る儀式の陣以外にはないようだ。
果たして何の儀式をしているのだろう?
「パラダルクを追い詰めるのは……任せるよ!」
後続の猟兵へと、ユニは託す。そうして、ユーベルコードを発動した。胸元から取り出したのは一枚のカード。だけれど、其れはまるで手品のように、二枚、四枚と増えていき―― 其の内の一枚を素早く投擲する。
「駄目よ、パラダルク様には指一本……」
触れさせない、とカードを受け止めたドラグナーガールが、消えた。
「お生憎様! ボクが盗みたかったのはあいつじゃなくて……君なんだよね!」
収納も、予告も、両替も出来ちゃう不思議なカード。
ドラグナーガールだって、“彼女そのものを”盗んでカードに詰め込んじゃうよ!
大成功
🔵🔵🔵
荒谷・つかさ
●POW対抗
……なんというかもう、色々と意味が解らないけれど。
まあいっか。何者だろうと、邪魔するなら打ち砕いて進むのみよ。
・先制攻撃対策
その1「ユーベルコードを使用しない」
その2「技能(怪力)のみでの戦闘術を確立させておく」
コードの記憶を奪われるなら、相手に使われる可能性もあるのでそもそも使わないのが最適解
その上で、鍛えに鍛え抜いて身に着けた「怪力」での肉弾戦で以てガール軍団を正面から殴り合って粉砕
奥まで猛進して儀式をぶち壊す
私の「怪力」は最強クラスの猟兵がコードを使用して得られる怪力を凌駕する
故に、コード不使用でも後れを取ることは無いわ
私の筋肉は、伊達じゃないのよ。
●
なんというかもう、色々と意味が解らない。
荒谷・つかさ(逸鬼闘閃・f02032)は、ほう、と溜息を吐いた。まあいっか。何物だろうと、邪魔するなら撃ち砕いて進むのみだもの。
ユーベルコードの使い方を忘れさせる? なら、使わなければ良い。身に着けてきた技能のみで相手に対抗すれば良い。ドラグナーガールの大軍がつかさへと押し寄せる。
「あらあら、また命知らずなヒトが来たわ!」
「私たちに勝てっこないし、パラダルク様には尚更勝てっこないっていうのに!」
「――そうでしょうね。最初に言われたわ、“私たちではパラダルクを撤退させるのが精一杯”だって」
ドラグナーガールが水の刃を飛ばす。つかさは拳を構え――真正面から其れを粉砕した。
一歩進む。殴る。
二歩進む。殴る。
三歩進む。――ドラグナーガールを、殴り飛ばす!
「きゃああ!」
「……正直、悔しいのよ。だから……貴女も、力も、儀式も、粉砕させて貰う!」
ユーベルコードに頼るだけが猟兵じゃないって事、教えてあげるわ。
並外れた怪力でドラグナーガールを引き倒し、殴り飛ばす。この“並外れた”は通常の意味ではない。猟兵の中でも抜きんでて、つかさは恐るべき膂力を持っている。
「残念だよ」
初めて、パラダルクが口を開いた。
つかさは僅かに驚きながらも、其れを口にする事はない。
「……何が?」
「君の力がエレメントだったなら、ドラグナーガールにして可愛がってあげるのに」
――腹の底で怒りが燃える。
ナメないで、の意を込めて、つかさは掴み上げたドラグナーガールをパラダルクへと投げ飛ばした。
パラダルクは動かない。ドラグナーガールは其の身をエレメントに還す事で、忠誠を達成した。
大成功
🔵🔵🔵
把繰理乃・えんら
倒せないならば存在しないも同然と判断、目標をドラグナーガールズの撃破と儀式の妨害のみに絞ります。
まずは先制攻撃による増援を回避します。
出現したガールズ達の動きをよく見て情報収集、走れるだけの隙間を見定めます。
その後目立たないように極力低い姿勢でダッシュ、私の仕えるお嬢様直伝の逃げ足で儀式中のガールズ近辺まで駆け抜けます。
回避に成功しましたらUC使用、走りながら彼女らに触れていきバグを感染させテレパシーで私の思考と同期するようにジャミング、儀式不能に陥らせましょう。
侵食した数名は撤退するときもそのままにしておきます。
バグに侵された彼女らをそのまま回収した場合どうなるのか見極めさせていただきます。
●
水。
光、土。
火、樹、薬、風、毒、氷、闇。
あらゆる属性のドラグナーガールがパラダルクの周囲に現れる。
把繰理乃・えんら(嫌われ者のバーチャルメイド・f36793)は彼女らの動きを観察する。
「パラダルク様には触れさせないんだから!」
「ちょっと、光! 貴方パラダルク様に近過ぎよ!」
「何よ薬、貴方こそ! パラダルク様にくっ付きすぎ!」
まるで取り合うように男の周囲に入り乱れる少女たち。其の隙間を潜り抜けるのは、少し難儀な事だろう。
けれども、せねばならぬと決めたなら、するのだ。
えんらは駆け出す。
――お嬢様直伝の逃げ足です、早々には捕まりません。
低い姿勢で一気にトップスピードに乗り、10種類の少女たちとパラダルクの間をすり抜ける。出来るだけ多くのドラグナーガールの間をすり抜けながら、バグの欠片をひたり、と付与していく。
「あら? 何、これ」
「って、あ! 敵があんなところに!」
バグの欠片に気付いたドラグナーガールが声をあげる。何かしら、と拭おうとするが、バグは増殖して其の布をモザイクの塊じみた物へと変える。
――いやだ、なにこれ!
――取れないわ! パラダルク様!
触れた箇所がバグに徐々に侵食されるドラグナーガール達。
彼女らの思考に、えんらはそっと思考を触れさせる。其れだけで良かった。生まれ以てバグの塊だった把繰理乃・えんら。彼女の思考はバラバラで、テレパシーを介して繋がるだけで生き物の思考を侵食していく。
びくん、と儀式の為に踊っていたドラグナーガールの身体が震える。其の頭をバグに侵され始めたのだろう。――パラダルクは近寄るドラグナーガールたちをにべもなく突き放していた。
ああ。
結局は、そういう男なのですね。
貴方が彼女たちを回収する時が楽しみです。
内心で肩を竦めながら、えんらはグリモア猟兵が用意していた扉へと退避した。
大成功
🔵🔵🔵
臥待・夏報
【ぷれこーらす】
戦艦ほにゃららはよく知らないが
過去と戦うことこそが猟兵のさだめ
かかってきやがれ、まずは夏報さんのUCを喰らえー!
勿論、実際は魔王様が先制してくることは承知してるよ
こちらがUCを出せたとしても、受け止めてコピーされてしまうことだろう
頭の悪そうな挑発は演技さ
コピーした効果を確実に発動してもらうための、ね
騙し討ちして悪いねお嬢さん
それは「敵味方問わず精神を蝕む」クソUCだ……!
音が響くだけでも踊りの邪魔になる筈
僕自身は合法阿片の狂気耐性で耐える
その後は援護射撃に徹する
たぶん比較的美少女感の希薄な鵜飼くんが本物だと思う
元の顔が整ってるから微々たる差だけど……
隣に立てれば『味方』、かな?
鵜飼・章
臥待さんf15753と
うわあ
過去の価値観の塊みたいな人が来た
蚊に刺されて死ねばいいのに…(挑発
敵UCへの認識を臥待さんと共有
合わせてUCを発動し
オリキャラの鵜飼章を受け止めさせる
何人複製されても僕は僕
『猟兵』という設定通りにしか動かない
きみたちの味方ではありえないんだ
チャイムに耐えうる狂気耐性や落ち着き
追撃を察知する読心術と対処する早業
戦場内の鵜飼章は増殖すればする程
個々の実在性が希薄になり力を増す
全ての僕は設定に従い
敵対勢力にのみ攻撃を行うけれど
臥待さんは念の為僕から離れないでね
本物わかる?
万一『猟兵』でない僕が具現化されても
彼らは臥待さんの精神汚染に耐えられまい
『味方』で良かったね、お互い
●
「うわあ、過去の価値観の塊みたいな人が来た……」
鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)は心底嫌そうな顔で言う。多分ハーレムとかの事を言ってるんだと思う。しらんけど。
「蚊に刺されて死ねばいいのに……」
そして、臥待・夏報(終われない夏休み・f15753)は戦艦ほにゃららなんてよくしらない。
「だけど、過去と戦うことこそが猟兵のさだめ! かかってきやがれ、まずは夏報さんのユーベルコードをくらえー!」
「やだー、頭悪そうなカップル」
「カップルですらないんじゃない? ペアよペア」
夏報のユーベルコードが、チャイムの音が鳴る。章がオリジナルキャラ“鵜飼章”を発現させる。何かしらと思いながらもドラグナーガールは其れ等のユーベルコードを受け止め……反響させればいいかしら、と、夏報たちの前にいるドラグナーガールが一斉に、“チャイムを鳴らして”“鵜飼章を呼んだ”。
――きーん
――こーん
――かーん
――こーん……
「ぐっ……!?」
初めてパラダルクが揺らめいた。
ドラグナーガールもまたびくり、と身体を震わせて、中にはばたりと倒れてしまう者もいた。
「騙し打ちして悪いねお嬢さん、今のは挑発だ、判りやすいにも関わらず判らなかったかな。そしてこのユーベルコードは、“敵味方問わず精神を蝕む”クソコードなんだよ……!」
チャイムの音が鳴り響く。
鵜飼章が増えていく。
「そして、何人複製されても僕は僕だ。“猟兵”という設定どおりにしか動かないし、動けない……君の思うように動く事は一切ない。君たちの味方にはなり得ないんだよ」
夏報が震える手で合法阿片を舌に貼り付け、溶かす。終わらない放課後に狂いそうになるのを、ぎりぎりで踏み止まる。
章も涼しい顔をしているが、なんとか踏み止まっている状況だ。そんな場で、何の用意もしていなかったドラグナーガールたちが狂気への崖で踏み止まれるわけもない。
「あは、あは、あはははは! きりつ、れい! きりつれい!」
「来ちゃった! 来ちゃったよ、来ちゃった! パラダルク様あ!」
「ねえ、放課後だからデートしよ……? もう授業終わったもん、良いよね?」
「く……ッ! 莫迦共が、今すぐユーベルコードを止めろ……!」
「無理だよ無理無理パラダルク様! もう止まらないの! 止めたら授業始まっちゃうもん!」
「今日の授業って歴史だったっけ?」
「あ、体操服忘れた。ねえー誰か貸してー」
狂気に蝕まれるドラグナーガールたち。最早誰が何を言っているのかさえ判別できない。其れを“猟兵”である“鵜飼章”は持っている鉈で淡々と斬り裂き始める。血飛沫が舞い、エレメントが散り、少女の姿が消えていく。
「ねえ、臥待さん」
本物わかる?
章が問う。彼は本物なのか? 本当に、其処に存在しているのか?
“章”を生み出せば生み出すほど、実在性は薄れて行く。其処にいるのに、いると認識できなくなる。まるで陽炎に斬り付けられたかのような心地がする。とあるドラグナーガールは、意識を失いざまに、そう思った。
「たぶん……比較的美少女感の希薄な鵜飼くんが本物だと思う」
拳銃で援護射撃する事で集中力を高め、狂気を引き剥がしながら夏報が言う。
其れが言えるなら大丈夫だ、と章は微笑んだ。
「元の顔が整ってるから微々たる差だけど……」
「……。“味方”で良かったね、お互い」
「隣に立てれば“味方”だね」
儀式を行っていた、最も無防備なドラグナーガールは……既に倒れ込んで久しい。
「此処までされては、儀式は継続できないか……仕方ない、撤退しよう」
パラダルクは片耳を押さえながら、其の姿を消していく。
彼を追う事は出来ない。出来たとしても、彼を撃破するには猟兵の実力はまだ足りない。
後にはドラグナーガールを駆逐し尽くした無数の“鵜飼章”と猟兵が二人、そして歪んだチャイム音が延々と響く艦が残るばかりであった。
其れとも、これは残響なのだろうか。
耳の中で響き渡って、鳴りやまないんだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵