7thKING WAR⑳~戦場は来た時より美しく
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正直好みなので君がNew魔王でも全然良いんだよなあ。
「……え!? わたくしに対する評価其れだけ!? 此処はもっと心情とか綴るところではありませんの!? ねえ!!」
「フ、クイーンの美しさに言葉を失ったのでしょう……僕は氷棘鞭のレツ」
「そうだな! 俺の炎でもクイーンの絶晶は溶かせねえ! 俺は業火拳のロウ!」
「どうでもいいし……早く帰って寝たい……あ、僕は眠りのロク」
「そして以下残り四天王97名!」
「我らがいるからにはクイーンに傷など付けさせん!」
●
「という訳でサクッと行こう。次はアイスエイジクイーン、7thKING WARの参戦者がご登場だね」
ヴィズ・フレアイデア(ニガヨモギ・f28146)は先程のやりとりなど知る事もなく、自分が行きたいな~~という気持ちを漂わせながら猟兵を見やった。
「白羽の矢を受けたのは胸だという噂だ。まあ、其処が脆いという訳ではないのだが。――アイスエイジクイーンはスーパーカオスドラゴンと並ぶ東西のラスボスだ。彼らを含め数名の参加者がいるが、特にこの“白羽の矢が立った”東西のラスボスを斃すと猟兵側が暫定候補者になる。そうなったら……ガチデビルは猟兵と戦わなきゃキングになれないという事さ。あの二人はオブリビオンではなくラスボスなので可哀想といえば可哀想だが、此処でちょっとオネンネして貰おうかね」
で、とヴィズは白磁の扉を生成しながら説明する。
「アイスエイジクイーンの厄介な点は二つ。100人の愉快な四天王と自動鎧“絶晶”だ。四天王は……なんていうの? テンプレ? みたいな仕草をして、何故か単騎で突撃してくるのだが、テンプレとか其の辺はあたしには良く判らないので体感してきてくれ」
魔女は現代文化に疎かった。
代わりに、とヴィズは絶晶についての説明を始める。
「アイスエイジクイーンの女性体部分以外全て……と言ったらいいかな。他にも“極晶”という自動鎧があるらしいが……氷の特性を持っている。融解して変形出来るようになったりとか、凍結魔力を武器に込めて攻撃してきたりするよ。“氷河期魔法”というだけはあるね」
場所はスゴーイサムイ平原だ。人払いは既に済ませているので大丈夫だよ。
あらかたの説明が終わったのか、白磁の扉が開く。ひんやり、とした冷気が溢れ出してきた。
「……ちなみに……四天王はみんな、斃される度にゴミを拾うんだけど……なんでだろうね。やっぱりみんな良い人なのかな」
key
こんにちは、keyです。
いつものデビルキングワールドって感じです。
●目的
「アイスエイジクイーンを倒せ」
「ついでに100人の四天王も倒せ」
●プレイング受付
オープニング公開後、すぐに受付開始です。
受付終了日時はタグ・マスターページにてお知らせ致します。
●このシナリオについて
1章で終わる戦争シナリオです。
●プレイングボーナス!
「四天王しぐさを利用する/絶晶に対処する」
冒頭にあげた3名以外にも様々な四天王がいると思います。お好きな四天王を創造してみても構いません。
四天王は必ず四天王しぐさ(「奴は四天王の中でも最弱……」とか「あいつ殺しちゃっていいんだよね? 答えはry」とかいうアレ)をしてきます。ノってあげると喜んで、倒されやすくなるかも知れません。
直接アイスエイジクイーンを狙う事は出来ません。必ず四天王の洗礼を受ける必要があります。たくさん書きます。頑張ります。
●注意事項(宜しければマスターページも併せてご覧下さい)
迷子防止のため、同行者様がいればその方のお名前(ID)、或いは合言葉を添えて下さい。
また、失効日が同一になるタイミングでプレイングを送って頂ければ、こちらとしては助かります。
単独行動希望の方も一言添えて下さると嬉しいです。
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此処まで読んで下さりありがとうございました。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『西のラスボス『アイスエイジクイーン』軍』
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POW : 絶晶融解体
自身の【氷の自動鎧「絶晶(ぜっしょう)」】を【融解変形モード】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
SPD : 絶極双晶舞
【もう1つの自動鎧「極晶(きょくしょう)」】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 超絶凍結刃
【氷の自動鎧「絶晶」の凍結魔力】を込めた武器で対象を貫く。対象が何らかの強化を得ていた場合、追加で【超凍結】の状態異常を与える。
イラスト:屮方
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
プリ・ミョート
アドリブ絡み歓迎
おらこそが魔王国四天王、プリチャンだべ! 他の四天王はどうしたって? フッ、それを知りたくばおらを倒してみろッフギャーっ!?
まあ膂力と手数と物量を兼ね備えとる四天王皆様にガチンコで勝てるとは思ってねえべ。ブギーモンスター流変り身の術。もとい脱いだ布に綿を詰めて囮にしてクイーンに近づくべさ。こんなこともあろうかと布は普段重ね着してるんだべさ。
氷の絶晶目掛けて跳弾狙いに乱射したり、凍って取れた腕や足を起点にそこを殴りつけて転倒させてやるべ。結局身一つじゃねーか! おらを倒しても第二第三の猟兵が……ぐふっ
手持ちの布を使い切ったら潔く退散すんべ、へへへ!
岩倉・鈴音
やはりラスボスだけあって容易に近づけぬかっ。だが負けないっ
ゴミ箱を用意しとく。
ぬうっあれが噂に聞く!とかいって四天王しぐさに合わせて戦うぞ。あ、負けたらゴミはゴミ箱にな〜
普通の四天王には先制切り込みや貫通、吹き飛ばす。
怪力で投げ飛ばして待ってるやつらに当ててあらかじめダメージ与えておく。
ダジャレ四天王には四天王知ってんのう?とダジャレ対応。
エンケラドスが使えそうなら交代で相手する。炎の魔王軍展開、沢山ありそうなんで燃えるゴミ集めさせる。極晶や絶晶が炎に弱いならゴミ燃やして強い炎にするだけだ。
魔王軍にどんどん炎ゴミ投げさせ攻撃、ワタシは焼却+貫通、鎧無視、焼却+力溜めて捨て身の一撃だなっ
●
プリ・ミョート(怪物着取り・f31555)と岩倉・鈴音(【機械天使12番】JKハングマン・f09514)は二人並んで、四天王を相手取る。
「何を隠そう、おらこそが魔王国四天王、プリチャンだべ!」
「あとの三人は?」
鈴音が問う。
「ふっふっふ……其れはおらを倒した時に明らかになる秘密だべ」
「ふうん……プリチャンだけに久し“ぷり”ってか?」
だが俺は負ける気はないよ。
なんか気障なおじさん四天王は寒いギャグを飛ばしてウィンク。
「気温が下がる気がするべ……」
「あれが噂に聞くダジャレ四天王……! 四天王のこと、知ってんのう?」
「こっちも寒いべ!!! おらヤベーところに来ちまっただ!」
「ふ……なかなかやるね……お嬢さん……寒さが、身に沁みるな……」
「あ、倒れるならゴミはこちらにどうぞ」
ダジャレ四天王“なんかイケてるおじさん”は、鈴音の差し出したゴミ箱に拾ったガムの包み紙を入れて、静かに倒れ込んだ。
と、数行で四天王を倒してしまった訳だが。
「四天王の皆様にガチンコで勝てるとは思ってねがったから、倒して貰えて助かったべさ
寒いけど」
「人生に一度は言ってみたいじゃない? 言えてよかったよ」
「おーっほっほっほっほっ! 四天王を倒したところで自慢にもなりませんわよ! 此処からはわたくし、アイスエイジクイーンがお相手致しますわ!」
ずしん、と氷の鎧が踏み出す。其の寒さはダジャレで感じる感覚的なものではなくて、膚を凍らせそうな程の本当に寒さ。
「ラスボスのお出ましか! プリチャン、ワタシと一緒に下がって!」
「? わかっただ」
「大きさはそっちだけの特権じゃない……! エンケラドス!」
――エンケラドス。其の意は“大音響を鳴らす者”。
11番のナンバリングをされた彼は、機械天使の搭乗を目的に創られたロボットである。
人間が乗るに値するだけの大きさを誇り、意志を持ち、戦う。
「成る程? 大きさだけは一級ですわね! ですが、わたくしの絶晶にかなうかしら?」
融解変形モードに変形した絶晶は、動かぬ要塞と化す。
飛び掛かってきたエンケラドスの拳を槍で受け止め、受け流すように薙ぎ払う。エンケラドスの装甲が傷付いたが、戦えない程でもない。
「おっほっほっほっ! 攻撃力を増した絶晶の前に敵など――!? え!? 何!?」
急激な熱を感じて、アイスエイジクイーンは振り向いた。炎に包まれた柔らかい何かが鎧に当たる。
「みんな~~~!! 今の調子でどんどん投げるっぺよ!」
プリが指示を投げるのは、鈴音が呼び出した配下モンスター。気付けば鈴音とプリの周りは綺麗に掃除されていて、えっさほいさと配下モンスターは“何か”に火をつけてひょいひょいとアイスエイジクイーンに投げつけているではないか!
「なっ、なっ、なんですの!? あっ、まさかゴミに火を!?」
「其の通り! 氷なら炎で溶ける! 当然の摂理だよね」
「さあみんな、特大弾だ! いっせーの、で投げるだよ!」
本来なら逃げに使うつもりだった、綿を詰めたプリの身代わり布。火をつけて大きな火球に変え、いっせーの、で……アイスエイジクイーンへと投げつける!
「きゃーー!! 炎は嫌! 嫌ですわー!」
「鈴音さん、布とごみがなくなったら撤退するだよ!」
「うん、判ってる! 無理は禁物、だよね! エンケラドス!」
慌てるアイスエイジクイーンに、エンケラドスが殴りかかる。
鎧部分を殴られても融解変形モードゆえにダメージは殆どないが、炎から逃げられないのは辛い。アイスエイジクイーンはエンケラドスの攻撃をいなし、唇を噛むのだった。
大成功
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レパル・リオン
【勇者レパル】
四天王たるもの、相手が何人でも一人ずつ戦うわよね!
だからあたしはパーティーを組んで来たわ!
大丈夫、全開100%パワーで戦うのよ!考えがあるわ。
みんな、行くわよ!おおーっ!!!
あたしはもちろん攻撃役!パンチとキックあるのみよ!
くらえ必殺、竜咆拳!
はあはあ…四天王たるもの、回復してくれるか、回復ポイントを設置するわよね!
まあ…たまに無いこともあるけど…
クイーンにも突撃あるのみ!四天王との戦いで磨いたチームワークとパワーを試すときよ!
氷の魔王に果敢に挑み、決めろ究極!勇者王・竜咆拳(ブレイブ・ドラゴンブレス)!
ルク・フッシー
【勇者レパル】
四天王じゃないですよこれ、百天王ですよ!
でも相手は一人ずつなんですか…なぜ?
温存しなくていいんですか?今はレパルさんを信じます…
お、おおー…(ノリきれない)
ボクは連射塗装で中距離から攻撃!四天王の多彩な属性に、色とりどり属性とりどりの絵の具で対抗します
なぜ?疲弊した所を殲滅しなくていいんですか?
アルダワでは絶対ありえないですよ…
ううっ、クイーンの魔力は凄いですね…でも、みんながいますから!
自動鎧に触れた塗料は凍ってしまっても、逆に張り付いて取れなくなったことで継続ダメージを与えます!
チル・スケイル
【勇者レパル】
四天王が100人…?
四天王しぐさ…?
100人もいたら宴会が楽しそうですね。魔界のスシ屋にも詳しいんでしょうか(軽い現実逃避)
全力ですね?わかりました
おおー(一応ノる)
私は氷の魔法により、四天王の動きを阻害する妨害役です
杖から凍気を放ち、二人の攻撃を避けられなくします
なるほど、正々堂々と戦うというわけですね。四天王の誇り高き精神、確かに見せて頂きました。全力を出すにふさわしい相手です!
長い戦いでしたが…ついにラスボス戦。全力を超えた超全力で挑みます
氷の鎧と言っても関節が凍り固まれば、簡単には動けないでしょう
レパルさん、今のうちに。
●
――四天王たるもの、相手が何人でも一人ずつ戦うわよね!
レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)の予測通り、レパルたち3人の眼前に立った四天王は一人だった。
「僕は氷棘鞭のレツ。僕の鞭が打ったところはたちまちのうちに凍り付く……クイーンに従うにふさわしい力だろう?」
「凍り付いたって燃え盛ったって、あたしたちは負けないわ! そうよね!」
「え、……う、うん?」
突如話を振られて、ルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)が頷く。チル・スケイル(氷鱗・f27327)は其れで良いのでしょうか、と思案顔だ。
「(100人もいたら宴会が楽しそうですね……魔界のスシ屋にも詳しいんでしょうか)」
「大丈夫、ちゃんと考えはある! みんな、行くわよ! おおーっ!」
「お、おおー……」
「(はっ)全力ですね? 判りました。 おおー」
このテンションの差よ。
斯くして前哨戦、四天王“氷棘鞭のレツ”との戦いが幕を開ける。
「其処をどきなさい! あたし達はクイーンを倒すの、アンタに構っていられないわ!」
「生憎だけど断らせて貰うよ。僕はクイーンの守り手だからね、クイーンを倒すなんて言う人を通す訳がないだろう?」
「レパルさん、み、右に!」
ルクの言葉に、レパルは素早く右へ跳ぶ。氷を扱うというなら――炎が良いだろう。ルクの放った炎色の弾丸が、大地に赤い花のような模様を画いた。
「氷を操るなら、常より寒さには強そうですが……累積したらどうですか? どんな生き物も寒さの前には無力ですからね」
チルが杖から凍気を放って、レツの動きを阻害する。重い脚、思うように動かない体。鞭うった場所の氷はルクの赤弾によって相殺される。ぐ、とレツが呻いて脚をもつれさせた瞬間を、レパルは見逃さない!
「いまね! いまこそ! 必・殺! 竜咆拳!!」
「ぐああああああ!!」
レパルの拳が、確かにレツの身体のど真ん中を貫く。レツはどさ、と炎と氷が入り混じる大地に倒れ伏した。
「よし、あたし達の勝ち! さあ、次は貴女よ! アイスエイジクイーン!」
「ほっほっほっほ! そんな連戦でわたくしに挑むなんて無謀も良い所ですわ! 貴方がたの全力でかかってきなさいな!」
アイスエイジクイーン は レパル 一行 を 回復 した!
「これは……回復魔法!?」
「全力でない貴方たちに勝ったって、全く面白くありませんもの! おっほっほっほ! さあ、準備は宜しいかしら!」
ずしん。
絶晶を纏ったアイスエイジクイーンの傍に、もう一体の鎧が現れる。其の鎧には女性体は付いていない――これが“極晶”か。
「良いじゃない、突撃あるのみよ! みんな、いくわよ!」
「疲弊したところを殲滅しないなんて、アルダワでは絶対ありえないけど……回復してくれるなら素直に乗っておきます……! い、行きます!」
「ついにラスボス戦ですね。全力を超えた超全力……今の私なら、やれる。行きます」
「たああああっ!」
レパルの拳が唸る。絶晶の槍で其れを受け止めるアイスエイジクイーン。
「おっほっほっ! 其の程度かしら? 氷に止まる虫程度にも効きはしませんわよ!」
「っ……! 炎の赤!」
ルクが撃ったペイント弾を代わりに受けるのは極晶だ。炎の花が氷の鎧に咲いて、戦でなければ美しい光景だったろう。
「超全力、と言いましたよね」
チルが凍気を放ち、敢えて極晶と絶晶の関節部を狙う。
ばきばき、とみるみるうちに凍気は凍り付いて、自動鎧たちの動きを止めていく。
「成る程、氷を凍らせるなんてやるじゃありませんの! ですがわたくしとて、負ける訳には!」
「まだよ! まだ、あたしの必殺が残ってる! 受けて見なさい、アイスエイジクイーン!」
――超・必殺!
――勇者王・竜咆拳(ブレイブ・ドラゴンブレス)ッッ!!!
まるで弾丸のように駆け抜けるレパル。其の拳は凍り付いて僅かに溶け、割れやすくなっていた極晶をかち割り、絶晶の右腕にひびを入れた。
大成功
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檪・朱希
戦争だし、少しは戦おうと思って来たけど……えっと。
四天王って、こんなに居るの?
『百天王の間違いじゃねぇのかよ!? なぁ雪!』
『僕に聞くな』
とにかく、彼らとアイスエイジクイーンを倒そう。
(燿が先導して、視覚のない朱希を雪がサポートへ)
「聞き耳と情報収集」を欠かさずに、敵の動向を掴む
燿は地水火風の「属性攻撃」で、雪は「破魔の斬撃波」で対応するけど……
『残念だったなお前ら! 四つの属性全て扱える俺が来たからには、四天王の座は俺のものだー!』
乗り気で四天王達とはしゃぐ燿。雪は呆れ果てながら、一緒に切り抜けていく
絶晶は「限界突破したなぎ払い」に、燿の火「属性攻撃」を纏わせて溶かしつつ霊刀で斬り裂くよ
●
カタストロフが起こらないとはいえ、戦争は戦争。
負けたらとんでもない事が起こっちゃう。
という事で、檪・朱希(旋律の歌い手・f23468)は少しでも戦おうと思ってきたのだけれど……
「えっと。四天王って、こんなにいるの?」
視覚ではなく聴覚で数えて、10を超えたところで朱希は数えるのをやめた。
『百天王の間違いじゃねぇのかよ!? おい雪!』
『僕に聞くな』
朱希を守る守護霊、雪と燿もこれには流石に困惑である。
「おーっほっほっほっほっ! 挑戦者ですわね? では、四天王! カモーン!」
「ん……」
進み出てきたのは、眠そうな、一振りの刀を携えた少年」
「クイーン……こいつを倒したら、いっぱい寝て良いんだよね……?」
「勿論ですわ! ですがロク、眠気に負けて勝負に負けたなんて事になったら許しませんわよ!」
「大丈夫。戦っている間は、目が覚める。……殺しても良いんでしょ?」
『そう簡単に俺達が殺される訳ねーだろ! 残念だったな、四つの属性全て扱える俺が来たからには、四天王の座は俺のものだー!』
『全く……四つの属性を使えるから四天王って訳じゃないだろ……』
二人の青年が降り立つ。銃持つ青年、燿。刀携える青年、雪。彼らは朱希を守る蝶である。朱希はロクの“音”に照準を合わせて、其の動きを捉える。
『行くぜー!!』
『朱希は僕の後ろに』
「うん。雪、燿、お願い」
燿が放つ属性攻撃を、ロクはぱちりと開いた瞳で見切り、刀で斬り裂く。
「こんなのどうってこと、……!」
追うように放たれた斬撃波、刀を構えて防禦するロク。
『僕もいる事を忘れないで貰いたいな』
「……二人がかり。でも、其の方が楽しそうだね」
燿は属性を込めた弾丸で。雪は朱希を守りつつ斬撃波で、ロクを次第に追い詰めていく。彼らは伊達に一緒にいる訳ではない。どれ程前から一緒にいたのかも知れない彼らは、並外れた連携で四天王を追い詰めた。
『雪! 合わせるぞ、俺の属性ありったけ持ってけ!』
『お前は本当にいつも勝手だな。……良いけど。朱希、少し離れる』
「うん、いってきて、雪。燿も気を付けて」
『大丈夫だぜ!』
「……クイーンには……手を出させないッ……!」
ロクが斬撃波を放つ。
燿が炎の概念をありったけ、雪の刀に乗せる。紅い光を帯びた鎖纏う刀“月花”で、雪は一切の容赦なくロクを斬り裂いた。
「あ。……クイーン、……ごめん……」
ぱたり、と倒れるロク。其の音を朱希は聞いている。
大丈夫だ、死んではいない。気絶してそのまま眠りについただけだから、暫くすれば起き上がるだろう。
『よっしゃあ! 雪、これで……』
『莫迦! 敵から目を離すな!』
「燿!」
彼の背後で、アイスエイジクイーンが槍を振り上げていた。
はっ、と気が付いた燿が視線を戻すと同時に、アイスエイジクイーンが槍を振り下ろす。燿は咄嗟に後ろに跳んで其れを避けたが――着物ごと肌を斜め一文字に斬り裂かれていた。
『くそっ……!』
「おーっほっほっ! 不意打ちはワルの花、ごめんあそばせ! ロクを仕留めるとは見事ですわ! ですが、わたくしはどうかしらね!?」
槍の攻撃は続く。燿は其れをスレスレの所でかわしながら、朱希に戦が及ばないように立ち回る。
『くそっ、本当にデカいな……!』
『一撃に全てを乗せるしかないか……もう一度だ、僕に火を寄越せ、燿!』
『渡したいのはやまやまだが……ッ!』
「おーっほっほっほっ! そう簡単に連携させると思って!?」
絶晶がくるくると槍を取り回し、巧妙に雪と燿の連携を切って来る。燿が属性を渡そうとする導線に割り込んで、力の受け渡しを阻害しているのだ。
「……私が」
朱希が呟く。やらなくちゃいけない。私たちは二人じゃない。三人なんだから!
「雪、燿! 今のうちに……!」
“音”を頼りに、朱希が薙ぎ払いを放つ! 己の限界を超えた其の一撃は、アイスエイジクイーンの絶晶に横合いからぶち当たり、其の巨体を揺らがした!
「なっ!? しまっ……」
『今だ! 燿!』
『任せるぜ、雪!』
燿の火が雪へ渡って。
雪が其の刀を振り上げて、一気に絶晶へと飛び掛かる。
三人で練り上げた其の一撃は、絶晶の右腕を すぱん と斬り飛ばした。
いっそ気持ちがいいほどに。
大成功
🔵🔵🔵
草守・珂奈芽
絵というか漫画さ描いたみたいな…いいのそんなノリで?
まー正々堂々やってやるけどさー!覚悟!
パワー系っぽい四天王に《召喚術》で呼んだ精霊さんから氷の《属性攻撃》!
さすが四天王、なんて頑丈なのさ…(棒読み)
でも少しずつ凍らせて、スキを突いて《グラップル》で一本背負い!
やっと倒したのにあれで最弱…でも逃げるわけに行かない!
どんな手を使っても倒すのさ、平和のために!
先に倒した敵さ魔力源にして、UCで召喚した精霊さんで次の相手を攻撃!
以下同文で魔力源さ増やしてクイーンに挑むのさ!
凍結魔力ってことは炎や魔力吸収が効く気がするのさ
結晶魔法陣での消耗とここまで召喚した精霊さん達の炎の魔法攻撃で攻めるんだから!
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草守・珂奈芽(意志のカケラが抱く夢・f24296)は並ぶ四天王(100-3)とアイスエイジクイーンを見て、思わず口にした。
「絵というか、漫画さ描いたみたいな……いいの? そんなノリで?」
「なぁ~~んの事かしらっ! おっほっほっほ! 行きなさい四天王! わたくしの出番を残してくれてもよくってよっ!」
「なあに、クイーンの出る幕などありません! この俺が行くからには!」
「君が私のお相手してくれるの?」
屈強な男だった。
珂奈芽を見下ろして、無駄に白い歯を見せて笑う。
「そうだともお嬢さん。怖いと思ったら逃げても構わないんだよ?」
「……全然! 怖いと思ってなんかないさ!」
――精霊さん、応えて!
珂奈芽の願いに、平原の冷たい冷気を纏った風精霊が答える。彼らは常に平等で、クイーンの味方ではない。請われた事を淡々とこなすだけ。珂奈芽が願うから、其の纏った冷気を氷柱の形に変えて、四天王へと解き放つ!
「むうん!」
だが、其の程度で倒れる四天王ではない。恐れず胴体に氷柱を受けた! 先だけが突き刺さり、其れ以上は筋肉に阻まれる。ばきり、と見せつけるように両腕で氷柱を折り、ぽいと捨てる四天王に、
「さすが四天王、なんて頑丈なのさ……」
思わず珂奈芽は呟いていた。
嬉しそうにする男。まあ、四天王としては嬉しいよね。
「ふ、私如きで此処まで苦戦するのなら、君にはクイーンに挑む資格はないようだね」
「ううん、まだ……まだまださ!」
次々と精霊を呼び出し、冷気を時に形にして、時に冷気のまま解き放つ珂奈芽。
「ふふん。この程度では聞かないと、何度言ったら判るかな?」
四天王の男はゆっくりと歩く。其の冷気を身体に受け、其れでも余裕の表情を浮かべる。
――どんな手を使っても倒すのさ
男の動きが少しずつ、ほんの少しずつ鈍っている事に、男自身は気付いてはいない。
――平和の為に!
さっきの氷柱に、触媒の結晶魔法陣を付与している。
男の力を使って精霊を召喚して、其の精霊で男を攻撃する。エネルギーサイクルに巻き込まれている事に、四天王の男は気付いてはいない……!
そして!
「わたしに近付きすぎたのが運の尽きさ!」
「何だね? ナイフでも刺すのかな?」
不可解な体力の損耗を感じながらも笑った男、其の襟首を珂奈芽はひっつかんで……見事に一本背負い!!
「んなあああああ!?」
僅かな損耗を積み重ねて。
僅かな冷気を積み重ねて。
珂奈芽は見事に、四天王の意識を刈り取ってみせた。
「はあっ、はあ……! どうさ!」
「ほっほっほっほ! 四天王、休んでいなさいな! これは見事にやられましたわね! つまり此処からは……わたくしの出番という事!」
アイスエイジクイーンが、絶晶が一歩踏み出す。槍を珂奈芽に向けて、一気に跳躍した!
「っ……!」
精霊を呼びながら、珂奈芽は慌てて着地予想地点から離れる。呼び出された炎の精霊が、ふう、と吐息を焔に変えて宙に跳ぶ絶晶を炙る。
「おーっほっほっほっほっ! この程度の火でわたくしの絶晶が溶かせるとでも!?」
だからアイスエイジクイーンも気付かない。絶晶に画かれた魔法陣に。少しずつ損耗していく体力に。静かに精霊の苗床にされたクイーンは、
ずどん!!
と、大地に降り立ち、槍を大地に突き立てた。
ばきばきばき、と音を立てて大地が凍る。炎の精霊が絶晶の周りをくるりと巡って、直接熱気を浴びせる。其の数が一人、二人と増えていき――漸くアイスエイジクイーンは異変に気付いた。
「あら? なんだかわたくし……いつもより疲れやすくなってません?」
「気付いてももう遅いのさ……精霊さん達! どんどんやっちゃえ!」
「何か仕掛けましたわね……! 見事なワル! おっほっほっほッ! でも、勝つのはわたくし! アイスエイジクイーンですわ!!」
大成功
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カイム・クローバー
女王陛下と愉快な仲間達ってトコか?生憎、こういう場じゃ愉快な仲間達の方はモブ扱いって決まってる。…とはいえ。モブにはモブらしい『やられ役』って、見せ場がある。
俺の前に立つのは誰だ?名前ぐらいは覚えておいてやるよ。サービスだと思ってくれりゃ良い。
四天王しぐさには肩を竦めて応えるぜ。
二丁銃で【クイックドロウ】。銃弾に紫雷を纏わせて。
さて。女王陛下を待たせてしまうとは。これは失礼を。(胸に手を当て一礼)寒い平原の真ん中。煌びやかなシャンデリアや贈り物も持たず。ドレスコードと呼ぶには余りにも遠い格好だが…一曲踊って貰おうか。(魔剣突き付け)
極晶に対してUCを発動させ、魔剣を【怪力】で叩き付け罅を入れる。
融解させるとか、水蒸気に変えるとかじゃない。狙ってるのは鎧の破壊だ。ご自慢の鎧の片割れらしい。
女王陛下に傷を付けるのは恐れ多いんでね。狙うのは極晶と絶晶の鎧部分だけさ。罅が入れば、其処に銃弾一発。
後は見てからのお愉しみってヤツだ。
ハハッ、ダンスのアプローチの仕方、少しばかり間違えちまったかね。
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「差し詰め、女王陛下と愉快な仲間たちってトコか」
くるくる、と愛銃オルトロスを指で弄びながら、カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は笑う。
「だが生憎、こういう場じゃ愉快な仲間たちの方はモブ扱いって決まってる。とはいえ、モブにはモブらしい見せ場がある。“やられ役”って奴だな」
「あら、なかなか言うじゃありませんの! そういう貴方はどうなのかしら? 無様に挑んで尻尾巻いて逃げる、そういう役どころではなくって?」
「まさか。そんな役に志願する程、仕事に飢えちゃいないんでね。――で? 俺の前に立つのは誰だ?」
「クイーン、私が出ても?」
「構わなくってよ!」
「では。……やあ“勇者”くん。私はサザレ。どちらが“やられ役”なのか、腕比べといこうじゃないか」
「サザレ、ね。名前くらいは憶えておいてやるよ。サービスだと思ってくれりゃ良い」
「其れは私の台詞さ。何故なら君はここで息絶えるのだから。長い長い旅も、此処でおしまいさ!」
武器を構えるサザレに肩を竦めて。
カイムは同じく武器を、オルトロスを構え――そのまま撃った!
BANG!
「……な」
「おっと、言い忘れてた。物語ではたびたび、こういう“やられ役”の出番は端折られる事があるんだよな」
「お、おの、れ……だが、私が斃れても、第二第三の四天王が……」
ばたり。
何処か満足そうに倒れるサザレを見て、やれやれとカイムは息を吐き――改めてアイスエイジクイーンに向き直ると、うやうやしく礼をした。
「さて、女王陛下を待たせてしまうとは。これは失礼を」
「まあ! おっほっほッ! レディの扱いを心得ていますわね! 好感が持てますわ!」
「寒い平原の真ん中、きらびやかなシャンデリアもなく、贈り物もない。ドレスコードと呼ぶには余りにも遠い格好だが――」
銃を腰に仕舞い、中空に手を伸ばす。
掴んだ魔剣の切っ先をアイスエイジクイーンに向けて、カイムは不敵に笑ってみせた。
「一曲踊って貰おうか」
――硬い物と硬い物が連続してぶつかり合うような音が響き渡る。
其れはカイムの魔剣が黒銀の炎を纏い、極晶に叩き付けられる音。ばきり、と罅が入る音がして、極晶の片脚の動きが鈍くなる。
融解でもなく、炎で水蒸気に変えるでもない。カイムの目的はあくまで、鎧の破壊だ。
――女王陛下に傷をつけるのは恐れ多いんでね。狙うのは極晶と、絶晶の鎧部分だけさ。
罅が入ったのを確認すると、素早く武器を持ち換える。後ろから槍を振り上げるアイスエイジクイーンにまず一発。そして前方の極晶の罅に向けて一発、銃弾を撃ち込んだ。
「……ッチ! 小賢しい鼠ですわッ!」
アイスエイジクイーンは素早く其れを避けるが、代わりにカイムに攻撃を入れる事が出来ない。そして極晶は、脚に銃弾を撃ち込まれ――ばきばきばき、と其の片足に罅が大きく入ったかと思うと、ぱりん、と片足が“割れた”。
「おいおい、レディがそんな言葉を使うモンじゃないぜ。女王陛下は其れらしく、お上品でなくちゃな」
「……! お小賢しいお鼠ですわねッ!」
「うーん、惜しいな」
そういう意味じゃないんだが。
カイムは言いながらも、極晶に戦闘力がほぼないと判断して絶晶への攻撃に映る。既に片腕を喪っている絶晶の槍と剣が激しく打ち合う。
「流石は女王陛下、踊り慣れていらっしゃるようだ」
「わたくしを侮られては困りますわ! 100人の四天王を、ただわたくしの魅力だけで獲得した訳ではありませんのよ!」
“氷河期魔法”を駆使して地道に積み上げてきた今の地位。
そして胸に立った白羽の矢。
その矜持に懸けて負ける訳にはいかないと、アイスエイジクイーンは槍を振るう。
カイムは其の槍に、怪力を込めた剣で答えた。ばきいん、と凄まじい音が響き渡り、槍がぴきり、と僅かに鳴る。
其の音をカイムは聞き逃さない。罅が入っていれば僥倖、入っていなくても――と、銃弾を一発狙い定めて撃ち放てば。
ばりばりと凄まじい音がして、ついに槍が折れ墜ちたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
四王天・燦
面倒だ四人纏めて掛かってこい
って本当に四対一をするとか馬鹿か!
君らプロレス分かってる?と威圧かまして退場の美学などを叩き込もう
一発でやられる役や、後に恐ろしい四天王がいることを伝える役の必要性を言いくるめるぜ
ブック破りとばかりに授業中にカウントダウンで爆撃してやりますが
この邪悪の所業で恐怖を与えるよ
極晶の召喚が始まったら動かれる前に稲荷符を投げ込み結界術で捕縛して絶晶を目指す
神鳴による、力溜めからの居合斬りで部位破壊:脚部でバランスを崩してやる
トドメは封印儀式で氷壁を召喚し生身を引きずり出すようにハイパワー封印しちゃうぜ
戦う前より神秘的で美しいだろ?と四天王達にドヤ顔さ
さ、煮込んで解放しよっと
●
「四天王? 面倒だ、四人纏めてかかってこい」
と言い放った四王天・燦(月夜の翼・f04448)。これはあくまで“四天王しぐさ”のつもりだったのだが――
「本当に四対一をするとか莫迦か!!」
取り囲まれてキレていた。
「えっ、だって四人纏めてっていうから……」
「君らプロレス判ってる?」
「えっプロレス?」
「知らないとは言わせねぇぞ。ワルあるところにプロレスありだからなあ! 良いかい、一撃で退場する役にも美学はあるんだ!! 中途半端な一撃で倒れたら興醒め! ここぞとばかりにメインに華を持たせるのがヒールってもんなんだ!! そして“俺を倒していい気になるなよ……”と後に恐ろしい四天王がいると伝える、この大事な役割! 後ろに聳え立ちほくそ笑む残りの四天王! 此れこそが浪漫ってもんじゃないのか!?」
「お、おおおお……!」
「仮にもワルだっていうなら、ワルの基本をお勉強してから来い! ところで此処に箱があります」
「はい?」
「はいポチリ、はいパス」
燦は突然取り出した箱のボタンを押すと、投げて四天王の一人に寄越した。
思わず受け取る四天王さん。これは何だ? と見ていると……ピピピ、と箱が音を鳴らし……
どかーん!!!
「「「「ぐわーッ!?」」」」
爆発した。
燦のお説教を受けていた四天王全員を巻き込んだ極彩色の爆発はふわんふわんとキノコ雲を作り、見事に燦は四人を一人で沈めてみせたのである。
「な、なんてワルなんですの……! お説教と見せかけて爆弾を投げ込むですって!?」
思わず震えるアイスエイジクイーン。だが、怯える訳にはいかない。だって自分は、100人の四天王を束ねる女王なのだから!
「おーっほっほっほッ! お見事ですわチャレンジャー! では次はわたくし、アイスエイジクイーンがお相手しますわ!」
「見たところ、武器がないようだけど大丈夫なのか?」
「勿論ですわ! わたくしはクイーン! 例えステゴロだろうとも負けませんのよ!」
クイーンが極晶の召喚を始める。
ずずず、と大地から現れるもう一つの氷鎧に、燦は素早く何かを投げた。其れはくるりと極晶を囲うように配置される。
「あら?」
結界術だ。
これで極晶は召喚されても暫くの間動けない。其の間に――!
燦は真っ直ぐに絶晶を目指す。召喚が中断されたのを不思議そうにしているアイスエイジクイーンに肉薄すると、一瞬構え、息を整えた。
――疾!
神鳴。其れは燦が持つ刀の名。
未熟な使い手をも焼き尽くすと言われる赤雷纏う其の刀身が僅かに閃いたかと思うと、ぱくり、と絶晶の脚が切れ割れた。
美しい断面を見せながら、アイスエイジクイーンはバランスを崩して倒れていく。
「ああああッ!? こ、この…ッ!」
絶晶の手を伸ばしたアイスエイジクイーン。燦はそちらではなく、生身の方の手を取った。
「御狐・燦の霊力を以て命じる」
「彼の者を封印せよ!」
ぐつぐつぐつぐつ……
「クイーン~~~~!!」
「おい! 本当にクイーンは大丈夫なんだろうな!?
「うるさいねえ。何度も大丈夫だって言ってるだろ」
アイスエイジクイーンはというと、煮込まれていた。
片足を失い、燦の封印術式によって氷壁に封印されたクイーンは事実上戦闘不能となり、猟兵たちが勝利を掴んだ。
燦は勝敗が決まればもう凍らせる必要もあるまいと、どこからともなく取り出した大鍋でぐつぐつと氷壁に封印されたクイーンを煮込んで解凍しているのである。
「無事なんだよな!?」
「目を覚ますんだよな!?」
「人格変わったりする!?」
「なんで煮込んで人格が変わるのさ! 大丈夫だから、本当に。もうそろそろ目を覚ます頃だと思うけど……」
ぱちり。
眠るように目を閉じていたアイスエイジクイーンが、目を開けた。
「あら? わたくし、何を……え? え?」
なんか、ぐつぐつ言ってますわ?
わたくし煮込まれてる? お肉の如く? 何故!?
「きゃ~~~~!? 煮込まれてますわ~~~!!?」
「クイーン~~~~~!!!」
大慌てのアイスエイジクイーンと、彼女の目覚めを喜ぶ四天王たち。
デビルキングワールドらしいどこかヘンな光景に、燦は見守りながら苦笑するのだった。
大成功
🔵🔵🔵