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7thKING WAR⑳〜不滅の氷河期魔法

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #西のラスボス『アイスエイジクイーン』

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#西のラスボス『アイスエイジクイーン』


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●絶滅悪魔タイムですわ!
 西のラスボス、アイスエイジクイーン。7thKINGを争うだけあってその力は強大であった。
「よくぞわたくしの前までやってきましたわね。あなた達は紛れもなく、7thKINGの器たり得る者達……ですから、ここで相見えるのは必然とも言えますわね」
 猟兵達の選択次第では、アイスエイジクイーンに与することで彼女を7thKINGに据える未来もあっただろう。しかし今のところ、猟兵達はアイスエイジクイーンとの戦いを望み、その場に赴かんとしている。
「覇権を争う上で障害はつきもの……それを乗り越えてこその7thKINGですわ! わたくしの『絶滅悪魔軍団』、ご覧に入れて差し上げますわよ!」

●電光石火の一撃を
「様々なアトラクションの攻略お疲れ様でした! ここからはいよいよ7thKINGを巡る直接対決になりますので、心していきましょう!」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は一層気を引き締めてグリモアベースに立っている。大いなる敵との戦いの武者震いのようなものか。
「相手は西のラスボス、アイスエイジクイーンになります。彼女は氷の自動鎧『絶晶(ぜっしょう)』というものに乗っているのですが、実はその内部に『絶滅悪魔軍団』と呼ばれる恐ろしい軍団を閉じ込めているんです。そして私達と戦うにあたり、彼女は絶晶を溶かして絶滅悪魔軍団を解き放ってきます! 絶滅悪魔軍団は途轍もなく強いです! 個々が強いのに軍団になっていますから戦力は計り知れません。なので皆さんと言えど直接対決では相当分が悪いでしょう。ただ、絶滅悪魔軍団はアイスエイジクイーンを倒すことで止まりますので、絶滅悪魔軍団の猛攻を躱してアイスエイジクイーンを直接攻撃するようにしてください! 非常に油断のならない強敵ですので、私達も全力で向かっていきましょう! それでは、よろしくお願いします!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 アイスエイジクイーンはシナリオなんか楽しそうなのでこっちもやりまーす。

●フラグメント詳細
 第1章:ボス戦『西のラスボス『アイスエイジクイーン』解』
 絶滅悪魔軍団というマジモンの軍団です。
 結集して皆さんを潰しに来ます。まともにやり合うとまず勝ち目ないくらい強いので何時ぞやの戦いを思い出してボスだけきっちり討ち取りましょう。
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第1章 ボス戦 『西のラスボス『アイスエイジクイーン』解』

POW   :    氷河期召喚術『ジュデッカ』
レベル×1体の【絶滅悪魔軍】を召喚する。[絶滅悪魔軍]は【氷】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    氷河期魔法『アイスエイジ』
戦場全体に【悪魔も凍てつく氷河期の寒波と吹雪】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【量産型「絶晶」の装着】による攻撃力と防御力の強化を与える。
WIZ   :    合体氷河期魔法『ディノホロボシータ』
自身と仲間達の【放つ、氷属性の攻撃魔法】が合体する。[放つ、氷属性の攻撃魔法]の大きさは合体数×1倍となり、全員の合計レベルに応じた強化を得る。

イラスト:屮方

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!

お褒めくださりありがとうございます!
7thKINGに私はなります!
そのためにも貴女を踏み台にさせていただきます!

絶滅悪魔の皆さんとアイスエイジクイーンさんから熱い視線をいただけたところで
UC【改悪!像魂堕鬼纏穢握】を発動!
皆さんの瞳の中に映る映像の私!皆さんに注目してもらえるよう頑張ってください!
私はこっそりと【地形破壊】と【トンネル堀り】でアイスエイジクイーンさんの足元まで地中を移動した後
地中から飛び出して『衝撃波』を纏ったアッパーカットを喰らわせます!



●魔界の頂点
 白羽の矢こそ立たなかったものの、猟兵達の中には本気で7thKINGの座を狙っている者もいるようだ。ダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)はその一人で、我が道を突き進みアイスエイジクイーンの前に立っている。
「私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター! 凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!」
「ダーティ・ゲイズコレクター……魔王を称しわたくしの前に立つ胆力は7thKINGの片鱗と言えますわね」
「お褒めくださりありがとうございます! 7thKINGに私はなります! そのためにも貴女を踏み台にさせていただきます!」
「なる、と言ってなれるものなら苦労しませんわよ? その言葉が偽りでないと言うのなら――わたくしの前で証明してみせなさい!」
 アイスエイジクイーンを討たずして7thKINGを名乗ることは罷り通らない。これは試練である。完全無欠の自動鎧「絶晶」がアイスエイジクイーンの意思で溶け始め、内部より白き双眸を持つ影のように不気味な軍勢、絶滅悪魔軍団が解き放たれた。
 初めぞろぞろと歩いていた彼らはダーティを視界に認めるや、烈風の如き速度で駆け出し襲い掛かってきた。爪を持つ者、牙を持つ者、剣を持つ者、槍を持つ者――全てが暗黒、命を刈り取る色をしている。
「邪なる王の虚像よ!」
 ダーティも即座に動かなければならない。自身の映像体を生み出して赤紫色の矢印を生やし送り出す。戦闘能力増加、自在操作でどれだけ長く生かせるかの勝負だ。絶滅悪魔軍団の意識が映像体に向いていることを確認してダーティは足元を踏み抜き破壊し、両手で一気に掘り進めて地中に潜り込んだ。
「全てを止めてみせますわ。永遠の氷河よ、ここに――『アイスエイジ』」
 アイスエイジクイーンが唱えた刹那、戦場は氷河の魔力に支配されて寒波と吹雪が地表を襲った。絶滅悪魔軍団は新たに量産型「絶晶」を装着し、ダーティの映像体を包囲して追い詰める。
 窮地。絶滅悪魔達が牙で噛み砕き、爪で引き裂き、剣で斬りつけ槍で貫く。徒手空拳で挑む映像体は絶滅悪魔達に殴り掛かって抵抗に及んだがその腕を取られての袋叩きで甲斐もない。
 しかしそれが却って幸運に働いた。絶滅悪魔達が映像体を抹殺する僅かな間だけ、アイスエイジクイーンが「映像体を疑う」余地をなくしたのだ。
「――!? 本物は何処ですの!?」
 映像体が跡形もなく消えてしまってアイスエイジクイーンは異変に気付く。猟兵とて容易く動ける環境でない戦場を血眼になって探す――が、ダーティの姿が何処にも無い。
 ダーティは地中を猛然と進んでいる。地層が断熱材の代わりをして地上の環境変化の影響を受けることなくトンネルを掘り続けていた。付け焼刃のような技術だが無いよりマシで、朧げながらトンネル上のアイスエイジクイーンを感じ取って進路を上に取る。地上に近づくにつれて指先がかじかむ冷たさに見舞われたが、最後は気合の衝撃波で地層を突き破っていった。
「!?」
 アイスエイジクイーンからすれば突如地面が崩壊してダーティが現れたのだ。咄嗟の反応にも限界がある。突き上げられたダーティの右拳は溶けて体積を失った絶晶の表面を舐めるように沿って飛んでいき、驚愕のアイスエイジクイーンの顎先へと――。
 アッパーカットの直撃と同時に上下の歯ががぢんと衝突してそのまま顔面を跳ね飛ばされ、アイスエイジクイーンはぐらりと仰け反った。ダーティは鮮やかに攻撃を決めての着地の後、あまりの寒さに身震いする。
 目指すべき7thKINGはこの攻防が全てではないが、ダーティは確かに自らの意志を証明してみせたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユーフィ・バウム
1体1体が凄まじい力の絶滅悪魔軍団
貴女達の強さは本当ですね

ですが、だからこそ越えさせていただきますっ
ディアボロスエンジン全開、
風の属性攻撃を纏う武器で空中浮遊し、
ダッシュでクイーンの元まで最短距離で駆けますっ

絶滅悪魔軍団の猛攻が予想されますが
なぎ払い、衝撃波で直撃を避け、かわして進む!
かわしきれない攻撃も、オーラ防御全開!
氷結耐性のある体です、耐えてみせますからっ
止まらないで可能な限り迅速にクイーンへ

クイーンのところまでたどり着いたら
グラップルで捕まえ超至近距離の
私の間合いから絶対に――離れないっ!

功夫を生かした鎧砕きの拳でボディを抉り、
《トランスクラッシュ》の
ヒップアタックを叩き付けますよ!



●氷の峰を越えよ
「まだまだ……この程度ではわたくしは倒れませんわよ! さぁ、わたくし達の力を見せつけてやりなさい!」
 策が功を奏して先手を取った猟兵達だが絶滅悪魔軍団は未だ圧倒的な力を誇る。アイスエイジクイーンの魔力供給を受けて氷刃を手にした絶滅悪魔達が次なる獲物に定めたのはユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)だった。影を立体化させたかのような姿を持つ絶滅悪魔達は残像が霞む勢いでユーフィに殺到してくる。
「ディアボロスエンジン全開っ!」
 挑む相手は個ですら強力。その軍勢に正面から挑み突き抜けるのが最短と判断し、ユーフィは愛用武器ディアボロスが秘めたる風の魂を呼び覚ました。轟々と暴風を生み出すディアボロスエンジンによりユーフィは一駆けで地を離れ飛翔する。速度のあまり明確な輪郭がなくなった景色に流星の如く現れた煌めきは全てがユーフィを一撃で仕留めるための氷刃。ユーフィは肉が引き千切れる錯覚を催すほど猛烈にディアボロスを薙ぎ払い、発生した衝撃波を以って斬撃を弾き逸らしていく。
 だがユーフィと絶滅悪魔達の衝突速度は倍加した状態だ。薙ぎは一往復で絶滅悪魔達の斬撃に追いつかなくなる。それでもユーフィは前進を諦めない為、エンジンと同じく全開のオーラ防御を正面から側面にかけて張っていた。
 右薙ぎが二刃散らす。しかしディアボロスが返る前に右方より悪魔の一閃が喉を斬り裂きにきた。数センチの厚みに凝縮されたオーラは鋼鉄の如き強度を発揮して刃を受け止め威力を弱める。それで喉元にひたと触れてきた冷気を皮一枚の犠牲で凌いだユーフィは、黒き影も見ぬままにアイスエイジクイーンの懐まで一気に飛び込んでいた。
 アイスエイジクイーンという強大な氷山。絶滅悪魔軍団を使役しているという事実だけでユーフィはひしひしとその存在を感じ取る。語るは不要、己を示すのはただ力のみ。ユーフィは溶けかけの鎧を左手で掴むと、水滴で滑る前に破壊的な握力で指を貫通させてアイスエイジクイーンを捕らえた。
「くっ――離れなさい!」
「離れません――絶対に!」
 アイスエイジクイーンは鎧の腕力でユーフィを引き剥がしにかかったが、ユーフィは大岩の如く動かず、短く呼吸を整えての功夫の拳を放っていた。浮いた状態でも全身の力を拳の先一点に籠めた突きが鎧に刺さると、脆さを曝け出した鎧は大輪の花火の如く弾けてアイスエイジクイーンの肌を露にする。
「貴女達の強さ――越えさせていただきますっ!」
 ユーフィはアイスエイジクイーンを引き付けると同時、巻き込むように反転しながら超至近ヒップアタックを放った。やや上向きで放たれたそれはユーフィの鍛え上げられた肉体に砲弾の破壊力を与えてアイスエイジクイーンの腹にぶち当たり、瞬間的に発生した斥力がユーフィの掴む鎧の耐久力を超えて完全に粉砕、アイスエイジクイーンを宙に吹き飛ばす。
 自らの意思とは無関係に空を飛ぶ――かつて経験したことの無い無重力感に襲われたのも束の間、背から落ちたアイスエイジクイーンは鎧の後部を削りながら跳ねてうつ伏せに落ちた。
「ぐ……この、わたくしを……地に這わせるなどと……!」
 自らの体で触れる、冷たく固い大地。屈辱の味にアイスエイジクイーンは底知れぬ怒りを覚えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

プリ・ミョート
個々が強烈な個性の悪魔、それをまとめ上げるカリスマ性。その上、クイーン自身もまた取り分けイロモノ!
魔界の悪魔でアイツに憧れねえやつはいねえと思うべ。胸を借りるつもりでいくべ。
まさかブギーモンスターが布を捨ててかかってくるとは思うまいべさ。布を脱いで中身を詰めて即席の囮にするべ。混戦だろうから口上は戦場のどこかに叫んでもカッコはつくべさ
おらこそは魔王国四天王が一人、プリチャンだべ! 有象無象に用はないべ!
あとはこっそりクイーンに近づいてタコ殴りしてやるべ!
ちなみにおら、普段は布を重ね着してるべ。ピンチになったら2枚目も脱いで中身だけ退散するべさ、けひひ!



●布は二度捨てられる
 アイスエイジクイーン、絶滅悪魔軍団を束ねる者。我の塊を纏め上げるカリスマ性を持ち、自らもまた強烈な個性を発揮する。並大抵の器でないことはプリ・ミョート(怪物着取り・f31555)も感じており、相対するにあたっては胸を借りる心積もりであった。
 しかしそこは四天王、口上は外せない。
「おらこそは魔王国四天王が一人、プリチャンだべ! 有象無象に用はないべ!」
 叫ぶ間にも影に等しき暗黒、絶滅悪魔達が疾走しプリを襲っていた。腕や足、角といった凶器部位を氷化させて布を引き裂きにかかる。絶滅悪魔達の怒涛の進撃に巻き込まれた「それ」は十秒も経たぬ内に細切れにされて中身をでろりと零したが、そこに在ったのはプリではなく挽肉になった詰め物だった。
「な……布だけ……!?」
 鎧の腕を支えにして起き上がりかけていたアイスエイジクイーンが驚愕の色を見せる。布を捨てたブギーモンスターの末路、知らぬはずがない。獲物を狩ったはずの絶滅悪魔達は米粒のような白眼で周囲を探すが、既にプリはひっそりとアイスエイジクイーンの背後に迫っていた。
「おらの手の届くところにいるのが悪いべ、タコ殴りしてやるべ!」
「――ふぁがっ!?」
 アイスエイジクイーンがプリの声に反応して振り向いたのを、これ幸いにと右のグーで一発ぼごんと殴りつけた。それで首が仰け反ったところを今度は左のグーで打ち下ろす。がくん、と首が落ちたのを見て再度のワンツーを放り込み、上げて落とすの繰り返しで猛ラッシュしてタコ殴る。
 アイスエイジクイーンの危機に反応し、自動鎧が腕をぐるんと回してプリを頭から叩きつけた。アイスエイジクイーンの顔を殴りつけるのに夢中だったプリはべしゃと潰されたが、その布はあまりにも綺麗に潰れ過ぎている。
 けひひ――してやったりの笑い声。プリを逃がしたと知ったアイスエイジクイーンは苦虫を噛み潰したような表情で、鎧も捨てられた布をにじり潰すしかなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エドゥアルト・ルーデル
拙者の味方は一人いれば良い

沢山呼ばれれば呼ばれるほど拙者の方が有利になる!これは容量とか処理とか悪魔が知らない裏世界があるんだヨ!
ほら見ろ沢山召喚するから戦場に【物理演算の神】が降臨する!お戯れのバグが来るぞォ!
バグらされた【悪魔軍団】が一つの塊になっていく…今日は集める気分なのかな?なるほど解凍されたものを圧縮してるんでござるな…ZIP?RAR?
そういや圧縮の反対は解凍で認識されてんのかね?それが流行っちゃったから仕方ないっちゃそうだけど

塊でござるし直接ぶつけちまえばよくない?クイーンめがけて悪魔軍団塊をサッカーボールめいて弾丸シュート!
物理が狂ってるからな、デカいのがよく飛んでくわ!



●アイスエイジクイーンくん吹っ飛んだー!
 何が足りないのか。何が届いていないのか。アイスエイジクイーンにとって猟兵達の前に崩れる己とは、理解に窮する醜態、受け入れ難き現実でしかない。
「わたくしの……力、は……こんなものでは……!!」
 否定せよと魂が吼えた。アイスエイジクイーンは莫大な氷河の魔力で新たなる絶滅悪魔軍団を呼び寄せけしかける。青白いオーラを帯びた黒き人型の悪魔達が津波のように押し寄せてくるのをエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)は目の当たりにしていたが、飽和していく戦場に神の戯れを予感し震えていた。
「あーあーそんなに来たら……拙者、どうなっても知りませんぞー?」
 爪を研ぐ悪魔が在り、剛腕振るう悪魔が在る。腑を抉り肉を毟る連中が獲物を前に黙るはずがなく、エドゥアルトの元へ過剰なまでに集っていた。
 そして一線、踏み越えたが為にエドゥアルトの胴体を裂く寸前だった爪は稲妻のように折れ曲がって宙に逸れ、喉輪を狙った剛腕が捻じれて地面に突き刺さる。夥しい軍勢は何の変哲もない一点に吸い寄せられていき、蝕を受けた太陽の如き黒球と成り果てた。
「何ですの!? わたくしの魔力が……!!」
「ほら来たお戯れのバグぅ! 今日は集める気分なのかな? 悪魔.zip、悪魔.rarどちらですかなーそういや圧縮と解凍は対義語って認識されてんのかね? それが流行っちゃったから仕方ないっちゃそうだけど」
 ネット社会の拡散力たるや。エドゥアルトはアイスエイジクイーンの知らない世界の裏側に浸りつつ、
「さてこのお戯れどうしますかなー……まあ塊でござるし直接ぶつけちまえばよくない?」
 自らも助走をつけて絶滅悪魔達の混沌にダイブ、四回転捻って右足を鞭のようにしならせ振り抜いた。足の甲がぶよぶよした感触の絶滅悪魔塊にジャストフィットしての弾丸シュートは魔力の持ち主まで一直線、挙動は縦横に伸び縮みして非常に気持ち悪い。
「絶晶! 止めな――ぁがぅっ!?」
 物理の狂った戦場では自動鎧の認識もずれていた。伸ばした両腕の間を抜けた絶滅悪魔塊を顔面に食らったアイスエイジクイーンは綺麗に吹っ飛び、サッカーよろしく一点を献上したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーフィ・バウム
それではクイーン、決着をつけましょうか!
既に鎧の損傷も多いと思いますが油断はしません
《蒼翼の闘魂》発動!真の姿になりますわ

受け切り勝ちます――
さぁ、試合開始ですわ!

真の姿となった後も
クイーンに引き続き超接近戦を挑んで
功夫を生かしたプロレス式打撃、投げで押しましょう

絶滅悪魔軍団からの攻撃は――
かわすのを基本に、避けきれないものは堂々と受けます
ええ、気高き主君を守らんとする
あなた方の攻撃は悪しき攻撃とは言いがたいもの

クイーンのみの攻撃をオーラ防御を纏う体で受け、
プロレス式の攻撃で押していきますね!

完全に鎧を砕けたら、逆さに抱え
必殺のマッスルバスターで全身を極め上げますっ
これで私の、KO勝利ですわ!



●辿り着いた高み
 アイスエイジクイーンは常に気高く在らんとした。白銀の氷晶から生み出された鎧を纏うも全ては覆わず、ラスボスの誇りをその身で示す。
 しかし今や大地に塗れて傷ついた体、プライドも擦り切れてボロボロだ。認めざるを得ない、猟兵という未曽有の力を。
 鎧で片膝をつくアイスエイジクイーンの周囲には折れた鎧の破片が散らばっていたが、搔き集めるなどという惨めなことはしない。ラスボスは常に華々しくあらねばならないのだ。
「それではクイーン、決着をつけましょうか!」
 アイスエイジクイーンは返り咲くことを微塵も諦めていない。しかしユーフィの宣戦布告には己が戦いに終止符を打つとの覚悟が表れており、同時にアイスエイジクイーンという強敵に対する最大限の敬意が込められていた。
「そう……ですわね……。ふふ、これで……尽きるようなら、わたくしも、それまでだったということ。……最後の勝負といきますわよ?」
 鎧がぐんと立ち上がるや、両脚から胴部にかけて大きな亀裂がびしりと入った。耐久力はもう雀の涙ほどしかないが、それを敢えて溶かして絶滅悪魔達をありったけ戦場に放出する。
「えぇ、最後はこの『蒼き鷹』が受け切り勝ちます――!」
 ユーフィもまた死力を尽くすべく覇気を放っていた。真なるは蒼炎を纏いし猛禽の王者――繭のように包まれた中から不死鳥の如く飛び立った蒼きユーフィ、胸には必ずや民を守るとの誓い。
 舞台は整った。
「さぁ――試合開始ですわ!」
 絶滅悪魔達が大地を揺さぶり押し寄せてくる。対しユーフィが選択したのは勇猛果敢に突き進む道。構図は先と同じ、しかし今のユーフィはその身一つで絶滅悪魔軍団に立ち向かっていた。
 戦車の如く驀進する先頭の絶滅悪魔達が、蒼炎よりは青白い冷気を纏った丸太の腕を振り回してくる。肉も骨も根こそぎ刈り取ろうとする腕力は空気の壁を突き破り、拳を弾丸に変えていた。
 顔面と腹への二方向。回避の容易ならざる連携にユーフィは思考の灼けつきを覚えながら身を屈める。脳への直撃は是が非でも免れるという判断で拳の一つは蒼髪を掠め抜けるまでに被害を抑えたが、腹への一発には無防備で弾丸の拳が打ち込まれた。
「ぅ――!?」
 喉の奥に胃酸が駆け上がってきたが食いしばり耐える。避けられぬ攻撃は堂々と受けると息巻いたものの、気合で全てが覆るほど戦場は易しくない。それでも前へ進まねば、とユーフィは体を捻って拳の外側に回り、倒れ込むように絶滅悪魔達の横を過ぎていく。
 刃の腕を持つ翼の絶滅悪魔達が空より隕石の軌道で突っ込んできた。全てが切断する一閃で致命的。ユーフィは交錯の直前で体を翻していたが腕や脇腹、腿を少しずつ斬り裂かれていく。
 鮮血は流れるが体は熱い。猛攻に晒されはしていたが、それはあたかもアイスエイジクイーンが辿った崩壊のよう。並び立った証はユーフィの心を滾らせる。
「過去のわたくしの退いた愚かさ――ここで雪いでみせますわ!」
 アイスエイジクイーンが執念を見せた。ぼろぼろと鎧を零しながら氷杖でユーフィに殴り掛かる。自壊を招きかねない一撃にはアイスエイジクイーンの全身全霊が乗っており、刹那の攻防が命運を分けた。
 絶滅悪魔達の攻撃を生身で受け続けたユーフィもアイスエイジクイーンにはオーラ防御を固めて迫る。氷杖が頭上に落とされていたが不可視の障壁が厚く阻んで通さない。反動は大きく鎧の左腕がごりっと砕けて氷杖と共に落ちていくのを横目に見ながら、ユーフィは体を捻り投げ出して鎧の胴部へ鉄山靠を仕掛けていった。
「鎧が――!?」
 肩の裏側に氷をすり潰す感触があり、アイスエイジクイーンの吐息が肌に触れた。ユーフィは竜巻のようにアイスエイジクイーンの体を巻き込み逆さに抱え上げると、そのまま自分の体ごと大地に落として、
「これで私の、KO勝利ですわ!」
「ひ――ぎぃっ!?」
 ずん、と体の芯に響くマッスルバスターを極める。天地がひっくり返ったアイスエイジクイーンの視界は電源が切れたかのようにぷつっと失われ、戦場に華々しく散っていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月12日


挿絵イラスト