銀河帝国攻略戦⑯~輝ける宇宙の海
宇宙。大気が無い以上、音が伝搬することはない。はずだった。
「ば、馬鹿な?なんだ、この歌は…?」
「何で宇宙空間で歌声が流れてくるんだ?」
戦線を皇帝へと伸ばそうとする、解放軍の艦橋は、騒いだ。
「……。もう、皇帝討伐はヤメだ!あの声の元へ向かうぞ!」
「だ、だれか航海長を止め……あの宙域へ、向かうことの許可を、館長!」
「こちら、飛行課!至急あの歌声への調査の許可を求む!あの声をずっと聴いていたいんだ!」
その向かう航路の先は、白色矮星。
その強大な重力に囚われ、座礁する運命しか、最早無い。
グリモアベースの一角に集った猟兵達に声をかけるは、パティ・チャン(月下の妖精騎士・f12424)。その手には、獣奏器として用いている、カリンバがある。
「♪皆さん!集まってください!」
「私達『解放軍』は、ここまで帝国との戦いを有利に進めることができました。皆さんの働きに感謝します♪しかし!」
パティはその小さな体躯から、大声をはりあげ、カリンバの音色を響かせる。
「皇帝軍は今度は洗脳音楽、というとんでもない兵器を持ち出してきました。」
洗脳音楽を聴いた解放軍の人々は、洗脳状態に陥って、あらぬ方向へ舵を取ろうとしているという。
「なるほど。しかし、歌声を楽しみたい、という本能のある我々がそれに対抗する術はあるのか?」
猟兵の誰かが、疑問をぶつけた。
「対抗兵器は、用意していただきました♫ 放送設備を増強した船です♪猟兵による音楽放送で、それに対抗させます。」
言葉の句切りごとに、カリンバの音を響かせ、新しく用意したらしい、白黒ダイヤ柄のタイツの脚を、さながらダンサーの如く蹴り上げる、パティ。
洗脳音楽通信を打破するには、猟兵側も音楽で対抗しなければならない。
「でも猟兵以外の人々は、すぐに洗脳音楽通信の影響を受けてしまいます♩ 対抗して音楽を奏でられるのは、我々猟兵だけです♫ 私も音楽の力で、獣たちと心を通じさせる者♩ こんな使われ方は、許すわけには参りません!是非とも我々と音楽の力で洗脳音楽を!」
いつもよりも大きなアクションでお辞儀をし、転送ゲートを開く、パティであった。
ザムザム
ザムザムです。
某ライブアルバム聴いて、一気にオープニング書いてしまいました。
本シナリオの攻略対象は「⑯『クライングシェル』艦隊」になります。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
今回は敵の洗脳音楽との音楽バトルです。芸術に自信のある人もない人も、魂のシャウトとビートをぶつけましょう。
ただし現実に存在する楽曲の曲名や歌詞、替え歌等が記載されているプレイングは採用できません。ご注意ください。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『洗脳音楽通信を撃ち破れ!』
|
POW : 激しいビートで、魂を揺さぶり、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。
SPD : 超絶的な技巧で、聴く者を圧倒して、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。
WIZ : 心に響く歌声で、感情を揺り動かして、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
モッチ・モチ
アドリブ歓迎、他キャラとの連携お任せデス
音楽は苦手デス。楽器も不得意デス。ですが、敵の洗脳を撃ち破るということなら話は別デス!
マイクを手に取り、上手くもない演歌を全力で1コブシを利かせ、回し、振るわせマス!
歌は心!そう、大事なのは、熱意!敵をぶっ飛ばすという確固たる精神が大事、なはずデス!
「その洗脳、ワタシのコブシがブッ飛ばしマス!コブシ(拳)だけに♪(キラッ☆」
でも20秒のサビの部分しか知らないので、歌いきったら、永遠リピートさせて繰り返すか、あとは他の人の曲に合わせて全力でハミングで誤魔化しマス!それはもう全力で!
■Opening Act
「白色矮星へ向かわんとする解放軍の軍艦を、捕捉しました。」
音響機器や放送設備の最終点検を急いでいた猟兵達に、船長の声が響く。
その軍艦は、航行を知らぬ者が見たとしても、操舵があまりにもおかしすぎた。回避行動というよりも単なる蛇行を繰り返し、向かうべき方向を完全に間違えている。
「敵の洗脳を撃ち破るのデス!」
オープニングアクトを努めるは、モッチ・モチ(ボス専門バスター・f09023)。
音楽も演奏も苦手、と自認はしているが、僚船を救い敵を撃つ!という確固たる精神の前にはそんなことは、些細な事。
マイクを手に取り、演歌を全力、かつ、コブシを利かせ、回し、振るわせる!
…ただし、その歌声は残念ながら、自認するとおり「上手い」とは言えなかった。 が、歌声に込められた熱意は、偵察に出ていたパイロットの心を動かした。
「その洗脳、ワタシのコブシがブッ飛ばしマス!コブシ(拳)だけに♪(キラッ☆」
ただ惜しむらくは。途中から曲を失念して、演歌というよりもハミング…ヴォカリーズと化した事であったが、効果はてきめん!
「偵察機が、船に帰って行くデス!」
偵察機のパイロットの心を動かしたのは、間違い無く小節(コブシ)の力、だった。
成功
🔵🔵🔴
照崎・舞雪
なるほど、つまり細かい事はいいから唄えばいいのですね
ええ、問題ありません。私、歌は好きですし、それなりに得意なのです(歌唱8)
さぁ、銀河に響け、私のシンフォニック・キュア!(特性マイマイクを握りしめながら)
感情を揺り動かすだけではありません。洗脳などというもの、全てこの歌声で治療してあげるのです
他に歌う人がいれば一緒に歌いましょうか。デュエットでもトリオでもカルテットでもクインテットでも、私は問題ないのです
轟・富士王
・SPD
おじさんね、やってみたい音楽あるんだよね。
タップダンス。靴底に金属板仕込んで鳴らすやつ。
ひとりでやるのもいいし、ドラムを禁止されたときにリズムを刻む目的で始まったって歴史があるから他の猟兵に合わせてドラム的にセッションするのもいいし。
タップダンスのいいところは両手が空くことだね、手拍子やビートボックスで合いの手も入れられるし、他の猟兵をサポートしてグルーヴを盛り上げるのに一役買えればいいんだけど。
シメにはハイキックでキメ!(おじさんなのでケンカキックくらいの高さになり、靴底には『帝国』と書いてある。目を覚まして帝国を踏みつけろ的な意)
真白・白夜
戦闘以外の作戦は初めてです。うまくいくかは分かりませんが、やるしかありませんね。
【WIZ】
僕は、歌を歌って船の人達の感情に訴えかけてみます。
目を覚ましてほしい。あなた達の目の前には、何があるのか、と。これで、彼らが危ない場所に行こうとしてることに気付いてほしいです。
そして、行くべき場所はあそこじゃない。別の場所だ。何故ここまできたのか、と目的を見失わないでほしいことを訴えかけてみます。
乱暴なもう一人の人格は、呆れて僕に何か言ってきますが、無視します。彼も戦いではないので、交代はしてきません。
『…お前、大丈夫か?』
『…つまんねぇな。全然戦わねぇじゃねえか。…俺は戦いたいぜ』
協力OKです。
シャルロット・リシュフォー
【アドリブ大歓迎】
「私は歌を歌う者の一人として、絶対に負けられないんです!」
魂と想いを届ける歌が、科学と悪意の歌に負けるなんて、絶対にありえませんですっ!
優しいて透明感のある曲調の歌で、味方の洗脳解除を最優先にしますね
自慢じゃないですけど、「澄んだ歌声をしている」って褒められたこともあるんですのよ!
「大丈夫」「立ち上がって」「悪い言葉に耳を貸さないで」
そんな気持ちを込めて、体力が尽きるまで精一杯歌い続けますぅ
「正気に戻った皆様も一緒に歌って下さい!声を合わせて歌えば、勇気が湧いてくるんです!」
成功
ヘッドライナーとして、一気に4人の猟兵が加わった。
■Headliner
「なるほど、つまり細かい事はいいから唄えばいいのですね。」
「うまくいくかは分かりませんが、やるしかありませんね。」
「私は歌を歌う者の一人として、絶対に負けられないんです!」
照崎・舞雪(未来照らし舞う雪の明かり・f05079)、真白・白夜(多重人格者のサイキッカー・f10864)、シャルロット・リシュフォー(歌声アステリズム・f00609)の3人のヴォーカルと、轟・富士王(テキトーおじさん・f03452)。
「おじさんね、やってみたい音楽あるんだよね。」
唯一のヴォーカルを担当しない轟は、口調こそ真面目なのか不真面目なのかは図りかねたが、靴底から軽快な金属音を奏でている。タップダンスだ。リズムタップスタイルで、リズムパートを担当しようというのだ。
「引き続き、ハミングでも良いから、加わってくれるかな、モッチ君?」
この一言でモッチは引き続き歌うことになり、カルテットとタップダンサーが、ここに揃った。
二つ三つ音をあわせる。即席ながら5人の猟兵達の調和に一切の問題はない。
…正確には、真白の「戦闘用人格」は呆れてはいたようではあるが、それは決して表に出さぬよう、普段の人格によって、精神の奥底に押し込められている。
タン!タ!タン!
轟の靴から奏でられる、軽快なタップ音。最初にメインボーカルを担当するは、照崎。
「さぁ、銀河に響け、私のシンフォニック・キュア!」
この作戦の為に持ち込んだ、特製のマイマイクを握りしめ、その歌声は感情を揺り動かさんばかり。否。洗脳などというもの、全てこの歌声で治療させんと、音量と力を増す。
次に登場するのは、真白。戦闘以外の作戦は初めて、ということで、その内心はうまくいくかは分からないという不安もよぎったが、やるしかない、とその感情を頭から振り払う。
「船の人達の感情に訴えかけてみます。」
目を覚ましてほしい。あなた達の目の前には、何があるのか。
轟とモッチは、ハンドクラップで参加する。
その旋律は、訴える。この作戦唯一の男声で。
危ない場所に行こうとしてることに気付いてほしい。行くべき場所はあそこじゃない。別の場所だ。何故ここまできたのか。
そしてその訴えは、真白の内心にも向けられたが、それを知るものはいない。
「…つまんねぇな。全然戦わねぇじゃねえか。…俺は戦いたいぜ。」
そういってくる「戦闘用人格」に対して。
「目的を見失わないでほしい。」と。
救出対象の船の蛇行もかなり収まったのが、猟兵達にも目に見えて解るようになったところで、ここいらで趣向を変えよう、とばかりに、ビートボックスを披露する轟。さながらドラムソロの如く。
そのグルーブが最高潮となった所へ、シャルロットの出番。
「魂と想いを届ける歌が、科学と悪意の歌に負けるなんて、絶対にありえませんですっ!」
それはさながらMCのよう。しかし、洗脳音楽へ負けぬという、力強い宣言でもあった。
優しい、透明感のある曲調の歌が響く。
澄んだ歌声は、訴える。
「大丈夫。」
「立ち上がって。」
「悪い言葉に耳を貸さないで。」
かつて褒められたという、その歌声は、確実に対象となる船の乗組員の洗脳を解いていった。
体力が尽きかけ、そのヴォーカルが不安定になる。が、モッチのハミングが、轟のタップが、照崎、真白のヴォーカルが重なる。
その時であった。
「すまないがクルーが多数、不調を訴えている。これより白色矮星の重力圏に入らぬよう回避行動に移る。」
という無線が救出対象の艦から入り、マストに「曳航を求む」という信号旗が掲げられる。
どうやらクルーに洗脳音楽のダメージはあるが、航行は可能なまでに快復したようだ。
「正気に戻った皆様も一緒に歌って下さい!声を合わせて歌えば、勇気が湧いてくるんです!」
シャルロットの呼びかけに、猟兵5人と音楽船、軍艦のクルーと大コーラスが始まる。
その歌声の前に洗脳音楽の声は、沈黙した。
作戦の成功を喜び合う猟兵達。その時、轟の脚が振り上げられる!ただし、高々と、とは御世辞にも言えなかった。靴底に書かれている文字を仲間やクルー達に示すには充分な高さ、ともいうが。
靴底には「帝国」という文字が書かれていて、それを床に踏みつける!
それは、帝国を踏みつけろ!といわんばかりの仕草であった。
洗脳音楽の被害に遭った軍艦は曳航後、艦の点検と、医療チームによるクルーへの診断の結果、共に被害は軽微で、艦に若干の補修と、被害にあったクルーは既に快方に向かっているという報がミディアや解放軍に届けられる事になるのだが、これはもう少し後の話である。
あとに残るは、ただただ静寂な宇宙空間。
歌を洗脳兵器にする、という帝国の卑劣な企ては、こうして猟兵達によって退けられたのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
ヘスティア・イクテュス
洗脳音楽は沈黙
帝国の卑劣な企ては猟兵によって退けられました…
ねぇ、一人…忘れてない?(舞台袖で待機していた)
泣くわよ!本気で泣くわよ!!
仕方ないから、歌います
曲は『女一人』(※1番のみ)どうぞ
曲の内容は
宇宙に出た男、そしてそれを待つ女という
スペース演歌よ
お母さまが好きだったのよね
えぇ、女性だけとは言わないわ
子供、親、友人
貴方達を心配して待ってる人はいる
戦争だもの、命を張るなとは言わないわ
でも、できれば生きて帰ってきなさい、粗末にしないで
待ってる人がいる、その認識が貴方達の力になるはずだから
余談だけど後の歌詞はふと立ち寄った船で他の女とよりそう男を見つける捨てられた女の歌なのよね…
■Encore
洗脳音楽は沈黙
帝国の卑劣な企ては猟兵によって退けられました…
…と、本来なら、綺麗に作戦終了、と、戦記には記されるところであった。
が、ここに一人。舞台袖で待機していて、出番を失ってたら作戦終了していた、ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長(自称)・f04572)の事をここに記さねばなるまい。
「泣くわよ!本気で泣くわよ!!」
すでに洗脳音楽は完全に沈黙。誰に聴かせるとも無く、歌い始める。
「曲は『女一人』(※1番のみ)どうぞ。」
母親が好きだったという、「宇宙に出た男、そしてそれを待つ女」という、スペース演歌だ。
♪えぇ、女性だけとは言わないわ
子供、親、友人、貴方達を心配して待ってる人はいる
戦争だもの、命を張るなとは言わないわ
でも、できれば生きて帰ってきなさい、粗末にしないで
待ってる人がいる、その認識が貴方達の力になるはずだから
歌い終わった後で、ヘスティアはこの歌の意味をふと思い出す。
「後の歌詞はふと立ち寄った船で、他の女とよりそう男を見つける捨てられた女の歌なのよね…。」
と。
すると、予期せぬ方向から拍手。姿を現した船員は、
「いやー。本作戦中は、ずーっと機関室に詰めてて肝心の舞台を見ることも、曲聴こうにも機関室の騒音でマトモに聴けなかったんですわ~。よかったらオレ、他の仲間連れてきますんで!」
と、そう言うや否や、他の機関課や、ソナーやレーダーを無音状態で探らねばならなかった隊員…当然猟兵の姿を見ることも聴くことも適わなかった…を連れてきたではないか。
「「「もっとお願いします!」」」
ヘスティアは、船員達のお願いを断ることは出来ず、次の唄を歌い始める。
帝国軍の洗脳音楽を撃退させるため、とはかなり目的こそ違えることになってしまったが、これもまた唄の力。
戦果の影に隠れ、それでも確実に帝国軍を倒すべく働いた者達に、その歌声は心に響いていったのであった。
大成功
🔵🔵🔵