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7thKING WAR⑳〜絶晶女王と100人の四天王

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #西のラスボス『アイスエイジクイーン』

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#西のラスボス『アイスエイジクイーン』


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●わたくし、四天王が100人いますのよ?
「お~っほっほっほ! ついに……ついに! わたくしが猟兵達と相見える時が来たのですわね!」
 7thKINGを目指す身として、避けては通れない相手だろうと薄々感じていた。猟兵達が悪魔王遊戯を怒涛の勢いで攻略していくのは目を見張るものもあり、即ち猟兵を打ち倒すことが絶対強者の証であるということ。
「わたくしが猟兵達を倒しさえすれば! 世界はわたくしを7thKINGと認めるでしょう! 我が100人の四天王よ! 今こそ鬨の声を上げるのですわ!」

●ラスボスの一角
「これは私達が7thKINGの暫定候補者となる為に必要な戦いです! 行きましょう、アイスエイジクイーンの元へ!」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)が力強く猟兵達に呼び掛けている。7thKING WARはまた一つ新たな展開を見せた。
「というわけで、アイスエイジクイーンとの直接対決になるのですが、彼女は100人の四天王と共に襲い掛かってきます! 四天王とは……と目を疑いたくなりますが、100人いるので仕方ないですね! ただし、四天王達は何かと『四天王ぶって単騎で挑んでくる』という性質? があるようですので、単騎で挑んでくる四天王を倒しながら隙を見てアイスエイジクイーンを攻撃しちゃいましょう! アイスエイジクイーンはオブリビオンではないですが、頑丈過ぎるので死にません! とは言えノックダウンみたいなことにはなりますので、どうにかしてアイスエイジクイーンを打ち倒しましょう! それでは皆さんの参戦をお待ちしています!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 ゴールデンウィークが終わりを告げようとしています。さて戦争はいいところになってきましたね。

●フラグメント詳細
 第1章:ボス戦『西のラスボス『アイスエイジクイーン』軍』
 四天王がうじゃうじゃいるので一気に突っ込むというのは難しいのかなーと思います。
 なので四天王を倒しつつアイスエイジクイーンに迫る、みたいな展開になるかと思います。
 四天王はやたらと色物連中らしく、事あるごとに四天王であることをひけらかして単騎で戦おうとしてきます。
 そんな性質を利用すると四天王の処理もしやすいのではないでしょうか。
 ちなみにアイスエイジクイーンが身に付けているのは氷の自動鎧らしいですね。その辺の対処もあるといいのではないでしょうか。
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第1章 ボス戦 『西のラスボス『アイスエイジクイーン』軍』

POW   :    絶晶融解体
自身の【氷の自動鎧「絶晶(ぜっしょう)」】を【融解変形モード】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
SPD   :    絶極双晶舞
【もう1つの自動鎧「極晶(きょくしょう)」】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    超絶凍結刃
【氷の自動鎧「絶晶」の凍結魔力】を込めた武器で対象を貫く。対象が何らかの強化を得ていた場合、追加で【超凍結】の状態異常を与える。

イラスト:屮方

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

プリ・ミョート
我こそは魔王国が四天王プリチャン、ちょっと待てこのやり取り何度目だべさ? なに、あんたとは初めて? おらはもうこの戦争でも戦場でも何度もやってるべさ。何度でもやるけどね。悪魔たるもの四天王しぐさに付き合ってこそのワルだべ! かかってくるべさ!
きちんとなみいる悪魔を倒した後に、お待ちかね、おらの真の姿を見せてやるべさ! これが本体のハンサム顔だべ!
絶晶に脱いだ布を押しつけて緩衝材にしつつ、凍った布ごとデビル空手でぶっ飛ばすべ。キュートさもインパクトも真の姿で万倍! これが悪魔の底力だべ、へへへへへ!



●クイーンは伊達じゃない
「我、アイスエイジクイーンの配下四天王が一人、セキトと申す者。故有って先鋒を任された。どうかお相手願いたい」
 黒い二本角を生やした鎧兜の男が名乗りを上げ、プリ・ミョート(怪物着取り・f31555)の前に登場する。西洋風両手剣の使い手。いつでも戦える準備は整えているが、その前に名乗りを入れておくのが四天王の嗜みだ。
「セキトっち、じゃんけん弱いからねーがんばがんば♪」
「う、うるさいっ! 最初はグーと言われたからグーを出したまでのこと! 他全員がパーを出すとは思わぬではないかっ!」
 同じく四天王と思しき少女にからかわれ、反論するセキト。アイスエイジクイーンの配下四天王でなければデビルキングワールドで生きていけないのではないかと思うほどの馬鹿正直らしい。
「我こそは魔王国が四天王プリチャン……ちょっと待てこのやり取り何度目だべさ?」
「我に聞かれても……困るぞ」
「確かに……あんたとは初めてだべさ、聞いてもしょうがないべ。……ともかく、おらはもうこの戦争でも戦場でも何度もやってるべさ。何度でもやるけどね。悪魔たるもの四天王しぐさに付き合ってこそのワルだべ! かかってくるべさ!」
 プリも四天王としての礼儀は欠かず、どんと構える精神でデビルガトリングを抱え上げて厳かに待つ。間合いで言えばプリのほうが有利。だからこそまずは相手の戦場で戦うのだ。
「ゆくぞっ!」
 セキトは両手剣を少し傾けて飛び出し、直線的にプリの正面へ突っ込んでいた。相手が銃火器持ちであるにも関わらず真っ向勝負を仕掛けるのは天然記念物と言ってもいいくらいだ。プリはその動きを真似てデビルガトリングを両手剣のように構え持ち、セキトが左から斜に薙ぎ払ってくる斬撃に右から砲身をかち合わせた。
 砲身は当然刃などついていないがその強固さでセキトの剣を受け止める。カンと火花が散って危うい。セキトはプリの受けにも屈することなく右、左、また右と稽古場での練習の型をそのまま持ってきたかのような斬撃を繰り出し続け、プリはそれを全て軽くいなす。
「さすが斬り込み隊長って感じあるべ――でも」
 変化をつけたセキトの右下斬り上げに対し、プリは裏切るかのようにパッと打ち合いをやめて後方に跳んだ。同時にデビルガトリングを本来の用途、銃火器としてセキトに銃口を突きつける。
「地味すぎるべさ、だから散る時くらいは派手にいくべー!」
 瘴気を溜め込んだタンクが毒々しい緑色に輝いて髑髏が浮かぶ。装填された瘴気弾丸が反動に震えるデビルガトリングから連射されてセキトを襲った。防御姿勢を満足に取っていなかったセキトは最初の一、二発を運良く剣で弾いたがそれまでで、以降は全身に弾丸を浴びて大の字に倒れる。
「一分持たなかったわねー。はい、あたしの勝ち♪」
「クソがっ! あーむしゃくしゃするぜ!」
 四天王内で賭け事でも行われていたのか、セキトが倒れたことで一喜一憂する四天王達の姿があった。
「クソ弱ぇこいつの仇討ちなんざ勘弁だが、どうにも怒りが収まらねぇ! 『山脈』のゴルテ、いかせてもらうぜ!」
「よ、サンちゃん!」
「サンちゃん言うんじゃねぇ!!」
 控えている四天王達に茶々を入れられ、ゴルテなる次の刺客は大層ご立腹。プリにとっては完全に八つ当たりでしかないが。
「賑やかでいいべさ。四天王プリチャン、相手をしてやるから覚悟するべー」
 プリも決して退かない構えで、二人目の四天王、ゴルテと一騎打ちの勝負となった。

 四天王百人斬りが続く。十人、二十人と数を重ねていくが、順番待ちで出番まで長そうな四天王達は退屈そうである。その背後に控えるアイスエイジクイーンは何を思うか、配下四天王達とプリの戦いをじっと眺め続けている。
(今なら残りの四天王も反応が追いつかなさそうだべ……)
 アイスエイジクイーンに仕掛けるなら今というタイミング。また一人四天王をデビルガトリングの餌食にしたプリは次の四天王が出てくる前に速攻を仕掛けた。大きく回り込んで四天王軍団を躱し、アイスエイジクイーンの氷の自動鎧「絶晶」へと猛進、その際に知恵の布に手を掛ける。
 知恵の布を脱ぎ捨てるという行為は賭けであった。プリはこの戦いに於いて真の姿にはまだ到達し得ない。知恵を失っての猛攻は初撃が決まるかどうかに懸かっており、プリは短く息を吸った後、知恵の布を脱ぎ去り絶晶の右脚へと叩きつけた。
「わたくしと直接決着をつけたいと――受けて立ちますわ!」
 絶晶が動き出し、その右拳が円錐状の針のような姿に変わる。射程を犠牲にした攻撃特化、プリは絶晶が融解変形する中で凍り付いた知恵の布に照準を合わせて正拳一撃、デビル空手を打ち込んだ。
 手応えを判断するほどの知恵が回っていないが、衝突音は軽い。
「その程度ですの?」
 絶晶の右脚がぐらとずれたが簡単に踏み止まられ、大きなダメージには至らない。そして愚直に拳を叩き込もうとするだけの追撃は容易に見切られて、絶晶はプリの左に回り込んで回避。反撃に巨大針を薙ぎ払ってプリの背中を掬い上げるように打ち飛ばした。
「ァガッ――!?」
 巨大針の軌跡に沿ってプリの体は吹き飛び、四天王軍団の残り集団を大きく越えて墜落、一度高く跳ねた後、くたくたのゴムのように捻じれ曲がりながらようやく止まる。
「まだわたくしの相手となるには早かったようですわね! 四天王達の相手から出直してくださるかしら! おーっほっほっほ!」
 アイスエイジクイーンの高笑いが盛大に響く。だが知恵の布を失っているプリには皮肉も高笑いも何の為に行われているか理解できず、ただ強打して痛む体の捻じれを少しずつ元に戻していくしかなかった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

七那原・望
アマービレでねこさんをいっぱい呼びます。

さぁ、かかってきなさい!

とか言えばまずは俺からーって単体で来ますよね。あとは流れで勝ち抜き戦。

アイスエイジクイーンさんの妨害を警戒してねこさん達の炎属性多重詠唱結界術を展開。

果実変性・ウィッシーズダンサーを発動したら第六感で敵の動きや弱点を見切り、回避しつつ属性魔法や各種武器でのカウンター、ねこさん達の魔法による攻撃支援で各個撃破。

ラスト2体になったら次の四天王と戦う振りをして魔法による強化で速度を限界突破させ、一気にアイスエイジクイーンさんに近付き、極晶を用意するよりも早くグラツィオーソの早業2連撃とねこさん達の炎属性多重詠唱全力魔法で不意打ちを。



●一気呵成の猫軍団
 七那原・望(封印されし果実・f04836)が「共達・アマービレ」をぽわぽわと振ればたくさんの猫が魔界の大地に現れる。ずらりと正面に並べてみれば、気分は四天王を百人率いるアイスエイジクイーン……なのかもしれない。
「さぁ、かかってきなさい!」
「はいはいはーい! あたし行きまーす! 猫と言ったらあたしを置いて他に無し! 猫の悪魔、ウーリリ様よ!」
 角の形がなんだか猫耳に見える魔女風の悪魔、それがウーリリだ。猫の顔を模したステッキを振り回しながら望と猫達の待ち受ける戦場に立つ。
「いざ勝負! 猫魔法『肉球ヒットスタンプ』!」
 ウーリリが片手持ちの大きさでしかないステッキをわざわざ両手持ちして振り上げた。明らかな攻撃合図、正体は掴めないが。
『わたしは望む……ウィッシーズダンサー!』
 手にしたのは「艶舞・グラツィオーソ」、直感力を働かせて望はウーリリの動きを読み解く。振り上げれば振り下ろすが道理。ミドルレンジからの魔法は範囲か射程のどちらかで上回られていると踏んで、
「散開です!」
 望は猫達をその場から散らす指示を出し、直後にゴム風船のように伸びてきた肉球が猫達のいた地面を叩きつけた。判断が僅かでも遅ければ猫達はぺしゃんこになっていたはずだ。直感力が生きている。
(わたしを追っていますね……ねこさん達に結界術をかけてもらいましょう)
 アイスエイジクイーンの視線が望に向けられている。どれほどの意味が込められているかは不明だが、妨害を防ぐために望は猫達を数匹集めて炎属性の多重結界を展開した。
「そんな守りじゃあたしの猫魔法は止められないけどっ――!」
 ウーリリがステッキを振り回すとまたも巨大化した肉球が飛び出してくる。今度は平手打ちのように真横に振ってきたが、猫達は屈み、望は緩急をつけた踊りでひらりと避ける。
「止められなくても躱せますし、躱せなくなる前に――倒すのです」
 望は一瞬静止させた両手を巻き込むように薙いでチャクラムを投擲した。左右挟撃のチャクラムは微妙にタイミングをずらしている。
「そういうのも魔法でっ!」
「ねこさん達! 今です!」
 ウーリリが望の放ったチャクラムに注意力を割いた瞬間を狙って猫達はすかさず疾走、ウーリリの後方に回り込むと、小さな魔法陣を正面に作って火炎弾を撃ち出した。
「うし――いやああぁぁ!!」
 無数の火炎弾はウーリリへ着弾すると瞬く間に燃え上がらせ、さらにチャクラムが追撃となって胴体を二度裂きし、望の手に戻っていく。
「猫なら……本望……」
 魔法で黒焦げにされたウーリリであったが、表情は何処か晴れやかだった。

 望の直感は戦いを経るごとに冴え渡り、猫達との連携も良好、各四天王達の弱点や行動パターンを見切って戦いを優位に進めていた。そして警戒していたアイスエイジクイーンの動向だが、望と四天王達の戦いには手出しすることなく趨勢を眺めているようであった。
 四天王戦、長きに渡る戦いも終わりを迎えようとしている。残るは男の悪魔が一体と女の悪魔が一体。
「ここは俺が出ておかねーとだめだなー!」
 大袈裟に叫び散らしながら男の悪魔が前に出てくる。邪魔が入ることもなければ先手必勝、と望は魔法強化を施して爆速で悪魔へと突っ込んでいく。
「お――」
 完全に虚を突いた。だが望の眼中にその悪魔の姿は無い。猫達と共に狙うは大将首、アイスエイジクイーン。
「ここでわたくしを――!」
「逃さないのです」
 望はアイスエイジクイーンに肉薄すると、チャクラムを絶晶狙いで思い切り投げ放った。水平一直線に飛んだ二つのチャクラムは絶晶のやや細くなった胴体部の左右を斬り裂きアイスエイジクイーンの力を奪う。
「――!? 極晶が――!!」
「ねこさん達、よろしくなのです」
 望と共にアイスエイジクイーンの周囲に集まった猫達は既に包囲を終えていた。多重魔法陣が展開され、全方位から放たれた炎柱が絶晶ごとアイスエイジクイーンを焼き溶かしていく。
「この……てい、ど……くぅぅぅぅぅっっ!!」
 猫達による全力魔法はアイスエイジクイーンを屈服させるに足る火力で、熱気に呑まれたアイスエイジクイーンは生きながら姿焼きにされる魚のように身悶え苦しんでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘスティア・イクテュス
相手が四天王が100人なら此方も四天王で応えざるをえない
ということでいけ!プチヘス達!(124機)
SkyFish団四天王の底力を見せてやりなさい

1号機は初期型なので重量が重い
2号機は言語機能が壊れて無口
3号機は掃除が得意
と此方も対抗してプチヘスの紹介しながら単騎ずつ撃破
全部同じじゃないですか?
これだからしろうとは…もっとよくみなさい!
1号機は他と比べて大きい一回りこれは初期型故の特徴で、2号機は喉の外装に修復跡が…3号機はほら、他より少し黒く…

アイスエイジクイーン戦は残ったプチヘスと散って極晶を他で相手させ
残った部隊が各方向から攻撃!ビームで氷を溶かすわよ!【一斉発射】



●こだわりは譲れない
 7thKING WARはアイスエイジクイーン配下の四天王達にとってもお祭りごとだ。一度や二度猟兵にボコスカやられたくらいではへこたれない。
「っしゃあ! 喧騒の悪魔筆頭、ジェット様のお通りだぁ!! ここは俺に任せな! うおおおおおおおお!!」
 やたらと吼える四天王、ジェットはひょろひょろとした体ながら、陸上選手も斯くやというキレッキレフォームで爆走してくる。
「相手の四天王が100人なら此方も四天王で応えざるを得ないわね。ということでいけ! プチヘス達! SkyFish団四天王の底力を見せてやりなさい!」
 四天王の概念をミキサーにかけて粉々にしたような応酬だった。ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)は100機などとケチ臭いことは言わず、124機のプチヘスを召喚しジェットを迎え撃つ。
「筆頭と言うなら此方は1号機、この子は初期型なので重量が重いのよ」
 二頭身ロボがどたどたと駆けていく。速度に勝るジェット、質量に物を言わせるプチヘス、両者一歩も譲ることなく頭から突っ込み激突。
「ぎゃあああああ!!」
 プチヘスは僅かに押し戻されただけ。頭突きの運動量の大半はジェットに返り、たんぽぽの綿毛みたいに吹き飛んでいった。
「まあ筆頭っていっても四天王の中じゃ下の下だし? んじゃ、メイクも終わったしアタシがいっちゃおうっかな~」
 続いて小麦色の肌をしたギャルのような悪魔が軽いノリでスタスタ歩いてくる。人差し指の先でチャクラムのような円形刃物を振り回し、ひゅっと指差す手つきで投げると刃物は思いの外切れ味良く水平に飛んだ。
 その先にはまた別の型式のプチヘスがいる。初め動かなかったそれは刃物が直撃する直前でバネのような跳躍力を見せて回避、そのままぎゅるぎゅると高速回転してのドリルキックを見舞った。悪魔はメイクをキメた顔の左頬を蹴られて横っ飛びで地面に倒れ、転がって気絶する。
「2号機は言語機能が壊れて無口だけど、やる時はやる子なの。で、3号機は――」
「ふゎ~あ、おらの出番か~?」
 ヘスティアの紹介をよそに鏡餅体型の悪魔が出張ってきた。ずし、ずし、のろ、のろ、一挙手一投足がのろま過ぎて、身動きを取る間に俊敏に動くプチヘスが焼豚みたいな太腿へジャンピングヘッドバットを連打する。
「お、おぁ? おぁ~」
 度重なる打撃で足が体重を支えきれなくなり、悪魔はその場に潰れていった。
「そう、3号機は掃除が得意。流石の掃除術だったわね」
 プチヘス達にも個性がある。ヘスティアは100人四天王よろしく各機体の説明を挟みながら的確にプチヘス達を動かして四天王を片付けていた。
「むむ……1号機、2号機、3号機……どれも同じに見えるのだが」
 堅物の四天王がいた。プチヘス達に睨みを利かせ牽制しているが、どれがどれやら。率直な感想を述べるとヘスティアは、
「これだからしろうとは……もっとよくみなさい! 1号機は他と比べて大きい一回りこれは初期型故の特徴で、2号機は喉の外装に修復跡が……3号機はほら、他より少し黒く……」
 くどくどと説明を始めたが、その間にも結局見分けのつかない悪魔は攪乱されぼこりと殴られ倒れた。
 何かと一騎打ちにしたい四天王達はプチヘス達にいいように遊ばれている。時折四天王の意地でプチヘスを数体倒し返した者もいたが、元の数からして差があるのであり、戦力差は覆らない。
「後はアイスエイジクイーン! あなただけよ!」
「その威勢、どこまで持つかしら? 来なさい! 絶極双晶舞!」
 アイスエイジクイーンは三叉の氷杖を空に掲げた。すると写し鏡のようにもう一つの自動鎧「極晶」が出現する。
「増えても同じよ! 突撃~!!」
 プチヘス部隊はどこどこ駆けていき二つの自動鎧へ特攻を仕掛けた。デカブツの鎧に二頭身のプチヘスはちょこまか動く厄介者で、足で踏みつけ氷杖で薙ぎ払うを試みるもうまく当たらない。
 鎧は躍起になってプチヘス達を追いかけ回す。そして追えば逃げるのがプチヘス達だ。殴る蹴るの攻撃を絡めながらさりげなく二つの鎧を引き離し、アイスエイジクイーンが搭乗する絶晶に群れるプチヘス達にヘスティアが合流する。
「ビーム用意! 撃てーっ!」
 ヘスティアもミスティルテイン・改を構えて、円形に取り囲むプチヘス達とビームを一斉発射、中心点の絶晶で無数の輝線が交差した。
 中心は太陽の如き熱量だ。絶晶と言えどその全てを吸収するには至らず、だらだらと表面から溶けていく。
「耐えて……見せますわよ、この程度……く……あぁっ!!」
 根競べの軍配は早かった。熱と光を多量に受け止めたアイスエイジクイーンはがくんと膝をつき、鎧が変化した不快な蒸気に包まれて毒を浴びたようにダメージを受け続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

十種・天陽
四天王ってさーアレだよね?誰かがやられると、やられたヤツsageて相手を過小評価する連中。
アレってさぁ、言ってるみたいにそんな弱いのの同僚だった自分もsageてる気がするんだけど……そこんトコどうなの?

基本的に攻撃は格闘(怪力,グラップル)のみで。UCはクイーンまで温存。

並み居る四天王の攻撃には、あえて力場(オーラ防御)で防ぐんじゃなくて、攻撃を【見切り】回避することでこっちの防御の手札を誤認させる。


クイーンと召喚された極晶に対しても最初は回避と格闘のみ。
逃げ場のない方へ追い込まれたように見せかけて、大振りの攻撃に合わせてUCを叩きつける!



●踊っていたのは誰か
 再起に再起を繰り返した四天王がまた一人、十種・天陽(悪性喰らい・f36604)に投げ飛ばされて地面に叩きつけられる。脳筋とも言うべき筋肉の塊だ。少し捻ってやればすぐにバランスを失った。
「で、お次は?」
「アイツは所詮最弱の筋肉バカ……倒していい気になってるんだろうけど、アンタはワタシに倒されるのがオチよ」
 すらっとした身軽な体型の女の悪魔がハイヒールを鳴らして天陽の前にやってきた。右手に持つ鞭をぴしりと地面に打ちつけ、四天王たる所以のアピールを始める。
 口では何とでも言わせておけばいい――しかし天陽には腑に落ちない点もある。
「そうやってやられたヤツを『sage』るのさ、そんな弱いのの同僚だった『自分』も『sage』てる気がするんだけど……そこんトコどうなの?」
「ハッ、四天王なんてピンキリ……なんであんなのと同じくくりにされてるのか、ワタシが聞きたいくらいよ!」
 悪魔は本音を口走り鞭を飛ばす。腕の振りからワンテンポ遅れてしなってくる鞭の先端は音速を超えて衝撃波を生み出していた。間合いを計って後方へ跳び退いた天陽の胸板を衝撃波は掠め飛んでいき冷や汗。しかし脅威の度合いでは先の悪魔も今の悪魔もどんぐりの背比べでしかないように思えた。
 天陽が踏み込むと悪魔は鞭を逆側から薙ぎ払い打ち据えようとする。腕の振りが鞭へ伝播して迫ってくるところ、天陽はタイミングを読んで右腕を伸ばしていた。乾いた殴打の音が響くが鞭が打ったのは天陽の掌であり、掴まえればそれは天陽と悪魔を繋ぐ枷となる。
 天陽は怪力に任せて鞭を引っこ抜いた。悪魔は鞭に吊られる形で宙に放り出され、天陽が鞭を力強く手繰り寄せると地面へ真っ逆さま、墜落し気絶する。
 末路も揃ってお似合いだ。次なる四天王は魔術師。敵に間合いの利有り、ただし天陽が掻い潜りさえすれば一撃で決着、顎を掴んで地面に叩きつけ仕留めた。
 四天王達相手に嫌というほど力を見せつけていく天陽。力自慢の四天王達もいたが一対一なら立ち回りでどうとでも対処できる。潰して潰して潰し続けた果て――立っていたのはアイスエイジクイーンと自動鎧「極晶」だった。
「力には、力を……!」
 絶晶がいくらか溶け落ちたアイスエイジクイーンは万全の状態とはいかずとも、極晶とのタッグで左右からの挟撃を仕掛ける。絶晶が引き締めた右腕から遠心力を利用した強烈なフックを放ち、極晶は氷杖での突きを繰り出していた。
 双方受けるに片腕だけでは心許なく天陽は撤退、それを二機の自動鎧が対称的に追い詰めて、とうとう天陽はどちらの間合いからも逃れられなくなる。
 動けば倒される。ひりついた空気を感じながら天陽は固唾を飲んでいた。
「これで……終わりですわ!」
 アイスエイジクイーンが決めの一撃としたのは鎧を捻り力を溜めての氷杖薙ぎ払い。当たれば天陽は叩き潰されるに違いなかったが、アイスエイジクイーンが攻撃に特化した――即ち防御を顧みない瞬間を天陽は待っていた。
「――ハッ!」
 震脚、左足で大地を穿つ。同時にここまで秘めていた力場変換を発動させ、天陽は自分を中心とする円形の衝撃波を放った。
「なっ――!?」
 打撃ならまだしも、それは天陽が全く見せてこなかった力だ。至近距離では防御に一瞬の余裕もなく、アイスエイジクイーンは溜めた力諸共、衝撃波で煽られるように吹き飛ばされる。絶晶にはピシピシと亀裂が深く入り込んで、落ちたアイスエイジクイーンは受け身もままならず大地に氷片をぶちまけた。
「わ……たくしが……何たる……!」
 魔力を維持できなくなり極晶が消滅する。絶晶はアイスエイジクイーンのプライドそのもので、それは最早風前の灯火だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

播州・クロリア
四天王が100人…?ま、まぁ明確に順位付けするより平和的でいいですよね
デビルキングワールドって他の場所もこんな感じなんでしょうか…

あ、四天王の方ですね
私は播州・クロリアと申します
よろしくお願いします
(肩幅ほどに足を開き、両手で太ももをなぞりながらゆっくりと上体を起こした後{紅焔の旋律}で『ダンス』を始める)
このダンスですか?
戦う前の儀式のようなものですので
少しお待ちください…
(これでもし待っていただけたらUC【蠱の宴】で四天王の皆さんの行動を制限した後『衝撃波』を使ったダッシュでアイスエイジクイーンさんに一気に近寄り『オーラ防御』を応用したオーラの結界に氷の自動鎧ごと閉じ込めて、結界ごと『貫通攻撃』と『斬撃波』で攻撃を仕掛けるとしましょうか…)
…卑怯すぎますね…大丈夫でしょうか?



●四天王0人斬り
 四天王とは概念としては並列の立場だろう。故にそれが100人いようが些事であり、魔界は平和に保たれている――戦時であることはさておき。
「あ、四天王の方ですね、よろしくお願いします」
「ふん、あたしの前に無様に倒れて咽び泣くといいわ!」
 播州・クロリア(踊る蟲・f23522)は丁寧にぺこりと頭を下げるが相手はつれない。クロリアの四天王初戦は見るからに小学生女児のような悪魔であるが、見た目で判断してはいけないのも悪魔である。
 その彼女、小さい体でふんぞり返る様は「先攻はくれてやる」と言わんばかりで四天王の余裕を見せていた。お言葉に甘えて――やり取りの言葉はなかったが、クロリアは肩幅ほどに足を開くと、両手で太ももをなぞりながらゆっくりと上体を起こして紅焔の燃え盛る様を表す。段階的に高く持ち上げて勢いはますます強く、旋律は激しい。
「……何をしているの?」
「このダンスですか? 戦う前の儀式のようなものですので、少しお待ちください……」
 しばし没頭。悪魔はクロリアの行動を許容し見守っていたが、時間が過ぎるだけで退屈だ。早く戦いを始めたい――気が急いて仕方がなかった。
「……では」
 機は熟した。クロリアは衝撃波を足に溜めてジェットエンジンの要領で飛び出す。悪魔としても待ち望んだ瞬間、しかし体が動かない。
「……!? どうして……」
 悪魔の疑問は解決を見ぬまま、クロリアは疾風となって悪魔の横を過ぎ去った。他の四天王達も同様でクロリアの動きに追いつけず、ついにはアイスエイジクイーンの元まで。
「極晶――!」
 回復していない魔力だが召喚する他が無い。アイスエイジクイーンもまたクロリアのダンス――正確にはユーベルコード「蠱の宴」の影響で行動速度を下げられていた。召喚陣が描かれていくが人が手書きしているかのように遅く、クロリアは躊躇なくオーラ防御の応用によるオーラ結界に丸ごとアイスエイジクイーンを閉じ込めていく。
 行動範囲を封じられたアイスエイジクイーンは氷杖で結界を叩き割ろうとするが、それすら遅くなり衝突しても威力が出ない。クロリアは錆色の腕を振りかざして結界越しにアイスエイジクイーンと相対し、一直線に振り下ろし斬撃波を生じさせた。
 自ら作った結界は貫通効果で無効とし、斬撃波がアイスエイジクイーンのど真ん中にぶち当たる。衝撃で結界に押し付けられた絶晶は薄氷の割れるが如く軽い音を立てて砕け散り、解き放たれたアイスエイジクイーンの体がその場に力無く崩れ落ちて横たわった。
「……上手くいった、みたいですが……なんだか卑怯過ぎましたね……」
 四天王は全員健在。しかしアイスエイジクイーンが倒れた以上は戦う術無く、敗北者としてその場に佇むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月12日


挿絵イラスト