7thKING WAR㉔〜散るや、此華
仮面を破壊しなさい、と彼女は言った。
その巨体は山よりも高く、携えた槍は都市ひとつに匹敵するほど大きい。人知を超えたその姿は戦場を問わず、戦争に参加するあらゆる者の目に入った。
――ゼルデギロス。
特急契約書により召喚されし『異世界の魔王』。だが、猟兵に語り掛ける声色はあまりにも屈託のない女性のそれであった。
「六番目の猟兵達よ。私を殺したくば顔の仮面を破壊しなさい。操られている私のことならお気になさらず……既に死した身なれど、捨て身の戦いによってみなさんに教えられる事もあるはずです!」
「ガチデビルが特急契約書で呼び寄せた召喚魔王との戦端が開かれましたわ!」
黒弗・シューニャ(零・f23640)は映像を繋ぎ、矢継ぎ早に説明を繰り出した。
「どうやら、あの巨大な女性は仮面に操られているみたいですわね……けれどその状況すら逆手にとって、こちらに何かを伝えようとしている気配もございますわ」
それにしてもあの巨大な槍は脅威だ。『天槍』という名が示す通り、圧倒的な神威で相対するものを蹴散らしてゆく。
「彼女は『自分より小さな者との戦闘』を得意としておりますの。自らが傷つくことすら厭わず皆さまを的確に狙い撃ってまいりますわ。しかもユーベルコードは必ず先制! 相手の攻撃に対処しつつ、反撃は『相手の巨体を利用しない戦い方』が求められますわ。そんなの、無茶振りにも程がありますわよね」
場合によっては対話も可能であるようだが、一体、彼女は何者なのだろうか。少なくとも仮面を破壊すれば倒せるという言葉に嘘はないようだ。
「悪意は感じられませんが、だからといって手加減してくれるわけでもなさそうですわ。畏怖さえ感じるほどの巨躯なる魔王……いったい何が起きておりますのかしら……?」
ツヅキ
プレイング受付期間:👑の数だけ🔵が獲得され、システム的に締め切られるまで。
●第1章
ガチデビルが特級契約書で呼び寄せた「異世界の魔王」との戦いです。
「ぼうや達」「ゼルデギロス」「マスカレイド」「正月に見た不思議な予兆の正体」対する質問については返答が期待できるようです(リプレイ中に具体的な記述はありませんが、戦争後に情報のまとめが出ます)。
プレイングボーナス……先制攻撃に対応し、相手の巨体を利用「しない」戦い方で反撃する。
第1章 ボス戦
『魔王ゼルデギロス・此華咲夜態』
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POW : ジェットランページ
【天槍から噴出する強烈なオーラ】によりレベル×100km/hで飛翔し、【身長】×【武器の大きさ】に比例した激突ダメージを与える。
SPD : 天槍乱舞
【貫通衝撃波「フォーススティンガー」】【螺旋回転突撃「ドリルインパクト」】【神速連続突き「ミラージュランス」】を組み合わせた、レベル回の連続攻撃を放つ。一撃は軽いが手数が多い。
WIZ : ジャッジメントランス
【天高く天槍を投げ上げるの】を合図に、予め仕掛けておいた複数の【オーラで構築した天槍の分身】で囲まれた内部に【裁きの雷】を落とし、極大ダメージを与える。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アルテミシア・アガメムノン
異世界の魔王ですか。ガチデビルさんは罪状に外患誘致を追加ですわね!
此華咲夜さんの覚悟、お見事です。
残念ではありますが、尋常に勝負致しましょう!
先制対策
天槍の構え、足運びから超音速の突撃の進路を予測。
(瞬間思考力×見切り)
動き始める動作に入った瞬間、全力回避です!
しかる後に『明星の栄光』を発動。
戦闘力をマシマシにしてこちらも超音速の飛翔で仮面へと近づき、『クロノスの大鎌』による渾身の一撃を放ちます。
貴女はどんな世界から来たのかしら?
貴女を操るゼルデギロスさんはその仮面が本体なのでしょうか?
あたりを余裕があれば質問しましょう。
「新たな罪状に外患誘致を追加といったところですわね。全く、ガチデビルさんの手段を選ばないやり方には辟易しますわ!」
金色の大鎌を手に舞い降りた軍服姿の堕天使ことアルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)は迫り来る巨槍の脅威を間一髪で躱しきる。
槍の構え方、次に足運び……敵の攻撃軌道とそれを躱すための動作を瞬く間に見切ったアルテミシアの思考力がこの時、此華咲夜を確かに上回ったのだ。
「次はこちらの番ですわね!」
アルテミシアを包み込む眩い輝きが流星の如く迸る。己を顧みぬ此華咲夜の覚悟に応えるため、握る大鎌に込めるありったけの力。
「貴女はどんな世界から来たのかしら。よかったら教えて下さらない?」
彼女がほんの少し動くだけで風が唸り、衝撃波が生み出される。アルテミシアはそれらを躱しながら仮面を目指して急上昇。
「私の世界に興味があるのですね」
「ええ。それに貴女を操るゼルデギロスさんのことも知りたいですわ。この――仮面が本体なのでしょうか?」
遂に頭部へ到達。
アルテミシアは渾身の一撃を叩き付ける。強固な手ごたえにも怯まず、強引に刃先を潜り込ませて罅を入れた。
「勇敢ですね。あなたが知りたいことの答えになっていればよいのですが……」
此華咲夜は口元に薄っすらと微笑みを浮かべ、幾つかの答えを告げた。
「そうでしたのね」
アルテミシアの敬礼は威厳に満ちて。
「感謝いたしますわ、此華咲夜さん」
大成功
🔵🔵🔵
エンティ・シェア
貴方の覚悟、受け取ります
僕に出来ることは、貴方の攻撃を見極め、ぎりぎりまで引き付けて躱すこと
その上で、僕や貴方が傷つこうが、厭わぬこと
駆ける足が鈍るのは困る
武器を振るう腕が鈍るのも、困る
それでも貴方が厭わぬのならば
僕だって同じ覚悟を持って、挑みましょう
……耐性に頼って、耐えられる内は。足を止めずにまいります
そうして、血を与えて顕現した拷問具を手に
抱く躊躇も、憐れみも、魔王とやらへの敵意も殺意も全部
僕の感情を存分に込めて、振るいましょう
――貴方への敬意だけは、残したままに
無になる必要はないのだと、最近、知りましたので
抉るばかりが得意な無粋な武具ですがご容赦を
せめて貴方が、安寧に戻れますように
戦いとは、決して相容れぬ者同士の間に起こる抗争のみではないとエンティ・シェア(欠片・f00526)は識っている。
例えば同じ覚悟を持つ者同士においてそれは共鳴のような感情を齎すものだ。
「……ですから僕は、足を止めずにまいります」
その瞳が開いた刹那、魔王ゼルデギロス――否此華咲夜の『天槍』が猛烈なる“気”を吐いた。
限界まで身動きせずに切っ先が迫るのを引き付けたエンティはもう後がないと思われる最後の最後になってようやく動いた。体を半身だけ退き、僅か数ミリ先を恐るべき速さで槍が掠める。
一度動いた後は決して足を止めない。燃えるようなオーラは火炎と激痛に対する耐性をもっていなし、駆ける。
――貴方が厭わぬものを、どうして僕が厭えるでしょうか?
滴る血を生贄に顕れる拷問具。
抱く躊躇を捧げて刃、憐れみを込めて鎖。魔王とやらへの敵意と殺意は歪んだ外装を構成するための骨子に変換。
処刑形態、発動。
「美しい武具ですね」
禍々しきはずの拷問具をしかし此華咲夜はそのように評した。
「無になる必要はないのだと、最近、知りましたので」
相手が巨大であろうが関係なく、エンティは抉るばかりの無骨なそれを振るう。
この心に残す、貴方への敬意だけを供にして。
「……せめて、安寧へ」
ただ一閃を繰り出した後、背後で恐るべき量の血が迸る。傷つけ合うことは厭わない。
だって、僕と貴方は同じ覚悟を持って挑んだのだから。
大成功
🔵🔵🔵
プフェルトラム・メーベルナッハ
遠き世界の母なるお方。
私の舞を以て、貴女をその忌むべき仮面より解放せしめてみせましょう。
(一礼、魔法剣構え)
【ダンス】を行いつつ、超々高速の突撃を仕掛けてくる彼女を待ち構えます。
右へ、左へ。踏み出す脚の向きで【フェイント】を仕掛け、或いは動きの緩急で【残像】を形成し。
以て狙いを絞らせぬようにした上で【スライディング】、彼女の下を滑り抜けて回避を試みようかと。
態勢を立て直し次第、彼女の身体を【ジャンプ】で跳び上がり、顔の前へ。
其処で改めてのダンスの疲労から疾り渦巻く旋風舞を発動、仮面に突風を浴びせて真空渦で斬り刻みにかかりましょう。
「これが私の舞、そしてこれが私です」
「遠き世界の母なるお方よ、貴女を蝕みし仮面より解放せしめてみせましょう」
フラメ・テンツェリン。
一礼し、プフェルトラム・メーベルナッハ(千夜の踊り手・f00012)が構える魔法剣の銘である。
戦場を踊るプフェルトラムのしなやかな仕草は南国の夜に舞う極彩色の蝶を思わせた。
時に右へ、かと思えば今度は左へ。
掴みどころのないリズムと美しきダンスに惑わされたが最後、此華咲夜の振り抜いた『天槍』は残像と入れ替わったプフェルトラムの頭上を轟――と通り過ぎゆくのみ。
「幻?」
「仰る通り」
余裕をもって足元を滑り抜けたプフェルトラムはすぐさま起き上がりると、彼女の膝、腰、背中、肩と順番に跳躍した。勿論、その間もダンスのリズムは崩すことなく蠱惑的な流し目を差し向ける。
「これが私の舞、そしてこれが私です」
最後の跳躍で仮面の眼前に踊り出たプフェルトラムの身体に回転が加わった。
――突風。
ダンスから続けて放たれる渦巻く旋風舞が仮面を捉え、まるで嵐の如き激しい衝撃を与えたのである。
「ぬ……ッ!?」
此華咲夜のものではない、もっと不気味な声が呻いた。目を向けた先には拘束具にも似た仮面。
魔王ゼルデギロスの――本体。
「貴様!!」
「お怒りですか? 忌むべき仮面よ、疾く去りなさい」
プフェルトラムの耳に風刃が仮面を切り刻む音が届く。真空渦に閉じ込められた仮面は時を経るごとに傷を増やし、絶えぬ呻きが漏れ続けた。
大成功
🔵🔵🔵
クロト・ラトキエ
仮面で視線を遮られても、此方を認識出来ている…?
あれが物理的影響は無いのか、それとも気配などで察知しているのか
いずれにせよ
得物は槍、超高速で激突して来るならば、最大級の威力が乗るのは直進…
小さく且つ動き回る相手でも、周辺一帯巻き込めば吹き飛ばせるし
穂先で一人一人突くより一気に薙ぎ払うなら、威力が落ちても軌道を曲げて来る、か?
知識に照らし、質量、速度、威力を計り
更に彼女の足捌き、槍の構え、体幹、跳躍等から、槍のダメージ範囲を見切り
直撃、大地の崩壊を避けるべく、此方は鋼糸を地形に張り、引く事で速度を水増し
加えて空中へと躍り出
巻き起こるであろう風圧を逆利用、より高くへと
UC起動。風の魔力を纏い攻撃力を上げ
都度、鋼糸を張り登り、或いは足場に
追撃には留意しつつ、彼女の服の皺等も利用し、顔へ
…時に
貴女の『ぼうや達』とは、世界を渡る力などお持ちです?
例えば、グリモアの様な
問う
仮面への攻撃、追撃の手は緩めず
…あぁ、もう一つだけ
死した方とお話など中々出来ませんし
貴女の臨終は、眠りは、安らかなものでしたか?
激しい戦いの最中、クロト・ラトキエ(TTX・f00472)の興味を惹き付けたのはあの仮面。
(視線が遮られている状態でも動きは全く遜色ない……物理的影響を受けない特殊な装身具なのか、あるいは気配などで察知している?)
その読みを裏付けるかの如く、轟音と共に襲いかかる巨槍の切っ先。だがクロトの反応は落ち着き払ったものだった。予め観察していたポイントは数限りない。
――足捌き。
クロトはその動きから攻撃の方向を予測。
――構え、体幹、跳躍。
瞬く間に知識と照合、攻撃可能範囲の計算を弾き出す。
――質量、速度、威力。
とんでもないパワーだが、当たればの話に限る。
最大級の威力を乗せた突穿が接触する寸前、空中に躍り出す。大地に張り巡らせた鋼糸が限界まで引き絞られ、その反動を乗せた挙動がクロトに『天槍』の“上”を取らせた。
高跳びの要領で背をしならせ初撃を躱す。外套が風圧を孕み、翻る。
「これは――?」
吹き荒ぶ風が己の巻き起こすそれではないことを此華咲夜は知る。風を纏う鋼糸が至る所に絡みつき、クロトの靴がそれらを足場として跳ねた。
此華咲夜は突き出した『天槍』を掴み直しながら、振り回すような形で軌道変更を試みる。
「……己が傷つくのも躊躇わず、こちらを払い除けるつもりか」
なるほど“面”での攻撃は威力を犠牲にした効率重視の選択に他なるまい。
「ならば、その前に上りきるまでのこと――!」
クロトは此華咲夜の纏う着物が撓む皺のひとつに足をかけ、より高みを目指して駆けた。
彼女の告げた言葉を信じ、元凶たる仮面へと定める狙い。
「……時に。貴女の『ぼうや達』とは、世界を渡る力などお持ちです? 例えば、グリモアの様な」
鋼糸が鎌鼬のように閃き、一瞬で無数の傷跡が仮面に刻まれる。此華咲夜の答えを得たクロトは静かに頷き、続けて尋ねる。
「……あぁ、もう一つだけ。死した方とお話など中々出来ませんので、よかったらお答え頂きたいのですが……」
――貴女の臨終は、眠りは、安らかなものでしたか?
再び繰り出された攻撃で仮面が割れ、素顔が晒される。彼女はただ目を伏せ、肯定とも否定ともつかぬ微笑みを残して消えた。
大成功
🔵🔵🔵