6
求めるモノなき侵略者

#アルダワ魔法学園

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アルダワ魔法学園


0




●奪い喰らう獣
 地下迷宮「アルダワ」。迷宮主の間が轟音と共に揺らぎ撓んだ空間を引き千切るように巨大な狼が現れる。軋みを上げながら割れた空間が元に戻り、遠吠えと共に巨狼が人の形を成してゆく。そうして、迷宮主の間に思案気な獣人の足音が響き…時を同じくして迷宮に変化が訪れ、迷宮内部のそこかしこで空間が揺らぎ滲み出るように現われた首なしの魔法戦士たちが何かを探すように徘徊し始める。

●魔法学園の生徒達の災難
 グリモアベースに訪れたあなた達を茲乃摘・七曜(魔術人形の騙り部・f00724)が穏やかに微笑みながら僅かばかり早口で出迎える。
「お越しくださりありがとうございます。この度も召集に応じて下さったこと感謝しております。私が予知で災魔の発生を認識しましたのは、アルダワ魔法学園となります」
 そう声を掛け、もうご存知かもしれませんが…と、魔法学園の現状と猟兵の関係を説明し、細かいことの内容を伝え始める。
「地下迷宮「アルダワ」にて、再び迷宮主の間に迷宮主たる災魔が現れました。その影響で配下の災魔の出現と迷宮の変化が確認されています。迷宮主の災魔と配下の災魔に関しましては、情報が分かり次第、魔法学園の教師陣を経由してお伝えいたしますので、随時確認をよろしくお願いします。そして、迷宮の変化なのですが本来の迷宮の構造が干渉しあったのか内部の装置や罠が暴走しております。幸いながら迷宮主の配下たる災魔はそこに現われていないので戦闘の心配はありませんが…問題として何人かの生徒が内部に取り残されております」
 話を続けながら彼女は幾つかの部屋や通路に丸のかかれた迷宮の地図を取りだし、状況の説明を追加する。
「現在、問題が起きているのはこの迷宮となります。どちらかといえば中級者用の迷宮で巻き込まれた生徒も冷静に対処したため重傷者はいませんが、暴走した罠によって部屋や罠のない通路で立ち往生しています。」
 軽く頭を下げつつ、書き込まれていく情報は迷宮の構造と状況。迷宮は整備された石造り、壁は厚く壊したり細工することは可能だが別の場所に繋げるほど破壊するのは困難、幅は横並びに3人並ぶと手狭で天井は高くなっています、と記載する。
「それで現在なのですが、皆さんを阻むのは雷撃になります。壊れてしまった魔導装置を動かしていた雷魔法からの漏電で廊下を歩くと痺れたり、魔導装置が暴走したのか雷撃の網等の雷魔法が射出されたり、どう構造が変ってしまったのかアーク放電…廊下を遮るように超高音と閃光が満たしていたりと下手に触れると死にかねないような状況になっております。それなので皆さんには暴走した装置や罠を破壊や停止…あるいは安全な経路を確保する等して迷宮の踏破と生徒の救助をお願いしたいと思っております」
 そこで一回話を区切り、
「腕力や体力に自信があれば罠を無理やり突破して破壊したり。身軽さや器用さに自信があれば罠を避けて通れる場所を探したり避けて通れるように迷宮へと工夫をしてみたり。知識や経験に自信のある方でしたら罠を解除して進んだりして、取り残された彼らを助けて欲しいのです」

●猟兵達の掲げるモノ
 一通りの説明を終えた七曜が猟兵達へと再度、依頼する。
「改めてのお願いとなりますが、皆様には暴走した装置や凶悪化した罠を乗り越え迷宮を踏破し取り残された生徒を救って頂きたくお願いいたします。現地での補助は魔法学園の教師陣から受けられますので、必要なものが依頼してくださいね」
 そう言い終わり七曜が深々と頭を下げる。


カタリツヅル
 オープニングをご覧いただきありがとうございます。幾度かマスターとして案内をさせていただいておりますカタリツヅルと申します。この度もご縁ありましたら、皆さんの活躍を描かせていただければと思っております。

 舞台はアルダワ魔法学園。地下迷宮の変化で取り残された生徒たちを救い、災魔…オブリビオンの群れを排除し、異変の元凶を倒していただくことが趣旨となります。

 第一章に関しましては罠の突破、生徒の救助が大きな目的です。迷宮の地図に関しましては支給されます。罠に関しましては雷撃の槍や矢、頭上からの落雷、廊下や壁に電気が溜まり触れると感電する等、様々な種類がありますが雷魔法を基本に高熱や激しい閃光、轟音を伴う場合があると思ってください。生徒に関しては安全に帰れる道が確保されていれば自力で戻れますので細かい配慮までは不要です。

●連絡事項
 複数人での参加の際、プレイングの文字数圧縮のため使用ください。詳細はマスターページにも記載しております。また、迷宮内での各猟兵間の連絡等、各種行動に不都合はないものと致します。
(【タグ名:人数:タグ以外のキャラクターとの協力有無】)
42




第1章 冒険 『ビリビリ電撃迷宮』

POW   :    電撃を気合いで耐える

SPD   :    電撃に当たらないよう回避する

WIZ   :    電撃を止める手段を探す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

トール・ペルクナス
救助に電撃の罠……それなら私が出向こう

迷宮に入るり即座に【雷電王】を発動
自身の身を雷電に変換し迷宮を駆け抜ける

罠は基本的に雷速で回避
避けられない物は【電磁誘導】で周囲に滞空させている5本の電界の剣で【武器受け】
もしくは【発雷】の雷電で相殺を狙う
救助を求める声に従い全速力で駆け抜ける
「雷電たるこの身、そう易々と当らんよ」

安全確保のため踏破した罠は統べて破壊しておこう
目印代わりにもなるだろう
救助対象を発見次第壊した罠を目印に出口まで誘導
私自身は抜け漏れの罠があるかもしれないので先頭に

……それにしてもアルダワの迷宮か。懐かしいものだ
最後に踏破したのは50年も前。懐かしみながら誘導する

アドリブ連携歓迎



●救助開始
 迷宮の入口に辿り着いた猟兵が案内する魔法学園の教師と別れ、嘗て訪れた時よりも増築された迷宮へと足を踏み入れる。

●現状確認
 規則正しい軍靴が床を踏む音が響く。白い襟巻をたなびかせたトール・ペルクナス(雷光騎士・f13963)が、50年前を思い出しながらゆっくり懐かし気に進んでいく。その服の意匠は、知るものが見ればかつてとある国で着用された軍服を改造したものと知れる。
「ここで、電撃とは時代は流れるということか。……まぁいい、救助というなら私が出向こう」
 言葉と共にパリッ!と弾けるような音が響く。足音が武術…異国より伝えられたバリツを基礎にする翔け足へと変わり、迷宮の暗がりへと黄雷が奔る。その身に雷霆を纏わせた…否、その身を雷電へと変じたトールの輝く瞳が流れる迷宮の壁を映す。

●電界の剣
 帯電した空気がもたらす緊張感に満ちる迷宮を迷うことなくトールが翔ける。床が踏み抜かれ起動するのは暴走した魔導機械の猛威。本来であれば、軽く痺れる程度の雷撃の矢と足止め用の雷網が致死の威力で空間を奔り、ゆく手を遮る。
「雷撃の魔術か…確かにそれも雷だろう。だが、この身も理を超えて既に雷電。そう易々と当らんよ」
 攻防は刹那。空間を奔る雷撃に応じるのは雷速。紡がれた言葉も理を異とする雷鳴。幾人もの魔術師達の研鑽によって編み出された白雷を、遥か彼方…見上げる空に奔る黄雷には手が届かぬように躱しすれ違う。そうして、輝く黄雷より分かたれるのは五条の迅雷。飛翔した青雷の光剣が眼前の雷網を斬り裂き道を作り、迷宮の壁を穿ち貫き罠の根幹を破壊する。

●雷電王
 狂い乱れた魔導機械が為す白雷の猛威を、雷電の男が躱し往なし壊し己を必要とする者の元へと雷速を持って奔る。

●輝かしいもの
 助けを求める声に従いトールがたどり着いたのは一見変哲のない扉で塞がれた迷宮の一室。それを見たトールがなるほど、これでは開けられないな、とその眼に映すのは暴走した雷魔法。
「ふむ、万が一があるか。派手に壊すのはやめておこう」
 そう言って扉に手を伸ばし弾ける音も目を焼く閃光もなく静かに雷撃と黄雷がお互いを飲み込もうと鎬を削り合い…ゆっくりと扉が開く。部屋にいたのは二人の生徒。軽度の負傷はありながらも、比較的しっかりした様子に安心したようにトールが声を掛ける。
「待たせたな、若人達よ。安全は確保してある、地上まで送ろう」
 言葉遣いと呼ばれ方に目を白黒させつつも二人の生徒が頷き、トールが迷宮からの脱出を先導する。

●脱出
 雷電の男が残存した罠を警戒しつつ先導し、気晴らしなればと嘗ての恩師から受けた教えを生徒達に語り程なくして地上へと辿り着く。

成功 🔵​🔵​🔴​

セルヴィ・アウレアム
罠っちゅうても色々あるしなぁ…兎も角、まずは解析するんが良さそうな!
魔導機であるんやったら、解析さえできれば【ミレナリオ・リフレクション】を応用して相殺出来んことも……うーん、できるやろか…?

・行動
ある程度の被弾は覚悟しつつ、罠の解析を優先。可能な限り【WIZ】で罠の動力源、装置を的確に破壊・停止できる箇所を探す。
どうしても罠の無力化が難しい場所や、まともに受けると甚大なダメージを受けそうな罠に関しては、【ミレナリオ・リフレクション】を応用し、逆位相の魔力を流して無効化を試みます。

アドリブ・共闘歓迎


シーザー・ゴールドマン
【POW】
ふむ、元凶が気になるところではあるがまずは生徒達を救助することとしようか
戦術
『シドンの栄華』で強化。
[オーラ防御]を『維持の魔力』で強化する事で罠によるダメージを防ぐ。
迷宮を進み、[第六感]で罠の発生源に感づければ[衝撃波]を『破壊の魔力』で強化して放って破壊。罠の無力化を意図する。



●救助開始
 先に訪れた猟兵から現状を伝えられた二人の猟兵が、未だ取り残されている生徒の救出の為に迷宮へと向かう。

●現状確認
 迷宮を目の前に魔法学園の教師から受け取った地図を黒い瞳に映したセルヴィ・アウレアム(『迷宮喰らい』セルヴィ・f14344)が、八重歯まで見えるような笑顔で物怖じせず隣の偉丈夫に声を掛ける。
「大変なことになってるみたいやなぁ。…なぁ、アンタ強そうやし、ウチと一緒に行動せーへん?」
「…ふむ、構わないとも。元凶も気になるが、生徒達をまず救助しないといけないようだからね」
 少し思案した後、真紅のスーツを着こなしたシーザー・ゴールドマン(ダンピールのフォースナイト・f00256)が、友好的な態度で褐色の肌をした少女へ了承を返し、静けさを湛えた迷宮へと足を向ける。

●迷宮喰らい
 雷電に焼かれた迷宮を歩きながらセルヴィが、既に壊された罠を確かめて構造や動力源に関して解析を行おうと提案をする。
「雷撃の罠っちゅうても色々あるみたいやなぁ。兎も角、解析が無駄になることはないやろうし、ちょっと時間くれへん?」
 そう言いながら迷宮という場所に慣れているのか壁を崩し、見つけ出した魔導機械を的確に解体し情報を集めてゆく。その隣では構造を暴いていく様子をシーザーが興味深く見ながら罠の発生源の確認は任せようと決め、迷宮の壁へ創り出した魔力剣を向ける。
「聞いていた通りに特殊なものではないね。君が指示してくれれば破壊は問題なさそうだ」
 振るわれた剣先から斬り裂くように収束された衝撃波が放たれ、迷宮の壁へと刻まれた裂痕を確認したシーザーがセルヴィへ告げる。
 それからしばらく後、一通りの解析を終え未踏の区間を歩いていたセルヴィが異変に気が付く。
「ここの床と壁…ピリピリしとるなぁ。まぁ、耐えれんほどじゃないみたいやし調べてみるわ」
 短く息を吸い込み踏み出したセルヴィの四肢が、一瞬跳ねるように揺れてそれでもしっかりと迷宮の床を差し、シーザーから視認できるほどの真紅のオドが立ち上り、呼び起こされた魔力が破壊に猛り変質し魔力剣へと集ってゆく。
「そこの奥だね、了解したよ。少し耐えてくれたまえ」
 言葉と共に二条の赤い軌跡が刻まれ、衝撃波を伴って飛翔した斬撃が迷宮の床へと消え暴走する魔導装置を穿ち動作を止める。

●迷宮踏破
 貴石喰らいの人形が知識を活かし身を挺しながら魔導装置の位置を見極め、真紅を纏う偉丈夫が操る魔力剣が迷宮ごと罠の根幹を斬り裂き、安全な通路を確保しながら迷宮を潜ってゆく。

●シドンの栄華
 最初の異常は目に見えて明るくなった迷宮。空気に漂い始めた独特の匂いを感じ取ったシーザーが自身の知識から状況を予測し、セルヴィを背中に隠すように位置を変える。
「この匂いと明るさ…それに空気が灼ける感覚。次の罠の高温は直接触れられるものではないはずだ」
 君の代わりに先に踏み込もう、とシーザーの纏うオーラが広がり虚空でも生命を維持しうるオドと合わさり、周囲の空間の環境が維持・固定される。僅か後に起こったのは、閃光。通路を満たしていた紫光へと真紅の障壁が喰い込み、致死の空間を進んでゆく。障壁を貫く目が痛いほどの光にセルヴィが赤茶の髪を驚きで揺らし、僅かに上昇し始めた温度に逆に自信の満ち溢れた表情で宣言する。
「流石やなぁ。こんなんされてもーたらウチも張り切らなアカンね」
 これまでの経験から魔導装置の近くまでシーザーを誘導し、セルヴィが今までに取り込んだ鉱物を用いて暴走した魔導装置の構造を真似、紫光を奔らせる装置を組み上げ、僅かに解除された障壁の隙間を縫うように突き出し、紫光がお互いを塗りつぶし合うように一際大きく輝き…迷宮の壁へとセルヴィの創り出した紫光が突き刺さる。僅かな破砕音の後、魔導装置が停止し安堵の息を吐いたセルヴィと障壁を解除したシーザーの前には融解した迷宮の通路。
 それから、しばし後。通路の罠は生徒達では突破できないだろうと周囲を捜索していた二人が壁に背負を預けた生徒を見つける。生徒の様子に罠を警戒しつつも駆け寄ったセルヴィが、生徒に大きな怪我がないことを確認し安堵しながら声を掛ける。
「ウチらは救助にきた…ええと、転校生なんやけど。ちゃんと立てるやろか?」
 生徒がしっかりした声ではい、と答え一人で立ち上がるのをセルヴィが見たところで合流したシーザーが服装状態や生徒の顔色をざっと見定めて、それなりに感心した声で生徒を褒める。
「しっかり学んでいるようだね。異常の内容を判断し自身で突破できないなら体力を温存して待つ姿勢は間違いではない」
 特に私達、猟兵がいれば災魔が原因の異変は予知で瞬時に伝わるといっても過言ではないからね、とシーザーが踵を返し脱出の誘導を努めるように歩き出し、背中を押すようにセルヴィが生徒を励まし共に後を追う。

●脱出
 真紅を纏う偉丈夫が念のためにと罠が再び動き出していないことを確認しながら進み、貴石喰らいの人形が生徒の気を紛らわせるように独特な口調で宝石や貴重品がなかった聞き、迷宮を遡った猟兵達が生徒と共に地上へと辿り着く。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

テムス・シュペート
(自分から共闘を申し込むような性格ではありませんが、共闘・アドリブなど大歓迎です)
「はあ…お仕事はいつも緊張しちゃうなあ…」
といつも通りあたふたしながらも歩を進めます

・行動・(SPD)
巻き込まれた生徒たちの救助を優先すべく、なるだけ早く電撃を回避しつつ生徒たちの元へ向かいます。
途中で目に付く壊せそうな罠のみ装備している武器などで破壊、解除を試みますが、基本的には移動を優先します。



●救助開始
 猟兵達が救助した生徒を教師達が忙しくケアする中、新しく転送されてきた猟兵が迷宮の前に辿り着く。

●現状確認
 迷宮へと不規則で小刻みな足音が響く。周囲を前髪に隠れた緑色の瞳で細かく見渡しながらテムス・シュペート(ゼンマイ発明家・f02295)が、緊張した硬い声色で呟く。
「はあ…お仕事はいつも緊張しちゃうなあ…。でも、生徒さんの為…だよね」
 それでも閉じ込められて困っているなら放っておけないと、勇気を出し一度頷くと迷宮に響いていた足音が整い駆け足へと代わり奥へと続く道に消えてゆく。

●雷撃の罠
 雷電に焦げた壁や融解した壁のある区画を抜け、小走りに進むテムスの周囲の空気がピリピリとしてくる。先に迷宮に潜った猟兵達から聞いた雷撃の罠と見切りをつけ、壁や床に足を付けなければ問題ないとさらに加速し飛び上がり広げた翼に風を受け飛行距離を稼ぎ、最後は痛みを我慢し通り抜ける。
「こんな場所に閉じ込められてるんだね。やっぱり、放ってはおけないよね」
 感電と共に身体に奔った痛みに、改めて生徒達を助けることへの決意を固めたテムスの周りが次第に明るくなり、やがて弾けるような音が加わり地下迷宮の通路を覆うように落雷のベールが現われる。絶え間なく視界を覆う雷光の眩しさに目を眇めながらも雷撃の発生源を見極めたテムスが、蒸気魔導機械を取り出しその銃口の狙いを定める。僅かな時間の後、発射口が潰され機能を失った罠の下をテムスが駆け足で通り過ぎ助けを求める生徒達を再び探し出す。

●ゼンマイ発明家
 迷宮を駆ける欠角の竜人が罠を可能な限り避けながら生徒達を目指し暗がりを踏破してゆく。

●発見
 電撃により生徒達が閉じ込められていたという話を参考に、テムスが操る蒸気魔導機械が迷宮の扉を破壊する音が響く。それを幾度か繰り返した後、部屋の中にいる一人の生徒に気が付き目を僅かに逸らしながらも勇気を出して声を掛ける。
「依頼されて救助にきたんだ。君のほかに閉じ込められている人とか知らないかな?」
 それに確実ではないですが…、と閉じ込められる前に出会った同級生達の情報を生徒がテムスに伝える。新しい情報にテムスが感謝の言葉を伝え、代わりに自身が通った道を生徒へと教え再び救助の為に迷宮の先へと歩を進める。その後、更に幾つかの扉を破壊し中に閉じ込められていた生徒達を助け、
「まだ、この先にも動けなくなったままの生徒さんがいるんだよね」
 勇気と覚悟を込めた言葉を声に出しテムスがさらに暗がりへと身を進める。

●迷宮の生徒達
 欠角の竜人が壊さずに残した罠の前で生徒達が途方に暮れる。地上への道は罠により寸断されたまま魔法学園は遠い。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アルバ・ファルチェ
【救助活動】もある事だし、助けに行こっか。

(アドリブ、絡み歓迎)

《SPD》

狼姿の方が被弾が少なくて済むかな?
という事で狼姿で走り抜けるよ。

雷撃は【見切り】【第六感】で出来るだけ避ける。
避け損ねは【オーラ防御】【激痛耐性】【雷撃耐性】で耐えるよ。

帰りの事を考えて、避けながらでも【視覚】【聞き耳】で【情報収集】、電撃の発生源を【追跡】して発見出来れば壊しておきたいな。

あとは、生徒達を発見出来たら【コミュ力】を駆使して安心させてあげたいかな。
様子を確認して怪我したら【医術】で治療も試みるよ。

無事に送り届けるから、安心して任せて!


アマータ・プリムス
困っている方がいるなら見過ごせませんね
早急に救助に向かいましょう

迷宮に入ったらすぐにUCを発動
ネロを呼びだして護衛させます
「露払いは頼みましたよ、ネロ」
当機自身も電撃の奇襲に備えて外套を羽織っておきます

【学習力】で罠の位置を把握して
迫る電撃はネロに弾いて貰うか
マギアでその辺に転がっている石などを【敵を盾にする】要領で盾にして防ぎます
道中の道は携帯秘書装置でマッピングしておきましょう
「それにしても悪趣味な罠を仕掛ける方もいたものですね」

救助者の方々を見つけたらネロに運んでもらい
人手が足りないようでしたらアウリスも追加で呼び出します
「助けに来ました。もう安心ですよ」

※アドリブ連携歓迎


ナノ・クロムウェル
さて、困りましたね…
私は炎が専門なのですが…仕方ありません
罠を解除し道を作るとしましょう

「サイバーアイ」で視覚による「情報収集」を行い、「ハッキング」可能な物を見つけ出し「ハッキングコード」を使い停止を試みましょう

ユーベルコード「人造の再現者」で…かなり粗い作りでしょうが避雷針のような電撃を防げるものを作りましょう
本来の使い方ではないのですが…「ハッキング」の時間さえ稼げれば十分です

情報を集められたらサイバーアイの情報を元に罠を制御する装置を「人造の再現者」で作りましょう
データさえ揃えば…そういった機械も作れるはずです…
粗くてもいい…皆さんが通りきるまでの道を作れれば…それでいいのです



●救助開始
 新たに転送されてきた猟兵達が魔法学園の教師から現状を確認し、未だ生徒達を飲み込んだままの迷宮へと足を踏み入れる。

●現状確認
 迷宮を前に紫黝簾石をあしらったピアスを揺らしながらアルバ・ファルチェ(紫蒼の盾・f03401)が、足元にコルノを置き軽い調子で、合流した頼りになる見知った二人の女性へと声を掛ける。
「やぁ、アマータちゃんにナノちゃん。久しぶりだけど元気にしてたかい?」
「はい、お陰様で。ファルチェさんは変わりありませんね。プリムスさんもよろしくお願いします」
「ご無沙汰しております、アルバ様。ナノ様達にご一緒していただけるのは心強いですね」
 生徒達を案じながら翠水晶を煌かせ身に纏う装備を確認していたナノ・クロムウェル(翠炎のメタルサバイバー・f02631)が、平坦ながらも穏やかな声色で幾度か共に戦った馴染みのある二人へと再会の挨拶をする。
 その隣では二人に対し灰色の髪を揺らし綺麗に礼を返したアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)が、持参した銀のトランクを開き、その中から南瓜頭の案山子人形が飛び出す。そして、アマータに頭を押さえられたネロが二人へと頭を下げ、生徒達の救出という目的を同じにした猟兵達が迷宮の暗がりへと身を進めてゆく。

●救助の為に
 迷宮へと幾重にも音が反響する。先頭を駆けるのは四足で床を力強く蹴り進む音。流麗な麗銀の毛並みに一房の黒を残し、全身を脈動させながら駆けるのはアルバ。その身を狼に転じ嗅覚と教師からの情報を頼りに先導し、コルノが必死に翼をはためかせ追従する。その後ろを迷宮の暗がりに紛れるようなマントで身体を覆ったネロが滑るように続き、その影を踏むように美しい夜を思わせる黒の外套を纏ったアマータが人形であるが故の健脚で追いかけ、翠炎を取り込み迷宮に独特の動作音を響かせる黒い外殻に紅い縁取りの蒸気魔導機械で飛行するナノが先行する仲間の行き先を鋭い視線で見極めながら続いてゆく。
 そうして、迷宮を進む猟兵達の周囲に破壊された罠が見え始め。飛行をやめたナノが翠色の瞳にアルバとアマータを映しながら提案をする。
「すみません。罠を解析したいので先に進んでもらっていいですか?必ず追いつきますので」
「そういうことなら、先に行くよ。危なくはないと思うけど…でも、気を付けてね?」
「承知いたしました、ナノ様。当機も先行いたします。装置は停止しているとは思いますがご注意ください」
 狼姿のままいつもと同じ口調で答えたアルバが頷き返し、アマータが僅か心配そうに了承を伝えるとともに、解析するナノをその場に、アルバとコルノが罠の破壊された通路を先行し、ネロとアマータがその後を追うように駆けてゆく。

●紫蒼の銀狼と人形遣いの人形
 焼かれ、融けた迷宮を進み、しばしの後。狼に変じたアルバの嗅覚が人の気配を捉え、追従するアマータとネロにそれを伝え、コルノを残し加速する。生徒達に近づくにつれ感じるのはピリピリとした感覚と毛皮が逆立つような嫌な感覚。翔けるように追従するアマータが先を進むネロの影から見たのは、落雷が覆う通路の先で立ち往生する生徒達。それ以外にも魔導装置の暴走で迷宮が帯電していると判断しアルバへと注意を促す。
「アルバ様、落雷だけでなく壁と床…もしかすると天井も帯電しています。すみませんが先に突破いただけますか?罠はこちらで破壊いたします」
「了解。それじゃ、コルノと一緒にあの子達を安心させてくるよ。治療の心得もあるからそっちも任せて」
 第六感とこれまでに集まった情報を活かしたアルバが、駆ける勢いそのままでタイミングを見計らい罠の直前で一際大きく飛び上がる。降り注ぐ落雷を麗銀の体表で突き破るように受け流し散らて、突き抜けてくる雷撃による痛みと熱さを誇りを胸に耐えきり着地と共に普段の姿を取り戻す。一瞬の変身に目を白黒させる生徒に柔らかく微笑み…無事に送り届けるから、安心して任せてと声を掛け、その場を和ませるように僅かに毛皮を焦がしたコルノが駆け回る。
 その後ろでは外套に傀儡鋼糸を絡みつかせ接地を行い、落雷の雨をうまく逃がして帯電した迷宮に立つアマータとネロの姿。身を叩く衝撃に長くは持たないことを感じ、アマータが経験と知識から魔導装置の位置を素早く割り出し…ネロ、破壊しなさい、と合図を出しそれを受けたネロがオレが上かヨォ…逆でも良くネェ?と口を大きく歪めながらも仕方なさげに従い、雷撃を遡り飛び上がり何処からともなく取り出しされた大鎌が迷宮の天井に沈み罠の根幹を切断し、時同じくしてアマータが抜いた仕込み刀が床を貫き魔導装置が停止する。そこに落雷が収まり通路の安全が確保されたことを認識したアルバが、簡単な治療を施した生徒達を連れ戻ってくる。
「二人ともありがとね。これで帰れると思うけど、この子達だけで帰すのはちょっと不安かな?コルノ、お願いしてもいい?」
「そうですね、万が一を考えましたら送るべきでしょう。ネロ、露払いを勤めてきなさい。言うまでもありませんが、無事送り届けるように」
 アルバに同意するアマータの言葉にネロが観客を危険に晒す無様はしねぇヨ、と輝く瞳で応じ、大鎌を収め代わりに旗を取り出し生徒達に向けて振りながら、先導するように動き始め、アルバに頼まれたコルノがもふもふの尻尾を振って応え、僅かに戸惑いを見せた生徒達を誘導するかのように足元を駆けながら安心させるように鳴き声を上げる。

●翠炎のメタルサバイバー
 通路に残された目的の魔導装置を視覚情報に連結した高度演算装置で解析し終え、幾度かの使用で加熱気味の飛行ユニットを背負ったナノが迷宮を駆けてゆく。先行する仲間を再び飛翔し追いかけようとしたとき、迷宮に響く自身のものではない足音を高性能な集音器が拾い、警戒するよう足を緩める。僅か後、現れたのはネロに先導されコルノと共に歩く生徒達。
「皆さん、無事で何よりです。装置はすべて解除されていますがお気をつけて。お二人は地上までの護衛よろしくお願いします」
 その言葉にコルノの尻尾とネロの持つ旗が振られることで答えを返し、安心したナノが先行するアルバとアマータに追いつこうと飛行ユニットに翠炎を焚べる。迷宮に緑の軌跡が刻まれ暫し後。着地したナノの行く手を遮るのは通路を覆う落雷のベール。先行した二人が破壊したはずという疑問を押し込め、
「類似したものはありました。これなら暫らく凌げるでしょう」
 創り出されたのは避雷針。自律するそれが雷幕へと進み降り注ぐ雷撃を引き寄せているうちにナノが迷宮を精査する。刻まれた裂傷は二か所。それぞれに忍び込ませるようにハッキング用の制御線を投げ込み魔導装置を解析してゆく。
「なるほど、時間差で起動する冗長構成ですか」
 そうして、落雷が途絶えナノが再び迷宮を翔けだす。

●迷宮捜索
 南瓜頭の案山子人形と柔毛の槍龍が魔法学園の生徒達を無事に地上へと送り届け、紫蒼の銀狼が罠を捜索しつつ迷宮を疾走し嗅覚を用いて生徒達を探し、アンティークドールのメイドが見つけ出した魔導装置を無力化し道を作り、翠炎の少女は先行する二人の痕跡を翠炎の軌跡を刻みながら追いかける。

●紫雷の迷宮
 迷宮に本能が危険を訴える弾けるような音が響き渡る。狼への変化を解いたアルバが直接見えずとも迷宮を染め上げる白光に目を細め、次第に上がる気温にアマータが罠の悪質さに辟易しながらも考えを纏める。
「厄介そうだね。僕達だけなら通れるかもしれないけど…」
「はい、救助の帰りを考えるならば壊すべきでしょう」
 そこに、迷宮を駆ける音が聞こえ始め間を置かずナノが合流する。
「お待たせしました。おそらくですが解析したものに、この先の罠と類似するものがありました」
 そう言ってナノが創り上げたのは罠の根幹となっている魔導装置。これを暴走した魔導装置に繋げば大丈夫ですと続け、アルバがなら、僕はその装置を護ろう、と翼と十字の意匠が施された幾枚もの白銀の盾を呼び出し装置を護るように展開し…でしたら、当機は運搬を担当しましょう、とアマータが銀のトランクから新たに出された大型の人形に装置を抱え運ばせる。その直後、一際明るい光が奔り白銀の盾が紫雷を遮り轟音が響き、周囲の温度が上昇し人形の素体の焦げる匂いが漂い、魔導機械の駆動音と共に迷宮に暗がりが戻り温度が下がってゆく。
 そうして、平常に戻った迷宮を灼け焦げた人形が帰還しアマータが労わるように銀のトランクへと収め、入れ違うように進んだナノが自身の創り出した装置が安定して稼働していることを確認し安全を確認し、融解した熱を持ったままの通路をアルバが狼の姿に戻り再び先導するように駆けだす。

●最後の生徒達
 紫蒼の銀狼の嗅覚が生徒達の匂いを捉え迷宮を進み辿り着き変身を解きながら大きな負傷がないことを確かめ、アンティークドールのメイドが蒸気式携帯秘書装置で最後の遭難者達であることを確認し安心させるように笑いかけ、翠炎の少女がなるべく早く戻れるようにと生徒達を運搬する自律機械を粗い作りながらも組み上げ、深部まで探索しきった三人が罠を破壊しきった道を辿り魔法学園を目指し帰路につく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『首無しの熟練騎士』

POW   :    雷鳴刀
【迸る魔法刀の剣筋】が命中した対象を切断する。
SPD   :    疾風迅雷
【「炎」と「氷」を無効化する強化魔法】【脚力を上昇させる強化魔法】【物理的防御力を上昇させる強化魔法】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    怒髪天
【掌を天高く掲げて】から【全方位に向けて高威力・広範囲の雷】を放ち、【電気や雷に対策のないものは感電】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●首無しの熟練騎士
 集まった猟兵達に魔法学園の教師が判明したことを伝えに訪れる。先ほどは生徒達の救助ありがとうございました、そう前置きし、迷宮内部の変化の内容と追加の予知でこの先の迷宮にいるのは災魔に命を奪われた熟練騎士が首の無い災魔となったものと判明したと話を始める。
 元々はある国の騎士団構成員で集団戦闘も得意とするが少人数での戦闘も可能な魔法を操る熟練の騎士であり災魔になったことにより武威は増していると思われますと一度話を区切る。

 軽く息を吐きだした教師が話すのはその騎士団で脅威とされていた三種類の攻撃。
 一つ目は雷の力を帯びた騎士剣を振るい対象を切断する剣技。
 二つ目は「炎」と「氷」の無効化・脚力の強化・物理的防御力の上昇と三種類の魔法で一次的に身体能力と一部の属性に対して抵抗力を上げる自己強化。
 三つ目は掲げた手から広範囲に雷撃を放ち周囲を麻痺させる雷魔法。
 そう、伝えた教師が一息つき上部の迷宮はおそらく災魔のもつ雷を操る能力によるものでしょうと締めくくり、いつも頼ってばかりになりますが重ねてよろしくお願い申し上げますと深く頭を下げる。
シーザー・ゴールドマン
【POW】
ふむ、災魔と戦い、災魔に敗れた騎士の成れの果てか。
武威は増していると聞いた。楽しませてもらおう。
戦術
オーラセイバーを振るって戦います。
敵の攻撃は[見切り][第六感]で回避あるいは受け流し
[2回攻撃][怪力][フェイント][鎧無視攻撃]で攻めます。
ある程度、楽しんだ後に[見切り][カウンター]からの
『バベルの消失』の魔力を纏った蹴りあるいは拳で決めます。
複数が一気に出てきた場合は
[全力魔法][衝撃波][属性攻撃:風][なぎ払い]の暴風の一撃で陣形を崩して各個撃破を試みます。

アドリブ歓迎です。


トール・ペルクナス
奇しくも雷を使う騎士同士の対決か
だが私も譲る気はない押し通らせてもらおう

【電磁誘導】で電界の剣を全て滞空状態に
自分の身体も浮遊させ【空中戦】に
【雷電王】も発動させ雷速の飛び蹴りで【先制攻撃】
振るわれるUCと相手の攻撃は剣の動きを【戦闘知識】で【見切り】電界の剣を操作し【武器受け】
その後クロスレンジで【属性攻撃:雷】を纏った拳で【鎧無視攻撃】
鎧が固くとも電気を流せば関係なかろう
電流での【マヒ攻撃】も狙う
相手の動きが止まった一瞬【力溜め】した手刀で相手の鎧を貫き止めを狙う
「その太刀筋、生前はさぞ高名な騎士だったのだろう。残念だ、その時に出会いたかったよ」

※アマータとの連携不可



●迷宮の一室
 多くの障害を越えた先。迷宮の中層に向かうために猟兵達が再び集まってゆく。

●迷宮の脅威
 白皙の美貌に静かに笑みを刻み、金色の瞳に迷宮の暗がりを映すシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)が、先駆けとして共に挑むであろう隣の男へと涼やかに話しかける。
「ふむ、初めましてかな?よろしくお願いするよ。さて、私達が一番乗りのようだが、どうするかね?私は共闘でも単騎でも構わないが」
「丁寧にすまないな。こちらこそよろしくお願いしよう。ん、…未踏破というのなら、効率を考えて別れて進むべきだろうな」
 危機の根源を解決するならば可能な限り速い方がいい、と異国の改造軍服を纏うトール・ペルクナス(雷光騎士・f13963)がそう答え、機械帯と機械籠手に紫電を奔らせ不備の無いことを確認してゆき、どちらからともなく迷宮へと二人が足を進め静寂が訪れる。

●分岐路
 赤を纏う偉丈夫がその身の魔力を紅く滾らせながら疾走し、雷電の男が紫電に輝く剣を衛星のように周囲に廻らせ駆ける。迷宮の壁が流れ、誘うように枝分かれをしたのを確認した二人が、それぞれの選んだ道へと消えてゆく。

●雷光騎士
 迷宮の空気をパリッ!と帯電させながら駆けるトールの足音が鋭く変わり、その身が雷電へと転じる。疾走の勢いのまま床を蹴ったトールが、従える電界の剣による電磁場に弾き出されるように空中を奔り、黄雷が迷宮を染める。そして、空を翔ける雷鳴りの如く進むトールの輝く瞳に映ったのは一体の首の無い鎧騎士。雷速を持って身を進める電磁波を操り、クルリと身を捻り成すのは蹴撃。災魔騎士に向けられたそれはまさに落雷。轟音とともに身をすくませる雷鳴が響き渡り、災魔騎士が防御に構えた雷刀が砕かれ、鎧に雷電の残滓を纏わりつかせ、装甲靴で床を削りながらも攻撃を往なしきる。それに驚いた表情でトールが呟く。
「あれを防ぐか…。だが、私も譲る気はない。押し通らせてもらおう」
 災魔騎士が再び雷刀を生み出したのを見たトールが構えをとり、奇しくも雷を使う騎士同士の対決の火蓋が切って落とされる。

●赤公爵
 迷宮の暗がりに真紅のスーツを翻しシーザーが疾駆する。変らぬ笑みを浮かべながら、されど次第に濃さを増してゆくオドがその内に秘める戦闘への期待を示し、僅かに深みを増した金色の瞳が一体の首の無い鎧騎士を捉える。シーザーの魔力により創り上げられたのは、戦意を顕したかのようなフランベルジュ。身を隠すことなく正面から放たれた袈裟斬りが、打ち合わされた災魔騎士の雷刀を砕き…砕かれる間に身を捌いた災魔騎士に躱され…流れるように斬り返されたシーザーの魔力剣が、身を捻るとともに横薙ぎにされた新たな雷刀とぶつかり合い火花と紫電を散らし辺りを照らし出す。そして、シーザーが災魔騎士と鍔迫り合いをしながら笑みを深め語り掛ける。
「謝罪しよう、災魔に敗れた騎士の成れの果てと聞いて少しばかり侮りがあったのだが…予想以上だ。この戦い、楽しませてもらおう」
 武威は増していると聞いていたが、まさか無傷で防がれるとは思わなかった、と真紅のオーラが威容を増してゆく。

●首無しの熟練騎士隊長
 雷電の男が災魔騎士の雷刀を紫電に輝く剣で受け止めバリツの動きで迫り、災魔騎士が熟練の動きで間合いを外し、赤を纏う偉丈夫が流麗に振るう魔力剣を、災魔騎士の雷刀が基本に忠実な剣術で受け守りながら機会を伺ってゆく。そうして、しばしの後。

●雷の理
 トールの雷光を纏う掌打が災魔騎士の太刀筋を逸らし、雷速を誇る踏み込みで距離を詰め災魔騎士の鎧を穿たんと手刀が奔り、災魔騎士の操る雷魔法に遮られる。そして、戦いの拮抗を利用し両者が距離を開け対峙する。
 瞬きの瞬、災魔騎士から一際大きい白雷が奔り、延伸した刀身が迫る。雷鳴を斬り裂かんばかりの抜き打ちを電界の剣が遮り、迷宮を染め上げた白光を黄雷が斬り裂く。それは、輝く機械籠手。まさに雷撃の如き右腕が災魔騎士へと叩きつけられる刹那。雷球を生み出した災魔騎士の左腕がその軌跡を遮り、起きるのは静謐。否…強すぎる光が生み出した認識の空白。色を取り戻した迷宮を踏み込み振るわれるのは手刀。雷光を往なした白い襟巻が帯電しながらたなびいて、災魔騎士を黄雷が貫き過去へと溶かしてゆく。
「その太刀筋、生前はさぞ高名な騎士だったのだろう。残念だ、その時に出会いたかったよ」
 身体から痺れの抜けたトールが過去へと去った騎士へと向けた武威を称える言葉が余韻のように響く。

●バベルの消失
 災魔騎士が迷宮に白閃を刻みシーザーの纏う真紅のオーラを斬り裂き、散らされるオーラに構うことなく踏み込んだシーザーの魔力剣が、波打つ剣身で災魔騎士の鎧へと斬り込む。お互いの護りを削り合りながら幾度も斬り結び…災魔騎士の放った雷嵐とシーザーの巻き起こした暴風がお互いを弾き合う。
 対峙は一瞬。災魔騎士が雷刀に紫電を迸らせ踏み込む勢いのままに薙ぎ払い、シーザーが正面から魔力剣を振るい受けて立ち、激突が破砕音に彩られる。砕け散ったのは魔力剣と雷刀。お互い無手のままさらに踏み込み迷宮を染め上げるのは白光。
「素晴らしいな…ありがとう。この一撃をその身に刻んで消えたまえ」
 その中に侵されぬ真紅が立ち上り、衝撃が迷宮を震わせ雷鳴が轟くとともに悪夢が覚め、残ったのは灼けた右腕の痛みに激闘の余韻を纏わせ笑みを深めたシーザー。葬送の言葉と共に迷宮の奥に足跡が消えてゆく。

●迷宮の下層へ続く部屋
 災魔騎士を撃破した雷電の男と赤を纏う偉丈夫が迷宮の一室で合流する。この先に進むのは後顧の憂いを断ってからと認識で一致した二人が転送されるまでの暫しの間、歓談し時間を過ごす。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アマータ・プリムス
救助のあとは騎士退治です
手強そうな相手ですがやりようはあります

イーリスを取り出しアルジェントムを【武器改造】で避雷針に変形
広範囲の雷への対策とします

アンプがないのでイーリスの音はいつもより響きませんがそこは当機の【楽器演奏】でカバー
雷の騎士相手にはロックに【歌唱】して【属性攻撃:音】UCの【衝撃波】で鎧ごと振動させ攻撃
これなら鎧の物理防御が上がっても効果があるでしょう?
「この歌をその身に刻みなさい」

可能であれば味方には【Ars longa, vīta brevis】と【Facta, non verba】でバフと回復
危険なUCは【Mens agitat molem】で打ち消します


アルバ・ファルチェ
騎士として生き、死した後に『騎士』とは名ばかりの騎士とは言えない存在に堕とされるとか…同じ騎士としては身につまされる話だね
だから、ここで引導を渡すよ

《SPD》
(絡み・アドリブ歓迎)

炎と氷の無効化は僕には影響ないけど、脚力と物理防御力は厄介だよね。
脚力に関しては【存在感】を示して【挑発】【誘惑】【おびき寄せ】で僕に向かってくるようにしたら攻撃が読みやすくなって防御しやすいかな?
背後は取らせないように注意しつつ、【武器/盾受け】【オーラ防御】なんかも駆使して仲間を【かばう】よ

そうやって向かってきたら【カウンター】からの【鎧砕き】【鎧無視攻撃】を仕掛ける
鎧が砕ければ他の人の攻撃も通りやすくなるよね?


ナノ・クロムウェル
炎を無効化できる雷の使い手ですか…
はっきり言って相性悪いですね
しかしやりようはあります
私の力は炎だけではないのですから

さて、敵と遭遇したら即座に「爆裂剣」です
翠炎の力を使うので無効化される可能性は確かにあります
しかし、この一撃は地形を変えます
そこで敵の防御や体勢を崩すのが狙いです
「蒸気式飛行ユニット」で飛行し上空から「アルトロン」での砲撃です
その後懐に潜り込み腕に取り付けた籠手型の「ガジェット」で「怪力」に任せ殴ります
この「ガジェット」は殴る時に翠炎を射出してパンチ力を高めます
鎧が堅いようならその場で「武器改造」し「ガジェット」から射出している翠炎を動力に変換することでドリルにし「鎧砕き」です



●迷宮の一室
 中層に続くその場所に新たに転送されてきた猟兵達が集まり、迷宮の暗がりに歩を進めてゆく。

●迷宮の脅威
 身体の要所を真紅の縁取りがされた装甲で覆い、戦いの用意を整えたナノ・クロムウェル(翠炎のメタルサバイバー・f02631)が、自身とこれから相対する災魔との相性の事を考えながらも不安なく共に訪れた二人へと話しかける。
「ファルチェさんにプリムスさん、上の階層ではお世話になりました。私の戦い方と首無し騎士の災魔は、はっきり言いまして相性が悪いのですが、やりようはありますのでご心配なく」
「ナノ様、こちらこそありがとうございました。この度もアルバ様達と訪れた時期が似通っていたのは僥倖でございますね。えぇ、手ごわそうな騎士退治となりますが、苦手分野のサポートは当機の得意分野ですのでご安心ください」
「…あぁ、そうだね。僕も騎士の誇りにかけて僕の目の前で誰かをむざむざと傷つけさせる気はないから安心してよ。それじゃ、改めてになるけどナノちゃんとアマータちゃん、今回もよろしくね」
 その言葉に苦手があるならば、それを支えるのが誰かの為に在る自身の役目とアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)が、銀のトランクを提げたまま一礼し再会に微笑みで答え、一言ばかり思案気に硬い言葉を零したアルバ・ファルチェ(紫蒼の盾・f03401)が、常の明るい調子で仲間を護ることを宣言し、足元のコルノを一撫でし、同意するように相棒であるコルノが一声吼える。その鳴き声を皮切りに中層へと猟兵達の足音が消え再びの静寂が訪れる。

●分岐路
 先頭を駆ける紫蒼の盾騎士が迷宮に刻まれた痕を確認し進路を選び、アンティークドールのメイドが桃花色の瞳で前方を警戒しながらその隣を軽やかに並走し、柔毛の槍龍が後を追いかける。最後尾を駆ける翠炎の少女が位置取りを調整しながら聴覚に意識を集中させ、そのしばし後。

●共に戦う
 暗がりに疾走する足音が反響する。災魔との邂逅に備え白銀の盾を携え油断なく進むアルバに、警戒を解かないままアマータが先ほどの様子を心配し声を掛け言葉が返る。
「ごめんね。心配させたみたいで。騎士として生き、死した後に『騎士』とは名ばかりの騎士とは言えない存在に堕とされたのがさ…同じ騎士としては身につまされる話だったからね。きちんと引導を渡したいと思っただけだよ」
「失礼いたしました、アルバ様。当機の配慮が足りておりませんでした。過去の名誉を守るためにも災魔には骸の海に還っていただきましょう」
 気にしないで、とアルバが手を振りそれに頷いたアマータにコルノが鳴き声を上げ、そこに内蔵式集音機で迷宮の異変を感じ取ったナノが先を走る二人に聞こえた状況を纏めて伝え戦闘が近いことを示し、
「微かに複数の足音が聞こえます。数は不明ですが10以上。状況から災魔と見て間違いないです」
 より足音を殺したナノが右腕に蒸気魔導機械の籠手を装着し、事前に相談したようにアルバとアマータの影に潜むように疾走を続ける。

●爆裂剣
 隊伍を組み進む装甲靴の足音が微かにだが明確に聞こえ始める。先頭を走るアマータが走りながら器用に銀のトランクから鋭角的な意匠のギターを取り出し、蓋を閉めたトランクを変形させ、広範囲を襲う雷への対策として自走型の避雷針へと造り変える。
 隣ではアルバが携える翼と十字の意匠を刻んだ盾が、周囲の空間の滲みだすように二十を超える数で創り出され展開され、戦闘に備えたコルノが小さな翼をはためかせながら飛び上がり鋭く吠え声をあげる。
 その二人の後ろを影のように疾駆するナノが、蒸気式飛行ユニットと翠炎剣へとその身に廻る翠炎をいつでも籠められるように神経を集中させ自身に託される攻撃の瞬間を見逃さないように心を鎮めて備える。
 そして、訪れた猟兵達と災魔達の邂逅を雷鳴が彩り爆炎が引き裂く。最も早く奔ったのは雷光。首無しの熟練騎士達が呼び起こした広範囲を薙ぎ払う雷が迷宮を雷鳴と共に白く染め上げ、アマータの準備した避雷針へと一部が引き寄せられ消滅し、アルバが操る白銀の盾が避雷針を突破してきた雷撃を防ぎ散らす。雷光の余韻で白く染められた迷宮を引き裂くのは翠炎。魔導蒸気機械に翠炎を焚べ、翠の炎を纏った巨剣を携えたナノが雷撃の余韻に震える迷宮をアルバとアマータを飛び越え飛翔し、上段に振りかぶった翠炎剣を災魔へと叩きつける。
「二人ともありがとう。全力で…叩きつけます…!薙ぎ払いなさい…私の炎!」
 翠水晶が一際大きく輝き、起きるのは破壊。災魔を叩き斬った勢いそのままに迷宮に叩きつけられた翠炎剣を中心に床に罅が入り陥没し、その威力を物語るように撒き散らされた翠炎を伴った衝撃波が災魔達を薙ぎ払う。爆音が迷宮を反響する中、災魔達が薙ぎ払われた空間へとアルバが飛び込み、後続の災魔達に対し白銀の盾を向け護りを現し、嘗ての騎士の名残へと今を生きる騎士として矜持を示す
「伝わるかは分からないけど騎士として宣言するよ。僕がいる限り僕の前では誰も傷つけさせはしない」
「皆様のサポートはお任せを。それこそが当機の存在意義ですから」
 災魔達が紫電を纏っていないことを素早く見取ったアマータが、鋼糸をギターへと繋ぎ込み流れるような手つきで調律し音を響かせ始め、籠手に包まれた拳を握りしめ、翠炎を猛らせ翠炎剣を歯車に飲み込ませたナノが、激しく回転する巨大なドリルを掲げ災魔達へと突き進んでゆく。

●首無し熟練騎士部隊
 災魔騎士が放つ雷撃を避雷針が誘導し、雷撃の奔る迷宮を恐れず踏み込む紫蒼の盾騎士が災魔騎士の攻撃から仲間を護り、柔毛の槍龍が援護し、アンティークドールのメイドがギターを鳴らし響かせる音色が仲間たちに活力を与え災魔騎士を穿ち、翠炎の少女が翠炎を纏う螺旋を激しく回しながら災魔騎士を貫き穿ち戦況を有利に進めてゆく。そうして、しばし後。

●騎士の誇りと想いを込める歌
 遭遇した首無しの熟練騎士達の最後の一体が翠炎に倒れ消え去り、僅かな静寂を得た迷宮に新たな足音が響く。暗がりの先、隊伍を組む災魔達に紫電の輝きを見たアマータが脳裏に浮かべるのは迷宮を満たした雷撃。それと共に歌い上げられるのは音無き歌声。聞くことのできない繊細な振動が暴威を示す雷撃へと道を作りだし、歌声に導かれ紫電が身を捩るように壁にぶつかり四散し、雷撃の余韻たる雷鳴を柔らかで温かいギターサウンドが塗りつぶしてゆく。それは、力強く響くアマータの歌声。世界の未来を願い、仲間を支える唄が歌い上げられ、アマータの想いのまま仲間の背中を支える。
(―――聴くだけではなくその身体に。この歌を届けましょう)
「翠炎が防がれようと私の力は炎だけではありません」
 響く歌に後押しされ、災魔達との間合いにドリルでは届かないと判断したナノの両肩に被さるように組み上げられ顕れるのは、龍の名を冠する砲門。巨龍の咆哮の如き砲撃音が響き渡り翠炎を纏った砲弾が、炎を無効化しようとも確かな質量と炸裂する衝撃で接近しようとする災魔達を撃破し、仲間を犠牲に砲撃を潜り抜けた災魔達が雷刀を生み出し白光が迷宮を染め上げる。
 そこへ迎え撃つように踏み出したのはアルバ。自ら距離を詰めたアルバへと雷刀が振るわれ、縦横から殺到する雷刀をどれ一つ後ろに抜けさせる事はないと白銀の盾で遮り、浮遊する盾を操り受け止めきる。盾から伝わる衝撃に強化魔法を使用している災魔達の状態を的確に見抜いたアルバが、雷刀と拮抗する白銀の盾を災魔達の虚をつくように引き戻し、災魔達の強化された脚力を利用し体勢を崩し、そのタイミングを知っていたかのようにコルノが自慢の角で体当たりを仕掛け災魔達の鎧を穿つ。そして、コルノの奮戦に重ねるようにアルバの持つ星の力を宿す剣が獅子に守護されし茨の乙女の意匠を煌かせながら鞘走りともに剣閃を刻み災魔達の鎧を斬り裂く。
「二度と呼び戻される事がないように骸の海の奥深くで眠って欲しい」
 その様子にアマータの歌声が変化する。それは災魔達が操る雷撃にも似た激しいロック。
「壊れた過去を嘆き叫んだあの日 それでも痛みは未来を描くための誇り この祈り貴方に届け!」
 優しく響いていた歌声が叩きつけるように苛烈に災魔達の鎧を震わせコルノが穿ち、アルバが斬り裂いた鎧の傷を引き裂き災魔達達を過去へと返してゆく。

●迷宮の下層へ続く部屋
 災魔達を撃破した紫蒼の盾騎士と柔毛の槍龍が迷宮の一室へと辿り着き、アンティークドールのメイドと翠炎の少女がそれに続く。目的を達したことを確認した猟兵達がお互いを労いながら転送されるまでの時間を過ごす。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ワズラ・ウルスラグナ
ふむ。炎無効か。
最高の難敵だな。

用いるのは戦獄龍終極。
敵の姿が見えた時点で使用し、肉薄する。

雷鳴刀相手なら巨大化した鉄塊剣で投げ貫く。
避雷針と盾代わりだ。足りなければ爪撃も見舞う。

疾風迅雷相手には戦獄龍滅劫を。
有りっ丈の獄焔を最速で叩き付ける。
魔法三つ掛けの隙を突けるか上から捩じ伏せるか。
焔が効かなかった時の為の終極だ。押し潰す。

怒髪天には巨大化した鉄塊剣を避雷針代わりに突き立てておき、
掌を避け、下からの爪撃を叩き込む。

余裕が有るなら更に技能やユーベルコードを重ねて全身全霊で挑みたい。
更に余裕が有るなら火炎無効耐久勝負でも挑みたい。
が、依頼最優先だ。
油断せず、躊躇わずに挑ませて貰う。


トリテレイア・ゼロナイン
災魔と戦い、敗れ、災魔と堕ちた騎士。
私の先達にして、訪れるかもしれない結末の一つの形の顕現なのでしょうか
いえ、感傷は不要。災いを人々に振り撒くのなら私は騎士として剣と盾となり、討ち果たすのみです。

※1:1描写希望


気休めでしょうが、事前に防具改造で電撃への耐性を防具と盾に施して接敵

騎士として武器受け、盾受けを駆使したカウンター重視の接近戦を仕掛けます

剣筋を「見切り」盾を囮に使う「目潰し」で隙を作り攻撃を加えれば…

(その攻撃を難なく対処され、あわや返り討ち。咄嗟に全格納銃での「だまし討ち」で勝ちを拾う)

……騎士の道はやはり険しいですね…



●迷宮の一室
 地下迷宮に挑む猟兵達が三度転送され、静けさを湛えるそこに新たな足音が響き出す。

●迷宮の脅威
 生い茂る霊樹の紋章を輝かせる騎士鎧を纏ったトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)が、災魔と戦い、敗れ、災魔と堕ちた騎士への複雑な思いを振り切るように緑光を瞬かせ共に訪れた龍人に声を掛ける。
「ウルスラグナ様、騎士として正面から先達と戦いたいと思っているのですが…よろしいでしょうか?」
「おう、構わないとも、好きなように戦うといい。しかし、炎を無効化するとは最高だな」
 金色の瞳に期待を、漆黒の龍躯に戦意を滾らせたワズラ・ウルスラグナ(戦獄龍・f00245)が、それに俺の戦い方は周囲を巻き込みかねんしな、と相性の悪い相手との戦い方を考えながら同意を示し、二つの重い足音が迷宮の奥へと消えてゆく。

●分岐路
 迷宮の床を機械騎士が鎧の重さを感じさせない力強い足取りで油断なく突き進みながら道を選び、戦獄龍が纏う戦獄を猛り盛らせその身と大剣の威容を増しながら別の道へと消えてゆく。そのしばし後。

●戦獄龍滅劫
 迷宮に合わせ獄炎を纏う黒龍となったワズラの燃え盛る獣脚が床を削り侵攻し、遂に災魔騎士を視界に捉える。駆けるワズラへと災魔騎士が生み出したのは雷刀と雷光。迷宮に紫電が満ち弾け雷音が唸る刹那、先んじてワズラが投げ放った獄炎の巨剣が天井へと突き刺さる。
 轟くは雷鳴、満たすは白雷。だが、迷宮を照す獄炎の巨剣に紫電が吸い込まれ、その一瞬に距離を詰めたワズラの龍爪が叩き潰すように災魔騎士へと振り下ろされる。先の雷鳴に勝るとも劣らない轟音が響き渡り、ワズラの一撃を雷刀で防いだ災魔騎士が燃え移った黒焔に焼かれながらも、構えを直しワズラへと対峙し魔力光を纏うと黒焔が収まってゆく。
「ほう、俺の一撃を凌ぐか!第二ラウンドだ!さあ、俺と殺し合え!」
 言葉と共に戦獄が猛り狂い周囲を薙ぎ払う灼熱の獄焔が迷宮の壁すら燃やし黒焔の中でワズラが高らかに吼える。

●白き機械騎士
 推進器で迷宮を滑るように駆け抜けるトリテレイアの騎士鎧の各所に備え付けられたセンサーが災魔騎士を感知する。足音から接敵のタイミングを見計らった白の騎士が行うのはシールドバッシュ。その身を巨大な盾で隠し、急激な加速を持って莫大な質量を攻防一体の一撃へと変え迫り、応じるのは白雷。奔る紫電が盾の表面に散り、儀式剣を床に擦らせ身に迫った雷撃を床へと受け流した白の騎士が勢いを殺すことなく突撃し災魔騎士に往なされる。
 油断なく振り返ったトリテレイアが見たのは、白光で視野を奪い熟練の動きで攻撃を捌き構えなおした災魔騎士。幾度もの訓練を重ね、実戦で磨き上げた技術の粋を災魔騎士に見出したトリテレイアが騎士として猟兵として為すべきことを言葉に乗せ、
「どのような過去があったかは存じ上げませんが、災いを人々に振り撒くのなら私は騎士として護るべき人々の剣と盾となり、討ち果たすのみです」
 再び推進器に火を灯し災魔騎士との間合いを詰めてゆく。

●首無し騎士
 戦獄龍が迷宮を黒焔で染め上げ災魔騎士へ龍爪で靭尾で叩き潰すように迫り、災魔騎士が雷刀にて獄炎を割り裂き応じ、機械騎士が薙ぎ払い振り下ろし儀式剣の剛撃を揮い、災魔騎士が雷刀で防ぎ往なし迷宮に火花と雷光が飛び散る。そうして、しばしの後。

●戦獄龍逆燐
 迷宮に灼熱が満ち溢れる。本来燃えないであろう迷宮を構成するすべてがワズラの黒焔に燃やされ炎を噴き上げる。地獄の一角で打ち合わされるのは獄炎と白雷。白銀の鎧に多くの裂傷を刻んだ災魔騎士の雷刀が黒焔を引き裂き、獄炎を溢す傷跡から戦獄を猛らせるワズラを貫き、雷刀を折り砕いたワズラの反撃の剛爪に胴体を打ちつけられた災魔騎士が後方へと滑り、距離を開け対峙する災魔騎士が生み出したのは新たな雷刀。獄炎の巨躯に合わせた刀身を見て笑みを深めたワズラの漆黒の咢が獰猛に牙をむく。
「さぁ!名も知らぬ騎士よ!お前の最高の一撃に、俺の最大の一撃で応えよう!」
 振るわれるのは雷速の横薙ぎ。翳されたワズラの龍翼を斬り裂き、構えられた左腕を斬り飛ばさんと刀身が沈み込む。応じるように災魔騎士に燃え盛り猛り狂うワズラの右腕が振るわれ、世界法則さえも覆す超常能力同士がぶつかり合う。雷刃がワズラを斬り裂き、灼熱の獄炎が災魔騎士を燃やし、それぞれの存在を覆しあい…災魔騎士が獄炎に包まれ燃え尽き静寂が訪れる。

●機械騎士の二重規範
 トリテレイアの操る儀式剣が鋭く奔り、大盾がゴウッ!と音をたて叩きつけられる。その度に雷光の鋭く弾ける音とともに災魔騎士が雷刀を持って斬撃を剛打を逸らし白の騎士へと反撃を返す。幾度かの攻防の後、紫電を纏った一撃を白の騎士鎧で受け止めたトリテレイアが何度も見定めた災魔騎士の動きを見切り、体格差を利用し大盾で視野を遮り死角から貫くような一撃へと繋げ…災魔騎士にするりと躱される。
 嘗て人々を護り続けた騎士であった技巧に恥じない動きを災魔騎士が見せ、流水の滑らかさでトリテレイアの胴を切断する一撃を成し、格納されていた隠し腕が展開され遮られる。半ばまで隠し腕を斬り裂き留まった災魔騎士に降り注ぐのは弾丸。騎士ではなく危機に反応した戦闘機械の冷徹な意思が最適解を選択し武装を開放し戦果を成し遂げる。
「…これは私に訪れるかもしれない結末の一つの形の顕現なのでしょうか」
 過去に溶けた災魔騎士を見送ったトリテレイアがその身の果てが騎士として終わるか戦闘機械として果てるか心の内で思案し緑光を閉ざす。

●迷宮の下層へ続く部屋
 重傷といっても差し支えない傷を負った戦獄龍が意気揚々とその部屋に辿り着き、機械騎士が迷宮の床を軋ませながら静かに顕れ災魔騎士を倒したことを共有する。周囲の雰囲気から倒すべき災魔達は全て排除したことを感じた二人が迷宮主の待つ下層へと視線を向け、昏い光に身を包まれ地上に転送される。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『獣の侵略者『デュラン』』

POW   :    内に潜む獣
【理性と記憶】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【一時的に自身を巨大な狼】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    達人の連撃
【腕を狙った飛ぶ斬撃】【足を狙った素早い銃撃】【胴を狙った重い蹴撃】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    鷹嵐
【相棒の鷹の鉤爪】が命中した対象に対し、高威力高命中の【暴風の魔術】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ナイツ・ディンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●獣の侵略者『デュラン』
 迷宮の下層に向かう猟兵達に魔法学園の教師が説明に訪れる。中層を攻略していただいた方はありがとうございました。迷宮主の討伐に来ていただいた方もありがとうございます、そう頭を下げ迷宮主に関して話し始める。
 最奥にいるのは獣の侵略者『デュラン』。一部の情報が欠落しているのですが元々は人間で獣の体に変えられた上、長い間迷宮に封印されたという経歴があります。性格は戦闘を楽しむ戦闘狂で災魔として蘇る前も様々な武器を扱う熟練の武芸者でその武威は衰えるどころか増していると思われます。自身を封印した魔法学園の関係者をひどく憎んでいるという話でもあるのですが直接かかわった当時の人間は現在生きておりませんのでそれに関してはどういう反応をするか不明です。

 続いて記録に残っているものとなりますが、代表的な攻撃も確認できましたのでこちらも聞いて頂けますようお願いいたしますと教師が話を進める。
 一つ目は、その身体を巨大な狼に転ずる解放術式です。魔力の込められた異国の衣装にその手に持つ刀剣と銃器。それらの装備に秘められた力を理性と記憶を代償にして巨大な狼となります。狼の状態では理性よりも本能により行動するようです。ただ、理性がないから安心できるわけではなく的確に急所を狙ってくる獣の狩りをしてきます。
 二つ目は、その身に修めた武術による連撃です。刀剣による飛ぶ斬撃、銃器による射撃、強烈な蹴撃と多彩な攻撃で四肢や身体を狙いこちらの攻撃を制限してきます。普通に戦っているときも織り交ぜてくる攻撃ですが3連撃には特に注意してください。
 三つ目は、普段は肩に留まっていたり戦場を見渡すように飛んでいる鷹との連携攻撃になります。意識を縫うように攻撃してきた鷹の一撃に気を取られた瞬間に強力な魔力の一撃を放ってきます。この魔術は紫電を含んだ暴風の魔術で避けることは至難だと思われます。

 調べられたことは異常となります。いつもお願いばかりとなりますが魔法学園のためにもよろしくお願いしますと教師が頭を下げて去ってゆき迷宮の入口に猟兵達が残される。
トール・ペルクナス
獣の侵略者……むかしむかしに聞いたことがある話だな
だが今は関係ない
どんな理由がありどれだけ恨みを抱えていようと無辜なる民に危害をもたらすのであれば私の敵だ

戦闘開始と共に【雷電王】を発動
仁王立ちでその身を雷電へと変換する
瞬時に加速、【属性攻撃:雷】を纏った右の拳で【先制攻撃】
「変身の時間も魔術を放つ時間も与えん」
懐に潜り込みそのままクロスレンジで戦闘
UCの三連撃は振るわれる剣は【戦闘知識】で察知、機械籠手の甲で【武器受け】して受け流す
銃撃は銃を手刀ではたき落とし蹴りは雷速で背後へ回ることで回避
「さらばだ、哀しき獣の侵略者」
【力溜め】した抜き手で背後から一刺し

※アマータとの連携不可
それ以外は可


シーザー・ゴールドマン
【POW】
熟練の武芸者か。災魔になって生前よりも脅威は増しているだろうね。
「君を封印した関係者は皆、鬼籍に入っているよ。
 彼等を憎んでいるというのであれば、会う手助けをしてあげよう」
戦術
『シドンの栄華』を発動。
オーラセイバーを振るって戦います。
敵の攻撃は[第六感][見切り][戦闘知識]を活かしての回避或いは受け流し。
攻撃は[2回攻撃][怪力][フェイント][カウンター]を駆使。
[オーラ防御]は常時展開。
敵が狼化した場合「ふむ、理性を失ったか。本能で的確に急所を狙ってきてはいるが……的確故に読みやすいな。残念だ」



●迷宮主の間へ続く広場
 不気味な静けさを湛えた迷宮主の間へと新たに転送された猟兵達が受けた説明を反芻しながら獣の侵略者との戦いに向け進み出る。

●迷宮主の間の大扉前
 黒の改造軍服を纏うトール・ペルクナス(雷光騎士・f13963)が、思案気に組んでいた腕をほどき、先ほど聞いた説明とかつて自身が過ごした時に得た知識をすり合わせながら隣の男に確認する。
「ふむ、獣の侵略者か…むかしむかしに聞いたことがある話だ。…さておき、また会ったな。一人で戦いたいなら邪魔はしないがどうする?」
「奇縁というべきかな?一人で戦うことに興味がないというと嘘になるが…熟練の武芸者が災魔になって生前よりも脅威を増しているなら、共闘した方が楽しめそうだね」
 再会を笑って受け入れたシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)が、彼我の戦力差を冷静に計った上で自身が望むように楽しむために共闘を提案し、迷宮主の間の大扉に目を向ける。音もなく開かれた大扉に二つの足音が消え、迷宮主と猟兵達の戦いの幕が上がる。

●獣の侵略者『デュラン』
 迷宮主の間で三人の男が対峙する。静謐を崩すのは口火。目の前に立つ獣人の目に消えない憎悪と理性の輝きを見たトールとシーザーが警戒を強めながらも測るように言葉を紡ぐ。
「境遇に同情しないとはいわんが、どんな理由がありどれだけ恨みを抱えていようと無辜なる民に危害をもたらすのであれば私の敵だ」
「残念ながら君を封印した関係者は皆、鬼籍に入っているよ。彼等を憎んでいるというのであれば、会う手助けをしてあげよう」
 獣人から返るのは意外なほど冷静な声。
「俺個人の憎悪はあるが災魔に堕ちて人間との共存もないだろう?それと、餞別をくれるなら骸の海に返るのもやぶさかではないな」
 そうして、立ち上るのは戦意。それに正面から応じるように腕を組み仁王立ちするトールの白い襟巻が帯電すると共にたなびき、雷を奔らせたトールの瞳が輝きを灯しその身を雷電へと転じ、その隣ではシーザーの瞳が黄金に陰り、真紅のスーツをさらに深く彩るようにオドが猛り纏われ、僅かに赤を帯びた魔力剣が創り出される。
 雷光が迷宮主の間を染め上げる。バリツの歩法で虚と突くようにトールが全てを置き去りにする雷速で奔り、雷の矢の如く瞬時に間合いを詰め、獣人に変身の時間も魔術を放つ時間も与えないとばかりに右手が手刀を成し、機械籠手が輝き雷刃が振るわれる。
 轟くは雷鳴。雷刃が獣人のタルワールと打ち合わされ紫電を散らし瞬時に構えられた銃口がトールへと向けられ、剛風を巻き込み踏み込んだシーザーの破壊の魔力を纏った光刃が振るわれ、即座に身を沈めた獣人が躱し、ダンピールの成す怪力と技術の粋である剣術が合わさり流れるように斬り返され、身を躱した勢いのまま獣人の唸るような回し蹴りと打ち合わされ、迷宮に甲高い音が響き渡る。シーザーの魔力剣と獣人の脚甲が削り合う音に紛れて奏でられるのは銃声。真紅のオーラごと身体を貫かれたシーザーがそれに構わず身を捻り再び魔力剣を横薙ぎにし、タルワールと打ち合わされ受け止められ、僅か身をよじった獣人を雷刃が貫く。
「さらばだ、哀しき獣の侵略者」
 その身を穿たれつつもさらに加速した動きで背後に回ったトールが雷刃に力を込めた刹那、貫手が押し戻され咆哮が上がる。

●迷宮主の間
 滲むように姿を変えた巨狼が怒りを含んだ咆哮の余韻と共に周囲を睥睨する。それを、赤を纏う偉丈夫が興味深げに眺め魔力剣を大型のものに造り替え、雷電の男が電界の剣をその身の周囲に廻らせつつ距離を開け瞳に警戒の色を強くする。

●内に潜む獣
 迷宮主の間に巨狼の息吹が響く。灰色の毛並みがところ狭しと駆け巡り暗がりを引き裂く白爪の一撃をシーザーの操る魔力剣が受け止め、獰猛に唸りを上げる鋭牙の一撃をトールの電界の剣が紫電を散らしながら押し留める。そうして、暫し後。距離を明け唸る巨狼と対峙するシーザーが斬り裂かれた服を、血を流す裂傷を創造の魔力と維持の魔力を用い修復しながらトールへと話しかける。
「なるほど、理性を失うとこうなるか。戦いとしては残念だが、獣としては驚異的とも言えるね。君、仕留められるような手段でもあるかな?」
「すまんな、大質量は些か不得手だ。手段はなくはないが、ここだと少々手狭だな。そちらに何か手があるなら私が動きを封じよう」
 鋭牙に貫かれた傷から雷電を弾けさせながらトールが答え、電界の剣が帯びる雷撃がバリッ!っと音を立てて蒼く色を深め、警戒を強めた巨狼が身を撓めトールへと躍りかかる。俊足の一撃がトールの首筋へと迫り、グレートソードほどの大きさに威容を増したシーザーの魔力剣に阻まれる。噛み砕かんと迫る巨狼と口腔に刃を突き立てようとするシーザーが鎬を削り合い、
「やはり、的確故に読みやすい。何度も見ていれば対応できない程ではないね」
「万物を操る雷の理をここに。雷の力をその身に刻め、イグニッションッ!」
 言葉と共に迷宮主の間を満たすのは目に見えない磁界の回廊。トールの操る電界の剣が雷電の通り道を創り出し音すら置き去りに黄雷が奔る。導かれるように迸る輝きが幾条にも分かれ網のように巨狼を拘束し…再び雷鳴がすべてを染め上げ、白一色に染まった迷宮主の間に真紅が浮かび上がりシーザーの声が続く。
「なるほど、私も負けていられないね。…これで、さよならだ」
 そうして、巨狼の鋭牙から解放された魔力剣が確かな手応えと共に振りぬかれる。

●終幕
 迷宮に色が戻り現れたのは顔に深い裂傷を刻み全身を雷撃で焦がした獣人のデュラン。記憶の整合性に戸惑うかのように頭を振る姿を見てトールとシーザーが頷き合い大扉から素早く迷宮主の間を脱出する。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アマータ・プリムス
なんだかこの迷宮に懐かしい匂いがする気がしますが気のせいでしょう
故郷のアルダワということで郷愁にかられているようです
今の相手は目の前の獣の侵略者、気を引き締めていきましょう

今回も当機の戦争指針は皆様のサポート
【目立たない】ように動き相手が攻撃に移ろうとした瞬間、名刺を顔目掛け【投擲】し注意を逸らす
戦闘中も【学習力】で行動パターンを把握
UCの発動タイミングを伺います
UCが発動され鷹が動きだしたら鷹を相手にUCを使用
フィールムで拘束
「相方がいなくては二重奏はできませんよ?」
動揺した相手にもフィールムを伸ばし拘束
他の味方にトドメをお願いしましょう

※アドリブ連携歓迎


ナノ・クロムウェル
真の姿を開放して戦います
…貴方が今何を思い、何故戦うのか私には分かりません
ですが…私達の生存を妨げるというのであれば容赦はしません

私は「ギア・ガントレット」に銃の機能を取り付け銃撃の牽制を行いつつ「翠炎剣」に翠の炎を纏わせた「属性攻撃」で戦います
「アルトロン」の「誘導弾」による砲撃も交えて追い詰めましょう
目に目をという奴です
私もあらゆる武器を使い戦いましょう

敵がユーベルコードを使ってきたら「勇気」を持って脱力し「翠の翼」を使い受け止めましょう
そして「蒸気式飛行ユニット」を「早業」で「防具改造」と「封印を解く」を行います
地上での速度を上げるブースターにしリミッターを解除
速度を乗せて突貫します


アルバ・ファルチェ
《POW》
(他の人との絡み、アドリブ歓迎)

巨大な狼ね…僕も真の姿を解き放てば似てるかも?
まぁ僕は僕のままで頑張るけど。

殺傷力が増すなら、僕は身体能力を強化する。
理性がなくても【かばう】とか【存在感】を示せば邪魔だって思われるよね?
巨大な相手に【挑発】【おびき寄せ】【誘惑】とか、【覚悟】が居るけどそれが僕の道だし、よく一緒になる女の子達にもカッコイイとこみせなきゃね!

攻撃されたら【盾/武器受け】【見切り】【オーラ防御】で防ぐ。
いつも同じ、僕の役割。
いつもと同じだからこそ体に染み付いて、考えるより先に動けるようになってるといいな。

最近は【カウンター】なんかの攻撃も、少し頑張れてるかな?



●迷宮主の間へ続く広場
 再び耳の痛いような静けさを湛えたそこに足音が近づいてくる。新たに転送され魔法学園の教師に現状を確認した猟兵達が、迷宮主の間で待つ獣の侵略者に挑むために歩みを進めてゆく。

●迷宮主の間の大扉前
 大扉に刻まれたアルダワ学園の紋章を眺めるアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)が、目をしばたたかせながら、なんだかこの迷宮に懐かしい匂いがする気がしますが気のせいでしょうか?と僅かに首を捻り、
「とはいえ、現状で気にすべきは迷宮主の間に居る獣の侵略者、気を引き締めていきましょう」
「……あれ?アマータちゃん何かあった?心配事だったら僕で良ければ聞くけど、大丈夫かい?」
「ファルチェさんはいつも通りで安心しますが、プリムスさんが考え事をされているのは珍しい気がします」
 そこに身を委ねることになる白銀の盾や星の宿る直剣を確認していたアルバ・ファルチェ(紫蒼の盾・f03401)が、純粋に心配しながらもよく一緒になる二人にカッコイイとこみせなきゃね!という考えを相棒であるコルノに見抜かれたのか、窘められるようにつつかれながら笑いかけ、その様子に無表情ながらも柔らかい視線を向けたナノ・クロムウェル(翠炎のメタルサバイバー・f02631)が、共に背中を預け合う仲間に心配事があるならと右目を翠炎で独特に輝かせながら以前を振り返るように問いかける。
 二人と一匹の様子に失礼いたしました、故郷のアルダワということで郷愁にかられているようです、と心配ないことをアマータが示し。へぇ、アマータちゃんってここ出身なんだ…機会があったら話を聞かせてよ、とアルバが軽く返しコルノにさらつつかれ。はい、でも無理はされないように、とナノが頷き翠水晶の輝きが増し、全身を覆う黒朱の装甲服が呼び出された歯車と組み合わされてゆく。そうして、並んで響く足音が戦いへの緊張感を孕み迷宮主の間へと消えてゆく。

●L'orgoglio del cavaliere
 猟兵達を頭部に傷を刻んだ獣人が咆哮を持って出迎える。迷宮を震わす雄たけびに逆らうようにアルバがコルノと共に踏み出し、獣人が滲むように巨狼へと姿を変化を遂げる。
「たしかに巨大な狼だね。僕も真の姿を解き放てば似てるかもしれないけど…まぁ、僕は僕のままで騎士として頑張るのが誇りさ」
 そう言ってナノとアマータを巨狼の視線から遮るようにアルバが掲げた白銀の盾に、引き寄せられるように巨狼が体当たりを仕掛ける。床へと靴跡を刻みながらも耐えたアルバを薙ぎ払うように巨狼の巨爪が振り上げられ、それを妨げるように巨狼の顔へアマータの投げた白いカードが飛翔する。巨狼の鼻や瞳に的確に投げられるそれは名刺。白銀の盾に巨狼の視界が遮られた時間を利用し戦場を見渡し支えるのに適した位置取りに移動したアマータが巨狼を自由にさせない様に次々と投擲し、中空を舞っていた鷹の襲撃を受ける。
 響き渡るのは銃声と衝突音。頭上から迫る鷹の爪撃をコルノの角による突撃が受け止めそのままもつれ合うように空中戦に移行し、アルバの献身により巨狼の側面へと回り込んだナノが籠手型の魔導蒸気機械の前腕部部分に銃身を表出させ、纏わせた翠炎で殴りつけるとともに銃撃での追撃を行い、飛行ユニットの繊細に使った機械化された身体ならではの蹴撃を織り交ぜた連撃へと繋げる。
 その様子をアマータが冷静に見つめながらアルバやナノへの援護を続け、巨狼の視線がナノに向こうとするたびにアルバが挑発するように前に回り込む。
「聞こえているかは知らないけど…盾の騎士の血にかけて、彼女達には君の牙も爪も届かさせはしないよ」

●獣の侵略者
 巨狼の爪牙を紫蒼の盾騎士が迷宮に幾筋もの擦過痕を残しながら防ぎとめ、相棒たる槍龍が獣人の鷹を食い止め、アンティークドールのメイドが巨狼の気を逸らし攻防の起点となるようにサポートをこなしてゆき、翠炎の少女の円弧を描くような蹴撃が纏った翠炎を燃え盛らせ巨狼の頭を打ち抜き、巨狼が朧に滲んでゆく。

●翠の翼
 巨狼の暴威が覚めた後には軽く頭を振り頭上を見やった獣人。明らかに行動のパターンが変化したであろう相手に隙をつくようにアマータが幾枚もの名刺を油断なく投げつけ、そのどれもが受け止められたのを見て驚きと共に僅かに目を見張り、獣人の姿がかき消える。
 アマータの目の前で響くのは脚甲と白銀の盾が打ちつけられた衝突音。アマータへと踏み込んだ獣人の一撃を敵意・悪意…目に見えない些細な機微で、読み取ったアルバが考えるよりも早くその間に割り込み、続く剣撃を盾で受け止め、銃撃を身を逸らし掠めさせつつも捌き、頭部を狙う振り上げられた蹴撃を躱そうとした刹那。巨狼の攻撃を受け止め酷使した足の反応が遅れ顎を捉えられ膝をつくように姿勢を崩す。
 そこに飛行ユニットに翠を灯したナノが抜き放った翠炎剣を横薙ぎに飛び込み、ナノと獣人が対峙する。
「ファルチェさん、ご無事ですか?アマータさんはファルチェさんをお願いします。ここは少しだけ私にお任せください」
 心配するアルバと、了承を伝えるアマータを背に構えるのは翠炎を滾らせた巨剣。再び獣人の姿が描き消えるように踏み込んだのを目に見えず理解したナノの猛る翠炎がかき消える。訪れるのは不思議な静寂。横薙ぎに腕を狙った剣撃が、足を向けて二連射された銃弾が、腹部に向けて放たれた後ろ回し蹴りが、ナノへと吸い込まれ音も衝撃もなく達人の連撃のみが舞われ、ナノの身体を包むように翠の羽根を舞い上がり翠翼が燃え上がる。それは、勇気をもって死の恐怖を克服した証。それを祝福するように蒸気と歯車が迷宮の空気を震わせナノが獣人との間合いを詰め決意を語る。
「…貴方が今何を思い、何故戦うのか私には分かりません。ですが…私達の生存を妨げるというのであれば容赦はしません」

●獣の侵略者
 翠炎の天使が翠羽根を舞い上げながら踊るように翠炎剣で迷宮主の間に炎痕を刻み、手甲と脚甲を黒く溶断されながらも防ぎきる獣人が何を考えてるか知りたければ倒して見せろと吼え叫び、アンティークドールのメイドが七つ道具から応急処置の道具を取り出し紫蒼の盾騎士の患部を素早く診断し、静かに身体の感覚を正していた紫蒼の盾騎士が鋭く呼気を吐くと共に確かな足の運びで姿勢を正し、弾ける衝撃と共に翠翼が巻き上がる。

●Festina lente
 翠の羽根が舞い上がりコルノの柔毛と鷹の羽毛が舞い落ちる中、猟兵達と獣人との戦いの三幕目が上がる。アルバの操る白銀の盾が獣人の銃撃を遮り高い音を鳴らし、同時に振るわれる横薙ぎをナノの翠炎剣が遮り、獣人の蹴撃を抑え込むようにアマータが名刺を投擲する。
 その目まぐるしい戦いの最中、アマータがさらなる支援を巡らせようと銀のトランクに手をかけた刹那。アマータが視界の端にコルノを振り切りった鷹がその身を翻しアルバの背後へと急降下を始める姿を捉え、刹那の攻防の始まりを銀閃が刻む。
 最初に迷宮主の間を斬り裂いたのはアマータの傀儡鋼糸。人形を扱う細くて強靭な鋼糸が絹鳴りのような音を響かせ床を叩き垂直に伸びあがり、己の使役する鷹に合わせるように獣人の腕に紫電と暴風が撓められる。
 そうして、魔術の発動を見たアルバが白銀の盾で遮るように踏み込み、その背後に自然な動きでナノが翠翼を羽搏かせて滑り込み、僅かに笑みを深めたアマータの涼やかな声が響く。
「今回も当機の役目は皆様のサポートをすることです。アルバ様、ナノ様、コルノ様だけではなく、当機がいつも『誰か』の為に全力を尽くしているのは変わりませんが、こう言わせて頂きましょう。そちらが二重奏ならば、こちらは四重奏です」
 鋼糸が鷹の翼を絡め捕るように拘束しコルノの角が鷹の身体を貫き、アルバが構え姿勢そのままに護りを託し蹴撃のお返しとばかりに白銀の盾を獣人の顎へと叩き込み、制御を失った雷嵐を背中を預けられたナノが翠炎剣を盾に遮り雷鳴と暴風が迷宮主の間を浚う。そのまま姿勢を崩した獣人を押し込むようにナノが翠翼に力を籠め翠炎剣を振るい、最後に煌くのは星の剣。アルバが白銀の盾を引く流れに任せて身体を躍らせた剣閃が獣人を貫き、空気を零すような笑みを浮かべ獣人が過去へと還る。

●終幕
 迷宮主の間から悪夢が覚めるようにデュランが消え去ったのを見てアルバが僅かに気恥ずかしそうに声を掛ける。
「お疲れ様。無事で良かったけど…少し恥ずかしいところを見せたかな?もちろん、コルノにも感謝してるよ」
 言葉の途中で自慢の角でつついて来たコルノにアルバがそう返す様子に、愛用の箒で激戦の名残を掃き清める手を止めてアマータが綺麗な礼を返しながら言葉を返す。
「いえ、いつも感謝しております。当機が皆様のサポートに注力できるのもアルバ様が盾としての役割を担ってくださっているおかげですから」
「うまくは言えませんが、ファルチェさんには私もいつも助けられています。……しかし、あの笑顔は何だったのでしょうか?」
 アルバの言葉に答えたナノが思案するように戦いの最中に問いかけた言葉の答えを吟味する。それからわずか後、暗い光が猟兵達を魔法学園まで転送し騒動が終結する。

●侵略者の去った部屋
 それからしばしの後、獣の侵略者が過去へと戻った部屋に魔法学園の教師が訪れる。続いて生徒達が現われ静けさに満ちていたその一室が騒々しさに満たされる。そこに過去から蘇った厄災の魔はいない。激戦があったことを知るものも少ない。過去は過去として掘り起こされることなく静かな眠りにつき、守られた日常が平凡な未来として紡がれてゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月27日
宿敵 『獣の侵略者『デュラン』』 を撃破!


挿絵イラスト