2
銀河帝国攻略戦⑭~白き死、来たる

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#戦争
🔒
#銀河帝国攻略戦


0





「お疲れ様です。休む暇もなく申し訳ありませんが、次の仕事です」
 労いの言葉もそこそこに、カルパ・メルカは話を切り出した。
 超巨大要塞『エンペラーズマインド』の攻略に成功した現状、銀河帝国との戦いは概ね順調に推移していると言って良いが、まだまだ気を抜ける状況からは程遠い。
「新たな敵戦力として、『白魔』艦隊が投入される事が分かりました」
 高速艦のみで編成される、白騎士ディアブロの直属艦隊。遥か昔に『伝説の解放軍』を苦しめ、翻弄したと伝えられている。
「その手段とは、特攻です」
 強力な自爆能力を持つ高速輸送艦に、強襲用の兵力を満載して敵艦隊に特攻。敵艦隊内部で輸送艦を自爆させた後、その混乱に乗じて強襲兵力で蹂躙する。
 帰りの足を持たない捨て身の戦術だけあって、その威力は絶大だ。この攻撃を許せば多くのスペースシップが宇宙の塵と化すであろう事は想像に難くない。
「さて、そこで。彼らがこちらの艦隊へと接触するより先に、艦内の自爆装置を起動する、というのが今回の作戦になります」
 グリモア猟兵が掌を掲げると、立方体が浮かび上がる。かつての解放軍にはなかった対抗手段。転移の力。
「そんな訳でこれから輸送艦の内部へと皆様を転送する事になるのですが、グリモアの力もそこまで万能ではなく」
 残念ながらお目当ての装置まで直通、とは行かない。転移した地点から、自爆装置の存在するコアルームまで、敵戦力を排除しながら移動する必要がある。
 先にも触れたが、艦内にはスペースシップを落とせるだけの戦力を満載しており、その上に今回は時間制限まである。全てを撃破する事は不可能だろう。
 時間を掛ければ敵が大挙して押し寄せる。ただ敵集団を倒すだけでなく、いかに素早く目的地に到達するかが作戦の鍵を握る。
「簡単な仕事ではないですが、よろしくお願い致します」
 あちらと違って帰り道は保証されてますので、そう言って彼女は猟兵達へと頭を下げた。


井深ロド
 お久しぶりです、井深と申します。
 戦争だそうです。お付き合い下さい。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
47




第1章 集団戦 『タイプ・メデューサ』

POW   :    触手の一撃
単純で重い【液状触手】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    強化増殖
自身が戦闘で瀕死になると【(強化版)タイプ・メデューサ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
WIZ   :    石化粘液
【液状の触手】から【石化粘液】を放ち、【石化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

轟・富士王
集団を相手に、いかに早く目的地まで到達するか……おじさん知ってるよ、ゲームなら壁に埋まって抜けたりできるんだよね!
まあおじさんはただのおじさんなので、そんな幽霊みたいなバグできないんだけど。
後続に道を切り開くことならできそうかな。
飛閃・流れ星でタイプ・メデューサの群れに突撃。
おじさんの前に道は無い、だがおじさんの後に道ができるのだよ。少しの間だけですけどね!
「さあ、おじさんを踏み台にして先に進むがいい! できれば同い年以上の妙齢女性に踏まれたい! ささ、どうぞぐいっと!!」


キギ・レインメーカー
自爆特攻か…めんどくさいことしてくるね。悪いけど邪魔させてもらうよ。
【行動方針】
スペースシップワールドの「世界知識」を基に艦内にある自爆装置の場所を予想して探すよ
敵への対応は「零れる雨」で攻撃。石化粘液が届く前に流しちゃえば問題ないよね
自爆装置起動後は「世界知識」「逃げ足」で脱出ルートを確保、みんな無事に脱出できるといいね
【その他】
連携、アドリブ歓迎です


柳生・友矩
えっと、えっと...、とう、うーん....。りあえずこの黒い海月みたいなのを倒せば良いのですね...?
もう春だというのに...。この戦いはいつまで続くのでしょうか...。
【WIZ】相手の動きを押し戻すくらい速く刀を振るいますっ!相手が動く前に型を打ち込みます。が、頑張ります...。
他の方々ができるだけ自由に動けるように援護する形で敵を倒して行こうと思います!



「自爆特攻か‥‥めんどくさいことしてくるね」
 全くその通りだが、まあ仕方がない。何しろ戦争である。
 是非はさて置き、より多く、より大きな嫌がらせをした側が優位に立てる道理だ。クリーンな戦争などと言うものには、そうそう出会えるものではない。
 この戦いはいつまで続くのでしょうか、と。傍らの羅刹がそう嘆くのも宜なるかな。
 ともあれ、その面倒事を片付ける為に敵地へと降り立ったキギ・レインメーカーが素早く視線を走らせると、壁際に並ぶ機械装置が目についた。
 転移した先は、どうやら発電機室だろうか。あるいは冷却器室や変圧器室なのかもしれなかったが、少なくとも兵員室や戦闘指揮所でない事は確かなようだ。
 いきなり敵群と鉢合わせなかったのは幸いだ。この隙にスペースシップワールドに関する知識を、携えた日記と脳内から引き出し、現在地と目的地との位置関係に当たりをつける。
 目指すべきゴールが分かれば、後は駆け抜けるだけだ。

「おじさん知ってるよ、ゲームなら壁に埋まって抜けたりできるんだよね!」
 UDCアース界隈で流行りのコンピュータゲームで聞きそうな話であるが、しかし悲しいかな、ここはゲームの世界ではない。
 いや、もしかすると現実世界でかの挙動を再現する手段もあるのかもしれないが。仮に使えたとして、宇宙船の内部構造を熟知していなければ、迂闊に壁抜けして暗黒空間に放り出される可能性も大いに考えられる。
 結局サムライエンパイア生まれのおじさんとしては、地道に敵を薙ぎ倒しながら進むのが一番の近道という事だろう。
「とりあえず、この黒い海月みたいなのを倒せば良いのですね‥‥?」
 発電機室から通路へと躍り出た猟兵達を出迎えたのは、柳生・友矩が言うところの黒い海月みたいなの。タイプ・メデューサの小集団。
 その顔と思しき部位に浮かぶ気の抜けた表情からは、闖入者の迎撃に駆け付けたのか、それとも偶然居合わせただけなのかを読み取る事は叶わなかったが、触手の動きを見るに既に戦闘態勢であるのはどうやら間違いない。
 もたげた腕に伝うのは、超常の力を持つ粘液。放たれたのは、その名に冠する型に違わぬ石化の弾幕。
 だが、遅い。
「悪いけど邪魔させてもらうよ」
 備えていたのはこちらも同じ。いかに彼らが死を厭わぬとて、同じ条件で一兵卒に後れを取る程に猟兵はやわではない。
 天の御使いが杯を掲げ、戦場に水気が満ちる。漆黒の海を漂う箱舟に注ぐ神秘の雨が、迫る脅威を押し止め、洗い流していく。
 その瞬間、緒戦の勝敗は決した。
 異世界の技術は知らずとも、怪異の斬り方ならば十二分に知っている。一度間合いを詰めてしまえば、もはやサムライ達の相手にはなり得ない。
 敵に随って転変し、一重の手段を施す。対手が人型から程遠い異形であれ、若き剣士の動きは些かも鈍る事なく。反撃の触腕は動く傍からその悉くが弾かれ、削られ、斬り落とされた。
 少年の控えめな言葉とは裏腹に、振るう刃は正しく鬼の如き力を以て、黒い波を押し返し。
「さあ、おじさんを踏み台にして先に進むがいい!」
 進路上に顔を出した増援の第一陣には、流星と化した轟・富士王が文字通りに穴を開けた。
 作戦説明の場に居合わせた顔ぶれが若年男性ばかりであったから、同い年以上の妙齢女性に踏まれたいとのおじさんの願望は叶いそうになかったが、そこはそれ、ご褒美がなくともおじさんは役目を果たした。おじさんはプロフェッショナルである。
 王の牙が宇宙海月を切り伏せて、増殖できぬままに一つ、二つ。足元に広がる粘体の池。
 ほんの少しの間、しかし確かに。道が、拓かれる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

麻古衣・紬
ちゃちゃっと敵集団を抜けて、コアルームまで行けばいいんですね!

ユーベルコードのインディスクリミネイト・フリーズで一気に蹴散らすか
少なくとも足止めしてやれば極力攻撃を受けずに素早くコアルームまで
到達出来るですかね。

僕自身が到達できなくても他の猟兵さんが到達出来れば自爆装置の
起動は可能でしょうし、基本的には足止めに専念しましょう。

もし、足止め等移動時の人手が足りているようなら僕も自爆装置の
ところまで行って起爆しましょう。



 警報が鳴り響く。
 けたたましいこれは単なる音なのか、それとも人外の種へ向けた言語なのだろうか。
 そう益体もない事を考えながら、ぼんやりと虚空を見つめていた麻古衣・紬の瞳が動くものを捉えた。おかわりだ。
 次から次へと短時間でこうも湧いて出るところを見るに、やはり足止めを買って出て正解だったのだろう。
 電脳魔術士としては起爆操作などでも出番があったのかもしれないが、彼の大技は名の通りに考えなしの側面があるから、多人数での連携行動には少しばかり組み込み難い。
「全てを瞬く間に凍て尽くせ!」
 ただ、こうして一人残って迎撃に専念するとなれば、彼の無差別凍結術はこの上なく有効だ。
 風が吹き、雪が舞う。幾度目かの増援へ幾度目かの猛威が襲い掛かった。
 粘液が急速に柔らかさを失い、何十もの触手が熱を奪われて、止まる。白く染まった世界は瞬く間に静寂に包まれ‥‥いや、僅かにぼこぼこと、恐らくは生き延びた個体が強化増殖を行う音が聞こえるが、まあ問題はないだろう。
 優れた能力を持つ兵員輸送艦ではあるが、その性能は効率良く目的地に兵力を降ろす事に主眼を置いたもの。内部での白兵戦に特化した構造ではなく、端的に言ってしまえば、この通路で無暗に増えても閊えるのだ。
 どちらにせよ、反撃を許されぬまま立往生する未来が待つ事には変わりない。
「あとは、他の猟兵さん次第ですかね」
 ちゃちゃっと敵集団を抜けていけたなら、そろそろ到着する頃だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

塩崎・曲人
おーおー、すげぇ数
こりゃマジでまともに相手はしてらんねぇな

【地形を利用】【逃げ足】も駆使して可能な限り接敵を避けつつ
的に遭遇したら【咎力封じ】で相手を束縛し、その隙に突破を狙う
瀕死になると増殖するなら、生かさず殺さず放置すりゃいいんだ
「言うほど簡単じゃねぇんだけどな!とりあえず寝てろ!」
無論仲間と連携を取って動く
現場の状況次第で、オレが足止め訳になって仲間を通すか、仲間がバトってる内にオレがすり抜けるか判断する
どう転んでも時間がないから、なるべく足を止めずに強引に走り抜けたいぜ

【アドリブ可】


春霞・遙
戦闘はあまり得意ではないのですけど、敵を倒すことが目的でないのなら。

【シャドウチェイサー】でコアルームまでの道のりを確認、その間で倒さなければいけない敵に目星をつけて他の方に伝えます。
その上で、拳銃での「援護射撃」や回復・手当をしつつ、石化粘液は避けるか大丈夫そうならローブで払う。
充分に敵影がまばらなのであれば、先陣を切った方々の戦いに紛れて「目立たない」ように「忍び足」でコアルームへ向かう。「聞き耳」と「第六感」で撃ち漏らした敵に気づけるよう注意して、邪魔する敵だけ「零距離射撃」の「だまし討ち」で倒して進む。



 乱戦の最中に迎撃行動を取らない敵個体を見付けて、もしやと思ったが。当たりだ。
 影の追跡者が辿り着いた先には、防備を固める為に集められたであろう多数のタイプ・メデューサ。そしてその奥に、一つの扉。
 それ自体は道中で見掛けた幾つかと同じものに見えたが、傍らに備え付けられた開閉用の端末が他と異なる。恐らくは、相応の立場にある将兵だけに立ち入りを制限する為のもの。
 そうして守らなければならないものとは、つまり。
 己がユーベルコードから得た情報を、今度は自らの視点から認識して、春霞・遙は確信した。五感のみならず、第六感がそうだと叫んでいる。
「あれがコアルームです」

「おーおー、すげぇ数」
 要の守り。当然ながら、ここに至るまでに遭遇したそれの比ではない。呆れたように溜め息を吐くも、避けて通れない事は身に沁みて知っている。
 逡巡なく、塩崎・曲人は敵陣へと飛び込んだ。
 対処法は既に心得ている。瀕死になると増殖するなら、生かさず殺さず放置すれば良い。至極単純な理屈だ。口で言う程に簡単ではないと思っていたが、幸か不幸か練習の機会は十分にあった。
「そのまま寝てろ!」
 手慣れた様子で一体二体と縛り上げると、扉に程近い簀巻きの足元に鉄パイプを差し込んで、梃子の原理で撥ね上げる。積み重ねて即席のバリケードとしたところで、大立ち回りに紛れて遙がするりと滑り込んだ。
「開きそうですか?」
 力尽くで破った方が早いだろうか。そう訊ねると、男は小箱を翳す事で返答とした。
 箱から噴き出した蒸気が固まり、カードキーを形作る。認証、通過。バイクを盗むより楽な仕事だ。
 アウトローの世界には便利な道具があるらしい。いや、拳銃を携えた医師というものは裏社会の人間に数えられる気もするが。兎も角、ここは彼の方が適任のようだ。
 それならばと、駆け込む青年を見送って、女医は命懸けの土竜叩き。
「戦闘はあまり得意ではないのですけど」
 そうも言っていられる局面でもない。これが最後の時間稼ぎ。阻塞を飛び越えてきた粘液を外套で払うと、お返しとばかりに銃口を突き付ける。

 探し物は程なく見つかった。
 なるほど、これは自爆する為の艦である。誤操作があってはならないが、いざその瞬間にもたつくのも問題だ。折衷案としてはこんなところだろう。
 分かり易い警告色のボタン。覆う防弾ガラスを叩き割り、そのまま勢い良く殴り付けると、同じく警告色のカウントダウンが浮かび上がった。
「そんじゃ、さっさとずらかろうか!」
 別の音色へと切り替わった警報を聞き流しながらコアルームを飛び出すと、狼狽える海月を尻目に撤退ラインへとひた走る。
 任務完了。死をもたらす白い魔物は、独り宇宙で花と散る。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月18日


挿絵イラスト